JP2000282322A - セルロースアセテートフィブリル及びその製造方法並びにその賦形口金 - Google Patents

セルロースアセテートフィブリル及びその製造方法並びにその賦形口金

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JP2000282322A
JP2000282322A JP8787199A JP8787199A JP2000282322A JP 2000282322 A JP2000282322 A JP 2000282322A JP 8787199 A JP8787199 A JP 8787199A JP 8787199 A JP8787199 A JP 8787199A JP 2000282322 A JP2000282322 A JP 2000282322A
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cellulose acetate
fibril
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fibrils
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JP8787199A
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English (en)
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Katsuhiko Shinada
勝彦 品田
Michiharu Uenishi
理玄 上西
Hiroyuki Fujiki
浩之 藤木
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エアーフィルター素材に適した形態、比表面積
及び濾水度を有するセルロースアセテートフィブリル
と、同フィブリルの工業的に優位な製造方法と、前記フ
ィブリル用の賦形口金とを提供する。 【解決手段】賦形口金(1) は、0.06mmφ以上 0.2mmφ未
満の直径の円形断面をもち、紡糸原液の吐出口(4b)を有
する紡糸原液流路(4) と、凝固剤流体の噴射口(8a)を有
する凝固剤流体流路(8) と、前記吐出口(4b)及び前記噴
射口(8a)が開口すると共に下流端に紡出口(7) を有する
合流部(6) とを備えている。紡糸原液の吐出線(A) と凝
固剤流体の噴射線(B) とのなす角度θは0°<θ≦90°
であり、前記吐出線(A) と前記噴射線(B) との交点(P)
が前記紡出口(7) よりも下流側に位置している。前記賦
形口金(1) により重合体濃度が10重量%以上20重量%未
満である紡糸原液を紡糸することにより、比表面積が10
m2/g以上、濾水度が200ml以上、及び篩い分け試験によ
る 150メッシュ通過分が10重量%以下であるセルロース
アセテートフィブリルを製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアーフィルター
材料、特にタバコ用フィルター材料として適した単位g
当たりの表面積(比表面積)と形態とを有するセルロー
スアセテートフィブリルと、同セルロースアセテートフ
ィブリルの製造方法と、同セルロースアセテートフィブ
リルの賦形口金とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からタバコ用フィルターとしては、
セルロースアセテートフィルター、紙フィルター、レイ
ヨンフィルター、及びそれらに活性炭微粒子を包み込ん
だ活性炭フィルターがある。これらフィルターのうち、
紙フィルター及びレイヨンフィルターは、煙中のニコチ
ン成分及びタール成分の吸着性能に優れているが、一方
で水分をも多量に吸着してしまうため、タバコの味が辛
(つら)くなり、香喫味を損なうといった欠点がある。
【0003】また、活性炭フィルターもニコチン成分及
びタール成分を十分に吸着するが、タバコ煙における気
相成分の吸着能力が高すぎるため喫味を害し、更には喫
煙時に異臭が感じられるという欠点がある。
【0004】これに対してセルロースアセテートフィル
ターは、紙フィルターやレイヨンフィルターに比べて水
分の吸着量が低く、香喫味を損なわない程度の程良い吸
湿性を有しているため、香喫味を損なうことがない。ま
た、タバコ煙中の固体や液体に対する濾過性能をもち、
ニコチン成分及びタール成分に対しても適度な吸着能力
を有している。この様に、セルロースアセテートフィル
ターはタバコ用フィルターとして、性能面やコスト面に
おいて上述した他のフィルターよりも優れているため、
その使用量は他のフィルターを遥かに凌ぐものである。
【0005】ところで、近年になって喫煙の健康に及ぼ
す影響が極めて大きな問題として取り上げられるように
なり、タバコのニコチン成分及びタール成分の除去率
(吸着性能)を従来より高めることが強く要請されてい
る。そこで、セルロースアセテートフィルターにおい
て、上述したようなセルロースアセテートの素材の利点
を十分に活かし、且つ、タバコのニコチン成分及びター
ル成分の吸着性能を高めるために種々の提案がなされて
いる。
【0006】例えば、従来から、フィルターの吸着面積
を増大することによりタバコのニコチン成分及びタール
成分の吸着性能を高める方法が提案されている。その具
体的な例としては、セルロースアセテート繊維の繊度を
細デニール化する方法、セルロースアセテート繊維を異
形断面とする方法、タバコ用フィルターの長さを更に長
くする方法などが挙げられる。
【0007】タバコ用フィルターに使用されるセルロー
スアセテート繊維は、一般に乾式紡糸法により製造され
ている。乾式紡糸でセルロースアセテート繊維を製造す
る場合、紡糸ノズルから紡糸されたセルロースアセテー
