JP2000286471A - 熱電材料の製造方法 - Google Patents

熱電材料の製造方法

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JP2000286471A
JP2000286471A JP11094423A JP9442399A JP2000286471A JP 2000286471 A JP2000286471 A JP 2000286471A JP 11094423 A JP11094423 A JP 11094423A JP 9442399 A JP9442399 A JP 9442399A JP 2000286471 A JP2000286471 A JP 2000286471A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶の配向性が良い、急冷箔粉末を形成する
ことができる熱電材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 原料を溶融し、原料を溶湯射出ノズル2
から冷却ロ−ル1に溶湯3射出する液体急冷方法により
急冷箔5を作製し、この急冷箔5をそのまま又は粉砕し
た後、固化成形して熱電材料を作製する熱電材料の製造
方法において、原料はBi及びSbからなる群から選択
された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる
群から選択された少なくとも1種の元素と、を含有する
組成を有し、溶湯3射出の溶湯射出温度をTLとし、冷
却ロ−ル1の回転速度をRとするとき、TLは600乃
至1100℃であり、Rは2乃至80m/秒であり、T
Lは(20R+46760)/78乃至(100R+7
7800)/78である条件で急冷箔5を製造する工程
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電材料の製造方
法に関し、特に、結晶の配向性が良い、急冷箔粉末等を
形成することができる熱電材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱電材料の製造方法としては、一
方向凝固させた材料を粉砕して固化成形する方法が知ら
れている。図7(a)乃至(d)は従来の熱電材料の製
造方法を示す模式図である。
【0003】先ず、図7(a)に示すように、原料10
1を石英管100に入れた後、石英管100を溶断して
封入する。次に、図7(b)に示すように、石英管10
0を管状炉102に入れて溶解し管状炉102を揺動し
て攪拌する。次に、図7(c)に示すように、管状炉1
02内に温度勾配をつけ、結晶方位を配向させながら凝
固させて凝固材103を形成する。次に、図7(d)に
示すように、凝固材103を粉砕しホットプレス等によ
り固化成形し、固化成形材を作製する。このとき、圧力
の作用方向と垂直方向に低抵抗の結晶方向が成長するた
め、この方向に電流を流すように電極を取りつけてモジ
ュ−ルを作製している。また、凝固材103をそのまま
モジュールに使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来の
熱電材料の製造方法では、例えば、凝固材103では製
造された熱電材料の結晶粒径が数mm以上になり、へき
開性があるため脆くなるという問題点がある。また、熱
伝導率が高い。熱電材料の性能指数をZ、熱起電力を
α、熱伝導率をκ、比抵抗をρとするとき、下記数式1
のように示される。
【0005】
【数1】Z=α2/(κ×ρ)
【0006】数式1で示されるように熱伝導率が高いと
性能の向上に限界がある。
【0007】また、図7の(d)で得られる固形成形材
では粉砕された粉末の大きさが結晶粒径であるため、κ
を低下させるために結晶粒を微細化しても限界がある。
また、粉砕時の粉末の表面酸化又は不純物の混入のため
に比抵抗の増大を招いて、数式1に示されるように性能
指数が低下し、性能が劣化するという問題点がある。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、結晶の配向性が良い、急冷箔粉末を形成す
