JP2000278529A - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記録媒体

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JP2000278529A JP11084341A JP8434199A JP2000278529A JP 2000278529 A JP2000278529 A JP 2000278529A JP 11084341 A JP11084341 A JP 11084341A JP 8434199 A JP8434199 A JP 8434199A JP 2000278529 A JP2000278529 A JP 2000278529A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波成分(ぼけ画像)が不十分に得られて
も、コントラストを低下させることなく覆い焼き効果を
得る。 【解決手段】 RGB/YCC変換部5からの画像デー
タから低周波成分を抜き出すLPF8と、上記画像デー
タから上記低周波成分を減算することにより中周波・高
周波成分を生成する減算器10とを設ける。そして、L
PF8にて得られた低周波成分をLUT9にて階調圧縮
する一方で、減算器10にて得られた中周波・高周波成
分をLUT11にて強調する。これにより、たとえ低周
波成分のぼけ具合が不十分でこれに中周波・高周波成分
が若干残り、LUT9にて中周波・高周波成分までもが
圧縮されるようなことがあっても、階調圧縮した低周波
成分と強調した中周波・高周波成分とを合成部12にて
合成することで、中周波・高周波成分の圧縮分を補完す
ることができ、コントラストの低下を回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばネガフィル
ムのような写真フィルムに記録された画像の画像データ
に階調変換等の画像処理を施して写真焼付装置に供給す
る画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ネガフィルムに記録された画
像を印画紙に焼き付ける写真焼付装置として、ネガフィ
ルムを介して印画紙を直接露光するアナログプリンタ
や、ネガフィルムに記録された画像をスキャナ等で一旦
読み取り、得られた画像データに基づいて印画紙を露光
するデジタルプリンタが種々提案されている。特に、デ
ジタルプリンタは、画像データに対して色補正や濃度補
正等の画像処理を行う画像処理装置と組み合わせて用い
ることで、アナログプリンタでは実現できないような色
補正や濃度補正等を行うことができると共に、顧客の要
望に応じた画像を容易にかつ迅速に得ることができると
いう利点があり、現在広く用いられている。
【0003】ところで、アナログプリンタにおいては、
覆い焼きという技術が一般的に知られている。この覆い
焼きとは、ネガフィルムに記録された画像中に輝度差の
激しい部分がある場合に、この輝度差を和らげて印画紙
に焼き付ける処理のことを言い、例えば、光源とネガフ
ィルムとの間の光路中に遮光板やNDフィルタを挿入
し、印画紙の露光量を部分的に調整することにより行わ
れる。このような覆い焼きを用いれば、例えばスキー場
で雪山をバックに人間を撮影した場合に、人間の顔が通
常よりも黒く焼き付けられるのを防止することができ
る。
【0004】一方、デジタルプリンタでは、LUT(ル
ックアップテーブル)で画像全体の階調を変換したり、
階調を変換したい部分を人為的に選択して階調変換する
ことによって、アナログプリンタにおける覆い焼きと同
等の効果を得る手法がある。しかし、上記前者の方法で
は、画像全体の階調が上がったり下がったりするので、
画像全体のめりはりがなくなったり、逆にコントラスト
が強くなったりする。一方、上記後者の方法では、階調
変換したい部分の選択に時間と手間とがかかる。
【0005】そこで、例えば特開平9−130609号
公報、特開平9−214766号公報、特開平9−18
704号公報および特開平9−331437号公報で
は、デジタル画像の画像データの低周波成分を階調圧縮
して元の画像を再現することにより、覆い焼き効果を得
る試みがなされている。以下、覆い焼き効果を得る原理
について以下に説明する。なお、上記の各公報では覆い
焼き効果を得るための基本的構成は共通しているので、
ここでは、特開平9−130609号公報に開示された
技術を例示して説明する。
【0006】図12は、上記公報に開示された画像再生
装置の主要部の構成を示している。この画像再生装置
は、LUT51と、MTX(マトリクス)52・53
と、LPF54(ローパスフィルタ)と、LUT55
と、加算器56と、LUT57と、D/A変換器58と
を有している。
【0007】ネガフィルムに記録された画像は、図示し
ないCCD(Charge Coupled Device )にて読み取ら
れ、CCDにてR、G、Bの各画像信号に変換される。
各画像信号がLUT51に入力されると、LUT51に
てグレイバランス、明るさ、階調の補正が行われ、次
に、MTX52にてマトリクス演算による色補正が行わ
れ、MTX53と加算器56とに入力される。
【0008】MTX53では、MTX52から送られる
R、G、Bの画像信号から明暗信号が作成され、この明
暗信号がLPF54にてボケマスク信号に変換される。
このボケマスク信号は、LUT55にてダイナミックレ
ンジが圧縮処理された後、加算器56に入力され、加算
器56にてMTX52から直接入力される画像信号と加
算される。したがって、加算信号は、画像の低周波成分
のダイナミックレンジが圧縮されたものとなっている。
【0009】この加算信号はLUT57にて最終的な出
力媒体(例えば感光材料)に合わせた階調処理が施さ
れ、D/A変換器58にてアナログ信号に変換された
後、図示しない現像部に送られる。現像部は、D/A変
換器58から送られる信号に基づいて感光材料である印
画紙を露光することになる。
【0010】このように、人間が見てコントラストを感
じにくいボケマスク信号(低周波成分)を階調圧縮して
元の画像を再現することで、画像全体のコントラストの
変化を感じさせずに画像の白から黒までの階調を制御す
ることが可能となり、アナログプリンタにおける覆い焼
きと同等の効果を得ることが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、覆い焼き効
果を確実に得るためには、LPF54にて、ぼけ具合の
十分な画像を作ることが必要であるが、画像を十分にぼ
かそうとすればLPF54での処理時間が増大すると共
に処理するハードウェアの規模も大きくなる。また、画
像がぼけすぎると、オーバーシュート(偽輪郭)が目立
つなどの不都合が生じる。したがって、以上のことを考
慮して装置を構成すれば、LPF54でのぼけ画像は不
十分となりやすい。
【0012】しかし、ぼけ画像が不十分では、ぼけ画像
(低周波成分)に中周波・高周波成分が残ることにな
り、LUT55での階調圧縮の際に、低周波成分のみな
らず、中周波・高周波成分までもが圧縮されてしまう。
中周波・高周波成分は、画像のコントラストに対応する
ものであり、中周波・高周波成分が圧縮されるとコント
ラストが低下する。したがって、上記従来の構成では、
ぼけ画像が不十分となった場合に、覆い焼き効果を得る
ことはできても画質が低下するという問題が生ずる。
【0013】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、ぼけ画像が不十分であっ
ても、コントラストを低下させることなく覆い焼き効果
を確実に得ることができる画像処理装置、画像処理方法
および画像処理プログラムを記録した記録媒体を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る画
像処理装置は、上記の課題を解決するために、デジタル
画像の画像データに基づいてデジタル画像の低周波成分
を生成する第1成分生成手段と、元のデジタル画像と上
記低周波成分とに基づいてデジタル画像の中周波・高周
波成分を生成する第2成分生成手段と、上記低周波成分
を階調変換テーブルによって階調変換する階調変換手段
と、上記中周波・高周波成分と、階調変換した低周波成
分とを合成する合成手段とを備えていることを特徴とし
ている。
【0015】上記の構成によれば、デジタル画像の低周
波成分(ぼけ画像)が第1成分生成手段にて生成される
一方で、中周波・高周波成分が第2成分生成手段で別途
生成される。そして、低周波成分が階調変換手段によっ
て階調変換されると、この低周波成分は従来のように元
の画像データと合成されるのではなく、合成手段にて残
りの中周波・高周波成分と合成される。
【0016】このように、低周波成分とは別に中周波・
高周波成分を生成しておくことにより、例えば、中周波
・高周波成分だけを単独で強調することが可能となる。
これにより、例えば、第1成分生成手段にて得られる低
周波成分のぼけ具合が不十分でこれに中周波・高周波成
分が若干残り、階調変換手段にて中周波・高周波成分ま
でもが変換(例えば圧縮)されるようなことがあって
も、例えば第2成分生成手段にて得られる中周波・高周
波成分を強調し、階調変換した低周波成分と合成するこ
とで、階調変換手段での中周波・高周波成分の変換分
(圧縮分)を補完することが可能となる。
【0017】したがって、上記構成によれば、ぼけ画像
が不十分な場合であっても、中周波・高周波成分の変換
に起因するコントラストの低下を生じさせることなく、
低周波成分を階調変換して元の画像を再現することによ
る覆い焼き効果を得ることができる。
【0018】また、中周波・高周波成分を単独で生成し
ているので、例えば中周波・高周波成分の強調度合いを
弱める、すなわち中周波・高周波成分を軟調することも
可能となる。したがって、中周波・高周波成分の強調強
