JP2000273199A - セルロースエステルフィルムとその製造方法及び偏光板保護フィルムとそれを用いた偏光板 - Google Patents

セルロースエステルフィルムとその製造方法及び偏光板保護フィルムとそれを用いた偏光板

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JP2000273199A
JP2000273199A JP11075686A JP7568699A JP2000273199A JP 2000273199 A JP2000273199 A JP 2000273199A JP 11075686 A JP11075686 A JP 11075686A JP 7568699 A JP7568699 A JP 7568699A JP 2000273199 A JP2000273199 A JP 2000273199A
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cellulose ester
solution
film
dope
solvent
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Toshiya Takagi
利也 高木
Katsuto Yamanaka
克仁 山中
Osamu Nozaki
修 野▲崎▼
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的欠陥が少なくかつ環境適性にすぐれた
セルロースエステルフィルムの製造方法とそれにより造
られたセルロースエステルフィルム、それを用いた偏光
板保護フィルムと偏光板を提供する。 【解決手段】 セルロースエステル溶液を調製する工
程、該溶液をろ過する工程、ろ過後の溶液を製膜・乾燥
する工程を経るセルロースエステルフィルムの製造方法
において、前記溶液をろ過する工程に残留したセルロー
スエステル溶液を原料として再利用することを特徴とす
るセルロースエステルフィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースエステ
ルフィルムとその製造方法及び偏光板保護フィルムとそ
れを用いた偏光板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロースエステルフィルムは主に写真
材料等の記録材料の支持体として用いられている。又近
年、需要が拡大している液晶表示装置に使用されている
偏光板にも使用されている。
【0003】偏光板はポリビニルアルコールにヨウ素や
二色性染料を吸着、配向させたものを偏光素子とし、こ
の偏光素子を保護フィルムで被覆したものである。
【0004】この保護フィルムに使用される素材は光学
的異方性が少なく透明性が優れた素材であることが望ま
しい。
【0005】これらの要求を満たすものとして溶液流延
法で製膜したセルローストリアセテートフィルム(トリ
アセチルセルロースフィルム)等のセルロースエステル
フィルムが用いられてきた。
【0006】ところが従来のセルローストリアセテート
フィルムには輝点異物の存在することが判ってきた。こ
の輝点異物とは、直交状態(クロスニコル)で配置した
2枚の偏光子の間にセルローストリアセテートフィルム
を置き、一方の偏光子の外側から光を当て、他方の偏光
子の外側から顕微鏡で観察すると、異物部分で光が漏
れ、星が輝くように光って見える異物である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、液晶表示装置は
大画面・高品質化技術の開発が進み、偏光板の保護フィ
ルムに対する要求品質も厳しくなっている。従って、輝
点異物の多く存在するセルローストリアセテートフィル
ムは好ましくない。偏光板用の保護フィルムとして使用
する場合、光モレの原因となり著しく偏光板の品質を低
下させるからである。
【0008】一方、セルローストリアセトートフィルム
を溶液流延法で製造する場合、ドープ中には未溶解物が
あるのでろ過するのが一般的である。セルロースエステ
ル溶液は粘度が高い為、ろ過面積の大きいフィルタープ
レスやディスク状の金属フィルターが用いられる。
【0009】これらのろ過材は未溶解物が捕捉され圧力
が上昇するので定期的に交換する必要がある。交換時に
は一度ろ過器内にあるセルローストリアセテートの溶液
を取り除く必要がある。
【0010】従来ろ過器内に残留したセルローストリア
セテート溶液は一度バットに抜き出し、溶剤を蒸発させ
てから廃棄しており、抜き出す際に溶剤が蒸発するので
作業環境上問題であった。又、廃棄物として排出される
ので環境上大きな問題であった。
【0011】本発明の目的は、光学的欠陥が少なくかつ
環境適性にすぐれたセルロースエステルフィルムの製造
方法とそれにより造られたセルロースエステルフィル
ム、それを用いた偏光板保護フィルムと偏光板を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成のいずれかを採ることにより達成される。
【0013】〔1〕 セルロースエステル溶液を調製す