ることができる熱電材料の製造方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱電材料の
製造方法は、原料を溶融し、前記原料を溶湯射出ノズル
から冷却ロ−ルに溶湯射出する液体急冷方法により急冷
箔を作製し、この急冷箔をそのまま又は粉砕した後、固
化成形して熱電材料を作製する熱電材料の製造方法にお
いて、前記原料はBi及びSbからなる群から選択され
た少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群か
ら選択された少なくとも1種の元素と、を含有する組成
を有し、前記溶湯射出の溶湯射出温度をTLとし、前記
冷却ロ−ルの回転速度をRとするとき、前記TLは60
0乃至1100℃であり、前記Rは2乃至80m/秒で
あり、前記TLは(20R+46760)/78乃至
(100R+77800)/78である条件で急冷箔を
製造する工程を有することを特徴とする。
【0010】この場合、前記原料は更にI、Cl、H
g、Br、Ag及びCuからなる群から選択された少な
くとも1種の元素を含有させて、キャリア密度の制御が
可能である。
【0011】本発明においては、前記冷却ロ−ルの表面
温度をTRとするとき、前記TRは5乃至80℃であ
り、前記TRは(TL−100)/100乃至(TL+
2900)/50である条件で急冷箔を製造する工程を
有することが好ましい。
【0012】また、前記溶湯射出ノズルと前記冷却ロー
ルとの間隔をdとするとき、前記dは0.3乃至20m
mであり、前記Rは(8d+37)/19.7乃至(3
0d+976)/19.7である条件で急冷箔を製造す
る工程を有することが好ましい。
【0013】更に、前記溶湯射出の圧力をPとすると
き、前記Pは0.1乃至7kgf/cm2であり、前記
Rは(P+4.5)/2.3乃至(25P+377)/
6.9である条件で急冷箔を製造する工程を有すること
が好ましい。
【0014】更にまた、前記溶湯射出ノズルの口径をφ
とするとき、前記φは0.1乃至10mmであり、前記
Pは(−0.4φ+4.99)/9.9乃至(−2φ+
69.5)/9.9である条件で急冷箔を製造する工程
を有することが好ましい。
【0015】また、前記急冷箔を製造する工程の後工程
として、前記急冷箔を還元ガス雰囲気で熱処理し、固化
成形する工程を有することが好ましい。
【0016】本発明においては、溶湯射出の溶湯射出温
度をTLとし、冷却ロ−ルの回転速度をRとするとき、
TLは600乃至1100℃であり、Rは2乃至80m
/秒であり、TLは(20R+46760)/78乃至
(100R+77800)/78である条件で急冷箔を
製造することにより、低抵抗に配向された結晶を有する
急冷箔を製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る熱電
材料の製造方法について添付の図面を参照して詳細に説
明する。図1は本発明の実施例に係る熱電材料の製造装
置を示す模式図である。
【0018】本実施例では、冷却ロ−ル1と溶融した原
料を冷却ロ−ル1表面に射出させるノズル2が間隔をd
あけて配置されている。このノズル2には溶融した溶湯
3が充填され、溶湯3を射出する口径φの開口部4が形
成されている。また、溶湯3を射出するための溶湯射出
圧力Pを作用させる圧力発生手段(図示せず)に接続さ
れている。
【0019】この冷却ロ−ル1を周速度をRで回転さ
せ、冷却ロ−ル1の中心に向けてノズル2から溶湯3を
射出し、冷却ロ−ル1により冷却されて急冷箔5が形成
される。この作製された急冷箔5を還元ガス雰囲気で熱
処理し、固化成形して熱電材料が形成される。なお、冷
却ロ−ル1の材質としては銅、銅合金、鉄、鋼又はチタ
ン合金等を使用することができる。
【0020】次に、本発明の熱電材料の製造方法の数値
限定理由について説明する。
【0021】溶湯射出温度:600乃至1100℃ 溶湯射出温度が600℃未満では、材料が十分に溶解で
きないか又は溶湯の粘性が高くて射出できない。一方、
溶湯射出温度が1100℃を超えると、蒸気圧の高いT
e及びSeが蒸発して組成が変わってしまい熱電材料の
性能が高性能を得ることができない。従って、溶湯射出
