JP2000256714A - 高炉の出銑滓制御装置 - Google Patents
高炉の出銑滓制御装置Info
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Abstract
ることで、出銑時間の延長を図る。 【解決手段】出銑孔7の上方の羽口2(a)の羽口径
を、その他の羽口2(b)の羽口径より大きくして、当
該出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量を、その他の
羽口2(b)からの送風量に対して、相対的に増加でき
るようにしておくと共に少なくとも当該出銑孔上方の羽
口2(a)には流量制御弁8を介装し、当該出銑孔7か
らの出銑滓量を増加するときには、出銑孔上方の羽口2
(a)からの送風量を、他の羽口からの送風量に対し
て、相対的に増加することにより、コークス充填層4と
マッド堆積層5との間の空間6を広げ、その中の溶銑滓
9の流動性を高める。逆に出銑滓量を減少するときに
は、出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量を、他の羽
口2(b)からの送風量に対して、相対的に減少する。
Description
滓ごと出銑孔から出銑滓として排出する際の高炉の出銑
滓制御装置に関するものである。
を上方から投入し、炉の下部に設けられた羽口から熱風
を送風することにより、当該羽口前方の所謂レースウエ
イで燃焼に類似した温度上昇が発生し、これによって鉱
石が溶融し、溶銑と溶滓として炉床に流下する。溶滓と
は、溶銑以外の文字通り滓であり、スラグとも呼ばれ、
一般的には、比重の関係から、溶滓より溶銑が下方に溜
まる。このように高炉の炉床部に貯留された溶銑及び溶
滓(以下、単に溶銑滓とも記す)は、炉壁下端部に形成
された出銑孔から出銑滓として排出される。
ては、例えば特公昭63−65730号公報に記載され
るものがある。この従来技術は、羽口からの送風量と出
銑孔深度とを相対的に制御するものであり、例えば出銑
孔深度が浅くなったときには、羽口からの送風量を減少
することにより、出銑孔近傍のガス流れが不活発とな
り、出銑孔近傍にスラグが付着して、出銑孔深度が深く
なるなどとしている。また、出銑の末期において、出銑
孔からガス吹きが生じる,所謂荒出の状態になると、羽
口からの送風量を減少することにより、炉床部に貯留し
ている溶銑滓のレベル,つまり液面を安定させ、ガス吹
きを抑制できるとしている。なお、出銑作業が終了した
ら、前記出銑孔にマッドと呼ばれる充填材を押し込んで
それを閉塞する。
での出銑作業では、安定した出銑滓量を長時間に渡って
排出することが最大の目標である。このことは、逆に言
えば、同等の出銑量が要求されているときには、出銑回
数を減少させることと同じである。しかしながら、前記
従来の出銑滓制御方法において、出銑の末期における荒
出状態で、羽口からの送風量を減少すると、ガス吹きは
抑制できるものの、実際の出銑時間を長くすることはで
きない。即ち、荒出状態となってから、出銑滓量を増加
安定させるように羽口からの送風量を減少すると、ガス
吹きは抑制されるものの、出銑滓量も減少するから、こ
れ以上の安定した出銑滓は望めないとして出銑孔をマッ
ドで閉塞する。ところが、実際の高炉の炉床部には、排
出されない溶銑や溶滓(特に溶滓)が貯留し続け、出銑
滓のバランスが崩れてしまうことがある。そこで、出銑
孔を複数形成して二箇所以上から出銑作業を行う,所謂
ラップ出銑が行われる。このようにラップ出銑を行う
と、今度は出銑滓が多量に排出されるため、炉床部の溶
銑滓が短期に減少し、出銑滓作業は短時間で終了する。
この繰返しにより、排出される溶銑量の全体に対する
比,つまり出銑比を高めて増産しようとすればするほ
ど、ラップ出銑回数が増加し、出銑回数も増加すること
になり、出銑時間そのものは短縮されてしまうという結
果になる。
とにより出銑回数を低減することで出銑時間そのものを
長くし、また出銑孔を閉塞するマッドの使用量や出銑孔
深度まで調整することができる高炉の出銑滓制御装置を
提供することを目的とするものである。
め、本発明のうち請求項1に係る高炉の出銑滓制御装置
は、高炉の出銑孔から排出される出銑滓量を増減制御す
る制御装置であって、前記出銑孔近傍のコークス充填層
とマッド堆積層との間の空間を調整するために、当該出
銑孔上方の羽口の羽口径を、その他の羽口の羽口径より
