JP2000287683A - ニューロン生存活性を有する筋由来成分およびrna - Google Patents
ニューロン生存活性を有する筋由来成分およびrnaInfo
- Publication number
- JP2000287683A JP2000287683A JP11101660A JP10166099A JP2000287683A JP 2000287683 A JP2000287683 A JP 2000287683A JP 11101660 A JP11101660 A JP 11101660A JP 10166099 A JP10166099 A JP 10166099A JP 2000287683 A JP2000287683 A JP 2000287683A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fraction
- supernatant
- rna
- component
- activity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ニューロンに対して生存活性等の生理活性を
有し、神経変性疾患をはじめとする各種疾患(特に筋萎
縮性側索硬化症)の治療、予防、検査等に有用な生体由
来成分を提供する。 【解決手段】 筋肉組織を用いて何回かのカラムクロマ
トグラフィーを含む所定の精製工程を行った時に、最終
フラクションに含有されているニューロン生存活性成分
である。この生存活性成分は、おそらくRNAだろうと
推測され、いずれにしても、精製されたニューロン生存
活性成分の少なくとも一部は、RNAまたはRNAの分
子構造の一部により構成されている。
有し、神経変性疾患をはじめとする各種疾患(特に筋萎
縮性側索硬化症)の治療、予防、検査等に有用な生体由
来成分を提供する。 【解決手段】 筋肉組織を用いて何回かのカラムクロマ
トグラフィーを含む所定の精製工程を行った時に、最終
フラクションに含有されているニューロン生存活性成分
である。この生存活性成分は、おそらくRNAだろうと
推測され、いずれにしても、精製されたニューロン生存
活性成分の少なくとも一部は、RNAまたはRNAの分
子構造の一部により構成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニューロン生存活性
等のニューロン生理活性を有する成分に関する。
等のニューロン生理活性を有する成分に関する。
【0002】
【従来の技術】胚形成の過程では、初期において過剰に
神経細胞が形成されてから、その数が減少する。この過
程を自然細胞死と言う。例えば、腰部脊髄においては4
0%程度の運動ニューロンが死滅することが観察されて
いる。また、この運動ニューロン死は、神経筋シナプス
結合の形成時期と一致して進行することも観察されてい
る。胚形成の過程において標的組織である骨格筋が神経
支配される前に、当該骨格筋を実験的に除去すると、運
動ニューロンが死滅する。そして、胚形成の過程におい
て骨格筋を実験的に除去し、当該骨格筋があった付近に
別の胚から肢芽を取り出して植え込むと、ほんのわずか
しか運動ニューロンが死滅しない。従って、運動ニュー
ロン同士は、標的組織由来の限られた量の栄養因子を互
いに奪い合い、その結果、当該因子を十分に獲得したも
のだけが神経筋接合を形成し、一方、当該因子を獲得し
損ねた運動ニューロンは死滅するものと仮説が立てられ
ている。運動ニューロンの自然細胞死のメカニズムにつ
いては、標的組織に依存して生死が決まるとの考え方が
一般的に受け入れられている。
神経細胞が形成されてから、その数が減少する。この過
程を自然細胞死と言う。例えば、腰部脊髄においては4
0%程度の運動ニューロンが死滅することが観察されて
いる。また、この運動ニューロン死は、神経筋シナプス
結合の形成時期と一致して進行することも観察されてい
る。胚形成の過程において標的組織である骨格筋が神経
支配される前に、当該骨格筋を実験的に除去すると、運
動ニューロンが死滅する。そして、胚形成の過程におい
て骨格筋を実験的に除去し、当該骨格筋があった付近に
別の胚から肢芽を取り出して植え込むと、ほんのわずか
しか運動ニューロンが死滅しない。従って、運動ニュー
ロン同士は、標的組織由来の限られた量の栄養因子を互
いに奪い合い、その結果、当該因子を十分に獲得したも
のだけが神経筋接合を形成し、一方、当該因子を獲得し
損ねた運動ニューロンは死滅するものと仮説が立てられ
ている。運動ニューロンの自然細胞死のメカニズムにつ
いては、標的組織に依存して生死が決まるとの考え方が
一般的に受け入れられている。
【0003】神経成長因子(NGF)は栄養因子の原型
(プロトタイプ)であり、発達中の交感神経細胞と感覚
神経細胞の生存を促進することが見出されている。運動
ニューロンに関しては、NGFは自然細胞死に何の影響
も及ぼさなかったが、新生仔において軸索切断によって
もたらされる細胞死をむしろ増大させた。1970年代
から、末梢および中枢神経に関与すると思われるNGF
以外の因子を単離するための研究が行われてきた。これ
までに単離された因子としては、脳由来神経栄養因子
(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、
白血病抑制因子(LIF)、グリア細胞株由来神経栄養
因子(GDNF)などがインビボまたはインビトロにお
いて運動ニューロンの死滅を阻止することが見出されて
いる。これらのいずれも骨格筋から単離されたものでは
ないが、骨格筋の中でも発現(存在)することが認めら
れている。しかしながら、NGF、BDNF、NT−
3、LIFあるいはGDNFのどれかをコードしている
マウス遺伝子を選択的に破壊しても、運動ニューロンの
生存にはほとんど影響がなかった。複数遺伝子が欠損し
た場合の影響はあまり知られていないが、これらの遺伝
子ノックアウトの結果は、これらの各ファクターは真の
運動ニューロン生存因子ではないことを示唆しており、
骨格筋の中に同定すべき別の分子がまだ残っていると思
われる。
(プロトタイプ)であり、発達中の交感神経細胞と感覚
神経細胞の生存を促進することが見出されている。運動
ニューロンに関しては、NGFは自然細胞死に何の影響
も及ぼさなかったが、新生仔において軸索切断によって
もたらされる細胞死をむしろ増大させた。1970年代
から、末梢および中枢神経に関与すると思われるNGF
以外の因子を単離するための研究が行われてきた。これ
までに単離された因子としては、脳由来神経栄養因子
(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、
白血病抑制因子(LIF)、グリア細胞株由来神経栄養
因子(GDNF)などがインビボまたはインビトロにお
いて運動ニューロンの死滅を阻止することが見出されて
いる。これらのいずれも骨格筋から単離されたものでは
ないが、骨格筋の中でも発現(存在)することが認めら
れている。しかしながら、NGF、BDNF、NT−
3、LIFあるいはGDNFのどれかをコードしている
マウス遺伝子を選択的に破壊しても、運動ニューロンの
生存にはほとんど影響がなかった。複数遺伝子が欠損し
た場合の影響はあまり知られていないが、これらの遺伝
子ノックアウトの結果は、これらの各ファクターは真の
運動ニューロン生存因子ではないことを示唆しており、
骨格筋の中に同定すべき別の分子がまだ残っていると思
われる。
【0004】ある一群の神経変性疾患は特定の神経栄養
因子の異常によって招来するものとの仮説もあり、当該
神経栄養因子は神経変性疾患の治療に極めて大きな可能
性を秘めている。しかしながら、これらの因子を、運動
ニューロン疾患のひとつである筋萎縮性側索硬化症(A
LS)の患者に対して臨床試験したけれど、現状では無
効と判定されている。従って、ALSあるいはその他の
運動ニューロン疾患を軽減できそうな全く新規の因子
(または複合的な因子群)が治療剤として得られはしな
いかと待望されている。
因子の異常によって招来するものとの仮説もあり、当該
神経栄養因子は神経変性疾患の治療に極めて大きな可能
性を秘めている。しかしながら、これらの因子を、運動
ニューロン疾患のひとつである筋萎縮性側索硬化症(A
LS)の患者に対して臨床試験したけれど、現状では無
効と判定されている。従って、ALSあるいはその他の
運動ニューロン疾患を軽減できそうな全く新規の因子
(または複合的な因子群)が治療剤として得られはしな
いかと待望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実状に
鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、ニュー
ロンに対して生存活性等の生理活性を有し、神経変性疾
患をはじめとする各種疾患の治療、予防、検査等に有用
な生体由来成分を提供することにある。
鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、ニュー
ロンに対して生存活性等の生理活性を有し、神経変性疾
患をはじめとする各種疾患の治療、予防、検査等に有用
な生体由来成分を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究したところ、運動ニューロン
に生存作用をもたらす成分を、ある一連のカラムクロマ
トグラフィーを使ってニワトリの骨格筋から単離するこ
とに成功した。我々は、研究を始めた当初、今までに知
られている栄養因子と同様に、活性成分としては蛋白質
またはポリペプチドが単離されるだろうと予想していた
が、新しく単離された活性成分は蛋白質でもポリペプチ
ドでもなかった。そして、新しく単離された活性成分
は、おそらくRNA、RNAの分子構造の一部を構成要
素として含む単一成分(例えばRNA誘導体、修飾体、
複合体)、前記いずれかを含む複合成分系またはこれら
のいずれかを含む混合成分系だろうということが判明し
た。本発明は、このような知見に基づいて成し遂げられ
たものである。
を解決するために鋭意研究したところ、運動ニューロン
に生存作用をもたらす成分を、ある一連のカラムクロマ
トグラフィーを使ってニワトリの骨格筋から単離するこ
とに成功した。我々は、研究を始めた当初、今までに知
られている栄養因子と同様に、活性成分としては蛋白質
またはポリペプチドが単離されるだろうと予想していた
が、新しく単離された活性成分は蛋白質でもポリペプチ
ドでもなかった。そして、新しく単離された活性成分
は、おそらくRNA、RNAの分子構造の一部を構成要
素として含む単一成分(例えばRNA誘導体、修飾体、
複合体)、前記いずれかを含む複合成分系またはこれら
のいずれかを含む混合成分系だろうということが判明し
た。本発明は、このような知見に基づいて成し遂げられ
たものである。
【0007】本発明によれば、下記の精製工程を行った
時に最終フラクションに含有されているニューロン生存
活性成分が提供される:ステップ1において骨格筋をホ
モジナイズして、2%(w/v)NaCl水溶液で抽出
し、遠心分離して上澄を採取し;ステップ2において、
ステップ1で得られた上澄に、アセトンを当該アセトン
の最終濃度が30%(v/v)となるように加え、遠心
分離によって上澄を取り、この上澄に、アセトンの最終
濃度が50%(v/v)となるように、アセトンをさら
に加え、遠心分離を行って沈殿を採取し;ステップ3に
おいて、ステップ2で得られた沈殿物を、50%(w/
v)(NH4)2SO4水溶液に溶解し、遠心分離し、上
澄を採取し;ステップ4において、ステップ3で得られ
た上澄を、等容量のフェノール:クロロホルム混液
(1:1、v/v)と混合し、室温にて振とうさせ、遠
心分離を行い、水相を採取し;ステップ5において、ス
テップ4で得られた水相を、フェニールセファロースC
L−4Bカラムを用いて50%(NH4)2SO4含有5
0mM HEPES(pH7.5)で洗浄し、50mM
HEPES(pH7.5)で溶出させて流出液を採取
し;ステップ6において、ステップ5で得られた流出液
を、Capcell−PakC18カラムを用いて0−25%CH3
OH(pH6.5)のグラジュエント溶出を行って、所
定間隔でフラクションを区切り、最も活性の大きいフラ
クションを採取し;ステップ7において、ステップ6で
得られたフラクションを、DEAE−5PWカラムを用
