JP2000272498A - 車両用走行状態検出センサの異常検出装置及び車両の挙動制御装置 - Google Patents

車両用走行状態検出センサの異常検出装置及び車両の挙動制御装置

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JP2000272498A
JP2000272498A JP11082430A JP8243099A JP2000272498A JP 2000272498 A JP2000272498 A JP 2000272498A JP 11082430 A JP11082430 A JP 11082430A JP 8243099 A JP8243099 A JP 8243099A JP 2000272498 A JP2000272498 A JP 2000272498A
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俊明 津山
Hirozumi Eki
啓純 益
Hirohisa Tanaka
博久 田中
Yoshio Katayama
欣生 片山
Kazuhiro Kato
和広 加藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】センサ異常の誤検出を防止する。 【解決手段】パワー変化ΔPが閾値ΔP0を超えたこと
によりセンサ異常と推定し、この異常推定後の所定時間
T10内において、更にパワー変化ΔPの演算に関与し
ないセンサ生値の変化量が所定値未満の状態が所定期間
T20継続したときに、センサ出力値が一方向に略一定
値に固着してしまうような故障であると判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、走行中の
車両の横滑りやスピンを抑制するための車両の姿勢制御
に用いられるヨーレートセンサや横方向加速度センサ等
の車両用走行状態検出センサの異常検出装置と車両の挙
動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、走行中の車両のヨーレートや
ステアリング舵角等の車両状態量を検出して、コーナリ
ング時や緊急の障害物回避時や路面状況急変時等に車両
の横滑りやスピンを抑制する姿勢制御装置が数多く提案
されている。
【0003】この姿勢制御装置は、ヨーレートやステア
リング舵角等のセンサ出力値から車両の走行姿勢を検出
するが、制御サイクルが8msecと高速であるためセンサ
の信頼性が姿勢制御に直接影響することになる。
【0004】そこで、従来のセンサの故障診断(フェイ
ルセーフ)では、センサの生値を常時比較してセンサの
異常を検出し、センサ異常と判定した場合に、その異常
が性能上、安全上大きな問題とならないように徐々に姿
勢制御を抑制するという考え方が一般的である。
【0005】また、特開平10−10152号公報に
は、ヨーレート以外のステアリング舵角等の運動パラメ
ータにより算出される基準ヨーレートの変動率と、実ヨ
ーレートの変動率との比較に基づいて、ヨーレートセン
サの異常原因(例えば、固着や断線)を判定する手法が
開示されている。
【0006】更に、本願発明者は、特願平10−219
402号にて、窓関数を用いたセンサの異常検出手法と
して、車両のヨーレート、横方向加速度、車速等のセン
サ出力値からなる車両横滑り角βの演算式に関して、そ
の速度成分(1次微分)と加速度成分(2次微分)から
表される横滑り角βのパワー変化ΔPを演算し、このパ
ワー変化ΔPを観察することによりセンサ異常を検出す
るものを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
センサの故障診断では、故障判定に数秒から数十秒の時
間がかかるため、センサ異常の発見の遅れなどに対して
余裕が少ない車両の姿勢制御の場合には、センサ異常に
より車両挙動が急変して不安定状態に陥る場合がある。
【0008】また、本願発明者の提案では、パワー変化
ΔPの大きな変化によりセンサ異常が素早く、敏感に予
測できるものの、センサ出力値が一方向に略一定値に固
着してしまうような故障では、パワー変化ΔPが大きく
変化した後にパワー変化ΔPが変化しないと、それがセ
ンサ故障によるものなのか、他の外的要因によるものな
のか判別できないという不都合がある。
【0009】本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、そ
の目的は、センサ出力値を監視しながら故障診断を常時
行ない、センサ異常を素早く検出でき、特にセンサ出力
値が一方向に略一定値に固着してしまうような故障の検
出精度を高める車両用走行状態検出センサの異常検出装
置と車両の挙動制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、目的
を達成するために、本発明の車両用走行状態検出センサ
の異常検出装置は、以下の構成を備える。即ち、車両旋
回時の運動量に関する値を検出する第1検出センサと、
前記第1検出センサによる出力値の変化成分を順次算出
する変化成分算出手段と、前記変化成分に基づいて前記
第1検出センサの異常を推定する第1推定手段と、前記
第1検出センサの出力値に基づいて前記第1検出センサ
の異常を推定する第2推定手段と、前記第1推定手段に
よる異常推定後、前記変化成分算出手段のサンプリング
期間より長い第1期間において前記第2推定手段により
前記第1検出センサの異常が推定されると、該第1セン
サが異常であると判定する判定手段とを具備する。
【0011】また、好ましくは、前記第2推定手段は、
前記第1検出センサの出力値の変化量が前記第1期間よ
り短い第2期間に亘って所定値以下の時、前記第1検出
センサが異常であると推定する。
【0012】また、好ましくは、前記第1検出センサ以
外に車両旋回時の運動量に関する値を検出する第2検出
センサを有し、前記第2推定手段は該第2検出センサの
出力値と、前記第1検出センサの変化成分とに基づいて
該第1検出センサが異常であると判定する。
【0013】また、好ましくは、前記第2推定手段は、
少なくとも前記第1及び第2検出センサに関連する関連
度合に基づいて該第1検出センサが異常であると推定す
る。
【0014】また、好ましくは、前記第1推定手段は、
前記第1検出センサの出力値の時間的変化成分を表わす
第1関数と、該時間的変化成分の微分成分を表わす第2
関数とを算出し、該第1及び第2関数により求まる値に
基づいて該第1検出センサが異常であると推定する。
【0015】本発明の車両用走行状態検出センサの異常
検出装置は、以下の構成を備える。即ち、車両旋回時の
運動量に関する値を検出する第1検出センサと、前記第
1検出センサによる出力値の変化成分を順次算出する変
化成分算出手段と、前記変化成分に基づいて前記第1検
出センサの異常を推定する第1推定手段と、前記第1検
出センサの出力値に基づいて前記第1検出センサの異常
を推定する第2推定手段と、前記第1推定手段による異
常推定後、前記変化成分算出手段のサンプリング期間よ
り長い第1期間において前記第2推定手段により前記第
1検出センサの異常が推定されると、該第1センサが異
常であると判定する判定手段とを備え、前記第2推定手
段は、前記第1検出センサの出力値の変化量が第2期間
に亘って所定値以下の時、前記第1検出センサが異常で
あると推定し、前記第1推定手段は、前記第1検出セン
サの出力値の時間的変化成分を表わす第1関数と、該時
間的変化成分の微分成分を表わす第2関数とを算出し、
該第1及び第2関数により求まる値に基づいて該第1検
出センサが異常であると推定する。
【0016】本発明の車両の挙動制御装置は、以下の構
成を備える。即ち、車両の走行姿勢が目標姿勢から逸脱
した時に、該走行姿勢を目標姿勢に収束させる姿勢制御
を実行する車両の挙動制御装置において、車両旋回時の
運動量に関する値を検出する第1検出センサと、前記第
1検出センサによる出力値の変化成分を順次算出する変
化成分算出手段と、前記変化成分に基づいて前記第1検
出センサの異常を推定する第1推定手段と、前記第1検
出センサの出力値に基づいて前記第1検出センサの異常
