JP2000288404A - 光触媒粉末及びその製造方法 - Google Patents

光触媒粉末及びその製造方法

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JP2000288404A
JP2000288404A JP11096124A JP9612499A JP2000288404A JP 2000288404 A JP2000288404 A JP 2000288404A JP 11096124 A JP11096124 A JP 11096124A JP 9612499 A JP9612499 A JP 9612499A JP 2000288404 A JP2000288404 A JP 2000288404A
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soft magnetic
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photocatalyst powder
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Yoshio Harakawa
義夫 原川
Atsuko Mihashi
厚子 三橋
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TPR Co Ltd
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Teikoku Piston Ring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性、耐久性に優れると共に、触媒性能に
も優れた光触媒粉末及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 原子比率で、Cr:7〜20%、P:5
〜15%、C:10〜15%、Fe及びその他不可避成
分:残部の組成をなし、非晶質組織を有する粉末を製造
し、この粉末の表面にアナターゼ型のチタニアを被覆し
た後、好ましくは300〜475℃で熱処理することに
より、光触媒粉末を得る。この光触媒粉末は、厚さ0.
5〜3μm、短径10〜500μm、アスペクト比(長
径/短径)1〜3の扁平形状を有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回収が容易で耐食
性、耐久性に優れ、寿命が長く、光触媒性能に優れた光
触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、チタニアや酸化亜鉛などの金
属酸化物が光触媒として、種々の物理化学現象を起すこ
とが知られており、最近の基礎研究の進展とともに、多
方面での応用研究も盛んである。
【0003】その1つとして、排水処理への応用があ
る。この方面での、これまでの研究の大部分は、チタニ
アや酸化亜鉛の粉末状の光触媒を排水中に懸濁させて光
を照射することにより、浄化作用を行わせる方法であ
る。この方法を実用化しようとする場合には、装置を連
続運転して触媒の回収と再使用を自動的に行うことが望
ましい。
【0004】しかし、市販のアナターゼ型のチタニア
は、通常直径が1μm以下で回収が容易でないといった
問題があった。このため、触媒を固定化する工夫が行わ
れている。固定化には、ガラス面に微粒子二酸化チタン
を吸着させる(R.W.Mathews, Wat.Res.,20,569 (198
6))、高分子層中に埋め込む(久永輝明等,水処理技
術,29,483 (1988))、ガラスファイバーやガラス繊
維およびセラミックスペーパーの繊維上に沈殿を生成さ
せるなどの方法が行われている。
【0005】しかし、固定化すると表面積が小さくなる
ので、一般に粉末状に比べて触媒効率が低下するといっ
た問題があった。このように、排水処理への応用の実用
化における現在での問題点は触媒の回収である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の問題点
に鑑みて、本発明者らは、軟磁性粉末の表面にアナター
ゼ型のチタニアをコーティングした光触媒粉末を既に提
案している(特願平9−366334号参照)。この光
触媒粉末は、排水中等に懸濁させて光を照射して浄化作
用を行わせた後、磁力で容易に回収できるという利点が
ある。
【0007】しかし、再使用時に残留磁気が残っている
と分散性が損なわれるので、この光触媒粉末は、軟磁性
特性を有することが必要である。軟磁性材料としては、
フェライト、センダスト、パーマロイ等の結晶質金属
