JP2000258391A - 溶液中のリン化合物等の定量方法及び装置 - Google Patents

溶液中のリン化合物等の定量方法及び装置

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JP2000258391A
JP2000258391A JP11064745A JP6474599A JP2000258391A JP 2000258391 A JP2000258391 A JP 2000258391A JP 11064745 A JP11064745 A JP 11064745A JP 6474599 A JP6474599 A JP 6474599A JP 2000258391 A JP2000258391 A JP 2000258391A
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Toyoaki Aoki
豊明 青木
Daisuke Nakano
大介 中野
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Toray Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中の懸濁物や着色物の干渉を受けずに試料
溶液中のリン化合物又はケイ酸を、高感度で短時間に定
量できるようにする。 【解決手段】 硫酸溶液が供給される流路2には試料溶
液を供給するインジェクタ6が設けられ、流路2から供
給された硫酸溶液とインジェクタ6から導入された試料
溶液とがミキシングコイル8で混合される。流路10か
らはモリブデン酸溶液が供給され、ミキシングコイル8
の下流で流路2と10が合流され、ミキシングコイル9
により試料溶液が酸性下でモリブデン酸溶液と混合され
て測定目的化合物がモリブデン酸と反応した状態で電気
化学式検出器14に導かれれる。電気化学式検出器14
では、反応した目的化合物が電気分解され、そのときの
電流が検出されて目的化合物の定量に供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶液中のリン化合物
とケイ酸の少なくとも一方を目的化合物として定量する
方法とその装置に関するものである。この定量方法は、
下水や浄水の処理プロセスのモニタとして、又は河川、
湖沼、海水もしくは排水などの水質モニタとして利用す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】試料溶液中のリン化合物の定量方法とし
ては、一般にモリブデン酸ブルー比色法が採用されてい
る。そのモリブデン酸ブルー比色法で全リン定量測定を
行なうには、試料溶液に硫酸−ペルオキソ二硫酸カリウ
ム溶液を添加し、オートクレーブで加熱分解してリン化
合物をリン酸イオンに変換する。その後、発色させるた
めに、硫酸を添加し、続いてモリブデン酸アンモニウム
と酒石酸アンモニウムカリウムの混合溶液を添加し、さ
らに続いてL−アスコルビン酸溶液の混合液を添加した
後、880nmの波長で比色定量を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】モリブデン酸ブルー比
色法は水中の懸濁物や着色物の干渉を受けるため、汚れ
た環境水中のリン化合物を正確に定量することは難し
い。また、湖水や海水中のリン化合物は濃度が低いた
め、その方法で定量することは難しい。モリブデン酸ブ
ルー比色法では発色させるために複数種類の発色剤を順
次添加した後に吸光度を測定するため、測定に要する時
間が長くなる問題もある。本発明は水中の懸濁物や着色
物の干渉を受けずに、添加する試薬の種類も少なく、試
料溶液中のリン化合物などの目的化合物を定量できるよ
うにし、かつ高感度で短時間に測定できるようにする定
量方法とその装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の定量方法は、溶
液中のリン化合物とケイ酸の少なくとも一方を目的化合
物として定量する方法であって、試料溶液を酸性下でモ
リブデン酸と混合して目的化合物をモリブデン酸と反応
させる工程と、モリブデン酸と反応した目的化合物を電
気化学式検出器において電気分解させ、そのときに流れ
る電流を検出する工程と、電気化学式検出器における電
流に基づいて試料溶液中の目的化合物濃度を求める工程
とを備えている。
【0005】モリブデン酸溶液はモリブデン酸自身を含
んだもの、及び水溶性のモリブデン酸塩を溶解したもの
の両方を含む意味で使用している。そのような水溶性の