大きくし且つ少なくとも当該出銑孔上方の羽口に流量制
御弁を介装したことを特徴とするものである。
出銑滓制御装置は、高炉の出銑孔から排出される出銑滓
量を増減制御する制御装置であって、前記出銑孔近傍の
コークス充填層とマッド堆積層との間の空間を調整する
ために、全ての羽口に流量制御弁を介装したことを特徴
とするものである。ここで、後述するように、これらの
発明は、羽口より下方のコークス充填層と出銑孔が開口
されるマッド堆積層との間で、溶銑及び溶滓(溶銑滓)
が流動する空間に着目してなされた。即ち、この空間が
大きいと溶銑滓の流動性が向上するので出銑滓量は増加
するし、逆に空間が小さいと溶銑滓の流動性が低下して
出銑滓量は減少する。この空間は、コークス充填層かマ
ッド堆積層の何れか一方又は双方を制御することで調整
可能である。そこで、本発明では、前記出銑孔の上方の
羽口からの送風量を、その他の羽口からの送風量に対し
て、相対的に増減制御することで、コークス充填層の状
態をコントロールし、もって当該コークス充填層とマッ
ド堆積層との間の空間を調整する。即ち、出銑孔から排
出される出銑滓量を増加するときには、当該出銑孔の上
方の羽口からの送風量を、他の羽口からの送風量に対し
て、相対的に増加することにより、コークス充填層とマ
ッド堆積層との間の空間が大きくなる。また、出銑孔か
ら排出される出銑滓量を減少するときには、当該出銑孔
の上方の羽口からの送風量を、他の羽口からの送風量に
対して、相対的に減少することにより、コークス充填層
とマッド堆積層との間の空間が小さくなるのである。こ
の羽口送風量の相対制御に必要な構成が本発明である。
御装置の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図1には、本実施形態の高炉の羽口から炉床部ま
での縦断面図を示す。高炉の炉壁1の下部には、その全
周に渡って、熱風送風口としての羽口2が設けられてい
る。この羽口2には、図示されない熱風炉で1000℃
程度まで加熱されたガスが供給され、当該羽口2から高
炉内に吹出された熱風は、後述するコークス充填層4に
レースウエイ3と呼ばれる高熱空間部を形成する。
や鉱石等は、前記羽口2より下方では、ほぼコークスだ
けからなるコークス充填層4を形成する。これは、前記
レースウエイ3での高温加熱によって鉱石が溶融し、そ
れが溶銑及び溶滓,つまり溶銑滓9として炉床部に流下
するためである。また、炉床部は、耐火材からなるマッ
ドで覆われて、マッド堆積層5を構成している。このマ
ッドは、炉壁からマッド堆積層5まで穿設された出銑孔
7を閉塞するために用いられるものであり、このマッド
堆積層5が、本来の炉床を保護している。
堆積層5上に溶銑滓9が或る程度溜まったら、前記炉壁
1からマッド堆積層5まで出銑孔7を貫通し、この出銑
孔7から溶銑滓9を出銑滓として排出する。次に、前記
羽口のレイアウトの一例を図2に示す。本実施形態の高
炉では、第1出銑孔7(a)から第3出銑孔7(c)ま
での三つの出銑孔を用いる。一方、炉壁には全周に渡っ
て、計33個の羽口2が設けられている。全ての羽口2
は、共通の熱風供給源に接続されており、どの羽口2か
らも十分な熱風を吹出すことができるようになってい
る。
上方の羽口2(a),具体的には第1出銑孔7(a)の
上方で、それを挟むように配設されている第1及び第3
3羽口2(a)、第2出銑孔7(b)の上方で、それを
挟むように配設されている第15及び第16羽口2
(a)、第3出銑孔7(c)の上方で、それを挟むよう
に配設されている第18及び第19羽口2(a)の各羽
口径を、その他の羽口2(b)の羽口径より大きくし
て、それら出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量が、
その他の羽口2(b)からの送風量に対して、相対的に
増加できるようになっている。但し、例えば出銑作業に
用いられる出銑孔7は、原則的に一つだけであることな
どから、これら出銑孔上方で羽口径の大きな羽口2
(a)には、熱風の送風量を調整するための流量制御弁
8を介装してある。
前記出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量を、その他
の羽口2(b)からの送風量に対して、相対的に増加し
たり減少したり、或いは両者を同等に制御したりするも
のであるため、前記羽口2のレイアウトは、例えば図3
