JP2000281887A - 熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物

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JP2000281887A
JP2000281887A JP11094486A JP9448699A JP2000281887A JP 2000281887 A JP2000281887 A JP 2000281887A JP 11094486 A JP11094486 A JP 11094486A JP 9448699 A JP9448699 A JP 9448699A JP 2000281887 A JP2000281887 A JP 2000281887A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐加水分解性と耐油性と耐熱エージング性に優
れた熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】芳香族ジカルボン酸(a−1)と、水素添
加したダイマー酸(a−2)とを主成分とし、水素添加
したダイマー酸(a−2)が、全ジカルボン酸成分の1
〜60モル%であるジカルボン酸成分(a)と、1,4
−ブタンジオールを主成分とする分子量300以下の低
分子量グリコール(b)とから得られる熱可塑性共重合
ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、モノカ
ルボジイミド化合物(B)および/またはポリカルボジ
イミド化合物(C)0.01〜10重量部を配合してな
る熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性に優れ、高
い機械的強度と、耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性などの
ゴム的性質を有し、温水や熱水または水蒸気雰囲気下で
の長期の使用に耐え、さらに耐油性や耐熱エージング性
にも優れる熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレートのような結
晶性芳香族ポリエステルにダイマー酸を共重合した共重
合ポリエステル樹脂は、耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性
などのゴム的性質を有し、しかも耐熱エージング性に優
れたポリエステル樹脂として知られている。たとえば、
特開昭50−90697号公報には、テレフタル酸の他
にダイマー酸を含む酸成分と、主として脂肪族ジオール
からなるグリコール成分から構成される共重合ポリエス
テル樹脂および、その重合時に芳香族アミン系安定剤を
使用することが開示されている。また、特開平5−21
4219号公報には、水素添加ダイマー酸をポリブチレ
ンテレフタレートに共重合したポリエステルに、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤と、
チオエーテル系酸化防止剤を配合した樹脂組成物が開示
されている。
【0003】しかしながら、上記特開昭50−9069
7号公報に開示されたダイマー酸共重合ポリエステル樹
脂は、ある程度、耐熱エージング性に優れたポリエステ
ル樹脂であるが、耐加水分解性が十分ではなく、温水や
熱水または水蒸気雰囲気下での長期の使用に耐えないと
いう問題点があった。また、耐油性も十分ではなく、比
較的短時間で強度や伸びが低下して使用できなくなった
りするという問題点があった。また、上記特開平5−2
14219号公報に開示された樹脂組成物も、ある程
度、耐熱エージング性に優れたポリエステル樹脂である
が、やはり、耐加水分解性および耐油性は十分ではない
という同様の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0005】したがって、本発明の目的は、成形性に優
れ、高い機械的強度と、耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性
などのゴム的性質を有し、耐加水分解性と耐油性と耐熱
エージング性に優れた熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物
は、芳香族ジカルボン酸(a−1)と、水素添加したダ
イマー酸(a−2)とを主成分とし、水素添加したダイ
マー酸(a−2)が、全ジカルボン酸成分の1〜60モ
ル%であるジカルボン酸成分(a)と、1,4−ブタン
ジオールを主成分とする分子量300以下の低分子量グ
リコール(b)とから得られる共重合ポリエステル樹脂
(A)100重量部に対して、モノカルボジイミド化合
物(B)および/またはポリカルボジイミド化合物
(C)0.01〜10重量部を配合してなるものであ
り、さらに、(1)の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物100重量部に、さらに、芳香族アミン系酸化防
止剤(D)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
(E)、イオウ系酸化防止剤(F)、リン系酸化防止剤
(G)それぞれ0.01〜5重量部を、(D)単独、
(E)+(F)の組合せ、(E)+(G)の組合せ、
(E)+(F)+(G)の組合せ、(D)+(E)+
(F)の組合せ、(D)+(E)+(G)の組合せ、
(D)+(E)+(F)+(G)の組合せのいずれかで
配合してなるものであり、さらに、その熱可塑性共重合
ポリエステル樹脂組成物100重量部に、さらに、ポリ
アミド樹脂(H)0.1〜20重量部とを配合したもの
である。
【0007】また、本発明の熱可塑性共重合ポリエステ
ル樹脂組成物においては、前記芳香族ジカルボン酸(a
−1)がテレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸で
あること、前記水素添加したダイマー酸(a−2)の純
