JP2000288538A - 窒素含有排水の処理方法 - Google Patents

窒素含有排水の処理方法

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JP2000288538A
JP2000288538A JP11100391A JP10039199A JP2000288538A JP 2000288538 A JP2000288538 A JP 2000288538A JP 11100391 A JP11100391 A JP 11100391A JP 10039199 A JP10039199 A JP 10039199A JP 2000288538 A JP2000288538 A JP 2000288538A
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water
cation exchange
wastewater
nitrogen
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Yuji Takashima
勇二 高島
Shinichi Ohashi
伸一 大橋
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Organo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンモニア態窒素と硬度成分(Ca、Mg)
が共存する排水をアンモニアストリッピング法又は触媒
酸化法で処理してアンモニア態窒素を除去する場合に、
上記方法の処理装置や触媒におけるスケール発生を防止
して長期にわたって安定な処理を継続するとともに、処
理装置や触媒のメンテナンス頻度を少なくしてコスト低
減を図る。 【解決手段】 アンモニア態窒素と硬度成分が共存する
排水2を陽イオン交換樹脂塔4、6に接触させて排水中
の硬度成分を除去する。その後、排水をアンモニアスト
リッピング法又は触媒酸化法によるアンモニア態窒素除
去装置28で処理してアンモニア態窒素を除去する。陽
イオン交換樹脂としては、弱酸性陽イオン交換樹脂を用
いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニア態窒素
を含む排水をアンモニアストリッピング法又は触媒酸化
法で処理して排水中のアンモニア態窒素を除去する方法
に関し、さらに詳述すると、アンモニア態窒素と硬度成
分(Ca、Mg)が共存する排水を処理する場合に好適
に使用される排水処理方法に関する。アンモニア態窒素
と硬度成分が共存する排水としては、例えば、アンモニ
アを使用する工場や発電所等において、アンモニア貯蔵
タンクにアンモニアを補給する際に、タンクの安全弁を
介してタンク外に放出されるアンモニア含有ガスを、C
2+やMg2+を含有する工業用水で洗浄、吸収したとき
に発生する排水等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】発電所や各種の産業プラントから排出さ
れる排水には、アンモニア態窒素が含まれるものがあ
る。アンモニア態窒素については、現状ではすべての水
域に関わる排水基準による規制はないが、近年閉鎖性水
域などで富栄養化問題が深刻化しており、そのためアン
モニア態窒素についての排水水質規制の動きも活発化し
ている。
【0003】従来、排水中のアンモニア態窒素の除去方
法としては、生物学的硝化脱窒素処理が一般的であった
が、この生物学的処理法は、運転管理が難しい、広い設
置スペースが必要になる、発生汚泥の処理が必要にな
る、高濃度のアンモニア態窒素含有排水の処理に適さな
い(濃度500mg/Lのアンモニア態窒素を除去する
のが限度)、といった問題があるため、生物学的処理法
に代わる新しいアンモニア態窒素除去方法が提案されつ
つある。
【0004】上述した新しいアンモニア態窒素除去方法
に関しては、物理化学的処理法として、アンモニアスト
リッピング法及び触媒酸化法(いずれも後述)が各社か
ら提案されている。これらの物理化学的処理法は、運転
管理が容易である、広い設置スペースを必要としない、
汚泥が発生しない、高濃度のアンモニア態窒素含有排水
を処理できる、といった利点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アンモニア態窒素含有
