JP2000256835A - 真空蒸着装置 - Google Patents

真空蒸着装置

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JP2000256835A
JP2000256835A JP11064213A JP6421399A JP2000256835A JP 2000256835 A JP2000256835 A JP 2000256835A JP 11064213 A JP11064213 A JP 11064213A JP 6421399 A JP6421399 A JP 6421399A JP 2000256835 A JP2000256835 A JP 2000256835A
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JP
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ray
thickness
film
mixed film
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JP11064213A
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English (en)
Inventor
Takahiro Kubota
隆弘 窪田
Tsukasa Oshima
司 大嶋
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行中のフィルム表面に異なる元素からな
り、所定の組成比および目標厚みを有する混合膜を、連
続的、且つ均一に形成可能にする。 【解決手段】 異なる種類の蒸着材料16を保持可能な
坩堝9と、蒸着材料16を加熱して蒸着させる電子銃4
と、蒸着混合膜に一次X線を照射するX線照射手段7a
と、一次X線により励起される特性(蛍光)X線の強度
を測定する特性X線測定手段7b,7cと、既知の特性
を有する複数の標準試料を備えた標準板7eを、一次X
線の照射光路に出退可能に移動させる標準板移動手段7
dと、標準試料から得られる特性X線強度の測定値に基
づいて特性X線測定手段7b,7cで測定された特性X
線強度を補正する補正装置14と、特性X線強度を基に
混合膜の成分毎の厚みを出力する制御量演算器15と、
この制御量演算器15で得られた厚みデータ又は又は補
正装置14より補正されたデータに基づいて電子銃4を
制御する厚み制御手段20と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種フィルム状製品
の製造に適する真空蒸着装置に関し、詳しくは、真空槽
内を走行するフィルムに異なる元素からなる混合膜を形
成するための真空蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】真空槽内を走行する高分子フィルムに薄
膜を蒸着・形成する方法として、例えば特開平2−23
6273号公報に記載されている方法がある。この方法
は、移動する高分子フィルムと直行する方向に、高分子
フィルムの幅方向を越えて対向・配置された横長の蒸発
源に、無走査電子銃から電子線を照射して加熱し、高分
子フィルム上に薄膜を形成させる。そして、電子線から
電子線を照射する際、電子線が蒸着源の各位置で同じ入
射角度になるように磁界を制御して行うようになってい
る。
【0003】しかしながら、この方法では蒸着した膜厚
をモニタする手段が無いため、例えば、真空槽の真空度
が変化したり、蒸着材料の表面形状が変化するなどによ
り蒸着速度が変化した場合に、蒸着膜の厚みが変化して
一定しないという問題があった。又、この方法は、複数
の材料を同時に蒸着させて、これらの蒸着材料による混
合膜を高分子フィルム上に形成することはできない。
【0004】かかる問題を解決するために発明された真
空蒸着装置として、例えば、真空槽内の蒸着源を電子銃
で加熱した際の蒸発量の一部を検出する検出器と、この
検出器での検出値に基づいて前記蒸着源の出力を制御す
る手段とを備えた構造のものがある。この方式の検出器
は水晶振動子を備えていて、水晶振動子に蒸着膜が付着
すると、膜厚に依存して振動周波数が変動する原理を利
用している。この真空蒸着装置は、蒸着源からの蒸発量
の一部を制御指標として高分子フィルム上に製膜された
薄膜の厚みを間接的に制御する。