や、Fe−Si−B系、Fe−Cr−Si−B系等の非
晶質合金が知られている。
【0008】しかしながら、フェライト、センダスト、
パーマロイ等の結晶質金属は、十分な耐食性を有さない
ため、繰り返し使用時の耐久性が乏しく、Fe−Si−
B系、Fe−Cr−Si−B系等の非晶質合金は一般に
軟磁気特性は高いが、排水処理等に用いた場合の耐久
性、耐食性等については、いまだ十分に検討されたこと
はなかった。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的は、耐食性、耐久性に優
れると共に、触媒性能にも優れた光触媒粉末及びその製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意研究した結果、特定組成のFe−
Cr−P−C系の非晶質合金を基材とする軟磁性粉末の
表面にチタニアを被覆することにより、耐食性、耐久性
に優れると共に、触媒性能にも優れた光触媒粉末が得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の光触媒粉末は、軟磁性
粉末表面にアナターゼ型のチタニアが被覆されてなる光
触媒粉末であって、前記軟磁性粉末が、原子比率で、C
r:7〜20%、P:5〜15%、C:10〜15%、
Fe及びその他不可避成分:残部の組成をなし、非晶質
相が50%以上であることを特徴とする。
【0012】本発明の光触媒粉末によれば、軟磁性粉末
の表面にチタニアを被覆したことにより、優れた光触媒
性能が得られると共に、例えば排水中に懸濁させて浄化
作用を行わせた後、磁力で容易に回収できる。また、特
定組成のFe−Cr−P−C系の非晶質合金を基材とす
る軟磁性粉末を用いたことにより、耐食性に優れ、排水
処理等に用いた際に水中で赤錆等を生じることがなく、
繰り返し使用に耐えることができる。
【0013】この場合、前記軟磁性粉末が、厚さ0.5
〜3μm、短径10〜500μm、アスペクト比(長径
/短径)1〜3の扁平形状を有することが好ましく、そ
れによってチタニアが被覆された表面積が増大し、単位
体積における重量当たりの光照射面積が大きくなるた
め、光触媒性能を向上させることができる。
【0014】また、本発明の光触媒粉末の製造方法は、
原子比率で、Cr:7〜20%、P:5〜15%、C:
10〜15%、Fe及びその他不可避成分:残部の組成
をなし、非晶質組織を有する粉末を製造する工程と、前
記粉末の表面にアナターゼ型のチタニアを被覆する工程
と、前記チタニアを被覆した粉末を300〜475℃で
熱処理する工程とを含むことを特徴とする。
【0015】本発明の触媒粉末の製造方法によれば、粉
末の表面にチタニアを被覆した後、300〜475℃で
熱処理することにより、光触媒性能をより高めることが
できる。なお、熱処理によって光触媒性能が向上するこ
とは、他の合金系では顕著に認められなかった。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的態様
を挙げて更に詳細に説明する。本発明において、軟磁性
粉末としては、原子比率で、Cr:7〜20%、P:5
〜15%、C:10〜15%、Fe及びその他不可避成
分:残部の組成をなし、非晶質相が50%以上である粉
末が用いられる。
【0017】ここで、Crは、基材の耐食性を向上させ
るのに寄与し、Crが7%未満であると耐食性が劣化
し、基材表面からチタニア被覆が脱落するから、触媒性
能の寿命が短くなる。また、Crが20%を超えると非
晶質相を形成することが困難となる。より好ましいクロ
ムの含有量は7〜15%である。
【0018】P及びCは、非晶質形成能を向上させる元
素である。P及びCの含有量が上記範囲を外れると、非
晶質形成能が低下するため、軟磁性特性が低下する。
【0019】上記合金組成からなる非晶質相が50%以
上である粉末を得る方法としては、ガスアトマイズ法、
水アトマイズ法などが採用できるが、好ましくはガスア
トマイズ法が採用される。具体的には、上記組成となる
ように秤量された合金材料を溶解炉に投入して、160
0℃の温度下で溶解し、溶解した状態を維持しつつ、溶
解炉に下部に設けた流下ノズルから溶湯を出し、その溶
けた金属の流れにガスを吹き付けて、溶けた金属を細か
く粉砕しサイクロンに回収する。その後、所定の粒度に
分級して粉末を得ることができる。
【0020】このようにして得られた軟磁性粉末は、略
球形をしている。しかし、前述したように、チタニアを
被覆する表面積を大きくするためには、扁平状の粉末が
好ましい。このため、上記軟磁性粉末を、所定量秤量し
た後、この所定量の軟磁性粉末、硬球、ミネラルスピリ
ッツ、及びステアリン酸を所定の割合で、ボールミルに