温度は600乃至1100℃とする。
【0022】冷却ロ−ルの回転速度:2乃至80m/秒 冷却ロ−ルの回転速度が2m/秒未満では急冷速度が十
分に得ることができず低抵抗方位に配向した超急冷箔を
得ることができない。一方、冷却ロ−ルの回転速度が8
0m/秒を超えると、冷却ロ−ルと溶湯との濡れ性が悪
化し、箔が粉末状になるため、急冷速度を十分に得るこ
とができず、低抵抗方位に配向した超急冷箔が得られな
いと共に、箔の形状が一定化せず、安定した性能を得る
ことができない。従って、冷却ロ−ルの回転速度は2乃
至80m/秒とする。
【0023】溶湯射出温度:(20R+46760)/
78乃至(100R+77800)/78 図2は縦軸に溶湯射出温度、横軸に冷却ロールの回転速
度をとり、急冷箔の製造条件を示すグラフ図である。図
2に示すように、下記数式2及び3に示す直線により表
すことができる。
【0024】
【数2】78TL=20R+46760
【0025】
【数3】78TL=100R+77800
【0026】溶湯射出温度が(20R+46760)/
78の値未満では溶湯の粘性が高すぎて冷却ロ−ルで十
分に急冷されず急冷速度が十分に得ることができない。
このため、低抵抗方位に配向した超急冷箔を得ることが
できない。一方、溶湯射出温度が(100R+7780
0)/78を超えると、冷却ロ−ルと溶湯との濡れ性が
悪化すると共に、箔が粉末状になるため急冷速度を十分
に得ることができず、低抵抗方位に配向した超急冷箔を
得ることができない。従って、溶湯射出温度:(20R
+46760)/78乃至(100R+77800)/
78とする。
【0027】冷却ロ−ルの表面温度:5乃至80℃ 冷却ロ−ルの表面温度が5℃未満では、急冷時に溶湯に
歪が過度に生じ、結晶性が崩れるため、低抵抗の方位に
配向性を揃えることができず、抵抗が高くなり、性能指
数が低下し、高性能の熱電材料を得ることができない。
一方、冷却ロ−ルの表面温度が80℃を超えると、溶湯
と冷却ロ−ルとの濡れ性が悪化し、低抵抗の配向性を得
ることが難しくなり、高性能の熱電材料を得ることがで
きない。従って、冷却ロ−ルの表面温度は5乃至80℃
とすることが好ましい。
【0028】冷却ロ−ルの表面温度:(TL−100)
/100乃至(TL+2900)/50 図3は縦軸に冷却ロールの表面温度、横軸に溶湯射出温
度をとり、急冷箔の製造条件を示すグラフ図である。図
3に示すように、下記数式4及び5に示す直線により表
すことができる。
【0029】
【数4】100TR=TL−100
【0030】
【数5】50TR=TL+2900
【0031】冷却ロ−ルの表面温度が(TL−100)
/100未満では、急冷時に溶湯に歪が過度に生じ、結
晶性が崩れるため、低抵抗の方位に配向性を揃えること
ができず、抵抗が高くなり、性能指数が低下し、高性能
の熱電材料を得ることができない。一方、冷却ロ−ルの
表面温度が(TL+2900)/50を超えると、溶湯
と冷却ロ−ルとの濡れ性が悪化し、低抵抗の配向性を得
ることが難しくなり、高性能の熱電材料を得ることがで
きない。従って、冷却ロ−ルの表面温度は(TL−10
0)/100乃至(TL+2900)/50とすること
が好ましい。
【0032】溶湯射出ノズルと冷却ロールとの間隔:
0.3乃至20mm 溶湯射出ノズルと冷却ロールとの間隔が0.3mm未満
では、冷却ロ−ル上の溶湯にノズルが埋没する射出形態
となり、均質な急冷箔を得ることができない。一方、溶
湯射出ノズルと冷却ロールとの間隔が20mmを超える
と、溶湯がロ−ルに接触するまでの時間が長くなり、冷
却速度が遅くなるため、結晶の配向性が乱れ高性能の熱
電材料を得ることができない。従って、溶湯射出ノズル
と冷却ロールとの間隔は0.3乃至20mmとすること
が好ましい。
【0033】冷却ロールの回転速度:(8d+37)/
19.7乃至(30d+976)/19.7 図4は縦軸に冷却ロールの回転速度、横軸に溶湯射出ノ
ズルと冷却ロールとの間隔をとり、急冷箔の製造条件を
示すグラフ図である。図4に示すように、下記数式6及
び7に示す直線により表すことができる。
【0034】
【数6】19.7R=8d+37
【0035】
【数7】19.7R=30d+976