る工程、該溶液をろ過する工程、ろ過後の溶液を製膜・
乾燥する工程を経るセルロースエステルフィルムの製造
方法において、前記溶液をろ過する工程に残留したセル
ロースエステル溶液を原料として再利用することを特徴
とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0014】〔2〕 セルロースエステル溶液を調製す
る工程、該溶液をろ過する工程、ろ過後の溶液を製膜・
乾燥する工程を経るセルロースエステルフィルムの製造
方法において、前記セルロースエステル溶液を調製する
工程にて造られるセルロースエステル溶液が、前記溶液
をろ過する工程に残留したセルロースエステル溶液を含
有することを特徴とするセルロースエステルフィルムの
製造方法。
【0015】〔3〕 前記セルロースエステル溶液を調
製する工程にて造られたセルロースエステル溶液が、前
記溶液をろ過する工程において残留したセルロース溶液
を重量比で0.1〜20%含有することを特徴とする
〔2〕記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0016】〔4〕 前記溶液をろ過する工程において
残留した溶液を回収し、セルロースエステル溶液を調製
する工程へ添加するまでの操作が、密閉環境下で行われ
ることを特徴とする〔1〕、〔2〕又は〔3〕のいずれ
か1項記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0017】〔5〕 前記溶液をろ過する工程において
残留し回収されたセルロースエステル溶液の固形分濃度
が、セルロースエステル溶液を調製する工程で造られた
セルロースエステル溶液の固形分濃度よりも低いことを
特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のセルロ
ースエステルフィルムの製造方法。
【0018】〔6〕 前記セルロースエステルがセルロ
ーストリアセテートであることを特徴とする〔1〕〜
〔5〕のいずれか1項記載のセルロースエステルフィル
ムの製造方法。
【0019】〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に
記載の方法によって製造されたことを特徴とするセルロ
ースエステルフィルム。
【0020】〔8〕 〔7〕記載のセルロースエステル
フィルムからなることを特徴とする偏光板保護フィル
ム。
【0021】
〔9〕 〔8〕記載のセルロースエステル
フィルムと偏光子とを張り合わせてなることを特徴とす
る偏光板。
【0022】輝点異物の原因は、ドープ中に含まれる不
溶解物であり、セルローストリアセテートには不純物と
してマンノースやキシロースのようなヘミセルロース、
未酢化のセルロースが含まれているためと考えられてき
た。これらはセルロース溶液にした場合、完全には溶解
せず未溶解物として残り、輝点異物として悪影響を与え
るとされてきた。
【0023】輝点異物の対策としてはろ過精度を上げる
ことが行われていた。しかし、ろ過精度を上げるとろ過
ライフが短くなってろ過材交換頻度が増え、作業性が悪
くなり、ろ過材使用量が増えることよりランニングコス
トが上がるためフィルム製造に著しい不都合が生じるこ
とになる。従って、作業性の優れたかつ製造コストの低
いセルロースエステルフィルム及びその製造方法を提供
することには結びつかなかった。
【0024】本発明者等は、輝点異物についての研究を
鋭意進めているうちに、ろ過工程において残留するセル
ローストリアセテートの溶液(以下ドープと記すことも
ある)を原料として再利用することにより、得られたセ
ルローストリアセテートフィルムは輝点異物が著しく減
少していることが突き止められた。
【0025】即ち、輝点異物がいかなる原因によるかの
究明は未だの状態ではあるが、ドープをろ過する工程に
おいてろ過材を交換する時に排出される残留したドープ
を原料として再利用して得たセルローストリアセテート
フィルムは、輝点異物が著しく減少していることが突き
止められたのである。本発明はこの知見に基づいてなさ
れたのである。
【0026】さらに本発明を用いることにより、従来は
廃棄していた残留ドープが再利用されることにより廃棄
物の減少になり、環境にやさしい製造方法でセルロース
トリアセテートフィルムを造ることが可能である。
【0027】即ち、上記の課題はドープをろ過する工程
において残留したドープを原料として再利用して得たセ
ルローストリアセテートフィルムによって解決される。
【0028】特に再利用するドープは重量比で0.1〜
20%含有するのが好ましく、より好ましくは0.2〜
10%含有するのがよい。
【0029】特に再利用するドープの固形分濃度が、ド
ープを調製する工程において造られたドープの固形分濃
度より低くなるようにすると、よりよい結果が得られ
る。このため、ろ過工程で残留したドープにさらにろ過
工程を洗浄するのに用いた溶剤を加え、混合し再利用す
るドープとして利用するとよい。
【0030】ろ過工程に残留したドープを回収し再利用
する場合は、密閉環境下で行うことによって溶剤が作業