を推定する第2推定手段と、前記第1推定手段による異
常推定後、前記変化成分算出手段のサンプリング期間よ
り長い第1期間において前記第2推定手段により前記第
1検出センサの異常が推定されると、該第1センサが異
常であると判定する判定手段とを備え、前記姿勢制御中
ならば、前記第1推定手段による異常推定後から前記判
定手段による異常の有無判定がなされるまで該姿勢制御
を抑制又は保持する。
【0017】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、第1推定手段による異常推定後、変化成分算出手段
のサンプリング期間より長い第1期間において第2推定
手段により第1検出センサの異常が推定されると、第1
センサが異常であると判定することにより、センサ出力
値を監視しながら故障診断を常時行ない、センサ異常を
素早く検出でき、特にセンサ出力値が一方向に略一定値
に固着してしまうような故障の検出精度を高めることが
できる。
【0018】請求項2の発明によれば、第2推定手段
は、第1検出センサの出力値の変化量が前記第1期間よ
り短い第2期間に亘って所定値以下の時、第1検出セン
サが異常であると推定することにより、時間を要する第
2推定を第1推定の後に行うので特にセンサ出力値が一
方向に略一定値に固着してしまうような故障の検出精度
を高めることができる。
【0019】請求項3の発明によれば、第2推定手段
は、第2検出センサの出力値と、第1検出センサの変化
成分とに基づいて第1検出センサが異常であると推定す
ることにより、センサ出力値を監視しながら故障診断を
常時行ない、センサ異常を素早く検出でき、特にセンサ
出力値が一方向に略一定値に固着してしまうような故障
の検出精度を高めることができる。
【0020】請求項4の発明によれば、第2推定手段
は、少なくとも前記第1及び第2検出センサに関連する
関連度合に基づいて該第1検出センサが異常であると推
定することにより、センサ出力値を監視しながら故障診
断を常時行ない、センサ異常を素早く検出でき、特にセ
ンサ出力値が一方向に略一定値に固着してしまうような
故障の検出精度を高めることができる。
【0021】請求項5の発明によれば、第1推定手段
は、第1検出センサの出力値の時間的変化成分を表わす
第1関数と、時間的変化成分の微分成分を表わす第2関
数とを算出し、第1及び第2関数により求まる値に基づ
いて第1検出センサが異常であると推定することによ
り、センサ出力値を監視しながら故障診断を常時行な
い、センサ異常を素早く検出でき、特にセンサ出力値が
一方向に略一定値に固着してしまうような故障の検出精
度を高めることができる。
【0022】請求項6の発明によれば、第2推定手段
は、第1検出センサの出力値の変化量が第2期間に亘っ
て所定値以下の時、第1検出センサが異常であると推定
し、第1推定手段は、第1検出センサの出力値の時間的
変化成分を表わす第1関数と、該時間的変化成分の微分
成分を表わす第2関数とを算出し、該第1及び第2関数
により求まる値に基づいて該第1検出センサが異常であ
ると推定することにより、センサ出力値を監視しながら
故障診断を常時行ない、センサ異常を素早く検出でき、
特にセンサ出力値が一方向に略一定値に固着してしまう
ような故障の検出精度を高めることができる。
【0023】請求項7の発明によれば、第1推定手段に
よる異常推定後、変化成分算出手段のサンプリング期間
より長い第1期間において第2推定手段により第1検出
センサの異常が推定されると、該第1センサが異常であ
ると判定し、姿勢制御中ならば、第1推定手段による異
常推定後から判定手段による異常の有無判定がなされる
まで該姿勢制御を抑制又は保持することにより、センサ
異常を誤って判定することにより姿勢制御が不安定にな
るのを防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて添付図面を参照して詳細に説明する。 [姿勢制御装置の全体構成]図1は、本実施形態の車両
の姿勢制御装置(Stability Control System:以下、S
CSと略称する)を適用した車両を示す図である。
【0025】図1において、1は車体、2は前後4輪の
車輪21FR,21LF,21RR,21RLに個別に配設され
た4組の液圧式のブレーキ、3はこれらの各ブレーキ2
に圧液を供給するための加圧ユニット、4はこの加圧ユ
ニット3から供給される圧液を上記各ブレーキ2に分配
供給するハイドロリック・ユニット(以下、単にHUと
いう)であり、これらのブレーキ2、加圧ユニット3及
びHU4により制動手段が構成されている。また、5は
上記加圧ユニット3及びHU4を介して上記各ブレーキ
2の作動制御を行う姿勢制御手段としてのSCSコント
ローラ、6は上記各車輪21の車輪速を検出する車輪速
センサ、7は上記車体1に作用している左右方向の加方
向速度ysを検出する横方向加速度センサ、8は上記車
体1に作用しているヨーレートrsを検出するヨーレー
ト検出手段としてのヨーレートセンサ、9はステアリン
グ舵角θsを検出する操舵量検出手段としての舵角セン
サである。なお、10はマスタシリンダ、11はエンジ
ン、12はオートマチックトランスミッション(A
T)、13は上記エンジン11の回転数や吸入空気量等
に応じて燃料の噴出量を調整するEGIコントローラで
ある。
【0026】上記ブレーキ2は、図2に示すように、右
側前輪21FRのブレーキ2と左側後輪21RLのブレーキ
2とが第1液圧管路22aによりマスタシリンダ10に
接続される一方、左側前輪21FLのブレーキ2と右側後
輪21RRのブレーキ2とが上記第1液圧管路22aとは
異なる第2液圧管路22bにより上記マスタシリンダ1
0に接続されており、これにより、いわゆるX配管タイ
プの互いに独立した2つのブレーキ系統が構成されてい
る。そして、ドライバによるブレーキペダル14の踏み
操作に応じて上記車輪21FR,21FL,21RR,21RLに
制動力が付与されるようになっている。
【0027】上記加圧ユニット3は、上記第1及び第2
液圧管路22a,22bにそれぞれ接続された液圧ポン
プ31a,31bと、これらの液圧ポンプ31a,31
bと上記マスタシリンダ10とを断接可能なよう上記第
1及び第2液圧管路22a,22bにそれぞれ配設され
たカットバルブ32a,32bと、これらのカットバル
ブ32a,32bと上記マスタシリンダ10との間の液
圧を検出する液圧センサ33とを備えている。そして、
SCSコントローラ5からの指令に応じて上記カットバ
ルブ32a,32bが閉状態にされ、これにより、ドラ
イバによるブレーキ操作とは無関係に、上記液圧ポンプ
31a,31bから吐出される圧液がHU4を介してブ
レーキ2に供給されるように構成されている。また、上
記HU4は、図2に示すように、第1液圧管路22a又
は第2液圧管路22bを介して供給される圧液により各
ブレーキ2を加圧する加圧バルブ41と、上記各ブレー
キ2をリザーバダンク42に接続して減圧する減圧バル
ブ43とを備えている。そして、SCSコントローラ5
からの指令に応じて上記各加圧バルブ41及び各減圧バ
ルブ43の開度が増減変更調整されることにより、上記
各ブレーキ2に加わる液圧が増減されて制動力が増減変
更されるように構成されている。
【0028】上記SCSコントローラ5は、加圧ユニッ
ト3及びHU4の作動制御を行うことにより、前後左右
の各車輪2に対し独立に制動力を付与して車体1に所要
のヨーモーメントを付与し、これにより、車体姿勢を目
標走向方向に向かって収束するように制御するものであ
る。具体的には、上記SCSコントローラ5は、図3に
示すように、車体横滑り角決定手段、路面摩擦係数検出
手段及び操舵量変化率検出手段としての状態量演算部5
1と、目標状態量演算部52と、制御介入判定部53
と、切換制御部54と、ヨーレート制御部55と、第
1、第2及び第3変更設定部としての変更設定部56
と、横滑り角制御部57とを備えており、車輪速センサ
6、横方向加速度センサ7、ヨーレートセンサ8及び舵
角センサ9からの入力信号に基づいて車体姿勢を判定
し、この判定結果に応じて加圧ユニット3及びHU4の
作動制御を行うように構成されている。さらに、上記S
CSコントローラ5は、液圧センサ33からの入力信号
