JP2000264734A - 湿潤状態の植物絞り滓を用いた固形炭化物及びその製造方法 - Google Patents

湿潤状態の植物絞り滓を用いた固形炭化物及びその製造方法

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JP2000264734A
JP2000264734A JP11072769A JP7276999A JP2000264734A JP 2000264734 A JP2000264734 A JP 2000264734A JP 11072769 A JP11072769 A JP 11072769A JP 7276999 A JP7276999 A JP 7276999A JP 2000264734 A JP2000264734 A JP 2000264734A
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carbonization
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Rikio Yaginuma
力夫 柳沼
Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Daisuke Kodama
大輔 児玉
Masahiro Kato
昌弘 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高含水率かつ保水力が高く容易に脱水乾燥で
きず、また、脱水、乾燥及び成形後に炭化した場合の多
量の低温揮発成分放出を伴う食品類廃棄物等の植物絞り
滓を炭素材料ための原料を成形、脱水乾燥後に炭化して
固形炭素材料にする際に、迅速な脱水乾燥後ができ、か
つ、強度が向上した固形炭素材料を製造するための改善
された製造方法を提供すること。 【解決手段】 湿潤状態の植物絞り滓に、非酸化性雰囲
気下で300℃以上の温度に加熱することにより粘結剤
を発生して炭化する粉末状又は繊維チップ状の有機質材
料を混合、7Kgf/cm2以下の加圧下で成形、脱水
乾燥し、成形物を非酸化性雰囲気下300〜1200℃
の温度で炭化することを特徴とする、炭化処理後の圧縮
破壊硬度が少なくとも1.50Kgf/cm2の固形炭
化物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栽培植物の絞り滓
を用い炭化後の重量歩留率が高くかつ強度が優れた固形
炭化物及びその改良された製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来炭素材料は、燃料、導電性電気、電
子材料、電解用電極及び製鉄用コークス等還元剤として
成形された固形物の形で使われ、また吸着剤、ゴムその
他の充填材や色材として粉体の形で使われてきた。特
に、水処理や空気浄化等の環境保全のためのこれら活性
炭の需要は増大しつつある中で、一般に粉体は人手での
取扱いが難かしく、したがって例えば環境浄化のための
活性炭においても造粒炭の消費量は微粉活性炭に比し増
加する傾向にあるが、成形され固形物の形の炭素材料に
おいては、導電率や吸着能等、使途に相応する特有の物
性が要求される他、硬度や耐摩耗性にも優れていること
が好ましく、浄化のための粒状活性炭においても二次造
粒のための混練工程で加えられるズリ応力に耐え、疲労
後に行われる再生過程で高率の消耗がないこと等、圧縮
破壊硬度が少なくとも1.50Kgf/cm2程度であ
る高強度が望まれる。
【0003】一方、食品分野の廃棄物、すなわち、内部
有用物取出し後の果実、種子、葉茎又は芋類の圧搾絞り
滓を炭化処理することにより炭素材料を得んとする試み
は従来から知られまた一部は実施されており、排出物の
リサイクル化及び環境保全の観点からこれら食品分野の
廃棄物の一層の有効利用が望ましいが、これら炭素材料
ための原料としての食品類廃棄物の大半は、その由来か
ら、高含水率かつ保水力が高く容易に脱水乾燥できず、
また、脱水、乾燥及び成形後に炭化した場合の低温揮発