所内に漏れることなく作業環境を損なうことなく実施で
きる。
【0031】次に本発明に係る要件、化合物につき述べ
る。
【0032】本発明に係るセルロースエステル溶液は、
セルロースエステルを溶剤(溶媒)に溶かし、これに通
常は可塑剤を加えた溶液である。勿論、必要によりこの
他の添加剤が加えられていることが多い。
【0033】本発明に係るセルロースエステルとして
は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセ
テートプロピオネートなどが挙げられ、特に重合度25
0〜400、結合酢酸量が54〜62.5%のセルロー
ストリアセテートが好ましく、結合酢酸量が58〜6
2.5%がベース強度が強くより好ましい。セルロース
トリアセテートは綿花リンターから合成されたセルロー
ストリアセテートと木材パルプから合成されたセルロー
ストリアセテートのどちらかを単独あるいは混合して用
いることができる。ベルトやドラムからの剥離性がもし
問題になれば、ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花
リンターから合成されたセルローストリアセテートを多
く使用すれば生産性が高く好ましい。木材パルプから合
成されたセルローストリアセテートを混合し用いた場
合、綿花リンターから合成されたセルローストリアセテ
ートの比率が40重量%以上で、剥離性の効果が顕著に
なるため好ましく、60重量%以上がさらに好ましく、
単独で使用することが最も好ましい。
【0034】本発明に使用される溶剤は良溶剤と貧溶剤
を混合して使用することが、生産効率の点で好ましい。
良溶剤と貧溶剤の混合比率は良溶剤70〜95重量%、
貧溶剤は30〜5重量%が好ましい。又、セルロースエ
ステルの濃度は10〜30重量%が好ましく、18〜2
0重量%がより好ましい。
【0035】本発明中の良溶媒、貧溶媒とは、使用する
セルロースエステルを単独で溶解するものを良溶媒、単
独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶媒と定義し
ている。そのため、セルロースエステルの結合酢酸量に
よって良溶媒、貧溶媒が変わり、例えばアセトンは結合
酢酸量55%では良溶媒、結合酢酸量60%では貧溶媒
となる。
【0036】本発明に使用される良溶剤はメチレンクロ
ライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類があ
る。
【0037】本発明に使用される貧溶剤は例えば、メタ
ノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン
が好ましい。
【0038】本発明に係るセルロースエステルの溶解方
法は、一般的な方法を用いることができるが、好ましい
方法としては、セルロースエステルを貧溶媒と混合し、
湿潤あるいは膨潤させ、さらに良溶媒と混合する方法で
ある。このとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上でか
つ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、撹拌しながら
溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物
の発生を防止するため、より好ましい。
【0039】セルロースエステルと溶剤のほかに必要な
可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合
し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前
の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドー
プへ投入しても良い。
【0040】この場合、高圧下で濃縮溶解することが好
ましく、加圧容器の種類は特に問うところではなく、所
定の圧力に耐えることができ、加圧下で加熱、撹拌がで
きればよい。加圧容器はそのほか圧力計、温度計などの
計器類を適宜配設する。
【0041】加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入す
る方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行っ
てもよい。
【0042】加熱は外部から行うことが好ましく、例え
ばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で
好ましい。
【0043】溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の
沸点以上で、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ま
しく例えば60℃以上、70〜110℃の範囲に設定す
るのが好適である。又、圧力は設定温度において、溶剤
が沸騰しないように定められる。
【0044】溶解後は冷却しながら容器から取り出す
か、または容器からポンプ等で抜き出して熱交換器など