ト繊維は、紡糸塔内の加熱雰囲気中で溶剤を蒸発させ
る。かかる乾式紡糸において細繊度化を図る場合に、前
述したようにセルロースアセテート繊維は紡糸塔内に一
定時間滞在させる必要があるため、紡糸速度を高めての
細繊度化は困難である。そこで、繊度を細くするために
は、紡糸原液を紡糸ノズルから押し出す速度と巻き取り
速度との比で示される紡糸ドラフト比を大きくすること
が考えられる。この紡糸ドラフト比は、タバコ用フィル
ターに使用されるセルロースアセテート繊維の場合、通
常、1以下である。このドラフト比を1より大きくした
場合にはドラフト切れが多発し、ドラフト比の増大は実
質的に不可能である。また、紡糸ノズルの孔径を小さく
して、紡糸原液の吐出量を下げることによりある程度の
細繊度化が達成できるが、この場合には生産性が著しく
低下するといった問題がある。
【0008】また、セルロースアセテートの異形断面繊
維の開発によるニコチン成分及びタール成分の吸着性能
は未だ十分に向上されてはおらず、その開発には限界が
ある。更に、タバコ用フィルターの長さを長くして吸着
性能を向上させる場合には、セルロースアセテート繊維
の使用量が増加するため、タバコ用フィルターのコスト
が高くなり、好ましくない。
【0009】かかる問題から、近年では、タバコ用フィ
ルター材料としての新規なセルロースアセテート素材が
提案されている。特に、セルロースアセテート繊維をフ
ィブリルと呼ばれる、多数の分岐構造を有し、繊維の断
面構造にも凹凸があり、更に繊維側面の表面構造にも著
しい隆起を有する、比表面積の大きな繊維構造体に形成
するための方法が多数提案されている。
【0010】例えば、特公昭50−38720号公報に
開示されているタバコ用フィルター素材は、セルロース
のアセチル誘導体からなるフィブリル状のミクロファイ
バーから構成される繊維状物を主材としており、同繊維
状物は表面積が3m2 /g以上と、通常のセルロースア
セテート繊維の表面積(0.5m2 /g)よりも大きな
表面積を有している。
【0011】また、特開昭53−45468号公報に開
示されているタバコフィルターに適したシート状構造物
は、セルロースエステル短繊維とセルロースエステル小
繊維とから構成されている。前記セルロースエステル小
繊維とは、5.0m2 /g以上の表面積をもち、長さは
1000μmより短く、表径が約0.5〜50μmの繊
維状物である。
【0012】これらのように比表面積の大きなフィブリ
ルを主材とするタバコ用フィルターは、タバコの煙中に
含まれるエアロゾルがショートパスすることなく、フィ
ブリルと衝突を繰り返すことにより、フィルター中での
タバコ煙の滞在時間が長くなり、しながら同フィブリル
に吸着捕捉されることにより優れた濾過特性を示し、タ
バコ煙からニコチン成分やタール成分を効率よく除去で
きる。
【0013】このような特性をもったフィブリルの製造
方法について、無数のフィブリル繊維の連続糸(プレキ
シフィラメント)を製造する方法としては、例えば特開
昭40−28125号公報及び特開昭41−6215号
公報に開示されているフラッシュ紡糸方式がよく知られ
ている。このフラッシュ紡糸方式は、結晶性重合体を溶
剤に溶解した紡糸原液を、前記溶剤の正規の沸点よりも
高温で、且つ自生の蒸気圧或いはそれ以上の高い圧力下
にある高圧域から、適当な形状のオリフィスを通って低
圧域へと押し出すことにより、前記溶剤を紡糸原液から
激しく蒸発させて、押し出された重合体の多数を引裂さ
せることによって連続的なフィブリル繊維を形成せしめ
るものである。
【0014】このフラッシュ紡糸方式をセルロースアセ
テートへ適用した例として、例えば特開昭49−751
8号公報に開示されている連続した繊維状糸条体の製造
方法では、常圧での沸点が80℃以下の溶剤に、少なく
とも70%以上がセルロースアセチル誘導体からなる重
合体を5〜50重量%の濃度になるように溶解した溶液
を、150〜190℃の温度で、ノズル通過線速度が3
0m/sec以上となるように、溶剤の自生圧、或いは
それ以上の圧力で吐出している。かかる製造方法によ
り、最小構成単位が直径0.1〜20μmの大きさを有
する多数のフィブリル状フィラメントから構成され、そ
のフィブリル状フィラメントの一部或いは大部分がお互
いに絡合い、且つその比表面積が2m2 /g以上の連続
した繊維状糸条体を製造することができるとしている。
しかしながら、かかるフラッシュ紡糸方式は重合体溶液
の高温高圧下での取り扱いが必須となり、工業的には必
ずしも優位な方法とはいえない。
【0015】そこで、例えば特開昭52−96231号
公報にはセルロースアセテートを溶媒に溶解したセルロ
ースアセテート濃度が5〜20重量%である溶液を、前
記溶媒の濃度が15〜45重量%である同溶媒と水とか
らなる沈殿剤中に撹拌下に導入するセルロースアセテー
トパルプの製造方法が提案されている。この方法では、
溶液中のセルロースアセテート濃度、沈殿剤中の溶媒濃
度、及び沈殿剤の剪断を制御する必要があり、その制御
が煩雑となる。特に、撹拌による剪断作用の制御は工業
的な規模を考慮した場合に過大な設備が必要となるな
ど、同方法は工業的に有用であるとは言いがたい。ま
た、溶液のセルロースアセテート濃度は20%以下であ
ることが前提であるため、後の溶剤回収などの後処理で
の負荷が大きくなり、好ましくない。
【0016】また、特開昭53−45468号公報に開
示されているフィルター材料の製造方法では、アセトン
又は酢酸にセルロースアセテートを溶解した溶液が毛細
管針を通して供給される。この毛細管針の先端は凝固液
(熱水又は冷水)が通るベンチュリ管の喉部の位置に設
置されており、前記毛細管から吐出された前記溶液は、
のど部における高速水流によって薄められ、或いは溶媒
が置換されて、セルロースアセテートのフィブリル状小
繊維が得られる。この方法にあっても、セルロースアセ