に示すようなものであってもよい。即ち、全ての羽口2
の羽口径を、前記出銑孔上方の羽口2(a)の羽口径と
同程度とし、全ての羽口に流量制御弁8を介装する。従
って、例えば出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量
を、その他の羽口2(b)からの送風量に対して、相対
的に増加させるならば、当該出銑孔上方の羽口2(a)
に介装される流量制御弁8を開き且つその他の羽口2
(b)に介装される流量制御弁8を閉じればよい。逆に
例えば出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量を、その
他の羽口2(b)からの送風量に対して、相対的に減少
させるならば、当該出銑孔上方の羽口2(a)に介装さ
れる流量制御弁8を閉じ且つその他の羽口2(b)に介
装される流量制御弁8を開けばよい。また、全ての羽口
2からの送風量を同等にするならば、全ての羽口2の流
量制御弁8の開度を同程度にすればよい。
ついて図4を用いて説明する。この流量制御弁は、セラ
ミックスを弁体8aとした高温・高圧・高流速下でも長
時間の使用に耐えられるものであり、送風支管11の延
長部12と、羽口2内のブローパイプ13に接続するた
めの下部ベンド14との間の球面短管15に一体化され
ている。この流量制御弁8の開度は、手動若しくはアク
チュエータによって連続的に変更可能であり、その風量
割合特性は図5に示すようになっている。なお、風量割
合は、各弁開角度(開度)での風量を全開風量で除した
値の百分率で表れる。
について説明する。まず、安定した出銑滓量を確保しな
がら出銑滓時間を延長する理想について図6の出銑滓量
特性図を用いて説明する。即ち、例えば安定した出銑滓
量が期待できるとするならば、高炉の耐久性からも材料
供給の面からも、溶銑や溶滓ができる量,即ち造銑滓量
は一定であることが望ましく、実際の操業でも造銑滓量
は一定になるようにしている。つまり、例えば造銑滓量
を増加させようとすれば、炉内温度を上昇させなければ
ならないことから炉体の耐久性が低下するし、原材料も
プロセス的に増加供給しなければならない。これに対し
て、一般的な出銑滓量特性は、図6のように表れる。即
ち、何らの操作も施さない場合、出銑の経時と共に、出
銑孔径が、熱による損耗で大きくなるために、出銑滓量
は出銑後期に増加する。これを一定である造銑滓量に近
づけて、出銑時間を延長するためには、初期の出銑孔径
を小さくしておかなければならないことから、出銑初期
には出銑滓量は造銑滓量より少なくなってしまう。出銑
時間の延長は、実際の出銑滓量を造銑滓量に近づけるこ
とによって可能となり、それを安定化させることにより
大幅な延長が可能となる。
に記載されるように、出銑の末期に荒出状態が発生する
のは、羽口からの送風量が多過ぎて、内部の圧力が高く
なり、それにより炉床部の溶銑滓の液面が波立ってしま
うためであると考えられており、従って荒出状態になる
と羽口からの送風量を減少し、ガス吹きを抑制するよう
にしていた。しかしながら、そのようにすると、確かに
ガス吹きは抑制されるものの、出銑滓量そのものも減少
してしまい、安定した出銑滓量が得られないとして出銑
作業を終了している。つまり、従来は出銑滓量を増加し
ようとして羽口からの送風量を減少しているにも係わら
ず、実質的には出銑滓量が減少してしまうという矛盾が
あった。また、このように羽口からの送風量を減少する
ために、羽口径そのものを小さくすると、今度は増産の
ために送風量を増加させたくとも対応できないことなど
の問題もあった。なお、出銑作業の終了は、出銑孔をマ
ッドで閉塞することで行われる。
を重ねた結果、以下の知見を得て、本発明を開発した。
即ち、出銑滓量が少ないということ,つまり排銑滓性が
悪いということは、炉内出銑孔近傍での溶銑滓の流動性
が悪いということであり、流動性が悪化する原因は温度
が低いか、抵抗となるものが存在するかの何れかであ
る。このうち、実際の操業では溶銑滓の温度をほぼ一定
になるようにコントロールしていること、また排銑滓性
の悪い出銑孔からの出銑滓温度が低いとは限らないこと
から、出銑滓量は、溶銑滓が貯留している炉床部のう
ち、例えば前記図1に示すように、コークス充填層4と
マッド堆積層5との間の空間6における溶銑滓9の流動
性が関与していることを見出した。但し、この空間6と