度が94%以上であること、前記水素添加したダイマー
酸(a−2)の純度が98%以上であること、前記モノ
カルボジイミド化合物(B)が、ビス(2,6−ジイソ
プロピルフェニル)カルボジイミドであること、前記ポ
リカルボジイミド化合物(C)が、トリイソプロピルフ
ェニレン−1,3−ジイソシアネートの重合体であるこ
と、前記芳香族アミン系酸化防止剤(D)がジフェニル
アミン系化合物であること、前記ヒンダードフェノール
系酸化防止剤(E)が分子量500以上のヒンダードフ
ェノール系化合物であること、前記イオウ系酸化防止剤
(F)がチオジプロピオン酸エステル化合物であるこ
と、前記リン系酸化防止剤(G)が分子中にリン原子と
ともにイオウ原子も有する化合物であること、前記リン
系酸化防止剤(G)が分子中に2つ以上のリン原子を有
する化合物であること、前記ポリアミド樹脂(H)が共
重合ポリアミド樹脂であること、が、いずれも好ましい
条件であり、これらの条件を適用した場合には一層優れ
た効果の取得を期待することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0009】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を
形成する熱可塑性共重合ポリエステル樹脂(A)のジカ
ルボン酸成分(a)は、芳香族ジカルボン酸(a−1)
と、水素添加したダイマー酸(a−2)とを主成分とす
る。芳香族ジカルボン酸(a−1)の具体例としては、
テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナ
フタレン−2,7−ジカルボン酸、またはそのエステル
形成性誘導体が好ましく、この他にイソフタル酸、フタ
ル酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あ
るいはこれらのエステル形成性誘導体などを用いること
ができる。本発明に用いられる水素添加したダイマー酸
(a−2)は、精製した植物性不飽和脂肪酸の二量化物
の水素添加によって得られたもの、あるいはこれらのエ
ステル形成性誘導体などを用いることができる。水素添
加したダイマー酸(a−2)は、蒸留精製によって単量
体や3量体を除去した高純度化したダイマー酸を水素添
加したものを用いることが好ましい。重合反応性および
共重合体の物性が優れていることから、水素添加したダ
イマー酸(a−2)の純度が94%以上であるものが好
ましく、98%以上であるものが特に好ましい。
【0010】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物を形成する熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
(A)においては、水素添加したダイマー酸(a−2)
が、全ジカルボン酸成分の1〜60モル%、好ましくは
5〜55モル%、さらに好ましくは10〜50モル%で
ある。水素添加したダイマー酸(a−2)が、1モル%
未満では得られる熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成
物の耐衝撃性などのゴム的弾性が十分ではない。また6
0モル%を越えると、剛性の低下が大きい上、融点が低
く、また結晶化速度が遅くなり、成形性に劣る熱可塑性
共重合ポリエステル樹脂組成物しか得られない。
【0011】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物を形成する熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
(A)の分子量300以下の低分子量グリコール成分
(b)は、1,4−ブタンジオールを主成分とするが、
この他の具体例としては、エチレングリコール、トリメ
チレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメ
チレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロー
ルなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス
(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−
ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、およ
び4,4’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニルな
どを挙げることができる。また、これらのジオール成分
を2種以上併用することもできる。
【0012】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物を形成する熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
(A)においては、必要に応じてトリメリット酸、トリ
メシン酸、ピロメリット酸などの3官能以上の多官能カ
ルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロ
キシ成分を、重縮合中にゲル化しない程度の少量、例え
ば、全ジカルボン酸成分に対して0.05〜3mol%
程度用いることができる。
【0013】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物を形成する熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
(A)の好ましい製造方法としては、例えば、芳香族ジ
カルボン酸の低級アルコールジエステルと、水素添加し
たダイマー酸と、過剰量の低分子量グリコールを、チタ
ン化合物、およびヒンダードフェノール化合物の存在下
にエステル交換反応およびエステル化反応せしめ、得ら
れる反応生成物を重縮合する方法、あるいは芳香族ジカ
ルボン酸と、水素添加したダイマー酸と、過剰量のグリ
コールを、チタン化合物、スズ化合物、およびヒンダー
