JP2000286255A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

半導体素子の製造方法

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JP2000286255A
JP2000286255A JP9161099A JP9161099A JP2000286255A JP 2000286255 A JP2000286255 A JP 2000286255A JP 9161099 A JP9161099 A JP 9161099A JP 9161099 A JP9161099 A JP 9161099A JP 2000286255 A JP2000286255 A JP 2000286255A
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dielectric constant
group
resin
semiconductor device
insulating film
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JP9161099A
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English (en)
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Takenori Narita
武憲 成田
Yasushi Kurata
靖 倉田
Hiroyuki Morishima
浩之 森嶋
Yoshihiko Honda
善彦 本田
Toshisuke Yokozuka
俊亮 横塚
Ikuo Matsukura
郁生 松倉
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AGC Inc
Resonac Corp
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Asahi Glass Co Ltd
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低誘電率でグローバル平坦化された層間絶縁
膜を形成するため、誘電率2.5以下の有機絶縁膜を研
磨剤により研磨する工程を含む半導体素子の製造方法を
提供する。 【解決手段】 半導体基板に比誘電率2.5以下の絶縁
膜層を形成し、その絶縁膜層を研磨剤で研磨する工程を
含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電率2.5以下
の絶縁膜を研磨剤を使用して研磨する工程を含む半導体
素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超LSIの急激な高密度、高集積
化が進み、アルミニウム配線の多層化及びその配線パタ
ーンの微細化に伴う最小加工線幅の低減が要求されてい
る。そこで、これらのLSIに用いられる層間絶縁膜に
はこの微細な配線間隔を空洞無く埋め、かつその表面を
平垣にする平坦化技術が求められている。また、配線間
隔が狭くなると配線間容量が増大するため、信号遅延時
間が増大し、LSIの高速化が妨げられる。そのため、
層間絶縁膜として誘電率の低い材料が求められている。
【0003】これまで、LSIの層間絶縁膜としてはプ
ラズマCVD法によるSiO2膜、又はプラズマCVD
法によるSiO2膜とSOG法による塗布膜の多層膜が
用いられてきた。SOG法は、アルコキシシラン及びア
ルキルアルコキシシランをアルコールなどの有機溶媒中
で水及び触媒を添加することによリ加水分解して得られ
る塗布液を、スピンコート法によリ基板に塗布後、加熱
処理によリ硬化させることによって平坦化させる方法
で、中でもクラックの発生を抑制し厚膜形成を可能とす
るために有機成分(メチルなどのアルキル基)を膜中に
残した有機SOG膜が主に用いられている。この有機S
OG膜の比誘電率は3程度で、比誘電率4程度のCVD
法によるSiO2膜より誘電率が低いことから、SiO2
膜と置き換えることによる層間絶縁膜の低誘電率化の検
討が現在行われている。
【0004】また、より低誘電率な材料としては、特開
昭63−238111号公報、特開昭63−26093
2号公報、特開平2−48579号公報、特開平7−7
6644号公報に見られるような溶媒に可溶で、スピン
コート可能な誘電率2程度のフッ素樹脂があげられる
が、ガラス転移点が250℃以下と低いことから、層間
絶縁膜への適用は困難と考えられている。このような問
題を解決し、低誘電率な材料を得る方法としては、特開
平9−143420号公報にフッ素樹脂とアルコキシシ
ランの部分加水分解縮合物の複合化という方法が示され
ている。この組成物によって選られる塗布膜の誘電率は
2.5以下である。
【0005】また、これまで有機SOGはCVD膜との
組み合わせで局所的な平坦化に用いられてきたが、LS
Iの微細化のため要求されるグローバル平坦化には、塗
布膜による平坦化で対応するのは困難である。グローバ
ル平坦化の方法としては、CVD法によるSiO2膜の
CMP(Chemical Mechanical Polishmg)による平坦化
が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】LSIの微細化が進む
に従い、配線間容量の増大による信号遅延の増大が問題
となってきている。LSIの高速化のためには、層間絶
縁膜を低誘電率化することで配線間容量を低減すること
が必要となる。低誘電率材料としては、有機SOGや、
フッ素樹脂とアルコキシシランの部分加水分解縮合物等
の層間絶縁膜への適用が検討されている。一方、LSI
の微細なパターンを形成するリソグラフィーの工程にお
いて、微細化によるフォーカスマージンの減少から、グ
ローバル平坦化が要求されるようになってきている。グ
ローバル平坦化の方法としては、CVD法によるSiO
2膜への適用が検討されているCMPが有効であるが、
低誘電率材料のCMPの検討はこれまでほとんど行われ
ていなかった。そこで、本発明は、低誘電率でグローバ
ル平坦化された層間絶縁膜を形成するため、誘電率2.
5以下の有機絶縁膜を研磨剤により研磨する工程を含む
半導体素子の製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の各項のも
のに関する。 (1)半導体基板に比誘電率2.5以下の絶縁膜の層を
形成し、その絶縁膜層を研磨剤で研磨する工程を含むこ
とを特徴とする半導体素子の製造方法。 (2)誘電率2.5以下の絶縁膜が、有機無機複合膜で
あることを特徴とする項(1)記載の半導体素子の製造
方法。
【0008】(3)誘電率2.5以下の絶縁膜が、以下
の(a)及び(b)を含む低誘電率樹脂組成物より形成
された絶縁膜であることを特徴とする項(1)記載の半
導体素子の製造方法。 (a)官能基を分子内に有し、かっ溶剤に可溶な樹脂。 (b)式
【化2】 (式中、R1およびR2は同一または相異なる非加水分解
性基、R3はアルキル基、mおよびnは0≦m+n≦3
を満たす0〜3の整数)で表されるアルコキシシラン類
の部分加水分解縮合物。
【0009】(4)200℃以上の温度において、低誘
電率樹脂組成物より形成した塗膜の弾性率が、樹脂
(a)の弾性率以上である項(3)記載の半導体素子の
製造方法。 (5)樹脂(a)100重量部に対する部分加水分解縮
合物(b)の割合が3〜400重量部である低誘電率樹
脂組成物を用いた項(3)記載の半導体素子の製造方
法。 (6)カップリング剤(c)を含む低誘電率樹脂組成物
を用いた項(3)記載の半導体素子の製造方法。
【0010】(7)樹脂(a)と部分加水分解縮合物
(b)がカップリング剤(c)を介して架橋した反応物
を含む低誘電率樹脂組成物を用いた項(3)記載の半導
体素子の製造方法。 (8)樹脂(a)の官能基が、部分加水分解縮合物
(b)またはカップリング剤(c)と架橋反応しうる基
である低誘電率樹脂組成物を用いた項(3)記載の半導
体素子の製造方法。 (9)樹脂(a)が、官能基を分子内に有しかつ主鎖に
含フッ素脂肪族環構造または含フッ素脂肪族構造を有す
るフッ素樹脂である低誘電率樹脂組成物を用いた項
(3)〜(8)のいずれかに記載の半導体素子の製造方
法。
【0011】(10)部分加水分解縮合物(b)がテト
ラアルコキシシラン類の部分加水分解縮合物および合フ
ッ素アルコキシシラン類の部分加水分解縮合物から選ば
れる少なくとも1種である低誘電率樹脂組成物を用いた
項(3)〜(8)のいずれかに記載の半導体素子の製造
方法。 (11)研磨剤が、水中に酸化セリウム粒子を分散させ
たスラリーである項(1)〜(10)のいずれかに記載
の半導体素子の製造方法。 (12)スラリーが分散剤を含む項(11)に記載の半
導体素子の製造方法。
【0012】(13)分散剤が、水溶性有機高分子、水
溶性陰イオン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性
剤、水溶性アミンから選ばれる少なくとも一種である項
(11)記載の半導体素子の製造方法。 (14)スラリーがアルカリ性のスラリーである項(1