成分の多量放出と相俟って、得られる炭素材料の歩留ま
りが悪い上に、製造された炭素材料は過度に低密度でそ
の強度が低いという性質を有する。醤油絞り滓、缶入飲
料製造における茶殻やビール製造におけるビール滓など
の高水分含有の排出物を別にしても、一見ほぼ生乾き状
態でバサバサの固形物に見える排出物、例えば未乾燥大
豆滓でも、含水率は80〜85%(「炭素」1997
[No.166]、pp.34、特開昭63−1230
3号公報)程度と云われている。高含水率及び高保水力
のため劣化、腐敗し易く、劣化、腐敗により生じるフミ
ン質は保水力を更に高める(特開昭52−105594
号公報)性質がある。
【0004】低温揮発成分放出について見れば、例えば
乾燥固形物中、コーヒー豆滓では81%、大豆滓では8
3%、ビール滓では82%に達し、モミガラでも72%
(「ケミカルエンジニアリング」1997年8月号、p
p.54)に達する。これらは炭化処理において大半が
400℃〜600℃の低温炭化で揮発する。そのため、
例えば豆腐製造工程で発生する大豆滓は、食用の他、家
畜等の飼料に少量利用される(高保水力のため劣化、腐
敗し易いという点を別にして、高蛋白含有率を利点とし
て乳牛あるいは養豚に餌料として用いる場合、乳牛に大
量投与すると繁殖障害、乳房炎等の障害を招く虞れがあ
るとの報告もなされている)のみで、その大半が廃棄さ
れていた。また、大豆滓から炭化物を得ようとする場
合、大豆滓単体では、叙上の理由等で脱水乾燥性、成形
性が悪く、また高強度の炭化物は得ることができなかっ
た。これは、例えば大豆滓を粘結剤と強く混練する場合
にズレ応力に耐えれず混練過程で部分微細化を生じ均質
な炭化用素材が得られなくなるという問題を随伴するこ
とがあり、大豆滓炭を活性炭にする場合、直接水蒸気を
炭にあて比表面積を増大させる方法が実施できないとい
う問題を随伴する。賦活性薬品を直接大豆滓と混合し活
性炭を製造する方法も考えられるが、活性炭の能力は小
さいという問題もあった。焼却処分する際、大豆滓の有
する高含水率から燃焼効率が悪くまた、焼却において大
量の二酸化炭素を排出するという問題があった。他の食
品分野廃棄物の場合にも、当然、類似の問題がある。
【0005】かような状況に対して、食品分野の廃棄物
としての圧搾絞り滓を炭化処理することにより炭素材料
を得んとする従来の試みは、上記問題の決定的な解決策
を与えるものとは云えなかった。例えば、「炭素」19
95[No.166]、pp.34および「炭素」19
96[No.172]、pp.95には大豆滓を原料と
し薬品賦活法による活性炭の製造において大豆滓原料は
110℃で24時間の長時間乾燥した後に炭化処理する
こと、加熱温度が約400℃を越えると炭化原料の重量
が減少が急速に生じ、約600℃付近の温度まで減少が
継続して炭化物重量は炭化原料の当初重量以下になるこ
とが記載されており、化学工学論文集25、、pp.
45(1999)には、大豆滓原料は110℃で24時
間の長時間乾燥した後に炭化処理すること、加熱温度が
約400℃〜約600℃付近まで揮発成分の放出により
炭化物の比表面積が増大し続けることが記載され、前記
「ケミカルエンジニアリング」1997年8月号、p
p.54及び化学工学学会1996年年次大会(姫路大
会)講演要旨集A−10、pp.264には、コーヒー
豆滓、大豆滓、ビール滓、もみ殻を炭化する際の炭化上
限温度と炭化物収率(%)について、コーヒー豆滓の場
合は600℃で22.1%、700℃で22.1%、8
00℃で21.1%、900℃で20.8%、950℃
で20.7%であり、大豆滓の場合は600℃で26.
8%、700℃で24.0%、800℃で23.3%、
900℃で22.5%、950℃で21.7%であり、
ビール滓の場合は600℃で26.9%、700℃で2
6.4%、800℃で25.5%、900℃で25.4
%、950℃で24.9%であり、もみ殻の場合は60
0℃で35.9%、700℃で36.7%、800℃で
35.7%、900℃で35.7%、950℃で36.