いて0−0.5M NaCl(pH7.5)のグラジュエ
ント溶出を行って、所定間隔でフラクションを区切り、
最も活性の大きいフラクションを採取し;ステップ8に
おいて、ステップ7で得られたフラクションを、Capcel
l−PakC 18カラムを用いて5−19.25%CH3CN
(pH6.75)のグラジュエント溶出を行って、所定
間隔でフラクションを区切り、最も活性の大きいフラク
ションを最終フラクションとして選択する。
時に最終フラクションに含有されているニューロン生存
活性成分が提供される:ステップ1において骨格筋をホ
モジナイズして、2%(w/v)NaCl水溶液で抽出
し、遠心分離して上澄を採取し;ステップ2において、
ステップ1で得られた上澄に、アセトンを当該アセトン
の最終濃度が30%(v/v)となるように加え、遠心
分離によって上澄を取り、この上澄に、アセトンの最終
濃度が50%(v/v)となるように、アセトンをさら
に加え、遠心分離を行って沈殿を採取し;ステップ3に
おいて、ステップ2で得られた沈殿物を、50%(w/
v)(NH4)2SO4水溶液に溶解し、遠心分離し、上
澄を採取し;ステップ4において、ステップ3で得られ
た上澄を、等容量のフェノール:クロロホルム混液
(1:1、v/v)と混合し、室温にて振とうさせ、遠
心分離を行い、水相を採取し;ステップ5において、ス
テップ4で得られた水相を、フェニールセファロースC
L−4Bカラムを用いて50%(NH4)2SO4含有5
0mM HEPES(pH7.5)で洗浄し、50mM
HEPES(pH7.5)で溶出させて流出液を採取
し;ステップ6において、ステップ5で得られた流出液
を、Capcell−PakC18カラムを用いて0−25%CH3
OH(pH6.5)のグラジュエント溶出を行って、所
定間隔でフラクションを区切り、最も活性の大きいフラ
クションを採取し;ステップ7において、ステップ6で
得られたフラクションを、DEAE−5PWカラムを用
いて0−0.5M NaCl(pH7.5)のグラジュエ
ント溶出を行って、所定間隔でフラクションを区切り、
最も活性の大きいフラクションを採取し;ステップ8に
おいて、ステップ7で得られたフラクションを、Capcel
l−PakC 18カラムを用いて5−19.25%CH3CN
(pH6.75)のグラジュエント溶出を行って、所定
間隔でフラクションを区切り、最も活性の大きいフラク
ションを最終フラクションとして選択する。
【0008】本発明にかかるニューロン生存活性成分
は、骨格筋またはそれ以外の筋肉組織から取り出すこと
ができる。なお、ステップ1において骨格筋をホモジナ
イズした後、アセトンなどを用いて脱脂してからステッ
プ2に移行するのが好ましい。
は、骨格筋またはそれ以外の筋肉組織から取り出すこと
ができる。なお、ステップ1において骨格筋をホモジナ
イズした後、アセトンなどを用いて脱脂してからステッ
プ2に移行するのが好ましい。
【0009】前記のニューロン生存活性成分は、おそら
くRNAだろうと推測されるが、現時点では断定できな
い。しかしながら、いずれにしても、精製されたニュー
ロン生存活性成分の少なくとも一部は、RNAまたはR
NAの分子構造の一部により構成されている。
くRNAだろうと推測されるが、現時点では断定できな
い。しかしながら、いずれにしても、精製されたニュー
ロン生存活性成分の少なくとも一部は、RNAまたはR
NAの分子構造の一部により構成されている。
【0010】本発明にかかる生存活性成分は、神経細胞
に対して重要な生理活性を示す可能性があり、神経細胞
が何らかの形で関与する疾患の治療、予防、診断に利用
できる可能性がある。特に、本発明にかかる生存活性成
分は、脊髄運動ニューロンに対して生存活性を示すこと
が確認されたことから、脊髄運動ニューロンの変性疾患
である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療、予防、診
断への利用が大いに期待される。
に対して重要な生理活性を示す可能性があり、神経細胞
が何らかの形で関与する疾患の治療、予防、診断に利用
できる可能性がある。特に、本発明にかかる生存活性成
分は、脊髄運動ニューロンに対して生存活性を示すこと
が確認されたことから、脊髄運動ニューロンの変性疾患
である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療、予防、診
断への利用が大いに期待される。
【0011】
【発明の実施の形態】我々は、先ず、ニワトリ胚の骨格
筋を使用して、いくつもの精製ステップを順次、試行錯
誤しながら行って、脊髄運動ニューロンに対して生存活
性を示す生理活性成分を得た。そして、この生理活性成
分が有している生存活性と共に、物理化学的性質を調査
した。このような初期実験の結果を考慮して、この成分
がRNA、RNA誘導体(例えば修飾体、複合体)また
はこれらのいずれかを含有する混合物であろうと推測
し、初期に行った精製方法を修正して同じ活性成分をニ
ワトリ胚の骨格筋から効率よく精製すると共に、この修
正精製法によって得られた活性成分を酵素学的に同定し
た。
筋を使用して、いくつもの精製ステップを順次、試行錯
誤しながら行って、脊髄運動ニューロンに対して生存活
性を示す生理活性成分を得た。そして、この生理活性成
分が有している生存活性と共に、物理化学的性質を調査
した。このような初期実験の結果を考慮して、この成分
がRNA、RNA誘導体(例えば修飾体、複合体)また
はこれらのいずれかを含有する混合物であろうと推測
し、初期に行った精製方法を修正して同じ活性成分をニ
ワトリ胚の骨格筋から効率よく精製すると共に、この修
正精製法によって得られた活性成分を酵素学的に同定し
た。
【0012】A.初期における活性成分の精製 (1)実験材料 白色レグホンの受精卵を一般市場から購入し、加湿した
ふらん器内に37℃で6日から19日間インキュベート
した胚(これは、Hamburger Hamiltonのステージ29
またはステージ45にそれぞれ相当する)を使用した。
ふらん器内に37℃で6日から19日間インキュベート
した胚(これは、Hamburger Hamiltonのステージ29
またはステージ45にそれぞれ相当する)を使用した。
【0013】(2)バイオアッセイ系の調製 脊髄ニューロンの初代培養系を上記白色レグホン受精卵
の6日齢胚から得て、精製過程で得られる各フラクショ
ンの活性をスクリーニングする生物学的検定に使用し
た。6日齢胚を用いたのは、運動ニューロンの自然細胞
死は、このステージから起き始めるからである。
の6日齢胚から得て、精製過程で得られる各フラクショ
ンの活性をスクリーニングする生物学的検定に使用し
た。6日齢胚を用いたのは、運動ニューロンの自然細胞
死は、このステージから起き始めるからである。
【0014】抗生物質(ペニシリン(10unit/m
l、明治)とストレプトマイシン(50μg/ml、明
治))および10%加熱失活牛胎児血清(FBS)(三
菱化成)を添加したダルベッコのモディファイドイーグ
ル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium)(DM
EM)(Gibco BRL)を氷冷した中に6日齢胚の脊髄を
入れて、その中で実体顕微鏡で見ながらハサミを使って
分断した。それを、トリプシン0.25%含有Ca
2+−、Mg2+−フリー燐酸緩衝生理食塩水10ml中
で、攪拌水浴(約70サイクル/分)を使って、37℃
で15分間インキュベートした。トリプシンの反応は、
加熱失活馬血清を2ml添加することにより停止させ
た。1,000rpmで5分間遠心分離した後、上澄を
除去し、沈殿物に6mlのDMEM/TIP〔すなわ
ち、トランスフェリン(5μg/ml、Sigma)、イン
スリン(5μg/ml、Collaborative Res.)プロゲ
ステロン(0.2μM、Sigma)および上記同様の抗生
物質を添加したDMEM〕を加え、プラスチック製チッ
プで吸引と排出を20セット繰り返すことにより攪拌し
て、細胞相互を分離した。得られた脊髄ニューロン懸濁
液を、ナイロンメッシュ(#150)に通してろ過し、
その後の培養を行うために、DMEM/TIP培地を用
いて1×105 cells/mlとなるように希釈した。組
織培養のためのウエル(培養皿)(15mm径、住友)
は、少なくとも4時間かけてポリエチレンイミンでプレ
コートした。プレコートしたプレートは、滅菌蒸留水で
2回ほどすすぎ、抗生物質含有DMEMを加えた。分離
した脊髄ニューロンを、1ml/wellの濃度で植え付け
た。この濃度は、200 cells/mm2に相当した。
l、明治)とストレプトマイシン(50μg/ml、明
治))および10%加熱失活牛胎児血清(FBS)(三
菱化成)を添加したダルベッコのモディファイドイーグ
ル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium)(DM
EM)(Gibco BRL)を氷冷した中に6日齢胚の脊髄を
入れて、その中で実体顕微鏡で見ながらハサミを使って
分断した。それを、トリプシン0.25%含有Ca
2+−、Mg2+−フリー燐酸緩衝生理食塩水10ml中
で、攪拌水浴(約70サイクル/分)を使って、37℃
で15分間インキュベートした。トリプシンの反応は、
加熱失活馬血清を2ml添加することにより停止させ
た。1,000rpmで5分間遠心分離した後、上澄を
除去し、沈殿物に6mlのDMEM/TIP〔すなわ
ち、トランスフェリン(5μg/ml、Sigma)、イン
スリン(5μg/ml、Collaborative Res.)プロゲ
ステロン(0.2μM、Sigma)および上記同様の抗生
物質を添加したDMEM〕を加え、プラスチック製チッ
プで吸引と排出を20セット繰り返すことにより攪拌し
て、細胞相互を分離した。得られた脊髄ニューロン懸濁
液を、ナイロンメッシュ(#150)に通してろ過し、
その後の培養を行うために、DMEM/TIP培地を用
いて1×105 cells/mlとなるように希釈した。組
織培養のためのウエル(培養皿)(15mm径、住友)
は、少なくとも4時間かけてポリエチレンイミンでプレ
コートした。プレコートしたプレートは、滅菌蒸留水で
2回ほどすすぎ、抗生物質含有DMEMを加えた。分離
した脊髄ニューロンを、1ml/wellの濃度で植え付け
た。この濃度は、200 cells/mm2に相当した。
【0015】このようにして培養細胞を撒いたウエル
に、被験サンプルを加えて検定を行った。具体的には、
3つの異なる容量の筋抽出物または分留サンプルをマイ
クロ遠心分離チューブ(Ultrafree C3GV、Millipore
社)を使って滅菌ろ過したものを、各容量ごとに、それ
ぞれ3つのウエルに加えた。それから、5%CO2−95
%空気の加湿器内で37℃にて2日間インキュベートし
た後、各ウエルの所定エリア(895μm×1340μ
m)に生存する神経細胞の数を、位相差顕微鏡(ニコン
社)を使ってかぞえた。生物学的活性の1ユニットは、
初期の脊髄ニューロン数の少なくとも10%を生存させ
る被験サンプルの最小容量と定義した。
に、被験サンプルを加えて検定を行った。具体的には、
3つの異なる容量の筋抽出物または分留サンプルをマイ
クロ遠心分離チューブ(Ultrafree C3GV、Millipore
社)を使って滅菌ろ過したものを、各容量ごとに、それ
ぞれ3つのウエルに加えた。それから、5%CO2−95
%空気の加湿器内で37℃にて2日間インキュベートし
た後、各ウエルの所定エリア(895μm×1340μ
m)に生存する神経細胞の数を、位相差顕微鏡(ニコン
社)を使ってかぞえた。生物学的活性の1ユニットは、
初期の脊髄ニューロン数の少なくとも10%を生存させ
る被験サンプルの最小容量と定義した。
【0016】一連の精製過程によって最終的に得られた
活性成分を検定するために、脊髄運動ニューロンを多量
に含有する培養細胞系(運動ニューロン培養系)を用い
た。この運動ニューロン培養系は、Arakawa et. alに
記載された方法を若干改変した方法により調製した。具
体的には、先ず、スクリーニング用の上記初代培養系と
同様の作業を行うことにより、6日齢胚の脊髄を分断
し、トリプシン処理し、加熱失活馬血清を添加し、遠心
分離して細胞の沈渣を得た。この沈渣を、Ca2+−、M
g2+−フリーグルコース(4mg/l)を添加した低温
