JPH1083900A - 偏向電磁石及び粒子加速器 - Google Patents

偏向電磁石及び粒子加速器

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JPH1083900A
JPH1083900A JP23645896A JP23645896A JPH1083900A JP H1083900 A JPH1083900 A JP H1083900A JP 23645896 A JP23645896 A JP 23645896A JP 23645896 A JP23645896 A JP 23645896A JP H1083900 A JPH1083900 A JP H1083900A
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JP
Japan
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charged particle
particle beam
bending
electromagnet
lamination
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JP23645896A
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Akiko Yamaguchi
晶子 山口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、磁場調整が簡単に行え、かつ作製を
容易にする。 【解決手段】各磁極23、24の傾きが同一のn値の空
隙22に形成された積層用鉄心20を直線的に積層した
H型のヨーク21を用いてコンバインド型偏向電磁石を
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁場を発生させて
荷電粒子ビームを収束又は発散させる偏向電磁石及びこ
の偏向電磁石を荷電粒子ビームの軌道に沿って配置して
なる粒子加速器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、粒子加速器は、電子、陽子、イ
オン等の荷電粒子ビームを高エネルギ状態に加速するも
のであり、例えば素粒子研究、シンクロトロン放射光の
利用、医療等に用いられている。
【0003】図14はかかる粒子加速器の構成図であ
る。線形加速器1には、輸送管2を介して入射機器3が
接続されている。この入射機器3には、ビームダクト4
が接続され、このビームダクト4上に複数の偏向電磁石
5a〜5d、複数の四極電磁石6a〜6f及び高周波加
速空洞7が配置されている。
【0004】このような構成であれば、線形加速器1で
加速された荷電粒子ビーム8は、輸送管2を経て、入射
機器3からビームダクト4内に入射する。このビームダ
クト4内に入射した荷電粒子ビーム8は、各偏向電磁石
5a〜5dにより所定方向の磁場、例えば図中において
加速粒子の電荷を正とすると、図の裏側から表側に向か
う方向の磁場がかけられて所定方向、例えば図中の時計
回り方向に偏向される。
【0005】これと共にビームダクト4内に入射した荷
電粒子ビーム8は、各四極電磁石6a〜6fにより収
束、発散が行われ、さらに高周波加速空洞7により高エ
ネルギに加速される。
【0006】このような粒子加速器に用いられる各偏向
電磁石5a〜5dは、それぞれ磁極間の空隙に一様磁場
を発生し、荷電粒子ビーム8をその進行方向に対して垂
直方向に曲げるものとなっている。
【0007】すなわち、これら偏向電磁石5a〜5d
は、空隙の形成された鉄心(ヨーク)と励磁コイルとか
ら構成され、一様磁場の生じた空隙に荷電粒子ビーム8
が通過すると、この荷電粒子ビーム8を曲げるものとな
っている。
【0008】ここで、荷電粒子ビーム8をその進行方向
に対して垂直方向に偏向するだけであれば、ヨークの空
隙に形成される2つの磁極面は、端部漏れ磁場効果の補
正のために磁極端部に設けられるシムと呼ばれる突起部
を除き、互いに平行な平面となる。
【0009】このような偏向電磁石に対し、荷電粒子ビ
ーム8を収束・発散させる四極電磁石の機能を付加した
電磁石は、コンバインド型偏向電磁石と呼ばれる。図1
5はかかるコンバインド型偏向電磁石を荷電粒子ビーム