1%であるが、1万気圧の高圧で10〜30分間加圧成
形した後110℃で12時間乾燥した素材を炭化する場
合には炭化物収率が大幅に上昇することが記載されてい
るが、これらは、食品分野廃棄物の速やかな乾燥、炭化
後の炭素材料の歩留り率及び強度の向上の目的で、特別
な他材料を混合するものでない。
【0006】また、特公昭47−7687公報には、活
性炭製造のための出発原料として、綿の実のシボリカ
ス、クルミガラ、ヤシ殻又、馬鈴薯、甘藷のテンサイ糖
等のしぼりかすなどに、粘結剤として甘藷のシボリカス
を添加することが記載され、特開平4−24259号公
報には、大豆滓等の未乾燥有機廃棄物から活性炭を製造
する際の造粒助剤として、アスペクト比(繊維長/直径
の比)が5〜10000の天然又は合成の繊維状材料を
混合使用することが記載され、特開平2−307818
号公報には、石炭粒子相互の融着防止のため、植物から
有効成分を抽出した残渣を粉砕し石炭粒子に少量添加し
て粒状活性炭を製造することが記載され、特開昭63−
123803号公報には、大豆粕から製造した活性は立
体構造が優れているので水中の着色物質をよく吸着除去
することが記載され、特開平6−122879号には、
生ゴミ、刈り芝、大豆滓等の未乾燥有機廃棄物を乾燥
し、続いて炭化する炭化炉の熱効率上昇及び均一加熱の
ため、炭化炉内天井面の熱輻射源の配置を改善すること
が記載され、特開平6−227807号公報には、有機
性原料から製造される活性炭の強度を高めるための結合
剤として、柑橘類絞り滓、菜種滓や大豆滓のような果
実、種子等からの圧搾滓を使用することが記載されてい
るが、これら技術も、食品分野廃棄物の速やかな乾燥、
炭化後の炭素材料の歩留り率及び強度の向上という目的
のため、特別な材料を混合するものでない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、上記のような現状に鑑み、高含水率かつ保水力が
高く容易に脱水乾燥できず、また、脱水、乾燥及び成形
後に炭化した場合の多量の低温揮発成分放出を伴う食品
類廃棄物等の植物絞り滓を炭素材料ための原料を成形、
脱水乾燥後に炭化して固形炭素材料にする際に、迅速な
脱水乾燥後ができ、かつ、強度が向上した固形炭素材料
を製造するための改善された製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「湿潤状態の植物絞り滓に、非酸化性雰囲気下で
300℃以上の温度に加熱することにより粘結剤を発生
して炭化する粉末状又は繊維チップ状の有機質材料を混
合、7Kgf/cm2以下の加圧下で成形、脱水乾燥
し、成形物を非酸化性雰囲気下300〜1200℃の温
度で炭化することを特徴とする、炭化処理後の圧縮破壊
硬度が少なくとも1.50Kgf/cm2の固形炭化物
の製造方法」、(2)「前記湿潤状態の植物絞り滓が、
柑橘類の絞り滓、葡萄絞り滓、りんご絞り滓、大豆滓、
椿油絞り滓、胡麻油絞り滓、綿実油絞り滓、ひまわり油
絞り滓、クルミ殻、サフラワー絞り滓、アマニ油絞り
滓、菜種油絞り滓、モミガラ、茶殻、コーヒー滓、甜菜
糖絞り滓及びそれらの複数混合物であることを特徴とす
る前記第(1)項に記載の固形炭化物の製造方法」、
(3)「前記加熱により非揮発性の粘結剤を発生する微
粒状、繊維状又はチップ状の有機質材料が、主に石炭
粉、砕木パルプの廃細砕紙から成る群から選択されるこ
とを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の
固形炭化物の製造方法」、(4)「前記加熱により非揮
発性の粘結剤を発生する微粒状、繊維状又はチップ状の
有機質材料が、石炭粉及び/又は砕木パルプの廃細砕紙
に加えて、防腐剤を含有する少量の高分子材料の水溶液
及び/又は高分子材料の水分散液をさらに含有すること
を特徴とする前記第(3)項に記載の固形炭化物の製造
方法」により達成される。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
らは、各種有機廃物の炭化による有効資源化ついて検討
を続けてきたが、うち、含水量が高い上に保水力が強い
有機廃物が、脱水乾燥操作により水分を除去するのに長
時間を要し、高圧下での圧縮成形によっても水分の除去
が容易でなく、放置した場合は腐敗により悪臭を放ちつ
つ変性又は分解してフミン質物質を生成しこのフミン質