モリブデン酸塩としては、モリブデン酸カリウム、モリ
ブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウムなどを
用いることができる。
【0006】リン化合物の測定について説明すると、リ
ン化合物は単独ではほとんど電気分解を受けない。しか
し、リン化合物とモリブデン酸が反応して生じるリンモ
リブデン酸は、電気分解を受けるようになる。リンモリ
ブデン酸が電気分解を受けるようになるのは、リンモリ
ブデン酸が高酸化状態にあるためであると考えられる。
この電気分解で流れる電流はリンモリブデン酸濃度、す
なわちリン化合物濃度に対応する。したがって、この電
流を測定することによって試料溶液中のリン化合物を定
量することができる。
【0007】ここで測定されるリン化合物は、モリブデ
ン酸と反応してリンモリブデン酸を生成するリン化合物
であり、具体的には無機のオルトリン酸を初め、二リン
酸や三リン酸などの縮合リン酸、及び有機のオルトリン
酸や縮合リン酸、並びにそれらのリン酸の塩が挙げられ
る。無機のオルトリン酸はその全量がモリブデン酸と反
応してリンモリブデン酸を生成するが、それ以外のリン
化合物は一部が加水分解してオルトリン酸となり、その
オルトリン酸がモリブデン酸と反応してリンモリブデン
酸を生成する。
【0008】試料溶液に含まれるリン化合物として、こ
のようにモリブデン酸と反応してリンモリブデン酸を生
成するリン化合物以外の酸化状態のリン化合物を含んで
いる場合に、全リン定量測定を行なうには、全てのリン
化合物をモリブデン酸と反応してリンモリブデン酸を生
成する状態にする前処理工程を追加すればよい。そのよ
うな前処理工程としては、JISK0102に示されて
いるような過塩素酸による方法や硝酸による方法の他、
硫酸−ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を添加してオート
クレーブで加熱処理するオートクレーブ分解法、紫外線
照射による方法、オゾン分解法などを採用することがで
きる。
【0009】ケイ酸についても同様にして定量すること
ができる。すなわち、ケイ酸も単独では電気分解を受け
ないが、ケイ酸とモリブデン酸とを反応させた後であれ
ば、電気分解を受けて電流が流れるようになる。この場
合も、ケイ酸とモリブデン酸との反応生成物の電気分解
の機構は、ケイ酸とモリブデン酸との反応生成物が高酸
化状態にあるためであると考えられる。
【0010】リン化合物やケイ酸とモリブデン酸との反
応は酸性下において生じる。反応溶液を酸性にする酸
は、硫酸や塩酸を初め、無機又は有機の種々の酸を使用
することができる。そして、リン化合物とケイ酸がモリ
ブデン酸と反応して錯体を形成するのに適した酸性の強
さには異なった領域が存在することがわかった。例え
ば、反応溶液を酸性にするために硫酸を使用した場合、
その硫酸の添加濃度を変えることにより、リン化合物と
ケイ酸の分別測定が可能となる。
【0011】図1に、リン酸とモリブデン酸との混合物
と、ケイ酸とモリブデン酸との混合液それぞれにおける
電気化学式検出器における電流に対する硫酸の効果を測
定した結果を示す。横軸は硫酸濃度、縦軸は電流であ
る。この測定結果は、一実施例の図2に示す装置を使用
し、流路10から供給するモリブデン酸溶液として1.
8mMモリブデン酸アンモニウム溶液を用いて、その流
量を0.5ml/分とし、流路2から供給する硫酸溶液
の流量を0.5ml/分として、その濃度を変化させ
た。インジェクタ6から導入する試料溶液の1回あたり
の量は100μlとした。リン化合物測定時の試料溶液
のリン酸濃度は0.31P−ppm、ケイ酸測定時の試
料溶液のケイ酸濃度は1.4Si−ppmとした。
【0012】この結果によれば、硫酸濃度を0.2M付
近にすれば、リン酸に対しては感度をもつために測定が
できるのに対し、ケイ酸に対しては感度をもっていない
ので、ケイ酸の干渉を受けずにリン酸を測定できる。こ
れに対して、硫酸濃度を0.008Mにすれば、ケイ酸
に対しては感度をもっているために測定ができるのに対
し、リン酸に対しては感度をもっていないので、リン酸
の干渉を受けずにケイ酸を測定できる。このように、モ
リブデン酸がリン化合物とのみ反応し、ケイ酸とは反応
しない酸性領域になるように酸性の強さを調整すること
により、ケイ酸による干渉を排除してリン化合物のみを
測定することができる。また、モリブデン酸がケイ酸と
のみ反応し、リン化合物とは反応しない酸性領域になる
ように酸性の強さを調整することにより、リン化合物に
よる干渉を排除してケイ酸のみを測定することができ
