JP2000290201A - 光学異性体の分割方法 - Google Patents

光学異性体の分割方法

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JP2000290201A
JP2000290201A JP11190535A JP19053599A JP2000290201A JP 2000290201 A JP2000290201 A JP 2000290201A JP 11190535 A JP11190535 A JP 11190535A JP 19053599 A JP19053599 A JP 19053599A JP 2000290201 A JP2000290201 A JP 2000290201A
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optical
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diluent
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JP11190535A
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English (en)
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Tetsuji Kitagawa
哲司 北川
Atsushi Okamoto
岡本  敦
Takashi Kanai
貴詩 金井
Katsuhiro Shibayama
勝弘 柴山
Tomoyuki Aoki
智之 青木
Shinobu Yamakawa
忍 山川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光学異性体を分割する。 【解決手段】光学異性体を含む混合物に、識別剤と希釈
剤とからなる識別液体を向流接触させて、吸着分離、蒸
留分離、吸収分離または膜分離により光学異性体を分割
し、識別液体を光学異性体の含有率5重量%以下で回収
する方法であって、 (a)希釈剤の比誘電率が30以下であり、かつ識別液
体の粘度が分割操作下の温度で0.2Pa・s以下であ
る (b)光学異性体の1Hまたは13C−NMRスペクトル
ピークが分裂する効果を有する識別剤と、該1Hまたは
13C−NMRスペクトル測定時の測定溶媒の比誘電率と
同じかまたは低い比誘電率を有する希釈剤を含む (c)識別剤の分割操作下の圧力での沸点が、希釈剤の
沸点より高い (d)希釈剤の分割操作下の圧力での沸点が、分割する
光学異性体の分割操作下の圧力での沸点より10℃以上
高い (e)識別液体中の識別剤の濃度が10重量%以上であ
る のうち、1つ以上の条件を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学異性体の分割方
法に関するものである。
【0002】光学分割法を用いて取得した光学対掌体
は、様々なケミカル製品として例えば農薬、医薬、食品
添加物さらにはこれら中間体として広く用いられてい
る。
【0003】光学対掌体の具体例は、光学活性なハロゲ
ン含有化合物、アミノ酸類、アミノ酸誘導体、カルボン
酸類、カルボン酸誘導体、アミン含有化合物、アルコー
ル化合物、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン
酸誘導体等である。
【0004】
【従来の技術】光学異性体から光学対掌体を光学分割に
より取得する方法としては、優先晶出法やジアステレオ
塩晶析法等が古くからよく知られている(季刊化学総
説,光学異性体の分離,No.6,1989,学会出版
センター)。
【0005】上述以外にも、様々な光学分割法が提案さ
れている。例えば、液体クロマトグラフィ(吸着分離)
による光学分割や、光学活性源を膜に固定化した膜であ
る光学分割用分離膜を用いた光学分割などがある。
【0006】光学異性体の吸着分離においては光学活性
源を固定化した吸着剤による吸着分離が広く知られてい
る。例えば、光学異性体の吸着分離用吸着剤として、多
糖誘導体(セルロースやアミロースなどのエステルある
いはカルバメートなど)や多糖誘導体をシリカゲルに担
持したもの、シクロデキストリンの誘導体、シクロデキ
ストリン誘導体をシリカゲルなどに担持したもの、ポリ
アクリレート誘導体、ポリアクリレート誘導体をシリカ
ゲルなどに担持したものなどが知られている。多糖誘導
体を用いた光学異性体の吸着分離については、八島、岡
本により報告(バルテイン ケミカル ソサイエテイー
ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jp
n.),68,3289−3307(1995)されて