1)〜(13)のいずれかに記載の半導体素子の製造方
法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、絶縁膜の材料と
して、以下の(a)及び(b)を含む低誘電率樹脂組成
物を用いることで、誘電率2.5以下の、高温における
機械的強度に優れた絶縁膜の形成が可能である。 (a)官能基を分子内に有し、かつ溶剤に可溶な樹脂。 (b)式
【化3】 (式中、R1およびR2は同一または相異なる非加水分解
性基、R3はアルキル基、mおよびnは0≦m+n≦3
を満たす0〜3の整数)で表されるアルコキシシラン類
の部分加水分解縮合物。
【0014】本低誘電率樹脂組成物より形成された塗膜
は、アルコキシシラン類の部分加水分解縮合物(b)の
硬化物と特定の樹脂(a)とが均一に複合された比誘電
率が2.5以下のものである。樹脂(a)と部分加水分
解縮合物(b)の硬化物は、少なくとも一部分が直接
に、または後述のカップリング剤(c)を介して、化学
反応または水素結合により架橋反応されている。
【0015】半導体素子は、微細化、高集積化、高密度
化が進んでおり、それにつれて層間絶縁膜に由来する信
号の伝搬遅延、ノイズの低減が課題となってきている。
これらの課題を解決するためには絶縁膜として比誘電率
の低い膜を適用するのが効果的であり、例えば層間絶縁
膜に求められる比誘電率は、設計ルール(回路の最小寸
法)0.25μ素子では3程度、設計ルール0.18μ
素子では2.8程度、設計ルール0.13μ素子では
2.4程度、設計ルール0.1μ素子では2.1程度で
ある。
【0016】比誘電率の低い絶縁材料としては、フッ素
樹脂などの樹脂材料があるが、比誘電率を低くするに
は、本質的に、分子分極が小さい、または密度が小さい
などの特性を有する必要がある。これらの特性は、樹脂
分子間の相互作用を小さくする方向に働くため、低誘電
率樹脂は、一般的に高温での弾性率が小さい、または線
膨張係数が大きいなど、機械特性に劣ったものが多く、
半導体素子に適用する際の欠点となる。
【0017】半導体素子は、配線金属(α:20ppm/℃
程度)や他の無機系絶縁膜(α:0.5〜5ppm/℃程
度)との複合体であり、その製造工程および実装工程に
おいて、200〜450℃の高温に曝される。したがっ
て、絶縁膜の200℃以上の温度での弾性率(荷重下で
の変形の程度)が小さいと、膜の変形または流動が起こ
り、素子または多層配線板の製造歩留りを低下させる。
また、絶縁膜の線膨張係数が大きいと、配線金属や他の
無機系絶縁膜の線膨張係数との不一致による熱ストレス
により、塗膜にクラックが発生して製造歩留りを低下さ
せたり、半導体素子または多層配線板の長期信頼性を低
下させる。
【0018】本発明の低誘電率樹脂組成物により形成さ
れた塗膜は、低誘電率樹脂と、部分加水分解縮合物
(b)の硬化物を均一に複合化されており、樹脂の電気
特性をできるかぎり維持したまま、高温での弾性率、線
膨張係数などの機械的特性を向上させうる。
【0019】本発明における樹脂(a)分子中の官能基
は、部分加水分解縮合物(b)または後述のカップリン
グ剤(c)と架橋反応しうる基であることが好ましい。
樹脂(a)分子中の官能基としては、カルボン酸エステ
ル基、カルボン酸アミド基などのカルボン酸誘導体基、
スルホン酸エステル基、スルホン酸アミド基などのスル
ホン酸誘導体基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸
基、ニトリル基、マレイミド基、アミノ基、アルコキシ
シリル基およびシラノール基などが例示される。
【0020】本発明における部分加水分解縮合物(b)
との相溶性の観点より、樹脂(a)中の官能基の割合
は、樹脂(a)1グラムあたり1マイクロモル以上であ
ることが好ましい。より好ましい樹脂(a)中の官能基
の割合は、樹脂(a)1グラムあたり1〜10,000
マイクロモルであり、さらに好ましくは1〜3,000
マイクロモルである。
【0021】これらの官能基が、溶液中で部分加水分解
縮合物(b)または後述のカップリング剤(c)と相互
作用または反応することにより、均一な溶液が得られ、
その結果として均一な塗膜が得られると考えられる。部
分加水分解縮合物(b)との相溶性の観点より、樹脂
(a)分子中の官能基としては、水酸基またはカルボキ
シル基が好ましい。
【0022】本発明における樹脂(a)は、前記官能基
を有し、比誘電率が低いものから選ばれる。本発明の低
誘電率樹脂組成物により形成された塗膜の比誘電率を
2.5以下にするには、樹脂(a)の比誘電率は2.5
以下である必要があり、さらには2.3以下であること
が望ましい。また、200℃以上の温度において、本発
明の低誘電率樹脂組成物により形成された塗膜の弾性率
は、樹脂(a)の弾性率以上となるものである。樹脂
(a)の重量平均分子量は、特に限定されないが、3,
000〜1,000,000、特には5,000〜50
0,000が好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー法により測定し標準ポリ
スチレン検量線を用いて算出することができる。樹脂
(a)がフッ素樹脂の場合、フッ素含有量は40〜75
重量%、特には50〜70重量%、が好ましい。
【0023】このような樹脂(a)としては、例えば、
以下の(1)〜(4)の樹脂が挙げられ、(1)または
(2)の樹脂が好ましい。 (1)官能基を分子内に有し、かつ主鎖に含フッ素脂肪
族環構造を有するフッ素樹脂。 (2)官能基を分子内に有し、かつ主鎖に含フッ素脂肪
族構造を有するフッ素樹脂。 (3)官能基を分子内に有する含フッ素縮合系樹脂。 (4)フッ素不含樹脂または上記(1)〜(3)以外の
フッ素樹脂で官能基を分子内に有するもの。
【0024】(1)のフッ素樹脂としては、2つ以上の
重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合し
て得られるものや、含フッ素環構造を有するモノマーを
重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する
フッ素樹脂に官能基を導入したものが挙げられる。
【0025】主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有すると
は、脂肪族環を構成する炭素原子の1以上が主鎖を構成
する炭素連鎖中の炭素原子であり、かつ脂肪族環を構成
する炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子またはフッ
素含有基が結合している構造を有していることを意味す
る。
【0026】2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ
素モノマーとしては、下記の式(e)、式(f)、式
(g)または式(h)で表されるものが例示される。た
だし、式(e)〜式(h)中のT1〜T12、Y1〜Y10
1〜Z8およびW1〜W8は、それぞれ独立にFまたはC
3である。
【0027】含フッ素環構造を有するモノマーとして
は、下記の式(i)、式(j)または式(k)で表され
るものが例示される。ただし、式(i)〜式(k)中の
1〜X6はそれぞれ独立にFまたはCF3であり、R4
9はそれぞれ独立にF、Cn2n+1、またはCn
2n+1-ppqであり、ここでnは1〜5の整数、pは0
〜5の整数、qは0〜2の整数であり、また、R4
5、R6とR7、R8とR9が連結して環を形成していて
もよい。
【0028】
【化4】
【0029】2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ
素モノマーを環化重合して得られる主鎖に脂肪族環構造
を有するフッ素樹脂は、特開昭63−238111号公
報、特開昭63−238115号公報、特開平7−31
6235号公報などにて公知である。すなわち、ペルフ
ルオロ(アリルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ブテ
ニルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ビスビニルオキ
シメタン)などのモノマーを単独重合、またはこれらの
モノマーとラジカル重合性モノマーを共重合して得られ
るフッ素樹脂である。
【0030】ラジカル重合性モノマーとしては、エチレ
ンなどのオレフィン類、テトラフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレンなどのペルフルオロオレフィン類
およびペルフルオロ(ブチルビニルエーテル)などのペ
ルフルオロ(アルキルビニルエーテル)類などから選ば
れる1種以上が挙げられる。
【0031】また、含フッ素環構造を有するモノマーを
重合して得られる主鎖に脂肪族環構造を有するフッ素樹
脂は、特公昭63−18964号公報、特開平7−70
107号公報などにて公知である。すなわち、ペルフル
オロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、
2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ
−1,3−ジオキソールなどの含フッ素環構造を有する