は、単純に層同志間の空間というだけでなく、実質的に
は層をなさないコークス間の隙間といった空間も含んで
いる。この空間6が大きいと、溶銑滓9の流動性が向上
して出銑滓量が増加する(排銑滓性が向上する)。ま
た、逆にこの空間6が小さいと、溶銑滓9の流動性が低
下して出銑滓量が減少する(排銑滓性が低下する)。こ
の流動性に関しては、後段に詳述するように、主として
粘性の大きい溶滓の方が影響を受け易いのであるが、何
れにしてもこの空間をコントロールすることができれ
ば、出銑滓量を自在に調整できることが判明した。
コークス充填層4とマッド堆積層5との相対的な位置関
係である。例えば図1において、コークス充填層4の出
銑孔側端部を破線で示す位置まで変位させることができ
れば、マッド堆積層5との間の空間6は広がる。逆に、
マッド堆積層5のうち、出銑孔7部位におけるコークス
充填層4側端部を破線で示す位置まで変位させても、コ
ークス充填層4との間の空間6は広がる。このうち、前
者は、出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量を、その
他の羽口2(b)からの送風量に対して、相対的に増加
させることで可能となることが分かった。つまり、出銑
孔上方の羽口2(a)からの送風量を、その他の羽口2
(b)からの送風量に対して、相対的に増加させると、
コークス充填層4全体が出銑孔7から遠ざかる方向に移
動しようとしたり、或いは出銑孔側のコークス充填層4
が密になるように圧縮されたりすることにより、当該コ
ークス充填層4の出銑孔側端部は出銑孔7から遠ざか
り、マッド堆積層5との間の空間6が大きくなるのであ
る。
すように、前記各出銑孔上方の羽口2(a)の羽口径
を、その他の羽口2(b)の羽口径より大きく設定し
て、当該出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量を、そ
の他の羽口2(b)からの送風量に対して、相対的に増
加できるようにしてある。また、出銑滓以外のときに
は、前述のように、炉内での造銑滓を可及的に安定させ
るのが望ましく、また後述のように炉体を保護するため
にも、前記各出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量
を、その他の羽口2(b)からの送風量と同等にする必
要がある。更に、後述するようにマッドの使用量を減少
しようとするならば、逆に当該出銑孔上方の羽口2
(a)からの送風量を、その他の羽口2(b)からの送
風量に対して、相対的に減少する必要も生じる。そのた
め、本実施形態では、少なくとも前記各出銑孔上方の羽
口2(a)に流量制御弁8を介装して、その送風量を、
その他の羽口2(b)からの送風量に対して、相対的に
増減調整できるようにしている。
なものであるから、例えば前記図3に示すように、全て
の羽口2の羽口径を、前記図2における出銑孔上方の羽
口2(a)の羽口径と同等とし、且つ全ての羽口2に流
量制御弁8を介装し、前述のように出銑時には、出銑孔
上方の羽口2(a)からの送風量を、その他の羽口2
(b)からの送風量に対して、相対的に増加し、それ以
外のときには、例えば全ての羽口2からの送風量を同等
とし、或いは出銑孔上方の羽口2(a)からの送風量
を、その他の羽口2(b)からの送風量に対して、相対
的に減少するようにしてもよい。
出銑孔7部位におけるコークス充填層4側端部を変位さ
せることは容易ではない。そこで、出銑孔7までの溶銑
滓9の流動性を高めるべく、単に出銑孔深度を浅くす
る,つまりコークス充填層4から遠い位置に出銑孔7を
開口するようにすることも考えられる。しかしながら、
一般の高炉では、例えば出銑樋等の関係から、出銑孔を
開ける位置もその角度もほぼ規制されており、出銑孔の
開口部位を変更することは困難である。そこで、出銑滓
量を全体的に増加させたいとき,つまり、出銑孔深度を
浅くすべく、前記マッド堆積層5のうち、出銑孔部位に
おけるコークス充填層4側端部を当該コークス充填層4
から離し、両者間の空間6を大きくしたいときには、出
銑孔7を閉塞するマッドの使用量(これをマッド押量と
称する)を減少すればよい。逆に、出銑滓量を全体的に
減少させたいとき,つまり、出銑孔深度を深くすべく、
マッド堆積層5のうち、出銑孔部位におけるコークス充
填層4側端部を当該コークス充填層4に近づけ、両者間
の空間6を小さくしたいときには、マッド押量を増加す
ればよい。