テート溶液におけるセルロースアセテートの濃度範囲は
5〜10重量%と低濃度であるため、溶剤回収などの後
処理での負荷が大きい。
【0017】更に、特開昭51−33358号公報に開
示されているシガレット用フィルター素材の製造法で
は、セルロースのアセチル誘導体を溶媒に溶解した紡糸
原液を、高速で流れている前記アセチル誘導体に対する
凝固液中に導入することにより、フィブリル状のミクロ
ファイバーから構成される繊維状物を形成している。こ
の方法では、紡糸原液を比較的、高濃度とすることが可
能であるが、十分な比表面積をもつ繊維状物を形成する
ためには、凝固剤の高流速環境をつくらなければならな
い。例えば、同公報に開示された実施例では紡糸原液と
凝固剤との供給にアスピレーター方式を採用している
が、アスピレーターの最狭窄部において、凝固剤の線流
速を600m/min.と極めて高速に設定している。
この方法では凝固剤の線流速を高速に維持するために、
形成されたフィブリル状の繊維状物、溶媒及び凝固剤の
懸濁液は、細いキャピラリーの中を通過させる必要があ
る。しかしながら、前記キャピラリーは閉塞を起こしや
すく、工業的な規模での製法としては満足できるもので
はない。
【0018】また、特開平7−197314号公報に開
示されているセルロースエステルフィブリル物質の製造
法は、径の異なる3つの管をその軸を一致させて配し、
中心の細管からベントナイト、活性炭、ゼオライトなど
を含むスラリー状の添加剤を吐出すると共に、その外側
の環状キャビティからセルロースエステル溶液を、更に
最外側の環状導管からは凝固剤液体を吐出している。こ
のように、フィブリルの形成時においてスラリー状の添
加剤を注入することにより、添加剤がフィブリルの表面
に固定され、約5.0m2 /g(好ましくは、約20m
2 /g)を越える表面積、約1000ミクロン未満(好
ましくは、約20〜約200ミクロン)の長さ、及び約
0.2〜約90ミクロン(好ましくは、約0.5〜約5
0ミクロン)の直径を有し、且つ表面に添加剤が埋め込
み又は含浸されたフィブリルを得ることができる。この
ように、同方法によれば表面積の高いセルロースエステ
ルからなるフィブリルを得ることができるが、同フィブ
リルには添加剤を含有させなくてはならないために製造
工程が煩雑になり、また、コストも高くなってしまう。
【0019】ここで、糸または不織布等のシート状物を
得るための原料として、パルプに代表される不連続にフ
ィブリル化された繊維(以下、「フィブリル化繊維」が
好適に利用されている。このフィブリル化繊維は、上述
したようにエアーフィルターなどの分野において、低圧
力損失、高濾過性能を有する表面積の大きな極細繊維が
有効に利用されており、更に表面積を増加して濾過効率
を向上させることが提案されている。
【0020】例えば、特開平9−324318号公報に
開示された不連続フィブリル化繊維の製造方法によれ
ば、溶剤に高分子重合体を溶解した紡糸原液を賦形口金
のオリフィスを通じて同賦形口金内の混合セルへと押し
出すと同時に、前記重合体の凝固剤流体を同賦形口金の
ノズルを通じて前記混合セル内に、前記紡糸原液の吐出
線方向に対して0°以上90°未満の角度で噴出し、同
混合セル内で前記紡糸原液とを混合し、それにより凝固
した前記重合体を前記凝固剤流体の剪断流により剪断し
て不連続フィブリル化繊維を形成している。かかる方法
により得られた不連続フィブリル化繊維は、幅0.1μ
m〜500μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル
状及びフィルム状物のセルロースエステルから構成さ
れ、少なくとも1000μm以上の長さを有し且つ分岐
構造を有したフィブリル状またはフィルム状物の割合が
5重量%以上である。
【0021】上記公報に開示されている製造方法におけ
る賦形口金内の混合セルとは、紡糸原液と凝固剤流体と
の接触位置から下方に設けられた所定長さを有する空間
のことであり、同混合セルにおいて紡糸原液と凝固剤流
体とが混合され、それにより重合体が凝固し、更に凝固
した重合体には剪断が与えられる。かかる混合セルを設
けることにより、紡糸原液に効率よく凝固剤流体を作用
させることができ、得られたフィブリル状又はフィルム
状繊維は、比表面積が5m2 /g以上と高く、タバコ用
フィルターの素材として適した性能を有するものであ
る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記公報では
前記混合セルの長さは、前記紡糸原液の吐出線と前記凝
固剤流体の噴出線との交点よりも下流側に少なくとも1
mm以上が必要であるとしている。しかしながら、前記
混合セルの長さを前記交点よりも1mm以上下流側とし
た場合、生成されたフィブリル化繊維の一部が、混合セ
ル壁面に徐々に貼り付くという現象が生じ、最終的には
前記混合セルがフィブリル化繊維によって閉塞されてし
まい、長時間にわたる安定した紡糸が困難となる。
【0023】また、上記公報に開示された製造方法によ
り製造されたフィブリル状又はフィルム状繊維は、カナ
ディアンフリーネステスターによる濾水度(JIS P
−8121)が200ml未満であることから、同繊維
を湿式抄紙法によりシートに形成する場合、シートの断
裂が起こるという問題がある。また、得られた繊維のな
かには、直径1mm以上の分散しにくい繊維の固まりが
含まれる場合があり、かかる繊維の固まりが存在する
と、同フィブリル化繊維をシートに形成する場合、得ら
れたシートの表面に前記繊維の固まりによる凹凸が生じ
たり、厚みが不均一になるという問題があるだけでな
く、プラグ化の際に白粉が発生する原因ともなり工業的
に問題である。
【0024】本発明はかかる問題を解決すべくなされた
ものであり、本発明の目的は、エアーフィルター、特に
タバコ用フィルターの素材として適した形態、比表面積