に基づいてドライバのブレーキ操作を検出し、このブレ
ーキ操作に対応して上記加圧ユニット3及びHU4の作
動制御を行うようになっている。
【0029】上記状態量演算部51は、上記車輪速セン
サ6、横方向加速度センサ7、ヨーレートセンサ8及び
舵角センサ9からの入力信号に基づき、車両の走向方向
に対する車体姿勢を表す車両状態量を演算するように構
成されており、また、上記目標状態量演算部52は、同
様に、目標走向方向に対応する目標状態量を演算するよ
うに構成されている。上記制御介入判定部53は、上記
車両状態量と目標状態量との間の偏差に基づいてSCS
の制御介入判定を行うように構成されており、また、上
記切換制御部54は、上記車両状態量と目標状態量との
間の偏差に基づいて車体姿勢の崩れを判定し、その車体
姿勢が比較的安定している間は上記ヨーレート制御部5
5による後述のヨーレート制御を行う一方、上記車体姿
勢が崩れて不安定になったときには、上記横滑り角制御
部57による後述の横滑り角制御へ切換るようになって
いる。
【0030】上記ヨーレート制御部55は、後述するよ
うに、車体1に対し比較的小さなヨーモーメントを作用
させることにより車体姿勢をドライバの運転操作(主に
ステアリングの操舵)に追従するように滑らかに変更さ
せるヨーレート制御を行うように構成されており、この
際、そのヨーレート制御に起因する車体姿勢の変化が過
大にならないよう、制限制御部55aにより制御量に制
限が加えられている。そして、上記変更設定部56は、
上記状態量演算部51により検出された車両状態量に応
じて上記ヨーレート制御の制御量の上限を変更設定する
ように構成されている。上記横滑り角制御部57は、後
述するように、車体1に比較的大きなヨーモーメントを
作用させることにより、車両の旋回姿勢を迅速に修正す
る横滑り角制御を行うように構成されている。
【0031】なお、上記SCSコントローラ5は、SC
Sの制御以外にも従来周知のABS(Anti-Skid Brake
System)及びトラクションコントロールシステムの制御
をも行うものであり、このABSは、車輪21FR,21F
L,21RR,21RLのブレーキロックを防止するためにこ
れら車輪21FR,21FL,21RR,21RLに付与される制
動力を制限するシステムで、また、トラクションコント
ロールシステムは、上記車輪21FR,21FL,21RR,2
1RLを駆動する駆動トルクを制限してそれらのスリップ
を防止するシステムである。 [窓関数を用いたセンサの異常検出]先ず、本実施形態
でのセンサの異常検出として窓関数を用いたセンサの異
常検出手法について説明する。
【0032】この手法は、例えば車両のヨーレート、横
方向加速度、車速等のセンサ出力値からなる車両横滑り
角βの演算式に関して、その速度成分(1次微分)と加
速度成分(2次微分)から表される横滑り角βのパワー
変化ΔPを演算し、このパワー変化ΔPを観察すること
によりセンサ異常を検出するものである。
【0033】この手法に適用される車両モデルとして
は、ヨーレートと横滑り角の2自由度モデルを用い、タ
イヤ特性は車両のスピンを考慮するため非線形性とし、
車両に搭載されるセンサは、ヨーレートセンサ、横方向
加速度センサ及びステアリング舵角センサの3種類と
し、車速は既知と設定する。
【0034】上記車両モデルにおいて、前輪及び後輪の
横滑り角βf、βrは下記式1、2により定義する。
【0035】
【数1】 また、前輪及び後輪の横力Ff、Frは下記式3、4によ
り定義する。
【0036】
【数2】 上記式1〜4からヨーレートr及び横滑り角βに関して
下記式5、6の微分方程式が得られる。
【0037】
【数3】 更に、ステアリング舵角センサ出力値θs、ヨーレート
センサ出力値rs及び横方向加速度センサ出力値ysは下記
式7〜9として表される。
【0038】
【数4】 但し、上記各式に用いるパラメータは下記の通りとす
る。
【0039】
【数5】 上述のように定義される車両モデルに対して、図11に
示すような前輪位置の操舵角δfを入力する。但し、ス
テアリング舵角の変化速度はステアリング位置において
最大で180deg/secとし、車速は100km/hとする。
また、ステアリング舵角の角速度は便宜上不連続的に変
化するものとする。また、図12、13は図11の操舵
角を入力した場合のヨーレートと横方向加速度を示し、
ヨーレートセンサの出力値は、図14に示すように6se
c付近でセンサ故障が発生し、出力値(ゲイン)が突然
2倍に増加するものとする。
【0040】また、ヨーレートセンサ出力値rsと横方向
加速度センサ出力値ysから下記式10により横滑り角β
が定義され、この横滑り角βから算出されるパワーPを
時間微分したパワー変化ΔPを下記式11として定義す
る。
【0041】
【数6】 ここで、fv(β)は横滑り角βを時間で1次微分した
速度成分を表わす窓関数であり、fa(β)3は横滑り
角βを時間で2次微分した加速度成分を表わす窓関数で
ある。同様に、ヨーレートrのパワー変化ΔPrと横方向
加速度のパワー変化ΔPyについても下記式12、13
から算出される。
【0042】
【数7】 尚、窓関数については周知であり、例えば「ウェーブレ
ット解析−誕生・発展・応用 共立出版1997 芦野
隆一、山本鎮男著」の第5章に定義されている。
【0043】上記条件において、上記式11から演算さ
れる横滑り角βのパワー変化ΔPを図15に示す。図1
5からわかるように、図11での急操舵によるパワー変
化(0〜5sec)に比べて、図14でのヨーレートセン
サ出力値が2倍に変動した時の横滑り角のパワー変化
(6sec)がより大きく現れている。また、図16に参
考に示すように、ヨーレートのパワー変化もヨーレート
センサ出力値の変動を受けて大きなピークが観測される
が、3secから4sec付近のノイズを比較すると、図15
の場合よりも若干S/N比が小さくなっており、図16
の場合の方がノイズが大きく現れている。この理由とし
て、車両横滑り角βは車両の横車速成分/前後車速成分
の傾きにより定義されるが前後車速を略一定と考えれ
ば、車両横滑り角βは横車速成分により変化する関数と
考えられ、横車速成分は前後車速成分に比べて変化量が
小さくノイズ量も小さいからである。
【0044】以上のように、例えば、ヨーレートセンサ
出力値の変動が2倍程度に急変したセンサ異常の状態
を、そのセンサ出力値に関連するパワー変化を観測する
ことで検出できる。尚、この手法では、センサ出力値の
時間的なパワー変化を直接的に検出しているため、時間
的変化がなく静的に発生するセンサ異常に対しては検出
精度が鈍くなることが考えられる。
【0045】また、センサ異常が発生した後、定常的に
センサ出力値が変動するような場合には、その発生時点
では大きな変化が観測できるが、その後にセンサ出力値
の変動が一定値(0)に収束する場合には継続的な異常
検出は難しい。 <窓関数の演算>次に、窓関数の演算手法について説明
する。
【0046】図17は窓関数の演算手法を説明するフロ
ーチャートである。尚、図中のv(i)は1次微分した
速度成分fv(β)、fv(rs)、fv(ys)に、a
(i)は2次微分した加速度成分fa(β)、fa(r
s)、fa(ys)に、y(i)はヨーレートセンサ出力
値rs又は横加速度センサ出力値ysに相当し、x(i)は
y(i)に所定時間幅Nでローパスフィルタをかけて平
均化した量、iはサンプリング数を表している。
【0047】図17に示すように、ステップS2では、
x、v、a、iを初期化する。ステップS4ではセンサ
出力値yを入力する。ステップS6ではサンプリング数
iが所定時間幅N以下ならば(ステップS6でYES)
ステップS8において下記式14によりx(i)を演算
し、その後ステップS22でサンプリング数iをインク
リメントして、上記ステップS6からの処理を実行す
る。ここで、所定時間幅Nは評価すべきセンサに応じて
適正値に設定される。
【0048】
【数8】 一方、ステップS6でサンプリング数iが所定時間幅N
以上でないならば(ステップS6でNO)、ステップS
10で下記式15によりx(i)を演算し、ステップS
12に進む。
【0049】
