JP2000277318A - MnZn系フェライト - Google Patents
MnZn系フェライトInfo
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Abstract
系フェライトを提供する。 【解決手段】MnZn系フェライトであって、Fe2 O
3 を52.60〜53.00mol%、下記式(1)の
条件のZnOmol%および、残部MnOの合計100
mol%中に、ホウ素を重量で5ppm以下、リンを重
量で15ppm以下含有することを特徴とするMnZn
系フェライト。 1.25×Fe2 O3 −42.00 ≦ ZnO ≦ 1.25×F
e2 O3 −40.25式(1)
Description
イトに関し、特に広い温度範囲で高い初透磁率を有する
MnZn系フェライトに関する。
ZnO、MnOを主成分として構成され、磁気異方性定
数と磁歪定数が零となるような主成分において高い透磁
率を発現する。このためMnZn系フェライトは、トラ
ンスやノイズフィルタ等の小型あるいは薄型の磁心とし
て用いられている。このなかでも最近のデジタル通信機
器のインターフェイス部に使用されるパルストランスで
は特に高い透磁率が要求され、室温での初透磁率が10
000程度以上のものも多く使われている。ところがこ
のようなパルストランスは、公衆電話や回線終端装置に
使用した場合、屋外に設置されることがある。したがっ
てパルストランスに用いられるMnZn系フェライト
は、低温から高温までの広い温度範囲で高い初透磁率を
有することが必要となる。しかし、従来のMnZn系フ
ェライトでは、室温付近以上で使用されることを前提に
室温で磁気異方性と磁歪が零となり、高い初透磁率が発
現するような組成が選ばれている。このため従来材の初
透磁率の温度特性は、キュリー温度直上で磁気異方性定
数が急激に小さくなることによる透磁率のピーク(プラ
イマリーピーク)と室温付近で磁気異方性と磁歪が小さ
いことによるピーク(セカンダリーピーク)の2つの山
を持つ。そしてこのセカンダリーピークを高くするよう
に組成や製造方法の工夫が種々なされてきた。
初透磁率を高めれば、逆に低温域(−30〜0℃程度)
で初透磁率が著しく低下する。このため低温域でのイン
ダクタンスを確保するために巻線数を増やしたり、低温
域での初透磁率を高くするために常温での初透磁率が必
要以上に高いものを使う必要があり非常に非効率的であ
った。たとえば、室温で初透磁率が10000程度の従
来のMnZn系フェライトの場合、−20℃では初透磁
率が5000程度と半減してしまう。一方、−30〜−
20℃において7000程度以上の高い初透磁率を得よ
うとすると、上記の劣化を考慮して室温での初透磁率を
15000以上という極めて高くすることが必要とな
る。室温での初透磁率が15000以上のMnZn系フ
ェライトを得るためには、高品質の原材料や焼成方法、
焼成条件の厳密なコントロールが必要であり、コストや
工数が増加するという問題があった。
磁率が−20〜100℃の範囲で8000以上でかつそ
の変化率が70%以内であるMnZn系フェライトが記
載されている。しかし、10kHzにおける初透磁率が
−30℃から8000以上かつ−20℃から10000
以上であるものは記載されていない。また特開平10−
256025号公報には、MnZn系フェライトに酸化
ビスマスと酸化モリブデンとを含有させることにより、
−20〜20℃の範囲で初透磁率8500以上、かつ、
20〜100℃の温度範囲で初透磁率が10000以上
となるMnZn系フェライトが記載されている。しか
し、さらに低温の−30〜−20℃の温度域に関する改
善の旨の記載はなく、−20℃の低温から初透磁率が1
0000以上という性能をもつものは記載されていな
い。
では、広い温度範囲で高い初透磁率を得ようとすると、
室温での初透磁率を必要以上に上げざるを得ないとい
う、非常に非効率でかつコストアップの問題点があっ
た。本発明は、上記の事を鑑みて、広い温度範囲で初透
磁率の高い、MnZn系フェライトを得ることを目的と
する。
ェライトであって、Fe2 O3 を52.60〜53.0
0mol%、下記式(1)の条件のZnOmol%およ
び、残部MnOの合計100mol%中に、ホウ素を重
量で5ppm以下、リンを重量で15ppm以下含有す
ることを特徴とするMnZn系フェライトを提供するも
のである。 1.25×Fe2 O3 −42.00 ≦ ZnO ≦ 1.25×Fe2 O3 −40.25 式(1) このMnZn系フェライトは10kHzでの初透磁率が
−30〜90℃の温度範囲で8000以上とすることが
できる。
であって、Fe2 O3 を52.60〜53.00mol