モノマーを単独重合、または、これらのモノマーと上記
ラジカル重合性モノマーを共重合して得られるフッ素樹
脂である。
【0032】また、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−
5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソールなど
の含フッ素環構造を有するモノマーとペルフルオロ(ア
リルビニルエーテル)、ペルフルオロ(ブテニルビニル
エーテル)、ペルフルオロ(ビスビニルオキシメタン)
などの2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノ
マーを共重合して得られるフッ素樹脂でもよい。
【0033】主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するフッ
素樹脂は、フッ素樹脂の繰り返し単位中に含フッ素脂肪
族環構造を有する重合単位を全重合単位に対して20〜
100モル%含有するものが透明性、機械的特性などの
面から好ましい。
【0034】上記フッ素樹脂(1)における官能基の導
入方法としては、以下の1)〜11)の方法が好まし
い。 1)分子内にカルボキシル基などの官能基、またはこれ
らの前駆体基、例えばアシル基を有する開始剤または連
鎖移動剤の存在下で重合を行うことにより、フッ素樹脂
の末端基にカルボキシル基を導入する方法。 2)分子内にスルホン酸基などの官能基、またはこれら
の前駆体基を有する開始剤または連鎖移動剤の存在下で
重合を行うことにより、フッ素樹脂の末端にスルホン酸
基を導入する方法。
【0035】3)酸素存在下にてフッ素樹脂を高温処理
することにより、フッ素樹脂の側鎖、または末端を酸化
分解させ、ついでこれを水処理してカルボキシル基を導
入する方法。 4)メチルペルフルオロ(5−オキサ−6−ヘプテノエ
ート)などのカルボン酸誘導体基を有するモノマーを共
重合させてフッ素樹脂の側鎖にカルボン酸誘導体基を導
入する方法。 5)ペルフルオロ(3,5−ジオキサ−4−メチル−7
−オクテンスルフィニル)フルオリドなどのスルホン酸
誘導体基を有するモノマーを共重合させてフッ素樹脂の
側鎖にスルホン酸誘導体基を導入する方法。
【0036】6)カルボン酸誘導体基を加水分解してカ
ルボキシル基に、カルボン酸誘導体基を還元して水酸基
に、カルボン酸誘導体基とアミン類を反応させてカルボ
ン酸アミド基に変換する方法。 7)カルボキシル基を還元して水酸基に、カルボキシル
基とアミン類を反応させてカルボン酸アミド基に変換す
る方法。 8)カルボン酸誘導体基にアンモニアを反応させ、さら
に脱水反応を行うことによりニトリル基に変換する方
法。
【0037】9)スルホン酸誘導体基を加水分解してス
ルホン酸基に変換する方法。 10)スルホン酸誘導体基またはスルホン酸基に、アミ
ン類を反応させてスルホン酸アミド基に変換する方法。 11)カルボキシル基または水酸基にシランカップリン
グ剤などを反応させてアルコキシシリル基またはシラノ
ール基を導入する方法。
【0038】次に、フッ素樹脂(2)としては、メチル
ペルフルオロ(5−オキサ−6−ヘプテノエート)、ペ
ルフルオロ(4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネ
ノエート)、ペルフルオロ(3,5−ジオキサ−4−メ
チル−7−オクテンスルフィニル)フルオリド、などの
カルボン酸誘導体基またはスルホン酸誘導体基を有する
モノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合体、また
は、エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオ
ロ(アルキルビニルエーテル)などから選ばれるモノマ
ーと上記カルボン酸誘導体基またはスルホン酸誘導体基
を有するモノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合
体が挙げられる。
【0039】主鎖に含フッ素脂肪族構造を有するとは、
主鎖を構成する炭素連鎖中の炭素原子は脂肪族環を構成
する炭素原子を含まず、かつ炭素連鎖中の炭素原子の少
なくとも一部にフッ素原子またはフッ素含有基が結合し
ている構造を有することを意味する。
【0040】これらのフッ素樹脂(2)中のカルボン酸
誘導体基またはスルホン酸誘導体基を利用して、前述の
官能基の導入方法6)〜11)と同様にしてカルボキシ
ル基、水酸基、カルボン酸アミド基、ニトリル基、スル
ホン酸アミド基、アルコキシシリル基、シラノール基な
どを導入できる。
【0041】(3)の含フッ素縮合系樹脂としては、特
開昭60−104129号公報、特開平3−28287
4号公報などに記載されている含フッ素ポリイミド樹
脂、および米国特許5115082明細書などに記載さ
れている含フッ素ポリ(アリーレンエーテル)樹脂など
が例示される。
【0042】(4)のフッ素不含樹脂またはフッ素樹脂
としては、ポリキノリン樹脂、Journal of Electronic
Materials,pp819,vol.23(1994)などに記載されているポ
リ(ベンゾシクロブテン)樹脂、エレクトロニクス実装
技術pp36,vol.11(1995)などに記載されているアモルフ
ァスポリオレフィン樹脂、米国特許5364917など
に記載されているパーフルオロシクロブタン環含有樹
脂、および米国特許5405677などに記載されてい
る含フッ素芳香族系樹脂などが例示される。(3)およ
び(4)の樹脂に官能基を導入する方法としては、
(1)の樹脂と同様に末端基を利用する方法、官能基含
有成分を共重合する方法などが例示できる。
【0043】前記低誘電率樹脂組成物は、前述の官能基
を分子内に有する樹脂(a)とともに、式
【化5】 (式中、R1およびR2は同一または相異なる非加水分解
性基、R3はアルキル基、mおよびnは0≦m+n≦3
を満たす0〜3の整数)で表されるアルコキシシラン類
の部分加水分解縮合物(b)を用いる。
【0044】式中の非加水分解性基としては、入手の容
易性から炭素数1〜14の非加水分解性基から選ばれる
のが好ましい。非加水分解性基は、樹脂(a)または後
述のカップリング剤と架橋反応しうる官能基を有してい
てもよい。
【0045】R1とR2が同じ場合は、R1とR2には官能
基を有しないものが好ましく、R1とR2が異なる場合
は、R1はエポキシ基、アミノ基などの官能基を有する
ものまたは含フッ素アルキル基であり、R2はR1以外の
基であることが好ましい。
【0046】非加水分解性基としては、γ−グリシドキ
シプロピル基、γ−アミノプロピル基、アミノフェニル
基、N−フェニル−γ−アミノプロピル基などの反応性
基を有する有機基、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基などのアルキル基、ビニル基などのアルケニル
基、フェニル基、トリル基などのアリール基、トリフル
オロメチル基、トリフルオロプロピル基、ペンタフルオ
ロブチル基、ノナフルオロヘキシル基、トリデカフルオ
ロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基、ヘプタデ
カフルオロウンデシル基などの含フッ素アルキル基など
が好ましい。
【0047】トリフルオロプロピル基などのフッ素原子
と水素原子を有する含フッ素アルキル基は、3,3,3
−トリフルオロプロピル基のようにアルキル基末端にペ
ルフルオロアルキル基を有するものが化合物の入手の容
易性から好ましい。したがって、後述の含フッ素アルコ
キシシラン類中の含フッ素アルキル基はこのような含フ
ッ素アルキル基から選ぶことが好ましい。
【0048】式中のR3は部分加水分解のしやすさか
ら、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。さらに好ま
しくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
どの炭素数1〜4のアルキル基である。
【0049】本発明における部分加水分解縮合物(b)
は、式中m=n=0、m+n=1、m+n=2およびm
+n=3であるものから選ばれる1種のみからなる部分
加水分解縮合物でもよく、これらから選ばれる2種以上
からなる部分加水分解縮合物でもよい。
【0050】ただし、当然ながらm+n=3であるアル
コキシシラン類は、分子内に加水分解基を1つしか有し
ておらず、単独では部分加水分解縮合物を形成しえな
い。したがってm+n=3であるアルコキシシラン類
は、溶液中でのアルコキシシラン類の部分加水分解縮合
物の過剰な反応を抑制するなどの目的で、m=n=0、
m+n=1またはm+n=2のアルコキシシラン類と併
用される。m+n=3であるアルコキシシラン類は、全
アルコキシシラン類に対して10モル%以下であること
が望ましい。
【0051】m+n=2のアルコキシシラン類単独の部
分加水分解縮合物は、直鎖状の縮合物を形成し、三次元
構造を取りえないため、樹脂の高温での機械特性を改良
する効果があまりない。したがってm+n=2のアルコ
キシシラン類は、m=n=0、m+n=1のアルコキシ
シラン類と併用されるのが好ましい。m+n=2である