及び濾水度を有するセルロースアセテートフィブリル
と、同セルロースアセテートフィブリルの工業的に優位
な製造方法と、前記セルロースアセテートフィブリル用
の賦形口金とを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本件請求項1に係る発明は、比表面積が10m2
g以上、濾水度が200ml以上、及び篩い分け試験に
よる150メッシュ通過分が10重量%以下であること
を特徴とするセルロースアセテートフィブリルを主要な
構成としている。
【0026】本発明における「セルロースアセテートフ
ィブリル」とは、3次元網状組織を形成するための約
0.1μm〜約100μmの太さからなる無数の微細な
繊維が枝分かれした構造を有する繊維及びその集合体を
意味するものであって、特に限定されるものではない
が、同フィブリルの長さは数10μm〜1cmの範囲に
ある。これらのフィブリルは不織布及び合成紙を通常の
方法により製造する際の素材として好適な形態を与え
る。また、「セルロースアセテート」には、セルロース
ジアセテート及びセルローストリアセテートも含まれ
る。なお、タバコフィルター用としては、セルロースジ
アセテートが好ましく用いられる。
【0027】本発明のセルロースアセテートフィブリル
は、比表面積が10m2 /g以上と大きいため、エアー
フィルターの素材として用いた場合に濾過性能に優れ、
特にタバコ用フィルターの素材として用いる場合には、
ニコチン成分やタール成分を十分に吸着、濾過できる。
【0028】なお、セルロースアセテートフィブリルを
タバコ用フィルターに加工する方法としては、公知の技
術を組み合わせることができる。例えば、前記セルロー
スアセテートフィブリルを紙や不織布のようなシート状
物に加工した後、プラグ巻き上げ機によりタバコ用フィ
ルターに加工することが出来る。また、活性炭粒子をア
セテートトウに分散させる手法に準じて、本発明のセル
ロースアセテートフィブリルをアセテートトウに分散さ
せ、プラグ巻き上げ機によりタバコ用フィルターに加工
することも可能である。
【0029】本発明のセルロースアセテートフィブリル
は、タバコ用フィルター素材として適しており、上述し
たようにニコチンやータール分を吸着/濾過するために
充分な比表面積と、後述するようにタバコフィルターに
加工するために適した形態とを兼ね備えている。
【0030】本発明のセルロースアセテートフィブリル
は、その繊維長が、篩い分け試験(JIS P−820
7)における150メッシュ通過分が10重量%以下と
する必要がある。セルロースアセテートフィブリルの繊
維長が短いと、フィルタに加工する際の取り扱いが煩雑
となる。例えば、前記セルロースアセテートフィブリル
を湿式法により連続的に抄紙してシート状物を製造する
場合、抄紙ネットからのセルロースアセテートフィブリ
ルの抜け分が多くなり、収率の低下と廃水の白水化を引
き起こすため好ましくない。また、乾式法によりシート
状物を製造する場合は、気流中に浮遊するセルロースア
セテートフィブリルが増加し、作業環境の悪化を引き起
こす虞れがある。更に、シート状物に繊維長の短いセル
ロースアセテートフィブリルが多量に存在すると、同シ
ート状物の力学的強度が低下するため、好ましくない。
【0031】また、繊維状物のフィブリル化度の指標で
あるカナディアンフリーネステスターによる濾水度(J
IS P−8121)は200ml以上であることが望
ましい。濾水度が200ml以下のセルロースアセテー
トフィブリルを用いて湿式抄紙法によりシート状物を製
造する場合、シート状物の断裂が起こる可能性が高いた
め好ましくない。
【0032】更に、本件請求項2に係る発明によれば、
セルロースアセテートフィブリルの配合比を50重量%
としてJIS P−8209のパルプ試験用手漉き紙調
製方法により調製した坪量が40g/m2 のシートか
ら、一辺が50mmの大きさの正方形に切り取った試験
片において、直径1mm以上の分散しにくい繊維の固ま
りの数が10個以下である。前記繊維の固まりの数が1
0個以上存在する場合には、前記シートの表面に前記繊
維の固まりによる凹凸が生じ、また、前記シートをフィ
ルターとして使用する場合には、そのフィルターの性能
が不均一となる。更には、前記シートをプラグ化する場
合に、前記繊維の固まりは白粉発生の原因ともなり工業
的に問題である。
【0033】かかるセルロースアセテートフィブリルを
製造するために、本件の請求項3に係る発明は、紡糸原
液の吐出口を有する紡糸原液流路と、凝固剤流体の噴射
口を有する凝固剤流体流路と、前記紡糸原液の吐出口と
前記凝固剤流体の噴射口とが開口すると共に下流端に紡
出口を有する合流部とを備えてなるフィブリル賦形口金
から、セルロースアセテートフィブリルを凝固液中に紡
出し、セルロースアセテートフィブリルを製造する方法
であって、重合体濃度が10重量%以上20重量%未満
である紡糸原液を、直径が0.06mmφ以上0.2m
mφ未満である円形の横断面形状をもつ紡糸原液流路か
ら合流部内に吐出すること、及び、前記紡糸原液の吐出
線と凝固剤流体の噴射線とのなす角度θが0°より大き
く90°以下であり、且つ前記吐出線と前記噴射線との
交点が前記合流部の紡出口よりも下流側に位置するよう
に形成された凝固剤流体流路から、前記合流部内の紡糸
原液に向けて凝固剤流体を噴射すること、を特徴とする
セルロースアセテートフィブリルの製造方法を主要な構
成としている。
【0034】紡糸原液の重合体濃度は10重量%以上2
5重量%未満に設定する。前記重合体濃度が10重量%
未満である場合、廃液からの溶剤回収の負荷が増大する
ため工業的に好ましくない。また、前記重合体濃度が2
5重量%以上である場合には、得られたセルロースアセ
テートフィブリルの比表面積が10m2 /g未満となる
ため好ましくない。
【0035】前記賦形口金における紡糸原液流路の横断