【0036】冷却ロールの回転速度が(8d+37)/
19.7未満では、急冷速度が十分に得ることができ
ず、低抵抗方位に配向した超急冷箔を得ることができな
い。冷却ロールの回転速度が(30d+976)/1
9.7を超えると、溶湯と冷却ロ−ルとの濡れ性が悪化
すると共に、箔が粉末状になるため、急冷速度が十分に
得ることができない。このため、低抵抗方位に配向した
超急冷箔を得ることができないと共に、箔の形状が一定
化せず、安定した性能を得ることができない。従って、
冷却ロールの回転速度は(8d+37)/19.7乃至
(30d+976)/19.7とすることが好ましい。
【0037】溶湯射出圧力:0.1乃至7kgf/cm
2 溶湯射出圧力が0.1kgf/cm2未満では、圧力が
不足して溶湯を射出することができない。一方、溶湯射
出圧力が7kgf/cm2を超えると、溶湯量、即ち、
溶湯の熱容量が大きくなりすぎて急冷速度が低下し、配
向性のよい箔を得ることができず、高性能の熱電材料を
得ることができない。従って、溶湯射出圧力は0.1乃
至7kgf/cm2とすることが好ましい。
【0038】冷却ロールの回転速度:(P+4.5)/
2.3乃至(25P+377)/6.9 図5は縦軸に冷却ロールの回転速度、横軸に溶湯射出圧
力をとり、急冷箔の製造条件を示すグラフ図である。図
5に示すように、下記数式8及び9に示す直線により表
すことができる。
【0039】
【数8】2.3R=P+4.5
【0040】
【数9】6.9R=25P+377
【0041】冷却ロールの回転速度が(P+4.5)/
2.3未満では、冷却速度が低下し、必要な冷却速度を
得ることができない。このため、配向性の良い箔を得る
ことができず、高性能の熱電材料を得ることができな
い。一方、冷却ロールの回転速度が(25P+377)
/6.9を超えると、急冷箔が薄くなりすぎ粉末状にな
り箔の形状が一定化せず、配向性も崩れるため安定した
熱電材料を得ることができない。従って、冷却ロールの
回転速度は(P+4.5)/2.3乃至(25P+37
7)/6.9とすることが好ましい。
【0042】溶湯射出ノズルの口径:0.1乃至10m
m 溶湯射出ノズルの口径が0.1mm未満では口径が小さ
すぎて溶湯を射出することができない。一方、溶湯射出
ノズルの口径が10mmを超えると、射出される溶湯の
熱容量が大きすぎて急冷が効かず、低抵抗方位に揃った
箔を形成することができない。このため、高性能の熱電
材料を形成することができない。従って、溶湯射出ノズ
ルの口径は0.1乃至10mmとすることが好ましい。
【0043】溶湯射出圧力:(−0.4φ+4.99)
/9.9乃至(−2φ+69.5)/9.9 図6は縦軸に溶湯射出圧力、横軸にノズルの口径をと
り、急冷箔の製造条件を示すグラフ図である。図6に示
すように、下記数式10及び11に示す直線により表す
ことができる。
【0044】
【数10】9.9R=−0.4φ+4.99
【0045】
【数11】9.9R=−2φ+69.5
【0046】溶湯射出圧力は(−0.4φ+4.99)
/9.9未満では溶湯の粘性及び溶湯とノズルとの間の
摩擦力のため、射出することができない。一方、溶湯射
出圧力が(−2φ+69.5)/9.9を超えると、射
出される溶湯の量が多すぎて急冷が効かず、低抵抗方位
に配向の揃った箔を形成することができない。このた
め、高性能の熱電材料を得ることができない。従って、
溶湯射出圧力は(−0.4φ+4.99)/9.9乃至
(−2φ+69.5)/9.9とすることが好ましい。
【0047】
【実施例】以下、本発明の範囲に入る熱電材料の製造方
法の実施例について、その特性を比較例と比較して具体
的に説明する。
【0048】第1実施例 Bi0.5Sb1.5Te3+2重量%Te及びBi1.8Sb
0.2Te2.85Se0.15+0.15重量%Sbの原料を使
用し、溶湯射出温度及び冷却ロ−ルの回転速度を表1に
示す条件で急冷箔を作製し、この急冷箔を使用して熱電
材料を作製した。この得られた熱電材料の熱起電力、熱
伝導率及び比抵抗を測定し、性能指数Zを上記数式1に
より算出した。これらの結果を表1に示す。
【0049】なお、表1の実施例No.1乃至3及び比較
例No.46乃至48はBi0.5Sb1.5Te3+2重量%T