アルコキシシラン類は、全アルコキシシラン類に対して
30モル%以下であることが望ましい。このようなアル
コキシシラン類の好ましい例を以下に示す。これらのア
ルコキシシラン類は、単独で使用してもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0052】テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシランなどのテトラアルコキシ
シラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシランなどのモノア
ルキルトリアルコキシシラン類、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシランなどのモノアルケニル
トリアルコキシシラン類、トリフルオロメチルトリメト
キシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、ペンタフルオロブチルトリメトキシシラン、ノナフ
ルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ
オクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシ
ルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチ
ルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロウンデシルト
リメトキシシラン、(4−ペルフルオロブチルフェニ
ル)トリメトキシシラン、(4−ペルフルオロヘキシル
フェニル)トリメトキシシラン、(4−ペルフルオロオ
クチルフェニル)トリメトキシシランなどの含フッ素ア
ルコキシシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ランなどのエポキシシラン類、γ−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランなどの脂肪族アミノシラン類、アミノフェニルト
リメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランなどの含芳香環アミノシラン類。
【0053】これらのアルコキシシラン類中で、含フッ
素アルコキシシラン類はフッ素樹脂との相溶性が高く、
また、テトラアルコキシシラン類は、加水分解縮合反応
が完全に行われれば無機化することから、高温での機械
強度の改善に特に適する。
【0054】したがって、低誘電率樹脂としてフッ素樹
脂を適用する場合、樹脂との相溶性、高温での機械的強
度の改善という点では、両者を混合して用いるのが有効
であり、特にはテトラアルコキシシラン類1モルに対
し、フルオロアルキルシラン類が0.2モル以上含まれ
る部分加水分解縮合物の割合が、部分加水分解縮合物
(b)の90重量%以上である場合が好適に用いられ
る。
【0055】ここで、含フッ素アルコキシシラン類と
は、前述の式で表されるアルコキシシラン類のR1およ
びR2から選ばれる1つ以上の基にフッ素原子が結合し
た化合物を意味する。アルコキシシラン類の縮合反応
は、周知、公知の方法により行いうる。例えば、アルコ
キシシラン類を溶剤および触媒の存在下に水を添加して
加水分解縮合反応させる方法がある。この場合、必要に
応じて加熱を行ってもよい。触媒としては塩酸、硝酸、
硫酸などの無機酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸などの有機酸
が使用できる。通常、生成物の分子量をゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポ
リスチレン換算重量平均分子量で500〜10000の
範囲に設定するのが、樹脂との相溶性、後述する溶剤へ
の溶解性の観点から好ましい。ついで必要に応じて系内
に存在する水を蒸留などにより除去し、さらに触媒をイ
オン交換樹脂などで除去してもよい。
【0056】本発明において、樹脂(a)と部分加水分
解縮合物(b)の混合溶液を調製するにあたり、溶剤と
してこれらを同時に溶解するものを選択することが重要
である。樹脂(a)が、前述(1)の主鎖に含フッ素脂
肪族環構造を有するフッ素樹脂である場合、例えば特開
平7−112126号公報に記載のような、非プロトン
性含フッ素溶剤とプロトン性含フッ素溶剤の混合物が例
示される。ここで特徴的なことは、主鎖に含フッ素脂肪
族環構造を有するフッ素樹脂は非プロトン性フッ素溶剤
には溶解するが、プロトン性含フッ素溶剤には溶解せ
ず、逆に部分加水分解縮合物(b)は、プロトン性含フ
ッ素溶剤には溶解するが、非プロトン性含フッ素溶剤に
は溶解しない場合があり、したがって混合溶剤にするこ
とにより両者を同時に溶解するという点である。
【0057】非プロトン性含フッ素溶剤とは、通常の反
応条件下では解離せずプロトンを生じない含フッ素溶剤
であり、公知、周知のものが使用できる。ペルフルオロ
ヘキサン、ペルフルオロオクタン、1H,1H,1H,
2H,2H−ペルフルオロオクタン[F(CF2)6
25]、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロ
デカン[F(CF2)825]などの含フッ素脂肪族炭化
水素類、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロシクロヘ
キサン、ペルフルオロ(1,2−ジメチルシクロブタ
ン)などの含フッ素脂環式炭化水素類、ペルフルオロト
リペンチルアミン、ペルフルオロトリブチルアミン、ペ
ルフルオロトリプロピルアミンなどの含フッ素アルキル
アミン類、HCF2CF2OCH2CF3などのフルオロエ
ーテル類、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラ
ン)などの含フッ素環状エーテル類が例示される。これ
らを2種以上混合して使用してもよい。
【0058】プロトン性含フッ素溶剤とは解離してプロ
トンを生じやすい含フッ素溶剤であり、公知、周知のも
のが使用できる。CF3CH2OH、CF3CF2CH2
H、CF3(CF2)3CH2CH2OH、CF3(CF2)5CH
2CH2OH、CF3CF2CH2CH2CH2OH、CF
3(CF2)3CH2CH2CH2OHなどの含フッ素アルコー
ル類が好適に例示される。これらを2種以上併用しても
よい。
【0059】非プロトン性含フッ素溶剤とプロトン性含
フッ素溶剤の混合比は、フッ素樹脂と部分加水分解縮合
物との両者が溶解するように選定する。フッ素樹脂中に
官能基を有するため、溶液中でのフッ素樹脂と部分加水
分解縮合物との相溶性が高く、両者の均一な溶液が得ら
れるのが特徴である。
【0060】また、アルコキシシラン類の部分加水分解
縮合物が含フッ素アルコキシシラン類の部分加水分解縮
合物を含有する場合、その組成によっては非プロトン性
含フッ素溶剤に溶解するので、その場合プロトン性含フ
ッ素溶剤の添加は必要ないか、またはごく少量の添加で
均一な混合溶液を作成できる。
【0061】樹脂(a)が前述(2)の主鎖に含フッ素
脂肪族構造を有するフッ素樹脂の場合、特開平2−48
579号公報に記載のようなアルコール類、ケトン類、
有機酸類、アルデヒド類、アミン類などの親水性有機溶
剤と水の混合溶剤、または特開平7−76644号公報
に記載のような含酸素炭化水素溶剤および含フッ素化合
物溶剤の混合溶剤が例示される。
【0062】含酸素炭化水素溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアル
コール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル
類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類が挙げ
られる。含フッ素化合物溶剤としては、前述の非プロト
ン性含フッ素溶剤、プロトン性含フッ素溶剤などが挙げ
られる。
【0063】樹脂(a)が前述(3)または(4)の場
合、その樹脂に適した公知、周知の溶剤を用いればよ
く、例えばN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、キシレン、テトラヒドロフラン、ケトン
類、ラクトン類などが例示される。
【0064】樹脂(a)と、部分加水分解縮合物(b)
の混合溶液の調製方法は、結果として均一な溶液が作成
できれば特に限定されず、次の(1)〜(3)の方法が
例示される。 (1)部分加水分解縮合物(b)の溶液と、樹脂(a)
の溶液とをあらかじめ別途調製し、両者を混合する方
法。この場合、部分加水分解縮合物(b)の溶液は、樹
脂(a)の溶液と相溶する溶剤中で直接作成する場合
と、樹脂(a)の溶液と相溶しない溶剤中で合成した後
に、公知の溶剤置換法により相溶性のある溶剤の溶液と
する場合がある。後者は、樹脂(a)の溶液と相溶する
溶剤中ではアルコキシシラン類の加水分解縮合反応が充
分に進行しない場合、または縮合物の重合度を制御しに
くい場合などに用いられる。
【0065】(2)アルコキシシラン類を、あらかじめ
調製した樹脂(a)の溶液に溶解させ、その溶液中で部
