JP2000277249A - インピーダンス可変ユニット - Google Patents

インピーダンス可変ユニット

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JP2000277249A
JP2000277249A JP11085814A JP8581499A JP2000277249A JP 2000277249 A JP2000277249 A JP 2000277249A JP 11085814 A JP11085814 A JP 11085814A JP 8581499 A JP8581499 A JP 8581499A JP 2000277249 A JP2000277249 A JP 2000277249A
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等隆 信江
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浩二 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、構成が簡易でありインピーダンス
可変幅が大きく採れる新規な構成のインピーダンス可変
ユニットを提供するものである。 【解決手段】 金属材料から構成された金属境界部で内
部にマイクロ波の伝搬空間11を形成した導波管10
は、伝搬空間11の終端12を金属境界として閉じ、他
端13は開放端14としている。伝搬空間11内には平
板形状の誘電体板14を配置し、その両端には円筒状の
支持部15,16で導波管10のE面に設けた孔に挿入
組立てておりこの孔によって回転を支持させている。誘
電体板14の回転支持角度を可変することで開放端のイ
ンピーダンスを容易かつ広範囲に可変できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波伝送路
やマイクロ波空胴共振器に組込まれて使用されるインピ
ーダンス可変ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のユニットは、マイクロ波
伝送路が導波管の場合にはたとえば導波管のH面から円
筒状金属を挿入する構成が採られ円筒状金属のH面から
の挿入深さを可変して導波管内の容量性成分を可変して
インピーダンスを可変させるものがある。
【0003】また、導波管どおしを接続する際のそれぞ
れの導波管の接続フランジの組み立てにおいて接続部で
の隙間を皆無にすることが困難なため接続領域にチョー
ク溝を設ける技術がある。このチョーク溝は溝の深さが
使用する周波数に対してその波長寸法の1/2の深さで
構成され導波管管壁に望むチョーク溝の開口のインピー
ダンスを理想的には零にさせる技術である。この技術を
応用するとチョーク溝の深さを可変させることでチョー
ク溝の開口部のインピーダンスを可変させることができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インピーダンス可変の構成は可変部材を上下あるいは左
右方向に構造物を機械的に移動させる必要があり、イン
ピーダンス可変の駆動系の構成が複雑であり、また可変
部材と導波管本体との摺動に伴う磨耗対策あるいはスパ
ーク発生の解消など様々な課題を有していた。
【0005】本発明は、インピーダンスの可変構成が簡
易で、インピーダンス可変幅が大きく採れる新規な構成
のインピーダンス可変ユニットを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のインピーダンス
可変ユニットは上記課題を解決するために、一端が終端
された導波管と、前記導波管内に設け回転駆動される誘
電体板とを備え、誘電体板を回転させることで前記導波
管の他端の開放端のインピーダンスを可変させている。
【0007】上記発明によれば、誘電体板が終端面に垂
直の場合に導波管を伝搬するマイクロ波に対する導波管
の実効長(以下電気長と記す)を最大にし終端面に平行
の場合に電気長を最小にできる。これにより、誘電体板
を回転させることで開放端のインピーダンスを容易に可
変させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1のインピーダン
ス可変ユニットは、一端が終端された導波管と、前記導
波管内に設け回転駆動される誘電体板とを備え、誘電体
板を回転させることで前記導波管の他端の開放端のイン
ピーダンスを可変させている。このように誘電体板を回
転駆動させる構成は、誘電体板が終端面に垂直の場合に