度を調整することが可能となるので、コントラストの微
妙に異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に
応じた画像を得ることができる。
【0019】請求項2の発明に係る画像処理装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1の構成において、
上記階調変換手段は、低周波成分を階調圧縮することを
特徴としている。
【0020】上記の構成によれば、低周波成分を階調圧
縮して元の中周波・高周波成分と合成することにより、
覆い焼き効果を確実に得ることができる。
【0021】請求項3の発明に係る画像処理装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1または2の構成に
加えて、上記中周波・高周波成分を変換テーブルによっ
て変換する変換手段をさらに備えていることを特徴とし
ている。
【0022】上記の構成によれば、階調変換手段にて低
周波成分と共に中周波・高周波成分が例えば圧縮されれ
ば、変換手段にて中周波・高周波成分を例えば強調する
ことにより、中周波・高周波成分の圧縮分を補完するこ
とができる。これにより、低周波成分と共に中周波・高
周波成分が圧縮されることによって生じるコントラスト
低下を確実に回避することができる。
【0023】また、中周波・高周波成分を自由に強調ま
たは軟調することができるので、コントラストの微妙に
異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に応じ
た画像を得ることができる。
【0024】請求項4の発明に係る画像処理装置は、上
記の課題を解決するために、請求項3の構成において、
上記変換手段は、中周波・高周波成分を強調することを
特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、階調変換手段にて低
周波成分と共に中周波・高周波成分が圧縮された場合で
も、変換手段にて中周波・高周波成分を強調することで
中周波・高周波成分の圧縮分を補完することができる。
これにより、低周波成分と共に中周波・高周波成分が圧
縮されることによって生じるコントラスト低下を確実に
回避することができる。
【0026】請求項5の発明に係る画像処理装置は、上
記の課題を解決するために、請求項3または4の構成に
おいて、上記変換テーブルは、低周波成分の階調変換の
強度に応じた強度で上記中周波・高周波成分を変換する
ことができるように設定されていることを特徴としてい
る。
【0027】例えば、低周波成分の圧縮強度が高いと、
低周波成分の階調の幅が狭くなるので、めりはりのない
画像が得られてしまう場合がある。しかし、上記構成に
よれば、低周波成分の例えば圧縮強度に応じた強度で中
周波・高周波成分を例えば強調することにより、たとえ
低周波成分の圧縮強度が高い場合でもコントラストをあ
る程度維持することができる。したがって、低周波成分
の圧縮強度が高いことに起因して画質低下が生じるのを
抑制することができる。
【0028】請求項6の発明に係る画像処理装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1ないし5のいずれ
かの構成に加えて、デジタル画像の所定画素とその周辺
画素との画像データ(例えば輝度値)の差を求めるデー
タ差検出手段と、画像データの差が全て所定の閾値以下
となるように各画素の画像データを設定し、設定した画
像データを上記第1成分生成手段に供給するデータ設定
手段とをさらに備えていることを特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、例えばデータ差検出
手段にて検出される2画素間での画像データの差が閾値
を越える場合には、データ設定手段は、画像データの差
が例えば閾値となるように一方の画像データを変更し、
それを新しい画像データとして設定する。また、例えば
2画素間での画像データの差が既に閾値以下となってい
る場合には、データ設定手段は、例えば画像データを変
更せずに、初期のデータを画像データとして設定する。
設定された画像データは、データ設定手段から第1成分
生成手段に供給される。
【0030】通常、画像データの差が大きくなる境界部
分では、コントラストがはっきりしている。したがっ
て、上記の部分では、中周波・高周波成分の量が多く、
低周波成分の量は少ないこととなり、そのため、低周波
成分を階調変換(例えば圧縮)して中周波・高周波成分
を合成すると、上記境界部分の近傍で、圧縮した階調よ
りも外側の階調で画像が現れる、いわゆるオーバーシュ
ート(例えば白い線)およびアンダーシュート(例えば
黒い線)が発生する。したがって、このオーバーシュー
トおよびアンダーシュートは、画質低下の要因ともな
る。
【0031】しかし、上記構成では、上述のように画像
データの差が全て閾値よりも小さくなるように各画素の
画像データが設定されるので、画像データの差が本来大
きくなるような境界部分で、大きな輝度差を保存する中
周波・高周波成分を多くすることが可能となる。これに
より、低周波成分を階調圧縮して中周波・高周波成分を
合成した際に、画像上でのオーバーシュートおよびアン
ダーシュートの量(線幅)が小さくなる。したがって、
上記構成によれば、オーバーシュートおよびアンダーシ
ュートの発生による画質低下を抑制することができる。
【0032】請求項7の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、デジタル画像の画像データ
に基づいてデジタル画像の低周波成分を生成する第1の
工程と、元のデジタル画像と上記低周波成分とに基づい
てデジタル画像の中周波・高周波成分を生成する第2の
工程と、上記低周波成分を階調変換テーブルによって階
調変換する第3の工程と、上記中周波・高周波成分と、
階調変換した低周波成分とを合成する第4の工程とから
なることを特徴としている。
【0033】上記の構成によれば、低周波成分とは別に
中周波・高周波成分を生成しておくことにより、例え
ば、中周波・高周波成分だけを単独で強調することが可
能となる。これにより、例えば、低周波成分の生成時に
その生成が不十分でこれに中周波・高周波成分が若干残
り、中周波・高周波成分までも変換(例えば圧縮)する
ようなことがあっても、別途生成した中周波・高周波成
分を変換(例えば強調)して階調変換された低周波成分
と合成することにより、中周波・高周波成分の変換分
(圧縮分)を補完することが可能となる。
【0034】したがって、上記構成によれば、ぼけ画像
が不十分な場合であっても、中周波・高周波成分の変換
に起因するコントラストの低下を生じさせることなく、
低周波成分を階調変換して元の画像を再現することによ
る覆い焼き効果を得ることができる。
【0035】また、中周波・高周波成分を単独で生成し
ているので、例えば中周波・高周波成分の強調度合いを
弱める、すなわち軟調することも可能となる。このよう
に、中周波・高周波成分の強調強度を調整することが可
能となるので、コントラストの微妙に異なる画像を容易
に得ることができ、顧客の要望に応じた画像を得ること
ができる。
【0036】請求項8の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項7の構成において、
上記第3の工程は、低周波成分を階調圧縮する工程であ
ることを特徴としている。
【0037】上記の構成によれば、低周波成分を階調圧
縮して元の中周波・高周波成分と合成することにより、
覆い焼き効果を確実に得ることができる。
【0038】請求項9の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項7または8の構成に
おいて、上記第4の工程は、上記中周波・高周波成分を
変換テーブルによって変換した後、階調変換した低周波
成分と合成する工程であることを特徴としている。
【0039】上記の構成によれば、低周波成分と共に中
周波・高周波成分が例えば圧縮されれば、中周波・高周
波成分を例えば強調することにより、中周波・高周波成
分の圧縮分を補完することができる。これにより、低周
波成分と共に中周波・高周波成分が圧縮されることによ
って生じるコントラスト低下を確実に回避することがで
きる。
【0040】また、中周波・高周波成分を自由に強調ま
たは軟調することができるので、コントラストの微妙に
異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に応じ
た画像を得ることができる。
【0041】請求項10の発明に係る画像処理方法は、
上記の課題を解決するために、請求項7または8の構成
において、上記第4の工程は、上記中周波・高周波成分
を強調した後、階調変換した低周波成分と合成する工程
であることを特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、低周波成分と共に中
周波・高周波成分が圧縮された場合でも、中周波・高周
波成分を強調することで中周波・高周波成分の圧縮分を
補完することができる。これにより、低周波成分と共に
中周波・高周波成分が圧縮されることによって生じるコ
ントラスト低下を確実に回避することができる。
【0043】請求項11の発明に係る画像処理方法は、
上記の課題を解決するために、請求項7または8の構成
において、上記第4の工程は、上記中周波・高周波成分
を低周波成分の階調変換の強度に応じた強度で変換した
後、階調変換した低周波成分と合成する工程であること
を特徴としている。
【0044】例えば、低周波成分の圧縮強度が高いと、
低周波成分の階調の幅が狭くなるので、めりはりのない
画像が得られてしまう場合がある。しかし、上記構成に
よれば、低周波成分の例えば圧縮強度に応じた強度で中
周波・高周波成分を例えば強調することにより、たとえ
