JP2000256814A - 端子用銅基合金条の製造方法 - Google Patents

端子用銅基合金条の製造方法

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JP2000256814A
JP2000256814A JP11055597A JP5559799A JP2000256814A JP 2000256814 A JP2000256814 A JP 2000256814A JP 11055597 A JP11055597 A JP 11055597A JP 5559799 A JP5559799 A JP 5559799A JP 2000256814 A JP2000256814 A JP 2000256814A
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JP
Japan
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temperature
annealing
rolling
cold rolling
copper
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JP11055597A
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English (en)
Inventor
Kazuhito Ichinose
一仁 一之瀬
Toshiyuki Osako
敏行 大迫
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、導電性、曲げ加工性および耐応力緩和
特性のいずれにも優れた端子用銅基合金条の製造方法を
提供する。 【解決手段】 (1)特定組成を有するCu−Ni−S
n−P系合金鋳塊を溶製する第1工程、(2)開始温度
を650〜900℃、終了温度を600〜750℃とし
て熱間圧延し急冷する第2工程、(3)冷間圧延し、次
に焼鈍温度を450〜600℃として中間焼鈍した後、
該冷間圧延および該中間焼鈍を繰り返して圧延率を85
%以上とする第3工程、(4)圧延率を50〜60%と
して仕上げ冷間圧延する第4工程、および(5)焼鈍温
度を250〜400℃として低温焼鈍する第5工程から
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のコネクタ
端子などに用いられる端子用銅基合金条の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクスの発達に伴い、
自動車のコネクタ端子などの端子は、より一層の高密度
化、小型化、軽量化、そして信頼性向上が求められるよ
うになってきている。また、エンジンの高性能化により
エンジンルーム内の温度が上昇するに伴い、エンジンル
ームに使用される端子も、より高信頼性および高耐熱性
が要求されるようになってきている。
【0003】自動車のコネクタ端子などの端子の信頼性
が向上するためには、具体的には、強度、ばね特性、導
電性、曲げ加工性、耐応力緩和特性、耐食性に優れるこ
とが必要である。
【0004】従来より、黄銅、リン青銅や、Cu−Ni
−Sn−P系合金などの銅基合金が端子に使用されてい
た。
【0005】しかし、端子用銅基合金として従来用いら
れてきた黄銅は、安価ではあるが、導電率が低く、例え
ばC2600で27%IACSであり、耐応力緩和特性
や耐食性にも問題があった。また、リン青銅は、強度は
優れているが、導電率が低く、例えばC5210で12
%IACS程度であり、耐応力緩和特性にも問題があ
り、さらに価格も高く経済的ではなかった。
【0006】Cu−Ni−Sn−P系合金は、これら二
種の合金の欠点を補うため開発されたものである。特公
平8−9745号公報には、Cu−Ni−Sn−P系合
金鋳塊を熱間圧延した後、冷間圧延と熱処理を繰り返し
て、端子用銅基合金条を製造する方法が記載されてい
る。
【0007】しかしながら、このようにして製造され
た、例えばCu−1.0Ni−0.9Sn−0.05P
(数値は重量%)の銅基合金条は、強度・耐応力緩和特
性は優れているものの、導電率は38%IACSと低
く、曲げ加工性も十分とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、強度、導電性、曲げ加工性、耐応力緩和特性のい
ずれにも優れた端子用銅基合金条の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、前記課題について鋭意検討した結果、Cu
−Ni−Sn−P系合金の最適組成および最適製造条件
を選ぶことにより、優れた強度、導電性、曲げ加工性お
よび耐応力緩和特性が得られることを見出し本発明に到
達した。
【0010】すなわち、本発明の端子用銅基合金条の製
造方法は、次の(1)〜(5)に述べるような第1〜第
5工程からなる。
【0011】(1)第1工程では、重量%で、Ni:
0.2〜3.0%、Sn:0.5〜2.0%、P:0.