ドフェノール化合物の存在下にエステル化反応せしめ、
得られる反応生成物を重縮合する方法などが挙げられ
る。また、ヒンダードフェノール化合物は重縮合時に添
加してもよいし、その一部を重縮合終了後に配合しても
よい。
【0014】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物に用いられる成分の一つであるモノカルボジイミ
ド化合物(B)の具体例としては、ジメチルカルボジイ
ミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルカル
ボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、
ドデシルイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−o
−トリルカルボジイミド、ビス(2,6−ジエチルフェ
ニル)カルボジイミド、ビス(2,6−ジイソプロピル
フェニル)カルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジ
イミド、ベンジルイソプロピルカルボジイミド、フェニ
ル−o−トリルカルボジイミドなどが挙げられる。これ
らの中でも特にビス(2,6−ジイソプロピルフェニ
ル)カルボジイミドの使用が好ましい。
【0015】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物に用いられる成分の一つであるポリカルボジイミ
ド化合物(C)は、分子内に少なくとも2つのカルボジ
イミド基を有する化合物で、通常、イソシアネート化合
物から誘導される化合物である。これらの具体例として
は、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシア
ネート、メチレンビスフェニルジイソシアネート、キシ
レンジイソシアネート、トリイソプロピルフェニレン−
1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
トなどの脂肪族ジイソシアネートから誘導されるカルボ
ジイミド化合物などが挙げられる。また、脂肪族ジイソ
シアネートと一級または二級有機脂肪族アミンとを反応
させて脂肪族ジイソシアネートにウレア結合を導入した
後、カルボジイミド化したウレア変性ポリカルボジイミ
ドなども挙げられる。これらの中でも特にトリイソプロ
ピルフェニレン−1,3−ジイソシアネートの重合体の
使用が好ましい。
【0016】これらのモノカルボジイミド化合物(B)
および/またはポリカルボジイミド化合物(C)の配合
量は熱可塑性共重合ポリエステル樹脂(A)100重量
部に対し0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜
5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。
モノカルボジイミド化合物(B)および/またはポリカ
ルボジイミド化合物(C)の配合量が0.01重量部未
満では目的とする改良効果の得られる度合いが小さく、
また10重量部を越えるとブルーミングを生じたり、熱
可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物の機械的強度が低
下したりするため好ましくない。
【0017】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物に用いられる成分の一つである芳香族アミン系酸
化防止剤(D)の具体例としては、フェニルナフチルア
ミン、4,4’−ジメトキシジフェニルアミン、4,
4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルア
ミン、および4−イソプロポキシジフェニルアミンなど
が挙げられるが、これらの中でもジフェニルアミン系化
合物の使用が好ましい。
【0018】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物に用いられる成分の一つであるヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤(E)の具体例としては、2,4−ジ
メチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−
ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール、ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール、2,6−ジ−t−α−ジメチルアミノ−p−
クレゾール、2,5−ジ−t−ブチル−4−エチルフェ
ノール、、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール)、2,2’−メチレン−ビス−4−メチル−
6−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’
−メチレン−ビス(6−t−ブチル−o−クレゾー
ル)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブ
チルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メ
チル−6−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−ブ
チリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチ
ルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルベンジル)スルフィド、4,4’−チオ
ビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,2’−
チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンスルホン
酸のジエチルエステル、2,2’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジ
メチル−ジフェニルメタン、α−オクタデシル−3
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、6−(ヒドロキシ−3,5−ジ
−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チ
オ−1,3,5−トリアジン、ヘキサメチレングリコー
ル−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェノール)プロピオネート]、N,N’−ヘキサ
メチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシヒドロ桂皮酸アミド)、2,2−チオ[ジエチル−
ビス−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンゼンホスホン酸のジオクタデシルエ
ステル、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メ
タン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
イソシアヌレート、およびトリス[β−(3,5−ジ−
t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オ
キシエチル]イソシアヌレートなどが挙げられる。これ
らの中でも特にテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタンのような分子量が500以上のものの使用が
好ましい。
【0019】本発明の樹脂組成物に用いられる成分の一
つであるイオウ系酸化防止剤(F)とは、チオエーテル
系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、
チオカルバニリド系、およびチオジプロピオンエステル
系などのイオウを含む化合物である。これらの中でも、
特にチオジプロピオンエステル系化合物の使用が好まし
い。
【0020】本発明の樹脂組成物に用いられる成分の一
つであるリン系酸化防止剤(G)とは、リン酸、亜リン
酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、ポリホス
ホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファ
イト、およびジアルキルビスフェノールAジホスファイ
トなどのリンを含む化合物である。これらの中でも、分
子中にリン原子とともにイオウ原子も有する化合物、あ
るいは分子中に2つ以上のリン原子を有する化合物の使
用が好ましい。
【0021】これらの酸化防止剤(D)〜(G)の配合
組合せは、(D)単独、(E)+(F)の組合せ、
(E)+(G)の組合せ、(E)+(F)+(G)の組
合せ、(D)+(E)+(F)の組合せ、(D)+
(E)+(G)の組合せ、(D)+(E)+(F)+
(G)の組合せのうちから選ぶのが好ましい。
【0022】また、これらの酸化防止剤(D)〜(G)
の配合量は、いずれも熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
(A)100重量部に対しそれぞれ0.01〜5重量
部、好ましくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは
0.1〜1.5重量部である。酸化防止剤(D)〜
(G)の配合量が0.01重量部未満では目的とする改
良効果の得られる度合いが小さく、また5重量部を越え
るとブルーミングを生じたり、熱可塑性共重合ポリエス
テル樹脂組成物の機械的強度が低下したりするため好ま
しくない。
【0023】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物に用いられる成分の一つであるポリアミド樹脂
(H)とは、分子鎖中にアミド結合を有する高分子化合
物であり、ラクタムからの重合体や、アジピン酸、セバ
シン酸、ドデカンジオン酸などと、エチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミンなどと
の反応により得られる塩の重合体、または、ω−アミノ
カルボン酸からの重合体などが挙げられる。これらのポ
リアミド樹脂は共重合体でも良いし、異なる重合体を2
種類以上組み合わせて使用してもよい。これらのポリア
ミド樹脂の中でも、2元あるいは3元以上の共重合ポリ
アミド樹脂を用いた場合に、さらに高い効果が得られ
る。
【0024】ポリアミド樹脂(H)の配合量は、熱可塑
性共重合ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し
0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部、
さらに好ましくは0.5〜5重量部である。ポリアミド
樹脂(B)の配合量が0.1重量部未満では目的とする
改良効果の得られる度合いが小さく、また20重量部を
こえると熱可塑性共重合ポリエステル樹脂の本来有して
いる柔軟性やゴム的性質が損なわれることになるため好
ましくない。
【0025】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、
例えば、熱可塑性共重合ポリエステル樹脂に所定の酸化
防止剤を配合した原料を、スクリュー型押出機に供給し
溶融混練する方法、またスクリュー型押出機に、まず共
重合ポリエステル樹脂を供給して溶融し、さらに他の供
給口より酸化防止剤を供給して混練する方法など、適宜
採用することができる。
【0026】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添
加剤を添加することができる。例えば公知の結晶核剤や
滑剤などの成形助剤、耐光剤、顔料や染料などの着色
剤、帯電防止剤、導電剤、難燃剤、補強剤、充填剤、可