低周波成分の圧縮強度が高い場合でもコントラストをあ
る程度維持することができる。したがって、低周波成分
の圧縮強度が高いことに起因して画質低下が生じるのを
抑制することができる。
【0045】請求項12の発明に係る画像処理方法は、
上記の課題を解決するために、請求項7ないし11のい
ずれかの構成において、上記第1の工程は、デジタル画
像の所定画素とその周辺画素との画像データ(例えば輝
度値)の差を求め、画像データの差が全て所定の閾値以
下となるように各画素の画像データを設定した後、設定
した画像データに基づいてデジタル画像の低周波成分を
生成する工程であることを特徴としている。
【0046】上記の構成によれば、例えば2画素間での
画像データの差が閾値を越える場合には、画像データの
差が例えば閾値となるように一方の画像データが変更、
設定される。また、例えば2画素間での画像データの差
が既に閾値以下となっている場合には、例えば画像デー
タが変更されずに、初期のデータが画像データとして設
定される。そして、設定された画像データに基づいて、
画像の低周波成分が生成される。
【0047】通常、画像データの差が大きくなる境界部
分では、コントラストがはっきりしている。したがっ
て、上記の部分では、中周波・高周波成分の量が多く、
低周波成分の量は少ないこととなり、そのため、低周波
成分を階調圧縮して中周波・高周波成分を合成すると、
上記境界部分の近傍で、圧縮した階調よりも外側の階調
で画像が現れる、いわゆるオーバーシュートおよびアン
ダーシュートが発生する。したがって、このオーバーシ
ュートおよびアンダーシュートは、画質低下の要因とも
なる。
【0048】しかし、上記方法では、上述のように画像
データの差が全て閾値よりも小さくなるように各画素の
画像データが設定されるので、画像データの差が本来大
きくなるような境界部分で、大きな輝度差を保存する中
周波・高周波成分を多くすることが可能となる。これに
より、低周波成分を階調圧縮して中周波・高周波成分を
合成した際に、画像上でのオーバーシュートおよびアン
ダーシュートの量(線幅)が小さくなる。したがって、
上記方法によれば、オーバーシュートおよびアンダーシ
ュートの発生による画質低下を抑制することができる。
【0049】請求項13の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するため
に、デジタル画像の画像データに基づいてデジタル画像
の低周波成分を生成する第1の処理と、元のデジタル画
像と上記低周波成分とに基づいてデジタル画像の中周波
・高周波成分を生成する第2の処理と、上記低周波成分
を階調変換テーブルによって階調変換する第3の処理
と、上記中周波・高周波成分と、階調変換した低周波成
分とを合成する第4の処理とをコンピュータ(例えば画
像処理装置)に実行させるための画像処理プログラムを
記録してなることを特徴としている。
【0050】上記の構成によれば、低周波成分とは別に
中周波・高周波成分が生成されるので、例えば、中周波
・高周波成分だけを単独で強調する処理をコンピュータ
に実行させるプログラムを別途追加することが可能とな
る。これにより、例えば、低周波成分の生成時にその生
成が不十分でこれに中周波・高周波成分が若干残り、中
周波・高周波成分までもが変換(例えば圧縮)されるお
それがある場合でも、中周波・高周波成分を変換(例え
ば強調)して階調変換された低周波成分と合成すること
で、中周波・高周波成分の変換分(圧縮分)を補完する
ことが可能となる。
【0051】したがって、上記構成によれば、低周波成
分(ぼけ画像)が不十分に得られた場合であっても、中
周波・高周波成分の変換に起因するコントラストの低下
を生じさせることなく、低周波成分を階調変換して元の
画像を再現することによる覆い焼き効果を得ることがで
きる。
【0052】また、中周波・高周波成分が単独で生成さ
れるので、中周波・高周波成分の強調度合いを弱める、
すなわち軟調するプログラムを別途追加することも可能
となる。このように、中周波・高周波成分の強調強度を
調整することが可能となるので、コントラストの微妙に
異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に応じ
た画像を得ることができる。
【0053】請求項14の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するため
に、請求項13の構成において、上記第3の処理は、低
周波成分を階調圧縮する処理であることを特徴としてい
る。
【0054】上記の構成によれば、低周波成分を階調圧
縮して元の中周波・高周波成分と合成することにより、
覆い焼き効果を確実に得ることができる。
【0055】請求項15の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するため
に、請求項13または14の構成において、上記第4の
処理は、上記中周波・高周波成分を変換テーブルによっ
て変換した後、階調変換した低周波成分と合成する処理
であることを特徴としている。
【0056】上記の構成によれば、低周波成分と共に中
周波・高周波成分が例えば圧縮されれば、中周波・高周
波成分を例えば強調することにより、中周波・高周波成
分の圧縮分を補完することができる。これにより、低周
波成分と共に中周波・高周波成分が圧縮されることによ
って生じるコントラスト低下を確実に回避することがで
きる。
【0057】また、中周波・高周波成分を自由に強調ま
たは軟調することができるので、コントラストの微妙に
異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に応じ
た画像を得ることができる。
【0058】請求項16の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するため
に、請求項13または14の構成において、上記第4の
処理は、上記中周波・高周波成分を強調した後、階調変
換した低周波成分と合成する処理であることを特徴とし
ている。
【0059】上記の構成によれば、低周波成分と共に中
周波・高周波成分が圧縮された場合でも、中周波・高周
波成分を強調することで中周波・高周波成分の圧縮分を
補完することができる。これにより、低周波成分と共に
中周波・高周波成分が圧縮されることによって生じるコ
ントラスト低下を確実に回避することができる。
【0060】請求項17の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するため
に、請求項13または14の構成において、上記第4の
処理は、上記中周波・高周波成分を低周波成分の階調変
換の強度に応じた強度で変換した後、階調変換した低周
波成分と合成する処理であることを特徴としている。
【0061】例えば、低周波成分の圧縮強度が高いと、
低周波成分の階調の幅が狭くなるので、めりはりのない
画像が得られてしまう場合がある。しかし、上記構成に
よれば、低周波成分の例えば圧縮強度に応じた強度で中
周波・高周波成分を例えば強調することにより、たとえ
低周波成分の圧縮強度が高い場合でもコントラストをあ
る程度維持することができる。したがって、低周波成分
の圧縮強度が高いことに起因して画質低下が生じるのを
抑制することができる。
【0062】請求項18の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するため
に、請求項13ないし17のいずれかの構成において、
上記第1の処理は、デジタル画像の所定画素とその周辺
画素との画像データの差を求め、画像データの差が全て
所定の閾値以下となるように各画素の画像データを設定
した後、設定した画像データに基づいてデジタル画像の
低周波成分を生成する処理であることを特徴としてい
る。
【0063】上記の構成によれば、例えば2画素間での
画像データの差が閾値を越える場合には、画像データの
差が例えば閾値となるように一方の画像データが変更、
設定される。また、例えば2画素間での画像データの差
が既に閾値以下となっている場合には、例えば画像デー
タが変更されずに、初期のデータが画像データとして設
定される。そして、設定された画像データに基づいて、
画像の低周波成分が生成される。
【0064】通常、画像データの差が大きくなる境界部
分では、コントラストがはっきりしている。したがっ
て、上記の部分では、中周波・高周波成分の量が多く、
低周波成分の量は少ないこととなり、そのため、低周波
成分を階調圧縮して中周波・高周波成分を合成すると、
上記境界部分の近傍で、圧縮した階調よりも外側の階調
で画像が現れる、いわゆるオーバーシュートおよびアン
ダーシュートが発生する。したがって、このオーバーシ
ュートおよびアンダーシュートは、画質低下の要因とも
なる。
【0065】しかし、上記構成では、上述のように画像
データの差が全て閾値よりも小さくなるように各画素の
画像データが設定されるので、画像データの差が本来大
きくなるような境界部分で、大きな輝度差を保存する中
周波・高周波成分を多くすることが可能となる。これに
より、低周波成分を階調圧縮して中周波・高周波成分を
合成した際に、画像上でのオーバーシュートおよびアン
ダーシュートの量(線幅)幅が小さくなる。したがっ
て、上記構成によれば、オーバーシュートおよびアンダ
ーシュートの発生による画質低下を抑制することができ
る。
【0066】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について、図1ないし図5に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。
【0067】本実施形態に係るデジタル露光システム
は、図1に示すように、フィルムスキャナ1と、画像処
理装置2と、写真焼付装置3とで構成されている。フィ
ルムスキャナ1は、例えば、写真フィルムであるネガフ