% 下記式(2)の条件のZnOmol%および、残部Mn
Oの合計100mol%中に、ホウ素を重量で5ppm
以下、リンを重量で15ppm以下含有することを特徴
とするMnZn系フェライトを提供するものである。 25.00 < ZnO ≦ 1.25×Fe2 O3 −40.25 式(2) このMnZn系フェライトは10kHzでの初透磁率が
−20〜90℃の温度範囲で10000以上、23℃で
11000以上である事を特徴とする高透磁率MnZn
系フェライトである。
らに、酸化カルシウム、二酸化ケイ素、酸化ビスマス、
酸化インジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタ
ン、酸化スズ、酸化モリブデンのうち少なくとも一種以
上を含有することが好ましい。
は、Fe2 O3 を52.60〜53.00mol%であ
り、Fe2 O3 とZnOとが下記式(1)の条件を満足
しなければならない。 1.25×Fe2 O3 −42.00 ≦ ZnO ≦ 1.25×Fe2 O3 −40.25 式(1) 本発明者は, 特開平6-263447号公報や特開平10-256025
号公報に開示される比較的低温でも透磁率が高いとされ
るMnZn系フェライトの組成範囲においても、−30
〜0℃といった低温で初透磁率が低いものがみられる現
象について検討した。その結果、MnZn系フェライト
では単に個々の成分の組成範囲を独立に規定するのでは
なく、Fe2 O3 とZnOとの相互の量の関係で, 初透
磁率のセカンダリーピーク温度とキュリー温度が変化
し, この関係が式(1)の関係を満足しない限り−30
〜0℃といった低温で初透磁率の高い組成範囲を得るこ
とができないことを知見した。なお、トランスの動作範
囲を考慮してキュリー温度は100 ℃以上とした。
nOの組み合わせ範囲を式(1)の範囲に限定すると、
−30〜0℃といった低温で初透磁率が8000以上を
確保しつつ、室温付近でも初透磁率が10000以上と
することができる理由は不明である。一般に、MnZn
系フェライトではFe2 O3 量が高くなるとキュリー温
度が高くなり、かつ、セカンダリーピーク温度が低下す
る。またZnO量が高くなるとキュリー温度が低くな
り、かつ、セカンダリーピーク温度が低下する。本発明
者は、Fe2 O3 とZnOの組み合わせで初透磁率のセ
カンダリーピーク温度とキュリー温度が変化し、Fe2
O3 とZnOの組み合わせがある範囲を外れるとセカン
ダリーピーク温度が低すぎたり、高すぎたりして−30
℃以上の温度範囲で初透磁率が8000以上を確保しつ
つ、室温付近でも初透磁率が10000以上とすること
ができないことに注目した。本発明者は、Fe2 O3 と
ZnOの相互の量の関係を検討すれば、必要なキュリー
温度を確保しつつ、セカンダリーピーク温度を室温より
も低下させて、低温領域での初透磁率を高くすることが
できるとの仮説を立てた。この考えから種々実験を行
い、図2に示すように、10kHzでの初透磁率が温度
−30から90℃の範囲で8000以上あるいは温度−
20〜90℃の範囲で10000以上となる組成範囲
は、(Fe2 O3(mol%),ZnO(mol%))
としたときに(52.60,23.75),(52.6
0,25.50),(53.00,26.00),(5
3.00,24.25)の4点で囲まれる範囲であるこ
とを見いだした。さらにこれらの4点で囲まれる範囲で
ZnO量を25.00mol%超とした範囲で23℃に
おける10kHzでの初透磁率を11000以上とする
ことができることも新たに見いだした。これは下記式
(2)で示される。 25.00 < ZnO ≦ 1.25×Fe2 O3 −40.25 式(2)
MnOの基本組成を決定することはもちろん最重要であ
るが、これだけでは所望の温度範囲すべてに渡って高い
初透磁率を得ることはなかなか難しく、本発明者らはさ
らに検討の結果、フェライト中の不純物、特にホウ素と
リンの量を限定することにより上記問題を解決できるこ
とを新たに見いだした。MnZn系フェライトでの初透
磁率に及ぼすホウ素の影響として、たとえば文献「フェ
ライト」(平賀ら、丸善、1986)の92頁におい
て、結晶組織を不均一にして高い初透磁率の発現を阻害
するので50ppm以下にしておかなければならない、
ことが記載されている。しかしながらこの初透磁率は先
にも述べたように室温にセカンダリーピークを設定して
いた場合の室温だけの初透磁率を対象にした記述であ
り、本発明のような−30〜90℃の広い温度範囲にわ
たる領域で高い初透磁率を実現するときにホウ素の影響
がどのようになるかは、全く述べられていない。またリ
ンに関しては上記文献には全く記述がない。また、「J.