る。
【0013】また、図1において、リン酸に対してもケ
イ酸に対してもともに感度をもっている硫酸濃度の領域
では、モリブデン酸がリン化合物とケイ酸の両方と反応
するので、そのような酸性領域になるように酸性の強さ
を調整することにより、リン化合物とケイ酸の両方を測
定するもできる。この場合、定量を行なうには、モリブ
デン酸がリン化合物とケイ酸の両方と反応する酸性領域
において、少なくとも2つの酸性の強さになるように酸
性の強さを調整することにより、その少なくとも2つの
強さの酸性下において目的化合物をモリブデン酸と反応
させ、それぞれの酸性下において反応した目的化合物に
ついての電気化学式検出器における電流を検出して、そ
の少なくとも2つの電流検出値に基づいてリン化合物と
ケイ酸の合計濃度を測定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】目的化合物とモリブデン酸とを反
応させる工程は反応容器中で行なわせることができる。
その場合、反応後の試料溶液を採取して電気化学式検出
器に導く。目的化合物とモリブデン酸とを反応させる工
程を電気化学式検出器につながる流れの中で行なわせ、
反応後の試料溶液をその流れに沿って電気化学式検出器
に導くようにすることもできる。流れを利用する方式を
フロー式と呼ぶ。フロー式の測定方法を実現するため
に、本発明による定量装置は、流れの途中で試料溶液を
酸性下でモリブデン酸と混合して試料溶液中の目的化合
物をモリブデン酸と反応させる流路と、流路の下流に接
続され、モリブデン酸と反応した目的化合物を電気分解
させてそのときに流れる電流を検出する電気化学式検出
器とを備え、電気化学式検出器における電流に基づいて
試料溶液中のリン化合物とケイ酸の少なくとも一方の濃
度を求めるものである。
【0015】
【実施例】図2は一実施例の定量装置を概略的に表わし
たものである。第1の流路2からは硫酸溶液が供給さ
れ、送液ポンプ4により硫酸溶液が一定流量で供給され
る。流路2には試料溶液を供給するためにインジェクタ
6が設けられている。インジェクタ6は六方バルブ6a
にサンプルループ6bを備えたものであり、サンプルル
ープ6bに一定量の試料溶液を採取した後、バルブ6a
の切換えにより流路2に試料溶液を導入する。8は混合
器のミキシングコイルであり、流路2から供給された硫
酸溶液とインジェクタ6から導入された試料溶液とを混
合する。
【0016】第2の流路10からはモリブデン酸溶液が
供給され、送液ポンプ12によりモリブデン酸溶液が一
定流量で供給される。ミキシングコイル8の下流で、流
路2と10が合流され、試料溶液を酸性下でモリブデン
酸溶液と混合させて測定目的化合物を反応させるため
に、ミキシングコイル9が設けられている。そのミキシ
ングコイル9の下流に電気化学式検出器14が設けられ
ている。電気化学式検出器14にはミキシングコイル9
を経てモリブデン酸と反応した目的化合物を含む混合溶
液が供給され、電気化学式検出器14中のフローセルを
流れる。そのフローセルを流れる混合液に電気化学式検
出器14で電位がかけられ、その混合液から発生した電
流が電気化学式検出器14で検出される。電気化学式検
出器14で電流が検出された後の溶液は廃棄される。1
6は電気化学式検出器14での電流を記録するレコーダ
である。電気化学式検出器14としてはECD−100
型(エイコム社製)を使用し、設定電位として−0.1
Vを印加した。この実施例における流路2,10及びミ
キシングコイル8の材質としてはテフロン(ポリ四フッ
化エチレンのデュポン社の商品名)を用いた。
【0017】流路2から供給される硫酸溶液は0.20
M硫酸溶液を用い、流路10から供給されるモリブデン
酸溶液は1.8mMモリブデン酸アンモニウム溶液を用
いた。流路2から供給される硫酸溶液の流量を0.5m
l/分、流路10から供給されるモリブデン酸溶液の流
量を0.5ml/分とした。インジェクタ6から導入さ
れる試料溶液の1回あたりの量は100μlとした。
【0018】図2の測定装置で、リン化合物濃度を異な
らせた試料溶液について測定した電気化学ピークの一例
を図3に示す。図3は、試料溶液として、16P−pp
b(P−ppb=μgP/l)(E)、31P−ppb
(D)、62P−ppb(C)、155P−ppb
(B)及び310P−ppb(A)のリン酸溶液をそれ
ぞれ3回ずつ導入して測定した結果である。インジェク
タ6による試料溶液の導入からピーク検出までの時間は
60秒であった。
【0019】試料溶液としてリン酸濃度3.1P−pp
