JP2000283794A - 反射型光学式エンコーダー用部品とその製法 - Google Patents

反射型光学式エンコーダー用部品とその製法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、反射型光学式エンコーダー
用部品の提供である。 【構成】 この部品は、少なくとも2種以上の金属又は
合金で形成される複数の層を有する金属又は合金からな
っており、一方の表面を光反射表面部とし、該一方の表
面は、その表面金属又は合金とは異なる金属又は合金の
層の1層以上が露出している該表面金属又は合金が存在
しない所定のパターンの部分を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スリット板などの光透
過型の光信号のエンコーダーに代わって、光の反射によ
り、光信号や光線の符号化やパルス化等を行うための、
反射型光学式エンコーダー用部品に関する。光学式エン
コーダーは、種々の精密機械部品に使用されており、そ
のような精密機械部品には、例えば駆動部の軸の回転量
や、水平移動量を読み取るディジタルカウンタ等の簡単
なものも含まれる。
【0002】
【従来の技術】従来の反射型光学式エンコーダーは、図
8に示すように、PETフィルムに所定パターンの酸化
銀乳剤などを適用して黒色の光吸収部分をつくり、その
表面にアルミニウム等の金属を蒸着して造った、フィル
ム側を反射面として使用するエンコーダー用部品を用い
るものが主流である。
【0003】このようなエンコーダー用部品は、プラス
チックの性質が変化しまうような物理的条件では使用で
きず、使用される環境、即ち使用部分や用途が制限され
る。
【0004】また、湿気にも弱く、使用しているうち
に、プラスチックの表面は曇りを生じ、パターンが読め
なくなって、しまいには機能しなくなるので、耐久性に
問題があった。
【0005】また、PETのフィルムの表面では、光の
透過と共に反射も起こるので、コントラストが悪く、強
いコントラストが要求される用途には十分な適性を発揮
できなかった。
【0006】単一金属層の反射表面を所定パターンに一
定深さまで腐食させて製造した図9に示されるような反
射型エンコーダー用部品も知られている。この種のエン
コーダーは、金属のみからなるので、使用部分や用途は
選ばないが、光を反射しない部分は、腐食されたままの
表面がたまたま凹凸のある表面であるために単に光が乱
反射するだけであって、反射面に対して強いコントラス
トが得られない。
【0007】更に、金属は種類により色が違うことから
わかるように、単一金属層から造られるエンコーダー
は、光を反射させるための部分と光を反射させないため
の部分が同一の金属であるから、これらの部分から反射
する光の波長の性質が同一又は類似したものとなり、反
射させるための部分からの反射光と反射させないための
部分からの反射光は、光を受けるセンサーによって区別
がつきにくい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題点を解決し、好ましくは金属又はその酸化物のみ
からなり、そのために使用部分や用途を選ばず、光を反
射する部分を含み好ましくは光を吸収する部分も含むこ
とにより、強いコントラストが得られる、反射型光学式
エンコーダー用部品を得ることである。
【0009】また、一般に反射の光量の大小又は反射光
の有無により、光信号又は光線が、1時点で、反射を意
図する部分の反射による反射有りの信号か、又は反射な
しを意図する部分に光があたっている場合の反射なし信
号のいずれかとして、符号化やパルス化がなされてきた
が、特定波長に特定の反応をするセンサーが可能で受光
部に複数種のセンサーを設けることも可能である。従っ
て、反射のありなしが異なる波長の光では異なる結果を
与え得る金属の3種以上を含む表面があれば、光の波長
の性質にしたがって、光信号又は光線をある一時点で2
種を越える信号を発生するように、符号化やパルス化す
ることの出来る反射型光学式エンコーダーが可能であ
る。そのような装置の部品を提供することも、本発明の
課題である。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明者等は、鋭意研究の結果
以下の構成により上記の課題を解決できることを発見
し、本発明を完成させた。即ち、
【0011】1.少なくとも2種以上の金属又は合金で
形成される複数の層を有する金属又は合金からなってお
り、光反射表面部を有し、光反射表面部の少なくとも一
部は光反射を意図する表面であり、該表面部は、その表