物質が多量に存在することになると含水量及び保水力が
さらに高まる傾向があり、乾燥後の成形物自体の強度が
さほど高くない上に炭化処理により生成する固形炭素材
料の強度が満足すべきものでない点について、その炭化
物の吸着性、強度及び炭化物収率が混和剤添加により如
何に改善されかを検討する過程で、ある種の有機廃物に
ついては、炭化のための加熱により非揮発性の粘結剤を
発生する微粒状、繊維状又はチップ状の有機質材料を添
加した場合に、炭素化のための素材の成形物を得る過程
で脱水乾燥が大幅に促進されるので成形前に脱水乾燥処
理を施すことなく良好な成形をすることができるだけで
なく、これを炭化した場合の炭化物の強度が改善される
ことを知見し、本発明に到った。
【0010】ここで、「含水量が高い上に保水力が強い
有機廃物」とは、特殊手段によることなく取扱うことが
できる高圧、即ち、一般的工場内の圧搾空気配管におけ
る6〜7Kgf/cm2以下の圧力を適用することによ
り搾汁した後の水分が大半(55%以上)のものを意味
する。したがって本発明はどのような意味においても、
古くから炭素質材料用の原料として使われてきた木材等
を対象としていない。ちなみにこのような木材の含水分
例を示せばつぎの表1のとおりである。
【0011】
【表1】
【0012】本発明により、かような脱水乾燥性及び炭
化物強度の両性質の改善が期待される具体的な“湿潤状
態の植物絞り滓”は、柑橘類の絞り滓、葡萄絞り滓、り
んご絞り滓、大豆滓、椿油絞り滓、胡麻油絞り滓、綿実
油絞り滓、ひまわり油絞り滓、クルミ殻、サフラワー絞
り滓、アマニ油絞り滓、菜種油絞り滓、モミガラ、茶
殻、コーヒー滓、甜菜糖絞り滓及びそれらの複数混合物
である。他の柑橘類の表皮、桐実油絞り滓、クルミ殻、
落花生殻、馬鈴薯でん粉滓、甘藷でん粉滓、バガス等の
有機廃物の場合はかような脱水乾燥性及び炭化物強度の
両性質はさほど改善されず、したがって、これらは本発
明において対象とする植物の絞り滓ではない。即ち、本
発明における“湿潤状態の植物絞り滓”とは果実、種
子、葉茎又は芋類の圧搾絞り滓のことであり、具体的に
は柑橘類の絞り滓、葡萄絞り滓、りんご絞り滓、大豆
滓、椿油絞り滓、胡麻油絞り滓、綿実油絞り滓、ひまわ
り油絞り滓、クルミ殻、サフラワー絞り滓、アマニ油絞
り滓、菜種油絞り滓、モミガラ、茶殻、コーヒー滓、甜
菜糖絞り滓及びそれらの複数混合物を意味する。
【0013】ところで、成形粒状活性炭のような炭素質
賦形材料の製造においては、従来より粘結剤としてター
ルやピッチなどの石炭乾留時の溜出物、減圧蒸留缶底残
渣等の石油精製時の残渣、リグニン、パルプ廃液などの
製紙廃物、ポリビニルアルコールや酢ビエマルジョンな
どの合成糊剤、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノー
ル樹脂、尿素樹脂などの熱可塑性熱硬化性樹脂、カゼイ
ン、アルギン酸塩、でんぷん、糖蜜などの天然糊剤、ポ
ルトランドセメント、ポリ塩化アルミニウムなどの無機
物が使用されており、また、石炭から成形粒状活性炭の
ような炭素質賦形材料を製造する場合にその粘結成分に
ついて、石炭をピリジン抽出した残渣(α成分)を次に
クロロホルム抽出したときの抽出物からクロロホルムを
除去し残った残渣(γ成分)が密接に関係することは従
来より知られている。
【0014】しかしながら本発明においては、タールや
ピッチ、合成又は天然樹脂は、炭化すべき素材原料(高
湿潤状態にある)との均一混合に問題があり、芳香族系
の高縮合物を多く含み揮発性が極く少ないため強力な粘
結性を付与することが公知の減圧蒸留缶底残渣も同様に
均一混合に問題があり、パルプ廃液、樹脂の水溶液又は
水分散液の添加は本発明で用いる含水量が高い上に保水
力が強い「湿潤状態の植物絞り滓」の脱水乾燥性を改善
せず、ポルトランドセメント等の添加は炭化により生成
する炭素質材料の変質をもたらす場合がある等の理由
で、使用をなるべく避けるべきであり、したがって、本
発明において石炭粉、砕木パルプの廃細砕紙が好ましく
使用され、うち、パルプ廃液中の大部分であるリグニン
は低温で揮発するので、特に石炭粉がより好ましい。こ
れらの使用量は、炭化すべき素材原料(すなわち前記湿
潤状態の植物絞り滓)100部当たり、5〜100部で
あることが好ましい。5部未満であると所期の目的を達
成できない場合が多く、100部を越える量使用しても
使用量に比例した効果上昇は得られない。