の進行方向に対して垂直方向に切断して示す断面構成図
である。
【0010】図15に示すようにコンバインド型偏向電
磁石は、H型のヨーク10及び励磁コイル11から構成
されており、H型のヨーク10には、空隙12が形成さ
れている。
【0011】ここで、荷電粒子ビームの軌道中心Qを原
点、偏向される方向をマイナスX方向、X方向に対して
垂直方向をY方向とし、磁極13a、13bに傾きを形
成することにより、荷電粒子ビームの偏向される方向に
対して垂直なY方向にも磁場が発生するようになる。
【0012】すなわち、図16に示すように磁極13
a、13b間に発生する磁力線14の様子から判るよう
に、荷電粒子ビームの軌道中心Qにおける磁場と比較し
て、マイナスX方向となる程X方向の磁場成分が弱ま
り、かつY方向の磁場成分が大きくなる。
【0013】X=0のところでの磁極間距離をg、偏向
電磁石の偏向半径をρとすると、磁極13a、13bの
傾きyは、 y=(g/2)/{1−(n/ρ)x} …(1) により表される。
【0014】しかるに、この磁極13a、13bの傾き
yとなるように磁極13a、13bを加工すると、X及
びY方向にそれぞれ一様な磁場勾配を持つようになり、
荷電粒子ビームを収束・発散することができる。
【0015】ここで、上記式(1) においてnは、n値と
呼ばれ、収束力の大きさはこのn値に依存する。従っ
て、荷電粒子ビームの電荷を正とすると、n値が0<n
<1であれば、水平・垂直の両方向とも収束となり、又
n値がn<0であれば、X方向に収束、Y方向に発散と
なり、さらにn値が1<nであれば、X方向に発散、Y
方向に収束となる。そして、n=0(n値がない)の場
合、磁極13a、13bに傾きはなく荷電粒子ビームの
収束・発散作用はなく、通常の偏向電磁石である。
【0016】このようなコンバインド型偏向電磁石にお
いて、n値が異なるものを組み合わせることにより、荷
電粒子ビームの収束、発散を行う四極電磁石6a〜6f
を用いないシンクロトロンを作製できる。
【0017】これら四極電磁石6a〜6fを用いなけれ
ば、粒子加速器において各偏向電磁石5a〜5dと各四
極電磁石6a〜6fとはそれぞれ個別の電源を用いてい
たことから、複雑な制御が不要となり、小型化が図れ
る。
【0018】一方、シンクロトロンを構成する偏向電磁
石としては、例えば図17に示すように1台の偏向電磁
石のC型のヨーク15中にn値の異なる部分が形成され
たタイプも用いられている。
【0019】すなわち、偏向電磁石は、鉄心材のブロッ
クを加工したヨーク15及び励磁コイル16から構成さ
れ、このうちヨーク15には、水平方向に収束(以下、
Fと称する)作用となるn値の形状を有する磁極15a
と、このn値と符号が逆である発散(以下、Dと称す
る)作用となる磁極15bとが形成され、これらがFD
Fで配置されている。
【0020】図18はヨーク15を荷電粒子ビームの軌
道方向から見た図であり、F作用を有する磁極15aの
形状と、このn値と符号が逆であるD作用を有する磁極
15bの形状とが分かる。
【0021】このようなタイプの偏向電磁石をシンクロ
トロンに用いると、荷電粒子ビームに対する収束・発散
の繰り返しが多くなり収束力が強まる。これにより、コ
ンバインド型偏向電磁石の台数を増やすことなく荷電粒
子ビームに対する収束力を強めることができる。
【0022】ところで、偏向電磁石のヨークの作製方法
は、鉄心材のブロックを加工する方法と積層用鉄心を荷
電粒子ビームの軸方向に積層する方法とが一般的となっ
ている。
【0023】しかしながら、上記のように鉄心材のブロ
ックを加工したヨーク15を用いた偏向電磁石では、こ
れを交流で用いると、渦電流により所定の磁場が発生せ
ずに使用できない。
【0024】又、コンバインド型偏向電磁石の磁極間で
生じる磁場分布は複雑であり、磁極の形状が偏向力、収
束力の大きさを左右する。このため、鉄心材のブロック
を加工して所定の磁場を発生させるためには、鉄心材の
ブロックを高精度で加工してヨーク15を作製しなけれ
ばならず、かつヨーク15を作製した後、磁場を調整す
ることは非常に困難である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにコンバイ
ンド型偏向電磁石は、複雑な磁極形状と磁場分布を持つ
ので、鉄心材のブロックを精度高く加工して作製するの