面金属又は合金とは異なる金属又は合金の層の1層以上
が露出している該表面金属又は合金が存在しない所定の
パターンの部分を有していることを特徴とする、反射型
光学式エンコーダー用部品。
【0012】2.該エンコーダーが、表面金属又は合金
とは異なる金属又は合金の層が1層露出している該表面
金属又は合金が存在しない所定のパターンの部分を有
し、該表面金属又は合金とは異なる金属又は合金の露出
部に光の反射をなくす又は減少させる為の金属酸化物皮
膜を形成したことを特徴とする上記1に記載の反射型光
学式エンコーダー用部品。
【0013】3.光反射平面部を有し、該平面部の少な
くとも一部は光を反射させることを意図しており、該平
面部の構造は、第一の金属又は合金の表面が所定のパタ
ーンの凹部を有し、該所定パターンの凹部中に、該第一
の金属又は合金と異なる1種以上の金属又は合金及び表
面に金属酸化物皮膜を有する該第一の金属又は合金と異
なる1種以上の金属又は合金からなる群から選択される
1種以上が存在する構造であることを特徴とする、反射
型光学式エンコーダー用部品。
【0014】4.単一の金属又は合金の反射層を含んで
おり、該反射層の表面上の所定パターンに、又は該反射
層表面に存在する所定パターンの凹部表面に、光反射を
なくすか又は減少させるための金属酸化物皮膜が形成さ
れていることを特徴とする反射型光学式エンコーダー用
部品。
【0015】5.第一の金属又は合金の層と第二の金属
又は合金の層を有する金属薄い板又は膜の、第一の金属
又は合金の層側に、レジストを付けて所定パタ−ンのみ
レジストが抜けたレジスト層を形成し;該第一の金属又
は合金を腐食させる腐食液でエッチングして、該第一の
金属又は合金の層の表面中に、該第二の金属又は合金の
層を該レジストの抜けたパタ−ン部分で露出させ;光の
反射を減少又は無くする為に、該第二の金属又は合金の
酸化物の皮膜を、露出した該第二の金属又は合金の層の
表面に形成する処理を実施し;その後レジスト層を除去
する;以上の段階を含んでいる、該第一の金属又は合金
の層の表面を光を反射しようとする面とし、該第二の金
属又は合金の酸化物の皮膜を光を反射しない面とする、
反射型光学式エンコーダー用部品の製造方法。
【0016】6.金属材料の第一の金属又は合金が露出
している反射表面部に、レジストを付けて、所定パタ−
ンのみレジストが抜けたレジスト層を形成し;該反射表
面部の該レジストが抜けた所定パターン部分をエッチン
グして凹部を形成した後、又はエッチングせずに凹部を
形成しないままに次の段階に移り、該所定パタ−ンのみ
レジストが抜けた金属又は合金露出表面上に、該金属又
は合金と異なる金属をメッキして、異なる金属又は合金
の部分を形成し;該異なる金属又は合金の部分が光の反
射を意図しない部分である場合には、光の反射を減少又
は無くする為に、メッキした該異なる金属又は合金の部
分の表面に、該異なる金属又は合金の金属酸化物の皮膜
を形成する処理を実施し;該レジスト層を除去し;研磨
が必要である場合のみ、研磨処理し、以上の段階群を1
回を越える場合には該所定パターンを変えて1回以上実
施することからなる、該複数種の金属又は合金の1種以
上を光を反射しようとする面とする、反射型光学式エン
コーダー用部品の製造方法。
【0017】上記記載に於て、所定パタ−ンのみレジス
トが抜けたレジスト層を形成することや、特定の金属を
その金属に対する腐食液を用いて所定のパターンにエッ
チングすることや、残存するレジストをそのレジストに
適した剥離溶液(ストリッピング溶液)で除去すること
は、周知の写真製版技術を用いて、当業者が容易に実施
できる。また、特定の金属に対する金属酸化物の皮膜の
形成は、一般に当業者に知られた技術である。以下、図
面を参照して本発明を説明する。
【0018】
【実施例】実施例1 図1の工程図の最後に記載されているのは、表面のニッ
ケル層1とその裏側の銅層2とを有する金属からなり、
ニッケル層を反射させようとする面とする反射型光学式
エンコーダー用部品の断面図を示す。
【0019】図1に示されるように、この部品の構造の
製作は、例えば イ)ニッケル層1と銅層2を有する金属薄板のニッケル
層側にレジストを付けて所定パタ−ンのみレジストが抜
けたレジスト層3を形成し; ロ)ニッケル層のみを腐食させる腐食液でエッチングし
て銅層2を上記レジストの抜けたパタ−ン部分で露出さ
せ; ハ)更に例えばブラックオキサイド処理と呼ばれる銅に
だけ反応する薬品処理を施して酸化銅の薄い皮膜を露出
銅層の表面に形成し; ニ)その後でレジスト層3を除去する; 以上の段階により実施できる。この場合、銅層2の裏側