【0005】しかしながら、上述した検出器は種類の異
なる複数の蒸着源を有する場合には、検出した信号を各
々の成分情報に分解することができず、その結果、化学
組成比および厚みの制御の精度が著しく低下するという
問題があった。又、間接制御のために、例えば蒸着時の
蒸発ビーム方向が変わった場合には、検出器の測定値と
実測値が合わなくなることもあった。更に、上記検出器
は検出器への総蒸着量の制限から、長時間の連続計測を
行う場合に、計測途中で検出器を切り替える等の対策が
必要となり、計測の信頼性にも問題があった。
【0006】かかる問題を解消した装置として、例えば
特開平1−208465号公報に記載のものがある。こ
の装置は、蒸着後の基板上の蒸着膜に電子線を鋭角に入
射して特性X線を励起させるための電子銃と、この特性
X線強度を測定する検出器と、この検出器での検出値に
基づいて各蒸着源の出力を制御する手段とを備える。こ
の装置では、蒸着薄膜の直接計測が可能なため、上述し
た装置に比べて製膜性は向上する。
【0007】しかしながら、上記特性X線はRHEED
(高エネルギー電子線)を蒸着膜に鋭角に入射すること
により励起されるため、蒸着薄膜のごく表層の情報しか
得ることができない。つまり、蒸着薄膜全体の情報が得
られるわけではないため、混合膜の組成比および総厚み
が一定である蒸着膜を製膜する装置としては、十分な情
報が得られず問題であった。又、特性X線の励起源が高
エネルギー電子線であることから、照射された部分の蒸
着膜表面を破損するという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の装置では2種類の成分からなる混合膜を走行フィルム
の幅方向および走行方向に均一に分散・形成させ、しか
も一定の組成比および厚みとなるように、長時間連続的
に、且つ安定に形成することは困難である。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
有する問題点を解消し、走行中のフィルム表面に異なる
元素からなり、所定の組成比および目標厚みを有する混
合膜を、連続的、且つ均一に形成できる真空蒸着装置を
提供することにある。尚、本発明において「フィルム」
とは、幅および長さに対して厚みの薄い形状の材料を総
称するものとし、本来のフィルムのみならずシート状材
料を含む概念として用いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項に記
載されている発明により達成される。すなわち、本発明
に係る真空蒸着装置の特徴構成は、真空槽内を走行する
フィルムに異なる元素からなる混合膜を形成可能な真空
蒸着装置において、異なる種類の蒸着材料を保持可能な
保持手段と、前記蒸着材料を加熱して蒸着させる加熱手
段と、この加熱手段により形成された前記フィルム上の
混合膜に一次X線を照射するX線照射手段と、前記一次
X線により励起される特性(蛍光)X線の強度を測定す
る特性X線測定手段と、既知の特性を有する複数の標準
試料を備えた標準板を、前記一次X線の照射光路に出退
可能に移動させる標準板移動手段と、前記標準試料から
得られる特性X線強度の測定値に基づいて前記特性X線
測定手段で測定された特性X線強度を補正する補正手段
と、前記特性X線強度を基に前記混合膜の成分毎の厚み
を出力する混合膜厚み出力手段と、この混合膜厚み出力
手段で得られた厚みデータ又は前記補正手段より補正さ
れたデータに基づいて前記加熱手段を制御する厚み制御
手段と、を備えることにある。
【0011】この構成によれば、保持手段に保持された
異なる種類の蒸着材料から蒸発した蒸着成分により、走
行フィルムに形成された混合膜から、直接、且つリアル
タイムで各成分毎の特性X線強度を測定できるので、か
かる測定値から各々の混合膜形成成分の厚みデータに換
算・出力でき、この厚みデータに基づいて制御手段によ
り予め設定された各成分の目標値と比較し、これらの偏
差値を求める等の処理が可能になり、かかる処理に基づ
いて加熱手段をフィードバック制御することができ、所
定の化学組成を有し、且つ目標とする厚みの混合膜を高
精度にフィルムに製膜できる。
【0012】しかも、蒸着された混合膜形成成分の厚み
データを検出するのにX線を照射するようにしているた
め、高エネルギー電子線の照射と異なり、混合膜を破損
することがない。さらに、測定する混合膜と同じ組成の
厚みが既知である標準試料を随時X線照射光路に挿入で