分加水分解縮合反応を行う方法。 (3)部分加水分解縮合物(b)の溶液をあらかじめ調
製し、そこに樹脂(a)を添加して溶解せしめる方法。
【0066】樹脂(a)と、部分加水分解縮合物(b)
の組成比は、目的に合わせて任意の割合に設定でき、通
常、樹脂(a)100重量部に対して部分加水分解縮合
物(b)を3〜400重量部、特には10〜150重量
部、配合するのが好ましい。部分加水分解縮合物(b)
の割合が少なすぎると、機械物性が充分に改善できず、
多すぎると樹脂が本来有する電気特性、低吸水性といっ
た特性を損なう恐れがある。
【0067】樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の
間で架橋反応が起こる場合の方が、樹脂(a)と部分加
水分解縮合物(b)の相溶性が良くなり、塗膜の相分離
を抑制し、高温での機械強度がより改善される。樹脂
(a)と部分加水分解縮合物(b)の間の架橋反応は、
溶液の状態で反応していても、塗膜を形成する過程で反
応が起こってもよいが、溶液の状態で一部反応している
方が、樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の相溶性
は良くなる。そのため、溶液調整の際に反応が起きるよ
うに、必要に応じて溶液を加熱しながら撹拌してもよ
い。
【0068】樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の
間で架橋反応をさせる方法としては、次の(1)または
(2)の方法が例示され、(2)の方法がより好まし
い。 (1)樹脂(a)の官能基が部分加水分解縮合物(b)
と直接架橋反応する方法。 (2)樹脂(a)の官能基と部分加水分解縮合物(b)
がカップリング剤(c)を介して架橋反応する方法。
【0069】本発明における上記カップリング剤(c)
とは、加水分解性基[部分加水分解縮合物(b)と反応
可能な部位]と非加水分解性基を有するケイ素系化合
物、チタン系化合物、アルミニウム系化合物などの化合
物であって、かつ樹脂(a)の官能基と反応可能な部位
を持つ化合物を意味する。
【0070】非加水分解性基は末端の炭素原子でケイ素
原子、チタン原子、アルミニウム原子などに結合してい
る。1つ以上の非加水分解性基は、樹脂(a)の官能基
と反応可能な部位を有する。
【0071】加水分解性基としては、アルコキシ基、ア
ルコキシアルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキ
シ基、アミノキシ基、アミド基、ケトオキシム基、イソ
シアネート基、ハロゲン原子などが例示される。好まし
くはアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基などの1価
アルコールの水酸基の水素原子を除いた基である。特に
アルコキシ基が好ましく、その炭素数は8個以下、特に
1〜4個、が好ましい。
【0072】樹脂(a)の官能基と反応可能な部位とし
ては、アミノ基、エポキシ基などが好ましく、これらの
基は通常上記非加水分解性基中に有する。カップリング
剤(c)としてはシラン系カップリング剤、チタネート
系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤など
が好ましい。このシラン系カップリング剤は、部分加水
分解縮合物ではない点で本発明の低誘電率樹脂組成物中
の(b)成分とは異なる。
【0073】(1)の方法の例としては、樹脂(a)の
官能基がカルボキシル基で、部分加水分解縮合物(b)
としてアミノ基有する場合、または、樹脂(a)の官能
基がアルコキシシリル基、シラノール基である場合が示
される。
【0074】(2)の方法の例としては、樹脂(a)の
官能基がカルボキシル基で、カップリング剤(c)とし
てカルボキシル基と結合可能な官能基を有するシラン系
カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ
ニウム系カップリング剤を添加する場合が示される。こ
のようなカップリング剤(c)としてはエポキシシラン
類、アミノシラン類などのシラン系カップリング剤が好
適であり、さらにはアミノシラン類がカルボキシル基と
の反応性および結合の耐湿、耐久性の観点から、より好
ましい。
【0075】アミノシラン類としては、γ−アミノプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシランなどの脂肪族アミノシラン類、アミノフ
ェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキ
シシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシランなどの含芳香環アミノシラン類が例示され
る。特に、含芳香環アミノシラン類は耐熱性が高く、好
適に採用される。
【0076】上記(1)および(2)の方法において、
アミノシラン類を使用する場合、量が多すぎると液の粘
度安定性が低下し、塗膜の電気特性を損なう恐れがあ
り、塗膜の高温での機械特性も一定量以上添加しても改
善されないことから、カルボン酸基1モルに対し、アミ
ノシラン類0.1〜10モルが適当である。
【0077】さらに、アミノシラン類を添加すると粘度
安定性が低下する場合、溶液中での過剰な反応を抑制
し、粘度安定性を向上させるために、アミノ基に変換し
うる官能基を有するシラン類を用いてもよい。イミノ基
を有するシラン類は、そのままではアミノシラン類とし
て作用せずに、水と反応することによりケトン類とアミ
ノシラン類に分解するので、溶液の水分量を調節するこ
とにより、溶液中での過剰な反応を抑制できる。
【0078】また、アミノシラン類の有無にかかわら
ず、樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)の混合溶液
は、加水分解縮合物が経時的に縮合反応を起こし、粘度
安定性が悪い場合がある。このような場合、液中にテト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラ
アルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ト
リメチルメトキシシランなどのアルキルアルコキシシラ
ン類を共存させておくと改善される傾向にあり、ポット
ライフ向上の方法として好ましく採用される。
【0079】樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)を
合計した溶液中での固形分濃度は、それが溶解する範囲
で、所望の溶液粘度またはコーティング膜の膜厚などの
観点から適宜選択すればよい。例えば膜厚0.1〜5μ
mのコーティング膜をスピンコート法にて得ようとする
場合、一般には固形分濃度を1〜15重量%に設定すれ
ばよい。
【0080】上記低誘電率樹脂組成物には、目的に応じ
て接着性向上剤、界面活性剤などの添加剤を配合でき
る。特に樹脂(a)中の官能基、または部分加水分解縮
合物(b)のアルコキシシリル基、シラノール基と反応
しうる接着性向上剤を添加すると、下地との密着性が向
上する、塗膜強度が向上する、などの効果が得られる。
【0081】本発明における研磨剤としては、酸化セリ
ウム粒子、酸化珪素粒子、アルミナ粒子等、研磨剤とし
て広く知られているものが使用できるが、酸化セリウム
粒子が特に好ましい。本発明の酸化セリウム研磨剤は、
水中に酸化セリウム粒子を分散させたスラリーよリなる
ものである。酸化セリウム粒子として、(1)水中に分
散された3価の非水溶性セリウム化合物を酸化剤で酸化
することによって得られる酸化セリウム粒子、(2)3
価の水溶性セリウム化合物の水溶液から得られる非水溶
性セリウム化合物を酸化剤で酸化することによって得ら
れる酸化セリウム粒子、(3)4価のセリウム化合物の
水溶液を中性又はアルカリ性にして得られる酸化セリウ
ム粒子等を使用することができる。
【0082】一般に、酸化セリウムは、代表的な希土類
鉱物であるバストネサイト、モザナイト等を分離精製し
て得られるセリウム化合物(水酸化物、炭酸塩、シュウ
酸塩等)を焼成することによって得られる。有機無機複
合膜を研磨する場合には、酸化セリウムの結晶性が高い
と研磨速度が低下する傾向を示すことから、本発明で用
いる酸化セリウム粒子は、あまリ結晶性を上げないで作
製されたものが好ましい。また、半導体チップの研磨に
用いるので不純物の混入を防ぐために特にアルカリ金属
類及びハロゲン類の含有量は1ppm以下に抑えることが
好ましい。
【0083】本発明における研磨剤スラリーは、水、研
磨剤粒子及び好ましくは分散剤からなる組成物を分散さ
せることによって得られる。ここで、研磨剤粒子の濃度
には制限は無いが、懸濁液の取リ扱い易さから1〜30
重量%の範囲が好ましい。また分散剤としては、金属イ
オン類を含まないものとして、アクリル酸重合体及びそ
のアンモニウム塩、メタクリル酸重合体及びそのアンモ
ニウム塩、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分子
類、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル硫酸アンモニウム等の水溶性陰イオン性
