JP2000288936A - トラクションドライブ転動体の製造法 - Google Patents

トラクションドライブ転動体の製造法

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JP2000288936A
JP2000288936A JP11131809A JP13180999A JP2000288936A JP 2000288936 A JP2000288936 A JP 2000288936A JP 11131809 A JP11131809 A JP 11131809A JP 13180999 A JP13180999 A JP 13180999A JP 2000288936 A JP2000288936 A JP 2000288936A
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roller
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Shigeru Hoyashita
茂 穂屋下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラクションドライブ転動体の面圧強度向
上を図る。 【解決手段】 トラクションドライブ転動体の材種
は、構造用低炭素鋼あるいは低合金鋼であって、所定の
形状に形成して表面硬化処理した後、転動面に圧縮残留
応力と多数のランダムな小窪みを発生させる目的でショ
ットピーニング処理を施し、さらに転動面の表面粗さを
改善する目的でバレル研磨処理あるいはブラシ研磨処理
を行う。さらに、前記処理後の表面にコーティング処理
を行って、適当な油溜まりを持った滑らかなコーティン
グ膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】トラクションドライブは、無
段変速機構が可能である。代表的なトラクションドライ
ブとしては、二円盤ころ式、リングコーン式、トロイダ
ル式、ハーフトロイダル式、コップ式、バイエル式、ベ
ルト式CVT(ContinuouslyVariab
le Transmission)などが挙げられる。
動力伝達トルクを大きくするためには、トラクション係
数の高い油を用いるか、転動体同士を強く押し付ける必
要がある。一方、トラクションドライブの伝達トルクが
増加すれば、スプライン軸部やカム部などの摺動する部
位も代表的適用分野となる。本発明は転動体接触面の低
摩耗化および面圧強度を向上させる加工処理に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】トラクションドライブ専用油として、従
来の歯車潤滑用鉱油に比べてトラクション係数が著しく
高い合成油が開発された。そのトラクション係数は最大
でもμ≒0.1である。そのため、動力伝達トルクをさ
らに大きくするには、転動体接触面の面圧強度を大きく
しなければならない。
【0003】現在、トラクションドライブの転動体は、
鍛造、転造、切削、研削等で形成された後、熱処理で硬
化され、一部はそのまま用いられる。しかし、大部分は
遠心式、振動式などのバレル研磨法にてバリ、カエリお
よびスケール等を除去するとともに、表面粗さを改善す
るために研磨されている。
【0004】転動体の材種としては、軸受鋼の他、構造
用低炭素鋼や低合金鋼を表面硬化して用いられる。しか
し、ヘルツの最大接触圧力がpmax=1500MPa
以上になると、異常摩耗、焼付き、ピッチング(スポー
リングやフレーキングも含む)などが発生し易く、その
ため、大きなトルク伝達用トラクションドライブの設計
に不安があった。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、p
max=2000MPa以上の高接触面圧でも、転動体
の異常摩耗、焼付きやピッチング等の損傷を抑制し、よ
り大きなトルクが安全に実現できるトラクションドライ
ブの設計・製作を可能にするところに特色がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】トラクションドライブ転
動体の材種は、構造用低炭素鋼であって、所定の形状に
形成して表面硬化処理した後、転動体の転動面に圧縮残
留応力と無数のランダムな小窪みを発生させる目的でシ
ョットピーニング処理を施し、さらに転動面の表面粗さ
特性を改善させる目的でバレル研磨処理あるいはブラシ
研磨処理を行うことによって、表面粗さの山の曲率半径
を大きくして、潤滑性の優れた接触面を持つ転動体を製
造する。
【0007】さらなる面圧強度改善法および低摩耗化法
として、ショットピーニング処理後の前記バレル研磨処
理あるいは前記ブラシ研磨処理後、転動体の接触表面に
コーティング膜を被覆形成し、山の曲率半径が大きい粗
さ形状を持つ転動体を製造する。また、処理工程順序を
変えてショットピーニング処理後にコーティング処理し
て、バレル研磨処理しても良い。