導波管の電気長を最大にし終端面に平行の場合に電気長
を最小にできる。これにより、誘電体板を回転させるこ
とで開放端のインピーダンスを容易に可変させることが
できる。
【0009】本発明の請求項2のインピーダンス可変ユ
ニットは、一端が終端された導波管と、前記導波管内に
設けた複数の誘電体板の少なくとも1つを回転駆動する
ことで前記導波管の他端の開放端のインピーダンスを可
変させている。このように複数の誘電体板を設けた構成
は、各誘電体板の回転位置を組み合わせることで開放端
のインピーダンスを広範囲に可変できる。
【0010】本発明の請求項3のインピーダンス可変ユ
ニットは、導波管の伝送モードはTEn0モード(nは
正の整数)としている。このように導波管内の伝送モー
ドをTEn0とすることで、導波管内の電磁場分布を特定
化でき誘電体板の回転支持角度と開放端とのインピーダ
ンス値とを1対1に対応させることができる。また、n
の値を大きくすることで開放端の面積を拡大しインピー
ダンス可変が作用する領域を大きくすることができる。
【0011】本発明の請求項4のインピーダンス可変ユ
ニットは、導波管の開放端における反射係数は、反射係
数の位相値が少なくとも±180°の位相値を含むこと
を特徴としている。このように開放端の反射係数の位相
値を±180°にすることで、開放端は金属壁面と同様
の作用をさせることができインピーダンス可変ユニット
を使用しない場合との特性比較を容易にチェックするこ
とができる。
【0012】本発明の請求項5のインピーダンス可変ユ
ニットは、導波管の開放端における反射係数は、反射係
数の位相値が少なくとも0°の位相値を含むことを特徴
としている。このように開放端の反射係数の位相値を0
°にすることでインピーダンス可変の作用を最大にする
ことができる。
【0013】本発明の請求項6のインピーダンス可変ユ
ニットは、導波管の開放端における反射係数は、反射係
数の位相値が0°と±180°とを含むことを特徴とし
ている。このように開放端の反射係数の位相の可変幅を
最大にすることでインピーダンス可変に伴う作用全体を
容易に測定することができる。
【0014】本発明の請求項7のインピーダンス可変ユ
ニットは、誘電体板の幅広面が導波管の終端に略平行な
状態の時に導波管の開放端における反射係数の位相値を
略±180°としている。このような構成において誘電
体板を回転させることで開放端の反射係数の位相範囲を
−180°から0°の範囲に限定して開放端に容量性成
分のみのインピーダンスを形成できる。また、開放端を
金属面と同様に作用させる場合の誘電体板の支持角度を
容易に確認でき利便性を高めることができる。
【0015】本発明の請求項8のインピーダンス可変ユ
ニットは、誘電体板の幅広面が導波管の終端に対して略
45°または略135°の状態の時に導波管の開放端に
おける反射係数の位相値を略±180°としている。こ
のような構成において誘電体板を回転させることで開放
端に誘導性成分と容量性成分とのインピーダンスを形成
させることができる。
【0016】本発明の請求項9のインピーダンス可変ユ
ニットは、導波管の終端の面と開放端の面とは略90°
の関係に構成している。このように終端の面と開放端の
面とを構成することで導波管の長さが長い場合でもイン
ピーダンス可変ユニットを偏平形状として組み込むこと
ができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0018】(実施例1)図1は本発明の実施例1を示
すインピーダンス可変ユニットの構成図、図2は図1の
要部断面構成図である。
【0019】図1および図2において、インピーダンス
可変ユニットの導波管10は金属材料から構成された金
属境界部を有しその内部にマイクロ波の伝搬空間11を
形成している。この伝搬空間11の終端12は金属境界
として閉じている。また導波管の他端13は開放端とし
ている。伝搬空間11内には平板形状の誘電体板14を
配置している。この誘電体板14の両端には円筒状の支
持部15,16を構成し、この支持部15,16は導波
管10のE面に設けた孔に挿入組立てておりこの孔によ
って回転支持させている。また、17は誘電体板14を
回転駆動する駆動手段であるステッピングモータ、18
は誘電体板14の支持部15とステッピングモータ17
の駆動軸とを連結させる連結部を内蔵させたケースであ
る。誘電体板14は、導波管10の開放端13および終
端12との間隔をそれぞれLi、Lbとして配置してい
る。19はインピーダンス可変ユニットを組み込む時に