eの組成の熱電材料である。表1の実施例No.4乃至6
及び比較例No.50乃至56はBi1.8Sb0.2Te2.85
Se0.15+0.15重量%Sbの組成の熱電材料であ
る。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1に示すように、本発明の範囲に入
る実施例No.1乃至6は比抵抗値が低いため、性能指数
が4.21×10-31/Kを超える高い値となった。
【0052】一方、比較例No.46乃至56は良好な性
能指数を得ることができなかった。比較例No.46は冷
却ロ−ルの回転速度が本発明の範囲未満であるため、低
抵抗方位に配向した急冷箔を得ることができず、性能指
数が低くなった。
【0053】比較例No.47は冷却ロ−ルの回転速度が
本発明の範囲を超えているため、低抵抗方位に配向した
急冷箔を得ることができず、性能指数が低くなった。
【0054】比較例No.48は溶湯射出温度の値が(1
00R+77800)/78の値よりも大きいため、低
抵抗方位に配向した急冷箔を得ることができず、性能指
数が低くなった。
【0055】比較例No.49は溶湯射出温度の値が(2
0R+46760)/78の値よりも小さいため、低抵
抗方位に配向した急冷箔を得ることができず、性能指数
が低くなった。
【0056】比較例No.50は溶湯射出温度の値が(2
0R+46760)/78の値よりも小さいため、低抵
抗方位に配向した急冷箔を得ることができず、性能指数
が低くなった。
【0057】比較例No.51は溶湯射出温度の値が(2
0R+46760)/78の値よりも小さいため、低抵
抗方位に配向した急冷箔を得ることができず、性能指数
が低くなった。
【0058】比較例No.52は溶湯射出温度の値が(1
00R+77800)/78の値よりも大きいため、低
抵抗方位に配向した急冷箔を得ることができず、性能指
数が低くなった。
【0059】比較例No.53は冷却ロ−ルの回転速度が
本発明の範囲を超えているため、低抵抗方位に配向した
急冷箔を得ることができず、性能指数が低くなった。
【0060】比較例No.54は冷却ロ−ルの回転速度が
本発明の範囲未満であるため、急冷速度を十分に得るこ
とができず、性能指数が低くなった。
【0061】比較例No.55は溶湯射出温度が本発明の
範囲未満であるため、溶湯を射出することできなかっ
た。
【0062】比較例No.56は溶湯射出温度が本発明の
範囲を超えているため、組成が変化してしまい低抵抗方
位に配向した急冷箔を得ることができず、性能指数が低
くなった。
【0063】第2実施例 Bi0.4Sb0.1Te3+4重量%Teの原料を使用し、
冷却用のロ−ル表面温度及び溶湯射出温度を表2に示す
条件で急冷箔を作製し、この急冷箔を使用して熱電材料
を作製した。この得られた熱電材料の熱起電力、熱伝導
率及び比抵抗を測定し、性能指数Zを上記数式1により
算出した。これらの結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】上記表2に示すように、本発明の範囲に入
る実施例No.8乃至17は比抵抗値が低いため、性能指
数が4.22×10-31/Kを超える高い値となった。
【0066】一方、比較例No.57乃至62は良好な性
能指数を得ることができなかった。比較例No.57は溶
湯射出温度が本発明の範囲を超えているため、組成が変
化してしまい低抵抗方位に配向した急冷箔を得ることが
できず、性能指数が低くなった。
【0067】比較例No.58は請求項1は満足するもの
のロ−ル表面温度の値が(TL−100)/100の値
よりも小さいため、急冷時に歪が過度に入り結晶性が崩
れ、低抵抗の方位に配向を揃えることができないため、
性能指数が若干低かった。
【0068】比較例No.59は請求項1は満足するもの
のロ−ル表面温度の値が(TL−100)/100の値
よりも小さいため、急冷時に歪が過度に入り結晶性が崩
れ、低抵抗の方位に配向を揃えることができないため、
性能指数が若干低かった。
【0069】比較例No.60は請求項1は満足するもの
のロ−ル表面温度の値が(TL+2900)/50の値
よりも大きいため、溶湯と冷却ロ−ルとの濡れ性が悪化
