JP2000280342A - ポリ乳酸系収縮シート状物、及びこれを用いた包装材又は収縮ラベル材 - Google Patents

ポリ乳酸系収縮シート状物、及びこれを用いた包装材又は収縮ラベル材

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JP2000280342A JP9477499A JP9477499A JP2000280342A JP 2000280342 A JP2000280342 A JP 2000280342A JP 9477499 A JP9477499 A JP 9477499A JP 9477499 A JP9477499 A JP 9477499A JP 2000280342 A JP2000280342 A JP 2000280342A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な収縮率を有し、生分解可能なポリ乳酸
系収縮シート状物を提供すること、更には、飲料用ボト
ル等のラベルに使用した場合、加熱殺菌時にラベル同士
が融着しない、生分解可能なポリ乳酸系収縮シート状物
を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリ乳酸系重合体を主成分とする生分解
性重合体から成形されるシート状物において、上記ポリ
乳酸系重合体の結晶融解熱量(△Hm)が5〜45J/
gであり、上記シート状物を昇温したとき、このシート
状物を形成する生分解性重合体の構成成分であるポリ乳
酸系重合体の結晶化により生じる結晶化熱量(ΔHc)
と上記ΔHmとの差、すなわち、△Hm−△Hcが5〜
32J/gとすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポリ乳酸系重合
体を主成分とした収縮性を有するシート状物に関する。
【0002】
【従来の技術】収縮包装や収縮結束包装、収縮ラベル等
に利用される熱収縮性シート又はフィルムとして、ポリ
塩化ビニル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチ
レンテレフタレート等のシートやフィルムが知られてお
り、また、産業界で広く利用され、消費されている。し
かし、これらのシートやフィルムは自然環境下に棄却さ
れると、その安定性のため分解されることなく残留し、
景観を損ない、魚、野鳥等の生活環境を汚染する等の問
題を引き起こす。
【0003】そこで、これらの問題を生じない分解性重
合体からなる材料が要求されており、実際多くの研究、
開発が行われている。その一例として、ポリ乳酸があげ
られる。ポリ乳酸は、土壌中において自然に加水分解が
進行し、土中に原形が残らず、ついで微生物により無害
な分解物となることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリ乳
酸は、素材が本来有する脆性のため、これをシート状や
フィルム状にしても、十分な強度が得られず、実用に供
し難い。
【0005】これに対し、特開平5−212790号公
報には、ポリ乳酸からなるラベル用熱収縮フィルムが開
示されているが、この熱収縮フィルムは、収縮温度が1
40〜150℃と高く、ガラス瓶等のラベルとして用い
得ることができる高温収縮性フィルムである。これに対
し、一般的な収縮包装や収縮結束包装では、被包装体が
生鮮食品や紙箱、あるいは食品や薬品の入った各種容器
類であり、熱による被包装体の変性や変形を防ぐため、
70〜120℃程度の低温で収縮加工が行われる。上記
公報においては、ラベル用熱収縮フィルムが、上記低温
域で十分に収縮性を有することは示されていない。さら
に、高温収縮性のラベルとしても、収縮仕上がりが悪
く、被収縮物に接触せずに浮いた部分などができ、十分
な性能を発揮し得ない場合がある。
【0006】また、特開平7−256753号公報に
は、所定の要件を満たすポリ乳酸系重合体からなる熱収
縮フィルムが開示されている。この熱収縮フィルムは、
低温収縮性を有するが、短時間に収縮しないと熱固定さ
れて十分に収縮しなくなる。さらにまた、収縮仕上がり
が悪く、被収縮物に接触せずに浮いた部分などができる
場合がある。
【0007】さらに、上記熱収縮フィルムを、被包装体
が生鮮食料品や紙箱、あるいは食品や薬品の入った各種
容器類の収縮包装や収縮結束包装として使用する場合、
通常収縮率が10%以上であることが望まれるが、上記
熱収縮フィルムでは充分な収縮率を得ることができな
い。
【0008】さらにまた、上記熱収縮フィルムを飲料用