に、更にニッケル層等の支持層が存在してもよい。
【0020】実施例2 図2の工程図の最後に記載されているのは、裏側にニッ
ケル層21を表面に銅層22を有する金属からなり、ニ
ッケル層を反射させようとする面とする反射型光学式エ
ンコーダー用部品の断面図を示す。
【0021】図2に示されるように、この部品の構造の
製作は、例えば イ)ニッケル層21を有する金属薄板にレジストを付け
て所定パタ−ンのみレジストが抜けたレジスト層23を
形成し; ロ)所定パタ−ンのみレジストが抜けたニッケル層1が
露出している表面上に銅層22をメッキし; ハ)更にメッキした銅層22の表面に、ブラックオキサ
イド処理と呼ばれる銅にだけ反応する薬品処理を施して
酸化銅の薄い皮膜を形成し; ニ)その後、レジスト層23を除去する; 以上の段階により実施出来る。
【0022】実施例3 実施例2に於いて、段階イ)と段階ロ)の間に、レジス
トが抜けたニッケル層31露出部分をエッチングしてか
ら銅層22をメッキすれば、図3のように、銅層32の
表面がニッケル層31の表面よりも低いか、又は図4の
ように第二の金属42が銅である場合の銅層の表面と第
一の金属41がニッケルである場合のニッケル層の表面
が同じレベルの構造の金属を生じることが出来る。ま
た、必要なら図4のように最後に表面を研磨し、完成品
を更に異なるパターンのレジストを付けることを必要回
繰り返すことにより、3種以上の金属が反射表面部に露
出する反射型光学式エンコーダー用部品を製作すること
ができる。このような部品を用いるエンコーダーは、1
時点で2種類ではなく3種類以上の信号を生じ得る装置
を製作出来る可能性がある。
【0023】実施例4 図5は、単一金属の反射層表面が所定パターンにエッチ
ングで浸食された部分を有しており、その浸食された部
分に、同じ所定パターンの光反射を減少させる為の黒色
の金属酸化物皮膜が形成されている、反射型光学式エン
コーダー用部品を示している。このような部品は、銅層
の反射表面に所定パターンが抜けたレジストを形成し、
銅をエッチング液で腐食させ、更に黒色の金属酸化物皮
膜を形成する処理を実施した後、レジストを除去するこ
とにより製造できる。一方、図6に示すように、エッチ
ングなしで所定パターンの光反射を減少させる為の黒色
の金属酸化物皮膜を付けることも可能である。
【0024】実施例5 図7は、反射される光りの色が互いに顕著に異なってい
る、金属の第1の層、金属の第2の層、金属の第3の層
を有するエンコーダー用部品を示す断面図である。この
ような部品を用いるエンコーダーも、1時点で2種類で
はなく3種類の信号を生じ得る装置を製作出来る可能性
がある。図7の部品は、例えば、実施例1於て、ニッケ
ル層1を2種類の金属の薄い層と置き換え、1度目のエ
ッチング工程が終了した後に、別のパターンのレジスト
を付けることにより、又は、実施例2に於て、ニッケル
層21をメッキ形成した後、更に別のパタ−ンのレジス
トを付けて更に別の金属層をメッキ形成することによ
り、実施可能である。
【0025】
【本発明の効果】1) 複数の異なる金属の層を有する
エンコーダー用部品の効果 a) 金属のみからなりPETフィルムを含まない場合に
は、使用環境を選ばず、湿気に強く、また曇りを生じる
ことがなく、耐久性が良い。 b) 異なる金属による反射光の波長の違いの為に、コン
トラストが良好になり、且つ、センサーの選択により読
み取りのエラーを生じにくく出来る。 c) 場合によっては、1時点で、反射あり、反射なし、
だけではなく、3種以上の信号を生じるエンコーダーを
造ることが可能である。 d) 表面金属のエッチングによりエンコーダー用部品を
製造する場合には、表面金属層を蒸着物等の薄いものと
することにより、エンコーダーの精密度を上げることが
出来る。
【0026】2) 金属の酸化物皮膜を有するエンコー
ダー用部品の効果 a) 光の乱反射により反射を弱めるだけではなく、光の
吸収を積極的に生じるため、強いコントラストを得るこ
とができ、読み取りエラーを無くすることが出来る。 b) 酸化物膜は、金属と同様の性質であり、使用環境を
選ばず、耐久性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンコーダー用部品の一具体例を製
作する工程を部品の断面図で示す説明図。
【図2】 本発明のエンコーダー用部品の別の一具体例
を製作する工程を部品の断面図で示す説明図。
【図3】 本発明のエンコーダー用部品の別の一具体例
を製作する工程を部品の断面図で示す説明図。
【図4】 本発明のエンコーダー用部品の別の一具体例
を製作する工程を部品の断面図で示す説明図。