bから310P−ppbの範囲の種々の濃度の試料溶液
について電気化学ピークのピーク高さを測定した例を図
4に示す。図4の結果から、この範囲のリン酸濃度でリ
ン酸濃度とピーク高さとの間に相関関係がある。図4の
結果を検量線とすることにより、試料溶液中のリン化合
物濃度を定量することができる。
【0020】同様にして、試料溶液中の目的化合物を、
リン化合物からケイ酸に変えて測定した。ケイ酸濃度と
電気化学ピーク高さの間の関係を図5に示す。この場
合、図2の流路2にはキャリアとして水を0.5ml/
分の流量で流し、そのキャリアの流れにインジェクタ6
により試料溶液を1回あたり100μlずつ導入する。
流路10から試薬として1.8mMモリブデン酸アンモ
ニウム溶液に硫酸が8mMとなるように添加したものを
供給した。図5の結果は、ケイ酸濃度28Si−ppb
(Si−ppb=μgSi/l)から2800Si−p
pbの間でケイ酸濃度と電流との間に相関関係があるこ
とを示している。図5の結果を検量線とすることによ
り、試料溶液中のケイ酸濃度を定量することができる。
【0021】本発明における測定装置は、酸性下で試料
溶液とモリブデン酸溶液とを混合して試料溶液中に含ま
れる目的化合物であるリン化合物とケイ酸のいずれか又
は両方をモリブデン酸と反応させ、その後、電気化学式
検出器においてその反応生成物の電気分解による電流を
検出するものである。酸性下で目的化合物とモリブデン
酸とを反応させる装置は、図2に示したものに限らず、
種々の形式のものとすることができる。
【0022】第1の方式は、図6に示されるように、反
応容器20に試料溶液、モリブデン酸溶液及び測定しよ
うとする目的化合物がリン化合物か、ケイ酸か、又は両
方であるかによって混合液溶液の酸性度を調整するため
の酸溶液とを容器20に入れて混合し、目的化合物とモ
リブデン酸とを反応させるものである。反応した試料混
合溶液を取り出し、電気化学式検出器14に注入するこ
とにより目的化合物の定量を行なうことができる。
【0023】第2の方式は、図2に一例が示されている
ように、試料中の目的化合物とモリブデン酸とを酸性下
で反応させる反応を流路中で行なわせるフロー式のもの
である。フロー式反応流路の第1の方式は、図7に示さ
れるように、1本の流路で目的化合物とモリブデン酸と
を反応させるようにしたものである。送液ポンプ22を
備えた流路24に、インジェクタ6を備え、その下流に
ミキシングコイル9を設けて、ミキシングコイル9で混
合された混合溶液を電気化学式検出器14へ導くもので
ある。その第1の例としては、図7(A)に示されるよ
うに、試料溶液をポンプ22により連続して供給し、イ
ンジェクタ6からは試薬としてモリブデン酸と、測定し
ようとする目的化合物に応じて調整した強さの酸溶液と
を混合したものを流路24に注入するものである。この
場合、試料溶液としては河川水や湖沼水のように大量に
存在するものが適する。
【0024】その第2の例は、図7(B)に示されるよ
うに、ポンプ22により試薬を供給し、インジェクタ6
から試料溶液を注入するようにしたものである。この場
合、試薬として目的化合物に応じた強さの酸溶液を供給
する場合には、試料溶液として試料溶液にモリブデン酸
を混合したものを用いる。試薬としてモリブデン酸溶液
を供給する場合には、試料溶液としては試料に目的化合
物に応じた強さの酸溶液を混合したものを用いる。ま
た、試薬としてモリブデン酸と目的化合物に応じた強さ
の酸溶液とを混合したものを用いる場合には、試料溶液
のみを注入する。
【0025】図7の流路においては、ポンプにより供給
される試料溶液又は試薬と、インジェクタ6から注入さ
れる試薬又は試料溶液がミキシングコイル9で混合さ
れ、モリブデン酸と目的化合物とが酸性下で反応し、そ
の反応した試料混合溶液が検出器14に導かれて電気分
解による電流が検出される。
【0026】フロー式の第2の方式は、図8に示される
ように、2本の流路を用いたものである。その第1は、
図8(A)に示されるように、ポンプ32を備えた流路
34から試料溶液を供給し、ポンプ36を備えた流路3
8から試薬としてモリブデン酸に目的化合物に応じた強
さの酸溶液を混合したものを供給する。その2つの流路
34と38を合流させてミキシングコイル9を経て検出
器14に導く。
【0027】2本の流路を用いた第2の例は、図8
(B)に示されるように、ポンプ42を備えた流路44
に試料を注入するためのインジェクタ6を設け、その下
流にミキシングコイル8を設け、他方のポンプ46を備
えた流路48と、流路44とを合流させる。その合流点
の下流にミキシングコイル9を経て検出器14を配置し