いる。また、分割しようとする光学異性体と類似の構造
を有する光学対掌体を添加した移動相と吸着剤を用いて
光学異性体を分割する方法がフランス特許公開第259
3409号で開示されている。
【0007】光学異性体の蒸留分離については、抽出蒸
留法による分割方法がフランス特許公開第217662
1号により開示されている。また、ハンガリー特許公告
第212256号では、分別蒸留によるアンフェタミン
・エナンチオ異性体の分割方法について開示されてい
る。
【0008】また、本発明で用いる識別剤の1つである
シクロデキストリン誘導体と類似あるいは同一の化合物
は、欧州特許公報第407412号や米国特許第494
8395号において光学異性体分割用の固定相の組成物
として開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】光学異性体の中から一
種類の化合物(光学対掌体)を取り出そうとする場合、
上述した様々な方法がある。しかしながら、光学異性体
を分割したいというニーズに対し、これまで知られてい
る方法だけでは必ずしも万全ではないため、新規な分割
方法が望まれている。優先晶出法やジアステレオ塩晶析
法は、固液分離工程が必須となるためバッチ型のプロセ
スとなり、生産性が悪いのと同時に操作上の複雑さが問
題となる。
【0010】光学異性体の従来の吸着分離方法では、多
糖誘導体などをシリカゲルに担持した吸着分離剤に代表
されるように、一般に吸着剤の機械的強度が弱く工業的
な分離プロセスでは用いることが困難であった。さらに
これら吸着剤は製造工程が長いため、非常に高価なもの
となり、また多糖誘導体が担持されているだけであるた
め、長期の利用においては多糖誘導体が溶出してしまう
問題があった。また、FR2593409等で開示され
ている移動相に光学対掌体を添加した分割方法の場合、
工業的な分離において課題となる移動相のリサイクルす
る際の工夫や効率的な工業生産プロセスに必要な要件等
については言及されていない。
【0011】光学異性体の従来の蒸留分離方法として
は、抽出蒸留分離法による分割方法がフランス特許公開
第2176621号により開示されている。当該発明
は、抽出剤を用いた光学異性体の分割に関する概念を示
したものであるが、抽出剤をリサイクルする工程や最適
な抽出剤の選定など多くの課題を残している。また、H
U212256Bでは、分別蒸留によるアンフェタミン
・エナンチオ異性体の分割方法について開示されてい
る。当該発明は特定の分割剤と分割しようとするアンフ
ェタミン異性体を同質化させた後、分別蒸留により特定
の光学対掌体を取得する方法であるが、上述の同質化工
程(例えば、ジアステレオメリックなクラスレート化合
物を優先的に析出させる)があるため、連続的な高生産
性プロセスが構築できないなどの問題が残されている。
【0012】また、数多くの光学異性体をすべて分離で
きる吸着分離剤がないため、様々な新しい吸着分離剤お
よび分離システムの開発が望まれている。
【0013】このような様々な問題点を解決できる、新
規な光学分割方法が望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、光学異性
体を含む混合物に、該光学異性体を識別できる識別剤と
希釈剤とからなる識別液体を向流接触させて、吸着分
離、蒸留分離、吸収分離または膜分離により光学異性体
を分割し、その後、識別液体を光学異性体の含有率5重
量%以下で回収しリサイクル使用する光学異性体の分割
方法であって、 (a)希釈剤の比誘電率が30以下であり、かつ識別液
体の粘度が分割操作下の温度で0.2Pa・s以下であ
ること (b)識別剤を添加することにより、光学異性体の1
または13C−NMRスペクトルピークが分裂する効果を
有する識別剤と、該1Hまたは13C−NMRスペクトル
測定時の測定溶媒の比誘電率と同じかまたは低い比誘電
率を有する希釈剤を含むこと (c)識別剤の少なくとも1つの化合物の分割操作下の
圧力での沸点が、希釈剤の少なくとも1つの化合物の分
割操作下の圧力での沸点より高いこと (d)希釈剤の少なくとも1つの化合物の分割操作下の
圧力での沸点が、分割しようとする光学異性体の分割操
作下の圧力での沸点より10℃以上高いこと (e)識別液体中の識別剤の濃度が10重量%以上であ
ること のうち、1つ以上の条件を満たすことを特徴とする光学
異性体の分割方法により、効率よく光学異性体を分割で
きることを見出した。
【0015】これら(a)から(e)のいずれの条件も
満たさない場合には、光学活性体を分割する際に連続的
な高生産性プロセスを構築することが出来ないために、
光学活性体の分割を効率よく行うことが出来ない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】なお、本文中において光学異性体と記載し
た場合は、複数の光学対掌体からなる異性体群の混合物