【図5】 本発明のエンコーダー用部品の別の一具体例
を示す断面図。
【図6】 本発明のエンコーダー用部品の別の一具体例
を製作する工程を部品の断面図で示す説明図。
【図7】 本発明のエンコーダー用部品の別の一具体例
を示す断面図。
【図8】 従来のPETフィルムを含むエンコーダー用
部品を示す断面図。
【図9】 従来の単一金属で製作されたエンコーダー用
部品を示す断面図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2種以上の金属又は合金で形成
    される複数の層を有する金属又は合金からなっており、 光反射表面部を有し、光反射表面部の少なくとも一部は
    光反射を意図する表面であり、該表面部は、その表面金
    属又は合金とは異なる金属又は合金の層の1層以上が露
    出している該表面金属又は合金が存在しない所定のパタ
    ーンの部分を有していることを特徴とする、反射型光学
    式エンコーダー用部品。
  2. 【請求項2】該エンコーダーが、表面金属又は合金とは
    異なる金属又は合金の層が1層露出している該表面金属
    又は合金が存在しない所定のパターンの部分を有し、 該表面金属又は合金とは異なる金属又は合金の露出部に
    光の反射をなくす又は減少させる為の金属酸化物皮膜を
    形成したことを特徴とする請求項1に記載の反射型光学
    式エンコーダー用部品。
  3. 【請求項3】光反射平面部を有し、該平面部の少なくと
    も一部は光を反射させることを意図しており、該平面部
    の構造は、第一の金属又は合金の表面が所定のパターン
    の凹部を有し、該所定パターンの凹部中に、該第一の金
    属又は合金と異なる1種以上の金属又は合金及び表面に
    金属酸化物皮膜を有する該第一の金属又は合金と異なる
    1種以上の金属又は合金からなる群から選択される1種
    以上が存在する構造であることを特徴とする、反射型光
    学式エンコーダー用部品。
  4. 【請求項4】単一の金属又は合金の反射層を含んでお
    り、該反射層の表面上の所定パターンに、又は該反射層
    表面に存在する所定パターンの凹部表面に、光反射をな
    くすか又は減少させるための金属酸化物皮膜が形成され
    ていることを特徴とする反射型光学式エンコーダー用部
    品。
  5. 【請求項5】第一の金属又は合金の層と第二の金属又は
    合金の層を有する金属薄い板又は膜の、第一の金属又は
    合金の層側に、レジストを付けて所定パタ−ンのみレジ
    ストが抜けたレジスト層を形成し;該第一の金属又は合
    金を腐食させる腐食液でエッチングして、該第一の金属
    又は合金の層の表面中に、該第二の金属又は合金の層を
    該レジストの抜けたパタ−ン部分で露出させ;光の反射
    を減少又は無くする為に、該第二の金属又は合金の酸化
    物の皮膜を、露出した該第二の金属又は合金の層の表面
    に形成する処理を実施し;その後レジスト層を除去す
    る;以上の段階を含んでいる、該第一の金属又は合金の
    層の表面を光を反射しようとする面とし、該第二の金属
    又は合金の酸化物の皮膜を光を反射しない面とする、反
    射型光学式エンコーダー用部品の製造方法。
  6. 【請求項6】金属材料の第一の金属又は合金が露出して
    いる反射表面部に、レジストを付けて、所定パタ−ンの
    みレジストが抜けたレジスト層を形成し;該反射表面部
    の該レジストが抜けた所定パターン部分をエッチングし
    て凹部を形成した後、又はエッチングせずに凹部を形成
    しないままに次の段階に移り、該所定パタ−ンのみレジ
    ストが抜けた金属又は合金露出表面上に、該金属又は合
    金と異なる金属をメッキして、異なる金属又は合金の部
    分を形成し;該異なる金属又は合金の部分が光の反射を
    意図しない部分である場合には、光の反射を減少又は無
    くする為に、メッキした該異なる金属又は合金の部分の
    表面に、該異なる金属又は合金の暗色酸化物の皮膜を形
    成する処理を実施し;該レジスト層を除去し;研磨が必
    要である場合のみ、研磨処理し、 以上の段階群を1回を越える場合には該所定パターンを
    変えて1回以上実施することからなる、該複数種の金属
    又は合金の1種以上を光を反射しようとする面とする、
    反射型光学式エンコーダー用部品の製造方法。
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