ィルムを介して得られる光をCCD(Charge Coupled D
evice )等で受光することにより、ネガフィルムに記録
された画像を読み取ると共に、上記画像に応じた画像デ
ータをR、G、Bごとに画像処理装置2に供給するもの
である。
【0068】写真焼付装置3は、画像処理装置2からの
画像データに基づいて感光材料である印画紙を露光する
ことにより、印画紙上に画像を焼き付けるデジタルプリ
ンタである。印画紙を露光する露光部としては、デジタ
ル画像データに応じて印画紙への照射光を変調できるも
のであればよく、例えばPLZT露光ヘッド、DMD
(デジタルマイクロミラーデバイス)、LCD(液晶表
示装置)、LEDパネル、レーザー、FOCRT(Fibe
r Optic Cathode Ray Tube)、CRT等で構成される。
【0069】なお、写真焼付装置3は、ネガフィルムの
スキャニングと印画紙の露光とを両方行うことができる
構成であってもよい。この場合、デジタル露光システム
を画像処理装置2と写真焼付装置3とで構成することに
より、システムの簡素化を図ることができる。
【0070】画像処理装置2は、フィルムスキャナ1か
らの画像データに対して色補正や濃度補正、階調変換等
の画像処理を行い、写真焼付装置3に供給するものであ
り、図1に示すように、LUT4と、RGB/YCC変
換部5と、階調変換部6と、YCC/RGB変換部7と
を備えている。本発明の特徴部分である階調変換部6の
詳細な構成については後述する。
【0071】LUT4は、フィルムスキャナ1から送ら
れるRGB形式の画像データに対して色変換、濃度変換
を行うものである。
【0072】RGB/YCC変換部5は、上記のRGB
形式の画像データから必要に応じて輝度画像データY、
カラー信号C1・C2を生成するものである。輝度画像
データYは、例えば以下の式により演算され、階調変換
部6に入力される。 Y=(R+G+B)/3 または、 Y=0.299R+0.587G+0.114B
【0073】一方、カラー信号C1・C2は、以下の式
により演算され、YCC/RGB変換部7に入力され
る。 C1=R−Y= 0.701R−0.587G−0.1
14B C2=B−Y=−0.299R−0.587G+0.8
86B
【0074】なお、後述する階調圧縮テーブルや強調テ
ーブルを求める処理では、RGB形式の画像データを使
って処理することも可能である。その場合、RGB/Y
CC変換部5は、オペレータからの入力指示を受けてR
GB形式の画像データをそのまま階調変換部6のヒスト
グラム作成部13に送ることになる。
【0075】YCC/RGB変換部7は、RGB/YC
C変換部5からのカラー信号C1・C2と、階調変換部
6からの輝度画像データYとに基づいて、RGB画像デ
ータを生成し、写真焼付装置3に供給するものである。
RGBの各画像データは例えば以下のようにして求めら
れる。 R=r+Y−y G=g+Y−y B=b+Y−y または、 R=y+C1 G=y−(0.299/0.587)C1−(0.11
4/0.587)C2 B=y+C2
【0076】ただし、上記のr、g、bは、RGB/Y
CC変換部5にて変換される前のR、G、Bの各画像デ
ータであり、Yは、RGB/YCC変換部5にて変換さ
れた後の輝度画像データであり、yは、YCC/RGB
変換部7にて変換される前の輝度画像データである。
【0077】次に、階調変換部6について説明する。階
調変換部6は、図1に示すように、LPF8(第1成分
生成手段)と、LUT9(階調変換手段)と、減算器1
0(第2成分生成手段)と、LUT11(変換手段)
と、合成部12(合成手段)と、ヒストグラム作成部1
3と、強度計算部14から構成されている。
【0078】LPF8は、RGB/YCC変換部5から
の画像データから低周波成分(ぼけ画像)だけを抜き出
すものである。LPF8では、具体的に、例えば移動平
均フィルタ、メディアンフィルタ、ガウシアンフィルタ
等を用い、注目画素をずらしながら全ての画素に対して
マスク処理を行うことにより、低周波成分だけが得られ
る。LPF8にて得られた低周波成分は、LUT9およ
び減算器10に入力される。
【0079】ここで、上記の移動平均フィルタ、メディ
アンフィルタ、ガウシアンフィルタについて簡単に説明
すれば以下の通りである。
【0080】移動平均フィルタは、図2に示すように、
例えば3×3のフィルタであり、各画素の係数は全て同
じとなっている。画像データをこの移動平均フィルタを
用いてマスク処理することにより、注目画素(中央部の
画素)のデータは、9つの画素の1/9データの合計で
置換される。言い換えれば、注目画素のデータは、当該
注目画素のデータと、8つの周辺画素の各データを足し
て9で割ったものとなる。
【0081】メディアンフィルタは、所定範囲内の画像
データを小さいほうから並べたときに、注目画素のデー
タを、並んでいる画像データの中央値で置換するもので
ある。例えば3×3の範囲内で画像データが図3(a)
に示す値である場合に、これらの画像データを小さいほ
うから並べると、『5,25,50,60,70,8
0,90,100,100』となり、その中央値は70
である。したがって、この場合、注目画素の現在の画像
データ“50”は、図3(b)に示すように“70”に
置換される。このようなメディアンフィルタを用いれ
ば、輝度差が大となるエッジがある程度保存される(エ
ッジがぼけにくくなる)。
【0082】ガウシアンフィルタは、例えば図4に示す
3×3のフィルタであり、各画素のデータに図4の係数
を掛け、その総和を当該係数の合計である16で割った
ものを注目画素の画像データとするものである。このガ
ウシアンフィルタを用いれば、レンズを用いてぼかした
ような自然に近いぼけ味を得ることができる。
【0083】なお、フィルタの大きさや係数は上記に限
定されるわけではなく、処理速度および処理能力に応じ
て適宜設定されればよい。
【0084】LUT9は、LPF8にて得られた低周波
成分を階調変換LUTによって階調変換する。上記の階
調変換LUTは、ヒストグラムのLow側とHigh側
とを別々の強度(圧縮率)で圧縮または伸張するための
テーブルであり、強度計算部14にて得られる強度に基
づいて作成される。なお、以下では、階調変換の例とし
て特に階調圧縮を取り上げる。
【0085】減算器10は、RGB/YCC変換部5か
らの画像データから、LPF8にて得られた低周波成分
を減算し、中周波・高周波成分を生成するものである。
したがって、上述のLPF8と減算器10とで、RGB
/YCC変換部5からの画像データを低周波成分と中周
波・高周波成分とに分離する分離手段が構成される。
【0086】LUT11は、減算器10にて得られた中
周波・高周波成分を変換LUTによって強調または軟調
するものである。上記の変換LUTは、強度計算部14
にて得られる低周波成分の圧縮度合いに応じて決まるも
のである。
【0087】合成部12は、LUT9にて得られる低周
波成分と、LUT11にて得られる中周波・高周波成分
とを合成し、得られる画像データをYCC/RGB変換
部7に供給するものである。
【0088】ヒストグラム作成部13は、RGB/YC
C変換部5からの画像データに基づいてRGB画像ヒス
トグラムまたは輝度画像ヒストグラムを作成すると共
に、作成したヒストグラムの最小値・最大値を求めるも
のである。なお、RGB画像ヒストグラムは、画像中の
RGBを合わせた濃度値とその度数との関係を示すもの
であり、輝度画像ヒストグラムは、画像中の輝度値とそ
の度数との関係を示すものである。ヒストグラム作成部
13が上記したどちらのヒストグラムを作成するかは、
オペレータからの設定入力によって決まるが、どちらか
のヒストグラムを常に作成するよう最初から設定してお
いてもよい。
【0089】なお、色補正、濃度補正時には、印画紙上
で再現できる範囲を越えた階調が得られることがある。
また、階調変換(16/8ビット変換、ガンマ変換)前
には、印画紙上で表現できる階調よりも豊富な階調を持
っている。したがって、ヒストグラムに基づいて後述す
る低周波成分の圧縮や中周波・高周波成分の強調を行う
ことにより、そのままでは印画紙上で飛んだり潰れたり
する部分を画像として再現することができる。
【0090】なお、ヒストグラムの両最端部は、他と比
べて極端に度数が少なく、本来、誤差の範囲と考えられ
る。そこで、ヒストグラム作成部13は、全度数(ある
いは面積でもよい)の例えば0.5%に相当する量だけ
ヒストグラムの両端をカットし、誤差範囲を除いてか
ら、ヒストグラムの最小値・最大値を求めるようになっ
ている。このようにヒストグラムの有効部分だけを取り
出して後述の処理を行うことにより、本発明における覆
い焼き効果の信頼性を高めることができる。なお、ヒス
トグラムの両端をカットする量については、上記の量に
限定されるわけではなく、誤差範囲に応じた量であれば
よい。
【0091】強度計算部14は、圧縮ポイントを画像中
の主要被写体の輝度(濃度)に合わせ、圧縮ポイントの
Low側とHigh側とで別々に強度を計算するもので
ある。ここで、階調を例えば8ビットで表す場合、出力
レンジは0(黒)から255(白)までの256階調と
なるが、画像中に人間の顔がある場合には、人間の顔の
濃度を圧縮ポイント(例えば出力レンジの略中央値であ
る128)に合わせると、人間の顔がきれいに画像とし
て現れる。そこで、強度計算部14は、画像中における
人間の顔を上記の主要被写体に設定すると共に、主要被
写体の濃度(例えば128)を圧縮ポイントとして設定
し、Low側およびHigh側の強度を別々に計算す
る。なお、上記の圧縮ポイントは、オペレータからの入
力指示により適宜変更可能である。
【0092】強度計算部14にて得られたLow側およ
びHigh側の強度は、LUT9・11にそれぞれ入力
される。入力された強度に基づいてLUT9は階調変換
LUTを作成する一方、LUT11は変換LUTを作成