きる機構になっているため、例えば標準試料での特性X
線強度を定期的に測定して基準値と比較する等により、
X線源の劣化による測定値と実測値とのずれの補正が可
能となった。これにより、長期間の運用でも所定の化学
組成を有し、且つ目標とする厚みの混合膜を高精度にフ
ィルムに製膜できる真空蒸着装置を提供できた。
【0013】前記特性X線測定手段近傍の雰囲気温度を
測定する温度検出手段を備えると共に、前記補正手段
が、前記標準試料から得られる特性X線強度の測定値と
前記温度検出手段で得られた温度とに基づいて、前記特
性X線測定手段で測定された特性X線の強度を補正する
ことが好ましい。
【0014】厚み出力手段の構成要素に分光結晶板が含
まれる場合、温度変化により結晶の間隔が変化すること
により、分光される特性X線強度が変化し正確な厚みを
測定できない。この問題を解決するため、雰囲気温度と
分光X線強度との関係を事前に求めておき、分光結晶板
近傍の検出温度に基づいて、測定された特性X線強度を
補正する。これにより、さらに精度の高い安定な厚み真
空蒸着装置を提供することができた。
【0015】前記X線照射手段と特性X線測定手段とを
備える厚みモニタ装置が、前記フィルム幅方向に略等間
隔で千鳥状に配置されることが好ましい。
【0016】このように構成されていると、厚みモニタ
装置の形状の制約を受け難いため、フィルム上に蒸着さ
れている混合膜の全幅において多くの厚み情報を同時
に、且つリアルタイムに正確な計測できて都合がよい。
【0017】更に、前記X線照射手段と特性X線測定手
段とを備える厚みモニタ装置が、前記フィルム幅方向に
一列に略等間隔で配置されていてもよい。
【0018】このように構成されていると、装置数が少
なくて済み比較的安価に構成できて、しかも混合膜の略
全幅を同時に、且つリアルタイムに計測できて都合がよ
い。
【0019】厚みモニタ装置をこのように配置しても、
厚み測定対象である混合膜に対してX線を略垂直に照射
できるので、励起される特性X線を混合膜の厚み方向全
体の情報として得ることができて都合がよい。尚、「略
等間隔」とは、計測上厳密な意味での等間隔のみなら
ず、多少の間隔のずれを含む概念として用いる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照して詳細に説明する。図1は、本実施形態における真
空蒸着装置の概略構造を示す。この真空蒸着装置は、フ
ィルム状の被蒸着材料として、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)などの高分子フィルムを例に用いた。真
空槽6の巻き出しロール1にセットされた高分子フィル
ム17は、冷却ロール3上を走行し、測定ロール5を通
り、巻き取りロール2により巻き取られる。真空槽6内
の真空度は、油拡散ポンプ(図示略)等からなる排気系
10により所定の真空度に維持される。
【0021】真空槽6の底部には、蒸着材料16を保持
する保持手段の一例である坩堝9が配置されていて、こ
の坩堝9は、加熱手段である電子銃4に向かって高分子
フィルム17の被蒸着面と平行関係を保ちながら低速で
移動するようになっている。つまり坩堝9は、移動する
高分子フィルムに対して蒸着条件が一定に保たれるよう
に、図1の電子銃4に対して接近または離間することに
より、坩堝9内に収納されている蒸着材料16を照射す
る電子線の照射条件(電子銃と電子材料との距離など)
ができるだけ一定になるように配置されている。電子銃
4は、坩堝9に収納された蒸着材料16に対して電子線
18を照射する。電子線18により加熱・蒸発された蒸
着材料の一部は、冷却ロール3上を走行する高分子フィ
ルム17の被蒸着面に蒸着される。
【0022】次に、真空槽6の上部に配置され、高分子
フィルム17の表面に蒸着された薄膜の厚みを測定する
ための厚みモニタ装置7について説明する。この厚みモ
ニタ装置7には、膜構成成分から特性(蛍光)X線を励
起させるためのX線発生装置7aが測定ロール5に対し
て略垂直に配置されている。X線発生装置7aから、測
定ロール5上を走行する蒸着後の高分子フィルム17に
対して略垂直に照射された一次X線により励起された特
性X線の一部は、測定ロール5表面に対して略30°の
角度に配置された分光結晶板7bに導かれ、この分光結
晶板7bより波長が選択された後、比例計数管7cに導
かれる。ここに、、分光結晶板7bと比例計数管7cと
は特性X線測定手段を構成する。
【0023】比例計数管7cにより一定間隔連続的に計