し、低抵抗の方位に配向を揃えることができないため、
性能指数が若干低かった。
【0070】比較例No.61は請求項1は満足するもの
のロ−ル表面温度の値が(TL+2900)/50の値
よりも大きいため、溶湯と冷却ロ−ルとの濡れ性が悪化
し、低抵抗の方位に配向を揃えることができないため、
性能指数が若干低かった。
【0071】比較例No.62は溶湯射出温度が本発明の
範囲未満であるため、溶湯を射出することができなかっ
た。
【0072】第3実施例 Bi0.4Sb1.6Te2.95Se0.05+5重量%Teの原料
を使用し、冷却用のロ−ルの回転速度及びノズル口径を
表3に示す条件で急冷箔を作製し、この急冷箔を使用し
て熱電材料を作製した。この得られた熱電材料の熱起電
力、熱伝導率及び比抵抗を測定し、性能指数Zを上記数
式1により算出した。これらの結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】上記表3に示すように、本発明の請求項4
の範囲に入る実施例No.18乃至24は比抵抗値が低い
ため、性能指数が4.21×10-31/Kを超える高い
値となった。
【0075】一方、比較例No.63乃至69良好な性能
指数を得ることができなかった。比較例No.63は請求
項1は満足するもののノズル口径が本発明の範囲未満で
あるため、均質な急冷箔を得ることができない。このた
め、性能指数が低かった。
【0076】比較例No.64は請求項1は満足するもの
のノズル口径が本発明の範囲を超えるため、溶湯の熱容
量が大きく急冷箔を得ることができない。このため、性
能指数が低かった。
【0077】比較例No.65は請求項1は満足するもの
のロ−ル回転速度の値が(30d+976)/19.7
の値よりも大きいため、原料と冷却ロ−ルとの濡れ性が
悪化すると共に、箔が粉末状になる。このため、結晶の
配向が乱れ、性能指数が低かった。
【0078】比較例No.66は請求項1は満足するもの
のロ−ル回転速度の値が(8d+37)/19.7の値
よりも小さいため、急冷速度が十分に得ることができな
い。このため、性能指数が低かった。
【0079】比較例No.67は請求項1は満足するもの
のロ−ル回転速度の値が(30d+976)/19.7
の値よりも大きいため、原料と冷却ロ−ルとの濡れ性が
悪化すると共に、箔が粉末状になる。このため、結晶の
配向が乱れ、性能指数が低かった。
【0080】比較例No.68は冷却ロ−ルの回転速度が
本発明の範囲未満であるため、急冷速度を十分に得るこ
とができず、性能指数が低くなった。
【0081】比較例No.69は冷却ロ−ルの回転速度が
本発明の範囲を超えているため、低抵抗方位に配向した
急冷箔を得ることができず、性能指数が低くなった。
【0082】第4実施例 Bi1.9Sb0.1Te3 。 65Se0.35+0.15重量%Hg
Br2の原料を使用し、冷却用のロ−ルの回転速度及び
溶湯射出圧力を表4に示す条件で急冷箔を作製し、この
急冷箔を使用して熱電材料を作製した。この得られた熱
電材料の熱起電力、熱伝導率及び比抵抗を測定し、性能
指数Zを上記数式1により算出した。これらの結果を表
4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】上記表4に示すように、本発明の請求項5
の範囲に入る実施例No.25乃至34は比抵抗値が低い
ため、性能指数が4.21×10-31/Kを超える高い
値となった。特に、実施例No.33及び34は比抵抗値
が低いために起電力が同じ値のものに比べて高い性能指
数を得ることができる。
【0085】一方、比較例No.70乃至75は良好な性
能指数を得ることができなかった。比較例No.70は溶
湯射出圧力が本発明の範囲未満であるため、溶湯を射出
することができなかった。
【0086】比較例No.71は請求項1は満足するもの
の溶湯射出圧力が本発明の範囲を超えているため、溶湯
量即ち、溶湯の熱容量が大きくなりすぎて急冷速度が低
下し、配向性の良い箔を得ることができない。このた
め、性能指数が低かった。
【0087】比較例No.72は請求項1は満足するもの
のロ−ル回転速度の値が(P+4.5)/2.3の値よ
りも小さいため、原料の冷却速度が低下し、必要な冷却