ボトル等のラベルに使用する場合は、ボトルにラベルを
巻き付けた後に飲料を充填して、生産ラインで加熱殺菌
を行う。このとき、隣接するボトルのラベル同士が熱に
より融着することがある。
【0009】そこで、この発明は、充分な収縮率を有
し、生分解可能なポリ乳酸系収縮シート状物を提供する
こと、更には、飲料用ボトル等のラベルに使用した場
合、加熱殺菌時にラベル同士が融着しない、生分解可能
なポリ乳酸系収縮シート状物を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、ポリ乳酸系
重合体を主成分とする生分解性重合体から成形されるシ
ート状物において、上記ポリ乳酸系重合体の結晶融解熱
量(△Hm)を5〜45J/gとし、上記シート状物を
昇温したとき、このシート状物を形成する生分解性重合
体の構成成分であるポリ乳酸系重合体の結晶化により生
じる結晶化熱量(ΔHc)と上記ΔHmとの差、すなわ
ち、△Hm−△Hcを5〜32J/gとすることによ
り、上記の課題を解決したのである。
【0011】所定のΔHm及びΔHcを有するポリ乳酸
系収縮シート状物を用いることにより、充分な収縮率を
有し、生分解可能なポリ乳酸系収縮シート状物を提供す
ることができる。また、飲料用ボトル等のラベルに使用
した場合、加熱殺菌時にラベル同士が融着しない、生分
解可能なポリ乳酸系収縮シート状物を提供することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。
【0013】この発明にかかるポリ乳酸系収縮シート状
物は、ポリ乳酸系重合体を主成分とする生分解性重合体
から成形されるシート状物である。
【0014】上記生分解性重合体は、生分解性、すなわ
ち、微生物によって分解される性質を有する重合体をい
う。この生分解性重合体の主成分であるポリ乳酸系重合
体とは、乳酸、具体的には、D−乳酸又はL−乳酸の単
独重合体又はそれらの共重合体をいう。
【0015】上記ポリ乳酸系重合体は、縮重合法、開環
重合法等、公知の方法で製造することができる。例え
ば、縮重合法では、D−乳酸、L−乳酸又はこれらの混
合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持つポリ乳酸系
重合体が得られる。また、開環重合法では、乳酸の環状
二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調製剤等を
用いながら、所定の触媒の存在下で開環重合して任意の
組成を持つポリ乳酸系重合体が得られる。上記ラクチド
には、L−乳酸の二量体であるL−ラクチド、D−乳酸
の二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸の二
量体であるDL−ラクチドがある。
【0016】上記生分解性重合体は、上記の主成分であ
るポリ乳酸系重合体のみから構成されてもよく、また、
上記ポリ乳酸系重合体に、ポリ乳酸系重合体以外の生分
解性脂肪族ポリエステルを混合したものでもよい。この
ポリ乳酸系重合体以外の生分解性脂肪族ポリエステル
は、ガラス転移点Tgが0℃以下であることが好まし
い。このガラス転移点Tgが0℃以下のポリ乳酸系重合
体以外の生分解性脂肪族ポリエステルを加えることによ
り、得られるポリ乳酸系収縮シート状物を延伸する際、
破断が生じるのを防止し、かつ、収縮仕上がり性を改良
することができる。
【0017】このポリ乳酸系重合体以外の生分解性脂肪
族ポリエステルの添加量は、上記ポリ乳酸系重合体10
0重量部に対して10〜100重量部が好ましい。10
重量部未満だと破断する場合があり、さらに、しわやア
バタが入ること等による収縮仕上がりの悪化が起こりや
すい。また、100重量部を越えると延伸時に均一な倍
率で延伸せずに厚みムラを生じやすい。このようなフィ
ルムを収縮すると、収縮仕上がりが悪くなりやすい。
【0018】ポリ乳酸系重合体以外の生分解性脂肪族ポ
リエステルとは、具体的には、乳酸以外のヒドロキシカ
ルボン酸の単独重合体又は共重合体、乳酸と乳酸以外の
ヒドロキシカルボン酸との共重合体、脂肪族ジカルボン
酸と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステル、
環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、こ
れらの各重合体の混合体等をいう。
【0019】上記の乳酸以外のヒドロキシカルボン酸と
しては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒド
ロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉
草酸、6−ヒドロキシ吉草酸等があげられる。これらの
単独重合体又は共重合体、若しくは、これらと乳酸との
共重合体は、上記のポリ乳酸系重合体の重合法を用いる
ことにより製造することができる。また、菌体内で生産
させることもできる。この場合、アルカリゲネスユート
ロファスをはじめとする菌体内でアセチルコエンザイム
A(アセチルCoA)により生合成される。そのように
して得られる例としては、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸が
あげられる。このポリ−β−ヒドロキシ酪酸そのもので
は強度的に不十分なため、ポリ−β−ヒドロキシ吉草酸
との共重合体として使用される。
【0020】さらに、上記脂肪族ジカルボン酸として
は、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、
ドデカン二酸等が例としてあげられ、また、上記脂肪族
ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が
あげられる。これらの任意の脂肪族ジカルボン酸と脂肪
族ジオールとをエステル化することにより、上記脂肪族
ポリエステルが製造される。
【0021】さらにまた、環状ラクトン類としては、ε
−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−
δ−バレロラクトン等があげられ、これを開環重合する
ことにより、上記脂肪族ポリエステルが製造される。
【0022】上記の各重合工程において、得られる重合
体の分子量の増大を目的として、少量の鎖延長剤、例え
ば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水
物等を使用することができる。
【0023】上記シート状物とは、シート又はフィルム
をいう。JISにおける定義上、シートとは、薄く、一
般にその厚さが長さと幅の割りには小さい平らな製品を
いい、フィルムとは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて
小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製
品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう(JI
S K 6900)。したがって、シートの中でも厚さ
の特に薄いものがフィルムであるといえる。しかし、シ
ートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しに
くので、本願においては、上記のとおり、シートとフィ
ルムの両方を含んだ概念として「シート状物」の用語を
使用する。
【0024】上記の生分解性重合体は、押出法、カレン
ダー法、プレス法等の一般的な溶融成形法により、平面
状又は円筒状の未延伸のシート状物又はシート状物の溶
融体にし、次いで、これをロール法、テンター法、チュ
ーブラ法、インフレーション法等により一軸又は二軸に
延伸することによってシート状物を得ることができる。
【0025】上記生分解性重合体の構成成分であるポリ
乳酸系重合体の結晶融解熱量(「△Hm」と略する。)
は5〜45J/gがよく、20〜40J/gが好まし
い。また、上記シート状物を昇温したとき、このシート
状物を形成する生分解性重合体の構成成分であるポリ乳
酸系重合体の結晶化により生じる結晶化熱量(「ΔH
c」と略する。)と上記ΔHmとの差、すなわち、△H
m−△Hcは5〜32J/gがよく、10〜30J/g
が好ましい。上記ΔHmが5J/g未満のときは、得ら
れるシート状物が融着しやすい。45J/gを越えると
きは、得られるシート状物が収縮しにくい場合がある。
また、△Hm−△Hcが5J/g未満のときは、得られ
るシート状物が融着しやすい。32J/gを越えるとき
は、得られるシート状物が収縮しにくい場合がある。
【0026】上記のΔHmは、上記生分解性重合体の構
成成分であるポリ乳酸系重合体の融点より30℃低い温
度で熱処理をし、JIS K 7122に記載の方法に
したがって、昇温速度10℃/分で上記シート状物を昇
温したときの、上記ポリ乳酸系重合体中に生じている結
晶を融解させるのに必要な熱量である。これは、上記シ
ート状物の示差走査熱量測定(以下、「DSC」と略す
る。)において、上記ポリ乳酸系重合体の結晶融点付近
に現れる結晶融解による吸熱ピークの面積から求められ