が難しく、かつ磁場を調整することが非常に困難であ
り、所定の性能を出すことが難しい。
【0026】このため、コンバインド型偏向電磁石を用
いたシンクロトロンでは、調整用多極電磁石等を設置し
たり、ビームダクト4に余裕を持たせたりして補正しな
ければならず、コンバインド型偏向電磁石自身とシンク
ロトロンが大型化する。
【0027】そこで本発明は、磁場調整が簡単に行え、
かつ作製が容易な偏向電磁石を提供することを目的とす
る。又、本発明は、磁場調整が簡単にできて作製が容易
な偏向電磁石を用いて小型化を図れる粒子加速器を提供
することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、磁場
を発生させて荷電粒子ビームを収束又は発散させる偏向
電磁石において、同一形状の空隙の形成された複数の積
層用鉄心を直線的又は所定の曲率に沿って積層してヨー
クを形成した偏向電磁石である。
【0029】請求項2によれば、磁場を発生させて荷電
粒子ビームを収束又は発散させる偏向電磁石において、
磁極の傾きが異なるように空隙の形状が形成された複数
種類の積層用鉄心を積層してヨークを形成した偏向電磁
石である。
【0030】請求項3によれば、磁場を発生させて荷電
粒子ビームを収束又は発散させる偏向電磁石において、
荷電粒子ビームを収束する磁極の傾きに空隙の形状が形
成された積層用鉄心を積層して第1のセクションを形成
し、荷電粒子ビームを発散する磁極の傾きに空隙の形状
が形成された積層用鉄心を積層して第2のセクションを
形成し、これら第1と第2のセクションを交互に配置し
てヨークを形成した偏向電磁石である。
【0031】請求項4によれば、請求項3記載の偏向電
磁石において、磁場を発生させて荷電粒子ビームを収束
又は発散させる偏向電磁石において、第1と第2のセク
ションにおける各積層用鉄心は、それぞれの磁極の傾き
が積層用鉄心の積層方向から見て左右対象となる空隙の
形状に形成されている。
【0032】このような偏向電磁石であれば、積層構造
のヨークとすることにより、作製が容易であるととも
に、積層用鉄心の枚数を変えることにより簡単に磁場の
調整ができ、例えば積層用鉄心を薄板とすることにより
磁場の微調整が可能となり、偏向電磁石自身を小型化で
きる。
【0033】請求項5によれば、少なくとも複数の偏向
電磁石及び高周波加速空洞を荷電粒子ビームの軌道に沿
って配置して荷電粒子ビームを加速する粒子加速器にお
いて、複数の偏向電磁石を、それぞれ磁極の傾きが異な
る空隙の形状に形成された各積層用鉄心を積層して形成
した各ヨークを用いた各積層タイプとした粒子加速器で
ある。
【0034】請求項6によれば、請求項5記載の粒子加
速器において、複数の偏向電磁石は、それぞれ荷電粒子
ビームを収束する磁極の傾きに空隙の形状が形成された
第1の積層タイプ、又は荷電粒子ビームを発散する磁極
の傾きに空隙の形状が形成された第2の積層タイプであ
る。このように粒子加速器であれば、作製が容易である
とともに簡単に磁場の調整ができる小型の偏向電磁石を
用いることにより粒子加速器の小型化が図れる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
について図面を参照して説明する。図1はコンバインド
型偏向電磁石の構成図である。このコンバインド型偏向
電磁石は、同図(a) に示すように複数の積層用鉄心20
を直線的、例えばZ方向に直線的に積層してH型のヨー
ク21を形成したものである。
【0036】これら積層用鉄心20は、それぞれ同図
(b) に示すように同一形状の空隙22、すなわち各磁極
23、24の傾きが同一になる空隙22の形状のn値に
形成されている。
【0037】例えば、図2に示すようにコンバインド型
偏向電磁石中央A点におけるn値をno とすると、セン
ターポール25から見て偏向電磁石中央から角度θだけ
ずれた点Bにおける実効的なn値は、 n(θ)=no ・ cosθ …(2) に表されるように角度θに応じて変化する。従って、コ
ンバインド型偏向電磁石において、荷電粒子ビーム軌道
Q上の、この値の積分
【0038】
【数1】 が必要なn値となるように、no の値を算出し、磁極2
3、24の形状を決定するものとなる。
【0039】このように同一のn値に対応する磁極2
3、24の傾きに形成された複数の積層用鉄心20を積