のHank平衡塩溶液(HBSS)の4ml中に懸濁させ、
プラスチック製チップで吸引と排出を20セット繰り返
すことにより攪拌して、細胞相互を分離した。得られた
脊髄ニューロン懸濁液を、ナイロンメッシュ(#15
0)に通してろ過した後、ガラスチューブ中の6.8%
メトリザミド含有、25mM HEPES添加HBSS
(pH7.5)4mlの上に積層し、4℃にて400×
gで15分間遠心分離させた。中間層に含まれる運動ニ
ューロンは、約5倍容量の10%FBSおよび抗生物質
添加DMEM(上述のもの)で希釈され、1,000r
pmで5分間遠心分離された。得られた細胞の沈渣はD
MEM/TIPで希釈された。このメトリザミド分留の
手順によれば、大きな運動ニューロンを83%と豊富な
割合で培養細胞系に含ませることができる。
活性成分を検定するために、脊髄運動ニューロンを多量
に含有する培養細胞系(運動ニューロン培養系)を用い
た。この運動ニューロン培養系は、Arakawa et. alに
記載された方法を若干改変した方法により調製した。具
体的には、先ず、スクリーニング用の上記初代培養系と
同様の作業を行うことにより、6日齢胚の脊髄を分断
し、トリプシン処理し、加熱失活馬血清を添加し、遠心
分離して細胞の沈渣を得た。この沈渣を、Ca2+−、M
g2+−フリーグルコース(4mg/l)を添加した低温
のHank平衡塩溶液(HBSS)の4ml中に懸濁させ、
プラスチック製チップで吸引と排出を20セット繰り返
すことにより攪拌して、細胞相互を分離した。得られた
脊髄ニューロン懸濁液を、ナイロンメッシュ(#15
0)に通してろ過した後、ガラスチューブ中の6.8%
メトリザミド含有、25mM HEPES添加HBSS
(pH7.5)4mlの上に積層し、4℃にて400×
gで15分間遠心分離させた。中間層に含まれる運動ニ
ューロンは、約5倍容量の10%FBSおよび抗生物質
添加DMEM(上述のもの)で希釈され、1,000r
pmで5分間遠心分離された。得られた細胞の沈渣はD
MEM/TIPで希釈された。このメトリザミド分留の
手順によれば、大きな運動ニューロンを83%と豊富な
割合で培養細胞系に含ませることができる。
【0017】(3)精製手順 生存活性成分を精製するために、19日齢ニワトリ胚由
来の骨格筋を用い、下記の第1表に示すようなステップ
1からステップ9までの各精製ステップを順次、試行錯
誤しながら行った。
来の骨格筋を用い、下記の第1表に示すようなステップ
1からステップ9までの各精製ステップを順次、試行錯
誤しながら行った。
【0018】
【表1】
【0019】19日齢胚を用いたのは、6日齢胚では小
さすぎて多量の骨格筋を集められないからである。そし
て、我々の予備的実験によれば、4日齢から21日齢ま
での被験筋のなかで、19日齢胚および20日齢胚由来
の骨格筋が最も強い生物学的活性(unit/wet weigh
t)を持っていることが示された。
さすぎて多量の骨格筋を集められないからである。そし
て、我々の予備的実験によれば、4日齢から21日齢ま
での被験筋のなかで、19日齢胚および20日齢胚由来
の骨格筋が最も強い生物学的活性(unit/wet weigh
t)を持っていることが示された。
【0020】先ず、総量で約1kgの骨格筋を19日齢
胚の後肢から取り出し、直ちにエタノール/ドライアイ
ス中で冷凍した。骨格筋を50gずつ解凍し、100%
氷冷アセトン中でホモジナイズし、脂質を除去した。そ
れらを4℃にて、9,000rpmで30分間遠心分離
し、沈殿物を濾取し、乾燥した(アセトンパウダー)。
ステップ1においては、このアセトンパウダーを2リッ
トルの2%(w/v)NaCl水溶液を用いて2回ほど
抽出した。そして、2回分の抽出液を合わせた。
胚の後肢から取り出し、直ちにエタノール/ドライアイ
ス中で冷凍した。骨格筋を50gずつ解凍し、100%
氷冷アセトン中でホモジナイズし、脂質を除去した。そ
れらを4℃にて、9,000rpmで30分間遠心分離
し、沈殿物を濾取し、乾燥した(アセトンパウダー)。
ステップ1においては、このアセトンパウダーを2リッ
トルの2%(w/v)NaCl水溶液を用いて2回ほど
抽出した。そして、2回分の抽出液を合わせた。
【0021】ステップ2においては、アセトンを当該ア
セトンの最終濃度が30%(v/v)となるように抽出
液に加え、遠心分離によって上澄を取った。この上澄
に、アセトンの最終濃度が50%(v/v)となるよう
に、アセトンをさらに加え、遠心分離を行って沈殿を得
た。
セトンの最終濃度が30%(v/v)となるように抽出
液に加え、遠心分離によって上澄を取った。この上澄
に、アセトンの最終濃度が50%(v/v)となるよう
に、アセトンをさらに加え、遠心分離を行って沈殿を得
た。
【0022】ステップ3においては、アセトンによる沈
殿物を蒸留水に溶解した。この溶液に、(NH4)2SO
4水溶液を、当該(NH4)2SO4の最終濃度が30%
(w/v)となるように加え、遠心分離によって上澄を
取った。この上澄に、(NH4)2SO4の最終濃度が5
0%(w/v)となるように、(NH4)2SO4水溶液
をさらに加え、再び遠心分離によって上澄を取った。こ
のようにして得られた上澄に、ステップ4からステップ
9までの一連のカラムクロマトグラフィーを順次行っ
た。用いたカラム、平衡用および洗浄用緩衝液、溶出条
件を以下に示す。
殿物を蒸留水に溶解した。この溶液に、(NH4)2SO
4水溶液を、当該(NH4)2SO4の最終濃度が30%
(w/v)となるように加え、遠心分離によって上澄を
取った。この上澄に、(NH4)2SO4の最終濃度が5
0%(w/v)となるように、(NH4)2SO4水溶液
をさらに加え、再び遠心分離によって上澄を取った。こ
のようにして得られた上澄に、ステップ4からステップ
9までの一連のカラムクロマトグラフィーを順次行っ
た。用いたカラム、平衡用および洗浄用緩衝液、溶出条
件を以下に示す。
【0023】ステップ4:フェニールセファロース C
L−4B(Pharmacia社)、50%(w/v)(NH4)
2SO4含有50mM HEPES(pH7.5)による
洗浄2回、50mM HEPES(pH7.5)による
溶出。
L−4B(Pharmacia社)、50%(w/v)(NH4)
2SO4含有50mM HEPES(pH7.5)による
洗浄2回、50mM HEPES(pH7.5)による
溶出。
【0024】ステップ5:DEAE−セファロース C
L−6B(Pharmacia社)、50mM Tris−HC
l(pH7.5)による平衡化、0 M、0.2 Mお
よび0.5 M NaClのステップ溶出。
L−6B(Pharmacia社)、50mM Tris−HC
l(pH7.5)による平衡化、0 M、0.2 Mお
よび0.5 M NaClのステップ溶出。
【0025】ステップ6:preparative DEAE−5P
W(21.5mmI.D.×150mm、トウソー)、
50mM Tris−HCl(pH7.5)による平衡
化、NaClの0−0.5Mグラジュエント溶出。
W(21.5mmI.D.×150mm、トウソー)、
50mM Tris−HCl(pH7.5)による平衡
化、NaClの0−0.5Mグラジュエント溶出。
【0026】ステップ7:preparative POROS−5
0PE(10mmI.D.×15mm、Perseptive
社)、50%(w/v)(NH4)2SO4含有20mM
Tris−HCl(pH7.5)による平衡化、(N
H4)2SO4の50−0%グラジュエント溶出。
0PE(10mmI.D.×15mm、Perseptive
社)、50%(w/v)(NH4)2SO4含有20mM
Tris−HCl(pH7.5)による平衡化、(N
H4)2SO4の50−0%グラジュエント溶出。
【0027】ステップ8:preparative Capcell−Pak
C18(20mmI.D.×250mm、資生堂)、10
mM CH3COONH4(pH8.9)による平衡化、
メタノールの0−20%(v/v)グラジュエント。
C18(20mmI.D.×250mm、資生堂)、10
mM CH3COONH4(pH8.9)による平衡化、
メタノールの0−20%(v/v)グラジュエント。
【0028】ステップ9:analytical Capcell−Pak
C18(4.6mmI.D.×250mm、資生堂)、1
0mM CH3COONH4(pH8.9)による平衡
化、メタノールの0−20%(v/v)グラジュエン
ト。
C18(4.6mmI.D.×250mm、資生堂)、1
0mM CH3COONH4(pH8.9)による平衡
化、メタノールの0−20%(v/v)グラジュエン
ト。
【0029】preparative DEAE−5PW、preparat
ive POROS−50PE、およびpreparative Capce
ll−Pak C18は、JASCO社のHPLCシステム「Gu
lliver」によって稼動させ、それらの流速は5ml/m
inとした。また、analytical Capcell−Pak C
18は、ヒューレットパッカード(シリーズ1100)に
よって、流速1ml/minで稼動させた。
ive POROS−50PE、およびpreparative Capce
ll−Pak C18は、JASCO社のHPLCシステム「Gu
lliver」によって稼動させ、それらの流速は5ml/m
inとした。また、analytical Capcell−Pak C
18は、ヒューレットパッカード(シリーズ1100)に
よって、流速1ml/minで稼動させた。
【0030】ステップ4(フェニールセファロース C
L−4B)では、全ての溶出液を次のステップに使用し
た。ステップ5では、0.2Mでは流れ出ず、0.5M
で流出したものを次のステップに使用した。ステップ6
から8については連続的に5分ごとにフラクション(分
留分画)を回収し、スクリーニングアッセイでもっとも
活性が高かったフラクションを次のステップに使用し
た。ステップ9については連続的に1分ごとに回収し
て、各フラクションの活性をスクリーニングした。それ
ぞれ1/1000容量(ステップ1から7)または1/
100容量(ステップ8と9)の抽出物またはフラクシ
ョンを凍結乾燥し、DMEM/TIP 100μlに溶
解し、上記した生物学的検定を行った。
L−4B)では、全ての溶出液を次のステップに使用し
た。ステップ5では、0.2Mでは流れ出ず、0.5M
で流出したものを次のステップに使用した。ステップ6
から8については連続的に5分ごとにフラクション(分
留分画)を回収し、スクリーニングアッセイでもっとも
活性が高かったフラクションを次のステップに使用し
た。ステップ9については連続的に1分ごとに回収し
て、各フラクションの活性をスクリーニングした。それ
ぞれ1/1000容量(ステップ1から7)または1/
100容量(ステップ8と9)の抽出物またはフラクシ
ョンを凍結乾燥し、DMEM/TIP 100μlに溶
解し、上記した生物学的検定を行った。
【0031】(4)結果 2%NaCl水溶液による抽出物の総生物学的活性は
4,000,000ユニットと評価された(第1表)。
スクリーニング用の一次培養系脊髄ニューロンをウエル
に撒いた直後は、球状に丸まって培地中に浮遊した。こ
の条件では、2日後に生存している神経細胞はほとんど
なかった。しかしながら、NaCl抽出物を培地に添加
すると、神経細胞は2日後にも生存し続け、それらの一
部は突起を伸展させた。NaCl抽出物は、脊髄運動ニ
ューロンを多量に含有する培養細胞系(運動ニューロン
培養系)に対しても生存活性を示した。従って、我々
は、2%NaClを使ってニワトリ骨格筋から抽出した
成分が運動ニューロンに対して生存作用を有しているこ
とを確認した。しかしながら、連続して行う一連のカラ
ムクロマトグラフィーにより分留された多数のフラクシ
ョンを分析するために、運動ニューロン培養系を常に使
用することが不可能だった。そこで我々は、調製が比較
的容易な上述の初代培養系をアッセイシステムとして使
用した。第1表に示すように、初期の生物学的活性の半
分が、50%(NH4)2SO4の上澄に認められた。そ
の上澄をフェニールセファロース CL−4Bで脱塩し
た後、DEAE−セファロース CL−6Bを使用し
て、0.2Mと0.5M NaClからなる2段階溶出を
行った。その溶出液を、0−0.5M NaClのリニ
アグラジュエントを行うHPLCシステムを用いるprep