量,所謂原単位を低減することも可能となる。即ち、例
えば前述のように出銑孔上方の羽口2(a)からの送風
量を、その他の羽口2(b)からの送風量に対して、相
対的に増加させ、これによりコークス充填層4とマッド
堆積層5との空間6を大きくして溶銑滓9の流動性を高
めると、マッド堆積層5が高温の溶銑滓9に晒され、そ
の部分のマッド耐火物が損耗し易くなる。そこで、例え
ば出銑滓量を増加させる必要がないときや、出銑作業時
以外のときには、例えば出銑孔上方の羽口2(a)から
の送風量を、その他の羽口2(b)からの送風量と同等
とするか、或いはそれより相対的に減少し、出銑孔7部
位のマッド堆積層5が流動性のよい溶銑滓9に晒されに
くくして、その損耗を抑制防止することができる。更
に、コークス充填層4をマッド堆積層5に近づけると、
コークス充填層4の下端部がマッド堆積層5に埋もれて
しまうような状態になる。このようになると、マッド堆
積層5は、コークス充填層4によって溶銑滓9から保護
されるようになり、マッド堆積層5の損耗はより一層抑
制防止される。このように、出銑滓量を増加させる必要
がないときや、出銑作業時以外のときには、例えば出銑
孔上方の羽口2(a)からの送風量を、その他の羽口2
(b)からの送風量と同等とするか、或いはそれより相
対的に減少することにより、マッド堆積層5の損耗を抑
制防止し、出銑孔深度を確保しながら、マッド原単位を
低減することが可能となる。
ッド堆積層との間の空間が、溶銑滓全体の流動性に影響
するとしてきたが、この空間の大きさの影響は、溶銑よ
り溶滓の方が受け易い。これは、比重の関係で溶銑の上
に溶滓が存在していること、溶滓の粘性の方が溶銑の粘
性より遙に高いことなどに依存している。つまり、コー
クス充填層とマッド堆積層との間の空間の大きさをコン
トロールすることによって、排銑性と排滓性とのバラン
ス,即ち出銑滓バランスをコントロールすることができ
るのである。
の送風量を減少する従来の出銑滓制御方法では、前記コ
ークス充填層とマッド堆積層との間の空間が小さくな
り、特に溶滓の流動性が低下して排滓性が悪化する一
方、当該空間の大きさにさほど影響を受けない溶銑はど
んどん排出される。従って、この状態で出銑作業を中止
し、次の出銑までの間に、炉床部に貯留される溶滓の割
合は溶銑に比して次第に増加することになる。そこで、
幾度かの出銑作業を繰返すと、出銑滓バランスが崩れ、
溶滓を多量に排出する必要が生じる。そのため、前述の
ようなラップ出銑や出銑孔径を拡径する作業を行い、炉
内の溶滓を一斉に排出するのである。従って、どうして
も出銑回数が増加し、作業負荷も増大してしまうという
問題が残存する。
マッド堆積層との間の空間は、溶銑の流動性よりも溶滓
の流動性に大きな影響を与えるので、所望の出銑滓バラ
ンスに対して、例えば排銑性がよく、排滓性が悪いとき
には、前記出銑孔上方の羽口からの送風量を、その他の
羽口からの送風量に対して、相対的に増加させることに
より、単に出銑滓量を増加させるだけでなく、排滓性を
向上し、出銑滓バランスを所望の状態に近づけることが
できる。逆に、所望の出銑滓バランスに対して、例えば
排銑性が悪く、排滓性がよいときには、前記出銑孔上方
の羽口からの送風量を、その他の羽口からの送風量に対
して、相対的に減少させることにより、単に出銑滓量を
減少させるだけでなく、排銑性を向上し、出銑滓バラン
スを所望の状態に近づけることができる。このように、
本実施形態の出銑滓制御方法の真の目的は、出銑滓バラ
ンスをコントロールすることにより、出銑作業毎に、安
定した出銑滓量を長時間に渡って確保できるという点に
あり、その結果、出銑回数が低下して出銑時間が長くな
るというものなのである。
について、種々の実験結果を用いて説明する。図7は、
出銑回数(図ではTap.No)がa回目以後、前記図2の第
3出銑孔の上方の第18羽口及び第19羽口の羽口径
を、その他の羽口の羽口径であるφ120mmからφ1
40mmに拡径し、出銑時以外は流量制御弁を制御する
ことにより、当該第18羽口及び第19羽口からの送風
量を、その他の羽口からの送風量と同等とし、当該第3
出銑孔からの出銑作業中は流量制御弁を全開とすること
により、当該第18羽口及び第19羽口からの送風量
を、その他の羽口からの送風量に対して、約1.5倍程
度に増加するようにしたものである。なお、図7cに示
すように、前記a回目以前の出銑作業の平均出銑時間x