層したヨーク21には、励磁コイル26が設けられてい
る。このような構成のコンバインド型偏向電磁石であれ
ば、荷電粒子ビームを偏向するための磁場は、荷電粒子
ビームの進行方向に対して垂直な成分である。
【0040】ここで、A点での荷電粒子ビームに加わる
偏向磁場は、図2及び図3(a) に示すように磁極23、
24の幅lo において加わる。B点で荷電粒子ビームに
加わる偏向磁場は、図2及び図3(b) に示すようにA点
における磁極23、24の幅lo に対して角度θのずれ
に対応して磁極23、24の幅l1 が、見掛け上 l1 =lo / cosθ …(4) となる。
【0041】すなわち、荷電粒子ビームに対して垂直方
向の磁極23、24の幅l1 、つまりセンターポール2
5から荷電粒子ビームを見たときの磁極23、24の幅
1は、図3(b) に示すように上記式(4) に示す長さに
なる。
【0042】従って、偏向電磁石中央A点から角度θだ
けずれた点Bにおける実効的なn値は、上記式(2) に示
すようにコンバインド型偏向電磁石中央A点におけるn
値をno よりも小さくなることから、B点における実効
的な磁極23、24の傾きは小さくなる。
【0043】又、磁極間距離をg、偏向電磁石の偏向半
径をρとすると、磁極23、24の傾きyは、 y=(g/2)/{1−(n/ρ)x} により表されることは上記式(1) に示したが、本実施の
形態のコンバインド型偏向電磁石の場合、磁極間距離g
や偏向電磁石の偏向半径ρは変わらず、さらには各積層
用鉄心20のn値は同一であることから磁極23、24
の傾きyも変わらない。
【0044】これにより、上記式(1) のx、すなわち磁
極23、24の幅l1 が長くなることが分かる。従っ
て、上記コンバインド型偏向電磁石であれば、複数の積
層用鉄心20を同一n値に対応した磁極23、24の傾
きで形成し、これら積層用鉄心20を積層してヨーク2
1を形成することにより、荷電粒子ビームの軌道Q上に
おいて、偏向電磁石中央A点から角度θだけずれた点B
における実効的なn値を、中央A点のno よりも小さく
することができる。
【0045】このように上記第1の実施の形態おいて
は、各磁極23、24の傾きが同一のn値の空隙22に
形成された積層用鉄心20を直線的に積層したH型のヨ
ーク21を用いたコンバインド型偏向電磁石としたの
で、積層構造のヨーク21とすることにより、作製が容
易であるとともに、積層用鉄心20の枚数を変えること
により簡単に磁場の調整ができ、例えば積層用鉄心20
を薄板とすることにより磁場の微調整が可能となり、か
つ磁極23、24の間隔を狭めることができ、偏向電磁
石自身を小型化できる。
【0046】又、荷電粒子ビームの軌道Q上において、
偏向電磁石中央A点から角度θだけずれた点Bにおける
実効的なn値を中央A点のno よりも小さくでき、理想
的に収束された安定した荷電粒子ビームを供給すること
ができ、かつ荷電粒子ビームが安定するため、このビー
ムの広がりを小さくできる。
【0047】一方、図4は上記コンバインド型偏向電磁
石、すなわちコンバインド型偏向電磁石27a〜27d
を用いた粒子加速器の構成図である。線形加速器1に
は、輸送管2を介して入射機器3が接続されている。こ
の入射機器3には、ビームダクト4が接続され、このビ
ームダクト4上に複数の偏向電磁石27a〜27d及び
高周波加速空洞7が配置されている。
【0048】このような構成であれば、線形加速器1で
加速された荷電粒子ビーム8は、輸送管2を経て、入射
機器3からビームダクト4内に入射する。このビームダ
クト4内に入射した荷電粒子ビーム8は、各偏向電磁石
27a〜27dにより所定方向の磁場、例えば図中にお
いて加速粒子の電荷を正とすると、図の裏側から表側に
向かう方向の磁場がかけられて所定方向、例えば図中の
時計回り方向に偏向される。
【0049】これと共にビームダクト4内に入射した荷
電粒子ビーム8は、高周波加速空洞7により高エネルギ
に加速される。このような粒子加速器であれば、各コン
バインド型偏向電磁石27a〜27dにおいて理想的に
収束された安定した荷電粒子ビームを供給することがで
き、かつ荷電粒子ビームが安定するため、このビームの
広がりを小さくできてビームダクト4のサイズを小さく
でき、かつ磁場調整が簡単にできて作製が容易な偏向電
磁石27a〜27dを用いて粒子加速器の小型化を図る