arative DEAE−5PWに通した。活性を保持し続け
ているフラクションは、A、BおよびCと称する3つの
グループに分けられた(第1表)。フラクションAは、
NaCl濃度が0.25M以下の時に溶出されたもので
あり、フラクションBは、0.3M前後の時のものであ
り、フラクションCは、0.35M以上の時のものであ
る。これらのうち、フラクションCが最も強い生物学的
活性を示し、次のステップに供された。POROS−5
0PEカラムクロマトグラフィーを行うと、活性は、2
つのフラクションC1、C2にあった。フラクションC
2の1.4倍高い活性を有するフラクションC1のほう
を、preparative Capcell−Pak C18にかけた。する
と、活性を示す顕著なピークが一つだけ検出された。こ
のフラクションを、最終ステップであるanalytical Ca
pcell−Pak C18にかけた。この最終ステップで得られ
た溶出液について254nmでのUV吸収で見た溶出プ
ロフィールではリテンションタイムが30分の時点に単
一ピークが認められ、そこに全ての生物学的活性が含ま
れていた(図1(a))。25分から35分の間に溶出
した物質は全て、図2(b)に示すような同一のUVス
ペクトルを示した。その極大UV吸収は258nmで観
察された。この結果は、活性成分が蛋白質でもなければ
ペプチドでもないことを表している。後述する修正法に
より筋抽出物を精製した場合にも、最終的に得られた活
性成分は、上記分析用Capcell−Pak C18によって同一
のリテンションタイムの時点でだけ検出した。この活性
成分を、脊髄運動ニューロンを多量に含有する培養細胞
系(運動ニューロン培養系)に添加したところ、運動ニ
ューロンは生存し続けた。この結果は、精製した成分が
脊髄運動ニューロンに対して生存活性を及ぼすことを示
している。
4,000,000ユニットと評価された(第1表)。
スクリーニング用の一次培養系脊髄ニューロンをウエル
に撒いた直後は、球状に丸まって培地中に浮遊した。こ
の条件では、2日後に生存している神経細胞はほとんど
なかった。しかしながら、NaCl抽出物を培地に添加
すると、神経細胞は2日後にも生存し続け、それらの一
部は突起を伸展させた。NaCl抽出物は、脊髄運動ニ
ューロンを多量に含有する培養細胞系(運動ニューロン
培養系)に対しても生存活性を示した。従って、我々
は、2%NaClを使ってニワトリ骨格筋から抽出した
成分が運動ニューロンに対して生存作用を有しているこ
とを確認した。しかしながら、連続して行う一連のカラ
ムクロマトグラフィーにより分留された多数のフラクシ
ョンを分析するために、運動ニューロン培養系を常に使
用することが不可能だった。そこで我々は、調製が比較
的容易な上述の初代培養系をアッセイシステムとして使
用した。第1表に示すように、初期の生物学的活性の半
分が、50%(NH4)2SO4の上澄に認められた。そ
の上澄をフェニールセファロース CL−4Bで脱塩し
た後、DEAE−セファロース CL−6Bを使用し
て、0.2Mと0.5M NaClからなる2段階溶出を
行った。その溶出液を、0−0.5M NaClのリニ
アグラジュエントを行うHPLCシステムを用いるprep
arative DEAE−5PWに通した。活性を保持し続け
ているフラクションは、A、BおよびCと称する3つの
グループに分けられた(第1表)。フラクションAは、
NaCl濃度が0.25M以下の時に溶出されたもので
あり、フラクションBは、0.3M前後の時のものであ
り、フラクションCは、0.35M以上の時のものであ
る。これらのうち、フラクションCが最も強い生物学的
活性を示し、次のステップに供された。POROS−5
0PEカラムクロマトグラフィーを行うと、活性は、2
つのフラクションC1、C2にあった。フラクションC
2の1.4倍高い活性を有するフラクションC1のほう
を、preparative Capcell−Pak C18にかけた。する
と、活性を示す顕著なピークが一つだけ検出された。こ
のフラクションを、最終ステップであるanalytical Ca
pcell−Pak C18にかけた。この最終ステップで得られ
た溶出液について254nmでのUV吸収で見た溶出プ
ロフィールではリテンションタイムが30分の時点に単
一ピークが認められ、そこに全ての生物学的活性が含ま
れていた(図1(a))。25分から35分の間に溶出
した物質は全て、図2(b)に示すような同一のUVス
ペクトルを示した。その極大UV吸収は258nmで観
察された。この結果は、活性成分が蛋白質でもなければ
ペプチドでもないことを表している。後述する修正法に
より筋抽出物を精製した場合にも、最終的に得られた活
性成分は、上記分析用Capcell−Pak C18によって同一
のリテンションタイムの時点でだけ検出した。この活性
成分を、脊髄運動ニューロンを多量に含有する培養細胞
系(運動ニューロン培養系)に添加したところ、運動ニ
ューロンは生存し続けた。この結果は、精製した成分が
脊髄運動ニューロンに対して生存活性を及ぼすことを示
している。
【0032】(5)初期の精製実験についての考察 我々は、脊髄運動ニューロンに対して生存活性を示す成
分をニワトリ骨格筋から精製することに成功した。この
成分は、カラムクロマトグラフィーの溶出プロフィール
において単一のピークを示す(図2(a))と共に、U
V吸収のプロフィールに照らすとフラクション中の成分
はペプチド類ではなかった(図2(b))。精製プロセ
スの過程において我々は、よりよい結果を得るために様
々なカラムや溶剤を試験した。我々は、精製手順の各ス
テップにおいて、そのステップでもっとも高い生存活性
を示したフラクションを選び、次のステップに用いた。
第1表の最終ステップ9において、我々は、活性成分を
含有するフラクションを得た。UV吸収は258nmが
極大であり、230nmが極小であり、比(A260/A
280)は1.92だった。従って、我々は、ペプチド類
とは全く違うものであると結論した。この吸収特性から
みて、我々が得た活性成分は、核酸または核酸の誘導体
である可能性がある。
分をニワトリ骨格筋から精製することに成功した。この
成分は、カラムクロマトグラフィーの溶出プロフィール
において単一のピークを示す(図2(a))と共に、U
V吸収のプロフィールに照らすとフラクション中の成分
はペプチド類ではなかった(図2(b))。精製プロセ
スの過程において我々は、よりよい結果を得るために様
々なカラムや溶剤を試験した。我々は、精製手順の各ス
テップにおいて、そのステップでもっとも高い生存活性
を示したフラクションを選び、次のステップに用いた。
第1表の最終ステップ9において、我々は、活性成分を
含有するフラクションを得た。UV吸収は258nmが
極大であり、230nmが極小であり、比(A260/A
280)は1.92だった。従って、我々は、ペプチド類
とは全く違うものであると結論した。この吸収特性から
みて、我々が得た活性成分は、核酸または核酸の誘導体
である可能性がある。
【0033】精製された成分には、精製過程において次
のような特徴が見られた。(NH4)2SO4溶出ステッ
プにおいて、生存活性は、50%(NH4)2SO4の上
澄中に回収された。それゆえに、上澄中に含有される活
性成分は、分子サイズが小さいであろうことが示唆され
た。DEAE−5PWカラムを使用して、最高の活性を
有するフラクション(フラクションC)を溶出させるた
めには、ほとんど中性(pH7.5)の条件で高いイオ
ン濃度(>0.35M NaCl)が必要だった。その
濃度は、蛋白質やペプチドを溶出するのに必要な程度よ
りも、さらに高濃度だった。それに加えて、生存活性を
有する成分は、陽イオン交換カラムには決して吸着され
ないことが、付加的に行った実験で観察された。これら
の結果は、活性フラクション中に強い負電荷を帯びた酸
性成分が含有されていることを示唆している。精製の試
みを始めた当初は、我々は、活性成分はペプチドか或い
は蛋白質であろうと信じていた。従って、上述の結論か
ら、精製された成分は小さなサイズの酸性ペプチドであ
ろうと我々は考えた。しかしながら、次のような結果に
よって、活性成分はペプチド類ではないことが我々に強
く指し示された。すなわち、本実験において、Capcell
−Pak C18を、アセトニトリルよりも疎水性に乏しいM
eOH/CH3COONH4系と組み合わせて使用した。
acetonitrile/trifluoroacetic acid系を用いて行った
我々の予備的実験においては、一般的な蛋白質またはペ
プチドを溶出するのに用いられる溶媒と比べて、アセト
ニトリル濃度の低い(<5%)時点でだけ弱い活性が回
収された。それゆえ、活性成分が強い親水性を有してい
ることが示唆される。さらに、我々は、精製した成分の
アミノ酸シークエンスをEdomanの分解法によって分析し
ようと試みたが、シグナルが得られなかった。これらを
総合すると、精製された成分は、蛋白質でもペプチドで
もないと考えられ、これらの全特徴はリボ核酸の特徴と
一致している。
のような特徴が見られた。(NH4)2SO4溶出ステッ
プにおいて、生存活性は、50%(NH4)2SO4の上
澄中に回収された。それゆえに、上澄中に含有される活
性成分は、分子サイズが小さいであろうことが示唆され
た。DEAE−5PWカラムを使用して、最高の活性を
有するフラクション(フラクションC)を溶出させるた
めには、ほとんど中性(pH7.5)の条件で高いイオ
ン濃度(>0.35M NaCl)が必要だった。その
濃度は、蛋白質やペプチドを溶出するのに必要な程度よ
りも、さらに高濃度だった。それに加えて、生存活性を
有する成分は、陽イオン交換カラムには決して吸着され
ないことが、付加的に行った実験で観察された。これら
の結果は、活性フラクション中に強い負電荷を帯びた酸
性成分が含有されていることを示唆している。精製の試
みを始めた当初は、我々は、活性成分はペプチドか或い
は蛋白質であろうと信じていた。従って、上述の結論か
ら、精製された成分は小さなサイズの酸性ペプチドであ
ろうと我々は考えた。しかしながら、次のような結果に
よって、活性成分はペプチド類ではないことが我々に強
く指し示された。すなわち、本実験において、Capcell
−Pak C18を、アセトニトリルよりも疎水性に乏しいM
eOH/CH3COONH4系と組み合わせて使用した。
acetonitrile/trifluoroacetic acid系を用いて行った
我々の予備的実験においては、一般的な蛋白質またはペ
プチドを溶出するのに用いられる溶媒と比べて、アセト
ニトリル濃度の低い(<5%)時点でだけ弱い活性が回
収された。それゆえ、活性成分が強い親水性を有してい
ることが示唆される。さらに、我々は、精製した成分の
アミノ酸シークエンスをEdomanの分解法によって分析し
ようと試みたが、シグナルが得られなかった。これらを
総合すると、精製された成分は、蛋白質でもペプチドで
もないと考えられ、これらの全特徴はリボ核酸の特徴と
一致している。
【0034】精製の過程で、生存活性を有するフラクシ
ョンがいくつか存在した。このことは、今回の研究で精
製された成分以外の他の活性分子が骨格筋に含有されて
いる可能性がある。調製用DEAE−5PWカラムを使
用して分離した後、活性成分は3つの異なるフラクショ
ンに認められた(第1表)。それらのフラクションは、
DEAE−5PWカラムクロマトグラフィーを行った時
だけでなく、POROS−50PEカラムクロマトグラ
フィーを行った時にもリテンションタイムが異なってい
た。このことから考えて、これら3つのフラクションは
全く別の活性成分を含有していると考えられた。従っ
て、筋肉には、生存活性を有する成分が一種類だけでな
く複数含有していそうである。ニワトリまたはラットの
骨格筋から部分的に精製された幾つかの蛋白質は、運動
ニューロンの生存を促進することが認められており、こ
れらがインビトロにおいて形態的およびアセチルコリン
(ACh)を誘導するという分化を引き起こすことも認
められている。
ョンがいくつか存在した。このことは、今回の研究で精
製された成分以外の他の活性分子が骨格筋に含有されて
いる可能性がある。調製用DEAE−5PWカラムを使
用して分離した後、活性成分は3つの異なるフラクショ
ンに認められた(第1表)。それらのフラクションは、
DEAE−5PWカラムクロマトグラフィーを行った時