測された特性X線強度は、一定間隔毎にアナログの電気
信号に変換される。このアナログ電気信号は、アンプ1
1にて増幅された後、アナログ/デジタル変換器12に
てデジタル信号に変換される。このデジタル信号は、厚
み演算器13に送られて厚みに変換される。変換された
厚みは、更に補正手段を構成する補正装置14に送られ
て必要な測定値の補正がされ、最終的に変換された厚み
が、混合膜厚み出力手段である制御量演算器15によっ
て表示・出力される。尚、この制御量演算器15は、後
述する電子銃制御回路20と共に、電子銃4の出力量を
制御する機能を備えさせてもよい。又、図番8は被蒸着
材料17上に均一で良好な蒸着膜を形成するための遮蔽
板である。
【0024】次に、上記補正手段について説明する。こ
の補正手段は、既知の特性を有する複数の標準試料から
得られる特性X線強度の測定値に基づいて、特性X線測
定手段で測定された特性X線強度を補正するようになっ
ている。つまり標準試料は、所定厚みを有する予め測定
したい成分から構成されていて、図6に示すように、略
半円状をした標準板7eに組み込まれている。この標準
板7eは、測定したい成分からなる複数の薄板状の標準
試料7e1と、基準試料7e2とを配置して構成されて
いる。
【0025】標準板7eは、常時は一次X線を照射する
光路から外れた位置に待機しており、測定開始時もしく
は長時間測定する場合の測定途中に、補正装置14の指
示により随時一次X線照射光路7gに移動する。つま
り、標準試料7e1の移動は、電動モータ等からなる標
準板駆動手段7dによって、一次X線照射光路7gに出
退可能とされている。補正装置14への指示は、別に設
けた入力手段(図示略)などから適宜必要に応じて作業
者が行ようにすることができる。もっとも、標準板7e
の回動移動は手動で行うようにしてもよい。そして、標
準板7eでの標準試料7e1の特性X線強度が測定さ
れ、予め設定された基準板7e2の特性X線強度との比
率に基づいて、測定された混合膜の特性X線強度を補正
する。補正された結果は、補正装置14に記憶されるよ
うにしてもよいし、厚み演算器13に送られて厚みの変
換に供するようにしてもよい。
【0026】さらに、特性X線測定手段である分光結晶
板7b及び比例計数管7c近傍に配置された温度検出器
7fによって、分光結晶板7b及び比例計数管7c近傍
の雰囲気温度を検出し、事前に求めた特性X線測定手段
の温度依存データに基づいて、測定された混合膜の特性
X線強度をさらに補正することが好ましい。つまり、温
度検出器7fでの検出結果を補正装置14に送り、ここ
で予め記憶されている特性X線測定手段の温度依存デー
タを考慮することによって、測定された混合膜の特性X
線強度を補正するのである。このように標準試料による
補正に加えて、更に雰囲気温度による影響を加味しつつ
補正することによって、一層精度の高い特性X線強度の
補正をすることができ、より正確な混合膜厚に関する測
定結果を得ることができる。
【0027】制御量演算器15では、厚みデータに基づ
いて電子銃4の投入電力量と電子線の滞在時間が計算さ
れる。これらの制御データは、実験にて求められる各々
の坩堝での蒸発速度(蒸着厚みに相当)と投入エネルギ
ーとの関係式を基に計算した。図4は、坩堝9での投入
エネルギーとフィルム堆積厚みとの関係を表した結果で
ある。図中、A1、A2、A3、A4は坩堝中のAl2
3 の各位置を示し、S1、S2、S3、S4は坩堝中
のSi02 の各位置を示すもので、交互に異なる成分が
隣接して、フィルムの幅方向に対向するように順次配置
されている。図4から判るように、現在の厚みと目標値
との偏差値に相当するエネルギー量を現在値に加算また
は減算して出力することにより、目的の厚み及び組成比
に制御できる。但し、こらの材料に投入されるエネルギ
ーは、同じ電子銃4から照射される電子線18が源であ
るために、実際は電子線の滞在時間を各々の坩堝に対し
て変化させることにより、各材料へ投入されるエネルギ
ーを分配できる。これらの関係式を次に示す。
【0028】 tan =[Pan /(ΣPa+ΣPs)]×t0 ここに tan :酸化アルミニウム・ブロックnでの電子線走査
時間 Pan :酸化アルミニウム・ブロックnに投入するエネ
ルギー量 ΣPa:計4ブロックの酸化アルミニウムに投入する総
エネルギー量 ΣPs:計4ブロックの酸化珪素に投入する総エネルギ
ー量 t0 :ハードウエアーに依存する時間定数(ms:ミ