面形状は、直径が0.06mmφ以上0.2mmφ未満
の円形としている。前記横断面形状が円形以外、例えば
矩形である場合、得られたセルロースアセテートフィブ
リルには繊維の固まりが含まれるため好ましくない。繊
維の固まりが存在することにより、得られたセルロース
アセテートフィブリルをシートに形成した場合に、シー
ト表面には前記繊維の固まりによる凹凸が生じ、また、
シート厚みや同シートをフィルターとして使用した場合
の各種機能が不均一となるといった問題が生じる。更に
は、同シートをプラグ化する際に白粉が発生する原因と
もなり工業的にも問題である。
【0036】前記紡糸原液の吐出線と凝固剤流体の噴射
線とのなす角度θを0°<θ≦90°とすることにより、
凝固剤流体が前記紡糸原液の吐出線方向へと流れるよう
にすることができる。また、前記角度θを上述の範囲内
に設定することにより、形成されたセルロースアセテー
トフィブリル、紡糸原液内の溶媒及び凝固剤の混合液を
すみやかに賦形口金の紡出口から凝固液中へと紡出する
ことが可能になる。更に、前記角度θは10°〜80°
の範囲に設定することが好ましい。前記角度θをかかる
範囲内に設定することにより、十分にフィブリル化がな
された更に好適なセルロースアセテートフィブリルを得
ることができる。
【0037】紡糸原液の吐出線と凝固剤流体の噴出線と
が平行である場合、すなわち前記角度θが0°である場
合、紡糸原液と凝固剤流体とは混合が不十分となり、得
られるセルロースアセテートフィブリルの断面は円形又
は楕円形を呈し、断面の大きさも不規則となり好ましく
ない。また、前記角度θが90°を越えると紡糸原液と
凝固剤流体が十分混合されるものの、凝固したセルロー
スアセテートフィブリルにより、賦形口金の紡出口が詰
まりやすくなるため好ましくない。
【0038】更に、本発明では、紡糸原液の吐出線と凝
固剤流体の噴出線との交点を、賦形口金の紡出口よりも
下流側に位置させている。前記交点が前記紡出口よりも
下流側に位置させることにより、生成したセルロースア
セテートフィブリルの一部が合流部の壁面に徐々に貼り
付くことがなく、前記合流部内において閉塞が起こるこ
ともないため、長時間の安定した紡糸が可能となる。
【0039】更に、本件の請求項4に係る発明によれ
ば、前記凝固液の液面を、前記紡出口とほぼ同一の高さ
に位置させている。そのため、前記紡出口から紡出され
た紡糸原液と凝固剤流体との混合体が速やかに凝固液内
へと導入され、賦形口金の周囲に飛び散ることがない。
更には、紡糸原液の吐出線と凝固剤流体の噴出線との交
点が前記凝固液の液面より下方に位置することになるた
め、前記凝固液が前記紡糸原液の吐出圧や凝固剤流体の
噴出圧により攪拌され、生成したセルロースアセテート
フィブリルが凝固液中で円滑に分散される。
【0040】また、本件の請求項5に係る発明によれ
ば、前記凝固剤流体は水蒸気であり、蒸気圧が50KP
a以上250KPa未満で噴射する。前記蒸気圧が50
KPa未満の水蒸気である場合には、得られたセルロー
スアセテートフィブリル中に分散しにくい繊維の固まり
が含有されてしまうため好ましくない。一方、蒸気圧が
250KPa以上の水蒸気である場合、得られたセルロ
ースアセテートフィブリルの濾水度が100ml未満と
なり、同フィブリルをシートに加工の際、シート断裂が
発生するため好ましくない。
【0041】なお、上述した方法により、賦形口金の紡
出口から紡出されたセルロースアセテートフィブリル
は、更に凝固液中で洗浄され、溶媒が除去される。この
セルロースアセテートフィブリルは、例えば更なる洗浄
工程や叩解工程を経て、公知のシート賦形装置に供給さ
れる。この洗浄工程及び叩解工程は、本発明によるセル
ロースアセテートフィブリルの製造工程の後に連続的に
なされるよう、各工程における装置を連結することも可
能である。また、シート賦形後には、公知の方法により
乾燥を行うことによって、不織布又は紙を成形できる。
なお、本発明で使用される希釈剤、溶媒、及び凝固剤の
回収は、蒸留などの公知の方法を採用できる。
【0042】また、上述した製造方法に好適に使用でき
る賦形口金として、本件の請求項6に係る発明は、紡糸
原液の吐出口を有する紡糸原液流路と、凝固剤流体の噴
射口を有する凝固剤流体流路と、前記紡糸原液の吐出口
と前記凝固剤流体の噴射口とが開口すると共に下流端に
紡出口を有する合流部と、を備えてなるセルロースアセ
テートフィブリルを紡出するセルロースアセテートフィ
ブリル賦形口金であって、前記紡糸原液流路の横断面形
状は直径が0.06mmφ以上0.2mmφ未満の円形
であること、前記紡糸原液の吐出線と前記凝固剤流体の
噴射線とのなす角度θは0°以上90°未満であるこ
と、及び、前記吐出線と前記噴射線との交点が前記紡出
口よりも下流側に位置すること、を特徴とするセルロー
スアセテートフィブリル賦形口金を主要な構成としてい
る。
【0043】かかる賦形口金は上述したように、紡糸原
液流路の横断面形状が、直径が0.06mmφ以上0.
2mmφ未満の円形であるため、得られたセルロースア
セテートフィブリルには繊維の固まりが少ない。また、
前記紡糸原液の吐出線と凝固剤流体の噴射線とのなす角
度θを0°<θ≦90°とすることにより、凝固剤流体
が前記紡糸原液の吐出線方向へと流れるようにすること
ができる。更には、紡糸原液の吐出線と凝固剤流体の噴
出線との交点を、賦形口金の紡出口よりも下流側に位置
させているため、生成したセルロースアセテートフィブ
リルの一部が合流部の壁面に徐々に貼り付くことがな
く、前記合流部内において閉塞が起こることもない。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明における好適な実施
の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図