で冷却し、これを製膜に供する。このときの冷却温度は
常温まで冷却してもよいが、沸点より5〜10℃低い温
度まで冷却し、その温度のままキャスティングを行うほ
うが、ドープ粘度を低減できるためより好ましい。
【0045】本発明においては、溶剤にセルロースエス
テルを溶解して得られるドープを支持体上に流延(キャ
スト工程)し、加熱して溶剤の一部を除去(支持体上乾
燥工程)した後、支持体から剥離し、剥離したフィルム
を乾燥(フィルム乾燥工程)して、セルロースエステル
フィルムを得る。
【0046】キャスト工程における支持体はベルト状も
しくはドラム状のステンレスを鏡面仕上げした支持体が
好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の温度は一
般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で、流延す
ることができるが、0〜30℃の支持体上に流延するほ
うが、ドープをゲル化させ剥離限界時間をあげられるた
め好ましく、5〜15℃の支持体上に流延することがさ
らに好ましい。剥離限界時間とは透明で平面性の良好な
フィルムを連続的に得られる流延速度の限界において、
流延されたドープが支持体上にある時間をいう。剥離限
界時間は短い方が生産性に優れていて好ましい。
【0047】支持体上乾燥工程ではドープを流延し、一
旦ゲル化させた後、流延から剥離するまでの時間を10
0%としたとき、流延から30%以内にドープ温度を4
0〜70℃にすることで、溶剤の蒸発を促進し、それだ
け早く支持体上から剥離することができ、さらに剥離強
度が増すため好ましく、30%以内にドープ温度を55
〜70℃にすることがより好ましい。この温度を20%
以上維持することが好ましく、40%以上がさらに好ま
しい。支持体上での乾燥は残留溶媒量60〜150%で
支持体から剥離することが、支持体からの剥離強度が小
さくなるため好ましく、80〜120%がより好まし
い。剥離するときのドープの温度は0〜30℃にするこ
とが剥離時のベース強度をあげることができ、剥離時の
ベース破断を防止できるため好ましく、5〜20℃がよ
り好ましい。
【0048】フィルム乾燥工程においては支持体より剥
離したフィルムをさらに乾燥し、残留溶媒量を3重量%
以下、好ましくは0.5重量%以下にする。フィルム乾
燥工程では一般にロール懸垂方式か、ピンテンター方式
でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。液
晶表示部材用としては、ピンテンター方式で幅を保持し
ながら乾燥させることが、寸法安定性を向上させるため
に好ましい。特に支持体より剥離した直後の残留溶媒量
の多いところで幅保持を行うことが、寸法安定性向上効
果をより発揮するため特に好ましい。フィルムを乾燥さ
せる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱
ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱風で行う
のが好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜
5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好まし
く、80〜140℃の範囲で行うことが寸法安定性を良
くするためさらに好ましい。
【0049】本発明に係るセルロースエステルフィルム
の厚さは、10〜500μmで液晶表示部材用としては
40〜100μmが好ましく、40〜85μmが特に好
ましい。
【0050】また本発明に係るセルロースエステルフィ
ルムには、他に必要ならマット剤として酸化珪素のよう
な微粒子などを加えても支障はない。酸化珪素のような
微粒子は有機物によって表面処理されていることが、フ
ィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で
好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシ
ラン類、シラザン、シロキサンなどがあげられる。微粒
子の平均径が大きい方がマット効果は大きく、平均径の
小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次
粒子の平均径は5〜50nmでより好ましくは7〜14
nmである。
【0051】酸化珪素の微粒子としてはアエロジル
(株)製のAEROSIL200、300、R972、
R974、R202、R812、OX50、TT600
などがあげられ、好ましくはAEROSILR972、
R974、R202、R812などがあげられる。
【0052】本発明のセルロースエステルフィルムに
は、紫外線吸収剤を用いることが出来る。紫外線吸収剤
としては、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下
の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点よ