【0015】さらに、本発明の目的達成を阻害しない範
囲で他の例えばパルプ廃液、樹脂の水溶液又は水分散液
を添加することができ、その量は石炭粉、砕木パルプの
廃細砕紙に対して10%以下であることが好ましい。そ
の場合、炭化すべき素材原料の腐敗を防止するため、慣
用の防腐剤を更に併用することができ、また、炭化すべ
き素材原料を凝集させ保持されている水分をより速やか
に放出させるため、PH調節剤を添加することができ
る。例えばトリクロロ酢酸はそのトリクロロメチル基の
強力な電子求引力のため、カルボキシ基の水素原子は強
求核性(強酸)であって腐敗防止作用があり、かつ炭化
時の加熱でクロロホルムと水蒸気に容易に分解、無害化
されるので、効果的に使用することができる。他に防腐
剤としては慣用のものが使用できるが、特に、後程の炭
化工程において分解または無害化されるものが望まし
く、例えば、木材乾溜時等の際に副生する木酢液、カチ
オン性界面活性剤を良好に使用することもできる。
【0016】本発明において、前記湿潤状態の植物絞り
滓に、このような主に石炭粉、砕木パルプの廃細砕紙か
らなる混合材を混合し、7Kgf/cm2以下の比較的
低圧力で成形した場合にも、混合しない場合に比し、炭
化すべき湿潤状態の植物絞り滓の脱水乾燥速度は後程実
施例にて示されるように大幅に改善される。成形処理後
には脱水乾燥処理に付される。成形処理前に予め脱水乾
燥しておいてもよい。予備乾燥は成形物を乾燥する場合
に比し材料を薄く拡げて乾燥できるので、乾燥効率がよ
い。成形にはさほど高圧を要しないことが好ましい。ご
く高圧で成形したとしても水分含量の大幅な低下は期待
することができない。
【0017】成形物は保形性に優れ例えば圧縮破壊硬度
が少なくとも2.0Kgf/cm2であることが好まし
い。2.0Kgf/cm2未満であると炭化のための加
熱による炭化ロスが原因で密度低下する。そのため、こ
のような強度のグリーン成形物でないと、炭化した後に
1.50Kgf/cm2以上の圧縮破壊硬度を有する炭
素質固形物を得ることが難かしくなる。
【0018】成形物炭化のための非酸化性雰囲気下での
加熱においては、100〜130℃で成形物中の水分が
蒸発する。この水分は工業分析分野で「吸着水分」と云
われている。100〜170℃の間では成形物の分解は
さほど起らないが、170〜300℃になると熱分解が
激しくなり、低温揮発性成分の分解により炭酸ガス、硫
化物ガス、一酸化炭素が発生し、400℃になると低温
タールの発生が激しくなる。アンモニアガス、アミン性
ガスも主にこの温度域で発生する。さらに温度が上昇し
て500〜600℃になると一部、水素、メタン、重炭
化水素が発生してタールの一部も分解し始める。600
〜700℃でタール中の重炭化水素が分解するため水
素、メタンがますます多くなりタールの組成も変化して
芳香族系の多縮合環を有する高温タールになってくる。
700〜800℃では炭化水素或いはタールもますます
分解して水素を発生し縮合が進み、800℃を超すとご
く固い炭素質材料ができるようになる。900℃付近に
近づくと一酸化炭素の発生が盛んになり、1000℃に
近づくと水素の発生は止み、一酸化炭素未だ少し発生す
る。炭化する場合には所望される性質にもよるが、後程
の造粒することを考慮した場合、粘結剤が充分残存する
300〜600℃の加熱でも充分である。後程の造粒を
省略しかつ硬度に優れた炭化物を得んとする場合又は後
程の造粒工程で粘結剤を何らかの手段で補給することが
予定されている場合には1000〜1200℃まで加熱
することができる。加熱時間は40分〜2時間であるこ
とが好ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 [実施例1〜実施例4]次の(a)〜(c)の工程によ
り炭化物を作成した。 (a)80wt%前後の水分を有する未乾燥状態の大豆
滓100部当たりバインダーとして粘結性を有する石
炭、砕木パルプの廃細砕紙としての新聞紙細砕物、上質
紙細砕物を表2に示されるような割合で混合し、ハンド
プレス機に約5.5kg/cm2の圧力を印加して成形
する。その際、最初は、加熱せず6時間の自然乾燥にて
水分を除去する。 (b)前記工程(a)による脱水が済んだ大豆滓を、4
00〜1000℃程度に加熱された管状炉に2時間入
れ、窒素雰囲気下で残留水を除去し、炭化させる。 (c)前記工程(a)および(b)による炭化処理が済