リセカンド) 上記演算式にて出力された各制御量は電子銃制御回路2
0に送られ、この制御量に従い電子銃4が制御される。
この電子銃制御回路20は、加熱手段である電子銃4の
出力を制御する厚み制御手段を構成する。
【0029】各蒸着ブロックから蒸発するガスの分布
は、坩堝中の各蒸着材料の蒸発特性を示す図5の31
(酸化珪素・ブロックからの蒸発成分)、32(酸化ア
ルミニウム・ブロックからの蒸発成分)に示すように、
真上が最も強度が高く、横に広がる程、強度が低下する
分布を示す。この分布強度および形状は、電子ビームの
強度、電子線が入射される角度、電子銃と坩堝までの距
離および蒸発面積に主に依存する。従って、薄膜を形成
するフィルムの幅方向および走行方向に組成比が同じ
で、且つ目標とする総厚みが均一な膜を形成させるため
には、蒸着材料の配置が最も重要である。本実施例にお
ける材料の配置は、図2、3に示す通りであり、電子銃
4と最も近い坩堝9表面までの距離を1,000mmと
した。尚、図中A、Sは夫々Al23 、SiO2 が収
納されていることを示す。
【0030】蒸着材料16は、図3に示す2mm厚程度
の薄いカーボン製しきり板19で分割して配置される。
複数の坩堝を独立にフィルム幅方向に配置することな
く、1個の坩堝内に配置した薄いしきり板19で材料を
分割したのは、薄い仕切り板19によって未蒸着面積を
最小限に抑えることにより、材料交差域での厚み変動を
抑える効果が非常に大きいためである。更に、しきり板
19が傾いているのは電子線18が斜めから入射される
際に、しきり板19で遮蔽されるのを防ぐためである。
【0031】
【実施例】以下に、実際に行った実験例を示す。
【0032】(実施例1)蒸着にされる高分子フィルム
17として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム(束洋紡績(株)製、E5100:商品名)を用
いた。その他使用可能な高分子フィルムとしては、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12、ナイロン4、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等が上げられるが、高分子フィルムとし
て特に材料に限定されるものではない。
【0033】蒸着材料(蒸着源)として、3〜5mm程
度の大きさの粒子状をした酸化アルミニウム(Al2
3 、純度99.5%)と酸化珪素(SiO2 、純度9
9.9%)を用いた。真空槽の圧力は、4×10-2Pa
以下を常時確保できるような排気系とした。
【0034】蒸着後の混合膜層の厚みは、測定ロールの
略真上で、且つ高分子フィルム17の幅方向の中央に配
置された厚みモニタ装置7にて連続的に測定した。尚、
フィルム全幅での厚みをオンライン測定する方法として
は、本実施例に記す例の他、図7(a),(b)に示す
ような配置や、単体の厚みモニタ装置を左右にトラバー
スする方法でも良く、その方式は特に限定するものでは
無い。
【0035】すなわち、図7(a)に示す配置の場合、
厚みモニタ装置7は、フィルムの幅方向では各蒸着材料
の略真上に配置できるように、干鳥状に2列に計8台を
配置してある。各厚みモニタ装置7の幅方向の間隔は、
100mm程度である。尚、千鳥配置の間隔、配列数お
よび台数などは、蒸着フィルムの幅寸法や蒸着薄膜の要
求品質に基づいて決定すれば良く、特に限定されるもの
ではない。
【0036】又、図7(b)の場合、厚みモニタ装置7
を、フィルム幅方向に一列に等間隔に計4台配置した。
各モニタ装置7の幅方向の間隔は、200mm程度であ
る。この場合、図7(a)の千鳥状に配置した場合のよ
うに、各蒸着材料の真上の蒸着膜の厚み全てを計測でき
ない。この課題を解決するために、測定データを基にそ
の間の厚みを直線近似にて求めるようにするとよい。そ
の場合、近似予測手段を一次式にて行ってもよいし、測
定点が多い場含には多項式による近似などを行ってもよ
い。
【0037】次に、厚みモニタ装置7を詳細に説明す
る。まず、ロジウムのX線管7aに40kV、50mA
の電流を流して、測定ロール5上を走行中のフィルム1
7に垂直に一次X線を照射した。この場合、フィルム1
7上の蒸着膜に照射されるX線は、コリメートされた3
0mmΦの光束である。このX線により励起された特性
(蛍光)X線の一部は、混合膜の測定位置から略等距離
にあり、且つ測定ロール5面に対して略30°の入射角