- は191分,a回目以後の平均出銑時間x- は198
分で、出銑時間そのものはさほど変化していない。
いて、a回目前後での出銑状態を比較する。まず、この
スラグ指数は、出銑時間に対する出滓時間の比(=出滓
時間/出銑時間)である。出銑時間とは、文字通り、出
銑孔を開けてからそれを閉じるまでの時間である。出滓
時間とは、出銑樋の或るレベルまで出銑滓が溜まったと
きから出銑孔を閉じるまでの時間である。つまり、スラ
グ指数とは、特に出銑初期の段階での出銑滓量を評価す
るものと考えればよく、前記図6の出銑滓量特性図で、
出銑初期の出銑滓量を造銑滓量に近づけることができて
いるかどうかという評価指標になる。図7aには、前記
出銑回数a回目以前のスラグ指数のヒストグラムを、図
7bには、当該出銑回数a回目以後のスラグ指数のヒス
トグラムを示す。これらより、前記出銑孔上方の羽口か
らの送風量を、その他の羽口からの送風量に対して、相
対的に増加させた出銑回数a回目以後は、スラグ指数の
高い度数が多くなっていることが分かる。ここで、この
スラグ指数が大きいということは、出銑初期から出銑滓
量が多いということであるから、通常に考えれば、出銑
時間そのものは短くなりかねない。しかしながら、前記
出銑回数a回目以後も、出銑時間は短くなっていないこ
とから、出銑作業中、出銑孔上方の羽口からの送風量
を、その他の羽口からの送風量に対して、相対的に増加
することにより、前記コークス充填層とマッド堆積層と
の間の空間を大きくして溶銑滓の流動性を高め、もって
出銑初期からの出銑滓量を増加させると共に出銑時間を
確保して、高出銑比を達成できることが分かる。
o)20〜50回目で、出銑孔上方の羽口からの送風量
を、その他の羽口からの送風量と同等とし、出銑回数5
0〜60回目(図中に網かけした部分)で、出銑孔上方
の羽口からの送風量を、その他の羽口からの送風量の3
0%程度まで減少し、また出銑回数60回以後は、出銑
孔上方の羽口からの送風量を、その他の羽口からの送風
量と同等に戻したときの各物理量や評価指標を示した。
銑回毎の変化を示した。前述のように出銑孔上方の羽口
からの送風量を、その他の羽口からの送風量に対して、
相対的に減少すると、前記コークス充填層とマッド堆積
層との間の空間が小さくなって、当該空間における溶銑
滓の流動性が低下するため、出銑初期の出銑滓量も低下
し、従って前記出銑樋の所定のレベルまで出銑滓が溜ま
るのが遅くなるため、前記出銑回数50〜60回目では
スラグ指数は小さくなっている。また、この影響は次第
に大きく表れることも分かる。一方、出銑回数60回目
で出銑孔上方の羽口からの送風量を、その他の羽口から
の送風量と同等にすると、スラグ指数は即座に大きくな
っている。従って、出銑孔上方の羽口からの送風量を増
加する制御に対する、スラグ指数の応答性は高いことが
分かる。
図10には出滓されたスラグバランスを示す。バランス
とは、各出銑回において排出された量から投入した量を
減じた値である。つまり、バランスが正値なら排出され
た量が投入した量より多いのであるから、排出性がよい
のであり、負値なら排出性が悪いことになる。これらよ
り明らかなように、出銑孔上方の羽口からの送風量を、
その他の羽口からの送風量に対して、相対的に減少する
と、前記コークス充填層とマッド堆積層との間の空間が
小さくなるため、この空間における流動性の影響を大き
く受けるスラグの排滓性が低下し、さほど影響を受けな
い排銑性は相対的に向上している。また、この実施形態
では、出銑孔上方の羽口からの送風量を、その他の羽口
からの送風量と同等にすると、銑バランスもスラグバラ
ンスも零近傍でバランスする。このことから、逆に出銑
孔上方の羽口からの送風量を、その他の羽口からの送風
量に対して、相対的に増加すると、排滓性が向上し、相
対的に排銑性は低下することが想定される。
変化を示す。前述のようなスラグ指数及び排銑滓バラン
スの変化に伴って、出銑回数50〜60回目では、出銑
滓しにくい状態が継続され、全体的に出銑時間が短くな
る傾向にある。このことと、前記スラグバランスとを考
え合わせれば、従来、出銑孔上方の羽口からの送風量
を、その他の羽口からの送風量に対して、相対的に減少
させる制御では、出銑作業の度に溶滓が蓄積され、やが
てラップ出銑や出銑孔拡径によって、炉内の溶銑滓を一
斉に排出しなければならなくなったことが理解される。
13には単位マッド押量当たりの出銑孔深度の変化を示