用いられる接続フランジ(図示していないが取付け孔を
設けてもよい)である。
【0020】次に本発明のインピーダンス可変ユニット
の基本をなす誘電体板14について説明する。誘電体板
14は、その材料の比誘電率と板厚さを最適に選択する
必要がある。このことを理解していただくために極端な
例について以下に説明する。
【0021】まず比誘電率が1とした場合、導波管10
の電気長は(Li+Lb)で一義的に決まる。この場合
誘電体板14を回転させても導波管の電気長は変化しな
い。したがってインピーダンス可変はできない。
【0022】一方、比誘電率が非常に大きい値とした場
合、誘電体板14が図2(a)の状態では開放端13か
ら入射したマイクロ波は誘電体板14によってほぼ完全
に反射し誘電体板14を透過できない。この場合の電気
長は(Li−t/2)である。ここでtは誘電体板の板
厚さである。また誘電体板14が図2(b)の状態で
は、導波管10内の伝搬空間11を伝搬するマイクロ波
の伝搬波長が誘電体板14の存在により若干波長圧縮さ
れるので実質的な導波管10の電気長は(Li+Lb+
α)となる。したがって開放端13のインピーダンスは
電気長として(Lb−t/2+α)相当だけ可変する。
この時のαの大きさは比誘電率の値と誘電体板14の板
厚さに依存する。誘電体板14の板厚さを大きくすると
αは大きくなるが板厚さを厚くしすぎると誘電体板14
によってマイクロ波が反射するので板厚さには上限があ
る。理論上はαを相当大きくできるが、一例として比誘
電率を10000、板厚さtを導波管10の高さHの1
/3とした場合、空気と誘電体板14との直列接続であ
るから、誘電体板14が存在する伝搬空間11の実効比
誘電率は約1.5である。したがって、開放端13のイ
ンピーダンス可変に寄与する電気長は略Lbであり、L
bとして導波管10内のマイクロ波の伝搬波長寸法にす
ればインピーダンスの可変幅を最大にできる。しかし、
たとえばマイクロ波の周波数が2450MHz、導波管の
伝搬モードをTE10モードとし幅寸法を80mmとする
とLbは約190mmとなり、導波管10は大きな形状構
成になる課題を有する。
【0023】以上の説明は本発明のインピーダンス可変
ユニットの誘電体板14の比誘電率の選択が重要である
ことを記述したものである。そして本発明のインピーダ
ンス可変ユニットの誘電体板14に使用する比誘電率の
範囲は実用性を考慮して大よそ5以上30以下であり、
望ましくは7以上15以下が好ましい。このような比誘
電率の誘電体板においては、誘電体板を透過するマイク
ロ波と誘電体板の表面で反射するマイクロ波のエネルギ
がそれぞれ無視できない程度の配分となるからである。
そして使用できる誘電体板14の材料としては、ガラス
系、セラミックス系あるいは樹脂系の中から用途に応じ
て選択できる。
【0024】そして誘電体板が終端面に垂直の場合は導
波管の電気長を最大にし、終端面に平行の場合に電気長
を最小にする。これにより、誘電体板を回転させる簡易
構成によって開放端のインピーダンスを容易かつ広範囲
に可変させることができる。
【0025】上記した構成のインピーダンス可変ユニッ
トの具体的な特性例とその応用例について以下に説明す
る。なお、以下の説明で使用する誘電体板14の回転支
持角度は図2(a)に示す角度表現としている。
【0026】図3は、誘電体板14の比誘電率が12.
3、板厚さが6.2mm、導波管10の開放端の幅寸法と
高さ寸法がそれぞれ80mmと30mm、Lbが20mmとし
た場合の、Li寸法の変化に対する開放端12の反射係
数S11の位相値の特性を示す。θ=0degは誘電体板
14が図2(a)の状態であり、θ=90degは図2
(b)の状態である。
【0027】図3において、矢印20すなわちLi=2
0mmの構成とすることで導波管10の開放端12の反射
係数S11の位相を略±180°から略0°の範囲で可
変させることができることが認められる。また、矢印2
1すなわちLi=35mmの構成とすることでθ=45de
gの時に開放端13の反射係数S11の位相を略0°と
し、誘電体板14を回転させることで開放端13には誘
導性成分(位相範囲:+180°から略+150°)と
容量性成分(位相範囲:−180°から略−115°)
値を存在させることができることが認められる。
【0028】そして矢印20で示す特性を備えたインピ
ーダンス可変ユニットを構成することにより、開放端の
反射係数の位相値を±180°とすることで開放端を金
属壁面と同様の作用にさせることができ、インピーダン
ス可変ユニットを使用しない場合との特性比較を容易に