【数9】 ステップS12ではサンプリング数iが所定時間幅Nの
2倍以下ならば(ステップS12でYES)、ステップ
S14で下記式16、17によりv(i)、a(i)を
演算し、その後ステップS22でサンプリング数iをイ
ンクリメントして、上記ステップS6からの処理を実行
する。
【0050】
【数10】 ステップS16ではサンプリング数iが所定時間幅Nの
3倍以下ならば(ステップS16でYES)、ステップ
S18で下記式18、19によりv(i)、a(i)を
演算し、その後ステップS22でサンプリング数iをイ
ンクリメントして、上記ステップS6からの処理を実行
する。
【0051】
【数11】 ステップS20では下記式20、21によりv(i)、
a(i)を演算し、その後ステップS22でサンプリン
グ数iをインクリメントして、上記ステップS6からの
処理を実行する。
【0052】
【数12】 以上のように、サンプリング数iが所定時間幅Nの4倍
に達する前には式15〜19を用いて窓関数v(i)、
a(i)が演算され、所定時間幅Nの4倍に達した後は
式20、21を用いて窓関数が演算される。 <センサの異常検出フロー>次に、窓関数を用いたセン
サの異常検出手法について説明する。
【0053】図9は窓関数を用いたセンサの異常検出手
法を説明するフローチャートである。図10は図9を時
系列で概略的に示す図である。
【0054】このセンサの異常検出手法では、図10に
示すように、各パワー変化ΔPβ、ΔPr、ΔPyが所定
閾値ΔPβ0、ΔPr0、ΔPy0を超えたことによりセ
ンサ異常と推定し、この異常推定後の所定時間T10内
において、更にパワー変化ΔPβ,r,yの各演算に関与し
ないセンサ生値(センサから直接出力され、ノイズ除去
のために大きな遅れ要素を持たない簡単なフィルタ処理
のみが施されている出力値)の変化量が所定値未満の状
態(或いは無変化の状態)が所定期間T20継続したと
きに、センサ出力値が一方向に略一定値に固着してしま
うような故障であると判定して、センサ異常の誤検出を
防止している。
【0055】(パワー変化ΔPとセンサ生値とによる異
常検出)尚、以下では、横滑り角のパワー変化ΔPβ
と、センサ生値としてヨーレートrsと舵角θsとを用い
たヨーレートセンサの異常検出について説明するが、横
方向加速度センサ等の他のセンサ異常も同様の手法によ
り検出できることは言うまでもない。
【0056】図9に示すように、ステップT30では、
ヨーレートセンサと横方向加速度センサの各出力値を読
み込む。ステップT32では、図17で説明したように
窓関数v(i)、a(i)を演算する。
【0057】ステップT34では、上記式11から横滑
り角のパワー変化ΔPβを演算する。ステップT36で
は、横滑り角のパワー変化の絶対値|ΔPβ|が所定閾
値ΔPβ0以上か否か判定する。ステップT36で横滑
り角のパワー変化の絶対値|ΔPβ|が所定閾値ΔPβ
0以上ならば(ステップT36でYES)、ステップT
38に進んでフラグF1をセットする。ステップT36
で横滑り角のパワー変化の絶対値|ΔPβ|が所定閾値
ΔPβ0未満ならば(ステップT36でNO)、ステッ
プT37に進む。
【0058】ステップT38では、ヨーレートセンサ及
び/又は横方向加速度センサが故障していると推定でき
るのでフラグF1をセットする。このフラグF1は、横
滑り角のパワー変化の絶対値|ΔPβ|が所定閾値Pβ
0より大きいことによりヨーレートセンサ及び/又は横
方向加速度センサが故障していると推定された時にセッ
トされる。
【0059】ステップT40では、カウンタ値T1をイ
ンクリメントする。ステップT42では、ヨーレートセ
ンサのセンサ生値(出力値)の変化量Δrsを、例えば
移動平均値として演算する。ステップT44では、セン
サ生値の変化量の絶対値|Δrs|が所定閾値Δr0未満
か否かを判定する。
【0060】ステップT44でセンサ生値の変化量の絶
対値|Δrs|が所定閾値Δr0未満ならば(ステップT
44でYES)、センサ出力値が一方向に略一定値に固
着している状態とされ、ステップT46でカウンタ値T
2をインクリメントする。
【0061】ステップT48では、カウンタ値T2が第
2期間としての所定期間T20(例えば、400-500mse
c)以上となったか否かを判定する。この所定期間T2
0は、車両の振動等によりセンサ生値にノイズ等が含ま
れ、固着しているにもかかわらず故障でないと判定され
ることを避けるために、所定期間T10以内で固着して
いる期間の積算値として演算される。
【0062】ステップS48でカウンタ値T2が所定期
間T20以上ならば(ステップT48でYES)、ステ
ップT36でのパワー変化ΔPβによるセンサ異常が推
定された後から所定期間T20に亘って|Δrs|<Δ
rs0の状態が継続したので、ステップT50でヨーレー
トセンサの出力値が固着した故障であることを確定(判
定)する。続いて、ステップT52ではフラグF2をセ
ットし、ステップT54ではワーニングランプを点灯し
て乗員にセンサ故障を報知すると共に、ヨーレートセン
サが故障していることを記憶しておく。一方、ステップ
S48でカウンタ値T2が所定期間T20に満たないな
らば(ステップT48でNO)、ステップT56でカウ
ンタ値T1が第1期間としての所定期間T10(例え
ば、500msec-1sec)以上経過したか否かを判定する。但
し、窓関数のサンプリング期間<T20≦T10とす
る。
【0063】ステップT56で所定期間T10経過した
ならば(ステップT56でYES)、ステップT36で
パワー変化ΔPβによりセンサ異常が推定された後から
所定期間T10以内にヨーレートセンサの出力値の固着
が所定期間T20に亘って継続しなかったので固着故障
ではないと判定し、ステップT58でカウンタ値T1、
T2、フラグF1をリセットしてからステップT30に
リターンする。また、ステップT56で所定期間T10
未経過ならば(ステップT56でNO)、ステップT3
0にリターンする。
【0064】(センサ生値だけによる異常検出)続い
て、ヨーレートとステアリング舵角の各センサ生値だけ
による異常検出について説明する。
【0065】まず、ステップT37では、フラグF1が
セットされているか否か判定する。ステップT37でフ
ラグF1がセットされているならば(ステップS37で
YES)、前回のステップST36でパワー変化の絶対
値|ΔPβ|が所定閾値ΔPβ0を超えてから所定期間
T10経過していない状態なので、ステップT40に進
んで上述の固着異常の判定を行う。
【0066】また、ステップT37でフラグF1がセッ
トされていないならば(ステップS37でNO)センサ
生値だけで異常検出を行うステップS60以降に進む。
【0067】ステップS60では、舵角センサのセンサ
生値の変化量Δθsを、例えば移動平均値として演算す
る。ステップT62では、ヨーレートセンサのセンサ生
値の変化量Δrsを、例えば移動平均値として演算す
る。ステップT64では、センサ生値の変化量の絶対値
|Δrs|が所定閾値Δr0未満か否かを判定する。
【0068】ステップT64でセンサ生値の変化量の絶
対値|Δrs|が所定閾値Δr0未満ならば(ステップT
64でYES)、ヨーレートが小さい車両の走行状態と
され、ステップT66でカウンタ値T3をインクリメン
トする。
【0069】ステップT68では、舵角センサの変化量
の絶対値|Δθs|が現在までの最大値θmax以上か否か
を判定する。ここで、舵角センサのセンサ生値θsを用
いるのは、舵角センサは非常に信頼性の高く故障が発生
しにくいからである。ステップT68で舵角センサの変
化量の絶対値|Δθs|が現在までの最大値θmax以上な
らば(ステップT68でYES)、ステップT70で最
大値θmaxを|Δθs|に更新し、ステップT68で舵角
センサの変化量の絶対値|Δθs|が現在までの最大値
θmax未満ならば(ステップT68でNO)、ステップ
T72に進む。
【0070】ステップT72では、カウンタ値T3が所
定期間T20より長い所定期間T30(例えば、2-3mi
n)以上となったか否かを判定する。
【0071】ステップT72でカウンタ値T3が所定期
間T30に満たないならば(ステップT72でNO)、