ことができる。
【0050】次に本発明の第2の実施の形態について図
面を参照して説明する。図5はコンバインド型偏向電磁
石の構成図である。このコンバインド型偏向電磁石は、
複数の積層用鉄心30を所定の曲率、例えば荷電粒子ビ
ーム軌道Qに沿って積層してH型のヨーク31を形成し
たものである。
【0051】これら積層用鉄心30は、それぞれ図6に
示すように同一形状の空隙32、すなわち各磁極33、
34の傾きが同一になる空隙32の形状のn値に形成さ
れている。
【0052】例えば、図5に示すようにコンバインド型
偏向電磁石中央A点におけるn値をno とすると、セン
ターポール35から見て偏向電磁石中央から角度θだけ
ずれた点Bにおける実効的なn値は、 n(θ)=no / cosθ …(5) に表されるように角度θに応じて変化する。
【0053】従って、上記第1の実施の形態と同様に、
荷電粒子ビーム軌道Q上の、この値の積分が必要なn値
となるように、no の値を算出し、磁極33、34の形
状を決定する。
【0054】このように同一のn値に対応する磁極3
3、34の傾きに形成された複数の積層用鉄心30を積
層したヨーク31には、励磁コイル36が設けられてい
る。このような構成のコンバインド型偏向電磁石であれ
ば、荷電粒子ビームを偏向するための磁場は、荷電粒子
ビームの進行方向に対して垂直な成分である。
【0055】ここで、A点での荷電粒子ビームに加わる
偏向磁場は、磁極33、34の幅lo において加わる。
B点で荷電粒子ビームに加わる偏向磁場は、A点におけ
る磁極33、34の幅lo よりも角度θのずれに対応し
て磁極33、34の幅l2 が、見掛け上 l2 =lo ・ cosθ …(6) となり短くなる。
【0056】すなわち、荷電粒子ビームに対して垂直方
向の磁極33、34の幅l2 、つまりセンターポール3
5から荷電粒子ビームを見たときの磁極33、34の幅
2は狭くなる。
【0057】従って、偏向電磁石中央A点から角度θだ
けずれた点Bにおける実効的なn値は、コンバインド型
偏向電磁石中央A点におけるn値をno よりも大きくな
ることから、B点における実効的な磁極33、34の傾
きは、上記式(6) からも大きくなる。
【0058】このように上記第2の実施の形態おいて
は、複数の積層用鉄心30を例えば荷電粒子ビーム軌道
Qに沿って積層したH型のヨーク31を用いたコンバイ
ンド型偏向電磁石としたので、上記第1の実施の形態と
同様に、作製が容易であるとともに、積層用鉄心30の
枚数を変えることにより簡単に磁場の調整ができ、例え
ば積層用鉄心30を薄板とすることにより磁場の微調整
が可能となり、かつ磁極33、34の間隔を狭めること
ができ、偏向電磁石自身を小型化できる。
【0059】又、荷電粒子ビームの軌道Q上において、
偏向電磁石中央A点から角度θだけずれた点Bにおける
実効的なn値を中央A点のno よりも大きくでき、理想
的に収束された安定した荷電粒子ビームを供給すること
ができる。
【0060】一方、かかるコンバインド型偏向電磁石を
粒子加速器に適用すれば、これらコンバインド型偏向電
磁石において理想的に収束された安定した荷電粒子ビー
ムを供給することができ、かつ荷電粒子ビームが安定す
るため、ビームダクト4に所定の磁場が得られないため
の余裕分をみる必要はなく、かつ調整用多極電磁石等を
設置する必要もなく、偏向電磁石を用いての粒子加速器
の小型化を図ることができる。
【0061】次に本発明の第3の実施の形態について図
面を参照して説明する。図7はコンバインド型偏向電磁
石の構成図である。このコンバインド型偏向電磁石は、
磁極の傾きの異なる、すなわちn値の異なる空隙が形成
された複数種類の積層用鉄心、例えばn1 の積層用鉄心
40とn2の積層用鉄心41とを積層してヨーク42を
形成したものである。なお、これら積層用鉄心40及び
積層用鉄心41には励磁コイルが設けられている。
【0062】このようなコンバインド型偏向電磁石であ
れば、1台の偏向電磁石の中に収束効果と発散効果との
両方を合わせ持つ構造にできる。これにより、荷電粒子
ビームに対して、収束・発散の繰り返しが多くなり、荷
電粒子ビームの収束力を大きくできる。
【0063】一方、図8はかかるコンバインド型偏向電
磁石を用いた粒子加速器の構成図である。荷電粒子ビー
ムの軌道Q上には、例えばn1 の積層用鉄心40とn2