1は、本発明の好適な実施の形態である賦形口金の概略
を示す縦断面図である。
【0045】本実施形態による賦形口金1は、口金部材
2とスペーサ3とを備えている。前記口金部材2は、そ
の下面中央に逆載頭円錐形状の突出部2aを有してお
り、同突出部2aの中心線上に上下方向の貫通孔4が形
成されている。同貫通孔は、本発明の紡糸原液流路4を
構成し、その上端4aが紡糸原液の導入口4aとなって
おり、上流側の大径部からテーパ部を通って下流側の小
径部へと紡糸原液が流れ、前記小径部の下端の吐出口4
bから吐出される。同紡糸原液流路の吐出口4bは直径
が0.06mmφ以上0.2mmφ未満の円形である。
【0046】更に、前記口金部材2の下面には、前記突
出部2aの全周にわたって凹溝2bが形成されており、
同凹溝2bと前記スペーサ3の上面との間に形成される
空間が凝固剤流体の貯留部5を構成する。同貯留部5は
外周の一部に連通する凝固剤流体の導入口5aを有して
いる。
【0047】前記スペーサ3はその中心に断面が円形の
貫通孔3aが形成されている。同貫通孔3aはその上部
が逆載頭円錐形状をなす上記突出部2aの外周面と同一
の傾斜をもつテーパ面3bを有している。前記突出部2
aの頂面から前記貫通孔3aの下端に至までに形成され
る空間6が本発明の合流部6である。この合流部6の下
端は前記賦形口金1の紡出口7である。更に、前記テー
パ面3bと前記突出部2aとの間には連続するスリット
8が形成され、同スリット8は凝固剤流体流路を構成し
ている。この凝固剤流体流路8の噴射口8aは、前記合
流部6に開口している。
【0048】前記凝固剤流体流路8は、前記紡糸原液流
路4の中心線、即ち紡糸原液の吐出線Aと、同凝固剤流
体流路8の中心線、即ち凝固剤流体の噴射線Bとのなす
角度θが0°<θ≦90°となるように形成されてい
る。かかる角度θとすることで、前記凝固剤流体は紡糸
原液の吐出線Aの方向へ流れるように噴出される。更
に、前記吐出線Aと前記噴射線Bとの交点Pは、前記紡
出口7よりも下流側へ位置するように、前記凝固剤流体
流路8を形成している。前記交点Pをかかる位置に設定
することで、生成したセルロースアセテートフィブリル
が前記合流部6の壁面に貼り付いて合流部6内を閉塞す
るといったことが生じることもない。そのため長時間に
わたって安定した紡糸が可能となる。
【0049】更に図示実施例では、凝固液の液面Sが前
記紡出口7とほぼ同一の高さに位置している。そのた
め、前記紡出口7から紡出された紡糸原液と凝固剤流体
との混合体が速やかに凝固液内へと導入され、賦形口金
1の周囲に飛び散ることがない。更には、紡糸原液の吐
出線Aと凝固剤流体の噴出線Bとの交点Pが前記凝固液
の液面Sより下方に位置することになるため、前記凝固
液が前記紡糸原液の吐出圧や凝固剤流体の噴出圧により
攪拌され、生成したセルロースアセテートフィブリルが
凝固液中で円滑に分散される。
【0050】以下、本発明について具体的な実施例及び
比較例を挙げて説明する。 「実施例1」セルロースジアセテート(ダイセル化学製
MGH)18.0重量部をアセトン81.3重量部と
水0.7重量部との混合溶媒に室温にて1時間攪拌して
溶解させた紡糸原液を、タンクに移し150KPaの窒
素加圧下で押し出し、ギヤポンプを用いて図1に示した
賦形口金へ定量供給を行った。それと同時に、凝固剤流
体として水蒸気を前記賦形口金に供給した。このときの
水蒸気の供給量は減圧弁により供給圧力を規定すること
により制御した。なお、水蒸気の供給量は図1に示す賦
形口金から水蒸気のみを凝固液中に噴出させ、単位時間
当たりの凝固液の重量の増分を求めることにより測定し
た。
【0051】賦形口金には、横断面形状が直径0.1m
mφの円形である紡糸原液流路が26ホール形成されて
おり、同紡糸原液流路を囲むようにして、直径が2mm
の環状スリットからなり同スリットの開度が360μm
である凝固剤流体流路が形成されている。同紡糸口金の
前記紡糸原液流路と凝固剤流体流路とは、紡糸原液の吐
出線と、凝固剤流体の噴射線とのなす角度θが30°で
あり、前記吐出線と噴射線との交点が、前記賦形口金の
紡出口から下流側に0.5mmの位置となるように形成
されている。
【0052】かかる賦形口金を用いて、上述した紡糸原
液の供給量を96ml/min.、水蒸気の供給圧を1
25KPaとして、温度30℃の水中へ紡出した。この
ときの水蒸気の消費量は水換算で64g/min.であ
った。かかる条件下で24時間、連続運転を実施したと
ころ、賦形口金の紡出口での閉塞は起こらず、安定した
紡出が可能であった。
【0053】また、凝固液中に浮遊したセルロースジア
セテートの凝固体を捕集し、更に沸騰水中で1時間以上
洗浄を行った。得られた凝固体を濾過してセルロースア
セテートの含水フィブリル集合体を得た。この含水フィ
ブリル集合体の固形分重量は約25%であった。
【0054】この含水フィブリル集合体を再度水に分散
させ、約0.5重量%のフィブリル分散液を調整し、同
フィブリル分散液を希釈して、カナディアンフリーネス
テスターを用い、JIS P−8121に準拠して濾水
度を測定した。標準温度20℃、標準濃度0.30%へ
の補正を行った測定値は350mlであった。更に篩い
分け試験(JIS P−8207)における150メッ
シュ通過分を測定したところ、7重量%であった。
【0055】次に、この含水フィブリル集合体を80℃
の熱風で乾燥し、得られたセルロースアセテートフィブ
リルを走査型電子顕微鏡を用いて繊維側断面の形態を観
察した。さらに、投射型実体顕微鏡(日本光学社製プロ
ファイルプロジェクター V−12)を用いて繊維の長
さ方向の形態を観察した。得られたセルロースアセテー
トフィブリルは太さがサブμm〜20μm、長さが数1
0μm〜数mmのフィブリル状を呈する集合体であり、
その集合体は分岐構造を有した部分があり、全体として