る。上記ポリ乳酸系重合体の融点より30℃低い温度で
熱処理を行うのは、この熱処理によって、上記ポリ乳酸
系重合体を結晶化させることができる。この結晶化した
状態で所定の昇温速度で昇温させて△Hmを測定するの
で、同じ組成を持つ生分解性重合体、例えば、同じ組成
を有するD、L−ポリ乳酸であっても、ロット差によっ
て生じることのある△Hmの差を解消することができ
る。
【0027】また、ΔHcは、上記シート状物の結晶化
熱量であり、JIS K 7122に記載の方法にした
がって一次昇温したときの昇温過程で生じる結晶化の際
に発生する熱量であり、上記シート状物のDSCにおい
て、発熱ピークの面積から求められる。
【0028】上記ΔHmは主にポリ乳酸重合体そのもの
の結晶性に依存し、結晶性が大きいポリ乳酸系重合体で
は大きな値をとる。ちなみに最も結晶性が大きいと考え
られるホモのポリ−L−乳酸では、約50J/gとな
る。また、ΔHcはそのときのシート状物の結晶化度に
関係する指標であり、ΔHcが大きいときは、昇温過程
でシート状物の結晶化が進行する、すなわち、昇温前の
シート状物の結晶化度が相対的に低かったことを表す。
逆に、ΔHcが小さいときは、昇温前のシート状物の結
晶化度が相対的に高かったことを表す。
【0029】したがって、△Hm−△Hcは、シート状
物を形成する生分解性重合体の構成成分であるポリ乳酸
系重合体の有する結晶性を基準としたときの、上記シー
ト状物の結晶化度を示す。したがって、△Hm−△Hc
が小さいほど、上記シート状物の結晶化度が低いことを
示す。
【0030】よって、△Hm−△Hcを低下させるため
の方法としては、結晶性が小さいポリ乳酸系重合体を用
いることや、結晶化度の比較的低いシート状物を作るこ
とがあげられる。特に、結晶性が小さいポリ乳酸系重合
体を原料に、結晶化度の比較的低いシート状物を作製す
れば、△Hm−△Hcをより低下させることができる。
シート状物の結晶化度は、生分解性重合体の組成に少な
からず依存するが、フィルムの成形加工条件によっても
大きく影響される。
【0031】また、成形加工工程、特にテンター法2軸
延伸においてフィルムの結晶化度を下げるためには、適
当な延伸温度、延伸倍率を選び配向結晶化を抑えたり、
延伸後速やかに結晶化温度以下に冷却して結晶化を抑え
る等の方法によっても、△Hm−△Hcを低下させるこ
とができる。
【0032】上記のΔHm及びΔHm−ΔHcの条件を
満たす好ましい生分解性重合体の例としては、生分解性
重合体の主成分であるポリ乳酸系重合体が、L−乳酸と
D−乳酸の共重合体であり、この構成成分であるL−乳
酸とD−乳酸との組成比が98:2〜94:6、又は、
6:94〜2:98となるものがあげられる。この組成
比のものとすることにより、△Hmが5〜45J/gか
つ△Hm−△Hcが5〜32J/gであるポリ乳酸系収
縮シート状物を得ることがきる。これにより、生分解性
重合体の結晶性が適当なものとなり、シート状物とした
ときに、十分な収縮性を得ることができ、また、各シー
ト状物を重ねても融着するのを防ぐことができる。とこ
ろで、L−乳酸とD−乳酸の組成比を上記の範囲外とし
ても、△Hmが5〜45J/gかつ△Hm−△Hcが5
〜32J/gであるポリ乳酸系収縮シート状物を得るこ
とは可能であるが、特に△Hm−△Hcを5J/g以上
にするには、延伸温度、延伸倍率の選択に留意する必要
がある。
【0033】なお、上記生分解性脂肪族ポリエステルを
含有するポリ乳酸系収縮シートを用いるとき、上記生分
解性脂肪族ポリエステルも結晶性を有する場合がある。
この場合、このポリ乳酸系収縮シートを用いて△Hm及
び△Hcを測定すると、生分解性脂肪族ポリエステルの
結晶の影響がその測定値に及ぶ。この場合、△Hmは、
このポリ乳酸系収縮シートを形成する生分解性重合体の
構成成分であるポリ乳酸系重合体そのものを用いて測定
することにより得られる。また、ΔHcは、当該ポリ乳
酸系収縮シートを用いて測定するが、その値から換算し
てポリ乳酸系重合体相当分導き出すことにより得られ
る。
【0034】得られるポリ乳酸系収縮シート状物の収縮
率は、80℃、10秒間の条件下で、10%以上である
ことがよく、20〜100%が好ましい。収縮率が低す
ぎると、収縮包装や収縮結束包装に使用するためには、
不十分となりやすいからである。一般的に、収縮包装や
収縮結束包装には、上記ポリ乳酸系収縮シート状物の収
縮率は、10%程度でよく、ペットボトル等のラベル等
の場合には、30%以上の収縮率がよい。
【0035】なお、この収縮率を30%以上とするに
は、△Hm−△Hcを、上記の範囲より狭い5〜20J