01〜1.0%を含有し、残部がCuと不可避不純物か
らなり、かつ該Ni%と該P%との比の値が20より小
さい合金鋳塊を溶製する。
【0012】(2)第2工程では、開始温度を650〜
900℃、終了温度を600〜750℃として熱間圧延
し急冷する。
【0013】(3)第3工程では、(a)冷間圧延し、
次に焼鈍温度を450〜600℃として中間焼鈍した
後、該冷間圧延および該中間焼鈍を繰り返して圧延率を
85%以上とする(複数回の冷間圧延・中間焼鈍)、ま
たは(b)圧延率を85%以上として冷間圧延した後、
焼鈍温度を450〜600℃として中間焼鈍する(1回
の冷間圧延・中間焼鈍)。
【0014】(4)第4工程では、圧延率を50〜60
%として仕上げ冷間圧延する。
【0015】(5)第5工程では、焼鈍温度を250〜
400℃として低温焼鈍する。
【0016】本発明の製造方法における第2工程で得ら
れた熱間圧延物は、100μm以下の結晶粒径を有す
る。また、第3工程で得られた中間焼鈍物は、5μm以
下の再結晶粒径を有する。
【0017】本発明方法によって製造された銅基合金条
は、重量%で、Ni:0.2〜3.0%、Sn:0.5
〜2.0%、P:0.01〜1.0%を含有し、残部が
Cuと不可避不純物からなり、かつ該Ni%と該P%と
の比の値が20より小さい組成を有し、Ni3 P化合物
がマトリックス中に均一微細に分散析出した組織を有
し、かつ引張強さ:550MPa以上、導電率:50%
IACS以上、最小曲げ半径比:1以下、および応力緩
和率:10%以下を実現する。
【0018】
【発明の実施の形態】(1)合金元素 第1工程で銅基合金鋳塊を溶製する際に添加した合金元
素は、製造した合金条において次の作用効果を奏する。
【0019】(a)Ni Niは、Cuマトリックス中に固溶して、強度、ばね特
性および耐応力緩和特性を向上させる。また、共存する
Pと形成したNi−P系金属間化合物(Ni3P)は、
マトリックス中に均一微細に分散析出して、導電性を向
上させ、強度、ばね特性および耐応力緩和特性をさらに
向上させる。
【0020】上記Niの作用効果は、Ni組成が0.2
重量%未満では十分得ることができず、3.0重量%を
超えると飽和してしまう。従って、Ni組成は0.2重
量%以上が必要で、3.0重量%以下が好ましい。
【0021】(b)Sn Snは、Cuマトリックス中に固溶して、強度およびば
ね特性を向上させる。
【0022】上記Snの作用効果は、Sn組成が0.5
重量%未満では十分得ることができず、Sn組成が2.
0重量%を超えると飽和してしまう。従って、Sn組成
は0.5重量%以上が必要で、2.0重量%以下が好ま
しい。
【0023】(c)P Pは、Cuマトリックス中に固溶しているだけでなく、
分散析出するNi−P系金属間化合物(Ni3 P)を共
存するNiと形成する。これにより、強度、導電性、ば
ね特性および耐応力緩和特性を向上させる。なお、P
は、鋳塊溶製時に溶湯の脱酸剤として作用する。
【0024】上記Pの作用効果は、P組成が0.01重
量%未満では十分得ることができず、P組成が1.0重
量%を超えると飽和してしまう。従って、P組成は0.