排水をアンモニアストリッピング法又は触媒酸化法で処
理する場合、排水中にアンモニア態窒素と硬度成分が共
存していると、処理装置や触媒におけるスケール発生と
いう問題が生じる。すなわち、上記いずれの方法におい
ても、排水中にCa、Mgといった硬度成分が存在する
と、これら成分が処理装置(熱交換器、加熱器、処理
槽、配管等)内でスケールとして析出し、処理装置の安
定な運転を妨害する。また、触媒酸化法においては、触
媒の表面に硬度成分がスケールとして付着・析出し、こ
れが触媒毒として作用したり、触媒同士が付着する原因
となったりして、触媒性能を低下させる。したがって、
安定した処理を維持するためには、上記いずれの方法に
おいても定期的な処理装置内のスケール除去作業が必要
となり、また触媒酸化法では定期的な触媒交換が必要と
なるので、これらが経済的に大きな負担になっていた。
【0006】本発明は、前述した事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、アンモニア態窒素と硬度成分が共
存する排水をアンモニアストリッピング法又は触媒酸化
法で処理する場合に、処理装置や触媒におけるスケール
発生を防止して長期にわたって安定な処理を継続するこ
とができるとともに、処理装置や触媒のメンテナンス頻
度を少なくしてコスト低減を図ることができる窒素含有
排水の処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、アンモニア態窒素含有排水をアンモニアス
トリッピング法又は触媒酸化法により処理して排水中の
アンモニア態窒素を除去するに当たり、前記排水を陽イ
オン交換樹脂に接触させて排水中の硬度成分を除去した
後に、前記アンモニアストリッピング法又は触媒酸化法
による処理を行うことを特徴とする窒素含有排水の処理
方法を提供する。
【0008】本発明では、予めイオン交換によって排水
中の硬度成分(Ca、Mg)を除去した後に、排水をア
ンモニアストリッピング法又は触媒酸化法で処理する。
そのため、これらの方法による処理時には、被処理水中
に硬度成分は含まれておらず、したがってアンモニアス
トリッピング法又は触媒酸化法の処理装置や触媒におけ
るスケール発生を防止することができる。
【0009】以下、本発明につきさらに詳しく説明す
る。本発明においては、まず、アンモニア態窒素含有排
水を陽イオン交換樹脂に接触させて排水中の硬度成分を
除去する。この場合、排水中の硬度成分を除去できるも
のであれば陽イオン交換樹脂の種類に限定はないが、弱
酸性陽イオン交換樹脂を用いることがより好ましい。弱
酸性陽イオン交換樹脂が好ましい理由は、強酸性陽イオ
ン交換樹脂に比べてイオン交換容量が大きく、かつ酸に
よる再生が容易(少ない再生剤で再生可能)だからであ
る。ただし、強酸性陽イオン交換樹脂は排水がどのよう
なpHであってもCa2+、Mg2+を吸着できるのに対
し、弱酸性陽イオン交換樹脂の場合は排水のpHがアル
カリ性でないとCa2+、Mg2+を吸着することができな
い。したがって、弱酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合
は、排水のpHを9〜12程度に調整してから弱酸性陽
イオン交換樹脂に接触させる。
【0010】陽イオン交換樹脂のイオン形については、
Ca形、Mg形以外のイオン形であればよいが、特にH
形、NH4形又はアルカリ金属イオン形(Na形、K形
等)が好ましい。
【0011】本発明で用いる陽イオン交換樹脂の具体例
として、強酸性陽イオン交換樹脂はアンバーライト(登
録商標、以下同じ)IR120B、IR124、200
C、ダイヤイオン(登録商標、以下同じ)SK1B、S
K102、PK208、PK212等、弱酸性陽イオン
交換樹脂はアンバーライトIRC50、IRC76、ダ
イヤイオンWK10、WK20等を挙げることができ
る。
【0012】本発明において、アンモニア態窒素含有排
水を陽イオン交換樹脂に接触させる際の装置構成に限定
はなく、1塔のイオン交換樹脂塔のみを用いる1塔方式
としてもよく、2塔以上のイオン交換樹脂塔に通水する
多塔方式としてもよい。特に好ましいのは、2塔以上の
イオン交換樹脂塔を直列に接続し、メリーゴーランド方
式で通水処理を行うことである。メリーゴーランド方式