速度を得ることができない。このため、性能指数が低か
った。
【0088】比較例No.73は請求項1は満足するもの
のロ−ル回転速度の値が(25P+377)/6.9の
値よりも大きいため、急冷箔が薄くなりすぎ粉末状にな
り、箔の形状が一定化せず配向性も崩れる。このため、
性能指数が低かった。
【0089】比較例No.74は冷却ロ−ルの回転速度が
本発明の範囲を超えているため、低抵抗方位に配向した
急冷箔を得ることができず、性能指数が低くなった。
【0090】比較例No.75は冷却ロ−ルの回転速度が
本発明の範囲未満であるため、急冷速度を十分に得るこ
とができず、性能指数が低くなった。
【0091】第5実施例 Bi1.9Sb0.1Te3 。 75Se0.25+0.06重量%Ag
lの原料を使用し、ノズルの口径及び溶湯射出圧力を表
5に示す条件で急冷箔を作製し、この急冷箔を使用して
熱電材料を作製した。この得られた熱電材料の熱起電
力、熱伝導率及び比抵抗を測定し、性能指数Zを上記数
式1により算出した。これらの結果を表5に示す。
【0092】
【表5】
【0093】上記表5に示すように、本発明の請求項6
の範囲に入る実施例No.35乃至45は比抵抗値が低い
ため、性能指数が4.27×10-31/Kを超える高い
値となった。
【0094】一方、比較例No.76乃至81は良好な性
能指数を得ることができなかった。
【0095】比較例No.76は溶湯射出圧力及び溶湯射
出圧力の値が(−2φ+69.5)/9.9の値より大
きいため、射出される溶湯の熱容量が大きすぎて急冷す
ることができず、低抵抗方位に配向の揃った箔を形成す
ることができない。このため、性能定数が低くくなっ
た。
【0096】比較例No.77はノズル口径の値が(−
0.4φ+4.99)/9.9の値よりも小さいため、
溶湯の粘性及び溶湯とノズルとの間の摩擦力のため、射
出することができない。このため、性能指数が低くなっ
た。
【0097】比較例No.78はノズル口径の値が(−
0.4φ+4.99)/9.9の値よりも小さいため、
溶湯の粘性及び溶湯とノズルとの間の摩擦力のため、射
出することができない。このため、性能指数が低くくな
った。
【0098】比較例No.79は溶湯射出圧力の値が(−
2φ+69.5)/9.9の値より大きいため、射出さ
れる溶湯の熱容量が大きすぎて急冷することができず、
低抵抗方位に配向の揃った箔を形成することができな
い。このため、性能定数が低くくなった。
【0099】比較例No.80はノズル口径が本発明の範
囲を超えているため、射出される溶湯の熱容量が大きす
ぎて急冷することができず、低抵抗方位に配向の揃った
箔を形成することができない。このため、性能定数が低
くくなった。
【0100】比較例No.81はノズル口径が本発明の範
囲未満であるため、口径が狭すぎて溶湯を射出すること
ができなかった。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように本発明においては、
溶湯射出の溶湯射出温度をTLとし、冷却ロ−ルの回転
速度をRとするとき、TLは600乃至1100℃であ
り、Rは2乃至80m/秒であり、TLは(20R+4
6760)/78乃至(100R+77800)/78
である条件で急冷箔を製造することにより、低抵抗に配
向された結晶を有する急冷箔を製造することができる。
このため、性能指数が高い熱電材料を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る熱電材料の製造装置を
示す模式図である。
【図2】 縦軸に溶湯射出温度、横軸に冷却ロールの回
転速度をとり、急冷箔の製造条件を示すグラフ図であ
る。
【図3】 縦軸に冷却ロールの表面温度、横軸に溶湯射
出温度をとり、急冷箔の製造条件を示すグラフ図であ
る。
【図4】 縦軸に冷却ロールの回転速度、横軸に溶湯射
出ノズルと冷却ロールとの間隔をとり、急冷箔の製造条
件を示すグラフ図である。
【図5】 縦軸に冷却ロールの回転速度、横軸に溶湯射
出圧力をとり、急冷箔の製造条件を示すグラフ図であ
る。
【図6】 縦軸に溶湯射出圧力、横軸にノズルの口径を
とり、急冷箔の製造条件を示すグラフ図である。