する。
【0093】次に、本実施形態の画像処理装置2におけ
る動作について、主に図5のフローチャートに基づいて
説明する。
【0094】まず、フィルムスキャナ1からの画像デー
タが、LUT4にて色変換、濃度変換された後、RGB
/YCC変換部5を介してヒストグラム作成部13に入
力される。ヒストグラム作成部13では、入力された画
像データに基づいて輝度画像ヒストグラムまたはRGB
画像ヒストグラムが作成され(ステップ1;以下、ステ
ップは単にSと略記する)、その後、ヒストグラムの最
小値・最大値がそれぞれ計算される(S2)。
【0095】次に、強度計算部14は、ヒストグラムに
おける圧縮ポイント(例えば128)のLow側とHi
gh側とで別々に強度(圧縮率)を以下のようにして計
算する。ヒストグラムのLow側では、強度計算部14
は、ヒストグラム作成部13にて求めたヒストグラムの
最小値が閾値(例えば0)よりも大きいか否かを判断
し、最小値が閾値よりも小さければ、最小値が閾値とな
るような強度を計算する一方、最小値が閾値以上であれ
ば、圧縮する必要はないと判断し、強度を1に設定する
(S3)。
【0096】一方、ヒストグラムのHigh側では、強
度計算部14は、ヒストグラム作成部13にて求めたヒ
ストグラムの最大値が閾値(例えば255)よりも大き
いか否かを判断し、最大値が閾値よりも大きければ、最
大値が閾値となるような強度を計算する一方、最大値が
閾値以下であれば、圧縮する必要はないと判断し、強度
を1に設定する(S4)。
【0097】次に、LUT9は、強度計算部14にて求
めたLow側およびHigh側の強度に基づいて、低周
波成分全体を圧縮するための階調変換LUTを作成する
(S5)。一方、LUT11は、強度計算部14にて求
めたLow側およびHigh側の強度に基づいて、中周
波・高周波成分を強調するための変換LUTを作成する
(S6)。したがって、中周波・高周波成分の強調度合
いは、低周波成分の圧縮度合いに応じたものとなり、例
えば低周波成分の圧縮率が大きい場合には、それに伴っ
て中周波・高周波成分の強調率も大きくなる。
【0098】一方、上記の処理と並行して、若しくは、
上記の処理の完了後、以下の処理が行われる。
【0099】すなわち、RGB/YCC変換部5が、L
UT4にて処理された画像データから輝度画像データを
作成すると(S7)、この輝度画像データがLPF8と
減算器10とに入力される。LPF8では、上述したマ
スク処理により、入力された画像データから低周波成分
が抜き出され、LUT9に送られる(S8)。
【0100】一方、減算器10では、RGB/YCC変
換部5からの輝度画像データから、LPF8にて得られ
る低周波成分が減算され、中周波・高周波成分が作成さ
れる(S9)。得られた中周波・高周波成分はLUT1
1に送られる。
【0101】LUT9は、S5にて作成した階調変換L
UTにより、入力された低周波成分を階調圧縮して合成
部12に送る(S10)。一方、LUT11は、S6に
て作成した変換LUTにより、入力された中周波・高周
波成分を強調して合成部12に送る(S11)。そし
て、合成部12は、圧縮された低周波成分と強調された
中周波・高周波成分とを合成し(S12)、合成後のデ
ータをYCC/RGB変換部7に送ると、YCC/RG
B変換部7は、上記データとRGB/YCC変換部5か
らのカラー信号C1・C2とに基づいてRGB画像デー
タを作成し、写真焼付装置3に供給する。
【0102】以上のように、本発明は、元の画像信号を
低周波成分と中周波・高周波成分とに別々に分けてから
低周波成分を階調圧縮する構成なので、低周波成分を階
調圧縮する処理と並行して、上述のように中周波・高周
波成分のみを強調することが可能となる。これにより、
たとえLPF8にて得られるぼけ画像が不十分で、これ
に中周波・高周波成分が若干残り、LUT9にて中周波
・高周波成分までもが圧縮されたとしても、中周波・高
周波成分の圧縮分を、別処理(中周波・高周波成分の強
調処理)によって補完することができる。したがって、
本発明によれば、ぼけ画像が不十分な場合であっても、
コントラストを低下させることなく、覆い焼き効果を確
実に得ることができる。
【0103】また、低周波成分の圧縮強度は、Low
側、High側の閾値をそれぞれ調整することにより調
整可能であるが、圧縮ポイントからの距離がLow側と
High側とで異なるように閾値を設定することによ
り、Low側、High側を別々の強度で圧縮すること
も可能である。これにより、覆い焼き画像を得るに当た
って、例えば、暗い部分をさわっても意味がなく、明る
い部分だけを暗くしたい場合や、逆に暗くつぶれている
部分だけを明るくして、見えなかった部分を見えるよう
にしたい場合にも容易に対応することができる。さら
に、低周波成分を均等に圧縮すると、画像のヒストグラ
ムがLow側やHigh側にずれている場合に、明るい
部分が暗くなりすぎたり、ちょうどよい部分が明るくな
りすぎたりする場合があるが、本発明によれば、そのよ
うな不都合を確実に回避することもできる。つまり、白
側および黒側の画像の浮き上がらせ方を変えて、顧客の
好みに応じた画像を得ることができる。また、階調変換
LUTを調整することで、低周波成分を圧縮だけでなく
伸張することもできる。
【0104】また、中周波・高周波成分の強度調整は、
LUT11における変換LUTを調整することで容易に
対応できるので、これによって、コントラストの微妙に
異なる写真を容易に得ることもできる。具体的には、例
えば強度を1よりも小さくすれば、ぼかしフィルタを用
いたときと同等の、コントラストの弱い写真(軟調の写
真)を得ることができる。一方、強度を1よりも大きく
すれば、鮮鋭化(エッジ強調)フィルタを用いたときと
同等の、コントラストの強い写真(硬調な写真)を得る
ことができる。
【0105】また、本実施形態のように、RGB画像信
号ではなく輝度信号を用いて画像処理を行うことによ
り、全般的に計算時間(処理時間)を短縮することがで
きる。また、RGB画像信号を用いて中周波・高周波成
分を変換すると彩度を強めたり弱めたりすることができ
るが、輝度信号(輝度差)を用いて中周波・高周波成分
を変換すると、彩度を保存することができる。
【0106】なお、本実施形態では、低周波成分をLo
w側とHigh側とでそれぞれの強度で圧縮する構成に
ついて説明したが、例えば低周波成分を輝度値(濃度
値)に応じて3つ以上の領域に分けて、各領域ごとに独
自の圧縮強度で圧縮する構成としてもよい。この場合、
画像のぼけ具合を細かく調整することができるので、よ
り顧客の好みに応じた画像を得ることができる。
【0107】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について、図6ないし図12に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1と
同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省
略する。
【0108】例えば、黒色に近い建物が明るい空をバッ
クとして撮影された画像において、その低周波成分を階
調圧縮して元の画像を再現すると、建物と空との輝度差
が激しすぎるために、建物と空との境界に対して空側
(高輝度側)に建物の縁に沿って白い輪郭(オーバーシ
ュート)が発生すると共に、建物側(低輝度側)に建物
の縁に沿って黒い輪郭(アンダーシュート)が発生する
場合がある。このようなオーバーシュートおよびアンダ
ーシュートが発生する理由は以下の通りである。
【0109】なお、ここでの説明を理解しやすくするた
め、黒から白までを0〜255の256階調で示すと共
に、図6に示すように、印画紙15の左半分の一面に白
のベタ画像が形成され、右半分の一面に黒のベタ画像
(図中の斜線部分に対応している)が形成されていると
する。
【0110】この場合、印画紙15の一面に形成された
画像に対応する画像信号のプロファイルとしては、高輝
度部分では階調値が255で一定であり、低輝度部分で
は階調値が0で一定である実線が得られる。
【0111】画像信号に含まれる低周波成分は、一般的
に濃度を持っていると言われ、そのプロファイルは、実
線で示すように、濃度(輝度)変化のないところでは
なだらかであり、濃度変化のあるところ(白画像と黒画
像との境界部分)では急激に変化する。
【0112】残りの中周波・高周波成分は、元の画像信
号から上記の低周波成分を差し引いたものであることは
実施の形態1で述べた通りであり、量的には実線と
とで囲まれた斜線部分に相当する。したがって、中周波
・高周波成分のプロファイルは、実線で示すものとな
る。
【0113】ここで、低周波成分を階調圧縮(例えば、
階調値を30〜200に圧縮)し、このときのプロファ
イルとして例えば実線が得られたとすると、この低周
波成分と残りの高周波・中周波成分とを合成した場合に
は、プロファイルとしては実線が得られる。この実線
を見れば分かるように、白画像と黒画像との境界より
も白画像側では、階調値が200よりも高い部分が現
れ、これが白い輪郭となる。一方、上記境界よりも黒画
像側では、階調値が30よりも低い部分が現れ、これが
黒い輪郭となる。
【0114】そこで、本実施形態では、輝度差をある程
度に抑えてから低周波成分を作成することにより、この
ようなオーバーシュートやアンダーシュートを低減する
ようにしている。そのため、本実施形態の画像処理装置
2’は、図7に示すように、実施の形態1の画像処理装
置2における階調変換部6を階調変換部6’に置き換え
たものとなっている。階調変換部6’は、階調変換部6
の構成に、さらに輝度差検出部16(データ差検出手
段)と、輝度値設定部17(データ設定手段)とを備え
たものとなっている。
【0115】輝度差検出部16は、RGB/YCC変換
部5にて得られた輝度画像データから各画素の輝度値を