り波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ない
ものが好ましく用いられる。一般に用いられるものとし
ては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾト
リアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベ
ンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、
ニッケル錯塩系化合物、無機粉体などがあげられる。
【0053】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いら
れる。
【0054】
【化1】
【0055】式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同じ
か又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニト
ロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、ア
リール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ又はジ
アルキルアミノ基、アシルアミノ基又は5〜6員の複素
環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形
成してもよい。
【0056】無機粉体としては、超微粒子酸化チタン、
超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化鉄、超微粒子酸化セリ
ウム、シリカ−酸化セリウム被覆顔料などがあげられ
る。
【0057】本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤
は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果
に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少
ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好まし
い。
【0058】紫外線吸収剤の添加方法はアルコールやメ
チレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外
線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直
接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有
機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエス
テル中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散して
からドープに添加する。
【0059】本発明における紫外線吸収剤の使用量は透
明性や紫外線吸収能力の点でセルロースエステル100
gに対して0.2〜4gが好ましく、0.5〜2gが特
に好ましい。
【0060】本発明に係る偏光板の作製方法は特に限定
されず、一般的な方法で作製することができる。例え
ば、セルローストリエステルフィルムをアルカリ処理
し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の両面
に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて
貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開
平6−94915号、特開平6−118232号に記載
されているような接着性を高める方法を使用しても良
い。
【0061】本発明のセルロースエステルフィルムには
可塑剤を含有されるのが好ましい。用いることのできる
可塑剤としては特に限定はないが、リン酸エステル系で
は、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフ
ェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、
ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジ
オクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート等、グリコール酸エステル系で
は、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチ
ルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、
メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブ
チルグリコレート等を単独あるいは併用するのが好まし
い。リン酸エステル系の可塑剤の使用比率は50重量%