を指し、光学対掌体と記載した場合は一つの光学活性な
化合物を指す。
【0018】本発明における光学異性体としては、アミ
ノ酸、アミン、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、炭
化水素、ハロゲン化炭化水素、ケトン、アルコール、エ
ーテルまたはこれらの誘導体が好ましい。アミン誘導
体、カルボン酸誘導体、ハロゲン化炭化水素、ケトン、
アルコール、エーテルがより好ましく、特にカルボン酸
誘導体、ハロゲン化炭化水素、ケトン、アルコール、エ
ーテルが好ましい。
【0019】本発明における光学異性体のカルボン酸誘
導体としては、例えば2−クロロプロピオン酸メチルエ
ステル、2−クロロプロピオン酸エチルエステル、2−
ブロモプロピオン酸メチルエステル、2−ブロモプロピ
オン酸エチルエステル、2−ブロモプロピオン酸ペンチ
ルエステル、2−ブロモプロピオン酸sec−ブチルエ
ステル、2−ブロモプロピオン酸sec−ヘキシルエス
テル、α−アセチル−α−メチル−γ−ブチロラクト
ン、β−ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0020】ハロゲン化炭化水素としては、3−ブロモ
−1−ブテン、1−クロロ−2−ブロモプロパン、2,
3−ジクロロブタン、1,2−ジクロロプロパンなどが
挙げられ、ケトンとしては、3−クロロ−2−ブタノ
ン、2−クロロ−シクロペンタノン、2−クロロ−シク
ロヘキサノンなどが挙げられる。
【0021】アルコール誘導体としては、2ーアセトキ
シブタン,2ーアセトキシペンタン、2ーアセトキシヘ
キサン、2ーアセトキシヘプタン、2ーアセトキシー4
ーメチルペンタン、グリシジルアセテート、グリシジル
ホルメート,3ーアセトキシブタン酸メチル、3ーアセ
トキシブタン酸エチル,3ーアセトキシー4ークロロー
ブタン酸メチル,2ーアセトキシプロピオン酸メチル,
3ーアセトキシテトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0022】エーテルとしては、2−ブロモメチル−テ
トラヒドロピラン、ブタジエン−モノエポキシド、2−
クロロメチル−テトラヒドロピラン、3,4−ジヒドロ
−2−メトキシピラン、トランス2,5−ジメトキシテ
トラヒドロフラン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒ
ドリンなどを挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。
【0023】本発明における識別液体は識別剤を希釈剤
で希釈してなる液体であり、光学分割を行う工業的なプ
ロセスで特に吸着分離、蒸留分離、吸収分離または膜分
離による光学異性体の分割に利用するものである。
【0024】本発明における識別液体は、吸着分離、蒸
留分離、吸収分離、または膜分離により分割する際に用
いるものである。吸着分離または、蒸留分離により分割
するのが好ましく、蒸留分離により分割するのが特に好
ましい。
【0025】また、本発明における向流接触とは、識別
液体の流れと分割しようとする光学異性体の流れがプロ
セス系内で対向する形で接触するものである。吸着分離
では移動床や、擬似移動床プロセス、蒸留分離では抽出
蒸留プロセス、そして通常の吸収分離プロセス等が知ら
れている。
【0026】本発明における吸着分離による分割とは、
固液平衡を利用した分割であり、吸着分離操作等によ
り、光学異性体を溶解させた識別液体、すなわち移動相
から、識別剤に識別されにくい光学対掌体を吸着相へ優
先的に吸着させ、移動相側に残る識別されやすい光学対
掌体(識別液体側に捕捉される光学対掌体)と分割する
方法である。吸着分離法による分割の方法としては、固
液接触操作のある方法であればどんな方法でもかなわな
いが、向流接触を伴う擬似移動床方式による分割がプロ
セス的に特に好ましい。
【0027】本発明における蒸留分離または吸収分離に
よる分割とは、気液平衡を利用した分割であり、光学異
性体を溶解させた識別液体から、識別剤に識別されにく
い光学対掌体を蒸留、吸収により優先的に取り出し、識
別されやすい光学対掌体(識別液体側に捕捉される光学
対掌体)と分割する方法である。蒸留分離による分割方
法としては、気液接触操作のある方法であればどんな方
法でもかなわないが、向流接触を伴う抽出蒸留分離法が
特に好ましい。
【0028】本発明における膜分離による光学異性体の
分割とは、光学異性体を溶解させた識別液体から、識別
剤に識別されにくい光学対掌体を、膜分離により優先的
に取り出し、識別されやすい光学対掌体(識別液体に捕
捉される光学対掌体)と分割する方法である。膜分離を
行う方法においては、多層の膜からなり、識別液体と分
離しようとする光学異性体が向流接触する方法が特に好
ましい。