01重量%以上が必要で、1.0重量%以下が好まし
い。
【0025】(d)Ni重量%とP重量%との比の値 Ni−P系金属間化合物(Ni3 P)を十分に分散析出
させるために、Ni重量%とP重量%との比の値を20
より小さくする必要がある。この値が20以上になる
と、Ni−P系金属間化合物(Ni3 P)の析出量が非
常にわずかになってしまうために、導電性および耐応力
緩和特性を向上させることができない。
【0026】(2)熱間圧延 (a)溶体化処理する、(b)熱間圧延後の結晶粒径を
100μm以下(通常は10μm以上)に調整するため
に、開始温度を650〜900℃、終了温度を600〜
750℃として熱間圧延する。ここで、溶体化処理は、
Ni、Pを十分固溶させる(後工程でNi3 P化合物と
して時効析出させる(後述))ためのものである。開始
温度が650℃未満では、圧延の進行に伴う温度降下の
ためにNi、Pの固溶が不十分となり易く、後工程で上
記時効析出効果(時効性)が充分得られない。一方、9
00℃より高い温度になると、その温度が融点近傍であ
るため熱間圧延自体が行えなくなる。また、終了温度が
600℃未満では、Ni、Pの固溶が不十分となる。一
方、750℃を超えると、曲げ加工性を充分向上させる
ことが不可能となってしまう。何故なら、結晶粒径を1
00μm以下に調整できず(結晶粒径が100μmを超
え)、後工程の冷間圧延・中間焼鈍後における(仕上げ
圧延に供する)再結晶粒径を5μm以下に調整すること
ができなくなるからである(後述の冷間圧延・中間焼鈍
参照)。
【0027】(3)急冷 常温で単一相(過飽和状態)組織にするために、溶体化
処理した熱間圧延物を急冷する。この急冷は、通常行わ
れている水冷・空冷・油冷などにより行えばよい。
【0028】(4)冷間圧延・中間焼鈍 上記急冷で得た熱間圧延物は通常、面削する。次に、冷
間圧延した後、焼鈍温度を450〜600℃として中間
焼鈍する。この冷間圧延・中間焼鈍は、1回で済ませて
もよいが、効率よく冷間圧延を行うために複数回行って
もよい。1回で済ませる場合は、圧延率を85%以上と
して冷間圧延した後、焼鈍温度を450〜600℃とし
て中間焼鈍する。また、複数回行う場合は、冷間圧延
し、次に焼鈍温度を450〜600℃として中間焼鈍し
た後、該冷間圧延および該中間焼鈍を繰り返して圧延率
を85%以上とする。このように冷間圧延率の圧延率を
85%以上とするのは、(a)熱間圧延で固溶したNi
とPからNi3 P化合物を時効析出させる、(b)5μ
m以下の再結晶粒径にするためである。時効析出するN
i3 P化合物の粒径は、NiとPの組成にもよるが20
nm以下で微細である。冷間圧延・中間焼鈍において再
結晶が充分進行しないか、再結晶粒径が5μmを超える
と、曲げ加工性を充分向上させることが不可能となって
しまう。
【0029】圧延率が85%未満では、熱間圧延後の結
晶粒径が100μm以下でも、後工程の仕上げ圧延に供
する再結晶粒径を5μm以下に調整することが難しくな
る。また、中間焼鈍温度が450℃未満では再結晶が充
分進行せず、一方600℃より高い温度になると再結晶
粒が5μmより粗大になってしまう。
【0030】(5)仕上げ冷間圧延 仕上げ冷間圧延の圧延率は、50〜60%とする。50
%未満では、強度および耐応力緩和特性が低下し、一
方、60%を超えると、曲げ加工性が低下する。
【0031】(6)低温焼鈍 Ni3 P化合物を十分に析出させると同時に、再結晶を
進行させることなく歪取りを行って、十分な曲げ加工性
を与えるために行う。そのために、低温焼鈍温度を25
0〜400℃とする。250℃未満では、上記析出反応
が起こらず曲げ加工性が低下する。一方、400℃を超
えると、歪取りは行い得るが再結晶が進行してしまい、
強度および耐応力緩和特性が低下する。
【0032】
【実施例】以下、実施例、比較例および従来例により、
本発明をさらに具体的に説明する。なお、これら実施例
および比較例における合金鋳塊組成を表1に記載し、ま
た主な製造条件を再記した。また、従来例における合金
条組成を表1に記載した。
【0033】[実施例1、2] (1)合金鋳塊の溶製 Ni重量%とP重量%との比の値Ni/Pが異なる