たものである。流路44にはキャリアを供給し、流路4
8からは試薬を供給する。この場合、キャリアとして水
を用いた場合には、試薬としてモリブデン酸に目的化合
物に応じた強さの酸溶液を混合したものを用いる。ま
た、キャリアとして酸溶液を用いた場合には、試薬とし
てモリブデン酸溶液を用いる。
【0028】図8(B)の装置において、ミキシングコ
イル8はキャリアとして酸溶液を使用した場合に、酸溶
液と試料溶液とをまず混合するためのものであり、キャ
リアとして水を使用する場合にはそのミキシングコイル
8は不要である。また、キャリアとして酸溶液を使用す
る場合(この場合は図2と同じとなる。)であってもミ
キシングコイル8を省略することができる。図8の流路
をとった場合にも、検出器14に導かれるまでの流路で
試料溶液中の目的化合物が酸性下でモリブデン酸と反応
することにより検出器14でその電気分解による電流が
検出されることには変わりはない。
【0029】フロー式の第3の方式は、図9に示される
ように、3つの流路を備えたものである。その第1の例
は、図9(A)に示されるように、ポンプ52を備えて
試料溶液を供給する流路54と、ポンプ56を備えてモ
リブデン酸溶液を供給する流路58、とポンプ60を備
えて酸溶液を供給する流路62の3つの流路を有し、そ
れらを合流させてミキシングコイル9を経て検出器14
に導くものである。この場合、3つの流路は同一点で合
流させなくても、まず2本の流路を合流させ、その後に
残りの1つの流路を合流させるようにしてもよい。その
際、2つの流路の合流点と他の1本の合流点との間にさ
らにミキシングコイルを配置してもよい。
【0030】流路が3つの他の例は、図9(B)に示さ
れるように、ポンプ72を備えてキャリアとして水を供
給する流路74に試料を注入するインジェクタ6を設
け、他の2つの流路として図9(A)と同様にモリブデ
ン酸溶液を供給する流路58と酸溶液を供給する流路6
2を設け、それらの3つの流路を合流させミキシングコ
イル9を経て検出器14に導くようにしたものである。
この場合も3つの流路は同一点で合流させてもよく、2
つの流路を合流させた後に他の1つの流路を合流させる
ようにしてもよい。そして、2つの流路を合流させた後
に他の1つの流路を合流させる場合に、2つの流路の合
流点と他の1本の合流点との間にさらにミキシングコイ
ルを配置してもよい。
【0031】いずれの流路の構成をとる場合でも、検出
器14のフローセルには試料溶液中の目的化合物が酸性
下でモリブデン酸と反応した状態で供給され、検出器1
4ではその反応した化合物の電気分解による電流が検出
され、それにより目的化合物の定量がなされる。いずれ
の図においても、16は電気化学式検出器14での電流
を記録するレコーダである。
【0032】フロー式の装置で、ポンプにより連続的に
供給する溶液は、大量に存在する試料溶液や、試薬とし
て安価な場合には好都合である。そして、フロー式によ
り、試料溶液を連続して供給するようにすれば、下水や
浄水処理プロセスのモニタとして、又は排水などの水質
モニタとして試料溶液を連続して測定することができる
ようになり、オペレータが常時ついて操作する煩わしさ
がなくなる。
【0033】
【発明の効果】本発明では、試料溶液を酸性下でモリブ
デン酸と混合して目的化合物をモリブデン酸と反応さ
せ、その反応した目的化合物を電気化学式検出器におい
て電気分解させて、そのときに流れる電流を検出して目
的化合物濃度を求めるようにしたので、試料溶液中のリ
ン化合物やケイ酸を短時間で安定して定量することがで
きるようになる。図4の結果を得た測定を繰り返し行な
い、そのバラツキの測定結果に基づいてS/N(信号/
ノイズ比)=3を定量下限とすれば、本発明の方法によ
り試料溶液中のリン化合物を2P−ppbの低濃度まで
定量できることがわかった。試料溶液中のケイ酸を測定
する場合も同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モリブデン酸とリン酸との反応生成物及びモリ
ブデン酸とケイ酸との反応生成物それぞれからの電流に
対する硫酸濃度の効果を示す図である。
【図2】一実施例を示す流路図である。
【図3】同実施例における電気化学ピークの一例を示す
図である。
【図4】リン化合物濃度と電流の関係を示す図である。
【図5】ケイ酸濃度と電流の関係を示す図である。
【図6】試料溶液などを容器内で混合する装置の実施例
を示す流路図である。
【図7】(A),(B)はそれぞれ流路が1つのフロー
式の実施例を示す流路図である。