入れ、粉砕して扁平状の軟磁性粉末を得ることができ
る。
【0021】また、より好ましい方法としては、特公平
4−77043号に示される方法を採用することができ
る。すなわち、上記のようにして調製された合金の溶湯
にガスを、所定の圧力で噴霧して溶湯の液滴を形成し、
この液滴を所定の回転数で回転する傘型又はホーン型の
回転冷却体に衝突させることによって扁平状のアモルフ
ァス合金粉末を得ることができる。
【0022】本発明において、上記軟磁性粉末材料の磁
気特性は、飽和磁気3000ガウス以上で、保磁力10
エルステッド以下であることが好ましい。飽和磁気が3
000ガウス未満だと、十分な回収が行えず、また保磁
力が10エルステッドを超えると、回収後も磁気が残る
ので、光触媒複合粉末が玉になり、再使用がしにくくな
るため好ましくない。
【0023】また、上記軟磁性粉末は、厚さ0.5〜3
μm、短径10〜500μm、アスペクト比(長径/短
径)1〜3の扁平形状を有することが好ましい。このよ
うな形状の粉末は、前記特公平4−77043号に示さ
れる方法によって容易に製造することができる。上記形
状とすることにより、チタニアを被覆する表面積が増大
し、単位体積における重量当たりの光照射面積が大きく
なるため、光触媒効率が向上し、排水等の浄化作用を高
めることができる。
【0024】こうして製造した軟磁性粉末に、アナター
ゼ型のチタニアを被覆する方法としては、ゾルゲル法や
スパッタリング法などが挙げられる。そこで、これらの
方法によるコーティング方法を以下に具体的に説明す
る。
【0025】ゾルゲル法:例えば軟磁性粉末50gを
n−ブタノール500gに懸濁し攪拌した後、テトラ−
n−ブチルチタネート12.75gを添加して、更に攪
拌する。この混合液に、予め水6.7gで希釈しておい
たn−ブタノール水溶液126.7gを添加した後、濾
過によりn−ブタノール水溶液を除去して得られた粉末
を乾燥することにより、酸化チタンコートした軟磁性粉
末が得られる。
【0026】スパッタリング法:蒸着源として、例え
ばTi金属(純度99.9wt%以上)を用い、電子ビーム加
熱により加熱する。次いで、スパッタリング装置におけ
る真空容器内を2×10-5Torr以下まで真空引きした
後、酸素ガスを1.5×10-4Torrの酸素圧に達するま
で導入する。その後、加熱蒸発しながら、軟磁性粉末を
網状のドラムに入れ、蒸発源の上にて粉末を流動させ
る。所定時間経過後、加熱蒸発を止めて真空を解除する
ことにより、酸化チタンコートした軟磁性粉末が得られ
る。
【0027】軟磁性粉末表面に被覆したアナターゼ型の
チタニアの膜厚は、0.05〜2μmが好ましく、0.
1〜1.5μmがより好ましい。膜の厚さが0.05μ
m未満だと、粉末の周囲に完全にコーティングされない
ため、触媒としての効果が乏しくなり、また、膜の厚さ
が2μmを超えると、表面にクラックが生じやすくな
り、せっかくの被覆の効果が弱まるため好ましくない。
【0028】本発明においては、軟磁性粉末表面にアナ
ターゼ型のチタニアを被覆した後、300〜475℃で
熱処理することが好ましく、それによって触媒性能をよ
り高めることができる。熱処理温度が上記範囲より高く
ても低くても、触媒性能の向上効果は低下する傾向があ
る。また、熱処理により触媒性能が向上する効果は、本
発明で規定する特定組成のFe−Cr−P−C系の非晶
質合金を基材した場合に特有の効果であり、他の合金系
ではこの効果は認められない。
【0029】こうして得られた本発明の光触媒粉末の利
用方法の一例を挙げると、この光触媒複合粉末を、排水
などから採取した汚水や、金魚などの水槽中に投入し、
太陽光、紫外線等による光照射を行う。この際、触媒効
率を上げるために、攪拌をすることが好ましい。所定時
間経過後、攪拌を止め、磁石により光触媒複合粉末を回
収する。こうして透明感のあるきれいな水を得ることが
できる。
【0030】
【実施例】表1に示す組成の合金材料を用い、表1に示
す方法によって、非晶質相を含有する軟磁性合金粉末を
得た。表1において、アトマイズ法で得た粉末は、粒径
25〜45μmの球状粉である。また、二段液体急冷法
は、特公平4−77043号に記載された方法によって
粉末を作成した後、篩い分けする方法であり、厚さ1〜
2.5μm、短径25〜300μm、アスペクト比1〜
3の粉末を得た。
【0031】
【表1】
【0032】次いで、表1の各粉末の表面にチタニアを
被覆した。すなわち、表1の粉末50gをn−ブタノー
ル500gに懸濁して攪拌した後、テトラ−n−ブチル
チタネート12.75gを添加して、更に攪拌する。こ
の混合液に、予め水6.7gで希釈しておいたn−ブタ