の積層用鉄心41とを積層して形成したヨーク42を用
いたコンバインド型偏向電磁石43a〜43hが設置さ
れている。
【0064】なお、線形加速器1や輸送管2、入射機器
3、ビームダクト4も図示しないが設けられている。こ
のような粒子加速器であれば、偏向電磁石43a〜43
hの台数を増やすことなく荷電粒子ビームの収束・発散
の繰り返しを多くでき、より理想的に収束された安定し
た荷電粒子ビームを供給することができ、かつ荷電粒子
ビームが安定するため、このビームの広がりを小さくで
きてビームダクト4のサイズを小さくできる。
【0065】又、各偏向電磁石43a〜43hにおいて
各積層用鉄心40、41の枚数を変えることにより磁場
調整ができるので、調整用多極電磁石等を設置する必要
もなく、偏向電磁石を用いての粒子加速器の小型化を図
ることができる。
【0066】次に本発明の第4の実施の形態について図
面を参照して説明する。図9はコンバインド型偏向電磁
石の構成図である。このコンバインド型偏向電磁石は、
水平方向に収束(F)作用となるn値の形状を有する磁
極の形成された複数の積層用鉄心50を積層してFセク
ション50a、50bを形成し、かつこの上記n値と符
号が逆である発散(D)作用となる磁極の形成された複
数の積層用鉄心51を積層してDセクション51aを形
成し、これらFセクション50a、50bとDセクショ
ン51aとをFDFと配置したC型のヨーク52を備え
ている。
【0067】図10は荷電粒子ビームの進行方向から見
たFセクション50a、50bとDセクション51aの
各磁極の形状を示している。なお、53は励磁コイルで
ある。
【0068】このようにヨーク52をFセクション50
a、50bとDセクション51aとをFDFに配置した
コンバインド型偏向電磁石であれば、製作が容易であ
り、かつ荷電粒子ビームに対する収束・発散の繰り返し
を多くすることができて収束力を大きくでき、そのうえ
積層用鉄心50、51の積層構造とすることによりFセ
クション50a、50bとDセクション51aとにおい
て積層用鉄心50、51の枚数を調整して簡単に収束力
を調整できる。
【0069】一方、図11はかかるコンバインド型偏向
電磁石を用いた粒子加速器の構成図である。荷電粒子ビ
ームの軌道Q上には、水平方向に収束(F)作用となる
n値の形状を有する磁極の形成された複数の積層用鉄心
50を積層してFセクション50a、50bを形成し、
かつこの上記n値と符号が逆である発散(D)作用とな
る磁極の形成された複数の積層用鉄心51を積層してD
セクション51aを形成し、これらFセクション50
a、50bとDセクション51aとをFDFと配置した
C型のヨーク52を用いた複数のコンバインド型偏向電
磁石54a〜54hが設置されている。
【0070】なお、線形加速器1や輸送管2、入射機器
3、ビームダクト4も図示しないが設けられている。こ
のような粒子加速器であれば、上記第3の実施の形態と
同様に、偏向電磁石54a〜54hの台数を増やすこと
なく荷電粒子ビームの収束・発散の繰り返しを多くで
き、より理想的に収束された安定した荷電粒子ビームを
供給することができ、かつ荷電粒子ビームが安定するた
め、このビームの広がりを小さくできてビームダクト4
のサイズを小さくできる。
【0071】又、各偏向電磁石54a〜54hにおいて
各積層用鉄心50、51の枚数を変えることにより磁場
調整ができるので、調整用多極電磁石等を設置する必要
もなく、偏向電磁石を用いての粒子加速器の小型化を図
ることができる。
【0072】次に本発明の第5の実施の形態について図
面を参照して説明する。図12(a) はコンバインド型偏
向電磁石の構成図である。このコンバインド型偏向電磁
石は、水平方向に収束(F)作用となるFセクション6
0a、60bと、発散(D)作用となるDセクション6
0cとが、FDFに配置されてH型のヨーク61が形成
されている。
【0073】これらFセクション60a、60b及びD
セクション60cは、それぞれ磁極の傾きが荷電粒子ビ
ームの進行方向から見て左右対称に形成されている。と
ころが、これらFセクション60a、60b及びDセク
ション60cに用いる積層用鉄心62は、同一n値の形
状を有する磁極で形成されたものとなっている。なお、
これら積層用鉄心62の厚さは、例えば0.5mm程度
に形成されている。