度で配置された2個のフタル酸水素タリウム分光結晶板
7bに導かれる。2個の分光結晶板7bはSiとAlの
元素成分の特性X線波長に分光する。これらの分光結晶
板7bに導かれた特性X線は、Alの波長である8.3
4Åと、Siの波長である7.13Åに各々分光され
る。これらの選択された波長が各々独立の比例計数管7
cに導かれて、一定時間毎に特性X線強度が計測され
る。
【0038】上記比例計数管7cにて計測された特性X
線強度は、以後のアンプ11により処理可能なレベルの
0〜5Vまで増幅された後、アナログ/デジタル変換器
12にてデジタル信号に変換された。分解能は12ビッ
ト(bit)である。変換されたデジタル信号は、厚み
演算器13により各元素毎の厚みデータに変換した。変
換法は、厚みが既知である複数の蒸着サンプルでの蒸着
膜厚とX線強度の検量線を事前に作成しておき、この検
量線に基づいて厚みデータに変換する方法を採用した。
【0039】測定厚み補正用の標準板は、40mmΦで
厚さ3mmのアルミニウム板と珪素板を用い、表面に4
μm厚のチタンを貼り付けてX線減衰用の層を設けた。
又、基準試料7e2として、基準強度測定用にステンレ
ス鋼板を用いた。温度検出器7fとしては、T型熱電対
を使用した。尚、標準板7eによる測定値の補正は、以
下の式により行った。
【0040】補正強度=混合膜の特性X線強度×標準試
料の特性X線強度/基準試料の特性X線強度 温度変化による測定値の補正は、雰囲気温度を10〜3
5℃まで変化させたときの各標準板7eの特性X線強度
を事前に測定し、求めた関係式に従って補正した。
【0041】前述した条件にて高分子フィルム17の蒸
着を行った。フィルムの走行速度は300m/分で計4
0,000mを蒸着し、混合膜の各々の厚みを測定して
厚み制御を行う周期は10秒とした。又、雰囲気温度は
20,000mまでを25℃とし、以降は装置に30℃
のホットエアーを吹きつけながら蒸着した。
【0042】尚、本発明の効果を確認するため、蒸着後
の同一フィルムを真空槽から取り出してエリプソメータ
で総厚みを求め、フィルムをエッチング処理してガスク
ロマトグラフィにより組成比率を求めて酸化アルミニウ
ムと酸化珪素の厚みに換算した各々のデータと比較し
た。その結果を表1に示す。オフラインでの分析結果と
ほぼ等しく、又、雰囲気温度が変化した場合でも高精度
に混合膜が形成されていることが判る。
【0043】(実施例2)測定条件は、実施例1と同じ
方法により10日の間隔で計10回の蒸着を行い、バッ
チ間の測定値変動があるかどうかを確認した。効果を確
認するために、標準板による補正が無い場合での蒸着と
比較した。その結果を表2に示す。表2の結果より、経
時変化によりX線源の強度が劣化しても高精度に測定で
きていることが判る。
【0044】
【表1】
【表2】 〔別実施の形態〕 (1)上記実施形態では、フィルム状の被蒸着材料とし
て高分子フィルムを例に挙げたが、被蒸着材料としては
紙、布などでもよい。又、蒸着材料として、上記した酸
化アルミニウムと酸化珪素以外に、種々の元素、化合物
を使用することができ、更に2種以上の蒸着材料を用い
て2種以上の元素または成分からなる混合膜を形成する
ようにしてもよい。又、単元素、単成分の薄膜を形成す
る場合には前述した仕切り板を除去すればよい。
【0045】(2)上記実施形態では、特性X線測定手
段により測定された特性X線強度を厚み変換器13によ
り変換した後、補正装置により補正し、そのデータを混
合膜厚み出力手段である制御量演算器15に出力するよ
うにしたが、これに代えて、測定された特性X線強度を
補正装置14により補正し、補正されたデータを厚み変
換器13に出力する方式を採用してもよい。
【0046】(3)上記実施形態では、真空槽としてい
わゆる1チャンバー式を用いた例を示たが、フィルム等
の被蒸着材料を走行する室と蒸着材料を加熱する室とを
異なる減圧状態にして真空蒸着を行う、いわゆる2チャ
ンバー式の装置にも、本発明を適用できる。
【0047】(4)上記実施形態では、被蒸着材料の巻
き出しロール及び巻き取りロールを真空槽内に配置した
例を示したが、巻き出しロール及び巻き取りロールを蒸
着する真空槽外に配置し、蒸着を高真空槽内で行う連続
方式の装置にも適用できる。
【0048】(5)上記実施形態では加熱手段を電子銃
としたが、坩堝を誘導加熱コイルにより加熱する蒸着装
置にも適用できる。