検出し、オペレータが図示しない入力部を介して設定し
た注目画素の輝度値とその周辺画素の輝度値との差を求
める。例えば、m行n列(ただし、m、nは正数)の画
素からなる画像に、図8に示す3×3の画素a11〜a 33
があるとすると、オペレータが真ん中の画素a22を現在
の注目画素として設定した場合には、輝度差検出部16
は、画素a11〜a33の各輝度値と画素a22の輝度値との
差をそれぞれ求める。そして、輝度差検出部16は、得
られた各輝度差を輝度値設定部17に送る。
【0116】輝度値設定部17は、輝度差検出部16に
よって得られた輝度差と所定の閾値とを比較し、輝度差
が閾値を越える場合には、輝度差が閾値以下となるよう
に周辺画素の輝度値を変更するギャップ処理を行う。例
えば、画素a11〜a33の輝度値が図9(a)に示す値で
あり、上記の閾値を50に設定した場合には、画素a13
・a33においてのみ、注目画素a22との輝度値の差が上
記の閾値50を越えることになる。この場合、輝度値設
定部17は、図9(b)に示すように、輝度値の差が閾
値50以下となるように、画素a13・画素a33の輝度値
を例えば150にそれぞれ変更する。なお、上記の閾値
は、オペレータが適宜設定入力することもできるし、常
に固定値とすることもできる。
【0117】次に、画像処理装置2’における動作につ
いて、主に図10のフローチャートに基づいて説明す
る。なお、本実施形態では、低周波成分の作成工程(図
5におけるS8)が異なる以外は実施の形態1と全く同
様なので、以下ではこの工程のみ説明する。
【0118】まず、RGB/YCC変換部5にて得られ
る輝度画像データが輝度差検出部16に入力されると共
に、オペレータまたはプログラムによって注目画素が設
定される(S21)。すると、輝度差検出部16は、輝
度画像データに基づいて各画素の輝度値を検出すると共
に、設定された注目画素とその周辺の所定画素(以下、
周辺画素と記載する)とにおける輝度値の差を検出し、
当該輝度差を輝度値設定部17に送る(S22)。
【0119】輝度値設定部17は、上記輝度差と閾値と
を比較し(S23)、上記輝度差が閾値以下となる場合
は、元々の輝度値を当該周辺画素の輝度値とし、S25
に移行する。一方、上記輝度差が閾値を越える場合は、
輝度値設定部17は、輝度差が閾値以下となるように以
下のように周辺画素の輝度値を変更する。すなわち、輝
度値設定部17は、注目画素の輝度値が周辺画素の輝度
値よりも小さい場合には、周辺画素の輝度値を、注目画
素の輝度値に閾値を足したものに変更する一方、注目画
素の輝度値が周辺画素の輝度値よりも大きい場合には、
周辺画素の輝度値を、注目画素の輝度値から閾値を引い
たものに変更する(S24)。これにより、注目画素と
周辺画素との輝度値の差は、確実に閾値以下となる。変
更後の周辺画素の輝度値は、輝度値設定部17から輝度
差検出部16に送られる。
【0120】その後、輝度差検出部16は、周辺画素を
1個ずつずらしながら(S26)、同じマスク内の全て
の周辺画素に対して上記のギャップ処理を行う(S2
5)。
【0121】S25にて、マスク内の全画素について上
記のギャップ処理が終了すると、輝度値設定部17は各
画素の輝度値をLPF8に送り、LPF8が実施の形態
1で説明したようなマスク処理を行う(S27)。S2
1〜S27の処理は、画像の最端に位置する画素(画素
11〜a1m、画素a11〜an1、画素a1m〜anm、画素a
n1〜anm)を除く全画素を注目画素として行うまで繰り
返し続けられ(S28)、最終的に低周波成分が得られ
る。
【0122】以上のように、注目画素と周辺画素との輝
度差を小さくしてからLPF8にてマスク処理を行うこ
とにより、輝度差の大きい部分でぼけ具合の小さな低周
波成分を作成することが可能となり、図11の実線で
示すように、図6中の斜線部分(中周波・高周波成分)
の輝度差を保存するように中周波・高周波成分を残すこ
とが可能となる。これにより、低周波成分を階調圧縮し
て中周波・高周波成分と足し合わせたときには、白い輪
郭や黒い輪郭の幅が、実線の低周波成分を用いたとき
よりも狭くなる。したがって、ギャップ処理を行って低
周波成分を作成し、この低周波成分を階調圧縮して元の
画像を再現することにより、オーバーシュートやアンダ
ーシュートを確実に低減することができ、画質を低下さ
せずに実施の形態1で説明した覆い焼き効果を得ること
ができる。
【0123】以上の各実施の形態1・2で説明した画像
処理をコンピュータとしての画像処理装置2・2’に実
行させるためのプログラムを、光ディスク、光磁気ディ
スク等の記録媒体に記録しておき、このような記録媒体
を用いて画像処理装置2・2’を自動的に稼働させる構
成としてもよい。
【0124】
【発明の効果】請求項1の発明に係る画像処理装置は、
以上のように、デジタル画像の画像データに基づいてデ
ジタル画像の低周波成分を生成する第1成分生成手段
と、元のデジタル画像と上記低周波成分とに基づいてデ
ジタル画像の中周波・高周波成分を生成する第2成分生
成手段と、上記低周波成分を階調変換テーブルによって
階調変換する階調変換手段と、上記中周波・高周波成分
と、階調変換した低周波成分とを合成する合成手段とを
備えている構成である。
【0125】それゆえ、低周波成分とは別に中周波・高
周波成分を生成しておくことにより、例えば、中周波・
高周波成分だけを単独で強調することが可能となる。こ
れにより、例えば、第1成分生成手段にて得られる低周
波成分のぼけ具合が不十分でこれに中周波・高周波成分
が若干残り、階調変換手段にて中周波・高周波成分まで
もが変換(例えば圧縮)されるようなことがあっても、
例えば第2成分生成手段にて得られる中周波・高周波成
分を強調し、階調変換した低周波成分と合成すること
で、階調変換手段での中周波・高周波成分の変換分(圧
縮分)を補完することが可能となる。
【0126】したがって、上記構成によれば、ぼけ画像
が不十分な場合であっても、中周波・高周波成分の変換
に起因するコントラストの低下を生じさせることなく、
低周波成分を階調変換して元の画像を再現することによ
る覆い焼き効果を得ることができるという効果を奏す
る。
【0127】また、中周波・高周波成分を単独で生成し
ているので、例えば中周波・高周波成分を軟調すること
も可能となる。したがって、中周波・高周波成分の強調
強度を調整することが可能となるので、コントラストの
微妙に異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望
に応じた画像を得ることができるという効果を併せて奏
する。
【0128】請求項2の発明に係る画像処理装置は、以
上のように、請求項1の構成において、上記階調変換手
段は、低周波成分を階調圧縮する構成である。
【0129】それゆえ、低周波成分を階調圧縮して元の
中周波・高周波成分と合成することにより、覆い焼き効
果を確実に得ることができるという効果を奏する。
【0130】請求項3の発明に係る画像処理装置は、以
上のように、請求項1または2の構成に加えて、上記中
周波・高周波成分を変換テーブルによって変換する変換
手段をさらに備えている構成である。
【0131】それゆえ、階調変換手段にて低周波成分と
共に変換される中周波・高周波成分の変換分を補完する
ことができる。これにより、低周波成分と共に中周波・
高周波成分が変換されることによって生じるコントラス
ト低下を確実に回避することができるという効果を奏す
る。
【0132】また、中周波・高周波成分を自由に強調ま
たは軟調することができるので、コントラストの微妙に
異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に応じ
た画像を得ることができるという効果を併せて奏する。
【0133】請求項4の発明に係る画像処理装置は、以
上のように、請求項3の構成において、上記変換手段
は、中周波・高周波成分を強調する構成である。
【0134】それゆえ、階調変換手段にて低周波成分と
共に中周波・高周波成分が圧縮された場合でも、変換手
段にて中周波・高周波成分を強調することで中周波・高
周波成分の圧縮分を補完することができる。これによ
り、低周波成分と共に中周波・高周波成分が圧縮される
ことによって生じるコントラスト低下を確実に回避する
ことができるという効果を奏する。
【0135】請求項5の発明に係る画像処理装置は、以
上のように、請求項3または4の構成において、上記変
換テーブルは、低周波成分の階調変換の強度に応じた強
度で上記中周波・高周波成分を変換することができるよ
うに設定されている構成である。
【0136】それゆえ、低周波成分の例えば圧縮強度に
応じた強度で中周波・高周波成分を例えば強調すること
により、たとえ低周波成分の圧縮強度が高い場合でもコ
ントラストをある程度維持することができる。したがっ
て、低周波成分の圧縮強度が高いことに起因して画質低
下が生じるのを抑制することができるという効果を奏す
る。
【0137】請求項6の発明に係る画像処理装置は、以
上のように、請求項1ないし5のいずれかの構成に加え
て、デジタル画像の所定画素とその周辺画素との画像デ
ータ(例えば輝度値)の差を求めるデータ差検出手段
と、画像データの差が全て所定の閾値以下となるように
各画素の画像データを設定し、設定した画像データを上
記第1成分生成手段に供給するデータ設定手段とをさら
に備えている構成である。
【0138】それゆえ、階調変換の前後での画像データ
の差が全て閾値よりも小さくなるように各画素の画像デ
ータが設定されるので、画像データの差が本来大きくな
るような境界部分で、大きな輝度差を保存する中周波・
高周波成分を多くすることが可能となる。これにより、
低周波成分を階調圧縮して中周波・高周波成分を合成し
た際に、画像上でのオーバーシュートおよびアンダーシ
ュートの量(線幅)が小さくなる。したがって、上記構
成によれば、請求項1ないし5のいずれかの構成による