界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リエチレングリコールモノステアレート等の水溶性非イ
オン性界面活性剤、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン等の水溶性アミン類などが挙げられる。これら
の分散剤の添加量は、スラリー中の粒子の分散性及び沈
降防止性などから酸化セリウム粒子100重量部に対し
て0.1重量部〜100重量部の範囲が好ましく、その
分散効果を高めるためには分散処理時に分散機の中に粒
子と同時に入れることが好ましい。
【0084】これらの研磨剤粒子を水中に分散させる方
法としては、通常の撹拌機による分散処理の他に、ホモ
ジナイサー、超音波分散機、ボールミルなどを用いるこ
とができる。研磨剤粒子、特に酸化セリウム粒子を1μ
m以下の微粒子として分散させるためには、ボールミ
ル、振動ボールミル、遊星ボールミル、媒体撹拌式ミル
などの湿式分散機を用いることが好ましい。またスラリ
ーのアルカリ性を高めたい場合には、分散処理時又は処
理後にアンモニア水などの金属イオンを含まないアルカ
リ性物質を添加することができる。
【0085】本発明の低誘電率組成物により、所定の半
導体基板、すなわち回路素子と配線パターンが形成され
た段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導
体基板等の半導体基板上にコーティング膜を作成する方
法としては、溶媒を含む本発明の低誘電率樹脂組成物を
物品に塗布した後に、加熱乾燥して溶媒を揮発させる方
法が好ましい。この際、下地との充分な密着性を確保す
るために、下地表面を樹脂(a)の官能基および/また
は部分加水分解縮合物(b)と反応可能な部位と、下地
表面と結合可能な部位を併有する化合物で処理してもよ
い。また、低誘電率組成物を物品に塗布する方法として
は、膜厚の面内分布均一性からスピンコート法が好まし
い。
【0086】塗膜を形成するためには、溶媒を揮発さ
せ、かつアルコキシシラン類の部分加水分解縮合物を硬
化させるために塗布後のベーク工程を要する。ベーク条
件は、塗膜厚などにより適宜選択すればよいが、充分な
硬化反応のためには通常200〜450℃の最終ベーク
が必要である。
【0087】アルコキシシラン類の部分加水分解縮合物
を充分に硬化させ、未反応のアルコキシシリル基または
シラノール基が残存しないようにするには、好ましくは
300〜450℃、より好ましくは320℃〜450
℃、の最終ベークが必要である。未反応のアルコキシシ
リル基またはシラノール基は、それ自体が塗膜の比誘電
率を上昇させる原因となり、さらには吸水部位となりう
ることで水による比誘電率の上昇の原因となるために、
塗膜中にできるだけ残存しないことが望ましい。塗膜の
表面平滑性を確保する、または塗膜の微細スペース埋込
性を向上させるなどの目的で、50〜250℃程度のプ
リベーク工程を追加したり、ベーク工程を何段階かに分
けて実施することもできる。
【0088】また、目的に応じて本発明の組成物より形
成した塗布膜と他の膜を複合化させて使用できる。たと
えば、本発明の塗布膜の下層および/または塗布膜をC
MPにより平坦化した後の上層に無機膜が形成される場
合がある。無機膜とは、シリコン酸化膜に必要に応じて
リンおよび/またはホウ素をドープしたいわゆるPSG
膜またはBPSG膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜
などを意味する。
【0089】金属配線と本組成物より形成した膜との間
に無機膜を形成することによって、金属配線との剥がれ
を防止したり、本組成物より塗膜を形成する際、硬化時
に発生する水分の下方への拡散が防止され、デバイス特
性劣化を防止できる。また、CMPによる平坦化の後、
上層に無機膜を形成することによって、上層金属配線を
ドライエッチングにより加工する際、プラズマによる本
発明の低誘電率膜に対するダメージを防止することがで
きる。450℃以上の熱が加わると金属配線層が変質す
るために、無機膜はそれ以下の温度で形成できることを
要する。
【0090】具体的には、化学気相成長(CVD)法、
例えば常圧CVD法、プラズマCVD法により形成され
る膜が好適に採用される。
【0091】上層に無機膜を形成する場合、無機膜の組
成または形成方法によっては、本組成物より形成した塗
膜との密着性が悪い、または無機膜形成時に膜減りする
などダメージを受ける場合があるが、これらを解決する
ためには以下の(1)または(2)の方法が例示され
る。
【0092】(1)無機膜を多層構造とする方法。シリ
コン酸化膜をプラズマCVD法により形成しようとする
場合、用いるガス組成によっては膜減りが発生するとき
がある。このような際に、まずシリコン窒化膜または常
圧CVD−シリコン酸化膜などの膜減りを引き起こさな
い無機膜をごく薄く形成し、次いで、これをバリア層と
してシリコン酸化膜を形成する方法などが例示される。
【0093】(2)あらかじめ本組成物より形成した塗
膜をエネルギー線で処理することにより表面を活性化さ
せた後に、無機膜を形成する方法。本方法は、無機膜と
の界面の密着性を向上させる効果を有する場合がある。
エネルギー線処理としては光を含む広義の意味での電磁
波の利用による処理、すなわちUV光照射、レーザ光照
射、マイクロ波照射、または電子線を利用する処理、す
なわち電子線照射、グロー放電処理、コロナ放電処理、
プラズマ処理などの処理が例示される。
【0094】これらのうち半導体素子の量産工程に対応
しうる好適な処理方法としては、UV光照射、レーザ光
照射、コロナ放電処理、プラズマ処理が例示される。プ
ラズマ処理は半導体素子に与えるダメージが小さく、望
ましい。
【0095】プラズマ処理を行う装置としては装置内に
所望のガスを導入でき、電場を印加できるものであれば
特に限定されず、市販のバレル型、平行平板型のプラズ
マ発生装置を適宜使用できる。
【0096】プラズマ装置へ導入するガスとしては、表
面を有効に活性化するものであれば特に限定されず、ア
ルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、またはこれらの混合ガ
スなどが例示される。さらには、有効に本組成物より形
成した塗膜の表面を活性化させ、このときに膜減りもほ
とんどないガスとして、窒素と酸素の混合ガスおよび窒
素ガスが好ましく例示される。
【0097】半導体素子バッファコート膜、半導体素子
パッシベーション膜、半導体素子層間絶縁膜、半導体素
子α線遮蔽膜または多層配線板層間絶縁膜に適用する場
合、本組成物より形成した塗膜の微細加工を要する場合
がある。この場合、前述のエネルギー線処理、特にプラ
ズマ処理は、フォトリソグラフィ用のフォトレジストを
塗布する際のはじきの防止に有効である。微細加工方法
としては、ウェットエッチング法、ドライエッチング法
など公知、周知の方法が適用でき、特にCF4、C26
などのフッ素化炭化水素系のガスを用いたプラズマドラ
イエッチング法が好適である。
【0098】なお、本発明における半導体素子とは、ダ
イオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、
バリスタ、サイリスタなどの個別半導体、DRAM(ダ
イナミック ランダム アクセス メモリ)、SRAM
(スタティック ランダムアクセス メモリ)、EPR
OM(イレイザブル プログラマブル リード オンリ
ー メモリ)、マスクROM(マスク リード オンリ
ー メモリ)、EEPROM(エレクトリカル イレイ
ザブル プログラマブル リード オンリーメモリ)、
フラッシュメモリなどの記憶素子、マイクロプロセッ
サ、DSP、ASICなどの理論回路素子、MMIC
(モノリシック マイクロウェーブ集積回路)に代表さ
れる化合物半導体などの集積回路素子、混成集積回路
(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子
などの光電変換素子などを意味する。
【0099】所定の半導体基板、すなわち回路素子と配
線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が
形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に本発明
おける樹脂組成物により形成された絶縁膜層を上記酸化
セリウムスラリーで研磨することによって、絶縁膜層表
面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面と
する。ここで、研磨する装置としては、半導体基板を保
持するホルダーと研磨布(パッド)を貼リ付けた(回転
数が変更可能なモータ等を取リ付けてある)定盤を有す
る一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一
般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂な
どが使用でき、特に制限は無い。また、研磨布にはスラ
リーが魯まる様な溝加工を施すことが好ましい。研磨条