塑剤、離型剤などを任意に含有することができる。
【0027】本発明の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
組成物は、成形性に優れ、高い機械的強度と、耐衝撃
性、弾性回復性、柔軟性などのゴム的性質を有し、温水
や熱水または水蒸気雰囲気下での長期の使用に耐え、さ
らに耐油性や耐熱エージング性にも優れる。このため、
自動車、電子・電気機器、精密機器用途の成形品、各種
シート、各種フィルムなどに有用である。
【0028】
【実施例】以下に実施例によって本発明の効果を説明す
る。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない
場合すべて重量基準である。また、実施例中に示される
物性は次のように測定した。 [相対粘度]o−クロロフェノールを溶媒とした0.5
%のポリマ溶液を25℃で測定した。 [融点]差動走査熱量計(Du Pont社製DSC−
910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分
の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定
した。 [硬度(ショアDスケール)]JIS K−7215に
準じて測定した。 [耐加水分解性]射出成形して作ったJIS 2号型ダ
ンベル試験片を、十分な量のイオン交換水とともに耐圧
ボンベに入れて密封したのち、100℃の熱風オーブン
中で処理して、引張破断伸びが初期値の半分までに低下
する時間を評価した。 [耐油性]射出成形して作ったJIS 2号型ダンベル
試験片を、120℃のASTMNo.3オイルに浸漬
し、引張破断伸度が初期値の半分に低下する時間を測定
した。 [耐熱エージング性]射出成形して作ったJIS 2号
型ダンベル試験片を、150℃の熱風オーブン中でエー
ジングし、引張破断伸びが初期値の半分に低下する時間
を測定した。 参考例1〜3 テレフタル酸145部、純度98%の水素添加したダイ
マー酸である”プリポール”1009(ユニケマ社製)
117部および1,4−ブタンジオール160部を、テ
トラ−n−ブチルチタネート0.15部、モノ−n−ブ
チル−モノヒドロキシスズオキサイド0.03部ととも
に、ヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込
み、190〜225℃で反応水を系外に留出しながらエ
ステル化反応を行なった。反応混合物にテトラ−n−ブ
チルチタネート0.45部を追添加し、さらに”イルガ
ノックス”1098(チバガイギー社製アミド基含有ヒ
ンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤、分子量637)0.
15部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分
かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条
件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを
水中にストランド状で吐出し、カッティングを行ってペ
レット化して、水素添加したダイマー酸が全ジカルボン
酸成分の19モル%である共重合ポリエステル樹脂(A
−1)を得た。これと同様に、表1に示す共重合ポリエ
ステル樹脂(A−2)と(A−3)を得た。得られた共
重合ポリエステル樹脂の物性を表1に示す。
【0029】
【表1】 [モノカルボジイミド化合物]下記実施例において使用
したモノカルボジイミド化合物は以下のとおりである。 B−1:ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カル
ボジイミド [ポリカルボジイミド化合物]下記実施例において使用
したモノカルボジイミド化合物は以下のとおりである。 C−1:トリイソプロピルフェニレン−1,3−ジイソ
シアネートの重合体 [酸化防止剤]下記実施例において使用した酸化防止剤
は以下のとおりである D−1:ユニロイヤル社製ジフェニルアミン系酸化防止
剤"ナウガード"445 E−1:チバガイギー社製ヒンダードフェノール系酸化
防止剤"イルガノックス"1010(分子量:1177.
7) F−1:トリラウリルトリチオジプロピオネート G−1:旭電化工業社製リン系酸化防止剤"アデカスタ
ブ"PEP−4C(分子中に2個のリン原子を含有) [ポリアミド樹脂の製造]ポリカプロラクタムとポリヘ
キサメチレンアジパミドの組成比が約65/35からな
る共重合体(ポリアミド樹脂(H−1))、およびポリ
カプロラクタムとポリヘキサメチレンアジパミドおよび
ポリヘキサメチレンセバカミドの組成比が約45/35
/20からなる3元共重合体(ポリアミド樹脂(H−
2))を製造した。 実施例1〜8 参考例で得られた共重合ポリエステル樹脂(A−1)、
(A−2)、(A−3)に、カルボジイミド化合物、酸
化防止剤、ポリアミド樹脂をいずれも表2に示すような
配合比率でドライブレンドし、45mmφのスクリュー
を有する2軸押出機を用いて、240℃で溶融混練した
のちペレット化した。このペレットを80℃で5時間乾
燥後、成形温度240℃、金型温度60℃で、JIS
2号型ダンベルに射出成形した。これらの結果を表3に
示す。 比較例1〜8 樹脂組成物の原料を表2に示した各配合比率でドライブ
レンドし、実施例1〜8と同様にペレット化を行った。
これらのペレットと、参考例で得られたポリエステルブ
ロック共重合体(A−1)〜(A−3)そのものから、
実施例1〜8と同様に射出成形してダンベルを作り、同
様に評価した。これらの結果を表3に併せて示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】 表3の結果から明らかなように、本発明の熱可塑性共重
合ポリエステル樹脂組成物は、耐加水分解性および耐油
性と耐熱エージング性に優れている。一方、比較例の樹
脂組成物は、本発明の組成物に比較して、耐加水分解性