効果に加えて、オーバーシュートおよびアンダーシュー
トの発生による画質低下を抑制することができるという
効果を奏する。
【0139】請求項7の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、デジタル画像の画像データに基づいてデジ
タル画像の低周波成分を生成する第1の工程と、元のデ
ジタル画像と上記低周波成分とに基づいてデジタル画像
の中周波・高周波成分を生成する第2の工程と、上記低
周波成分を階調変換テーブルによって階調変換する第3
の工程と、上記中周波・高周波成分と、階調変換した低
周波成分とを合成する第4の工程とからなる構成であ
る。
【0140】それゆえ、例えば、低周波成分の生成時に
その生成が不十分でこれに中周波・高周波成分が若干残
り、中周波・高周波成分までも変換(例えば圧縮)する
ようなことがあっても、別途生成した中周波・高周波成
分を変換(例えば強調)して階調変換された低周波成分
と合成することにより、中周波・高周波成分の変換分
(圧縮分)を補完することが可能となる。
【0141】したがって、上記構成によれば、ぼけ画像
が不十分な場合であっても、中周波・高周波成分の変換
に起因するコントラストの低下を生じさせることなく、
低周波成分を階調変換して元の画像を再現することによ
る覆い焼き効果を得ることができるという効果を奏す
る。
【0142】また、中周波・高周波成分を単独で生成し
ているので、中周波・高周波成分を強調あるいは軟調す
ることも可能となる。したがって、コントラストの微妙
に異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に応
じた画像を得ることができるという効果を併せて奏す
る。
【0143】請求項8の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項7の構成において、上記第3の工程
は、低周波成分を階調圧縮する工程である構成である。
【0144】それゆえ、低周波成分を階調圧縮して元の
中周波・高周波成分と合成することにより、覆い焼き効
果を確実に得ることができるという効果を奏する。
【0145】請求項9の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項7または8の構成において、上記第
4の工程は、上記中周波・高周波成分を変換テーブルに
よって変換した後、階調変換した低周波成分と合成する
工程である構成である。
【0146】それゆえ、低周波成分の階調変換時に共に
変換される中周波・高周波成分の変換分を、中周波・高
周波成分の単独での変換によって補完することができ
る。これにより、低周波成分と共に中周波・高周波成分
が変換されることによって生じるコントラスト低下を確
実に回避することができるという効果を奏する。
【0147】また、中周波・高周波成分を自由に強調ま
たは軟調することができるので、コントラストの微妙に
異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に応じ
た画像を得ることができるという効果を併せて奏する。
【0148】請求項10の発明に係る画像処理方法は、
以上のように、請求項7または8の構成において、上記
第4の工程は、上記中周波・高周波成分を強調した後、
階調変換した低周波成分と合成する工程である構成であ
る。
【0149】それゆえ、低周波成分と共に中周波・高周
波成分が圧縮された場合でも、中周波・高周波成分を強
調することで中周波・高周波成分の圧縮分を補完するこ
とができる。これにより、低周波成分と共に中周波・高
周波成分が圧縮されることによって生じるコントラスト
低下を確実に回避することができるという効果を奏す
る。
【0150】請求項11の発明に係る画像処理方法は、
以上のように、請求項7または8の構成において、上記
第4の工程は、上記中周波・高周波成分を低周波成分の
階調変換の強度に応じた強度で変換した後、階調変換し
た低周波成分と合成する工程である構成である。
【0151】それゆえ、低周波成分の例えば圧縮強度に
応じた強度で中周波・高周波成分を例えば強調すること
により、たとえ低周波成分の圧縮強度が高い場合でもコ
ントラストをある程度維持することができる。したがっ
て、低周波成分の圧縮強度が高いことに起因して画質低
下が生じるのを抑制することができるという効果を奏す
る。
【0152】請求項12の発明に係る画像処理方法は、
以上のように、請求項7ないし11のいずれかの構成に
おいて、上記第1の工程は、デジタル画像の所定画素と
その周辺画素との画像データの差を求め、画像データの
差が全て所定の閾値以下となるように各画素の画像デー
タを設定した後、設定した画像データに基づいてデジタ
ル画像の低周波成分を生成する工程である構成である。
【0153】それゆえ、階調変換前後での画像データの
差が全て閾値よりも小さくなるように各画素の画像デー
タが設定されるので、画像データの差が本来大きくなる
ような境界部分で、大きな輝度差を保存する中周波・高
周波成分を多くすることが可能となる。これにより、低
周波成分を階調圧縮して中周波・高周波成分を合成した
際に、画像上でのオーバーシュートおよびアンダーシュ
ートの量(線幅)が小さくなる。したがって、上記構成
によれば、請求項7ないし11のいずれかの構成による
効果に加えて、オーバーシュートおよびアンダーシュー
トの発生による画質低下を抑制することができるという
効果を奏する。
【0154】請求項13の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、以上のように、デジタル画像
の画像データに基づいてデジタル画像の低周波成分を生
成する第1の処理と、元のデジタル画像と上記低周波成
分とに基づいてデジタル画像の中周波・高周波成分を生
成する第2の処理と、上記低周波成分を階調変換テーブ
ルによって階調変換する第3の処理と、上記中周波・高
周波成分と、階調変換した低周波成分とを合成する第4
の処理とをコンピュータに実行させるための画像処理プ
ログラムを記録してなる構成である。
【0155】それゆえ、例えば、低周波成分の生成時に
その生成が不十分でこれに中周波・高周波成分が若干残
り、中周波・高周波成分までもが変換(例えば圧縮)さ
れるおそれがある場合でも、中周波・高周波成分を変換
(例えば強調)して階調変換された低周波成分と合成す
ることで、中周波・高周波成分の変換分(圧縮分)を補
完することが可能となる。
【0156】したがって、上記構成によれば、低周波成
分(ぼけ画像)が不十分に得られた場合であっても、中
周波・高周波成分の変換に起因するコントラストの低下
を生じさせることなく、低周波成分を階調変換して元の
画像を再現することによる覆い焼き効果を得ることがで
きるという効果を奏する。
【0157】また、中周波・高周波成分が単独で生成さ
れるので、中周波・高周波成分の強調強度を調整するこ
とが可能となる。これにより、コントラストの微妙に異
なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に応じた
画像を得ることができるという効果を併せて奏する。
【0158】請求項14の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、以上のように、請求項13の
構成において、上記第3の処理は、低周波成分を階調圧
縮する処理である構成である。
【0159】それゆえ、低周波成分を階調圧縮して元の
中周波・高周波成分と合成することにより、覆い焼き効
果を確実に得ることができるという効果を奏する。
【0160】請求項15の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、以上のように、請求項13ま
たは14の構成において、上記第4の処理は、上記中周
波・高周波成分を変換テーブルによって変換した後、階
調変換した低周波成分と合成する処理である構成であ
る。
【0161】それゆえ、階調変換時に低周波成分と共に
変換される中周波・高周波成分の変換分を補完すること
ができる。これにより、低周波成分と共に中周波・高周
波成分が変換されることによって生じるコントラスト低
下を確実に回避することができるという効果を奏する。
【0162】また、中周波・高周波成分を自由に強調ま
たは軟調することができるので、コントラストの微妙に
異なる画像を容易に得ることができ、顧客の要望に応じ
た画像を得ることができるという効果を併せて奏する。
【0163】請求項16の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、以上のように、請求項13ま
たは14の構成において、上記第4の処理は、上記中周
波・高周波成分を強調した後、階調変換した低周波成分
と合成する処理である構成である。
【0164】それゆえ、低周波成分と共に中周波・高周
波成分が圧縮された場合でも、中周波・高周波成分を強
調することで中周波・高周波成分の圧縮分を補完するこ
とができる。これにより、低周波成分と共に中周波・高
周波成分が圧縮されることによって生じるコントラスト
低下を確実に回避することができるという効果を奏す
る。
【0165】請求項17の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、以上のように、請求項13ま
たは14の構成において、上記第4の処理は、上記中周
波・高周波成分を低周波成分の階調変換の強度に応じた
強度で変換した後、階調変換した低周波成分と合成する
処理である構成である。
【0166】それゆえ、低周波成分の例えば圧縮強度に
応じた強度で中周波・高周波成分を例えば強調すること
により、たとえ低周波成分の圧縮強度が高い場合でもコ
ントラストをある程度維持することができる。したがっ
て、低周波成分の圧縮強度が高いことに起因して画質低