【図8】(A),(B)はそれぞれ流路が2つのフロー
式の実施例を示す流路図である。
【図9】(A),(B)はそれぞれ流路が3つのフロー
式の実施例を示す流路図である。
【符号の説明】
2,10,24,34,38,44,48,54,5
8,62,74流路 4,12,22.32.36.42.46,52,5
6,60,72送液ポンプ 6 インジェクタ 8 ミキシングコイル 14 電気化学式検出器 16 レコーダ 20 容器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液中のリン化合物とケイ酸の少なくと
    も一方を目的化合物として定量する方法であって、 試料溶液を酸性下でモリブデン酸と混合して前記目的化
    合物をモリブデン酸と反応させる工程と、 モリブデン酸と反応した前記目的化合物を電気化学式検
    出器において電気分解させ、そのときに流れる電流を検
    出する工程と、 前記電気化学式検出器における電流に基づいて試料溶液
    中の目的化合物濃度を求める工程とを備えた定量方法。
  2. 【請求項2】 前記目的化合物とモリブデン酸とを反応
    させる前記工程を反応容器中で行なわせ、反応後の試料
    溶液を採取して前記電気化学式検出器に導く請求項1に
    記載の定量方法。
  3. 【請求項3】 前記目的化合物とモリブデン酸とを反応
    させる前記工程を前記電気化学式検出器につながる流れ
    の中で行なわせ、反応後の試料溶液をその流れに沿って
    前記電気化学式検出器に導く請求項1に記載の定量方
    法。
  4. 【請求項4】 モリブデン酸がリン化合物とのみ反応
    し、ケイ酸とは反応しない酸性領域になるように酸性の
    強さを調整することにより、ケイ酸による干渉を排除し
    てリン化合物のみを測定する請求項1から3のいずれか
    に記載の定量方法。
  5. 【請求項5】 モリブデン酸がケイ酸とのみ反応し、リ
    ン化合物とは反応しない酸性領域になるように酸性の強
    さを調整することにより、リン化合物による干渉を排除
    してケイ酸のみを測定する請求項1から3のいずれかに
    記載の定量方法。
  6. 【請求項6】 モリブデン酸がリン化合物とケイ酸の両
    方と反応する酸性領域において、少なくとも2つの酸性
    の強さになるように酸性の強さを調整することにより、
    その少なくとも2つの強さの酸性下において目的化合物
    をモリブデン酸と反応させ、それぞれの酸性下において
    反応した目的化合物についての電気化学式検出器におけ
    る電流を検出して、その少なくとも2つの電流検出値に
    基づいてリン化合物とケイ酸の合計濃度を測定する請求
    項1から3のいずれかに記載の定量方法。
  7. 【請求項7】 試料溶液に含まれる全てのリン化合物を
    モリブデン酸と反応する状態にする酸化工程を含む請求
    項1,2,3,4又は6に記載の定量方法。
  8. 【請求項8】 流れの途中で試料溶液を酸性下でモリブ
    デン酸と混合して前記試料溶液中の目的化合物をモリブ
    デン酸と反応させる流路と、 前記流路の下流に接続され、モリブデン酸と反応した前
    記目的化合物を電気分解させてそのときに流れる電流を
    検出する電気化学式検出器とを備え、前記電気化学式検
    出器における電流に基づいて前記試料溶液中のリン化合
    物とケイ酸の少なくとも一方の濃度を求める定量装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008196873A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Hokuto Denko Kk りん測定方法とその装置
CN112320917A (zh) * 2020-11-02 2021-02-05 深圳弘扬环保设备有限公司 一种可以增加矿泉水中偏硅酸含量的装置
US20230395384A1 (en) * 2015-12-08 2023-12-07 Elemental Scientific, Inc. Automatic sampling of hot phosphoric acid for the determination of chemical element concentrations and control of semiconductor processes

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