んだ炭化物を、室温まで冷却した管状炉から取り出す。 使用した大豆滓の食品分析値は表2にて示され、得られ
た炭化物の工業分析値は表3にて示される。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】これら表から、大豆滓は炭水化物の他、蛋
白質及び脂質に富み腐敗菌の繁殖に適したものであるの
で、速やかに処理されるべきものであることが判り、ま
た、原料大豆滓は大部分が水分であるが、本発明により
炭化した場合には固定炭素が大部分の組成に変わること
が判る。同炭化物の圧縮破壊強度は表4にて示される。
また、これらの収炭率の炭化温度依存性は表5にて示さ
れる。更に、石炭粉混合による含水率低下を表6に示
す。
【0023】[比較例1〜比較例3]また比較例として
上質紙細砕物としてのコピー廃紙の細裁断物を表4に示
されるような割合で混合し、実施例の場合と同様に、ハ
ンドプレス機を用いて成形し得られた成形物を実施例の
場合と同様に炭化処理し、炭化物を得た。得られた炭化
物の強度は表4にて示される。また、これらの収炭率の
炭化温度依存性は表5にて示される。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】表4から、本発明においては、比較例1〜
3による固形炭化物と異なり、強度に優れていることが
判り、表5から、本発明による固形炭化物は、収炭率が
低い比較例1の固形炭化物、高温では収炭率が激変する
比較例2の固形炭化物と異なり、比較的高い収炭率が安
定して達成されることが判る。さらに表6から、本発明
によれば、炭化前のグリーン成形物における水分含有率
が急激に減少させられることが判る。
【0028】砂川炭は、次の表7にて示されるように、
日本炭の中では比較的粘結性が小さく、したがってコー
クス化したときにも圧縮強度が小さいものであるが、本
発明においてはこのような砂川炭を用いた場合でさえも
優れた結果が得られる。
【0029】
【表7】
【0030】上記表から明らかなように、各実施例によ
り得られた炭化物は、比較例により得られた炭化物に比
しいずれも非常に高い強度を示した。実施例で用いた砂
川炭は、100メッシュ程度に粉砕したものであり、紙
廃棄物は平均3.0mm×3.0mm程度に裁断したも
のである。
【0031】[実施例5〜8]及び[比較例4〜6]さ
らに、収炭率の炭化温度依存性を見るため、[実施例1
〜4]及び[比較例1〜3]と全く同様に試料を作成
し、これらについて炭化温度を変えた収炭率場合の収炭
率を算出した。結果は表8に示される。
【0032】
【表8】
【0033】[比較例7]さらに収炭率を見るため実用
炉により、ナラ炭との本発明による大豆炭とを同様な手
法で比較した。結果は表9に示される。
【0034】
【表9】
【0035】[比較例8]さらに本発明による固形炭化
物の吸着能を見るため、大豆滓のみから製造した比較例
7の固形炭化物と前記実施例4及び実施例8で得られた
固形炭化物とを比較した。結果は表10に示される。
【0036】
【表10】
【0037】表10から、本発明の固形炭は約700℃
における比表面積をピークとして、400℃〜1000
℃の広い炭化温度域に亘って優れた吸着能のものである
ことを窺い知ることができる。300℃の炭化温度の場
合でも、2時間処理した場合、比表面積は1.5m2
g程度に増大する。
【0038】なお、前記各実施例では、比較を明瞭にす
るため大豆滓からの炭化物を例にして説明したが、他の
炭化原材料の場合にも類似した結果が得られることは容
易に理解できよう。また実施例では、炭化物を円柱状と
しているが、本発明においては必要に応じて炭化物を円
柱状とせず、他の形状としてもよく、厚みも均一とせ
ず、変化するようにしてもよい。また、本発明において
は、大豆滓に薬品を混合することにより、活性炭前駆体
としての機能を持たすこともできる。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、(イ)本発明の製造方法による湿潤状態の植
物絞り滓を用いた固形炭化物は、その強度を大幅に向上
でき、活性炭へ応用でき、(ロ)湿潤状態の植物絞り滓
中の水分を大幅に低減させることができ、(ハ)而して
湿潤状態の植物絞り滓の腐敗を抑制することができる等