Phys.IV,France,(1997)Colloque C1-128(ICF-7 Bordeau
x,September(1996))」には電源用低損失MnZnフェラ
イトにおいて鉄損とリン量の関係が示されているが、高
透磁率MnZn系フェライトの特に初透磁率の温度特性
に及ぼす影響についてはまったく述べられていない。
の広い温度範囲にわたる領域で異常粒などの組織不均一
を抑え安定して高い初透磁率を実現するには、Fe2 O
3 とZnOの相互の量の関係が、式(1)または式
(2)の関係を充たし、かつMnZn系フェライト中の
ホウ素をFe2 O3 、ZnO、MnO100mol% 中の重量
で5ppm、好ましくは4ppm以下、リン量を15p
pm、好ましくは11.2ppm以下とすることが必要
であることを新たに見いだしたのである。ホウ素とリン
はMnZn系フェライトの製造工程において一旦混入す
れば焼成工程など、途中工程で除去することは非常に難
しいので、特に原料酸化鉄でホウ素量とリン量を特定範
囲に少なくしておくことが好ましい。
組成を必須の構成要件とするが、酸化カルシウム、二酸
化ケイ素、酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化タンタ
ル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化スズ、酸化モリブデ
ンのうち少なくとも一種以上を必須の組成に加えて含有
してもよい。このようなMnZn系フェライトとして
は、 Fe2 O3-ZnO- MnO- CaO- SiO2 Fe2 O3-ZnO- MnO- CaO- Bi2 O3 Fe2 O3-ZnO- MnO- CaO- In2 O3 Fe2 O3-ZnO- MnO- CaO- TiO2 Fe2 O3-ZnO- MnO- CaO- SiO2 - Ta2
O5 Fe2 O3-ZnO- MnO- CaO- SiO2 - Nb2
O5 - Bi2 O3 等が例示されるが、もとよりこれらの例に限定されるも
のではない。
よってMnZn系フェライトの低損失化に寄与し、Bi
2 O3 ,In2 O3 ,V2 O5 は低融点化合物として結
晶成長を促進し高透磁率に寄与する。TiO2 ,SnO
2 は結晶内部を高抵抗化し低損失化に寄与する。以上の
観点から、酸化カルシウムの含有量は、重量でCaO換
算として50〜1000ppm、二酸化ケイ素の含有量
は、重量でSiO2 換算として50〜200ppmであ
る。酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化バナジウム、
酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化スズ、酸
化モリブデン等の含有量は、重量でそれぞれ、Bi2 O
3 ,In2 O3 ,V2 O5 ,Ta2 O5 ,Nb2 O5 ,
TiO2 ,SnO2 ,MoO等に換算して合計3000
ppm程度以下であることが好ましい。
使用して、表1に示すような種々のFe2 O3 とZnO
の組成で残部がMnOとなるように原料を混合後、95
0℃で3時間仮焼した。これに酸化カルシウムをCaO
で0.011〜0.028wt%、酸化ビスマスをBi
2 O3 で0.015〜0.035wt%の範囲で添加
し、ボールミルで8時間粉砕し、リング状のコアに成形
後、大気中で昇温速度250℃/hで昇温し、1100
℃から窒素雰囲気として昇温速度を500℃/hに上
げ、その後保持温度1370℃に達したあと5時間の
間、酸素濃度を10体積%以下に制御して焼成した。得
られた焼結体の10kHzにおける初透磁率の温度変化
を−30℃から120℃に渡って測定した。本発明を実
施例No.1〜14に、比較として比較例No.1〜1
4を示した。また実施例No.6,No.10及び比較
例No.8,No.13の初透磁率の温度依存性を図1
に示した。また表1にはそれぞれの焼結体に含まれるホ
ウ素量とリン量及び添加した酸化カルシウムと酸化ビス
マス量を示した。
例は、温度−30℃、−20℃、−10℃、−23℃、
90℃の各温度において10kHzの初透磁率が800
0以上であり、しかも−20℃以上では 初透磁率が1
0000以上を示す。また、より好ましくは、23℃、
10kHzの初透磁率が11000以上であることが示
されている。
0〜90℃の広い温度範囲で高い初透磁率(−30℃か
ら90℃の温度範囲での初透磁率が8000以上、−2
0℃から90℃の温度範囲での初透磁率が10000以
上)を有するので、広い温度範囲で動作するパルストラ
ンス等の用途に極めて有益な材料を得ることができる。
3の初透磁率の温度特性を示す図である。
のFe2 O3 量とZnO量をプロットした図である。
Claims (2)
- 【請求項1】MnZn系フェライトであって、 Fe2 O3 を52.60〜53.00mol%、 下記式(1)の条件のZnOmol%および、残部Mn
Oの合計100mol%中に、 ホウ素を重量で5ppm以下、 リンを重量で15ppm以下含有することを特徴とする
MnZn系フェライト。 1.25×Fe2 O3 −42.00 ≦ ZnO ≦ 1.25×Fe2 O3 −40.25 式(1) - 【請求項2】前記MnZn系フェライト中に、さらに、 酸化カルシウム、二酸化ケイ素、酸化ビスマス、酸化イ
ンジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸
化スズ、酸化モリブデンのうち少なくとも一種以上を含
有することを特徴とする請求項1に記載のMnZn系フ
ェライト。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08416999A JP3481493B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | MnZn系フェライト |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08416999A JP3481493B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | MnZn系フェライト |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000277318A true JP2000277318A (ja) | 2000-10-06 |
| JP3481493B2 JP3481493B2 (ja) | 2003-12-22 |
Family
ID=13823004
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08416999A Expired - Fee Related JP3481493B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | MnZn系フェライト |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3481493B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7524433B2 (en) | 2004-05-21 | 2009-04-28 | Tdk Corporation | Ferrite material |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP08416999A patent/JP3481493B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7524433B2 (en) | 2004-05-21 | 2009-04-28 | Tdk Corporation | Ferrite material |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3481493B2 (ja) | 2003-12-22 |
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