件には制限は無いが、定盤の回転速度は半導体基板が飛
び出さない様に100rpm以下の低回転が好ましく、半
導体基板にかける圧力は研磨後に傷が発生しない様に1
Kg/cm2以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはス
ラリーをポンプ等で連続的に供給する。この時の供給量
には制限は無いが、研磨布の表面が常にスラリーで覆わ
れていることが好ましい。
【0100】研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く
洗浄後、表面に付着した酸化セリウム粒子を除去するた
めに、過酸化水素の存在下で硝酸、硫酸、過酸化水素、
炭酸アンモニウム水溶液それぞれの単独液及び混合液中
に浸漬してから再度水洗し、乾燥する。ここで、浸漬時
間には特に制限は無いが、酸化セリウム粒子の溶解によ
って生じる気泡が発生しなくなる時点で処理の終了を判
断することができる。また、浸漬温度には特に制限は無
いが、過酸化水素水などの自己分解性を示すものを用い
る場合には、40℃以下で処理することが好ましい。水
洗後は、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着
した水滴を払い落としてから乾燥させることが好まし
い。
【0101】この様にして平坦化された絶縁膜の層の上
に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間
及び配線上に再度上記方法により絶縁膜を形成後、上記
酸化セリウムスラリーを用いて研磨することによって、
絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って
平滑な面とする。この工程を所定数繰リ返すことによ
り、所望の層数の半導体を製造する。
【0102】
【実施例】例1(合成例) テトラメトキシシラン70gとF(CF2)8CH2CH2
i(OCH3)3を87g(モル比3:1)をメタノール6
10gに溶解し、フラスコ内で30分撹拌した。その
後、撹拌を続けながら水37gに60%の硝酸0.3g
を溶解した液を20分間かけて滴下し、滴下終了後4時
間撹拌をおこない、その後撹拌を停止した。撹拌停止後
は、密閉容器に移し室温で72時間放置後に分子量を測
定した結果、ポリスチレン換算の数平均分子量が110
0であった。得られた溶液を溶液Aという、分子量測定
後は溶液Aを冷凍庫(−18℃)に保管した。
【0103】例2(合成例) テトラメトキシシラン65gとF(CF2)864Si
(OCH3)388g(モル比3:1)をメタノール610
gに溶解し、フラスコ内で30分撹拌した。その後、撹
拌を続けながら水35gに60%の硝酸0.3gを溶解
した液を20分間かけて滴下し、滴下終了後4時間撹拌
をおこない、その後撹拌を停止した。撹拌停止後は、密
閉容器に移し室温で72時間放置後に分子量を測定した
結果、ポリスチレン換算の数平均分子量が1400であ
った。得られた溶液を溶液Bという。分子量測定後は溶
液Bを冷凍庫(−18℃)に保管した。
【0104】例3(比較合成例) テトラメトキシシラン61gとF(CF2)6CH2CH2
i(OCH3)394g(モル比2:1)をメタノール61
0gに溶解し、フラスコ内で30分撹拌した。その後、
撹拌を続けながら水36gに60%硝酸0.3gを溶解
した液を20分問かけて滴下し、滴下終了後4時間撹拌
をおこない、その後撹拌を停止した。撹拌停止後は、密
閉容器に移し室温で72時間放置後に分子量を測定した
結果、ポリスチレン換算の数平均分子量が1050であ
った。得られた溶液を、以下、溶液Cという。分子量測
定後は溶液Cを冷凍庫(−18℃)に保管した。
【0105】例4(比較合成例) テトラメトキシシラン51gとF(CF2)8CH2CH2
i(OCH3)395g(モル比2:1)をメタノール62
0gに溶解し、フラスコ内で30分撹拌した。その後、
撹拌を続けながら水30gに60%硝酸0.3gを溶解
した液を20分間かけて滴下し、滴下終了後4時間撹拌
をおこない、その後撹拌を停止した。撹拌停止後は、密
閉容器に移し室温で72時間放置後に分子量を測定した
結果、ポリスチレン換算の数平均分子量が1000であ
った。得られた溶液を、以下、溶液Dという。分子量測
定後は溶液Dを冷凍庫(−18℃)に保管した。
【0106】例5(合成例) 溶液A250gをフラスコ内で室温に保ちながら撹拌
し、溶媒のメタノールを溶液の重量が80gになるまで
減圧留去した。その後、パープルオロトリブチルアミン
〔構造式で示すとN(C49)3〕(以下FTBAとい
う)とペンタフルオロプロパノール〔構造式C25CH
2OH〕(以下PFPAという)を重量比2:1で混合
した溶媒を500g添加し、70℃で加熱しながら撹拌
し、窒素ガスを通しながら常圧下で溶媒を留去した。溶
液の重量が400gになるまで溶媒を留去してフッ素系
溶媒に溶解したポリシロキサンの溶液を得た。得られた
溶液を、以下、溶液A′という。この時の溶媒中のペン
タフルオロプロパノールの比率は5重量%であった。
【0107】例6(合成例) 溶液B、溶液C及び溶液Dのそれぞれから、例5と同様
の操作によリ溶媒置換された溶液B′、溶液C′及び溶
液D′を得た。
【0108】例7(合成例) ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)35g、イオ
ン交換水150g、メタノール20gおよび重合開始剤
として((CH3)2CHOCOO)2を90mg、内容積20
0ccの耐圧ガラス製オートクレーブに入れ、系内を3回
窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行って
ポリマー(以下、ポリマーAという)を28g得た。ポ
リマーAの固有粘度[η]は、ペルフルオロ(2−ブチ
ルテトラヒドロフラン)中30℃で0.2dl/gであっ
た。さらに、ポリマーAを空気中で300℃で3時間熱
処理した後に、水中に浸漬して官能基を分子内に有する
ポリマー(以下、ポリマーEという)を得た。ポリマー
EのIRスペクトルにはカルボキシル基に帰属されるピ
ークが確認され、カルボキシル基量は、0.03ミリモ
ル/gポリマーであった。
【0109】例8(合成例) ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)40g、メチ
ルペルフルオロ(5−オキサ−6−ヘプトネエート)
1.6g、イオン交換水150gおよび重合開始剤とし
て((CH3)2CHOCOO)2を90mg、内容積200cc
の耐圧ガラス製オートクレーブに入れ、系内を3回窒素
で置換した後、40℃で24時間懸濁重合を行ってポリ
マーを30g得た。このポリマーの固有粘度[η]は、
ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中30
℃で0.34dl/gであった。さらに、このポリマーのメ
チルエステル基を、周知の方法で加水分解させ、0.1
2ミリモル/gポリマーのカルボキシル基を有するポリ
マー(以下ポリマーFという)を得た。
【0110】例9〜20 溶液A′〜D′、ポリマーE、Fおよびアミノフェニル
トリメトキシシラン(以下、APMSという)を表1及
び表2に示す配合で混合し溶液を調製した。調製の際に
は、ポリマーとポリシロキサンをAPMSを介して架橋
させるため、40℃で3時間撹拌を行った。表1及び表
2において、すべての例において、ポリマー濃度が3重
量%となるように調製した。また、溶媒の組成比は全体
が重量比でFTBA/PFPA=95/5となるように
調整した。表1及び表2に示す溶液を用いてシリコンウ
エハー上に硬化膜を形成し、評価を行った。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】例24(酸化セリウムスラリーの準備) 酸化セリウム粉末10gを脱イオン水100g中に分散
して、これにポリアクリル酸アンモニウム塩1gを添加
後、遊星ボールミルを用いて2800rpmで30分間分
散処理を施すことによって、乳白色の酸化セリウムスラ
リーを得た。コールターカウンタを用いてこの酸化セリ
ウム粉末の粒度分布を測定した結果、平均粒子径が17
6nmで、単分散で比較的分布も狭いものであった。
【0114】例9〜20の溶液を用いてスピンコート法
により、ベアのシリコンウエハー上に絶縁膜を形成し
た。溶液をウエハー上にディスペンス後、1000〜5
000rpmの回転数で30秒間回転させ、その後第一の
ホットプレート上に搬送し、80℃/90秒、次に第二
のホットプレートにより200℃/90秒のプリベーク
を行った。スピンコートの回転数は、最終硬化膜の膜厚
が1.0μmになるように調節した。最終硬化は、縦型
炉を用い、窒素雰囲気下400℃で30分間の硬化を行
った。作製したウエハーを用いて以下の(I)〜(IV)
の評価を行った。
【0115】(I)膜質:走査型電子顕微鏡で、硬化膜
の断面を観察し膜質の均一性を調べた。 (II)誘電率:硬化膜上に直径2mmのAl電極を形成
し、シリコンウエハーとの間の容量の測定を行い誘電率
を求めた。 (III)耐熱性:硬化膜を縦型炉で窒素雰囲気下400
℃の熱処理を繰り返し行い、400℃熱処理30分によ
