JP2000264705A - 失活セメントの製造方法 - Google Patents

失活セメントの製造方法

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JP2000264705A
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Hiroshi Yoshida
洋 吉田
Kunihide Saito
邦秀 斉藤
Kohei Nagano
公平 永野
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
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    • C04B2111/00086Mixtures with prolonged pot-life
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Abstract

(57)【要約】 【課題】補修用モルタル及び塗布材に含有されるセメン
トを不活性なものとすることにより、コンクリートの補
修時或いは補修後の白華現象を防止し得る失活セメント
を提供することを目的とする。 【解決手段】セメントに、水セメント比が200〜10
00%となるよう水を加えてスラリーを得るスラリー生
成工程と、該工程により生じたスラリーを高温下で攪拌
する攪拌工程と、を経ることにより、セメントの白華現
象を防止できる失活セメントの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木・建築物における
コンクリートの欠損部に使用される補修用モルタル及び
塗布材が含有するセメントに関し、特に、補修用モルタ
ル及び塗布材の白華現象を防止し得る失活セメントに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、土木・建築物の外壁等における
コンクリート表面には、新築、改修時のいずれの場合で
も、ジャンカ(巣穴)等欠損部が生じることがある。こ
のような欠損部を処理する方法として、被処理面の周り
のコンクリートに使用されるモルタルと同資材のモルタ
ル又は塗布材を上記欠損部に充填し、その表面をコテ等
で平滑になるようにしごいていた。ここで充填されるモ
ルタル又は塗布材は、主にセメント、合成樹脂エマルジ
ョン、及び顔料から構成され、被処理面の周りのコンク
リートと同色、同質感を得るとともに、被処理面への付
着性が良好とされている。
【0003】ここでいうセメントとは、普通ポルトラン
ドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルト
ランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸
塩ポルトランドセメント、などのポルトランドセメン
ト、及び高炉セメント、シリカセメント、フライアッシ
ュセメントなどの混合セメントをいう。また、水セメン
ト比とは、セメントに対して配合する水の重量%をい
う。尚、通常のモルタル、コンクリートの水セメント比
は、約10〜100%である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記被処理面
に使用されるモルタルが含有するセメントは、低温・高
湿条件下では、コンクリート表面に白色物質が析出、付
着し、表面を汚染する白華現象が生じやすくなってしま
うという問題があった。この白華現象の理由として、以
下のメカニズムが分かっている。即ち、セメントが水と
反応して硬化(これを水和反応という。)する際、セメ
ントゲルが生成して強度を生じさせるが、この他に水酸
化カルシウム(Ca(OH))が副生し、これが水に
溶解して水酸化カルシウムの溶液が生成する。
【0005】そして、この水酸化カルシウムが空気中の
炭酸ガスと反応することにより炭酸カルシウムの結晶が
析出し、該結晶の粒子が大きく成長して白色の粉として
視認されるようになる。これが白華現象の発生メカニズ
ムである。ここで、1.水酸化カルシウムの水への溶解
度は低温のほうが大きい、2.水酸化カルシウム水溶液
から炭酸ガスと反応して生成する炭酸カルシウムの結晶
の大きさは低温程大きく、かつ、高温程小さい、3.水
溶液からの水分の蒸発速度が遅いと結晶は大きく成長す
るが、蒸発速度が速いと結晶は小さい、という性質か
ら、白華現象は低温・高湿条件下で生じやすい。よっ
て、気温が低い日や湿度が高い日、或いは寒冷地での補
修作業は、白華現象を生じやすくしてしまう。
【0006】この白華現象が生じると、コンクリートの
強度など本質的な性能を害することはないが、美観を害
するという点で問題とされていた。そこで、本発明は、
補修用モルタルに含有されるセメントを不活性なものと
することにより、コンクリートの補修時或いは補修後の
白華現象を防止し得る失活セメントを提供することを目
的とする。ここで、本発明がいう失活セメントとは、セ
メントが本来有している水和結合力、色調、粘度などの
うち、水和結合力だけを特別の処理方法により消失させ
たセメントのことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下の如く構成したものである。即ち、請