とは、例えば、3つのイオン交換樹脂塔が接続されてい
る場合に、1番目(通水方向最上流側)の処理水中に含
まれる硬度成分の濃度(例えばカルシウム濃度(または
カルシウム硬度)、マグネシウム濃度(またはマグネシ
ウム硬度)あるいは両硬度の総和である全硬度)が所定
値を超えたときに、1番目の塔のイオン交換樹脂の再生
を行い、その後、再生した塔を通水方向最下流側に接続
して次の通水工程においては被処理水を2番目の塔→3
番目の塔→1番目の塔の順に通水するメンテナンス方式
をいう。
【0013】本発明において、イオン交換処理にメリー
ゴーランド方式を採用した場合、1番目の塔の陽イオン
交換樹脂が硬度成分でほぼ飽和になった時点で、1番目
の塔の陽イオン交換樹脂を再生することにより、再生廃
液中にアンモニア態窒素が混入するのを極力防止するこ
とができる。その理由は以下のごとくである。すなわ
ち、NH4 +はCa2+やMg2+に比べて陽イオン交換樹脂
に対する選択性が弱いので、被処理水の通水によって陽
イオン交換樹脂に吸着されたNH4 +(陽イオン交換樹脂
をH形又はアルカリ金属形で使用した場合)、あるいは
通水当初から樹脂に吸着されていたNH4 +(陽イオン交
換樹脂をNH4形で使用した場合)は被処理水中のCa
2+やMg2+とイオン交換されて下流側に押し出されてし
まう。したがって、通水を継続するうちに陽イオン交換
樹脂が硬度成分でほぼ飽和に達すると、その時点では陽
イオン交換樹脂中にNH4 +は殆ど存在しなくなる。陽イ
オン交換樹脂中にNH4 +が殆ど存在しないのであるか
ら、これを再生しても得られる再生廃液中にアンモニア
態窒素が殆ど混入しないのは当然である。再生廃液中に
アンモニア態窒素が殆ど混入していなければ、再生廃液
に対して何らの窒素除去処理を施すことなく放流若しく
は処理することができる。
【0014】なお、1番目の塔内に充填されている陽イ
オン交換樹脂が硬度成分でほぼ飽和に達したか否かは、
1番目の塔から流出する処理水中の硬度成分濃度を監視
することによって知ることができ、処理水中の硬度成分
濃度、例えば全硬度が被処理水(原水)のそれとほぼ同
じになった時点でほぼ飽和に達したと判断すればよい。
また、被処理水中の硬度成分濃度がほぼ一定である場合
は、該硬度成分濃度と塔内に充填されている陽イオン交
換樹脂のイオン交換容量とから、飽和に達するまでに通
水可能な被処理水の通水量を予め計算によって求めるこ
とができるので、通水量がこの計算量に達した時点で陽
イオン交換樹脂が硬度成分でほぼ飽和に達したと判断す
るようにしてもよい。
【0015】また、メリーゴーランド方式を採用した場
合は、1番目のイオン交換樹脂塔の陽イオン交換樹脂が
硬度成分でほぼ飽和になった時点においても、2番目以
降のイオン交換樹脂塔はまだ硬度成分を除去する能力を
十分に有しているため、1番目のイオン交換樹脂塔の再
生処理時にも2番目以降のイオン交換樹脂塔で排水の処
理を行うことができ、イオン交換処理装置の連続運転が
可能となるという利点もある。
【0016】これに対して通水を1塔で行う場合は、処
理水中に硬度成分がリークし始めた時点で通水を停止
し、陽イオン交換樹脂の再生を行わなければならない
が、この時点では陽イオン交換樹脂中にまだNH4形の
ものが残っている。したがって、この樹脂を再生すると
再生廃液中に陽イオン交換樹脂から溶離されたアンモニ
ア態窒素が含まれることになる。そのため、この場合は
硬度成分を含む再生廃液に対して別途、窒素除去処理を
行わなければならないので好ましくない。
【0017】本発明をさらに詳細に説明すると、本発明
では、イオン交換樹脂による処理水中にNH4 +が含まれ
ていても、このNH4 +は後段のアンモニアストリッピン
グ法又は触媒酸化法による処理で除去されるので問題は
なく、換言すれば、被処理水中のNH4 +は陽イオン交換
樹脂によって除去する必要はない。そのため、例えばH
形の陽イオン交換樹脂を用いて1塔方式でイオン交換処
理を行う場合は、アンモニア態窒素含有排水を通水する
ことにより、当初は排水中のCa2+やMg2+と共にNH
4 +も除去され、陽イオン交換樹脂の一部がNH4形にな
るが、陽イオン交換樹脂に一旦吸着されたNH4 +は選択
性の強い被処理水中のCa2+やMg2+とイオン交換され
て次第に下流側に押し出されるため、しまいには処理水
中にNH 4 +がリークするようになる。このような状態に