(5.7(実施例1)、12.5(実施例2))2種組
成の合金鋳塊を大気溶解炉を用いて溶製した。
【0034】(2)熱間圧延・急冷 合金鋳塊を850℃で加熱し、厚さ15.0mmまで熱
間圧延した(熱間圧延終了温度:650℃)後、常温の
水中に浸漬して急冷した。
【0035】(3)冷間圧延・中間焼鈍 急冷した熱間圧延物の表面を面削して厚さ13.0mm
とした後、冷間圧延した。冷間圧延は、圧延率が95%
となるまで、600℃の中間焼鈍を間で行って繰り返し
た。最後の中間焼鈍で得られた条の再結晶粒径は、検鏡
の結果いずれの実施例も2.5μmであった(表1参
照)。
【0036】(4)仕上げ冷間圧延 圧延率60%の仕上げ冷間圧延を行った。
【0037】(5)低温焼鈍 350℃で低温焼鈍を行って、板厚0.25mmの条材
を製造した。
【0038】(6)測定など 製造した条材について検鏡した。その結果、いずれの実
施例もNi3 P化合物が均一微細に分散析出していた。
【0039】また、上記条材の引張強さおよび導電率を
測定するとともに、曲げ加工性および耐応力緩和特性を
調査した。得られた結果を表2に示す。
【0040】(a)引張強さおよび導電率 引張強さの測定はJIS H 2241に、導電率の測
定はJIS H 0505に準拠した。
【0041】 (b)曲げ加工性曲げ加工性は、90°W曲げ加工試験
で評価した。試験はCES−M0002−6に準拠し、
曲げ半径が0.1〜2.0mmの治具で90°W曲げ加
工し、中央山表面の状況を調べた。なお、曲げ軸は圧延
方向に対して平行方向(BadWay)とした。そし
て、割れおよびシワが発生しない最小曲げ半径Rを板厚
tで割った値、すなわち最小曲げ半径比R/tを求め
た。最小曲げ半径比R/tが小さいほど、曲げ加工性が
よい。
【0042】(c)耐応力緩和特性 応力緩和試験では、試験片の中央部の応力が400MP
aとなるようにアーチ曲げを行い、150℃の温度で1
000時間保持した後、試験片の曲げぐせを治具を用い
て求めた。すなわち、次式により応力緩和率を算出し
た。なお、次式において、L0 は治具の長さ(mm)、
L1 は曲げぐせをつける前の試料端間の水平距離(m
m)、L2 は曲げぐせをつけた後の試料端間の水平距離
(mm)である。
【0043】
【数1】
【0044】[実施例3、4] (1)合金鋳塊の溶製 実施例1、2と同様に行った。
【0045】(2)熱間圧延・急冷 合金鋳塊を850℃で加熱し、厚さ5.0mmまで熱間
圧延した(熱間圧延終了温度:650℃)後、常温の水
中に浸漬して急冷した。
【0046】(3)冷間圧延・中間焼鈍 急冷した熱間圧延物の表面を面削して厚さ4.0mmと
した後、冷間圧延した。冷間圧延は、圧延率が85%と
なるまで、600℃の中間焼鈍を間で行って繰り返し
た。最後の中間焼鈍で得られた条の再結晶粒径は、検鏡
の結果いずれの実施例も5μmであった(表1参照)。
【0047】(4)仕上げ冷間圧延以降 実施例1と同様に行った。
【0048】製造した条材の検鏡では、いずれの実施例
もNi3 P化合物が均一微細に分散析出していた。その
他の結果を表2に示す。
【0049】[比較例1]Ni重量%とP重量%との比
の値Ni/Pが20.0の合金鋳塊を溶製した以外は、
実施例1と同様に試験した。
【0050】最後の中間焼鈍で得られた条の再結晶粒径
は、検鏡の結果2.5μmであった(表1参照)。ま
た、製造した条材の検鏡では、Ni3 P化合物が比較的
粗いものと微細なものとが混ざって不均一に分散析出し
ていた。その他の結果を表2に示す。
【0051】[比較例2、3] (1)合金鋳塊の溶製 実施例1、2と同様に行った。
【0052】(2)熱間圧延・急冷 合金鋳塊を850℃で加熱し、厚さ4.0mmまで熱間
圧延した(熱間圧延終了温度:650℃)後、常温の水
中に浸漬して急冷した。
【0053】(3)冷間圧延・中間焼鈍 急冷した熱間圧延物の表面を面削して厚さ3.0mmと
した後、冷間圧延した。冷間圧延は、圧延率が80%と
なるまで、600℃の中間焼鈍を間で行って繰り返し
た。最後の中間焼鈍で得られた条の再結晶粒径は、検鏡
の結果いずれの比較例も15μmであった(表1参
照)。
【0054】(4)仕上げ冷間圧延以降 実施例1と同様に行った。