ステップT30にリターンし、カウンタ値T3が所定期
間T30以上ならば(ステップT72でYES)、ステ
ップT74に進む。
【0072】ステップT74では、舵角センサの現在ま
での最大値θmaxが舵角センサの変化量の所定閾値Δθs
0以上か否かを判定する。ステップT74で舵角センサ
の現在までの最大値θmaxが舵角センサの変化量の所定
閾値Δθs0以上ならば(ステップT74でYES)、ス
テップT50に進む。
【0073】ステップT64からT74では、パワー変
化ΔPβが小さくセンサ故障と判定されない状態であっ
ても、ヨーレートセンサの変化量|Δrs|が小さい状
態(或いは無変化の状態)が検出されている所定期間T
30に亘って舵角センサの変化量|Δθs|が大きかっ
たならば(ステップT74でYES)、舵角センサの変
化量|Δθs|が大きいにもかかわらず、ヨーレートセ
ンサの変化量|Δrs|が小さいので、ステップT50
に進んでヨーレートセンサの出力値が固着した故障であ
ると判定する。
【0074】尚、上記期間T10、T20、T30は、
ノイズ等のセンサ特性等に応じて適宜決められる。ま
た、センサとしてヨーレートセンサ以外にも横方向加速
度センサ等を用いて横方向加速度センサの異常判定も可
能である。
【0075】更に、図9において、窓関数を用いた場合
センサ異常を早急かつ確実に検出できて好ましいが、セ
ンサ生値がT20に亘って固着しているか否かを判定す
る代わりに、旋回運動を検出する少なくとも2つ以上の
センサ生値によりセンサ異常を検出する手法パラメータ
同定やディテクションフィルタの手法や、T10よりも
短い期間のサンプリング値で移動平均処理した値を用い
ることもできる。
【0076】つまり、ステアリング舵角とヨーレートの
関係を車速等に応じて予め実験等で求め、記憶部に記憶
しておき、実際のステアリング舵角と実際のヨーレート
との関係と、予め求められた上記関係とを比較し、それ
らの関係が大きく相異していればステアリング舵角かヨ
ーレートのうち少なくとも一方のセンサが異常であると
判定してもよい。
【0077】ディテクションフィルタとは、このディテ
クションフィルタによる異常検出は、車両モデル関する
オブザーバ(状態推定器)を設計し、実際のセンサ出力
値と車両モデルによる推定値とを比較することによりセ
ンサの異常検出を行なうと共に、センサ等の故障による
影響(オフセット)がセンサ毎に固有の方向性(固有ベ
クトル)を持って互いに独立して現れるように車両モデ
ルへの入力に補正値(ゲイン)を加えていく手法であ
る。即ち、図18に示すように、車両の実際のセンサ出
力値と車両モデルによる推定値との差(推定誤差ε)
と、実際のセンサ出力値と車両モデルの推定値との差に
重みをつけて演算した推定誤差ξとからセンサの異常判
定を行ない、故障したセンサに載ったフェイル信号がそ
の大きさに比例して推定誤差に現れるようにオブザーバ
ゲインを車両モデルに入力していくことによりオフセッ
トの載ったセンサを異常と検出するものである。また、
車両モデル及びオブザーバゲインは路面摩擦係数μ等の
変化を考慮して補正される。 [SCS制御について] <制御系の概要>図4はSCSコントローラ5による基
本制御の概要を示し、この基本制御においては、まず、
ドライバが車両に乗り込んでイグニッションキーをオン
状態にすると、ステップSA1でSCSコントローラ5
やEGIコントローラ13の初期設定を行って前回の処
理で記憶している演算値等をクリアする。ステップSA
2では、車輪速センサ6等の原点補正を行った後に、こ
れらの各センサから上記SCSコントローラ5に対する
信号入力を受け、これらの入力信号に基づき、ステップ
SA3において上記車両の車体速、車体減速度、各輪位
置での車体速等の共通車両状態量を演算する。
【0078】続いて、ステップSA4でSCSの制御演
算を行う。すなわち、ステップSA41で、車両状態量
として、SCS用車体速VSCS、車体横滑り角β、各輪
の車輪スリップ率及びスリップ角、各輪の垂直加重、タ
イヤの負荷率、路面摩擦係数μを演算し、ステップSA
42では、目標状態量として、目標ヨーレートψ’TR、
目標横滑り角βTRを演算する。そして、ステップSA4
3で上記演算結果に基づきヨーレート制御又は横滑り角
制御への介入判定を行い、制御介入が必要と判定した場
合にはステップSA44に進む。このステップSA44
では、制動力を付与する車輪21FR,21FL,21RR,2
1RLを選択するとともに、選択した各車輪21FR,21F
L,21RR,21RLに付与する制動力を演算する。そし
て、この演算された制動力に基づいてステップSA45
で加圧ユニット3及びHU4への制御出力量、すなわ
ち、各ブレーキ2の加圧バルブ41及び減圧バルブ43
のそれぞれのバルブ開度等を演算する。
【0079】さらに、ステップSA5でABSの制御に
必要な制御目標値や制御出力量の演算を行い、ステップ
SA6でトラクション制御に必要な制御目標値や制御出
力量の演算を行い、その後、ステップSA7で、このA
BSの制御、トラクションの制御及び上記SCSの制御
の各演算結果を所定の方法により調停して上記加圧ユニ
ット3及びHU4への制御出力量を決定する。そして、
ステップSA8出上記加圧ユニット3及びHU4を作動
させて各加圧バルブ41及び減圧バルブ43の開度を制
御することにより、車輪21FR,21FL,21RR,21RL
のそれぞれのブレーキ2に供給する液圧を制御してそれ
らの車輪21FR,21FL,21RR,21RLに所要の制動力
を付与する。最後に、ステップSA9で車輪速センサ6
や加圧ユニット3等が正常に作動しているか否かのフェ
イルセーフ判定を行い、その後、ステップSA1にリタ
ーンする。
【0080】なお、上記フローチャートにおいてステッ
プSA41が状態量演算部51に、SA42が目標状態
量演算部52に、また、ステップSA43が制御介入判
定部53及び制御切換え部54に、それぞれ対応してお
り、ステップSA44がヨーレート制御部55、変更設
定部56及び横滑り角制御部57に対応している。 <SCSの制御>以下に、SCSの制御の詳細について
図5及び図6に基づいて説明する。なお、ステップSA
5のABS制御演算及びステップSA6のトラクション
制御演算については周知であるので、その説明を省略す
る。
【0081】図5は、図4のステップSA41におけ
る、車体速VSCS、車体横滑り角β、各車輪の垂直荷
重、各車輪のスリップ率、各車輪のスリップ角、各車輪
の負荷率及び路面摩擦係数μの演算、及び、同図のステ
ップSA42における、目標横滑り角βTR及び目標ヨー
レートrTRの演算を示す。すなわち、ステップSB2で
は、車輪21FRの車輪速v1、車輪21FLの車輪速v2、
車輪21FRの車輪速v3、車輪21RLの車輪速v4と、車
体1の横方向加速度ysと、車体1のヨーレートrsと、
ステアリングの操舵角θsとの入力を受ける。ステップ
SB4では、上記車輪速v1-v4に基づいて車体速VSCS
を演算し、ステップSB6では、上記車輪速v1-v4と
上記横加速度ysとに基づいて各車輪の垂直加重を演算
する。また、ステップSB8では、上記車体速VSCS
と、上記車輪速v1-v4と、上記横加速度ysと、上記ヨ
ーレートrsと、上記ステアリング舵角θsとに基づき車
体横滑り角βを演算する。
【0082】続いて、ステップSB10では、上記車輪
速v1-v4と、上記車体速VSCSと、車体横滑り角βと、
ヨーレートrsと、操舵角θsとに基づいて各車輪21F
R,21FL,21RR,21RLのスリップ率及びスリップ角を
演算し、ステップSB12では、上記各車輪の垂直加重
と上記スリップ率及びスリップ角とに基づき、車輪21
FR,21FL,21RR,21RLのそれぞれについて、タイヤ
23の発揮し得る全グリップ力に対する現在のグリップ
力の割合である負荷率を演算する。そして、ステップS
B14では、その負荷率と上記横方向加速度ysとに基
づいて路面摩擦係数μを演算し、ステップSB16で
は、その路面摩擦係数μと、上記車体速VSCSと、上記
操舵角θsとに基づいて目標ヨーレートrTRと目標横滑
り角βTRとを演算する。
【0083】なお、図5に示す上記のフローチャートに
おいて、ステップSB2からステップSB14までが、