なってもNH4 +に比べて選択性の強い硬度成分はまだリ
ークしないので、イオン交換樹脂塔へのアンモニア態窒
素含有排水の通水を継続することができる。その後、処
理水中に硬度成分がリーク始めた時点で再生を行えばよ
い。
【0018】また、前述したメリーゴーランド方式を採
用した場合は、当初、すべてのイオン交換樹脂塔の陽イ
オン交換樹脂をH形にして通水を開始したとすると、1
番目のイオン交換樹脂塔からNH4 +がリークするように
なると、リークしたNH4 +は2番目以降のイオン交換樹
脂塔で吸着され、該塔内の陽イオン交換樹脂はH形から
次第にNH4形に移行する。そして、1番目の塔から流
出する処理水中の硬度成分濃度が原水のそれとほぼ同じ
になった時点で1番目の塔を通水から切り離し、該塔内
の陽イオン交換樹脂を酸で再生する。再生が終了した
ら、該塔を最下流側に接続し、今度は今まで2番目に位
置していたイオン交換樹脂塔を最上流側の塔として原水
を各塔に順に通水して処理を継続し、以後、このような
操作を繰り返してアンモニア態窒素含有排水の処理を行
う。
【0019】ここで、2番目のイオン交換樹脂塔を最上
流側にして通水を再開したときには、2番目以降の塔内
に充填されている陽イオン交換樹脂はほぼNH4形にな
っているが、上述のごとく原水中の硬度成分は選択性の
相違によってNH4形の樹脂にも吸着されるため、この
状態でイオン交換樹脂塔へのアンモニア態窒素含有排水
の通水を継続することができる。なお、最下流側に接続
した再生後のイオン交換樹脂塔内の陽イオン交換樹脂も
通水を継続するうちにH形からNH4形に移行すること
は勿論である。
【0020】上述の説明は、陽イオン交換樹脂としてH
形のものを使用した場合であるが、Na形等のアルカリ
金属形の陽イオン交換樹脂を使用した場合もH形の場合
とほぼ同じである。ただし、陽イオン交換樹脂としてN
4形のものを使用した場合は、被処理水中のNH4 +
樹脂に吸着されないので、通水当初から処理水中にNH
4 +がリークするという点で上述の場合とは異なる。
【0021】ここで、本発明で硬度成分の除去に使用す
る陽イオン交換樹脂のイオン形と再生について述べる。
まず、強酸性陽イオン交換樹脂について述べる。強酸性
陽イオン交換樹脂をH形で使用する場合は、塩酸等の酸
を再生剤として用いることにより、イオン交換樹脂に吸
着されている硬度成分を脱離するとともに、イオン形を
H形にし、このH形で硬度成分の除去に使用する。強酸
性陽イオン交換樹脂をNH4形で使用する場合は、NH4
Cl等のアンモニウム塩を再生剤として用いることによ
り、硬度成分を脱離するとともに、イオン形をNH4
にする。強酸性陽イオン交換樹脂をアルカリ金属形で使
用する場合は、例えばNa形のときはNaCl等のナト
リウム塩を再生剤として用いることにより、硬度成分を
脱離するとともに、イオン形をアルカリ金属形にする。
なお、強酸性陽イオン交換樹脂をNH4形又はNa形で
使用する場合、再生剤としてNH4OHやNaOH等の
アルカリを使用することはできない。硬度成分が吸着さ
れている陽イオン交換樹脂にアルカリを通薬すると、硬
度成分が水酸化物として析出してしまうからである。
【0022】次に、弱酸性陽イオン交換樹脂について述
べる。弱酸性陽イオン交換樹脂をH形で使用する場合の
再生方法は、前述した強酸性陽イオン交換樹脂の場合と
同じである。弱酸性陽イオン交換樹脂をNH4形で使用
する場合は、まず、硬度成分が吸着されている樹脂に酸
を通薬することにより、硬度成分を脱離するとともに、
イオン形をH形にする。次に、H形にした樹脂にNH4
OHを通薬してNH4形にする。この際、弱酸性陽イオ
ン交換樹脂の特性から、NH4OHの代わりにNH4Cl
等のアンモニウム塩を通薬してもNH4形にすることは
できない。また、弱酸性陽イオン交換樹脂の場合は、強
酸性陽イオン交換樹脂の場合と異なり、硬度成分が吸着
されている樹脂にNH4Cl等のアンモニウム塩を通薬
してもNH4形にすることはできない。弱酸性陽イオン
交換樹脂をアルカリ金属形で使用する場合は、前記NH
4形の場合と同様に、まず酸で再生してH形にした後
に、NaOH等のアルカリ金属の水酸化物水溶液を通薬
してNa形にする。この場合も、NaOH等のアルカリ
剤に代えてNaCl等の塩を使用してもNa形にするこ
とはできない。