以下が、セルロースエステルフィルムの加水分解を引き
起こしにくく、耐久性に優れるため好ましい。リン酸エ
ステル系の可塑剤比率は少ない方がさらに好ましく、フ
タル酸エステル系やグリコール酸エステル系の可塑剤だ
けを使用することが特に好ましい。
【0062】本発明に好ましく用いられる可塑剤として
は凝固点20℃以下の可塑剤が好ましく、凝固点が20
℃以下であれば特に限定されず、上記可塑剤の中から選
ぶことができる。例えば、トリクレジルホスフェート、
クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリル
エチルグリコレート等をあげることができる。これらの
可塑剤を単独あるいは併用するのが好ましい。
【0063】本発明中の凝固点とは、共立出版株式会社
出版の化学大事典に記載されている真の凝固点を凝固点
としている。
【0064】これらの可塑剤の使用量は、フィルム性
能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜
15重量%が好ましい。液晶表示部材用としては、寸法
安定性の観点から1〜10重量%がより好ましく、3〜
7重量%がさらにより好ましい。
【0065】またセルロースエステルに対して凝固点が
20℃以下の可塑剤の含有量は1重量%以上かつ10重
量%以下が好ましく、3重量%以上かつ7重量%以下が
さらに好ましい。全可塑剤のうち凝固点が20℃以下の
可塑剤の占める割合は多い方が、セルロースエステルフ
ィルムの柔軟性が良化し加工性に優れるため好ましい。
また、可塑剤の全てが凝固点20℃以下の可塑剤である
ことが最も好ましい。
【0066】凝固点が20℃以下の可塑剤をセルロース
エステルに対して1重量%使用することにより、セルロ
ースエステルフィルムの柔軟性が良化し加工性に優れる
ため好ましい。14℃以下の可塑剤を使用すると加工性
がさらに良く好ましい。
【0067】加工性とはベースフィルムや液晶表示部材
をスリット加工や打ち抜き加工する際のことで、加工性
が悪いと切断面がノコギリ状になり切り屑が発生し、製
品に付着して欠陥となるため好ましくない。
【0068】液晶表示用部材とは液晶表示装置に使用さ
れる部材のことで、例えば、偏光板、偏光板用保護フィ
ルム、位相差板、反射板、視野角向上フィルム、防眩フ
ィルム、無反射フィルム、帯電防止フィルムなどがあげ
られる。
【0069】その中でも寸法安定性に対しても厳しい要
求のある偏光板、偏光板用保護フィルムにおいて、本発
明を適用することがより好ましい。
【0070】
【実施例】次に本発明の態様を実施例にて具体的に示す
が、本発明の実施態様は本記載内容に限定されるもので
はない。
【0071】 〈比較例1〉 (ドープの調製) ドープ処方A トリアセチルセルロース(酢化度61.0%) 100重量部 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチル フェニル)ベンゾトリアゾール 2重量部 エチルフタリルエチルグリコレート 5重量部 メチレンクロライド 475重量部 エタノール 50重量部 上記組成物を密閉容器に入れ加熱、撹拌しながら完全に
溶解した。
【0072】(試料の作製)上記ドープをフィルタープ
レスを用いてろ過した後、ベルト流延装置を用いドープ
温度33℃、1500mm幅でステンレスバンド支持体
上に均一に流延した。
【0073】ステンレスバンド支持体上で剥離可能にな
るまで溶媒を蒸発させた後、ステンレスバンド支持体上
から剥離した。
【0074】剥離したトリアセチルセルロースフィルム
を多数のロールを用いて乾燥ゾーンを通過させ1100
mm幅にスリットし、膜厚80μmのトリアセチルセル
ロースフィルムを作製した。
【0075】1時間フィルムを作製した後、フィルム作
製を中止し、フィルタープレス内のドープを圧縮空気を
入れてバット内に抜き、フィルタープレスを分解してろ
紙を交換した。
【0076】その時の空気中のメチレンクロライド濃度
を所定の検知管を用いて測定した。
【0077】抜き取ったドープは蒸気乾燥箱内に入れ2
4時間乾燥させて溶媒を蒸発させた後、重量を測定し廃
棄処分とした。
【0078】ろ紙交換後、前記したようにドープ調製、
流延、乾燥を行いセルローストリアセテートフィルムの
試料を得た。
【0079】(試料の評価)上記のようにして得られた
セルローストリアセテートフィルムについて輝点異物の
数を測定した。
【0080】輝点異物は直交状態(クロスニコル)で配
置した2枚の偏光板の間に上記セルローストリアセテー
トフィルムを置き、一方の偏光板の外側から光を当て、
他方の偏光板の外側から顕微鏡下で25mm2当たり白
く抜けて見える異物(輝点異物)の数を100個所で測
定し、その平均値で評価した。
【0081】この時の顕微鏡の条件は倍率30倍で透過
光源であった。なお、輝点異物の数は少ない程良好であ
る。
【0082】〈実施例1〉比較例1と同じようにドープ
調製、流延、乾燥を行い膜厚80μmのトリアセチルセ
ルロースフィルムを作製した。
【0083】1時間フィルムを作製した後、密閉容器内
のドープが空になった時点でフィルム作製を中止し、フ