状態量演算部51に対応し、ステップSB16が目標状
態量演算部52に対応している。
【0084】図6は、図4のステップSA43における
SCSの制御介入判定以降のSCSの制御を示し、ステ
ップSB18で、ヨーレートrsと目標ヨーレートrTRと
の間のヨーレート偏差量(|rTR−rs|)、及び、車
体横滑り角βと目標横滑り角βTRとの間の横滑り角偏差
量(|βTR−β|)を、それぞれ、SCSのヨーレート
制御の介入判定のために予め設定された介入判定しきい
値K1及びK2と比較する。そして、上記ヨーレート偏差
量が介入判定しきい値K1以上であるか、又は、上記横
滑り角偏差量が介入判定しきい値K2以上である場合
に、目標走向方向に対する車体姿勢のずれが大きくなり
つつありSCSの制御介入が必要であると判定してステ
ップSB20に進み一方、上記ヨーレート偏差量が介入
判定しきい値K1よりも小さい値であり、かつ、上記横
滑り角偏差量が介入判定しきい値K2よりも小さい値で
ある場合には、SCSの制御介入の必要なしと判定して
リターンする。
【0085】そして、ステップSB20では、横滑り角
偏差量(|βTR−β|)を、SCSの横滑り角制御への
切り換えの判定のために予め設定された第1設定量とし
ての切換判定しきい値K3と比較する。そして、上記横
滑り角偏差量が切換判定しきい値K3よりも小さい場合
には、ステップSB22に進んで目標ヨーレートrTRを
SCSの制御目標値として設定し、その後ステップSB
24に進み、ヨーレート制御における制御量としてのS
CS制御量ramtをヨーレート偏差量(|rTR−rs|)
に基づいて演算する。すなわち、車体姿勢の変化が比較
的小さく安定した状態にあると判定される間(SB2
0)は、車体1のヨーレートrsがドライバの運転操作
に対応する目標ヨーレートrTRに収束するよう、車体1
に比較的小さなヨーモーメントを作用させるようにし
(SB22,24)、これにより、車体姿勢をドライバ
の運転操作に追従するように滑らかに変更させるヨーレ
ート制御を行うようになっている。
【0086】一方、上記ステップSB20で、横滑り角
偏差量(|βTR−β|)が切換判定しきい値K3以上で
ある場合には、ステップSB26に進んで目標横滑り角
βTRをSCSの制御目標値として設定し、その後ステッ
プSB28に進んで、SCSの制御に実際に用いられる
SCS制御量βamtを横滑り角偏差量(|βTR−β|)
に基づいて演算する。すなわち、車体姿勢が大きく崩れ
ていると判定された(SB20)ときには、車体横滑り
角βが目標横滑り角βTRに収束するよう、車体に比較的
大きなヨーモーメントを作用させるようにし(SB2
6,28)、これにより、車体姿勢を迅速に修正する横
滑り角制御を行うようになっている。
【0087】そして、上記ステップSB24又はステッ
プSB28に続くステップSB30において、フラグF
1がセットされているか否かを判定する。このフラグF
1は、図9で説明した窓関数を用いたセンサの異常検出
において用いられ、横滑り角のパワー変化ΔPβが所定
値Pβ0より大きいことによりヨーレートセンサ及び/
又は横方向加速度センサが故障していると推定できる状
態でセットされる。
【0088】ステップSB30でフラグF1がセットさ
れているならばステップSB31に進み、フラグF1が
セットされていないならばステップSB32に進む。
【0089】ステップSB31では、SCS制御量βam
tの絶対値から所定値β1を減算し、SCS制御量ramt
の絶対値から所定値r1を減算することにより、SCS
制御量βamt,ramtを低下又は保持方向に補正して、S
CS制御量を抑制又は保持させる。また、ステップSB
32では、フラグF2がセットされているか否かを判定
する。このフラグF2は、図9で説明した窓関数を用い
たセンサの異常検出において用いられ、ヨーレートセン
サ及び/又は横方向加速度センサが故障していると推定
された状態で、ヨーレートセンサ又は横方向加速度セン
サのセンサ出力値rs,ysの移動平均値が所定値より大
きい状態が所定期間継続するとセンサ故障を確定してセ
ットされる。
【0090】ステップSB32でフラグF2がセットさ
れているならばステップSB34に進み、フラグF2が
セットされていないならばステップSB33に進む。
【0091】ステップSB33では、センサ故障と判定
されているのでSCSの制御を中止してリターンする。
【0092】ステップSB34では、ステップSB30
でセンサ故障が推定された状態であったならばステップ
SB31でSCS制御量βamt,ramtを低下又は保持方
向に補正してSCS制御量を抑制又は保持させ、ステッ
プSB32でフラグF2がセットされてセンサ故障が確
定した状態でないならば上記SCSの制御、ABSの制
御及びトラクション制御の各演算結果を所定の方式によ
り調停する。この調停の概要について説明すると、SC
Sの制御を行おうとする際にABSの制御が行われてい
る場合には、そのABSの制御量をSCS制御量ramt
又はβamtに基づいて補正することにより、ABSの制
御を優先しつつSCSの制御を行うようになっており、
また、SCSの制御を行おうとする際にトラクション制
御が行われている場合には、そのトラクション制御のた
めの加圧ユニット3及びHU4の作動を中止してSCS
の制御を行うようになっている。
【0093】続いて、ステップSB36において、SC
S制御量ramt又はβamtに基づき、SCSの制御のため
に制動力を付与する車輪21FR,21FL,21RR,21RL
を選択するとともに、これらの車輪21FR,21FL,21
RR,21RLにそれぞれ付与する制動力を演算する。この
車輪の選択及び制動力の演算について概説すれば、ヨー
レート制御において車体1のヨーレートrsを右周りに
加増する場合、及び、横滑り角制御において車両の旋回
姿勢を右側寄りに修正しようとする場合には、右側前輪
21FRもしくは右側前後輪21FR,21RRに対し、上記
SCS制御量ramt又はβamtに対応する制動力を付与す
ることにより車両に右回りのヨーモーメントを作用させ
るようにするものである。反対に、車体1のヨーレート
rsを左回りに加増する場合、及び、車両の旋回姿勢を
左側寄せに修正しようとする場合には、左側前輪21FL
もしくは左側前後輪21FL,21RLに対し、上記SCS
制御量ramt又はβamtに対応する制動力を付与すること
により車両に左回りのヨーモーメントを作用させるよう
にするものである。
【0094】そして、上記ステップSB36に続くステ
ップSB38において、上記ステップSB36で選択さ
れた車輪21FR,21FL,21RR,21RLに対しそれぞれ
所要の制動力を付与するための加圧ユニット3及びHU
4への制御出力量、すなわち、ブレーキ2の加圧バルブ
41及び減圧バルブ43のそれぞれのバルブ開度等を演
算し、ステップSB40でこれらの演算された制御出力
を上記加圧ユニット3及びHU4に対し出力してSCS
の制御を実行し、その後リターンする。
【0095】なお、図6に示す上記のフローチャートに
おいて、ステップSB18が制御介入判定部53に、ス
テップSB20が切換制御部54に、それぞれ対応して
おり、ステップSB22及びSB24がヨーレート制御
部55及び変更設定部56に、ステップSB26及びS
B28が横滑り角制御部57に、それぞれ対応してい
る。
【0096】<ヨーレート制御における制御量の演算>
以下、ヨーレート制御(SB22、SB24)における
SCS制御量ramtの演算について、図7及び図8を参
照して説明する。
【0097】図7は、図6のステップSB24における
SCS制御量ramtの演算の際に、ヨーレート制御に起
因する車体姿勢の崩れを抑制するために、制限制御部5
5aにより、上記SCS制御量ramtに上限を設定する
ための具体的なフローを示す。同図において、ステップ
SC2では、車体1のヨーレートrsが目標ヨーレート
rTRに収束するように車体1にヨーモーメントを作用さ
せるような仮のSCS制御量rxを、ヨーレート偏差量
(|rTR−rs|)に基づいて演算する。続いて、ステ
ップSC4では、上記ステップSC2で演算された仮の