求項1に係る失活セメントは、セメントに、水セメント
比が200〜1000%となるよう水を加えてスラリー
を得るスラリー生成工程と、該工程により生じたスラリ
ーを高温下で攪拌する攪拌工程と、を備えたことを特徴
とする。請求項2に係る失活セメントは、前記水セメン
ト比が、400〜700%であることを特徴とする。請
求項3に係る失活セメントは、前記攪拌工程が、75〜
180℃の温度条件下で行われることを特徴とする。上
記構成によれば、スラリー生成工程と攪拌工程とを経る
ことにより、セメントが本来有している水和結合力、色
調、粒度等のうち、水和結合力のみを強制的に消失させ
る。
【0008】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明
する。まず、本実施形態の適用例として、建築物におけ
る打放しコンクリートの表面処理方法について説明す
る。型枠を使用して形成されたコンクリートの躯体の表
面(被処理面)を洗浄し、該表面に発生したジャンカ
(巣穴)部、コールドジョイント部、型枠の段違い部、
メジ歪部、等の欠損部に下地調整材を充填して表面と略
同一面にする。この下地調整材は、液状のアクリル樹脂
系、酢酸ビニール共重合樹脂系、アクリル・スチレン共
重合樹脂系等のポリマーディスパージョンに所定色の顔
料を混入し、これに後述する失活セメント、砂、珪砂等
の細骨材を混入して上記躯体の表面と略同色に調合した
比較的高粘度の調合樹脂モルタルからなる。
【0009】次いで、上記下地調整材の上面を含む躯体
の表面全面に下地調整材をコテ等により塗布して所定の
厚さの下地層を形成し、表面に発生したピンホールおよ
び上記下地調整材の上面を被覆する。上記下地調整材、
つまり下地層は、上記下地調整材と同様に、液状のアク
リル樹脂系、酢酸ビニール共重合樹脂系、アクリル・ス
チレン共重合樹脂系等のポリマーディスパージョンに所
定色の顔料を混入し、これに後述する失活セメント、
砂、珪砂等の細骨材を混入して躯体の表面と略同色に調
合した比較的低粘度の調合樹脂モルタルからなる。以上
が本実施形態の適用例における打放しコンクリートの表
面処理方法である。
【0010】次に、本実施形態の失活セメントにする前
の一般的なポルトランドセメントの水和について説明す
る。一般にセメントは、石灰石、粘土、けい石、酸化鉄
原料、及びせっこうを主な原料とするものであり、これ
らに含有される主要化学成分として、CaO,Si
,Al,Feが挙げられる。上記セ
メントに水が混練されると、セメント中の構成化合物と
水との反応(水和)が開始され、その結果、けい酸カル
シウム水和物や水酸化カルシウム、アルミン酸カルシウ
ム水和物、アルミン酸硫酸カルシウム水和物等(これら
全体をセメントゲルという。)が生じる。なかでも、3
CaO・Alは最も水和が速いが、共存するせっ
こう(CaSO・2HO)は直ちに3CaO・Al
の表面に緻密な皮膜をつくり、3CaO・Al
の水和を抑制する。
【0011】一方、3CaO・SiOも3CaO・A
と同時に水和を開始するが、表面に薄い水和物
の被膜ができて、水和反応は低調になる。この後十数時
間にわたって3CaO・SiOのもっとも活発な水和
反応が起こり、セメント粒子間隙は生成するC−S−H
などによって密に埋められ、次第に硬化が進んでゆく。
以上のような水和によってセメントは硬化するのである
が、同時に白華現象の原因となる水酸化カルシウムの結
晶を析出してしまう。そこで、本実施形態においては、
上記した性質を有するセメントを処理して、コンクリー
トの補修時及び補修後に水和が進行しないようにした失
活セメントを得る。
【0012】以下、本発明に係る失活セメントの製造方
法について説明する。まず、例えばポルトランドセメン
トに、水セメント比が200〜1000%になるように
水を加えてスラリーを得る(スラリー生成工程)。こう
して大量の水をセメントに加えることにより、セメント
を予め完全な水和をさせ、コンクリートの補修時及び補
修後には水和させないようにする。
【0013】その後、生成されたスラリーを、75〜1
80℃の高温下で強制攪拌することによりセメント粒子
の水和を完了させる(攪拌工程)。これらスラリー生成
工程及び攪拌工程を経ることにより、セメント粒子表面
は水和硬化しても、セメント粒子間には大量の水が存在
し、かつ絶えず強制攪拌されているため、水和段階での
セメント粒子の凝集を防止できる。そして、上記失活セ
メントを含水下で静置貯蔵すれば、長期保管が可能であ
る。この含水状態での保管時には、セメント粒子同士が
接近して圧密状態になるが、水和硬化が完了しているの
で固結することはない。このように、急速かつ完全な水
和が行われた後のセメントは、本来の色調、粒度などを
有しているが、その活性を失って失活セメントとなるた
め、本実施形態のようにして得られた失活セメントを補
修用モルタルの原料として用いれば、コンクリートの補
修時及び補修後に、モルタル中のセメントの活性化によ
る白華現象を防止できる。
【0014】更に、攪拌工程後の失活セメントを例えば
密閉容器にて保管し、保管中スラリー生成工程で加えた
水が蒸発した場合には、その分の水を補給するようにす
れば、長期にわたる使用が可能である。また、上記失活
セメントに結合材としての合成樹脂エマルジョンや合成
ゴムラテックスと、被処理面周囲のコンクリートに合わ