【0008】これらの処理を行えば、許容面圧強度は著
しく改善される。例えば、ショットピーニング後のバレ
ル研磨処理にて、転動面間のヘルツの最大接触圧力は、
点接触の場合、pmax=4500MPa、線接触の場
合でも、pmax=2700MPaまでの高接触面圧が
可能となる。
【0009】ショットピーニング処理は平均粒径0.2
〜0.8mmが好ましいが、0.1〜2mmでもよい。
ショット球としては、鋳鋼球、鋼球、セラミックス球等
を用いて、0.3〜1MPaの圧力で転動体の転動面へ
投射する。ショット材の大きさと硬度に応じて、投射圧
力を調整する。ショット球を投射する媒体は空気であっ
てもよいし、水や油等であっても良い。
【0010】小さな転動体のバレル研磨処理は、平均粒
径0.1〜10mmの研磨石または平均粒径0.1〜3
mmと平均粒径3〜10mmの分級した研磨石とコンパ
ウンド剤を用いた遠心流動式バレル研磨法が有利であ
る。しかし、転動体の大きさや形状によっては、振動
式、揺動式、遠心式、流動式、ジャイロ式等のバレル研
磨法が優位な場合もあるので、バレル研磨法については
特に限定しない。
【0011】ブラシ研磨処理に用いる工具は、砥粒(例
えば、アランダム、Mo、SiC、SiO+Al
、CBN、カーボランダム、ダイヤモンド等)を混入
した柔軟な材料(例えば、ウレタンゴム、エポキシ樹
脂、ナイロン等、またはこれらの混合物等)でできてい
て、転動面を研磨する部分(工具研磨面)は研磨効率を
良くするためにあるいは複雑な形状の転動面を均一に研
磨するために、ブラシ状をした多数の糸の集合体となっ
ている。また、バレル研磨処理とブラシ研磨処理は、乾
式条件下あるいは湿式条件下いずれであっても良い。
【0012】ショットピーニング処理して、バレル研磨
処理した後に施すコーティング膜は、一般には数μm〜
数十μmの硬質膜(PVD、CVD等によるTiN、T
iC、TiN+TiC等)であるが、フッ素膜、Cu
膜、Cr膜、MoS膜、リン酸被膜等、なじみ性のよ
い比較的軟質な膜であってもよい。ショットピーニング
処理、バレル研磨処理、及びコーティング処理を順次行
うことにより、粗さの山の曲率半径が大きくて、かつラ
ンダムな小窪み(つまり油溜り部)を持つコーティング
面が形成され、これらの相互作用にて、高い面圧強度と
ともに低摩耗が達成される。
【0013】
【発明の効果】本発明により、転動体の押付け力を大き
くできるので、トラクションドライブの伝達トルクは著
しく大きくできる。今後、益々、自動車のトランスミッ
ションや一般産業用変速機等に利用されることが予想さ
れる。ショットピーニング処理と、バレル研磨処理ある
いはブラシ研磨処理を施した面、ないしはその後コーテ
ィング膜を付与した面は、無数のランダムな小窪みが油
溜まりとなり、且つ表面粗さ尖り部の円滑化との相互作
用にて、摩耗は著しく減少する。その結果、トラクショ
ン油の汚れや劣化も遅くなり、トラクション油の交換回
数が減少し、省資源へ繋がることが期待される。
【0014】
【実施例】図1と図2において、1は駆動側の転動体
を、2は転動体1の回転軸を、3は従動側の転動体を、
4は転動体3の回転軸を表す。トラクションドライブの
理論速比は、それぞれの転動体軸と点mまでの距離の比
で表される。点mで、滑りが起こらないとき、速比はu
=r/rであるが、点mで滑りが生じると、滑りが
ゼロの点は点sに移る。この点をスピンポールと言う。
実際の速比はu=r’/r’となる。スピンポール
sが点mに近いほどトルク損失が大きい。
【0015】図1と図2のL−L’平面上における、接
触部例の概略を図3に示す。矢印は点pにおける転動体
間の相対速度(滑り速度)の方向を示す。滑り速度は、
L−L’平面上においてスピンポールから任意点pまで
の距離と、スピン角速度の積である。接触点に接する平
面L−L’と転動体軸との角度θが90度に近いとき、
接触部は図3のように細長い形状になるようにしない
と、効率良く伝達トルクを大きくできない。しかし、細
い幅bの接触領域のため、油が接触領域に引き込まれに
くくなるので油膜が形成されにくい。それで、潤滑性の
良い接触表面が望まれる。
【0016】基礎試験に用いた、一対のローラ試験片を
図4に示す。(a)は平ローラを、(b)はチャンファ
付ローラを示す。(b)のチャンファ付ローラによって
有効接触幅が決まる。円筒研削盤で研削した表面粗さの
例を図5に示す。(a)は軸方向粗さを、(b)は周方
向粗さである。研削後にショットピーニング処理した表
面粗さの例を図6に示す。(a)は軸方向粗さを、
(b)は周方向粗さを示す。加工目がランダムになって
いるのがわかる。適当なショットピーニング処理を行う
と、表面近傍に図7に示すように大きな圧縮残留応力を
形成させることができ、高圧接触時のクラックの発生と
伝播を抑えることができる。図7のaは、熱処理後の残
留応力分布を、bはショットピーニング後の残留応力を
示している。図8は、研削後にショットピーニング処理
して、バレル研磨処理した表面粗さの例で、(a)は軸