【図7】 (a)乃至(d)は従来の熱電材料の製造方
法を示す模式図である。
【符号の説明】
1;冷却ロール、 2;ノズル、 3;溶湯、 4;開
口部、 5;急冷箔、100;石英管、 101;原
料、 102;管状炉、 103;凝固材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料を溶融し、前記原料を溶湯射出ノズ
    ルから冷却ロ−ルに溶湯射出する液体急冷方法により急
    冷箔を作製し、この急冷箔をそのまま又は粉砕した後、
    固化成形して熱電材料を作製する熱電材料の製造方法に
    おいて、 前記原料はBi及びSbからなる群から選択された少な
    くとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択
    された少なくとも1種の元素と、を含有する組成を有
    し、前記溶湯射出の溶湯射出温度をTLとし、前記冷却
    ロ−ルの回転速度をRとするとき、前記TLは600乃
    至1100℃であり、前記Rは2乃至80m/秒であ
    り、前記TLは(20R+46760)/78乃至(1
    00R+77800)/78である条件で急冷箔を製造
    する工程を有することを特徴とする熱電材料の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記原料は更にI、Cl、Hg、Br、
    Ag及びCuからなる群から選択された少なくとも1種
    の元素を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱
    電材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却ロ−ルの表面温度をTRとする
    とき、前記TRは5乃至80℃であり、前記TRは(T
    L−100)/100乃至(TL+2900)/50で
    ある条件で急冷箔を製造する工程を有することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の熱電材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溶湯射出ノズルと前記冷却ロールと
    の間隔をdとするとき、前記dは0.3乃至20mmで
    あり、前記Rは(8d+37)/19.7乃至(30d
    +976)/19.7である条件で急冷箔を製造する工
    程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載の熱電材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶湯射出の圧力をPとするとき、前
    記Pは0.1乃至7kgf/cm2であり、前記Rは
    (P+4.5)/2.3乃至(25P+377)/6.
    9である条件で急冷箔を製造する工程を有することを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱電材
    料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記溶湯射出ノズルの口径をφとすると
    き、前記φは0.1乃至10mmであり、前記Pは(−
    0.4φ+4.99)/9.9乃至(−2φ+69.
    5)/9.9である条件で急冷箔を製造する工程を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記
    載の熱電材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記急冷箔を製造する工程の後工程とし
    て、前記急冷箔を還元ガス雰囲気で熱処理し、固化成形
    する工程を有することを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれか1項に記載の熱電材料の製造方法。
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