ィルタープレス内のドープを圧縮空気を入れることによ
ってバットに抜き取り、フィルタープレスを分解してろ
紙を交換した。
【0084】その時の空気中のメチレンクロライド濃度
を所定の検知管を用いて測定した。
【0085】抜き取ったドープはドープ調製用の密閉容
器に戻した。
【0086】戻したドープと新しく調製したドープの割
合が重量比で1:99になるようにドープを調製し、同
様な方法にて膜厚80μmのトリアセチルセルロースフ
ィルムを作製した。
【0087】得られたトリアセチルセルロースフィルム
の試料について輝点異物を評価した。
【0088】〈実施例2〉比較例1と同じようにドープ
調製、流延、乾燥を行い膜厚80μmのトリアセチルセ
ルロースフィルムを作製した。
【0089】1時間フィルムを作製した後、密閉容器内
のドープが無くなった時点でフィルタープレス内のドー
プを圧縮空気を用いて密閉した配管を通し密閉した容器
内に抜き取り、フィルタープレスを分解してろ紙を交換
した。
【0090】その時の空気中のメチレンクロライド濃度
を検知管を用いて測定した。
【0091】次にドープ調製を行う前に抜き取ったドー
プを密閉した配管を通じてドープ調製用の密閉容器に戻
した。
【0092】次いで戻したドープと新しく調製したドー
プの割合が重量比で1:99になるようにドープを調製
し、同様な方法で膜厚80μmのトリアセチルセルロー
スフィルムの試料を作製した。
【0093】得られたトリアセチルセルロースフィルム
の試料について輝点異物を評価した。
【0094】〈実施例3〉比較例1と同じようにドープ
調製、流延、乾燥を行い膜厚80μmのトリアセチルセ
ルロースフィルムを作製した。
【0095】1時間フィルムを作製した後、密閉容器内
のドープが無くなった時点でフィルタープレス内のドー
プを圧縮空気を用いて密閉した配管を通し、密閉した容
器内に抜き取りフィルタープレスを分解してろ紙を交換
した。
【0096】その時の空気中のメチレンクロライド濃度
を検知管を用いて測定した。
【0097】次にドープ調製を行う前に抜き取ったドー
プを密閉した配管を通じてドープ調製用の密閉容器に戻
した。
【0098】次いで戻したドープと新しく調製したドー
プの割合が重量比で10:90になるようにドープを調
製した。
【0099】同様な方法で膜厚80μmのトリアセチル
セルロースフィルムの試料を作製した。
【0100】得られたトリアセチルセルロースフィルム
の試料について輝点異物を評価した。
【0101】〈実施例4〉比較例1と同じようにドープ
調製、流延、乾燥を行い膜厚80μmのトリアセチルセ
ルロースフィルムを作製した。
【0102】1時間フィルムを作製した後、密閉容器内
のドープが無くなった時点でフィルタープレス内のドー
プを、圧縮空気を用いて密閉した配管を通し密閉した容
器内に抜き取った。
【0103】その時の空気中のメチレンクロライド濃度
を検知管を用いて測定した。
【0104】次にドープ調製で用いたものと同じ溶媒組
成の溶媒をポンプを使用してフィルタープレス内に通過
させ溶媒洗浄を行った。
【0105】洗浄後の溶媒を先ほど抜いた容器に溶媒と
ドープが重量比で50:50の割合になるように入れて
混合した。
【0106】次にドープ調製を行う前に抜き取ったドー
プを密閉した配管を通じてドープ調製用の密閉容器に戻
し、このドープと新しく調製したドープの割合が重量比
で1:99になるようにしてドープを調製した。
【0107】他は比較例1と同様な方法で膜厚80μm
のトリアセチルセルロースフィルムを作製した。
【0108】得られたトリアセチルセルロースフィルム
の試料について輝点異物を評価した。
【0109】〈実施例5〉比較例1と同じようにドープ
調製、流延、乾燥を行い膜厚80μmのトリアセチルセ
ルロースフィルムを作製した。
【0110】1時間フィルムを作製した後、密閉容器内
のドープが無くなった時点でフィルタープレス内のドー
プを圧縮空気を用いて、密閉した配管を通し密閉した容
器内に抜き取った。
【0111】その時の空気中のメチレンクロライド濃度
を検知管を用いて測定した。
【0112】次にドープ調製で用いたものと同じ溶媒組
成の溶媒を、ポンプを使用してフィルタープレス内を通
過させ溶媒洗浄を行った。
【0113】洗浄後の溶媒を先ほど抜いた溶液を入れた
容器に、溶媒とドープが重量比で70:30の割合にな
るように入れて混合した。
【0114】次にドープ調製を行う前に前記溶剤と混合
したドープを密閉した配管を通じてドープ調製用の密閉
容器に戻した。
【0115】戻したドープと新しく調製したドープの割
合が、重量比で1:99になるようにしてドープを調製
した。
【0116】同様な方法で膜厚80μmのトリアセチル
セルロースフィルムの試料を作製した。
【0117】得られたトリアセチルセルロースフィルム
の試料について輝点異物を評価した。
【0118】〈実施例6〉比較例1と同じようにドープ
調製、流延、乾燥を行い膜厚80μmのトリアセチルセ
ルロースフィルムを作製した。
【0119】1時間フィルムを作製した後、密閉容器内
のドープが無くなった時点でフィルタープレス内のドー