方向粗さを、(b)は周方向粗さを示す。ショットピー
ニング後のランダムな表面粗さ分布の名残があるのがわ
かる。
【0017】ショットピーニング処理とバレル研磨処理
で形成された、表面粗さ尖り部での曲率半径が大きく、
且つ接触面の小さなうねりをもつランダムな油溜まりが
効果を発揮する。ショットピーニング処理で付加された
圧縮残留応力は、バレル研磨処理ではほとんど変化しな
い。ショットピーニング処理とバレル研磨処理は、熱処
理による表面硬化時に生じた数ミクロン〜十数ミクロン
の深さの表面異常層を除去するのにも役立つ。
【0018】浸炭窒化焼入れ鋼ローラへ前記各処理を施
して、耐久テストを実施して摩耗等を確認した例を図9
の示す。研削しただけのローラ[G]と、研削後ショッ
トピーニングしたローラ[GS]は、10回転までに
数個のピットを生じた。また、ローラ[GS]の低速側
ローラの摩耗は異常に多かった。ショットピーニング処
理とバレル研磨処理を併用したローラ[GSB]は、非
常に高圧接触であるにもかかわらず、摩耗がほとんど生
じていなかった。これらの基礎試験結果から、ショット
ピーニング処理とバレル研磨処理を順次施した面は、滑
りを伴うトラクションドライブの転動体に非常に有効で
あることがわかった。
【0019】以上、実施例に基き説明したが、本発明は
前述の例に限定されるものでなく、転動体形状の形成は
冷間鍛造、冷間転造、熱間鍛造、熱間転造、旋削、研削
等の何れであっても良い。表面硬化処理は、軟窒化、ガ
ス窒化、イオン窒化、浸炭、浸炭窒化、浸炭+窒化、高
周波焼入れ、二周波焼入れ等の何れであってもよい。
【0020】転動面の研磨作用は、バレル研磨処理やブ
ラシ研磨に限らず、液体ホーニング処理、ラッピング処
理、バフ研磨処理、砥粒流動加工等であってもよい。
【0021】コーティング膜は、必ずしもTiC、Ti
N等の単層膜でなくて、それらの多層膜であってもよい
し、Cr、フッ素化合物、Cu、MoS、リン酸被膜
等やこれらの多層膜であってもよい。
【0022】トラクションドライブは、リングコーン
式、トロイダル式、ハーフトロイダル式、バイエル式な
ど多種あるが、本発明は転動面間で動力伝達を行う全て
の機械式トラクションドライブに適用できる。さらに本
発明は、トラクションドライブの転動体に限らず、立体
カムを含むカム全般、歯車、ピンと歯車、軸と軸受、ス
プライン軸部、シリンダーとピストン摺動部、ブレーキ
などの機械要素の滑りあるいは滑り転がり作用を伴う摺
動面に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トラクションドライブの例1の概略図
【図2】 トラクションドライブの例2の概略図
【図3】 接触部の例の概略図
【図4】 一対のローラ試験片(a)平ローラ(b)チ
ャンファ付ローラ
【図5】 研削後の表面粗さの例 (a)軸方向粗さ (b)周方向粗さ
【図6】 研削後にショットピーニング処理した表面粗
さの例 (a)軸方向粗さ (b)周方向粗さ
【図7】 圧縮残留応力分布の例
【図8】 研削後にショットピーニング処理して、バレ
ル研磨処理した表面粗さの例 (a)軸方向粗さ (b)周方向粗さ
【図9】 実施例として用いた、耐久テストによる摩
耗、ピッチングの比較

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラクションドライブ転動体の材種は、
    構造用低炭素鋼あるいは低合金鋼であって、所定の形状
    に形成して表面硬化処理した後、転動面に圧縮残留応力
    と多数のランダムな小窪みを発生させる目的でショット
    ピーニング処理を施し、さらに転動面の表面粗さを改善
    する目的でバレル研磨処理あるいはブラシ研磨処理を行
    うこと、を特徴とする転動体の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1の前記処理後の表面に、コーテ
    ィング膜を形成すること、を特徴とする転動体の製造
    法。
JP11131809A 1999-04-01 1999-04-01 トラクションドライブ転動体の製造法 Pending JP2000288936A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6780139B2 (en) 2001-07-10 2004-08-24 Koyo Seiko Company, Ltd. Toroidal continuously variable transmission

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6780139B2 (en) 2001-07-10 2004-08-24 Koyo Seiko Company, Ltd. Toroidal continuously variable transmission

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