樹木状の枝分かれ構造が観察された。任意の10個のセ
ルロースアセテートフィブリルについて平均繊維径及び
平均繊維長を測定したところ、平均繊維径は10μm、
平均繊維長は1.5mmであった。さらに、このセルロ
ースアセテートフィブリルの比表面積を自動比表面積測
定装置(マイクロメリティックス社製 ジェミニ237
5)を用いて測定したところ17m2 /gであった。
【0056】かかるセルロースアセテートフィブリルを
JIS P−8209(パルプ試験用手漉き紙調製方
法)により坪量40g/m2 のシートを調製した。手漉
きしたシートから一辺50mmの大きさの正方形の試験
片を3枚切り取り、繊維の固まりを数えたところ、繊維
の固まりの数はシート1枚当たり1個であった。
【0057】「実施例2」賦形口金として、横断面形状
が直径0.06mmφの円形である紡糸原液流路が52
ホール形成されているものを採用し、蒸気圧を75KP
aに設定した以外は、全て実施例1と同一の条件でセル
ロースジアセテートフィブリルの賦形を行った。24時
間連続運転を実施したところ、賦形口金の紡出口での閉
塞は起こらず、安定した紡糸が可能であった。また、投
射型実体顕微鏡を用い、任意の10個のセルロースアセ
テートフィブリルを観察したところ、平均繊維径が8μ
m、平均繊維長が1.2mmであった。また、同フィブ
リルの比表面積は16m2 /g、濾水度は300ml、
篩い分け試験における150メッシュ通過分は9重量%
であった。同セルロースアセテートフィブリルからJI
S P−8209により坪量40g/m2 のシートを調
製した。手漉きしたシートから一辺50mmの大きさの
正方形の試験片を3枚切り取って繊維の固まりを数えた
ところ、繊維の固まりの数はシート1枚当たり1個であ
った。
【0058】「実施例3」賦形口金として、横断面形状
が直径0.08mmφの円形である紡糸原液流路が30
ホール形成されているものを採用し、蒸気圧を125K
Paに設定した以外は、全て実施例1と同一の条件でセ
ルロースジアセテートフィブリルの賦形を行った。24
時間連続運転を実施したところ、賦形口金の紡出口での
閉塞は起こらず、安定した紡糸が可能であった。投射型
実体顕微鏡を用い、任意の10個のセルロースアセテー
トフィブリルを観察したところ、平均繊維径が10μ
m、平均繊維長が1.5mmであった。このセルロース
アセテートフィブリルの比表面積は12m2 /g、濾水
度は350ml、篩い分け試験における150メッシュ
通過分は5重量%であった。同セルロースアセテートフ
ィブリルをJIS P−8209により坪量40g/m
2 のシートに調製した。手漉きしたシートから一辺50
mmの大きさの正方形の試験片を3枚切り取って繊維の
固まりを数えたところ、繊維の固まりの数はシート1枚
当たり1個であった。
【0059】「実施例4」セルロースジアセテート(ダ
イセル化学製 MGH)13.0重量部をアセトン8
6.4重量部と水0.6重量部との混合溶媒に室温にて
1時間攪拌して溶解させた紡糸原液を使用し、蒸気圧を
70KPaに変更する以外は、実施例1と同一の条件で
セルロースジアセテートフィブリルの賦形を行った。
【0060】24時間連続運転を実施したところ、賦形
口金の紡出口における閉塞はなく、安定した紡糸ができ
た。投射型実体顕微鏡にて任意の10個のセルロースア
セテートフィブリルを観察したところ、平均繊維径が7
μm、平均繊維長が1.1mmであった。更に同セルロ
ースアセテートフィブリルの比表面積は22m2 /g、
濾水度は250ml、篩い分け試験における150メッ
シュ通過分は8重量%であった。同セルロースアセテー
トフィブリルからJIS P−8209により坪量40
g/m2 のシートを調製した。手漉きしたシートから一
辺50mmの大きさの正方形の試験片を3枚切り取り、
繊維の固まりを数えたところ、繊維の固まりの数はシー
ト1枚当たり1個であった。
【0061】「比較例1」賦形口金として、横断面形状
が直径0.1mmφの円形である紡糸原液流路が26ホ
ール形成されており、同紡糸原液流路を囲むようにし
て、直径が2mmの環状スリットからなり同スリットの
開度が360μmである凝固剤流体流路が形成されてお
り、同紡糸口金の前記紡糸原液流路と凝固剤流体流路と
は、紡糸原液の吐出線と、凝固剤流体の噴射線とのなす
角度θが30°であり、前記吐出線と噴射線との交点
が、前記賦形口金の紡出口から下流側に5mmの位置と
なるように形成されているものを採用した。それ以外の
条件は実施例1と同様にし、実施例1と同一の紡糸原液
を採用してセルロースジアセテートフィブリルの賦形を
行った。連続運転を実施したところ、紡糸開始から3時
間後に、賦形口金の紡出口で閉塞が起こり、セルロース
ジアセテートフィブリルの製造ができなかった。
【0062】「比較例2」セルロースジアセテート(ダ
イセル化学製 MGH)28.9重量部をアセトン6
6.9重量部と水1.2重量部との混合溶媒に室温にて
1時間攪拌して溶解させた紡糸原液を使用して、実施例
1と同一の条件でセルロースジアセテートフィブリルの
賦形を行った。投射型実体顕微鏡にて任意の10個のセ
ルロースジアセテートフィブリルを観察したところ平均
繊維径が30μm、平均繊維長が1.8mmであった。
また、このセルロースジアセテートフィブリルの比表面
積は2m2 /gと小さく、濾水度は710ml、篩い分
け試験における150メッシュ通過分は4重量%であっ
た。前記セルロースジアセテートフィブリルからJIS
P−8209により坪量40g/m2 のシートを調製
した。手漉きしたシートから一辺50mmの大きさの正
方形の試験片を3枚切り取って繊維の固まりを数えたと
ころ、繊維の固まりの数はシート1枚当たり15個と多
数の繊維の固まりが存在していた。
【0063】「比較例3」セルロースジアセテート(ダ
イセル化学製 MGH)8.0重量部をアセトン91.