【0029】本発明における識別剤とは、分割しようと
する光学異性体のうちの少なくとも1つの特定の光学対
掌体を識別する化合物を指す。識別剤は、それ自身が光
学活性化合物で特定の光学対掌体を識別するものであれ
ばよい。なかでも、少なくとも2個の不斉原子を有する
光学活性化合物からなる識別剤が好ましい。具体的に
は、糖類、糖類誘導体(シクロデキストリン、シクロデ
キストリン誘導体、多糖類、多糖類誘導体等)、酒石
酸、酒石酸誘導体、光学活性なクラウンエーテル類など
の環状ホスト化合物、天然光学活性化合物、天然光学活
性化合物の誘導体、ホスト・ゲスト化合物の関係にある
ホスト化合物などが挙げられる。また、ビナフトールの
ように軸不斉を1つ以上持つ光学活性化合物も、本発明
における2個の不斉原子を有する光学活性化合物に含ま
れる。
【0030】さらに、本発明における識別剤としては、
不斉原子が隣接して結合している化合物が好ましい。こ
の場合、隣接した不斉原子間に光学異性体識別場が形成
されるため、分離性能の高い識別剤として機能する。ま
た、隣接した不斉原子周りの置換基を化学的に修飾した
誘導体は、より光学異性体識別能を高めることができる
ため、さらに好ましい。
【0031】本発明のように識別液体中の識別剤が光学
異性体を識別する場合には、少なくとも2個の不斉原子
を有する光学活性化合物を用いることで上述のように分
割性能を向上させる事ができ、なおかつ向流接触方式に
より分割を行うことでさらに生産性の高い分割ができる
ようになる。
【0032】本発明における不斉原子が隣接した識別剤
としては、例えば糖類、ヒドロキシカルボン酸、糖類誘
導体、ヒドロキシカルボン酸誘導体などが好ましい。糖
類または糖類誘導体がより好ましく、シクロデキストリ
ンまたはシクロデキストリン誘導体が特に好ましい。
【0033】本発明における糖類とは、2糖類や3糖
類、オリゴ糖、シクロデキストリン、多糖類等である。
【0034】本発明におけるシクロデキストリン誘導体
としては、シクロデキストリンの水酸基を修飾したもの
であればどのようなものでもかまわないが、アシル化し
たもの、エーテル化したもの、さらには部分的にエーテ
ル化され部分的にアシル化されたものが特に好ましい。
部分的にエーテル化され部分的にアシル化された誘導体
の中でも、グルコースユニットの水酸基の2位および6
位がエーテル基で、3位がエーテル基またはアシル基の
ものが好ましい。特に2,6−O−ジアルキル−3−O
−アシル−シクロデキストリン、2,3,6−O−トリ
アルキル−シクロデキストリン(アルキル基およびアシ
ル基は、1〜15個の炭素原子を有するもの)が好まし
い。
【0035】さらにシクロデキストリン誘導体の中で
は、ヘプタキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−ト
リフルオロアセチル)−β−シクロデキストリン、ヘプ
タキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−トリクロロ
アセチル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス
(2,6−O−ジペンチル−3−O−ブチリル)−β−
シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジペン
チル−3−O−アセチル)−β−シクロデキストリン、
ヘプタキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−プロパ
ノイル)−β−シクロデキストリン、ヘキサキス(2,
6−O−ジペンチル−3−O−トリフルオロアセチル)
−α−シクロデキストリン、ヘキサキス(2,6−O−
ジペンチル−3−O−トリクロロアセチル)−α−シク
ロデキストリン、ヘキサキス(2,6−O−ジペンチル
−3−O−ブチリル)−α−シクロデキストリン、ヘキ
サキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−アセチル)
−α−シクロデキストリン、ヘキサキス(2,6−O−
ジペンチル−3−O−プロパノイル)−α−シクロデキ
ストリン、オクタキス(2,6−O−ジペンチル−3−
O−トリフルオロアセチル)−γ−シクロデキストリ
ン、オクタキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−ト
リクロロアセチル)−γ−シクロデキストリン、オクタ
キス(2,6−O−ジペンチル−3−O−ブチリル)−
γ−シクロデキストリン、オクタキス(2,6−O−ジ
ペンチル−3−O−アセチル)−γ−シクロデキストリ
ン、オクタキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−プ
ロパノイル)−γ−シクロデキストリン、ヘプタキス
(2,6−O−ジヘキシル−3−O−トリフルオロアセ