る膜厚の減少率を求めた。 (IV)研磨特性:例24の酸化セリウムスラリーを用い
て、以下の方法で低誘電率絶縁膜の研磨を行った。
【0116】保持する基板取リ付け用の吸着パッドを貼
リ付けたホルダーに上記絶縁層を形成させたSiウエハ
ーをセットし、多孔質フッ素樹脂製の研磨パッドを貼リ
付けた(回転数が変更可能なモータ等を取リ付けてあ
る)定盤上にSiウエハー面を下にしてホルダーを載
せ、さらにその上に26Kgの重しを載せた。定盤上に上
記3種類の酸化セリウムスラリーをそれぞれ滴下しなが
ら、上盤を50rpmで4分間回転させ、絶縁膜を研磨し
た。研磨後、Siウエハーをホルダーから外して、流水
中で良く洗浄後、硝酸を入れたビーカの中に浸し、この
ビーカを超音波洗浄機中にセットして10分間洗浄し
た。酸化セリウムの溶解に伴う発泡が収まったことを確
認後、ビーカ中からSiウエハーを取り出し、スピンド
ライヤで水滴を除去後、120℃の乾燥機で1O分間乾
燥させた。自動エリプソメータを用いて研磨前後の膜厚
変化を測定し研磨量を求めた。
【0117】(多層配線形成牲評価)多層配線の形成性
を評価するため、厚さ0.8μmのAlをドライエッチ
ングにより加工し、配線パターンを形成したウエハーを
作製した。Al配線上には0.1μm程度のSiO2
をCVD法により形成した。この基板上に、ベアのシリ
コンウエハーと同様の方法で、スピンコート法により塗
布膜を形成した。この時、ベアSi上に塗布膜を形成し
た場合の膜厚が1.5μmになるように、スピンコート
の回転数を調整した。塗布膜の最終硬化後、以下の順で
上層配線の形成を行った。始めに例24の酸化セリウム
スラリーを用いて上記の方法により、研磨を行った。こ
の時、研磨量が0.5μmになるように研磨時間を決め
た。次に、塗布膜上にSiN膜をプラズマCVD法によ
り0.05μm形成し、次いでSiO2膜をプラズマC
VD法により0.2μm形成した。その後、スパッタに
よりAl膜を形成した。次いで、フオトレジストを塗布
し、配線パターンのマスクを形成した。Alのエッチン
グを、ドライエッチング装置により行い、配線上に残っ
たレジストマスクを酸素プラズマにより除去した。最後
にAl配線上に0.1μmのSiO2膜を形成すること
で、図1に示す様な2層目の配線を形成した。この工程
を3回繰り返して4層配線を形成し、Al配線の加工状
態を断面SEMで観察した。
【0118】(評価結果)例9〜例20の低誘電率樹脂
組成物についての(I)〜(IV)および積層配線形成性
の評価結果を表3〜4に示す。低誘電率樹脂組成物に含
まれるポリシロキサンの比率が多い場合に、積層配線の
形成が可能で、4層目のAl配線の加工形状が良好であ
ることが確認できた。但し、研磨される絶縁膜の膜質が
不均一な場合には、研磨後の表面の凹凸が大きいため、
積層による剥がれば発生しなかったが、Al配線の加工
形状は不良となった。この結果から、絶縁膜の膜質が良
好であれば、CMPによるグローバル平坦により、レジ
ストマスク形成時に十分なフォーカスマージンが得られ
ていることが分かる。また、ポリシロキサンの比率が少
ない場合および有機含有量の高いポリシロキサンを用い
た場合には、積層途中で剥がれが発生したため、4層配
線を形成することができなっかった。この場合には、形
成した塗布膜の耐熱性、高温での機械強度が不足してい
たと考えられる。
【0119】
【表3】
【0120】
【表4】
【0121】
【発明の効果】本発明の半導体素子の製造方法により、
低誘電率で、高温での機械特性が他の低誘電率材料と比
較して著しく改善された層間絶縁膜のグローバルな平坦
化が可能となる。その結果、層間絶縁膜の低誘電率化に
よるLSIの高速化、グローバル平坦化による微細配線
の多層化が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉田 靖 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 森嶋 浩之 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 本田 善彦 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 横塚 俊亮 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 松倉 郁生 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BD15W BD16W BE04W CP03X CP08X EX066 EX076 GQ05 5F033 QQ48 QQ50 RR06 RR23 RR24 SS15 SS22 TT04 WW03 WW04 WW09 XX01 XX24 XX27 5F058 AC03 AC05 AF04 BA09 BA20 BC02 BC05 BF46 BH01 BJ01 BJ02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に比誘電率2.5以下の絶縁
    膜の層を形成し、その絶縁膜層を研磨剤で研磨する工程
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 誘電率2.5以下の絶縁膜が、有機無機
    複合膜であることを特徴とする請求項1記載の半導体素
    子の製造方法。
  3. 【請求項3】 誘電率2.5以下の絶縁膜が、以下の
    (a)及び(b)を含む低誘電率樹脂組成物より形成さ
    れた絶縁膜であることを特徴とする請求項1記載の半導
    体素子の製造方法。 (a)官能基を分子内に有し、かっ溶剤に可溶な樹脂。 (b)式 【化1】 (式中、R1およびR2は同一または相異なる非加水分解
    性基、R3はアルキル基、mおよびnは0≦m+n≦3
    を満たす0〜3の整数)で表されるアルコキシシラン類
    の部分加水分解縮合物。
  4. 【請求項4】 200℃以上の温度において、低誘電率
    樹脂組成物より形成した塗膜の弾性率が、樹脂(a)の
    弾性率以上である請求項3記載の半導体素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 樹脂(a)100重量部に対する部分加
    水分解縮合物(b)の割合が3〜400重量部である低
    誘電率樹脂組成物を用いた請求項3記載の半導体素子の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 カップリング剤(c)を含む低誘電率樹
    脂組成物を用いた請求項3記載の半導体素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 樹脂(a)と部分加水分解縮合物(b)
    がカップリング剤(c)を介して架橋した反応物を含む
    低誘電率樹脂組成物を用いた請求項3記載の半導体素子
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 樹脂(a)の官能基が、部分加水分解縮
    合物(b)またはカップリング剤(c)と架橋反応しう
    る基である低誘電率樹脂組成物を用いた請求項3記載の
    半導体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂(a)が、官能基を分子内に有しか
    つ主鎖に含フッ素脂肪族環構造または含フッ素脂肪族構
    造を有するフッ素樹脂である低誘電率樹脂組成物を用い
    た請求項3〜8のいずれか記載の半導体素子の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 部分加水分解縮合物(b)がテトラア
    ルコキシシラン類の部分加水分解縮合物および含フッ素
    非加水分解性基を有するアルコキシシラン類の部分加水
    分解縮合物から選ばれる少なくとも1種である低誘電率
    樹脂組成物を用いた請求項3〜8のいずれか記載の半導
    体素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 研磨剤が、水中に酸化セリウム粒子を
    分散させたスラリーである請求項1〜10のいずれかに
    記載の半導体素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 スラリーが分散剤を含む請求項11記
    載の半導体素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 分散剤が、水溶性有機高分子、水溶性
    陰イオン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤、
    水溶性アミンから選ばれる少なくとも一種である請求項
    12記載の半導体素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 スラリーがアルカリ性のスラリーであ
    る請求項11〜13のいずれかに記載の半導体素子の製
    造方法。
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