【0049】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば走行中
のフィルム表面に異なる元素からなり、所定の組成比お
よび目標厚みを有する混合膜を、連続的、且つ均一に形
成できる真空蒸着装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施形態に係る真空蒸着装置の概略全
体構成図
【図2】本発明の一実施形態に係る真空蒸着装置に用い
る坩堝とその配置を説明する図
【図3】図2の坩堝の構造を説明する図
【図4】坩堝投入エネルギー量とフィルム蒸着速度との
関係を説明するグラフ各蒸着材料ブロックの蒸着特性を
説明するグラフ
【図5】各蒸着材料ブロックの蒸着特性を説明するグラ
【図6】標準板の概略構成図
【図7】厚みモニタ装置の配置方法を説明する図
【符号の説明】
4 加熱手段 6 真空槽 7 厚みモニタ装置 7a X線照射手段 7b,7c 特性X線測定手段 7d 標準板移動手段 7e 標準板 7e1 標準試料 7f 温度検出手段 7g 照射光路 9 保持手段 14 補正手段 15 混合膜厚み出力手段 17 フィルム 20 厚み制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA04 CA01 EA02 EA08 FA01 FA02 FA08 GA16 JA09 JA15 JA16 KA11 NA06 NA07 NA17 PA05 PA07 SA02 4G075 AA24 BB02 BC01 BD14 CA02 CA65 DA01 DA12 EA05 EB01 EB31 ED04 ED06 ED09 EE12 FB12 4K029 AA11 AA25 BA44 BA46 CA01 DB05 EA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内を走行するフィルムに異なる元
    素からなる混合膜を形成可能な真空蒸着装置において、
    異なる種類の蒸着材料を保持可能な保持手段と、前記蒸
    着材料を加熱して蒸着させる加熱手段と、この加熱手段
    により形成された前記フィルム上の混合膜に一次X線を
    照射するX線照射手段と、前記一次X線により励起され
    る特性(蛍光)X線の強度を測定する特性X線測定手段
    と、既知の特性を有する複数の標準試料を備えた標準板
    を、前記一次X線の照射光路に出退可能に移動させる標
    準板移動手段と、前記標準試料から得られる特性X線強
    度の測定値に基づいて前記特性X線測定手段で測定され
    た特性X線強度を補正する補正手段と、前記特性X線強
    度を基に前記混合膜の成分毎の厚みを出力する混合膜厚
    み出力手段と、この混合膜厚み出力手段で得られた厚み
    データ又は前記補正手段より補正されたデータに基づい
    て前記加熱手段を制御する厚み制御手段と、を備えるこ
    とを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 【請求項2】 前記特性X線測定手段近傍の雰囲気温度
    を測定する温度検出手段を備えると共に、前記補正手段
    が、前記標準試料から得られる特性X線強度の測定値と
    前記温度検出手段で得られた温度とに基づいて、前記特
    性X線測定手段で測定された特性X線の強度を補正する
    請求項1記載の真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】 前記X線照射手段と特性X線測定手段と
    を備える厚みモニタ装置が、前記フィルム幅方向に略等
    間隔で千鳥状に配置される請求項1又は2記載の真空蒸
    着装置。
  4. 【請求項4】 前記X線照射手段と特性X線測定手段と
    を備える厚みモニタ装置が、前記フィルム幅方向に一列
    に略等間隔で配置される請求項1又は2記載の真空蒸着
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020197410A (ja) * 2019-05-31 2020-12-10 日本電子株式会社 X線分析装置
WO2026028661A1 (ja) * 2024-07-31 2026-02-05 株式会社堀場製作所 蛍光x線分析装置及び蛍光x線分析方法

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