【0023】以上のように、強酸性陽イオン交換樹脂の
場合はいずれのイオン形で使用しても再生の手間に大差
はないが、弱酸性陽イオン交換樹脂の場合は再生が簡単
であるという理由でH形で使用するのが最適である。す
なわち、H形は酸の通薬のみで再生することができるの
に対し、NH4形やアルカリ金属形の場合は酸の通薬後
にもう一回他の薬剤を通薬する必要がある。ただし、前
述したようにイオン交換容量が大きい点、酸による再生
が容易である点で、強酸性陽イオン交換樹脂よりも弱酸
性陽イオン交換樹脂の方が好ましいことに変わりはな
い。
【0024】本発明では、前述したイオン交換処理によ
って排水中の硬度成分を除去した後に、アンモニアスト
リッピング法又は触媒酸化法によって排水中のアンモニ
ア態窒素を除去する。アンモニアストリッピング法は、
被処理水のpHを上げてアンモニウムイオン(NH4 +
を揮発性の遊離アンモニア(NH3)に変えたのち、被
処理水を多量の空気と接触させ、アンモニアを大気に逸
散させて窒素除去を行う方法である。アンモニアストリ
ッピング法では、通常、被処理水のpHを11以上にす
るとともに、被処理水を所定温度に加熱する。
【0025】触媒酸化法は、触媒の存在下で酸化剤を用
いて被処理水中のアンモニア態窒素を窒素ガスに酸化分
解する方法(湿式触媒酸化処理法)である。触媒酸化法
では、一般に、金属触媒の存在下、被処理水を所定温度
(通常100〜370℃)に加熱するとともに、被処理
水を液相を保持する圧力にまで加圧し、かつ酸素含有ガ
ス(例えば空気)等を酸化剤として被処理水に供給す
る。触媒としては、例えば、銀、金、白金、コバルト、
ニッケル、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、インジ
ウム、イリジウムやこれらの酸化物、塩化物、硫化物等
から選ばれる触媒成分を適宜担体に担持させたものが使
用される。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明方法の実施に用いる
排水処理装置の一例を示すフロー図である。図1におい
て、2は排水貯槽、4及び6は直列に接続された第1イ
オン交換樹脂塔及び第2イオン交換樹脂塔であり、これ
らの塔4、6にはそれぞれH形の弱酸性陽イオン交換樹
脂が充填されている。8は排水貯槽2と第1イオン交換
樹脂塔4との間に設けられた原水導入管で、この原水導
入管8にはポンプ10、流量計12及びアルカリ添加機
構14が設けられている。また、図中16は第2イオン
交換樹脂塔6に接続されたイオン交換処理水排出管、1
8はイオン交換処理水が導入される中間水槽、20は中
間水槽18に接続されたイオン交換処理水導入管、22
はイオン交換処理水導入管20に介装されたポンプ、2
4はイオン交換処理水導入管20に接続された熱交換
器、26は加熱器、28はアンモニアストリッピング法
又は触媒酸化法によるアンモニア態窒素除去装置、30
は処理水流出管、32は第1及び第2イオン交換樹脂塔
4、6の処理水中のカルシウム濃度をそれぞれ測定する
Ca計、34は再生用水貯槽、36は再生用水貯槽34
に接続された押出用配管、38は再生用配管、40は再
生用配管38にエジェクタ42を介して連結された塩酸
計量槽を示す。前記Ca計32は、アルゴンガスを用い
てプラズマを発生させ、カルシウム特有の発光を測定す
る高周波プラズマ発光法によるものである。なお、Ca
計32に代えて、水中のマグネシウム濃度を測定する測
定器や、全硬度を測定する測定器を用いてもよい。
【0027】本装置によるアンモニア態窒素含有排水の
処理は、次のように行われる。まず、排水貯槽2内の原
水(硬度成分を含むアンモニア態窒素含有排水)をポン
プ10の作動により第1イオン交換樹脂塔4及び第2イ
オン交換樹脂塔6に下向流で順次通水する。これによ
り、原水中の硬度成分が除去される。また、通水初期
は、硬度成分と共にNH4 +も同様に除去される。このと
き、アルカリ添加機構14によって被処理水にアルカリ
を添加し、被処理水のpHを9〜12程度に調整する。
イオン交換後の処理水は中間水槽18に貯留される。な
お、上述のように通水当初の処理水中にはアンモニア態
窒素は含まれていないので、この時の処理水は中間水槽
18に導入せずにそのまま放流してもよい。
【0028】中間水槽18内のイオン交換処理水はポン
プ22の作動により熱交換器24、加熱器26、アンモ