チェックできる。また、開放端の反射係数の位相値とし
て0°と±180°とを含むように可変させるユニット
構成により、開放端の反射係数の位相の可変幅を最大化
しインピーダンス可変に伴う作用全体を容易に確認でき
るとともに有効かつ広範囲の作用をさせることができ
る。
【0029】一方矢印21で示す特性を備えたインピー
ダンス可変ユニットを構成することにより、誘電体板を
回転させることで開放端に誘導性成分と容量性成分との
インピーダンスを形成させることができる。
【0030】次に上記の構成の応用例を図4から図8を
用いて説明する。
【0031】図4は図3の矢印20で示した構成のイン
ピーダンス可変ユニット22を高周波加熱装置に実装し
た場合を示す。図において、23は被加熱物が収納され
るマイクロ波空胴共振器であるマイクロ波空間であり、
右側壁面24、左側壁面25、奥壁面26、上部壁面2
7、底部壁面28及び被加熱物をマイクロ波空間23内
に出し入れする開閉壁面である前面開閉壁面(図示して
いない)とにより略直方体形状に構成され、給電された
マイクロ波をその内部に実質的に閉じ込めるように形成
している。29は左側壁面25に形成した開孔部であ
り、インビーダンス可変ユニット22の開放端に相当す
る。インピーダンス可変ユニット22は、その終端面2
2aと開放端面に相当する開孔部29とを略90°の関
係に構成している。これにより、インピーダンス可変ユ
ニット22搭載による高周波加熱装置の大型化を解消す
るとともに高周波加熱装置使用時の利便性を付与させて
いる。
【0032】30はマイクロ波空間23内に給電するマ
イクロ波を発生させるマグネトロン、31はマグネトロ
ン30を一端側に装着し、マグネトロン30が発生する
マイクロ波を伝送する導波管、32は導波管31を伝送
したマイクロ波をマイクロ波空間23内に放射する給電
部であり、マイクロ波空間23の右側壁面24に配設し
ている。また33は被加熱物が載置される載置皿であ
る。
【0033】次に図4の高周波加熱装置においてインピ
ーダンス可変ユニット22を動作させた時の加熱分布特
性を図5に示す。図5は、誘電体板の回転角度に対する
積水樹脂(株)製のアドヘア糊(登録商標)200gを
用いた加熱分布を示している。マイクロ波空間23は、
幅310mm奥行310mm高さ215mm、アドヘア糊(登
録商標)を入れた容器の底面積は100平方mmである。
【0034】なお、アドヘア合成糊(登録商標)はポリ
ビニールアルコール水溶液で通常の温度では透明である
が45℃以上になると白濁する性質を有する。
【0035】マイクロ波出力は500Wとし40秒間加
熱後の加熱分布を示し、白い領域が加熱された領域であ
る。この応用例で用いたインピーダンス可変ユニットは
開放端すなわち開孔部29の反射係数S11の位相を略
−180°から略0°の容量性成分として変化させるも
のであり、開孔部29に入射したマイクロ波と開孔部2
9から再びマイクロ波空間23内に反射するマイクロ波
との位相差を最大で略180°可変することができる。
これにより、マイクロ波空間23内に生じる定在波分布
は開孔部29の反射係数S11の位相に応じて移動させ
ることができる。そして誘電体板の支持角度を可変する
ことによりマイクロ波空間内の電界が大きい領域すなわ
ち被加熱物の加熱においては温度上昇が大きい領域(す
なわち、白い領域)を移動させることができる。
【0036】したがって、高周波加熱装置に本発明のイ
ンピーダンス可変ユニットを搭載することにより、被加
熱物の中央部あるいは周辺部などのユーザが加熱したい
領域を加熱させることを可能にし被加熱物に応じた最適
あるいはユーザお好みの加熱を実行できる装置を提供で
きる。
【0037】図6は、インピーダンス可変ユニットの開
放端の面積を拡大させる手段を提供するものである。す
なわち、図6(a)は上述してきたインピーダンス可変
ユニットであり、導波管10内のマイクロ波の伝搬空間
11および開放胆13の形状が伝搬対象となるマイクロ
波の周波数に対してTE10モードを伝送させる形状と
している。一方、図6(b)は一実施形態として導波管
34内のマイクロ波の伝搬空間35にはTE20モード
にてマイクロ波を伝搬させるように導波管34を形成し
ている。すなわち、導波管34の開放端36の形状は、
TE10モード対応の開放端13の幅寸法W1に対して
その幅寸法W2を2倍としている。なお、図6中の開放
端面には各伝搬モードに対応させた電界分布を電気力線
37〜39にて示している。
【0038】このようにその開放端の形状を大きくした