【0074】図12(b) は収束(F)作用となる積層用
鉄心62の構成図であり、n値の形状を有する磁極6
3、64の傾きに形成されており、図12(c) は発散
(F)作用となる積層用鉄心62の構成図であり、同一
のn値の形状を有する磁極63、64の傾きに形成され
ており、これらは荷電粒子ビームの進行方向に対して裏
返したものとなっている。
【0075】従って、Fセクション60a、60bとD
セクション60cとは、同一の積層用鉄心62を互いに
反転させて積層した構成となっている。このようなコン
バインド型偏向電磁石であれば、製作が容易であり、か
つ荷電粒子ビームに対する収束・発散の繰り返しを多く
することができて収束力を大きくでき、そのうえFセク
ション60a、60bとDセクション60cとの境目で
積層用鉄心62の枚数を調整することにより簡単に収束
力を調整できる。
【0076】一方、かかるコンバインド型偏向電磁石を
粒子加速器に適用すれば、上記実施の形態と同様に、コ
ンバインド型偏向電磁石において理想的に収束された安
定した荷電粒子ビームを供給することができ、かつ荷電
粒子ビームが安定するため、このビームの広がりを小さ
くできてビームダクト4のサイズを小さくでき、調整用
多極電磁石等を設置する必要もなく、偏向電磁石を用い
ての粒子加速器の小型化を図ることができる。
【0077】次に本発明の第6の実施の形態について図
面を参照して説明する。図13はコンバインド型偏向電
磁石を用いた粒子加速器の構成図である。荷電粒子ビー
ムの軌道上に沿って複数のFタイプのコンバインド型偏
向電磁石70a〜70d及びDタイプの71a〜71d
が配置されている。
【0078】このうちFタイプのコンバインド型偏向電
磁石70a〜70dは、水平方向に収束(F)作用とな
るn値の形状を有する磁極の形成された複数の積層用鉄
心を積層してヨークを形成し、このヨークに励磁コイル
を設けたものである。
【0079】Dタイプのコンバインド型偏向電磁石71
a〜71dは、発散(D)作用となるn値の形状を有す
る磁極の形成された複数の積層用鉄心を積層してヨーク
を形成し、このヨークに励磁コイルを設けたものであ
る。
【0080】これらタイプの偏向電磁石70a〜70d
及び71a〜71dに用いられる各積層用鉄心は、同形
のものが用いられている。すなわち、これらタイプの偏
向電磁石70a〜70dと71a〜71dとにおいてn
値は、絶対値が等しく、符号が逆の関係となっている。
【0081】又、これらタイプの偏向電磁石70a〜7
0d及び71a〜71dは、荷電粒子ビームの収束力の
調整のために、Fタイプの偏向電磁石70a〜70dの
ヨークを長く形成し、Dタイプの偏向電磁石71a〜7
1dのヨークを短く形成している。
【0082】このような粒子加速器であれば、積層用鉄
心の枚数を変えることにより各タイプの偏向電磁石70
a〜70d及び71a〜71dにおいて磁場調整がで
き、広がりが小さい質のよい荷電粒子ビームが得られ、
調整用多極電磁石が不要でビームダクトの断面も小型化
できる。
【0083】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、磁
場調整が簡単に行え、かつ作製が容易な偏向電磁石を提
供できる。又、本発明によれば、磁場調整が簡単にでき
て作製が容易な偏向電磁石を用いて小型化を図れる粒子
加速器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるコンバインド型偏向電磁石の第
1の実施の形態を示し、同図(a) はその側面図、同図
(b) は縦断面図。
【図2】同偏向電磁石における各角度の偏向磁場の作用
を示す図。
【図3】各角度における磁極長さの実効的な長さを示
し、同図(a) は図2におけるA点の磁極長さを示す図、
同図(b) は図2におけるB点の磁極長さを示す図。
【図4】同コンバインド型偏向電磁石を用いた粒子加速
器の構成図。
【図5】本発明に係わるコンバインド型偏向電磁石の第
2の実施の形態を示す構成図。
【図6】同偏向電磁石における積層用鉄心の構成図。
【図7】本発明に係わるコンバインド型偏向電磁石の第
3の実施の形態を示す構成図。
【図8】同コンバインド型偏向電磁石を用いた粒子加速
器の構成図。
【図9】本発明に係わるコンバインド型偏向電磁石の第
4の実施の形態を示す構成図。