ニア態窒素除去装置28に順次通水され、アンモニア態
窒素除去装置28においてイオン交換処理水中のアンモ
ニア態窒素が除去される。アンモニア態窒素除去装置2
8の処理水は処理水流出管30に流出し、熱交換器24
でイオン交換処理水と熱交換を行った後、放流又は再利
用される。
【0029】本装置では、Ca計32によって第1イオ
ン交換樹脂塔4及び第2イオン交換樹脂塔6の処理水中
のカルシウム濃度をそれぞれ測定し、第1イオン交換樹
脂塔4の処理水中のカルシウム濃度が予め設定した規定
値、好ましくは上記処理水中のカルシウム濃度が原水中
のカルシウム濃度とほぼ同じ値に達したときに、第1イ
オン交換樹脂塔4の陽イオン交換樹脂の再生処理を行
う。再生処理は次のように行う。
【0030】まず、第1イオン交換樹脂塔4への通水を
停止し、再生用水貯槽34内の再生用水(工業用水、純
水等)を押出用配管36を通して下向流で第1イオン交
換樹脂塔4に導入することにより、第1イオン交換樹脂
塔4内の硬度成分を含む残留水を押し出し、流出水を第
2イオン交換樹脂塔6に通水する。第1イオン交換樹脂
塔4の押出操作が終了したら、原水を第2イオン交換樹
脂塔6のみに通水する。すなわち、イオン交換処理を一
時的に1塔方式にする。その後、再生用水貯槽34内の
再生用水を再生用配管38に流し、これに塩酸計量槽4
0から塩酸を添加して所定濃度の塩酸水溶液を調製した
後、この塩酸水溶液を上向流で第1イオン交換樹脂塔4
に導入する。これにより、第1イオン交換樹脂塔4内の
陽イオン交換樹脂に吸着されている硬度成分が脱離する
とともに、陽イオン交換樹脂のイオン形がH形になる。
その後、第2イオン交換樹脂塔6から第1イオン交換樹
脂塔4に原水が通水されるように流路の切り換えを行う
(2塔方式に戻す)。なお、酸による再生処理の前に第
1イオン交換樹脂塔4内の残留水を再生用水で押し出す
のは、押し出しを行わないで酸による再生処理を行う
と、再生排液中に硬度成分に加えてアンモニア態窒素が
含まれることになり、再生排液中のアンモニア態窒素除
去処理が必要になるからである。
【0031】本装置では、上記のようにして第2イオン
交換樹脂塔6→再生後の第1イオン交換樹脂塔4の順の
通水を続けた後、例えば、第2イオン交換樹脂塔6の処
理水中のカルシウム濃度が原水中のカルシウム濃度とほ
ぼ同じ値に達したときに、前記と同様にして第2イオン
交換樹脂塔6の陽イオン交換樹脂の再生処理を行うもの
である。
【0032】
【実験例】2本のカラムA及びBに、H形の弱酸性陽イ
オン交換樹脂(アンバーライトIRC76)をそれぞれ
100mL充填した。また、NH4 +をアンモニア態窒素
(NH4−N)として1700mg/L、Ca2+を40
mg/L(asCa)含むpH11の模擬排水を調製し、
この模擬排水を原水としてカラムAからカラムBの順に
通水速度SV50で通水した。
【0033】その結果、カラムBの出口からはCa2+
濃度が0.1mg/Lの処理水が安定して得られた。ま
た、処理水中のNH4 +濃度は、通水初期はゼロであった
が、約10L通水後には原水中のNH4 +濃度と同じ17
00mg/Lになった。
【0034】原水を240L通水したところでカラムA
の出口の処理水中のCa2+濃度が原水のそれとほぼ同じ
になった(この時、カラムBの処理水中のCa2+の濃度
は0.1mg/L以下を維持)ので、この時点で通水を
停止し、カラムAを常法により逆洗、沈静した後、1N
の塩酸水溶液440mLをカラムに通薬し、次いで純水
で洗浄して、陽イオン交換樹脂を再生し、再生廃液を得
た。得られた再生廃液中のCa2+の濃度を分析したとこ
ろ、カラムAに吸着させたCa2+のほぼ100%が脱離
されていることがわかった。また、再生廃液中のNH4 +
濃度は、10mg/Lと極めて低濃度であった。
【0035】再生終了後、上記と同じ模擬排水を今度は
カラムBからカラムAの順(前回と逆)にSV50で通
水した。カラムAの出口の処理水中のCa2+の濃度は常
時0.1mg/L以下であった。原水を200L通水し
た時点でカラムBの出口の処理水中のCa2+濃度が原水
のそれとほぼ同じになったので、その時点で通水を停止
し、カラムBを前回と同様に1Nの塩酸水溶液で再生し
た。再生終了後、原水を再びカラムAからカラムBの順
に通水して原水の処理を行った。
【0036】上記実験から、アンモニア態窒素と硬度成