SCS制御量rxと、車体速VSCS、路面摩擦係数μ、ス
テアリングの操舵角θs及び操舵速度θs'とに基づき、
ヨーレート制御が行われた場合の車体横滑り角の推定変
化量Δβを推定演算する。また、ステップSC6では、
切換判定しきい値K3よりも小値側の範囲において、車
体速VSCS、路面摩擦係数μ、ステアリングの操舵角θ
s、及び、この操舵角θsを微分演算して状態量演算部5
1により算出される操舵角θsの変化率としての操舵速
度θs'に基づき、車体横滑り角の変化量の第2設定量と
しての上限値Δβ1imを設定する。なお、この上限値Δ
β1imの設定については後述する。
【0098】そして、ステップSC8において、上記ス
テップSC4で演算された車体横滑り角の推定変化量Δ
βと上記ステップSC6で設定された上限値Δβ1imと
を比較し、推定変化量Δβが上限値Δβ1im以下であれ
ばステップSC10に進み、このステップSC10で仮
のSCS制御量rxをSCS制御量ramtとした後リター
ンする。一方、上記ステップSC8において推定変化量
Δβが上限値ΔB1imよりも大きければステップSC1
2に進み、このステップSC12において、上記推定変
化量Δβと上限値Δβ1imとの間の偏差に応じて、上記
仮のSCS制御量rxを補正する。そして、ステップS
C14で上記仮の制御量rxの補正値をSCS制御量ra
mtとし、その後リターンする。つまり、ヨーレート制御
による車体横滑り角の変化量Δβが上限値Δβ1im以下
になるような範囲内においてSCS制御量ramtを演算
するようにしており、これにより、ヨーレート制御に起
因する車体姿勢の崩れを抑制してヨーレート制御から横
滑り角制御への切り換えを抑制するようにしている。
【0099】次に、上記ステップSC6における、変更
設定部56による、車体横滑り角βの変化量Δβの上限
値Δβ1imの設定について説明する。上記変更設定部5
6による車体横滑り角βの変化量Δβの上限値Δβ1im
の設定は、図8に示すように、車体速VSCSに対応する
基本上限値Δβ0を、路面摩擦係数μ、ステアリングの
操舵角θs及び操舵速度θs'に対応して増減変更するこ
とにおり行うようにする。すなわち、先ず、ステップS
D2において、車体速VSCSとの関係により予め設定さ
れた基本マップから基本上限値Δβ0を読み取るように
する。この基本マップにおいて、上記基本上限値Δβ0
は車体速VSCSが高いほど減少するように設定されてお
り、これにより、車体速VSCSが高いほど車両の姿勢変
化が抑制されて安全性が高まるようになっている。続い
て、ステップSD4において、路面摩擦係数μとの関係
により予め設定された変更設定マップから係数m2を読
取るようにしており、この変更設定マップにおいて、係
数m2は路面摩擦係数μが低いときには小さめに設定さ
れる一方、その路面摩擦係数μが高いときには大きめに
設定されるようになっている。
【0100】そして、ステップSD6において、ステア
リングの操舵角θsとの関係により予め設定された変更
設定マップから係数m3を読取るようにしており、この
変更設定マップにおいて、係数m3はステアリングの操
舵角θsの増大に応じて減少するようになっている。さ
らに、ステップSD8において、ステアリングの操舵速
度θs'との関係により予め設定された変更設定マップか
ら係数m4を読取るようにしており、この変更設定マッ
プにおいて、係数m4は、操舵速度θs'の増大に応じて
減少するようになっている。最後に、ステップSD10
において、上記基本上限値Δβ0に上記係数m2、m3及
びm4を乗算して求めた値を上限値Δβ1imとして設定す
るようにする。このようにして設定された上限値ΔB1i
mは、路面摩擦係数μが低いほど減少設定されるととも
に、ステアリングの操舵角θs及びその操舵速度θs'の
増大に応じて減少設定される一方、上記路面摩擦係数μ
が高いほど増大設定されるとともに、上記ステアリング
の操舵角θs及びその操舵速度θs'の減少に応じて増大
設定されるようになっている。
【0101】次に、上記実施形態に係る車両の姿勢制御
装置による作用・効果を説明する。
【0102】上記実施形態によれば、車体姿勢が比較的
安定しており横滑り角偏差量(|βTR−β|)が切換判
定しきい値K3よりも小さい間はヨーレート制御が行わ
れ、このヨーレート制御により、車体1に対しそのヨー
レートrsが目標ヨーレートrTRに収束するよう比較的
小さなヨーモーメントを作用させることができ、これに
より、車体姿勢をドライバの運転操作に追従するよう滑
らかに変更させることができる。従って、車体姿勢が比
較的安定しておりドライバが余裕をもって運転操作を行
える状態では、このドライバは違和感のない自然な運転
フィーリングを得ることができる。一方、車体姿勢が崩
れそうな不安定な状態になって上記横滑り角偏差量(|
βTR−β|)が切換判定しきい値K3以上になったとき
には、車体横滑り角βが目標横滑り角βTRに収束するよ
う車体姿勢を修正する横滑り角制御が行われる。この横
滑り角制御により、比較的大きなヨーモーメントを作用
させて車体姿勢を迅速に修正することができ、これによ
り、車両のスピンやコースアウト等を防止する。
【0103】また、上記ヨーレート制御においては、こ
のヨーレート制御による車体横滑り角βの変化量Δβ
が、切換判定しきい値K3よりも小値側に設定された上
限値Δβ1im以下になるようにSCS制御量ramtに上限
を設定しており、このため、ヨーレート制御に起因する
車体姿勢の崩れを抑制することができる。これにより、
ヨーレート制御に起因するこのヨーレート制御から横滑
り角制御への切換えを防止することができるため、ドラ
イバがヨーモーメントの逆転によるショックや違和感を
感じる頻度を低減させることができる。
【0104】さらに、上限値Δβ1imが、路面摩擦係数
μ、ステアリング操舵角θH及びその操舵速度θs'に応
じて変更設定され、これに応じてSCS制御量ramtの
上限が変更されるようになっているため、ヨーレート制
御に起因する車体姿勢の崩れの抑制とこのヨーレート制
御による車体姿勢の制御とを両立させるようにすること
ができる。すなわち、車両が滑り易い路面を走行してい
るときであっても、路面摩擦係数μが低いほどSCS制
御量ramtの上限が低められるため車体姿勢の変化を抑
制することができ、一方、路面摩擦係数μが高く滑りに
くい路面においては、路面摩擦係数μが高いほどSCS
制御量ramtの上限が高まるため車体姿勢の制御を十分
に行うことができる。
【0105】また、ステアリングの操舵角θsが大きく
車輪21FR,21FL,21RR,21RLの車輪横滑り角が大
きいときには、そのステアリングの操舵角θsの増大に
応じてSCS制御量ramtの上限を低めることができる
ため、上記車輪横滑り角の増大に伴う車輪の前後方向の
グリップ力の低下に対応してこれらの車輪に寄与される
制動力を減少させることができ、これにより、上記車輪
21がロック状態になって車体姿勢が崩れることを防止
することができる。一方、上記ステアリングの操舵角θ
sの減少に応じてSCS制御量ramtの上限を高めること
により、車輪のグリップ力に余裕がある間はヨーレート
制御によって十分に車体姿勢を制御することができる。
【0106】同様に、ステアリングの操舵速度θs'が高
い場合には、操舵輪である左右の前輪21FR,21FLが
急速に転舵されているためトレッドゴムの捩れ変形によ
りグリップ力が低下するところ、上記操舵速度θs'の増
大に応じてSCS制御量ramtの上限を低めることによ
り、上記左右の前輪21FR,21FLがロック状態になる
ことによる車体姿勢の崩れを防止することができる一
方、上記操舵速度θs'の減少に応じてSCS制御量ram
tの上限を高めることにより、上記左右の前輪21FR,
21FLのグリップ力に余裕がある間はヨーレート制御に
よって十分に車体姿勢を制御することができる。
【0107】以上のように、窓関数とセンサ生値とを用
いたセンサの異常検出によれば、先ずパワー変化ΔPβ
によりセンサ異常と推定し、更にパワー変化ΔPβが演
算されないセンサ生値の変化量が所定値未満の状態(或
いは無変化の状態)が所定期間継続したときに、センサ
出力値が一方向に略一定値に固着してしまうような故障