下が生じるのを抑制することができるという効果を奏す
る。
【0167】請求項18の発明に係る画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体は、以上のように、請求項13な
いし17のいずれかの構成において、上記第1の処理
は、デジタル画像の所定画素とその周辺画素との画像デ
ータの差を求め、画像データの差が全て所定の閾値以下
となるように各画素の画像データを設定した後、設定し
た画像データに基づいてデジタル画像の低周波成分を生
成する処理である構成である。
【0168】それゆえ、階調変換前後での画像データの
差が全て閾値よりも小さくなるように各画素の画像デー
タが設定されるので、画像データの差が本来大きくなる
ような境界部分で、大きな輝度差を保存する中周波・高
周波成分を多くすることが可能となる。これにより、低
周波成分を階調圧縮して中周波・高周波成分を合成した
際に、画像上でのオーバーシュートおよびアンダーシュ
ートの量(線幅)幅が小さくなる。したがって、上記構
成によれば、請求項13ないし17のいずれかの構成に
よる効果に加えて、オーバーシュートおよびアンダーシ
ュートの発生による画質低下を抑制することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一構成例を示すブ
ロック図である。
【図2】上記画像処理装置のLPFとしての移動平均フ
ィルタの構成例を示す説明図である。
【図3】(a)は、各画素の画像データの一例を示す説
明図であり、(b)は、上記LPFとしてのメディアン
フィルタによって注目画素の画像データを変換した場合
の各画素の画像データを示す説明図である。
【図4】上記LPFとしてのガウシアンフィルタの構成
例を示す説明図である。
【図5】上記画像処理装置における動作の流れを示すフ
ローチャートである。
【図6】オーバーシュートおよびアンダーシュートが発
生する原理を説明するための説明図である。
【図7】本発明に係る画像処理装置の他の構成例を示す
ブロック図である。
【図8】デジタル画像の画素を示す説明図である。
【図9】(a)は、図8で示した各画素の輝度値を示す
説明図であり、(b)は、周辺画素の一部の輝度値を輝
度値変更部によって変更した場合の各画素の輝度値を示
す説明図である。
【図10】上記画像処理装置における動作の流れを示す
フローチャートである。
【図11】ギャップ処理によってオーバーシュートやア
ンダーシュートが低減される原理を説明するための説明
図である。
【図12】従来の画像再生装置の主要部の概略の構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
2・2’ 画像処理装置 8 LPF(第1成分生成手段) 9 LUT(階調変換手段) 10 減算器(第2成分生成手段) 11 LUT(変換手段) 12 合成部(合成手段) 16 輝度差検出部(データ差検出手段) 17 輝度値設定部(データ設定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 稔 大阪府吹田市江の木町11番30号 株式会社 東洋情報システム内 Fターム(参考) 2H106 AA73 AA74 BH00 5B057 AA11 CA08 CA12 CB08 CB12 CC01 CE03 CE05 CE06 CE08 CE11 CH07 DB02 DB09 DC16 5C077 LL01 LL19 MP01 PP01 PP03 PP15 PP19 PP32 PP41 PP47 PP48 PP68 PQ12 PQ23 RR21

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デジタル画像の画像データに基づいてデジ
    タル画像の低周波成分を生成する第1成分生成手段と、 元のデジタル画像と上記低周波成分とに基づいてデジタ
    ル画像の中周波・高周波成分を生成する第2成分生成手
    段と、 上記低周波成分を階調変換テーブルによって階調変換す
    る階調変換手段と、 上記中周波・高周波成分と、階調変換した低周波成分と
    を合成する合成手段とを備えていることを特徴とする画
    像処理装置。
  2. 【請求項2】上記階調変換手段は、低周波成分を階調圧
    縮することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】上記中周波・高周波成分を変換テーブルに
    よって変換する変換手段をさらに備えていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】上記変換手段は、中周波・高周波成分を強
    調することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装
    置。
  5. 【請求項5】上記変換テーブルは、低周波成分の階調変
    換の強度に応じた強度で上記中周波・高周波成分を変換
    することができるように設定されていることを特徴とす
    る請求項3または4に記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】デジタル画像の所定画素とその周辺画素と
    の画像データの差を求めるデータ差検出手段と、 画像データの差が全て所定の閾値以下となるように各画
    素の画像データを設定し、設定した画像データを上記第
    1成分生成手段に供給するデータ設定手段とをさらに備
    えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】デジタル画像の画像データに基づいてデジ
    タル画像の低周波成分を生成する第1の工程と、 元のデジタル画像と上記低周波成分とに基づいてデジタ
    ル画像の中周波・高周波成分を生成する第2の工程と、 上記低周波成分を階調変換テーブルによって階調変換す
    る第3の工程と、 上記中周波・高周波成分と、階調変換した低周波成分と
    を合成する第4の工程とからなることを特徴とする画像
    処理方法。
  8. 【請求項8】上記第3の工程は、低周波成分を階調圧縮
    する工程であることを特徴とする請求項7に記載の画像
    処理方法。
  9. 【請求項9】上記第4の工程は、上記中周波・高周波成
    分を変換テーブルによって変換した後、階調変換した低
    周波成分と合成する工程であることを特徴とする請求項
    7または8に記載の画像処理方法。
  10. 【請求項10】上記第4の工程は、上記中周波・高周波
    成分を強調した後、階調変換した低周波成分と合成する
    工程であることを特徴とする請求項7または8に記載の
    画像処理方法。
  11. 【請求項11】上記第4の工程は、上記中周波・高周波
    成分を低周波成分の階調変換の強度に応じた強度で変換
    した後、階調変換した低周波成分と合成する工程である
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理方
    法。
  12. 【請求項12】上記第1の工程は、デジタル画像の所定
    画素とその周辺画素との画像データの差を求め、画像デ
    ータの差が全て所定の閾値以下となるように各画素の画
    像データを設定した後、設定した画像データに基づいて
    デジタル画像の低周波成分を生成する工程であることを
    特徴とする請求項7ないし11のいずれかに記載の画像
    処理方法。
  13. 【請求項13】デジタル画像の画像データに基づいてデ
    ジタル画像の低周波成分を生成する第1の処理と、 元のデジタル画像と上記低周波成分とに基づいてデジタ
    ル画像の中周波・高周波成分を生成する第2の処理と、 上記低周波成分を階調変換テーブルによって階調変換す
    る第3の処理と、 上記中周波・高周波成分と、階調変換した低周波成分と
    を合成する第4の処理とをコンピュータに実行させるた
    めの画像処理プログラムを記録した記録媒体。
  14. 【請求項14】上記第3の処理は、低周波成分を階調圧
    縮する処理であることを特徴とする請求項13に記載の
    画像処理プログラムを記録した記録媒体。
  15. 【請求項15】上記第4の処理は、上記中周波・高周波
    成分を変換テーブルによって変換した後、階調変換した
    低周波成分と合成する処理であることを特徴とする請求
    項13または14に記載の画像処理プログラムを記録し
    た記録媒体。
  16. 【請求項16】上記第4の処理は、上記中周波・高周波
    成分を強調した後、階調変換した低周波成分と合成する
    処理であることを特徴とする請求項13または14に記
    載の画像処理プログラムを記録した記録媒体。
  17. 【請求項17】上記第4の処理は、上記中周波・高周波
    成分を低周波成分の階調変換の強度に応じた強度で変換
    した後、階調変換した低周波成分と合成する処理である
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の画像処
    理プログラムを記録した記録媒体。
  18. 【請求項18】上記第1の処理は、デジタル画像の所定
    画素とその周辺画素との画像データの差を求め、画像デ
    ータの差が全て所定の閾値以下となるように各画素の画
    像データを設定した後、設定した画像データに基づいて
    デジタル画像の低周波成分を生成する処理であることを
    特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記載の画
    像処理プログラムを記録した記録媒体。
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