の優れた効果を得られるものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月27日(1999.12.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 [実施例1〜実施例4]次の(a)〜(c)の工程によ
り炭化物を作成した。 (a)80wt%前後の水分を有する未乾燥状態の大豆
滓100部当たりバインダーとして粘結性を有する石
炭、砕木パルプの廃細砕紙としての新聞紙細砕物、上質
紙細砕物を表に示されるような割合で混合し、ハンド
プレス機に約5.5kg/cm2の圧力を印加して成形
する。その際、最初は、加熱せず6時間の自然乾燥にて
水分を除去する。 (b)前記工程(a)による脱水が済んだ大豆滓を、4
00〜1000℃程度に加熱された管状炉に2時間入
れ、窒素雰囲気下で残留水を除去し、炭化させる。 (c)前記工程(a)および(b)による炭化処理が済
んだ炭化物を、室温まで冷却した管状炉から取り出す。 使用した大豆滓の食品分析値は表2にて示され、得られ
た炭化物の工業分析値は表3にて示される。
フロントページの続き (72)発明者 児玉 大輔 福島県郡山市田村町徳定字中河原1 日本 大学工学部工業化学科内 (72)発明者 加藤 昌弘 福島県郡山市田村町徳定字中河原1 日本 大学工学部工業化学科内 Fターム(参考) 4D004 AA02 BA06 CA03 CA26 CA40 CA42 CA45 CB15 CC05 CC15 DA03 DA06 DA07 4G032 AA12 BA02 GA06 GA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿潤状態の植物絞り滓に、非酸化性雰囲
    気下で300℃以上の温度に加熱することにより粘結剤
    を発生して炭化する粉末状又は繊維チップ状の有機質材
    料を混合、7Kgf/cm2以下の加圧下で成形、脱水
    乾燥し、成形物を非酸化性雰囲気下300〜1200℃
    の温度で炭化することを特徴とする、炭化処理後の圧縮
    破壊硬度が少なくとも1.50Kgf/cm2の固形炭
    化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記湿潤状態の植物絞り滓が、柑橘類の
    絞り滓、葡萄絞り滓、りんご絞り滓、大豆滓、椿油絞り
    滓、胡麻油絞り滓、綿実油絞り滓、ひまわり油絞り滓、
    クルミ殻、サフラワー絞り滓、アマニ油絞り滓、菜種油
    絞り滓、モミガラ、茶殻、コーヒー滓、甜菜糖絞り滓及
    びそれらの複数混合物であることを特徴とする請求項1
    に記載の固形炭化物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱により非揮発性の粘結剤を発生
    する微粒状、繊維状又はチップ状の有機質材料が、主に
    石炭粉、砕木パルプの廃細砕紙から成る群から選択され
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固形
    炭化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱により非揮発性の粘結剤を発生
    する微粒状、繊維状又はチップ状の有機質材料が、石炭
    粉及び/又は砕木パルプの廃細砕紙に加えて、防腐剤を
    含有する少量の高分子材料の水溶液及び/又は高分子材
    料の水分散液をさらに含有することを特徴とする請求項
    1に記載の固形炭化物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011093254A1 (ja) * 2010-01-26 2011-08-04 三和油脂株式会社 植物焼成物を用いた熱伝導部材及び吸着材
JP2011173109A (ja) * 2010-01-26 2011-09-08 Sanwa Yushi Kk 吸着材
JP7387127B1 (ja) * 2022-06-30 2023-11-28 ステータシー株式会社 樹脂シートの製造方法、および樹脂シート
WO2024004228A1 (ja) * 2022-06-30 2024-01-04 ステータシー株式会社 樹脂シートの製造方法、および、塩ビレザー、ヴィ―ガンレザー

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