【0055】製造した条材の検鏡では、いずれの比較例
もNi3 P化合物が均一微細に分散析出していた。その
他の結果を表2に示す。
【0056】[比較例4、5] (1)合金鋳塊の溶製 実施例1、2と同様に行った。
【0057】(2)熱間圧延・急冷 合金鋳塊を850℃で加熱し、厚さ11.0mmまで熱
間圧延した(熱間圧延終了温度:650℃)後、常温の
水中に浸漬して急冷した。
【0058】(3)冷間圧延・中間焼鈍 急冷した熱間圧延物の表面を面削して厚さ9.0mmと
した後、冷間圧延した。冷間圧延は、圧延率が95%と
なるまで、600℃の中間焼鈍を間で行って繰り返し
た。最後の中間焼鈍で得られた条の再結晶粒径は、検鏡
の結果いずれの比較例も2.5μmであった(表1参
照)。
【0059】(4)仕上げ冷間圧延 圧延率45%の仕上げ冷間圧延を行った。
【0060】(5)低温焼鈍以降 実施例1と同様に行った。
【0061】製造した条材の検鏡では、いずれの比較例
もNi3 P化合物が均一微細に分散析出していた。その
他の結果を表2に示す。
【0062】[比較例6、7] (1)合金鋳塊の溶製 実施例1、2と同様に行った。
【0063】(2)熱間圧延・急冷 合金鋳塊を850℃で加熱し、厚さ22.0mmまで熱
間圧延した(熱間圧延終了温度:650℃)後、常温の
水中に浸漬して急冷した。
【0064】(3)冷間圧延・中間焼鈍 急冷した熱間圧延物の表面を面削して厚さ20.0mm
とした後、冷間圧延した。冷間圧延は、圧延率が95%
となるまで、600℃の中間焼鈍を間で行って繰り返し
た。最後の中間焼鈍で得られた条の再結晶粒径は、検鏡
の結果いずれの比較例も2.5μmであった(表1参
照)。
【0065】(4)仕上げ冷間圧延 圧延率75%の仕上げ冷間圧延を行った。
【0066】(5)低温焼鈍以降 実施例1と同様に行った。
【0067】製造した条材の検鏡では、いずれの比較例
もNi3 P化合物が均一微細に分散析出していた。その
他の結果を表2に示す。
【0068】[比較例8、9] (1)合金鋳塊の溶製〜仕上げ冷間圧延 実施例1、2と同様に行った。
【0069】最後の中間焼鈍で得られた条の再結晶粒径
は、検鏡の結果いずれの比較例も2.5μmであった
(表1参照)。
【0070】(2)低温焼鈍 200℃で低温焼鈍を行って、板厚0.25mmの条材
を製造した。
【0071】(3)測定など 実施例1と同様に行った。
【0072】製造した条材の検鏡では、いずれの比較例
もNi3 P化合物が均一微細に分散析出していた。その
他の結果を表2に示す。
【0073】[比較例10、11]450℃で低温焼鈍
を行って、板厚0.25mmの条材を製造した以外は、
比較例8、9と同様に行った。
【0074】最後の中間焼鈍で得られた条の再結晶粒径
は、検鏡の結果いずれの比較例も2.5μmであった
(表1参照)。製造した条材の検鏡では、いずれの比較
例もNi3 P化合物が均一微細に分散析出していた。そ
の他の結果を表2に示す。
【0075】[従来例1、2]市販端子用リン青銅条
(従来例1)および市販端子用黄銅条(従来例2)につ
いて、実施例1と同様の測定などを行った(検鏡を除
く)。得られた結果を表2に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】以上の結果から、実施例1〜4の合金条は
いずれも、引張強さが550MPa以上、導電率が50
%IACS以上、最小曲げ半径比が1以下、そして応力
緩和率が10%以下であり、いずれの特性にも優れてい
ることが分かる。
【0079】これに対して、比較例および従来例の合金
条は、次の(1)〜(7)で述べるように、引張強さ、
導電率、最小曲げ半径比および応力緩和率のうちの少な
くとも一つが、実施例1〜4が満足する上記領域から外
れて劣っている。
【0080】(1)Ni/Pが20の比較例1の合金条
は、導電率および応力緩和率が劣る。
【0081】(2)冷間圧延・中間焼鈍における圧延率
が少なく、再結晶粒径が大きい比較例2、3の合金条
は、最小曲げ半径比が劣る。また、導電率も劣ってい
る。
【0082】(3)仕上げ冷間圧延における圧延率が少
ない比較例4、5の合金条は、引張強さおよび応力緩和