/gとするのが好ましい。このようにすることにより、
ポリ乳酸系収縮シート状物の収縮度をより大きくするこ
とができるからである。
【0036】この発明によって得られるポリ乳酸系収縮
シート状物は、包装材や収縮ラベル材として使用するこ
とができる。この包装材や収縮ラベル材が使用される被
包装物としては、容器、生鮮食品等の食品等があげられ
る。上記容器としては、ガラス瓶、ガラス容器、硬質プ
ラスチック容器等の硬度の高い容器、又は、紙や、ポリ
スチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート
等の硬度の低いプラスチック等から成形される容器等が
あげられる。これらの容器は、食品用、飲料用、薬品用
等任意の用途に使用されるものである。
【0037】上記被包装物は、上記包装材によって収縮
包装又は収縮結束包装される。このとき、上記包装材が
ポリ乳酸系収縮シート状物が充分な収縮率を有し、延伸
時の厚みムラがないので、収縮包装したとき収縮仕上が
りがよく、包装された状態において見栄えがよい。さら
に、包装後に、加熱処理を行っても、包装材が互いに融
着しないので、取扱いが容易となる。また、上記ポリ乳
酸系収縮シート状物は、印刷性能がよく、綺麗に印刷す
ることができるので、収縮ラベル材として使用する場
合、まず、上記ポリ乳酸系収縮シート状物に印刷したの
ち、被包装材に収縮させて密着させることにより、ラベ
ルとして効果よく使用することができる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を示すが、これらにより本発明
は何ら制限を受けるものではない。なお、表1及び表2
において、「L/D比」は、ポリ乳酸系重合体を構成す
るL−乳酸とD−乳酸の組成比を示す。また、「Mw」
は、ポリ乳酸系重合体の重量平均分子量を示す。また、
実施例中に示す測定、評価は、次に示すような条件で行
った。
【0039】(1)結晶融解熱量(ΔHm)の測定 シート状物を形成する生分解性重合体の構成成分である
所定のL/D比を有するポリ乳酸系重合体自体を用いて
測定した。
【0040】まず、このポリ乳酸系重合体の融点から3
0℃低い温度で、当該ポリ乳酸系重合体を2時間、熱処
理を行い、当該ポリ乳酸系重合体を結晶化させた。次い
で、パーキンエルマー製DSC−7を用い、上記の結晶
化させた当該ポリ乳酸系重合体10mgをJIS−K7
122に基づいて、昇温速度10℃/分で昇温したとき
の吸熱ピークの面積からΔHmを求めた。
【0041】(2)結晶化熱量(ΔHc)の測定 パーキンエルマー製DSC−7を用い、シート状物のサ
ンプル10mgをJIS−K7122に基づいて、昇温
速度10℃/分で昇温したときの発熱ピークの面積から
ΔHcを求めた。
【0042】(3)熱収縮率 シート状物のサンプルを、試験方向を長手方向(以下。
「MD」と略する。)として140mm×10mmに切
り出し、MDに100mm間の評線を入れ、80℃の温
水バスに10秒間浸漬した後、その評線間の寸法を計
り、次式にしたがって熱収縮率を算出した。
【0043】熱収縮率(%)={(収縮前の寸法)−
(収縮後の寸法)}/(収縮前の寸法)×100 なお、表1及び表2において、TDは、サンプルの幅方
向を示す。
【0044】(4)融着試験 シート状物を縦60mm、横30mmの大きさに切り取
って重ね合わせ、ヒートシール機で圧力1.5kgf/
cm2 、80℃で10秒間加熱した場合のフィルムの融
着具合をみた。なお、手で容易に剥がれる場合は○、や
や融着気味なものは△、融着して剥がれにくいものは×
で表示した。
【0045】(5)Tgの測定 パーキンエルマー製DSC−7を用い、シート状物のサ
ンプル10mgをJIS−K7122に基づいて、昇温
速度10℃/分で昇温したときのサーモグラムからガラ
ス転移点(Tg)を求めた。
【0046】(6)総合評価 得られたポリ乳酸系収縮シート状物について、各物性及
び融着試験から総合評価を行った。表1及び表2におけ
る符号は、下記の内容を意味する。 ◎:全体として良好な性能を有する ○:全体としてやや良好な性能を有する ×:全体として十分な性能を有さない。
【0047】(実施例1)L−乳酸:D−乳酸=90:
10の構造単位を持ち、重量平均分子量が18万である
ポリ乳酸系重合体を30mmφ単軸エクストルーダーに
て、210℃でTダイより押し出し、キャスティングル
ーダーにて急冷し、厚み220μmの未延伸シートを得
た。得られた未延伸シートを幅方向に77℃で4.4倍
に延伸して、ポリ乳酸系収縮シート状物を得た。得られ
たポリ乳酸系収縮シート状物のΔHm、ΔHc及び熱収