ことで本発明のインピーダンス可変ユニットが作用でき
る領域を拡大させることができ、たとえば上述した高周
波加熱装置に搭載することで被加熱物の形状や量に対し
てより幅広い形状や量に対して加熱分布を可変させるこ
とができる。
【0039】なお、伝搬空間内に伝搬させるモードとし
てはTEn0モード(nは正の整数)が実用上最も効果
的である。すなわち、このモードを利用すれば誘電体板
の板厚さはいずれのモードでも同一とすることができる
とともに誘電体板の回転支持角度に基づいて開放端のイ
ンピーダンスを所定の値に制御性よく可変させることが
できる。
【0040】次に図3の矢印21で示す構成のインピー
ダンス可変ユニット40を高周波加熱装置に搭載した応
用例を図7に示す。図7において図4と同一または同一
機能相当の部材は同一番号で示す。
【0041】図7のインピーダンス可変ユニット40
は、誘電体板41の支持角度を終端40aに対して略4
5°(略135°も同様)の時にマイクロ波空間23上
側壁面27に設けた開孔部29における反射係数S11
の位相を略±180°としている。このような作用およ
び構成からなるインピーダンス可変ユニット40の実用
上の効用を図8を用いて説明する。
【0042】図8は、図7のマグネトロン30からマイ
クロ波空間23側を見たときの負荷特性であり、たとえ
ば点Aは牛乳200ccを入れたマグカップ1個をマイ
クロ波空間23の中央に載置した場合の負荷特性であ
り、点Bは上述のマグカップを2個並べてマイクロ波空
間23内に載置した場合の負荷特性を示す。また、領域
Cはマグネトロン30から供給されたマイクロ波を負荷
である被加熱物が効率よく吸収する領域を示す。なお、
上記の負荷特性は開孔部29がない場合の特性である。
【0043】このような負荷特性の高周波加熱装置に対
して本発明のインピーダンス可変ユニット40を装着す
ると以下のような効用が得られる。すなわち、点Aの負
荷特性に対しては、インピーダンス可変ユニット40の
誘電体板の支持角度を0°に設定することで負荷特性点
Aを点A‘に移動させることができ、牛乳へのマイクロ
波吸収を促進し加熱時間を短縮化することができ省エネ
ルギ化を図ることができる。一方、負荷特性点Bに対し
ては誘電体板の支持角度を90°側に制御することで負
荷特性の点Bを点B’に移動させることができる。これ
により、上述と同様の加熱時間短縮および省エネルギ化
を図ることができる。
【0044】(実施例2)次に本発明の実施例2を図9
から図13を用いて説明する。実施例2が実施例1と相
違する構成は、誘電体板を複数個備えたことである。
【0045】このような形態の実施例2の一例を図9に
示す。図9において、42はマイクロ波を伝送させる汎
用の導波管であり、その導波管42のH面には所定形状
の開孔部43が設けられている。この開孔部43を開放
端とした本発明のインピーダンス可変ユニット44が配
設されている。インピーダンス可変ユニット44は同一
形状からなる誘電体板45,46を所定間隔にて配置し
ている。そしてこれらの誘電体板はそれぞれ独立に回転
制御できるようにしている。なお、以下の説明で使用し
ている誘電体板の支持角度θ1、θ2は図9に示す方向
の角度表現である。
【0046】二つの誘電体板を備えた実施例2の具体的
構成寸法を図10をもとに示すと、誘電体板46と開孔
部43との間隔Liは20mm、各誘電体板45,46の
間隔LMは40mm、誘電体板45と終端面47との間隔
は20mm、開孔部形状は幅寸法および高さ寸法がそれぞ
れ80mmと30mm、そして各誘電体板の形状および仕様
は実施例1と同様のものを用いている。
【0047】また図10は、二つの誘電体板の回転角度
制御の一例を示すものであり、図10(a)は、誘電体
板46は支持角度θ2=0°固定として誘電体板45を
回転制御させることを示し、図10(b)は誘電体板4
6を支持角度θ2=90°固定として誘電体板45を回
転制御させることを示している。
【0048】図10(a)に示す制御に対する開放端で
ある開孔部43の反射係数S11の大きさMagを誘電
体板45の支持角度θ1をパラメータとして図11に示
す。
【0049】図11の特性より、誘電体板45の支持角
度θ1を特定の角度、すなわち45°あるいは135°
にすることで二つの誘電体板を備えたインピーダンス可
変ユニット44を共振状態に設定できることが認められ
る。すなわち、図10(a)に示すような制御方法によ
れば、インピーダンス可変ユニットを共振素子あるいは
整合素子として利用できる。
【0050】また、図10(b)に示す制御に対し誘電