率が劣る。また、導電率も劣っている。
【0083】(4)仕上げ冷間圧延における圧延率が多
い比較例6、7の合金条は、最小曲げ半径比が劣る。
【0084】(5)低温焼鈍における焼鈍温度が低い比
較例8、9の合金条は、最小曲げ半径比が劣る。また、
応力緩和率も劣っている。
【0085】(6)低温焼鈍における焼鈍温度が高い比
較例10、11の合金条は、引張強さおよび応力緩和率
が劣る。
【0086】(7)従来例1の合金(リン青銅)条およ
び従来例2の合金(黄銅)条はいずれも、導電率および
応力緩和率が劣る。
【0087】
【発明の効果】本発明の端子用銅基合金条の製造方法に
よれば、強度、導電性、曲げ加工性および耐応力緩和特
性のすべてに優れた、従って自動車などの端子用に用い
て極めて好適な銅基合金条を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 661 C22F 1/00 661A 683 683 685 685 691 691B 693 693A 694 694A H01R 13/03 H01R 13/03 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)重量%で、Ni:0.2〜3.0
    %、Sn:0.5〜2.0%、P:0.01〜1.0%
    を含有し、残部がCuと不可避不純物からなり、かつ該
    Ni%と該P%との比の値が20より小さい合金鋳塊を
    溶製する第1工程、(2)開始温度を650〜900
    ℃、終了温度を600〜750℃として熱間圧延し急冷
    する第2工程、(3)冷間圧延し、次に焼鈍温度を45
    0〜600℃として中間焼鈍した後、該冷間圧延および
    該中間焼鈍を繰り返して圧延率を85%以上とする第3
    工程、(4)圧延率を50〜60%として仕上げ冷間圧
    延する第4工程、および(5)焼鈍温度を250〜40
    0℃として低温焼鈍する第5工程からなる端子用銅基合
    金条の製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)重量%で、Ni:0.2〜3.0
    %、Sn:0.5〜2.0%、P:0.01〜1.0%
    を含有し、残部がCuと不可避不純物からなり、かつ該
    Ni%と該P%との比の値が20より小さい合金鋳塊を
    溶製する第1工程、(2)開始温度を650〜900
    ℃、終了温度を600〜750℃として熱間圧延し急冷
    する第2工程、(3)圧延率を85%以上として冷間圧
    延した後、焼鈍温度を450〜600℃として中間焼鈍
    する第3工程、(4)圧延率を50〜60%として仕上
    げ冷間圧延する第4工程、および(5)焼鈍温度を25
    0〜400℃として低温焼鈍する第5工程からなる端子
    用銅基合金条の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2工程で得られた熱間圧延物は、10
    0μm以下の結晶粒径を有する請求項1または2に記載
    の端子用銅基合金条の製造方法。
  4. 【請求項4】 第3工程で得られた中間焼鈍物は、5μ
    m以下の再結晶粒径を有する請求項1または2に記載の
    端子用銅基合金条の製造方法。
  5. 【請求項5】 製造された銅基合金条は、重量%で、N
    i:0.2〜3.0%、Sn:0.5〜2.0%、P:
    0.01〜1.0%を含有し、残部がCuと不可避不純
    物からなり、かつ該Ni%と該P%との比の値が20よ
    り小さい組成を有し、Ni3 P化合物がマトリックス中
    に均一微細に分散析出した組織を有し、かつ引張強さが
    550MPa以上、導電率が50%IACS以上、最小
    曲げ半径比が1以下、および応力緩和率が10%以下で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の端子用銅基合金条
    の製造方法。
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