分が共存する排水を陽イオン交換樹脂に接触させること
によって排水中のCaをほぼ完全に除去することがで
き、したがってその後に排水をアンモニアストリッピン
グ法又は触媒酸化法で処理することにより、処理装置や
触媒におけるスケール発生を防止することができること
が確認された。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る窒素含有排
水の処理方法によれば、アンモニア態窒素と硬度成分が
共存する排水をアンモニアストリッピング法又は触媒酸
化法で処理する場合に、処理装置や触媒におけるスケー
ル発生を防止して長期にわたって安定な処理を継続する
ことができるとともに、処理装置や触媒のメンテナンス
頻度を少なくしてコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窒素含有排水の処理方法の実施に
用いる排水処理装置の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
2 排水貯槽 4 第1イオン交換樹脂塔 6 第2イオン交換樹脂塔 8 原水導入管 14 アルカリ添加機構 18 中間水槽 24 熱交換器 26 加熱器 28 アンモニア態窒素除去装置 32 Ca計 34 再生用水貯槽 36 押出用配管 38 再生用配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D025 AA07 AA09 AB19 BA09 BA10 BA12 BB09 CA05 DA10 4D037 AA08 AA13 AB12 BA23 CA11 CA15 4D038 AA06 AA08 AB29 BA02 BA06 BB08 BB16 4D050 AA09 AA13 AB35 BB01 BC06 BD02 BD08 CA03 CA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニア態窒素含有排水をアンモニア
    ストリッピング法又は触媒酸化法により処理して排水中
    のアンモニア態窒素を除去するに当たり、前記排水を陽
    イオン交換樹脂に接触させて排水中の硬度成分を除去し
    た後に、前記アンモニアストリッピング法又は触媒酸化
    法による処理を行うことを特徴とする窒素含有排水の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 排水を陽イオン交換樹脂に接触させるに
    当たり、陽イオン交換樹脂を充填してなるイオン交換樹
    脂塔の2塔以上を直列に接続し、アンモニア態窒素含有
    排水をこれらの塔に順次通水するとともに、通水方向最
    上流側のイオン交換樹脂塔の処理水中の硬度成分濃度を
    監視し、硬度成分濃度が所定値に達したらこのイオン交
    換樹脂塔を再生して通水方向最下流側に接続し、次回の
    通水工程においては、今まで最上流側のイオン交換樹脂
    塔の次に位置していたイオン交換樹脂塔を最上流側にし
    てアンモニア態窒素含有排水の通水処理を行うことを特
    徴とする請求項1に記載の窒素含有排水の処理方法。
  3. 【請求項3】 排水を陽イオン交換樹脂に接触させるに
    当たり、陽イオン交換樹脂を充填してなるイオン交換樹
    脂塔の2塔以上を直列に接続し、アンモニア態窒素含有
    排水をこれらの塔に順次通水するとともに、通水方向最
    上流側のイオン交換樹脂塔の陽イオン交換樹脂が硬度成
    分でほぼ飽和になった時点で、この通水方向最上流側の
    イオン交換樹脂塔を再生して通水方向最下流側に接続
    し、次回の通水工程においては、今まで最上流側のイオ
    ン交換樹脂塔の次に位置していたイオン交換樹脂塔を最
    上流側にしてアンモニア態窒素含有排水の通水処理を行
    うことを特徴とする請求項1に記載の窒素含有排水の処
    理方法。
  4. 【請求項4】 陽イオン交換樹脂として弱酸性陽イオン
    交換樹脂を用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    窒素含有排水の処理方法。
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