ノール水溶液126.7gを添加した後、濾過によりn
−ブタノール水溶液を除去して得られた粉末を乾燥する
ことにより、酸化チタンコートした軟磁性粉末を得た。
こうして得られた粉末には、アナターゼ型のチアニアが
0.1〜0.3μmの厚さで被覆されている。
【0033】こうして得た光触媒粉末について、更に所
定温度及び時間で熱処理を行った。熱処理条件は、大気
雰囲気炉中250〜500℃で1時間である。熱処理後
の粉末は、ワインレッドの干渉色を呈する。これらの光
触媒粉末を用いて、以下に述べる性能試験を行った。
【0034】すなわち、水2リットルにエチレンブルー
を少量添加して試験液とする。この試験液30ccと光
触媒粉末0.3gをポリプロピレン製容器に入れた。こ
の容器の外側底部には、マグネットシートが取付けてあ
る。このため、光触媒粉末は磁力で容器底部内壁に固定
される。この容器を所定時間太陽光に晒した後、比色計
で試験液の脱色の程度を測定した。この結果を図1に示
す。また、この性能試験に供した光触媒粉末の種類、熱
処理温度、図1における対応する記号等を表2に示し
た。
【0035】
【表2】
【0036】上記表2及び図1の結果から次のことがわ
かった。 比較例1は、実施例1と同一のCr量を含む、本発明
で特定する組成ではない非晶質合金粉末を基体としたも
のであるが、実施例1と比較すると耐食性が劣り、水中
で赤錆を発生した。
【0037】実施例2は、扁平粉末を基体としている
ので、実施例1と比較して10%以上光触媒性能が優れ
ている。
【0038】軟磁性粉末にチタニアを被覆した後、3
00〜475℃で熱処理した実施例3,4,5は、上記
温度よりも低い温度で熱処理した実施例6、上記温度よ
りも高い温度で熱処理した実施例7よりも、触媒性能が
向上している。
【0039】実施例3,4,5と、比較例2とを比較
すると、熱処理の効果は、本発明で特定する組成ではな
い非晶質合金粉末を用いた場合には、顕著に認められな
いことがわかる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光触媒粉
末によれば、軟磁性粉末の表面にチタニアを被覆したこ
とにより、優れた光触媒性能が得られると共に、例えば
排水中に懸濁させて浄化作用を行わせた後、磁力で容易
に回収できる。また、軟磁性粉末からなるため、回収し
た後に残留磁気が残らず、再使用の際に扱いやすい。
【0041】更に、特定組成のFe−Cr−P−C系の
非晶質合金を基材とする軟磁性粉末を用いたことによ
り、耐食性に優れ、排水処理等に用いた際に水中で赤錆
等を生じることがなく、繰り返し使用に耐えることがで
きる。
【0042】また、本発明の光触媒粉末の製造方法によ
れば、粉末の表面にチタニアを被覆した後、300〜4
75℃で熱処理することにより、光触媒性能をより高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種光触媒粉末の性能試験結果を示す図表であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA18 BA48A BB02A BB02B BC58A BC58B BC66A BC66B BD04A BD04B BD07A BD07B CA05 EA01X EA01Y EB14X EB14Y EB15X EB15Y EB18X EB18Y EC22X EC26 EE01 FA03 FB15 FB17 FB30 FC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性粉末表面にアナターゼ型のチタニ
    アが被覆されてなる光触媒粉末であって、前記軟磁性粉
    末が、原子比率で、Cr:7〜20%、P:5〜15
    %、C:10〜15%、Fe及びその他不可避成分:残
    部の組成をなし、非晶質相が50%以上であることを特
    徴とする光触媒粉末。
  2. 【請求項2】 前記軟磁性粉末が、厚さ0.5〜3μ
    m、短径10〜500μm、アスペクト比(長径/短
    径)1〜3の扁平形状を有する請求項1記載の光触媒粉
    末。
  3. 【請求項3】 原子比率で、Cr:7〜20%、P:5
    〜15%、C:10〜15%、Fe及びその他不可避成
    分:残部の組成をなし、非晶質組織を有する粉末を製造
    する工程と、前記粉末の表面にアナターゼ型のチタニア
    を被覆する工程と、前記チタニアを被覆した粉末を30
    0〜475℃で熱処理する工程とを含むことを特徴とす
    る光触媒粉末の製造方法。
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