【図10】荷電粒子ビームの進行方向から見たF及びD
セクションの各磁極の形状を示す図。
【図11】同コンバインド型偏向電磁石を用いた粒子加
速器の構成図。
【図12】本発明に係わるコンバインド型偏向電磁石の
第5の実施の形態を示し、同図(a) はその側面図、同図
(b) は収束作用部の縦断面図、同図(c) は発散作用部の
縦断面図。
【図13】本発明に係わる粒子加速器の第6の実施の形
態を示す構成図。
【図14】粒子加速器の構成図。
【図15】コンバインド型偏向電磁石の断面構成図。
【図16】磁極間に発生する磁力線の様子を示す図。
【図17】ヨーク中にn値の異なる部分が形成されたタ
イプの偏向電磁石の構成図。
【図18】F及びD作用を持つ磁極形状を荷電粒子ビー
ムの軌道方向から見た構成図。
【符号の説明】
20,30,40,41…積層用鉄心、 21,31,42…ヨーク、 22…空隙、 23,24…磁極、 26,36…励磁コイル、 27a〜27d,43a〜43h…コンバインド型偏向
電磁石、 50,51…積層用鉄心、 50a,50b…Fセクション、 51a…Dセクション、 54a〜54h…コンバインド型偏向電磁石、 60a,60b…Fセクション、 60c…Dセクション、 61…ヨーク、 62…積層用鉄心、 70a〜70d…Fタイプの偏向電磁石、 71a〜71d…Dタイプの偏向電磁石。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場を発生させて荷電粒子ビームを収束
    又は発散させる偏向電磁石において、 同一形状の空隙の形成された複数の積層用鉄心を直線的
    又は所定の曲率に沿って積層してヨークを形成したこと
    を特徴とする偏向電磁石。
  2. 【請求項2】 磁場を発生させて荷電粒子ビームを収束
    又は発散させる偏向電磁石において、 磁極の傾きが異なるように空隙の形状が形成された複数
    種類の積層用鉄心を積層してヨークを形成したことを特
    徴とする偏向電磁石。
  3. 【請求項3】 磁場を発生させて荷電粒子ビームを収束
    又は発散させる偏向電磁石において、 前記荷電粒子ビームを収束する磁極の傾きに空隙の形状
    が形成された積層用鉄心を積層して第1のセクションを
    形成し、前記荷電粒子ビームを発散する磁極の傾きに空
    隙の形状が形成された積層用鉄心を積層して第2のセク
    ションを形成し、これら第1と第2のセクションを交互
    に配置してヨークを形成したことを特徴とする偏向電磁
    石。
  4. 【請求項4】 磁場を発生させて荷電粒子ビームを収束
    又は発散させる偏向電磁石において、 前記第1と第2のセクションにおける前記各積層用鉄心
    は、それぞれの磁極の傾きが前記積層用鉄心の積層方向
    から見て左右対象となる前記空隙の形状に形成されたこ
    とを特徴とする請求項3記載の偏向電磁石。
  5. 【請求項5】 少なくとも複数の偏向電磁石及び高周波
    加速空洞を荷電粒子ビームの軌道に沿って配置して前記
    荷電粒子を加速する粒子加速器において、 前記複数の偏向電磁石を、それぞれ磁極の傾きが異なる
    空隙の形状に形成された各積層用鉄心を積層して形成し
    た各ヨークを用いた各積層タイプとしたことを特徴とす
    る粒子加速器。
  6. 【請求項6】 前記複数の偏向電磁石は、それぞれ前記
    荷電粒子ビームを収束する磁極の傾きに空隙の形状が形
    成された第1の積層タイプ、又は前記荷電粒子ビームを
    発散する磁極の傾きに空隙の形状が形成された第2の積
    層タイプであることを特徴とする請求項5記載の粒子加
    速器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006294575A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Kumada Hitomi 低温荷電粒子線治療加速器
JP2008171712A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Mitsubishi Electric Corp 荷電粒子加速装置

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