だけでなく、POROS−50PEカラムクロマトグラ
フィーを行った時にもリテンションタイムが異なってい
た。このことから考えて、これら3つのフラクションは
全く別の活性成分を含有していると考えられた。従っ
て、筋肉には、生存活性を有する成分が一種類だけでな
く複数含有していそうである。ニワトリまたはラットの
骨格筋から部分的に精製された幾つかの蛋白質は、運動
ニューロンの生存を促進することが認められており、こ
れらがインビトロにおいて形態的およびアセチルコリン
(ACh)を誘導するという分化を引き起こすことも認
められている。
【0035】精製作業の過程において、脊髄運動ニュー
ロンに対する生存活性を、6日齢ニワトリ胚由来の脊髄
ニューロンの初代培養系を用いて検定した。この初代培
養系には、脊髄の運動ニューロンだけでなく当該脊髄の
介在ニューロンも比較的多量に含まれているので、介在
ニューロンも活性値に寄与していたかもしれないが、精
製された成分は運動ニューロンに富む培養系で生存活性
を示した。従って、我々は、この研究で精製された成分
は、インビトロにおいて運動ニューロンを生存させるよ
うに働くのはまちがいなく、それ以外に、介在ニューロ
ン等の他の神経細胞にも生存活性を示す可能性があると
結論した。
ロンに対する生存活性を、6日齢ニワトリ胚由来の脊髄
ニューロンの初代培養系を用いて検定した。この初代培
養系には、脊髄の運動ニューロンだけでなく当該脊髄の
介在ニューロンも比較的多量に含まれているので、介在
ニューロンも活性値に寄与していたかもしれないが、精
製された成分は運動ニューロンに富む培養系で生存活性
を示した。従って、我々は、この研究で精製された成分
は、インビトロにおいて運動ニューロンを生存させるよ
うに働くのはまちがいなく、それ以外に、介在ニューロ
ン等の他の神経細胞にも生存活性を示す可能性があると
結論した。
【0036】Heftiらは、神経栄養因子を、「神経細胞
の生存、成長、形態学的可塑性、或いは、神経細胞が有
する分化した機能を維持するための蛋白の合成を調節し
ている内因性の可溶性蛋白」と定義した。従って、我々
が精製した成分は、非ペプチド的な特徴が認められるも
のであるから、このような定義の神経栄養因子には当て
はまらない。
の生存、成長、形態学的可塑性、或いは、神経細胞が有
する分化した機能を維持するための蛋白の合成を調節し
ている内因性の可溶性蛋白」と定義した。従って、我々
が精製した成分は、非ペプチド的な特徴が認められるも
のであるから、このような定義の神経栄養因子には当て
はまらない。
【0037】B.修正法による精製と活性成分の同定 (1)実験材料 上述した初期の実験と同様に、白色レグホンの受精卵を
一般市場から購入し、加湿したふらん器内に37℃で6
日から19日間インキュベートした胚を使用した。
一般市場から購入し、加湿したふらん器内に37℃で6
日から19日間インキュベートした胚を使用した。
【0038】(2)バイオアッセイ系の調製 上述した初期の実験で使用したのと同様のアッセイ系を
使用した。すなわち、精製過程で得られる各フラクショ
ンの生存活性をスクリーニングするために、調製は比較
的容易だが介在ニューロン等の他の神経細胞が比較的多
量に含まれる初代培養系を用い、同じテクニックで検定
を行った。また、最終的な精製成分は、脊髄運動ニュー
ロンを多量に含有する培養細胞系(運動ニューロン培養
系)を用いる上述のテクニックて検定した。全ての試料
について、3段階の濃度のそれぞれで、各濃度につき3
ウエルずつ検定を行った。
使用した。すなわち、精製過程で得られる各フラクショ
ンの生存活性をスクリーニングするために、調製は比較
的容易だが介在ニューロン等の他の神経細胞が比較的多
量に含まれる初代培養系を用い、同じテクニックで検定
を行った。また、最終的な精製成分は、脊髄運動ニュー
ロンを多量に含有する培養細胞系(運動ニューロン培養
系)を用いる上述のテクニックて検定した。全ての試料
について、3段階の濃度のそれぞれで、各濃度につき3
ウエルずつ検定を行った。
【0039】(3)1H−NMRスペクトル分析 初期の実験で行ったのと同じ方法で精製した最終の活性
フラクション、すなわち、UVによりλmaxが258nm
の単一ピークが検出されるフラクション(約150μ
g)を、凍結乾燥してからD2O(99.8%、メルク
社)に溶解した。この溶解液について、JNM−α60
0スペクトル測定機(JEOL社)を使って、600M
Hz、室温(27℃)にて1H−NMR測定を行った。
フラクション、すなわち、UVによりλmaxが258nm
の単一ピークが検出されるフラクション(約150μ
g)を、凍結乾燥してからD2O(99.8%、メルク
社)に溶解した。この溶解液について、JNM−α60
0スペクトル測定機(JEOL社)を使って、600M
Hz、室温(27℃)にて1H−NMR測定を行った。
【0040】(4)精製法の修正 後述する1H−NMRスペクトルの結果から、活性成分
がRNA、その誘導体または、それらのいずれかを含有
する成分群ではないかと予測されたので、初期に行って
いた精製法を次のように修正した。
がRNA、その誘導体または、それらのいずれかを含有
する成分群ではないかと予測されたので、初期に行って
いた精製法を次のように修正した。
【0041】すなわち、19日齢ニワトリ胚の骨格筋を
アセトン中にホモジナイズして、濾紙に通し、アセトン
パウダーを回収した。ステップ1においては、このアセ
トンパウダーを、2%(w/v)NaCl水溶液で抽出
し、12,000×gで、4℃にて、30分間遠心分離
した(これと同じ遠心分離の条件は、特に説明が無い限
り、精製の全手順を通して採用された)。
アセトン中にホモジナイズして、濾紙に通し、アセトン
パウダーを回収した。ステップ1においては、このアセ
トンパウダーを、2%(w/v)NaCl水溶液で抽出
し、12,000×gで、4℃にて、30分間遠心分離
した(これと同じ遠心分離の条件は、特に説明が無い限
り、精製の全手順を通して採用された)。
【0042】ステップ2においては、得られた上澄に、
アセトンを当該アセトンの最終濃度が30%(v/v)
となるように加え、遠心分離によって上澄を取った。こ
の上澄に、アセトンの最終濃度が50%(v/v)とな
るように、アセトンをさらに加え、遠心分離を行って沈
殿を得た。
アセトンを当該アセトンの最終濃度が30%(v/v)
となるように加え、遠心分離によって上澄を取った。こ
の上澄に、アセトンの最終濃度が50%(v/v)とな
るように、アセトンをさらに加え、遠心分離を行って沈
殿を得た。
【0043】ステップ3においては、アセトンによる沈
殿物を、50%(w/v)(NH4)2SO4水溶液に直
接溶解し、遠心分離し、上澄を取った。
殿物を、50%(w/v)(NH4)2SO4水溶液に直
接溶解し、遠心分離し、上澄を取った。
【0044】ステップ4においては、この(NH4)2S
O4水溶液の上澄を、等容量のフェノール:クロロホル
ム混液(1:1、v/v)と混合し、室温にて振とうさ
せ、遠心分離を行い、水層を取った。
O4水溶液の上澄を、等容量のフェノール:クロロホル
ム混液(1:1、v/v)と混合し、室温にて振とうさ
せ、遠心分離を行い、水層を取った。
【0045】このようにして得られた水層に、ステップ
5からステップ8までの一連のカラムクロマトグラフィ
ーを順次行った。用いたカラム、平衡用および洗浄用緩
衝液、溶出条件を以下に示す。
5からステップ8までの一連のカラムクロマトグラフィ
ーを順次行った。用いたカラム、平衡用および洗浄用緩
衝液、溶出条件を以下に示す。
【0046】ステップ5:フェニールセファロース C
L−4Bカラム(Pharmacia社)、50%(NH4)2S
O4含有50mM HEPES(pH7.5)による洗浄
2回、50mM HEPES(pH7.5)による溶
出; ステップ6:Capcell−PakC18(20mmI.D.×2
50mm、資生堂)、10mM CH3COO(NH4)
(pH6.5)による平衡化、0−25%CH 3OH含
有10mM CH3COO(NH4)(pH6.5)のリニ
アグラジュエント(8ml/min.、100分間)に
よる逆相HPLC。部分的精製成分(PPS)がこのス
テップ6により得られた。結果の図4を参照のこと)。
L−4Bカラム(Pharmacia社)、50%(NH4)2S
O4含有50mM HEPES(pH7.5)による洗浄
2回、50mM HEPES(pH7.5)による溶
出; ステップ6:Capcell−PakC18(20mmI.D.×2
50mm、資生堂)、10mM CH3COO(NH4)
(pH6.5)による平衡化、0−25%CH 3OH含
有10mM CH3COO(NH4)(pH6.5)のリニ
アグラジュエント(8ml/min.、100分間)に
よる逆相HPLC。部分的精製成分(PPS)がこのス
テップ6により得られた。結果の図4を参照のこと)。
【0047】ステップ7:DEAE−5PW(21.5
mmI.D.×150mm)、50mM Tris−HCl(p
H7.5)による平衡化、0−0.5M NaCl含有5
0mM Tris−HCl(pH7.5)のリニアグラジュエン
ト(5ml/min.、120分間)による陰イオン交
換HPLC。
mmI.D.×150mm)、50mM Tris−HCl(p
H7.5)による平衡化、0−0.5M NaCl含有5
0mM Tris−HCl(pH7.5)のリニアグラジュエン
ト(5ml/min.、120分間)による陰イオン交
換HPLC。
【0048】ステップ8:Capcell−PakC18(20mm
I.D.×250mm)、5%(v/v)CH3CN含
有100mM triethylamine−acetate(pH6.75)
(平衡用バッファーA)による平衡化、5−19.25
%CH3CN(pH6.75)のリニアグラジュエント
(8ml/min.、/150分間)による逆相HPL
C。この溶出は、100%のバッファーAから100%
のバッファーB(19.25%(v/v)CH3CN含
有85mM triethylamine−acetate(pH6.75))
へと溶出液を徐々に変えることにより行った。
I.D.×250mm)、5%(v/v)CH3CN含
有100mM triethylamine−acetate(pH6.75)
(平衡用バッファーA)による平衡化、5−19.25
%CH3CN(pH6.75)のリニアグラジュエント
(8ml/min.、/150分間)による逆相HPL
C。この溶出は、100%のバッファーAから100%
のバッファーB(19.25%(v/v)CH3CN含
有85mM triethylamine−acetate(pH6.75))
へと溶出液を徐々に変えることにより行った。
【0049】ステップ5(フェニールセファロース C
L−4B)では、全ての溶出液を次のステップに使用し
た。ステップ6から8については連続的に5分ごとにフ
ラクション(分留分画)を回収し、スクリーニングアッ
セイでもっとも活性が高かったフラクションを選択し
た。各ステップの抽出物またはフラクションを凍結乾燥
し、DMEM/TIPに溶解し、上記した生物学的検定
を行った。
L−4B)では、全ての溶出液を次のステップに使用し
た。ステップ6から8については連続的に5分ごとにフ
ラクション(分留分画)を回収し、スクリーニングアッ
セイでもっとも活性が高かったフラクションを選択し
た。各ステップの抽出物またはフラクションを凍結乾燥
し、DMEM/TIPに溶解し、上記した生物学的検定
を行った。
【0050】(5)RNase AおよびプロテイナーゼKに
対する部分的精製成分(PPS)の反応性 ステップ6(逆相Capcell−PakC18)により得られた活
性フラクションは、溶出プロフィール(λmax258n
m)のピークに対応する生物学的活性を有しており、P
PSを含有していた。このPPSフラクションを、酵素
として10単位のRNase Aまたは4単位のプロテイナー
ゼKを用いて消化した。PPSフラクションの分取試料
(1.66gの骨格筋に相当する)のうちのひとつには
蒸留水のみ加え、酵素は添加しなかった(コントロー
ル)。別の分取試料のひとつは、何の処理もしないで4
℃でインキュベートした(オリジナル)。RNase Aまた
はプロテイナーゼKで処理した試料とコントロールは、
37℃にて3時間インキュベートした。酵素処理した試
料は、インキュベート後、VP−318(4.6mmI.