縮率を測定し、また、融着試験を行った。その結果を表
1に示す。
【0048】(実施例2〜5、比較例1〜4)表1又は
表2に示すL−乳酸とD−乳酸の割合の構成単位を有す
るポリ乳酸系重合体を用いた以外は、実施例1と同様に
してポリ乳酸系収縮フィルムを得た。得られたポリ乳酸
系収縮シート状物のΔHm、ΔHc及び熱収縮率を測定
し、また、融着試験を行った。その結果を表1又は表2
に示す。
【0049】(実施例6)L−乳酸:D−乳酸=90:
10の構造単位を持ち、重量平均分子量が18万である
ポリ乳酸系重合体100重量部に、生分解性脂肪族ポリ
エステルとして、(株)昭和高分子社製ビオノーレ#3
003(商品名)(Tg=−45℃)25重量部を混合
し、該混合物を30mmφ単軸エクストルーダーにて、
200℃でTダイより押し出し、キャスティングルーダ
ーにて急冷し、厚み220μmの未延伸シートを得た。
得られた未延伸シートを幅方向に77℃で4.4倍に延
伸して、ポリ乳酸系収縮フィルムを得た。得られたポリ
乳酸系収縮シート状物のΔHm、ΔHc及び熱収縮率を
測定し、また、融着試験を行った。その結果を表1に示
す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明により、充分な収縮率を有し、生
分解可能なポリ乳酸系収縮シート状物を提供することが
できる。
【0053】また、飲料用ボトル等のラベルに使用した
場合、加熱殺菌時にラベル同士が融着しない、生分解可
能なポリ乳酸系収縮シート状物を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29C 55/02 B29C 55/02 B29K 67:00 105:02 B29L 7:00 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 AB02 AB04 AB99 BA03A BA17A BA18A BA24A CA01 CA23 EC27 EE02 EE04 FB01 4F071 AA43 AA83 AA89 AF52 AF61 AH04 AH06 BC01 4F210 AA24 AE01 AG01 QA02 QC03 QG01 QG11 QG18 RA03 RC02 RG02 RG04 RG30 RG35 RG43 4J002 CF032 CF181 CF182 CF192 CF272 CK032 GG02 GT00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸系重合体を主成分とする生分解
    性重合体から成形されるシート状物において、上記ポリ
    乳酸系重合体の結晶融解熱量(△Hm)が5〜45J/
    gであり、上記シート状物を昇温したとき、このシート
    状物を形成する生分解性重合体の構成成分であるポリ乳
    酸系重合体の結晶化により生じる結晶化熱量(ΔHc)
    と上記ΔHmとの差、すなわち、△Hm−△Hcが5〜
    32J/gであることを特徴とするポリ乳酸系収縮シー
    ト状物。
  2. 【請求項2】 △Hmが20〜40J/gであることを
    特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系収縮シート状
    物。
  3. 【請求項3】 △Hm−△Hcが10〜30J/gであ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ乳酸系
    収縮シート状物。
  4. 【請求項4】 上記ポリ乳酸系重合体の構成成分である
    L−乳酸とD−乳酸との組成比が98:2〜94:6又
    は6:94〜2:98であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系収縮シート状物。
  5. 【請求項5】 80℃、10秒間における収縮率が10
    %以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載のポリ乳酸系収縮シート状物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のポリ
    乳酸系収縮フィルム状物を用いてなる包装材。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載のポリ
    乳酸系収縮フィルム状物を用いてなる収縮ラベル材。
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