や耐油性や耐熱エージング性が劣っている。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、熱可塑性共重合ポ
リエステル樹脂にモノカルボジイミド化合物、および/
またはポリカルボジイミド化合物を配合した熱可塑性共
重合ポリエステル樹脂組成物は、優れた耐加水分解性と
耐油性と耐熱エージング性を有する成形品を与えること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/36 C08K 5/36 5/49 5/49 //(C08L 67/02 79:00) (C08L 67/02 77:00 79:00) Fターム(参考) 4J002 CF041 CM052 DA049 DH020 EJ028 EJ038 EN067 EN068 ER006 EV048 EV069 EV078 EV258 EW060 EW120 FD070 FD077 FD078 FD079 GM00 GN00 GQ00 4J029 AA03 AB01 AD01 AE01 AE03 BA01 BA05 CB04A CB05A CB06A CB10A CC06A CD04 CF15 CH02 DB02 HA01 HB01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸(a−1)と、水素添
    加したダイマー酸(a−2)とを主成分とし、水素添加
    したダイマー酸(a−2)が、全ジカルボン酸成分の1
    〜60モル%であるジカルボン酸成分(a)と、1,4
    −ブタンジオールを主成分とする分子量300以下の低
    分子量グリコール(b)とから得られる熱可塑性共重合
    ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、モノカ
    ルボジイミド化合物(B)および/またはポリカルボジ
    イミド化合物(C)0.01〜10重量部を配合してな
    る熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱可塑性共重合ポリエステ
    ル樹脂組成物100重量部に、さらに、芳香族アミン系
    酸化防止剤(D)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
    (E)、イオウ系酸化防止剤(F)、リン系酸化防止剤
    (G)それぞれ0.01〜5重量部を、下記組み合わせ
    のいずれかで配合してなる熱可塑性共重合ポリエステル
    樹脂組成物。[(D)単独、(E)+(F)の組合せ、
    (E)+(G)の組合せ、(E)+(F)+(G)の組
    合せ、(D)+(E)+(F)の組合せ、(D)+
    (E)+(G)の組合せ、(D)+(E)+(F)+
    (G)の組合せ]
  3. 【請求項3】請求項2記載の熱可塑性共重合ポリエステ
    ル樹脂組成物100重量部に、さらに、ポリアミド樹脂
    (H)0.1〜20重量部とを配合してなる熱可塑性共
    重合ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記芳香族ジカルボン酸(a−1)がテレ
    フタル酸またはナフタレンジカルボン酸である請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性共重合ポリエステ
    ル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記水素添加したダイマー酸(a−2)の
    純度が94%以上である請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記水素添加したダイマー酸(a−2)の
    純度が98%以上である請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記モノカルボジイミド化合物(B)が、
    ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミ
    ドである請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性
    共重合ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記ポリカルボジイミド化合物(C)が、
    トリイソプロピルフェニレン−1,3−ジイソシアネー
    トの重合体である請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記芳香族アミン系酸化防止剤(D)がジ
    フェニルアミン系化合物である請求項2または3のいず
    れか1項に記載の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤
    (E)が分子量500以上のヒンダードフェノール系化
    合物である請求項2または3のいずれか1項に記載の熱
    可塑性共重合ポリエステル樹脂組成物。
  11. 【請求項11】前記イオウ系酸化防止剤(F)がチオジ
    プロピオン酸エステル化合物である請求項2または3の
    いずれか1項に記載の熱可塑性共重合ポリエステル樹脂
    組成物。
  12. 【請求項12】前記リン系酸化防止剤(G)が分子中に
    リン原子とともにイオウ原子も有する化合物である請求
    項2または3のいずれか1項に記載の熱可塑性共重合ポ
    リエステル樹脂組成物。
  13. 【請求項13】前記リン系酸化防止剤(G)が分子中に
    2つ以上のリン原子を有する化合物である請求項2また
    は3のいずれか1項に記載の熱可塑性共重合ポリエステ
    ル樹脂組成物。
  14. 【請求項14】前記ポリアミド樹脂(H)が共重合ポリ
    アミド樹脂である請求項3に記載の熱可塑性共重合ポリ
    エステル樹脂組成物。
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