す。図12は、意図的に出銑孔深度を変化させなかった
ことを表しており、図13は、その変化させない出銑孔
深度に対して、単位マッド押量当たりの出銑孔深度が大
きくなっているので、結果的に使用されるマッド押量が
次第に減少していることになる。つまり、前述のよう
に、出銑孔上方の羽口からの送風量を、その他の羽口か
らの送風量に対して、相対的に減少させると、コークス
充填層とマッド堆積層との空間が小さくなり、マッド堆
積層が溶銑滓に晒されにくくなったり、或いはコークス
充填層によって覆われて保護されるようになったりする
ため、マッド堆積層が損耗しにくく、その分だけ、出銑
孔を閉塞する際に用いられるマッド押量が少なくて済む
のである。また、この影響は、次第に大きく表れてい
る。一方、出銑孔上方の羽口からの送風量を、その他の
羽口からの送風量と同等にすると、単位マッド押量当た
りの出銑孔深度は即座に小さくなっていることから、前
記コークス充填層とマッド堆積層との間の空間が大きく
なるときのマッド堆積層の損耗の応答性は高いことが分
かる。
方の羽口からの送風量を、その他の羽口からの送風量に
対して、意図的に変化させない状態で、例えば出銑滓量
を増加したいときには、前記コークス充填層とマッド堆
積層との間の空間を大きくすればよいのであるから、そ
のようなときには出銑孔深度を浅くすべく、マッド押量
を減少してゆけばよい。逆に、出銑滓量を減少したいと
きには、コークス充填層とマッド堆積層との間の空間を
小さくして出銑孔深度を深くすべく、マッド押量を増加
してゆけばよい。
御を行った後と、それ以前の変化を図14に示す。ここ
では、連続するAからXまでの各月のうち、N月から前
述の送風量制御を行った結果を示しており、同図14a
には出銑比を、同図bにはラップ出銑回数を、同図cに
は出銑回数を、同図dにはマッド原単位を夫々示す。こ
れらから明らかなように、K月からW月までの高出銑比
要求に対して、従来の制御方法では、次第にラップ出銑
回数が増加してしまっている。これは出銑滓バランスに
こだわらず、羽口からの風量を減少して溶銑の排出を優
先した結果、溶滓が炉内の蓄積し、それを排出するため
に発生したのである。これに対して、本実施形態の制御
を行ったN月からは出銑滓バランスを適切に保持するこ
とで、溶滓の蓄積を回避し、もってラップ出銑回数を減
少させることができた。
出銑滓量及び出銑滓バランスを適切に保持することによ
って、出銑回数が低減しており、このことから高出銑比
下で出銑時間が延長できていることが分かる。また、出
銑時以外や高出銑滓量が要求されていないときには、前
記出銑孔上方の羽口からの送風量を、その他の羽口から
の送風量に対して、相対的に減少させることで、コーク
ス充填層とマッド堆積層との間の空間を小さくし、もっ
てマッド堆積層の損耗を抑制するようにしたため、結果
的にマッド原単位を低減し、コストの低廉化を図ること
ができた。また、このように全体に操業を安定させるこ
とで、更なる炉体の寿命延長を達成させることができ
た。
御装置によれば、出銑孔上方の羽口の羽口径を、その他
の羽口の羽口径より大きくし且つ少なくとも当該出銑孔
上方の羽口に流量制御弁を介装するか、又は全ての羽口
に流量制御弁を介装する構成としたため、出銑孔の上方
の羽口からの送風量を、他の羽口からの送風量に対し
て、相対的に増加することにより、羽口より下方のコー
クス充填層とマッド堆積層との間の空間を大きくして溶
銑及び溶滓の流動性を向上し、これにより出銑孔からの
出銑滓量を増加させることができるので、例えば出銑初
期や出銑末期で出銑滓量が減少しがちなときにも、それ
を増加方向に制御して、出銑滓量を安定して出銑回数を
低減し、もって出銑時間そのものを長くすることができ
ると共に、流動性の向上した溶銑及び溶滓によってマッ
ド堆積層の損耗を意図的に進め、出銑孔深度を浅くする
ことも可能となる。また、出銑孔の上方の羽口からの送
風量を、他の羽口からの送風量に対して、相対的に減少
することにより、羽口より下方のコークス充填層とマッ
ド堆積層との間の空間を小さくして溶銑及び溶滓の流動
性を低下し、これにより出銑孔からの出銑滓量を減少さ
せることができるので、例えば出銑後期で出銑滓量が増
加しがちなときにも、それを減少方向に制御して、出銑
滓量を安定して出銑回数を低減し、もって出銑時間その
ものを長くすることができると共に、溶銑及び溶滓の流
動性を低下させることによってマッド堆積層の損耗を意