せた色彩の顔料とを混合して補修用モルタルを製造すれ
ば、従来のモルタルの原料に比べて水和以外の性質が変
わらないので、被補修面と周りのコンクリートとの色
彩、質感を同等としつつ、白華現象を防止することがで
きる。
【0015】尚、本実施形態においては、打放しコンク
リートの表面を補修する場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、コンクリート構造
の壁面全般について適用することができる。
【0016】
【実施例】以下、表1に基づいて、本発明を実施例によ
り更に具体的に説明する。実施例は本発明を例示的に示
すものであり、本発明を制限するものではない。
【0017】
【表1】
【0018】実施例1 普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
に水セメント比300%となるよう水を加えたスラリー
を、処理温度60℃、処理時間1時間にて強制攪拌し
た。こうして生成された失活セメントの含水状態での貯
蔵安定性、及び低温時の白華防止性は良好な箇所と不良
な個所とが混在するが、本発明の効果を有するものであ
る。実施例2 実施例1と同じ普通ポルトランドセメントに水セメント
比500%となるよう水を加えたスラリーを、処理温度
70℃、処理時間1時間にて強制攪拌した。こうして生
成された失活セメントの含水状態での貯蔵安定性、及び
低温時の白華防止性はいずれも良好であり、本発明の好
ましい実施例となっている。実施例3 実施例1と同じ普通ポルトランドセメントに水セメント
比400%となるよう水を加えたスラリーを、処理温度
75℃、処理時間1時間にて強制攪拌した。こうして生
成された失活セメントの含水状態での貯蔵安定性、及び
低温時の白華防止性は良好であり、本発明の好ましい実
施例となっている。実施例4 実施例1と同じ普通ポルトランドセメントに水セメント
比500%となるよう水を加えたスラリーを、処理温度
85℃、処理時間1時間にて強制攪拌した。こうして生
成された失活セメントの含水状態での貯蔵安定性は極め
て良好であり、長期にわたる使用が可能となっている。
また、低温時の白華防止性についても極めて良好であ
り、本発明の最も好ましい実施例となっている。
【0019】実施例5 実施例1と同じ普通ポルトランドセメントに水セメント
比700となるように水を加えたスラリーを、オートク
レーブ内で処理温度145℃、処理時間0.75時間に
て強制攪拌した。該実施例については、含水除隊での貯
蔵安定性、及び低温時の白華防止性は極めて良好であ
り、本発明の最も好ましい実施例となっている。実施例6 実施例1と同じ普通ポルトランドセメントに水セメント
比900となるように水を加えたスラリーを、実施例5
と同様、オートクレーブ内で処理温度900℃、処理時
間0.5時間にて強制攪拌した。該実施例についても、
実施例5と同様、含水除隊での貯蔵安定性、及び低温時
の白華防止性は極めて良好であり、本発明の最も好まし
い実施例となっている。
【0020】尚、比較例としての試料A,Bについて
は、普通ポルトランドセメントに水セメント比100%
となるよう水を加え、処理温度25℃、処理時間8又は
24時間にて強制攪拌したが、含水状態での貯蔵安定性
は悪く、低温時の白華防止性についても悪い。
【0021】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る請求項
1の発明によれば、スラリー生成工程と攪拌工程とを経
ることにより、セメントの水和結合力、色調、粒度等の
うち、水和結合力のみを強制的に消失させるので、これ
を原料としたコンクリートの補修用モルタル及び塗布材
の白華現象を防止できる。
【0022】また、白華現象の防止によってコンクリー
ト表面の補修頻度を少なくできるので、コンクリート壁
等の維持、管理を容易とすることができる。請求項2又
は請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の
効果を更に向上することができる。
フロントページの続き (72)発明者 永野 公平 静岡県浜松市上西町1314番地 ニチエー吉 田株式会社内 Fターム(参考) 2E176 AA01 BB01 BB15 4G012 PB27

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメントに、水セメント比が200〜10
    00%となるよう水を加えてスラリーを得るスラリー生
    成工程と、該工程により生じたスラリーを高温下で攪拌
    する攪拌工程と、を備えたことを特徴とする失活セメン
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】前記水セメント比は、400〜700%で
    あることを特徴とする請求項1記載の失活セメントの製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記攪拌工程は、75〜180℃の温度条
    件下で行われることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の失活セメントの製造方法。
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