プ圧縮空気を用いて、密閉した配管を通し密閉した容器
内に抜き取った。
【0120】その時の空気中のメチレンクロライド濃度
を検知管を用いて測定した。
【0121】次にドープ調製で用いたものと同じ溶媒組
成の溶媒をポンプを使用してフィルタープレス内通過さ
せ溶媒洗浄を行った。
【0122】洗浄後の溶媒を先ほど抜いた溶液の入った
容器に、溶媒とドープが重量比で70:30の割合にな
るよう入れて混合した。
【0123】次にドープ調製を行う前に前記溶剤と混合
したドープを密閉した配管を通じてドープ調製用の密閉
容器に戻した。
【0124】戻したドープと新しく調製したドープの割
合が、重量比で10:90になるようにドープを調製す
る。これを用い比較例1と同様な方法で膜厚80μmの
トリアセチルセルロースフィルムの試料を作製した。
【0125】得られたセルローストリアセテートフィル
ムの試料について輝点異物を評価した。
【0126】得られた結果はまとめて下記表1に示す。
【0127】
【表1】
【0128】本発明外の比較例1に比して本発明内の実
施例1〜6はいずれも輝点異物が少ないことがわかる。
【0129】
【発明の効果】本発明により、光学的欠陥が少なくかつ
環境適性にすぐれたセルロースエステルフィルムの製造
方法とそれにより造られたセルロースエステルフィル
ム、それを用いた偏光板保護フィルムと偏光板を提供す
ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BB33 BB51 BC09 BC22 4F071 AA01B AA09 AA09B AH12 BC01 BC02 4F100 AJ06A AJ06K AR00B BA02 GB90 JL16 JN10 JN10B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースエステル溶液を調製する工
    程、該溶液をろ過する工程、ろ過後の溶液を製膜・乾燥
    する工程を経るセルロースエステルフィルムの製造方法
    において、前記溶液をろ過する工程に残留したセルロー
    スエステル溶液を原料として再利用することを特徴とす
    るセルロースエステルフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 セルロースエステル溶液を調製する工
    程、該溶液をろ過する工程、ろ過後の溶液を製膜・乾燥
    する工程を経るセルロースエステルフィルムの製造方法
    において、前記セルロースエステル溶液を調製する工程
    にて造られるセルロースエステル溶液が、前記溶液をろ
    過する工程に残留したセルロースエステル溶液を含有す
    ることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記セルロースエステル溶液を調製する
    工程にて造られたセルロースエステル溶液が、前記溶液
    をろ過する工程において残留したセルロース溶液を重量
    比で0.1〜20%含有することを特徴とする請求項2
    記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溶液をろ過する工程において残留し
    た溶液を回収し、セルロースエステル溶液を調製する工
    程へ添加するまでの操作が、密閉環境下で行われること
    を特徴とする請求項1、2又は3のいずれか1項記載の
    セルロースエステルフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶液をろ過する工程において残留し
    回収されたセルロースエステル溶液の固形分濃度が、セ
    ルロースエステル溶液を調製する工程で造られたセルロ
    ースエステル溶液の固形分濃度よりも低いことを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項記載のセルロースエス
    テルフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記セルロースエステルがセルロースト
    リアセテートであることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項記載のセルロースエステルフィルムの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方
    法によって製造されたことを特徴とするセルロースエス
    テルフィルム。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のセルロースエステルフィ
    ルムからなることを特徴とする偏光板保護フィルム。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のセルロースエステルフィ
    ルムと偏光子とを張り合わせてなることを特徴とする偏
    光板。
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