D.×150mm、センシュパック社)を用い、10m
M ammonium acetate(pH6.5)により平衡化
し、0−25%(v/v)メタノールのグラジュエント
溶出(1ml/min.)による逆相HPLC(ヒュー
レットパッカードのシリーズ1100)を行い、消化酵
素を除去した。それから各試料について、脊髄運動ニュ
ーロンを多量に含有する培養細胞系(運動ニューロン培
養系)を用いて生存活性を検定した。
対する部分的精製成分(PPS)の反応性 ステップ6(逆相Capcell−PakC18)により得られた活
性フラクションは、溶出プロフィール(λmax258n
m)のピークに対応する生物学的活性を有しており、P
PSを含有していた。このPPSフラクションを、酵素
として10単位のRNase Aまたは4単位のプロテイナー
ゼKを用いて消化した。PPSフラクションの分取試料
(1.66gの骨格筋に相当する)のうちのひとつには
蒸留水のみ加え、酵素は添加しなかった(コントロー
ル)。別の分取試料のひとつは、何の処理もしないで4
℃でインキュベートした(オリジナル)。RNase Aまた
はプロテイナーゼKで処理した試料とコントロールは、
37℃にて3時間インキュベートした。酵素処理した試
料は、インキュベート後、VP−318(4.6mmI.
D.×150mm、センシュパック社)を用い、10m
M ammonium acetate(pH6.5)により平衡化
し、0−25%(v/v)メタノールのグラジュエント
溶出(1ml/min.)による逆相HPLC(ヒュー
レットパッカードのシリーズ1100)を行い、消化酵
素を除去した。それから各試料について、脊髄運動ニュ
ーロンを多量に含有する培養細胞系(運動ニューロン培
養系)を用いて生存活性を検定した。
【0051】(6)ニワトリ胚からの筋粗抽出物(CM
X)の調製 18日齢および19日齢ニワトリ胚を、2%(w/v)
NaCl水溶液中でホモジナイズし、150,000×
g、4℃で15分間超遠心分離することにより、筋粗抽
出物(CMX)を調製した。上澄を、等量のフェノー
ル:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:2
4:1、v/v)中に懸濁し、19,000×g、4℃
で10分間遠心分離した。上側の水層(0.1gの骨格
筋に相当)を回収し、脊髄運動ニューロンを多量に含有
する培養細胞系(運動ニューロン培養系)を用いて神経
細胞の生存数をかぞえ、生存活性を検定した。後述する
ように、修正精製法の最終フラクションの活性を、CM
Xの活性と比較した。
X)の調製 18日齢および19日齢ニワトリ胚を、2%(w/v)
NaCl水溶液中でホモジナイズし、150,000×
g、4℃で15分間超遠心分離することにより、筋粗抽
出物(CMX)を調製した。上澄を、等量のフェノー
ル:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:2
4:1、v/v)中に懸濁し、19,000×g、4℃
で10分間遠心分離した。上側の水層(0.1gの骨格
筋に相当)を回収し、脊髄運動ニューロンを多量に含有
する培養細胞系(運動ニューロン培養系)を用いて神経
細胞の生存数をかぞえ、生存活性を検定した。後述する
ように、修正精製法の最終フラクションの活性を、CM
Xの活性と比較した。
【0052】(7)結果 初期の方法により精製した最終フラクションに含有され
ていた成分の1H−NMRスペクトルは、ポリマーに特
徴的なピークを示した(図2)。β−D−リボースとプ
リン塩基とピリミジン塩基のプロトンに帰結するシグナ
ルが観察されたが、DNAの2''−デオキシ−β−D−
リボースの2'Hと2''Hに帰結するシグナルは観察されな
かった(図2)。この結果は、精製成分がリボヌクレオ
チド(RNA)であることを示していた。
ていた成分の1H−NMRスペクトルは、ポリマーに特
徴的なピークを示した(図2)。β−D−リボースとプ
リン塩基とピリミジン塩基のプロトンに帰結するシグナ
ルが観察されたが、DNAの2''−デオキシ−β−D−
リボースの2'Hと2''Hに帰結するシグナルは観察されな
かった(図2)。この結果は、精製成分がリボヌクレオ
チド(RNA)であることを示していた。
【0053】次に、筋粗抽出物(CMX)をフェノール
/クロロホルム/イソアミルアルコールで抽出し、生物
学的検定を行った。CMXをフェノール/クロロホルム
/イソアミルアルコールにより抽出した後も、各被験量
における培養脊髄ニューロンの生存を維持する能力が維
持されていたので(図3)、生物学的活性成分が蛋白質
ではないことは示された。この事実は、1H−NMRス
ペクトルの結果では精製成分がRNAであることを示し
ていたのを補強している。
/クロロホルム/イソアミルアルコールで抽出し、生物
学的検定を行った。CMXをフェノール/クロロホルム
/イソアミルアルコールにより抽出した後も、各被験量
における培養脊髄ニューロンの生存を維持する能力が維
持されていたので(図3)、生物学的活性成分が蛋白質
ではないことは示された。この事実は、1H−NMRス
ペクトルの結果では精製成分がRNAであることを示し
ていたのを補強している。
【0054】問題の活性成分がRNAであると考えて、
初期に行っていた精製法を改変し、精製ステップのひと
つとしてフェノール/クロロホルム抽出を組み込んだ。
修正精製法によって最終的に得られたフラクションに
は、UVによる溶出プロフィールにおいてλmax258
nmのピークが認められ、スクリーニングアッセイによ
れば、最初に撒いた細胞数の38〜40%が生存したま
ま残存していた(骨格筋を用いて同じ精製を独立して2
回行った結果に基づいている)。
初期に行っていた精製法を改変し、精製ステップのひと
つとしてフェノール/クロロホルム抽出を組み込んだ。
修正精製法によって最終的に得られたフラクションに
は、UVによる溶出プロフィールにおいてλmax258
nmのピークが認められ、スクリーニングアッセイによ
れば、最初に撒いた細胞数の38〜40%が生存したま
ま残存していた(骨格筋を用いて同じ精製を独立して2
回行った結果に基づいている)。
【0055】この修正精製法によって得られた部分的精
製成分(PPS)を、RNase処理に対する感受性につい
て試験した。RNase A処理によって、PPSの生物学的
活性は完全に失われた(図4)。これに対して、プロテ
イナーゼKで処理した場合には、PPSの生物学的活性
に顕著な影響は現れなかった(図4)。これらの結果
は、脊髄ニューロンを用いる生物学的検定において生物
学的活性に関与する成分が、蛋白質ではなく、RNA分
子であることを示唆している。
製成分(PPS)を、RNase処理に対する感受性につい
て試験した。RNase A処理によって、PPSの生物学的
活性は完全に失われた(図4)。これに対して、プロテ
イナーゼKで処理した場合には、PPSの生物学的活性
に顕著な影響は現れなかった(図4)。これらの結果
は、脊髄ニューロンを用いる生物学的検定において生物
学的活性に関与する成分が、蛋白質ではなく、RNA分
子であることを示唆している。
【0056】さらに、修正精製法によって得られた最終
フラクションの生存活性と、CMXの生存活性を、脊髄
運動ニューロンを多量に含有する培養細胞系(運動ニュ
ーロン培養系)を用いて検定し、比較した。運動ニュー
ロン培養系を用いた上述のアッセイ系では、最大の生存
効果を与えるCMXの量は、10mgの骨格筋に相当
し、この量において、ほぼ100%の神経細胞が生存す
る。これに対して、修正精製法により得られたフラクシ
ョンに含有される精製成分を、384ngのRNAまた
は240μgの骨格筋に相当する量だけ、培地1ml中
に添加すると、CMX処理ニューロンの110±3.2
%(mean±SEM)相当の生存が維持することができた。
また、CMX処理ニューロンの39±4.8%(mean±
SEM)相当の生存効果が、38.4ngのRNAに相当
する量の精製成分によって得られた。
フラクションの生存活性と、CMXの生存活性を、脊髄
運動ニューロンを多量に含有する培養細胞系(運動ニュ
ーロン培養系)を用いて検定し、比較した。運動ニュー
ロン培養系を用いた上述のアッセイ系では、最大の生存
効果を与えるCMXの量は、10mgの骨格筋に相当
し、この量において、ほぼ100%の神経細胞が生存す
る。これに対して、修正精製法により得られたフラクシ
ョンに含有される精製成分を、384ngのRNAまた
は240μgの骨格筋に相当する量だけ、培地1ml中
に添加すると、CMX処理ニューロンの110±3.2
%(mean±SEM)相当の生存が維持することができた。
また、CMX処理ニューロンの39±4.8%(mean±
SEM)相当の生存効果が、38.4ngのRNAに相当
する量の精製成分によって得られた。
【0057】(8)精製成分の同定に関する考察1 H−NMRによるスペクトル分析によって、精製され
た生物学的活性成分の主要な構成要素がRNAであるこ
とが明らかになった(図2)。我々が得た成分がフェノ
ール/クロロホルム/イソアミルアルコールによって効
果的に精製されるという観察結果(図3)を考慮して、
初期の精製法を修正した。修正精製法によって得られた
PPS試料の、RNase AおよびプロテイナーゼKを用い
た酵素学的消化によって、生物学的活性成分がRNAで
あることが確認された(図4)。
た生物学的活性成分の主要な構成要素がRNAであるこ
とが明らかになった(図2)。我々が得た成分がフェノ
ール/クロロホルム/イソアミルアルコールによって効
果的に精製されるという観察結果(図3)を考慮して、
初期の精製法を修正した。修正精製法によって得られた
PPS試料の、RNase AおよびプロテイナーゼKを用い
た酵素学的消化によって、生物学的活性成分がRNAで
あることが確認された(図4)。
【0058】DNAのプロトンNMRスペクトルは、リ
ボース残基のプロトンシグナルに基づいてRNAのスペ
クトルと区別することが可能である。DNAにおいて
は、2''−デオキシ−β−D−リボースの2'Hと2''Hに帰
結するシグナルの化学シフト(δ)が1.8〜3.0p
pmの範囲になるが、この領域内では目立ったシグナル
は検出されなかった(図2)。この結果から、精製され
た成分がRNAであり、DNAではないことがさらに確
認された。
ボース残基のプロトンシグナルに基づいてRNAのスペ
クトルと区別することが可能である。DNAにおいて
は、2''−デオキシ−β−D−リボースの2'Hと2''Hに帰
結するシグナルの化学シフト(δ)が1.8〜3.0p
pmの範囲になるが、この領域内では目立ったシグナル
は検出されなかった(図2)。この結果から、精製され
た成分がRNAであり、DNAではないことがさらに確
認された。
【0059】精製成分の特徴をすべて総合した結果、我
々は、それがRNA鎖(ポリリボヌクレオチド)であっ
てリボヌクレオチドのモノマーではないという結論に達
した。例えば:1)生物学的活性は、RNase A処理によ
って消失した;2)1H−NMRスペクトルは、ポリマ
ーであることを表すブロードのピークを示した;3)こ