体板45の支持角度θ1をパラメータとした時の開放端
である開孔部43の反射係数S11の大きさMagおよ
び図9に示した導波管42の伝送特性S21の位相をそ
れぞれ図12および図13に示す。
【0051】図13の特性より、インピーダンス可変ユ
ニットは誘電体板45の支持角度θ1を特定の角度、す
なわち45°あるいは135°にすることで導波管42
を伝送するマイクロ波の伝送量を可変制御できることが
認められる。一方、図12の特性より、伝送量を大きく
低減できる誘電体板45の支持角度θ1の反射特性S1
1の大きさMagは0.7以上の大きさであり、インピ
ーダンス可変ユニット内でのマイクロ波の蓄積は少ない
ことから導波管42を伝送するマイクロ波の電力が10
0W以上の大きな電力伝送系にも適用でき、その伝送量
を可変制御することができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば以下の効果
を有する。
【0053】(1)請求項1のインピーダンス可変ユニ
ットによれば、一端が終端された導波管と、前記導波管
内に設け回転駆動される誘電体板とを備え、誘電体板を
回転させることで前記導波管の他端の開放端のインピー
ダンスを可変させたことにより、誘電体板が終端面に平
行の場合に導波管の電気長を最大にし終端面に垂直の場
合に電気長を最小にできる。これにより、誘電体板を回
転させることで開放端のインピーダンスを容易に可変さ
せることができる。
【0054】(2)請求項2のインピーダンス可変ユニ
ットによれば、一端が終端された導波管と、前記導波管
内に設けた複数の誘電体板の少なくとも1つを回転駆動
することで前記導波管の他端の開放端のインピーダンス
を可変させたことにより、各誘電体板の回転位置を組み
合わせることで開放端のインピーダンスを広範囲に可変
できる。
【0055】(3)請求項3のインピーダンス可変ユニ
ットによれば、導波管の伝送モードはTEn0モード
(nは正の整数)としたことにより、導波管内の電磁場
分布を特定化でき誘電体板の回転支持角度と開放端との
インピーダンス値とを1対1に対応させることができ
る。また、nの値を大きくすることで開放端の面積を拡
大しインピーダンス可変が作用する領域を大きくするこ
とができる。
【0056】(4)請求項4のインピーダンス可変ユニ
ットによれば、導波管の開放端における反射係数は、反
射係数の位相値が少なくとも±180°の位相値を含む
ことにより、位相値が±180°の時には開放端を金属
壁面と同様に作用させることができインピーダンス可変
ユニットを使用しない場合との特性比較を容易にチェッ
クすることができる。
【0057】(5)請求項5のインピーダンス可変ユニ
ットによれば、導波管の開放端における反射係数は、反
射係数の位相値が少なくとも0°の位相値を含むことに
より、位相値を0°にすることでインピーダンス可変の
作用を最大にすることができる。
【0058】(6)請求項6のインピーダンス可変ユニ
ットによれば、導波管の開放端における反射係数は、反
射係数の位相値が0°と±180°とを含むことによ
り、開放端の反射係数の位相の可変幅を最大にすること
でインピーダンス可変に伴う作用全体を容易に測定する
ことができるとともに大きな作用幅とできる。
【0059】(7)請求項7のインピーダンス可変ユニ
ットによれば、誘電体板の幅広面が導波管の終端に略平
行な状態の時に導波管の開放端における反射係数の位相
値を略±180°としたことにより、誘電体板を回転さ
せることで開放端における反射係数の位相範囲を−18
0°から0°の範囲に限定して開放端に容量性成分のみ
のインピーダンスを形成できる。また、開放端を金属面
と同様に作用させる場合の誘電体板の支持角度を容易に
確認でき利便性を高めることができる。
【0060】(8)請求項8のインピーダンス可変ユニ
ットによれば、誘電体板の幅広面が導波管の終端に対し
て略45°の状態において導波管の開放端における反射
係数の位相値を略±180°としたことにより、誘電体
板を回転させることで開放端に誘導性成分と容量性成分
とのインピーダンスを形成させることができ、整合素子
として利用できる。
【0061】(9)請求項9のインピーダンス可変ユニ
ットによれば、導波管の終端面と開放端面とは略90°
の関係に構成したことにより、導波管の長さが長い場合
でも組み込み状態を偏平にすることができ、本ユニット
の搭載性を高く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すインピーダンス可変ユ
ニットの構成図