であると判定して、センサ異常の誤検出を防止できる。
【0108】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
で上記実施形態を修正又は変形したもの、例えばヨーレ
ートや横方向加速度を検出して制御するABSやトラク
ションシステム等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の車両の姿勢制御装置を適用した車
両を示す概略構成図である。
【図2】ブレーキの液圧系統を示す図である。
【図3】本実施形態のSCSコントローラのブロック図
である。
【図4】基本制御の概要を示すフローチャートである。
【図5】状態量演算部及び目標状態量演算部における処
理を示すフローチャートである。
【図6】制御介入判定以降のSCS制御を示すフローチ
ャートである。
【図7】ヨーレート制御におけるSCS制御量の演算を
示すフローチャートである。
【図8】車体横滑り角の変化量の上限値を設定する処理
を示すフローチャートである。
【図9】窓関数を用いたセンサの異常検出の他の手法を
説明するフローチャートである。
【図10】図9の手順を説明する図である。
【図11】窓関数を用いたセンサの異常検出における前
輪舵角の入力状態を示す図である。
【図12】図11の前輪舵角入力時のヨーレートの変化
を示す図である。
【図13】図11の前輪舵角入力時の横方向加速度の変
化を示す図である。
【図14】ヨーレートセンサ故障時の出力値の変化を示
す図である。
【図15】横滑り角のパワー変化を示す図である。
【図16】ヨーレートのパワー変化を示す図である。
【図17】窓関数を用いたセンサの異常検出における窓
関数の演算手法を説明するフローチャートである。
【図18】ディテクションフィルタのブロック図であ
る。
【符号の説明】
1…車体 2…ブレーキ 3…加圧ユニット 4…ハイドロリックユニット 5…SCSコントローラ 8…ヨーレートセンサ 9…ステアリング舵角センサ 21FR,FL,RR,RL…車輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01P 21/00 G01P 15/00 Z (72)発明者 益 啓純 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 田中 博久 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 片山 欣生 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 加藤 和広 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 2F063 AA36 AA37 AA50 BA11 CA02 DA01 DD08 JA06 JA07 KA02 KA05 LA12 LA30 MA08 2F069 AA86 AA93 BB21 DD02 DD27 GG04 GG06 GG07 GG18 GG31 GG41 GG59 GG63 GG71 HH30 NN00 NN05 QQ05 3D045 BB01 BB40 CC01 EE21 FF42 GG10 GG25 GG28 3D046 BB01 BB21 HH21 HH25 KK07 KK11 MM06 MM14 MM16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両旋回時の運動量に関する値を検出す
    る第1検出センサと、 前記第1検出センサによる出力値の変化成分を順次算出
    する変化成分算出手段と、 前記変化成分に基づいて前記第1検出センサの異常を推
    定する第1推定手段と、 前記第1検出センサの出力値に基づいて前記第1検出セ
    ンサの異常を推定する第2推定手段と、 前記第1推定手段による異常推定後、前記変化成分算出
    手段のサンプリング期間より長い第1期間において前記
    第2推定手段により前記第1検出センサの異常が推定さ
    れると、該第1センサが異常であると判定する判定手段
    とを具備することを特徴とする車両用走行状態検出セン
    サの異常検出装置。
  2. 【請求項2】 前記第2推定手段は、前記第1検出セン
    サの出力値の変化量が前記第1期間より短い第2期間に
    亘って所定値以下の時、前記第1検出センサが異常であ
    ると推定することを特徴とする請求項1に記載の車両用
    走行状態検出センサの異常検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1検出センサ以外に車両旋回時の
    運動量に関する値を検出する第2検出センサを有し、前
    記第2推定手段は、該第2検出センサの出力値と、前記
    第1検出センサの変化成分とに基づいて該第1検出セン
    サが異常であると推定することを特徴とする請求項1に
    記載の車両用走行状態検出センサの異常検出装置。
  4. 【請求項4】 前記第2推定手段は、少なくとも前記第
    1及び第2検出センサに関連する関連度合に基づいて該
    第1検出センサが異常であると推定することを特徴とす
    る請求項3に記載の車両用走行状態検出センサの異常検
    出装置。
  5. 【請求項5】 前記第1推定手段は、前記第1検出セン
    サの出力値の時間的変化成分を表わす第1関数と、該時
    間的変化成分の微分成分を表わす第2関数とを算出し、
    該第1及び第2関数により求まる値に基づいて該第1検
    出センサが異常であると推定することを特徴とする請求
    項1に記載の車両用走行状態検出センサの異常検出装
    置。
  6. 【請求項6】 車両旋回時の運動量に関する値を検出す
    る第1検出センサと、 前記第1検出センサによる出力値の変化成分を順次算出
    する変化成分算出手段と、 前記変化成分に基づいて前記第1検出センサの異常を推
    定する第1推定手段と、 前記第1検出センサの出力値に基づいて前記第1検出セ
    ンサの異常を推定する第2推定手段と、 前記第1推定手段による異常推定後、前記変化成分算出
    手段のサンプリング期間より長い第1期間において前記
    第2推定手段により前記第1検出センサの異常が推定さ
    れると、該第1センサが異常であると判定する判定手段
    とを備え、 前記第2推定手段は、前記第1検出センサの出力値の変
    化量が第2期間に亘って所定値以下の時、前記第1検出
    センサが異常であると推定し、 前記第1推定手段は、前記第1検出センサの出力値の時
    間的変化成分を表わす第1関数と、該時間的変化成分の
    微分成分を表わす第2関数とを算出し、該第1及び第2
    関数により求まる値に基づいて該第1検出センサが異常
    であると推定することを特徴とする車両用走行状態検出
    センサの異常検出装置。
  7. 【請求項7】 車両の走行姿勢が目標姿勢から逸脱した
    時に、該走行姿勢を目標姿勢に収束させる姿勢制御を実
    行する車両の挙動制御装置において、 車両旋回時の運動量に関する値を検出する第1検出セン
    サと、 前記第1検出センサによる出力値の変化成分を順次算出
    する変化成分算出手段と、 前記変化成分に基づいて前記第1検出センサの異常を推
    定する第1推定手段と、 前記第1検出センサの出力値に基づいて前記第1検出セ
    ンサの異常を推定する第2推定手段と、 前記第1推定手段による異常推定後、前記変化成分算出
    手段のサンプリング期間より長い第1期間において前記
    第2推定手段により前記第1検出センサの異常が推定さ
    れると、該第1センサが異常であると判定する判定手段
    とを備え、 前記姿勢制御中ならば、前記第1推定手段による異常推
    定後から前記判定手段による異常の有無判定がなされる
    まで該姿勢制御を抑制又は保持することを特徴とする車
    両の挙動制御装置。
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