の成分は、熱に対して不安定(96℃、5分間)であっ
たが、リボヌクレオチドのモノマーは熱処理に対して安
定である;4)分子重量は17,000〜47,000
と評価された(ゲル浸透クロマトグラフィーによる)。
々は、それがRNA鎖(ポリリボヌクレオチド)であっ
てリボヌクレオチドのモノマーではないという結論に達
した。例えば:1)生物学的活性は、RNase A処理によ
って消失した;2)1H−NMRスペクトルは、ポリマ
ーであることを表すブロードのピークを示した;3)こ
の成分は、熱に対して不安定(96℃、5分間)であっ
たが、リボヌクレオチドのモノマーは熱処理に対して安
定である;4)分子重量は17,000〜47,000
と評価された(ゲル浸透クロマトグラフィーによる)。
【0060】部分的精製成分(PPS)は、エンドリボ
ヌクレアーゼ(RNase T1,RNase U 2、RNase B. cere
us およびRNase Phy M)による消化に対しては、むし
ろ感受性が無く、完全に不活化するためには比較的多量
のRNase A(10単位、図4)を必要とした。一方、エ
クソヌクレアーゼ消化を行うと、酵素が少量でも(0.
04単位のヌクレアーゼP1)生物学的活性を効果的に
消失させた。エンドリボヌクレアーゼ処理に対するPP
Sの抵抗性は、RNA分子の内部に形成される潜在的な
二次構造によるものなのかもしれない。この抵抗性は、
RNase A処理、あるいは、適用された一連の生成過程で
の劣化に対する生物学的活性成分の安定性を高めるのに
寄与しているであろう。
ヌクレアーゼ(RNase T1,RNase U 2、RNase B. cere
us およびRNase Phy M)による消化に対しては、むし
ろ感受性が無く、完全に不活化するためには比較的多量
のRNase A(10単位、図4)を必要とした。一方、エ
クソヌクレアーゼ消化を行うと、酵素が少量でも(0.
04単位のヌクレアーゼP1)生物学的活性を効果的に
消失させた。エンドリボヌクレアーゼ処理に対するPP
Sの抵抗性は、RNA分子の内部に形成される潜在的な
二次構造によるものなのかもしれない。この抵抗性は、
RNase A処理、あるいは、適用された一連の生成過程で
の劣化に対する生物学的活性成分の安定性を高めるのに
寄与しているであろう。
【0061】研究当初の実験では、生物学的活性成分が
RNAであることは指示されていなかった。例えば、我
々は、CMXに含有される生物学的活性成分が、トリプ
シン処理によって活性を著しく減少させることを観察し
た。そして、同じような結果は、パン酵母(baker's y
est)のtRNAを用いて、HPLC溶出プロフィール
とポリアクリルアミドゲル電気泳動により検定を行った
時にも観察された。しかしながら我々は、この現象は、
市販されている試薬のトリプシン中に存在している痕跡
量のエクソヌクレアーゼによって招来する人為的要素だ
と考えている。
RNAであることは指示されていなかった。例えば、我
々は、CMXに含有される生物学的活性成分が、トリプ
シン処理によって活性を著しく減少させることを観察し
た。そして、同じような結果は、パン酵母(baker's y
est)のtRNAを用いて、HPLC溶出プロフィール
とポリアクリルアミドゲル電気泳動により検定を行った
時にも観察された。しかしながら我々は、この現象は、
市販されている試薬のトリプシン中に存在している痕跡
量のエクソヌクレアーゼによって招来する人為的要素だ
と考えている。
【0062】修正精製法においては、各精製ステップに
おいて直前のステップで回収された生物学的活性の50
%以上が残存しているフラクションを選び、それをさら
に精製した。このことは、精製したRNAが、CMX由
来の生物学的活性成分のうちのかなり大きな部分を占め
ていることを表している。この生存活性成分が、胚の脊
髄運動ニューロンの自然細胞死が起こる時期において卵
内(in ovo)で果たす潜在的役割を特定するために
は、さらなる研究が必要であろうが、RNAを少量添加
(384ng RNA/ml)しただけでも脊髄運動ニ
ューロンが死滅するのを阻止できることが観察されたこ
とによって、細胞間情報伝達分子としてのRNAの新し
い境地が切り開かれるであろう。
おいて直前のステップで回収された生物学的活性の50
%以上が残存しているフラクションを選び、それをさら
に精製した。このことは、精製したRNAが、CMX由
来の生物学的活性成分のうちのかなり大きな部分を占め
ていることを表している。この生存活性成分が、胚の脊
髄運動ニューロンの自然細胞死が起こる時期において卵
内(in ovo)で果たす潜在的役割を特定するために
は、さらなる研究が必要であろうが、RNAを少量添加
(384ng RNA/ml)しただけでも脊髄運動ニ
ューロンが死滅するのを阻止できることが観察されたこ
とによって、細胞間情報伝達分子としてのRNAの新し
い境地が切り開かれるであろう。
【0063】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る活性
成分がRNAを主要な構成要素としていることはほぼ間
違いないと思われるが、現時点では完全に断定すること
ができない。また、この精製成分の本質が、RNA単独
なのか、RNAの誘導体なのか、あるいは、RNAまた
はその誘導体を構成要素のひとつとして含む複合成分系
(例えば、複合体、混合物など)なのかは、まだ不明で
ある。
成分がRNAを主要な構成要素としていることはほぼ間
違いないと思われるが、現時点では完全に断定すること
ができない。また、この精製成分の本質が、RNA単独
なのか、RNAの誘導体なのか、あるいは、RNAまた
はその誘導体を構成要素のひとつとして含む複合成分系
(例えば、複合体、混合物など)なのかは、まだ不明で
ある。
【0064】いずれにしても、本発明に係る活性成分
が、脊髄運動ニューロンに対してインビトロにおいて生
存活性を示すことが確認された。従って、本発明に係る
活性成分は、脊髄運動ニューロンに対してインビボにお
いても重要な生理活性を有している可能性が大きいと考
えられ、脊髄運動ニューロンの変性疾患である筋萎縮性
側索硬化症(ALS)の治療、予防、診断への利用が大
いに期待される。
が、脊髄運動ニューロンに対してインビトロにおいて生
存活性を示すことが確認された。従って、本発明に係る
活性成分は、脊髄運動ニューロンに対してインビボにお
いても重要な生理活性を有している可能性が大きいと考
えられ、脊髄運動ニューロンの変性疾患である筋萎縮性
側索硬化症(ALS)の治療、予防、診断への利用が大
いに期待される。
【0065】また、本発明に係る活性成分は、脊髄運動
ニューロン以外の神経細胞、特に、脊髄運動ニューロン
以外の脊髄ニューロン(例えば介在ニューロン)や、脊
髄以外の部分の運動ニューロン等に対しても重要な生理
活性を示す可能性があり、神経細胞が何らかの形で関与
するALS以外の疾患の治療、予防、診断に利用できる
可能性もある。
ニューロン以外の神経細胞、特に、脊髄運動ニューロン
以外の脊髄ニューロン(例えば介在ニューロン)や、脊
髄以外の部分の運動ニューロン等に対しても重要な生理
活性を示す可能性があり、神経細胞が何らかの形で関与
するALS以外の疾患の治療、予防、診断に利用できる
可能性もある。
【図1】初期に行われた精製手順により得られた最終フ
ラクションのUV吸収特性を示す図である。図1(a)
は、Capcell−Pak C18分析のUV溶出プロフィール
と、対応する生存活性を示した図である。図1(b)
は、精製された活性成分のUV吸収スペクトルを示した
図である。
ラクションのUV吸収特性を示す図である。図1(a)
は、Capcell−Pak C18分析のUV溶出プロフィール
と、対応する生存活性を示した図である。図1(b)
は、精製された活性成分のUV吸収スペクトルを示した
図である。
【図2】初期に行われた精製手順により得られた最終フ
ラクションに含有される活性成分を、600MHzでの
1H−NMRスペクトル(D2Oを使用)を示す図であ
る。図中の各数字は、予想されるケミカルシフトに基づ
いて決定された位置を示す:1'、2'、3'、4'、5'、およ
び5''は、それぞれβ−D−リボースの1'H、2'H、3'H、
4'H、5'H、および5''Hに対応し;5および6はピリミジン
塩基の5Hおよび6Hに対応し;2および8は、プリン塩基の
2Hおよび8Hに対応する。HOD、Ac、CD 3ODは、
それぞれH2O中のHOD、酢酸アンモニウムおよびメ
チルアルコールを示し、これらはHPLCの溶出用バッ
ファとして使用された。ケミカルシフトは、parts/mill
ion(ppm)で表した。
ラクションに含有される活性成分を、600MHzでの
1H−NMRスペクトル(D2Oを使用)を示す図であ
る。図中の各数字は、予想されるケミカルシフトに基づ
いて決定された位置を示す:1'、2'、3'、4'、5'、およ
び5''は、それぞれβ−D−リボースの1'H、2'H、3'H、
4'H、5'H、および5''Hに対応し;5および6はピリミジン
塩基の5Hおよび6Hに対応し;2および8は、プリン塩基の
2Hおよび8Hに対応する。HOD、Ac、CD 3ODは、
それぞれH2O中のHOD、酢酸アンモニウムおよびメ
チルアルコールを示し、これらはHPLCの溶出用バッ
ファとして使用された。ケミカルシフトは、parts/mill
ion(ppm)で表した。
【図3】筋粗抽出物(CMX)からフェノール/クロロ
ホルム/イソアミルアルコール混液を使って抽出した時
の生物学的活性の回収率を示す図である。所定の長方形
エリア内(895μm×1340μm、1.2mm2)
に生存していた脊髄ニューロンの数(mean±S.D.)を数
えた。試料の添加量は、10mgの骨格筋に相当する量
を1とした時の指数で表した。異なる2つの分析法によ
り、次のことが明らかになった:1)生物学的活性成分
は、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール
混液抽出後に、水相(CMX/PhOh)に移行した
(P=0.25);2)生物学的活性は試料の添加量に
依存しなかった(P<0.05)。
ホルム/イソアミルアルコール混液を使って抽出した時
の生物学的活性の回収率を示す図である。所定の長方形
エリア内(895μm×1340μm、1.2mm2)
に生存していた脊髄ニューロンの数(mean±S.D.)を数
えた。試料の添加量は、10mgの骨格筋に相当する量
を1とした時の指数で表した。異なる2つの分析法によ
り、次のことが明らかになった:1)生物学的活性成分
は、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール
混液抽出後に、水相(CMX/PhOh)に移行した
(P=0.25);2)生物学的活性は試料の添加量に
依存しなかった(P<0.05)。
【図4】部分的精製成分(PPS)を酵素により不活化
した結果を示す図である。PPSは、プロテイナーゼK
またはRNase Aで処理し、37℃で3時間インキュベー
トし、HPLCで精製し、脊髄ニューロン培養細胞に添
加した。生存している脊髄ニューロン数(mean±S.D.)