図的に遅くすることができ、これによりマッドの使用量
を減少させたり、或いは出銑孔深度を深くしたりするこ
とも可能となる。
図である。
である。
(a)は羽口送風量を変更する以前のスラグ指数の度数
率を示すヒストグラム、(b)は羽口送風量を変更した
以後のスラグ指数の度数率を示すヒストグラム、(c)
は羽口送風量を変更する前後の各出銑毎の出銑時間の説
明図である。
を示す説明図である。
を示す説明図である。
の変化を示す説明図である。
を示す説明図である。
化を示す説明図である。
当たりの出銑孔深度の変化を示す説明図である。
(a)は羽口送風量を変更する前後の出銑比の変化を示
す説明図、(b)は羽口送風量を変更する前後のラップ
出銑回数の変化を示す説明図、(c)は羽口送風量を変
更する前後の出銑回数の変化を示す説明図、(d)は羽
口送風量を変更する前後のマッド原単位の変化を示す説
明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 高炉の出銑孔から排出される出銑滓量を
増減制御する制御装置であって、前記出銑孔近傍のコー
クス充填層とマッド堆積層との間の空間を調整するため
に、当該出銑孔上方の羽口の羽口径を、その他の羽口の
羽口径より大きくし且つ少なくとも当該出銑孔上方の羽
口に流量制御弁を介装したことを特徴とする高炉の出銑
滓制御装置。 - 【請求項2】 高炉の出銑孔から排出される出銑滓量を
増減制御する制御装置であって、前記出銑孔近傍のコー
クス充填層とマッド堆積層との間の空間を調整するため
に、全ての羽口に流量制御弁を介装したことを特徴とす
る高炉の出銑滓制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11058992A JP2000256714A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 高炉の出銑滓制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11058992A JP2000256714A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 高炉の出銑滓制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000256714A true JP2000256714A (ja) | 2000-09-19 |
Family
ID=13100354
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11058992A Pending JP2000256714A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 高炉の出銑滓制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000256714A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106591524A (zh) * | 2017-02-14 | 2017-04-26 | 四川德胜集团钒钛有限公司 | 一种低成本高炉冶炼的方法 |
| CN117165729A (zh) * | 2023-08-31 | 2023-12-05 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种冶炼钒钛磁铁矿的富氢高炉和活跃炉缸的方法 |
-
1999
- 1999-03-05 JP JP11058992A patent/JP2000256714A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106591524A (zh) * | 2017-02-14 | 2017-04-26 | 四川德胜集团钒钛有限公司 | 一种低成本高炉冶炼的方法 |
| CN117165729A (zh) * | 2023-08-31 | 2023-12-05 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种冶炼钒钛磁铁矿的富氢高炉和活跃炉缸的方法 |
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