【図2】同図1のインピーダンス可変ユニットの回転制
御内容を示した断面構成図
【図3】同インピーダンス可変手段の構成寸法に対する
開放端における反射係数の位相特性図
【図4】同インピーダンス可変ユニットの搭載応用例1
を示す高周波加熱装置の構成図
【図5】同図4の高周波加熱装置においてインピーダン
ス可変ユニットの効用を示す加熱分布特性図
【図6】(a)本発明の実施例1の展開例を示すインピ
ーダンス可変ユニットの構成図 (b)図6(a)のインピーダンス可変ユニットの電界
分布を電気力線で示した図 (c)本発明の実施例1の他の展開例を示すインピーダ
ンス可変ユニットの構成図 (d)図6(c)のインピーダンス可変ユニットの電界
分布を電気力線で示した図
【図7】本発明の実施例1のインピーダンス可変ユニッ
トの搭載応用例2を示す高周波加熱装置の構成図
【図8】同図7の高周波加熱装置においてインピーダン
ス可変ユニットの効用を示す負荷特性図
【図9】本発明の実施例2を示すインピーダンス可変ユ
ニットの搭載応用例を示す導波管の構成図
【図10】(a)同図9のインピーダンス可変ユニット
の回転制御内容を示した断面構成図 (b)同図9のインピーダンス可変ユニットの回転制御
内容を示した断面構成図
【図11】同図10(a)に示すインピーダンス可変ユ
ニットの開放端における反射係数の特性図
【図12】同図10(b)に示すインピーダンス可変ユ
ニットの開放端における反射係数の特性図
【図13】同図10(b)に示すインピーダンス可変ユ
ニットを用いた図9の導波管の伝送特性図
【符号の説明】
10、34 導波管 12、47 導波管の終端 13、36 導波管の開放端 14、41、45、46 誘電体板 22、40、44 インピーダンス可変ユニット 22a、40a インピーダンス可変ユニットの終端 29、43 開孔部(開放端) 37 TE10モード 38、39 TE20モード
フロントページの続き (72)発明者 福本 明美 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K090 AA02 AA03 AB02 BA01 BB01 BB17 CA02 CA21 DA15 EB03 5J012 GA02 GA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端が終端された導波管と、前記導波管内
    に設け回転駆動される誘電体板とを備え、誘電体板を回
    転させることで前記導波管の他端の開放端のインピーダ
    ンスを可変させたインピーダンス可変ユニット。
  2. 【請求項2】一端が終端された導波管と、前記導波管内
    に設けた複数の誘電体板の少なくとも1つを回転駆動す
    ることで前記導波管の他端の開放端のインピーダンスを
    可変させたインピーダンス可変ユニット。
  3. 【請求項3】導波管の伝送モードはTEn0モード(n
    は正の整数)とした請求項1または2記載のインピーダ
    ンス可変ユニット。
  4. 【請求項4】導波管の開放端における反射係数は、反射
    係数の位相値が少なくとも±180°の位相値を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のインピーダンス
    可変ユニット。
  5. 【請求項5】導波管の開放端における反射係数は、反射
    係数の位相値が少なくとも0°の位相値を含むことを特
    徴とする請求項1または2記載のインピーダンス可変ユ
    ニット。
  6. 【請求項6】導波管の開放端における反射係数は、反射
    係数の位相値が0°と±180°とを含むことを特徴と
    する請求項1または2記載のインピーダンス可変ユニッ
    ト。
  7. 【請求項7】誘電体板の幅広面が導波管の終端に略平行
    な状態の時に導波管の開放端における反射係数の位相値
    を略±180°とした請求項1または2記載のインピー
    ダンス可変ユニット。
  8. 【請求項8】誘電体板の幅広面が導波管の終端に対して
    略45°または略135°の状態の時に導波管の開放端
    における反射係数の位相値を略±180°とした請求項
    1または2記載のインピーダンス可変ユニット。
  9. 【請求項9】導波管の終端の面と開放端の面とは略90
    °の関係に構成した請求項1または2記載のインピーダ
    ンス可変ユニット。
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