6重量部と水0.4重量部との混合溶媒に室温にて1時
間攪拌して溶解させた紡糸原液を使用して、実施例1と
同一の条件でセルロースジアセテートフィブリルの賦形
を行った。投射型実体顕微鏡にて任意の10個のセルロ
ースジアセテートフィブリルを観察したところ、平均繊
維径が7μm、平均繊維長が0.2mmであった。この
セルロースジアセテートフィブリルの比表面積は25m
2 /gと大きかったが、濾水度が60mlと極めて小さ
く、また、篩い分け試験における150メッシュ通過分
は40重量%と、繊維長の短いものが多量であった。更
に、セルロースジアセテートフィブリルからJIS P
−8209により坪量40g/m2 のシートを調製し
た。手漉きしたシートから一辺50mmの大きさの正方
形の試験片を3枚切り取って繊維の固まりを数えたとこ
ろ、繊維の固まりの数はシート1枚当たり1個であっ
た。
【0064】「比較例4」賦形口金として、横断面形状
が短辺0.1mm×長辺1.2mmの矩形である紡糸原
液流路が26ホール形成されているものを採用し、実施
例1と同一の紡糸原液を使用して、実施例1と同様の条
件でセルロースジアセテートフィブリルの賦形を行っ
た。投射型実体顕微鏡にて任意の10個のセルロースジ
アセテートフィブリルを観察したところ、平均繊維径が
20μm、平均繊維長が2mmであった。このセルロー
スジアセテートフィブリルの比表面積は8m2 /gと小
さく、濾水度は420mlであった。篩い分け試験にお
ける150メッシュ通過分は5重量%であった。かかる
セルロースジアセテートフィブリルからJIS P−8
209により坪量40g/m2 のシートを調製した。手
漉きしたシートから一辺50mmの大きさの正方形の試
験片を3枚切り取り、繊維の固まりを数えたところ、繊
維の固まりの数はシート1枚当たり31個と、極めて多
数の繊維の固まりが存在していた。
【0065】「比較例5」蒸気圧を350KPaと極め
て高圧に変更する以外は、実施例1と同様の条件でセル
ロースジアセテートの賦形を行った。投射型実体顕微鏡
にて任意の10個のセルロースジアセテートフィブリル
を観察したところ、平均繊維径は8μm、平均繊維長は
0.2mmであった。このセルロースジアセテートフィ
ブリルの比表面積は20m2 /gと大きいが、濾水度は
100mlと小さく、篩い分け試験における150メッ
シュ通過分も28重量%と大きい。かかるセルロースジ
アセテートフィブリルからJIS P−8209により
坪量40g/m2 のシートを調製した。手漉きしたシー
トから一辺50mmの大きさの正方形の試験片を3枚切
り取って繊維の固まりを数えたところ、繊維の固まりの
数はシート1枚当たり2個であった。
【0066】「比較例6」蒸気圧を40KPaと低圧に
変更する以外は、実施例1と同様の条件でセルロースジ
アセテートの賦形を行った。投射型実体顕微鏡にて任意
の10個のセルロースジアセテートフィブリルを観察し
たところ、平均繊維径は25μm、平均繊維長は2mm
であった。このセルロースジアセテートフィブリルの比
表面積は3m2 /gと小さかったが、濾水度は650m
l、篩い分け試験における150メッシュ通過分は3重
量%であった。かかるセルロースジアセテートフィブリ
ルからJIS P−8209により坪量40g/m2
シートを調製した。手漉きしたシートから一辺50mm
の大きさの正方形の試験片を3枚切り取って繊維の固ま
りを数えたところ、繊維の固まりの数はシート1枚当た
り20個と多数の繊維の固まりが存在していた。
【0067】
【表1】
【0068】以上、説明したように、本発明のセルロー
スアセテートフィブリルは、エアーフィルター、特にタ
バコ用フィルターの素材として適した比表面積と形態と
を有するものであり、ニコチン成分やタール成分の吸
着、濾過性能に優れたものである。また、本発明の賦形
口金を用いて、本発明の製造方法により、かかる優れた
セルロースアセテートフィブリルを安価に、且つ、高効
率で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態である賦形口金の概略
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 賦形口金 2 口金部材 2a 突出部 2b 凹溝 3 スペーサ 3a 貫通孔 3b テーパ 4 紡糸原液流路(貫通孔) 4a 紡糸原液の導入口 4b 吐出口 5 貯留部 5a 凝固剤流体の導入口 6 合流部 7 紡出口 8 凝固剤流体流路(スリット) 8a 噴射口 A 紡糸原液の吐出線 B 凝固剤流体の噴射線 θ 吐出線Aと噴射線Bとのなす角度 P 吐出線Aと噴射線Bとの交点 S 凝固液の液面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤木 浩之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4L035 AA04 AA07 AA09 BB03 DD20 EE20 FF05 4L036 AA01 MA04 PA01 UA25 4L045 AA03 BA03 BA54 BA60 CB09 DA10 DA32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が10m2 /g以上、濾水度が
    200ml以上、及び篩い分け試験による150メッシ
    ュ通過分が10重量%以下であることを特徴とするセル
    ロースアセテートフィブリル。
  2. 【請求項2】 セルロースアセテートフィブリルの配合
    比を50重量%としてJIS P−8209のパルプ試
    験用手漉き紙調製方法により調製して得られる坪量が4
    0g/m2 のシートから、一辺が50mmの大きさの正
    方形に切り取った試験片において、直径1mm以上の分
    散しにくい繊維の固まりの数が10個以下である請求項
    1記載のセルロースアセテートフィブリル。
  3. 【請求項3】 紡糸原液の吐出口を有する紡糸原液流路
    と、凝固剤流体の噴射口を有する凝固剤流体流路と、前
    記紡糸原液の吐出口と前記凝固剤流体の噴射口とが開口
    すると共に下流端に紡出口を有する合流部とを備えてな
    るフィブリル賦形口金から、セルロースアセテートフィ
    ブリルを凝固液中に紡出し、セルロースアセテートフィ
    ブリルを製造する方法であって、 重合体濃度が10重量%以上20重量%未満である紡糸
    原液を、紡糸原液流路の下端に形成された直径が0.0
    6mmφ以上0.2mmφ未満である円形の吐出口から
    合流部内に吐出すること、及び、 前記紡糸原液の吐出線と凝固剤流体の噴射線とのなす角
    度θが0°より大きく90°以下であり、且つ前記吐出
    線と前記噴射線との交点が前記紡出口よりも下流側に位
    置するように形成された凝固剤流体流路から、前記合流
    部内の紡糸原液に向けて凝固剤流体を噴射すること、を
    特徴とするセルロースアセテートフィブリルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記凝固液の液面を、前記紡出口とほぼ
    同一の高さに位置させてなる請求項3記載のセルロース
    アセテートフィブリルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記凝固剤流体は水蒸気であり、蒸気圧
    が50KPa以上250KPa未満で噴射してなる請求
    項3又は4記載のセルロースアセテートフィブリルの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 紡糸原液の吐出口を有する紡糸原液流路
    と、凝固剤流体の噴射口を有する凝固剤流体流路と、前
    記紡糸原液の吐出口と前記凝固剤流体の噴射口とが開口
    すると共に下流端に紡出口を有する合流部と、を備えて
    なるセルロースアセテートフィブリルを紡出するセルロ
    ースアセテートフィブリル賦形口金であって、 前記紡糸原液流路の横断面形状は直径Dが0.06mm
    φ≦D<0.2mmφの円形であること、 前記紡糸原液の吐出線と前記凝固剤流体の噴射線とのな
    す角度θは0°<θ≦90°であること、及び、 前記吐出線と前記噴射線との交点が前記紡出口よりも下
    流側に位置することを特徴とするセルロースアセテート
    フィブリル賦形口金。
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