を無血清培地で2日間培養後に数えた。試料の添加量
は、166mgの骨格筋に相当する量を1とした時の指
数で表した。異なる2つの分析法により、次のことが明
らかになった:1)酵素処理の効果には有意差があった
(P<0.05);2)試料の添加量によって結果に有
意の変化をもたらした(P<0.05)。試料の添加量
が1/10当量の時には4つのサンプルの間に統計学的
には有意差がなかった(P>0.05)が、試料の添加
量が1当量の時には、プロテイナーゼKとRNase Aに統
計学的な有意差が認められた(P<0.05)。
した結果を示す図である。PPSは、プロテイナーゼK
またはRNase Aで処理し、37℃で3時間インキュベー
トし、HPLCで精製し、脊髄ニューロン培養細胞に添
加した。生存している脊髄ニューロン数(mean±S.D.)
を無血清培地で2日間培養後に数えた。試料の添加量
は、166mgの骨格筋に相当する量を1とした時の指
数で表した。異なる2つの分析法により、次のことが明
らかになった:1)酵素処理の効果には有意差があった
(P<0.05);2)試料の添加量によって結果に有
意の変化をもたらした(P<0.05)。試料の添加量
が1/10当量の時には4つのサンプルの間に統計学的
には有意差がなかった(P>0.05)が、試料の添加
量が1当量の時には、プロテイナーゼKとRNase Aに統
計学的な有意差が認められた(P<0.05)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 雄平 千葉県我孫子市つくし野5−6−5 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 4C087 AA02 AA04 AA05 AA10 BB47 CA20 NA14 ZA01
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の精製工程を行った時に最終フラク
ションに含有されている、ニューロン生存活性成分:ス
テップ1において骨格筋をホモジナイズして、2%(w
/v)NaCl水溶液で抽出し、遠心分離して上澄を採
取し;ステップ2において、ステップ1で得られた上澄
に、アセトンを当該アセトンの最終濃度が30%(v/
v)となるように加え、遠心分離によって上澄を取り、
この上澄に、アセトンの最終濃度が50%(v/v)と
なるように、アセトンをさらに加え、遠心分離を行って
沈殿を採取し;ステップ3において、ステップ2で得ら
れた沈殿物を、50%(w/v)(NH4)2SO4水溶
液に溶解し、遠心分離し、上澄を採取し;ステップ4に
おいて、ステップ3で得られた上澄を、等容量のフェノ
ール:クロロホルム混液(1:1、v/v)と混合し、
室温にて振とうさせ、遠心分離を行い、水相を採取し;
ステップ5において、ステップ4で得られた水相を、フ
ェニールセファロースCL−4Bカラムを用いて50%
(NH4)2SO4含有50mM HEPES(pH7.
5)で洗浄し、50mM HEPES(pH7.5)で
溶出させて流出液を採取し;ステップ6において、ステ
ップ5で得られた流出液を、Capcell−PakC18カラムを
用いて0−25%CH3OH(pH6.5)のグラジュ
エント溶出を行って、所定間隔でフラクションを区切
り、最も活性の大きいフラクションを採取し;ステップ
7において、ステップ6で得られたフラクションを、D
EAE−5PWカラムを用いて0−0.5M NaCl
(pH7.5)のグラジュエント溶出を行って、所定間
隔でフラクションを区切り、最も活性の大きいフラクシ
ョンを採取し;ステップ8において、ステップ7で得ら
れたフラクションを、Capcell−PakC 18カラムを用いて
5−19.25%CH3CN(pH6.75)のグラジュ
エント溶出を行って、所定間隔でフラクションを区切
り、最も活性の大きいフラクションを最終フラクション
として選択する。 - 【請求項2】 前記のニューロン生存活性成分の少なく
とも一部が、RNAまたはRNAの分子構造の一部によ
り構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の
ニューロン生存活性成分。 - 【請求項3】 ニューロン生存活性を有する、筋肉組織
由来のRNA。 - 【請求項4】 骨格筋に由来する、請求項3に記載のR
NA。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11101660A JP2000287683A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | ニューロン生存活性を有する筋由来成分およびrna |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11101660A JP2000287683A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | ニューロン生存活性を有する筋由来成分およびrna |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000287683A true JP2000287683A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14306539
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11101660A Pending JP2000287683A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | ニューロン生存活性を有する筋由来成分およびrna |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000287683A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002064778A1 (fr) * | 2001-02-09 | 2002-08-22 | Kabushiki Kaisha Frontier | Arn a activite favorisant la survie des neurones |
| WO2004096245A3 (en) * | 2003-04-25 | 2005-02-10 | Univ Pittsburgh | Muscle derived cells (mdcs) for promoting and enhancing nerve repair and regeneration |
| US9499791B2 (en) | 1998-05-01 | 2016-11-22 | University of Pittsburgh—of the Commonwealth System of Higher Education | Skeletal muscle augmentation utilizing muscle-derived progenitor compositions, and treatments thereof |
-
1999
- 1999-04-08 JP JP11101660A patent/JP2000287683A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9499791B2 (en) | 1998-05-01 | 2016-11-22 | University of Pittsburgh—of the Commonwealth System of Higher Education | Skeletal muscle augmentation utilizing muscle-derived progenitor compositions, and treatments thereof |
| WO2002064778A1 (fr) * | 2001-02-09 | 2002-08-22 | Kabushiki Kaisha Frontier | Arn a activite favorisant la survie des neurones |
| WO2004096245A3 (en) * | 2003-04-25 | 2005-02-10 | Univ Pittsburgh | Muscle derived cells (mdcs) for promoting and enhancing nerve repair and regeneration |
| CN103230415A (zh) * | 2003-04-25 | 2013-08-07 | 匹兹堡大学联邦制高等教育 | 用于促进和增强神经修复和再生的肌肉来源的细胞(mdc) |
| CN103230415B (zh) * | 2003-04-25 | 2016-05-04 | 匹兹堡大学联邦制高等教育 | 用于促进和增强神经修复和再生的肌肉来源的细胞(mdc) |
| US9617516B2 (en) | 2003-04-25 | 2017-04-11 | University Of Pittsburgh-Of The Commonwealth System Of Higher Education | Muscle-derived cells (MDCs) for promoting and enhancing nerve repair and regeneration |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Acheson et al. | Detection of brain-derived neurotrophic factor-like activity in fibroblasts and Schwann cells: inhibition by antibodies to NGF | |
| US7935671B2 (en) | Pantropic neurotrophic factors | |
| Dohrmann et al. | Muscle-derived factors that support survival and promote fiber outgrowth from embryonic chick spinal motor neurons in culture | |
| Göritz et al. | Role of glia-derived cholesterol in synaptogenesis: new revelations in the synapse–glia affair | |
| Bothwell | Insulin and somatemedin MSA promote nerve growth factor‐independent neurite formation by cultured chick dorsal root ganglionic sensory neurons | |
| Williams et al. | High ciliary neuronotrophic specific activity in rat peripheral nerve | |
| CN114213507B (zh) | 一种核桃肽及其制备方法和应用 | |
| JP2003525591A (ja) | 神経組織の成長の誘導および生存の増強方法 | |
| Zong et al. | Nanoparticles carrying neurotrophin-3-modified Schwann cells promote repair of sciatic nerve defects | |
| Villegas et al. | Neuregulin found in cultured-sciatic nerve conditioned medium causes neuronal differentiation of PC12 cells | |
| US7144983B1 (en) | Pantropic neurotrophic factors | |
| DE69230879T2 (de) | Verwendung von Hepatocyten-Wachstumsfaktoren zur Herstellung eines Vermehrungssystems für Hematopoietische Stammzellen | |
| Gray et al. | Characterization of a neurotrophic factor produced by cultured astrocytes involved in the regulation of subcortical cholinergic neurons | |
| Bonyhady et al. | Reversible dissociation of a bovine cardiac factor that supports survival of avian ciliary ganglionic neurones | |
| JP2001523942A (ja) | 運動ニューロン栄養性因子の単離および使用 | |
| Kligman | Neurite outgrowth from cerebral cortical neurons is promoted by medium conditioned over heart cells | |
| CN116041429A (zh) | 一种抑制黄嘌呤氧化酶活性的棘胸蛙多肽及其制备方法和应用 | |
| Bonyhady et al. | An analysis of peripheral neuronal survival factors present in muscle | |
| Henderson | Roles for Retrograde Factors in Synapse Formation at the Nerve–Muscle Junction | |
| Ui-Tei et al. | Purification of a novel substance from skeletal muscles with motoneuron survival activity It is non-peptidergic | |
| JPH03505732A (ja) | 移動刺激因子 | |
| CN116715747A (zh) | 一种用高效液相色谱制备重组人碱性成纤维细胞因子的方法 | |
| Brodie et al. | Muscle-derived factors enhance cholinergic neuronal expression in the chick embryo—I. In ovo studies | |
| JP4096089B2 (ja) | 骨格筋不死化細胞に由来する知覚神経軸索伸長因子 | |
| Goncharova et al. | Bovine brain factor promotes neurite extension from chick embryo dorsal root ganglia in vitro |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060405 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090630 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091027 |