チル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6
−O−ジオクチル−3−O−トリフルオロアセチル)−
β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジ
オクチル−3−O−アセチル)−β−シクロデキストリ
ン、ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−プ
ロピオニル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス
(2,6−O−ジオクチル−3−O−ブチリル)−β−
シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジオク
チル−3−O−バレリル)−β−シクロデキストリン、
ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−ヘキサ
ノイル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,
6−O−ジデシル−3−O−トリフルオロアセチル)−
β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジ
ブチル−3−O−プロピオニル)−β−シクロデキスト
リン、ヘプタキス(2,6−O−ジブチル−3−O−ト
リフルオロアセチル)−β−シクロデキストリン、オク
タキス(2,6−O−ジヘキシル−3−O−トリフルオ
ロアセチル)−γ−シクロデキストリン、オクタキス
(2,6−O−ジオクチル−3−O−トリフルオロアセ
チル)−γ−シクロデキストリン、オクタキス(2,6
−O−ジオクチル−3−O−アセチル)−γ−シクロデ
キストリン、オクタキス(2,6−O−ジオクチル−3
−O−プロピオニル)−γ−シクロデキストリン、オク
タキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−ブチリル)
−γ−シクロデキストリン、オクタキス(2,6−O−
ジオクチル−3−O−バレリル)−γ−シクロデキスト
リン、オクタキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−
ヘキサノイル)−γ−シクロデキストリン、オクタキス
(2,6−O−ジデシル−3−O−トリフルオロアセチ
ル)−γ−シクロデキストリン、オクタキス(2,6−
O−ジブチル−3−O−プロピオニル)−γ−シクロデ
キストリン、オクタキス(2,6−O−ジブチル−3−
O−トリフルオロアセチル)−γ−シクロデキストリ
ン、ヘキサキス(2,6−O−ジヘキシル−3−O−ト
リフルオロアセチル)−α−シクロデキストリン、ヘキ
サキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−トリフルオ
ロアセチル)−α−シクロデキストリン、ヘキサキス
(2,6−O−ジオクチル−3−O−アセチル)−α−
シクロデキストリン、ヘキサキス(2,6−O−ジオク
チル−3−O−プロピオニル)−α−シクロデキストリ
ン、ヘキサキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−ブ
チリル)−α−シクロデキストリン、ヘキサキス(2,
6−O−ジオクチル−3−O−バレリル)−α−シクロ
デキストリン、ヘキサキス(2,6−O−ジオクチル−
3−O−ヘキサノイル)−α−シクロデキストリン、ヘ
キサキス(2,6−O−ジデシル−3−O−トリフルオ
ロアセチル)−α−シクロデキストリン、ヘキサキス
(2,6−O−ジブチル−3−O−プロピオニル)−α
−シクロデキストリン、ヘキサキス(2,6−O−ジブ
チル−3−O−トリフルオロアセチル)−α−シクロデ
キストリンを主成分とするものが好ましく、ヘプタキス
(2,6−O−ジペンチル−3−O−トリフルオロアセ
チル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6
−O−ジペンチル−3−O−トリクロロアセチル)−β
−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジペ
ンチル−3−O−ブチリル)−β−シクロデキストリ
ン、ヘプタキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−ア
セチル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,
6−O−ジペンチル−3−O−プロパノイル)−β−シ
クロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジヘキシ
ル−3−O−トリフルオロアセチル)−β−シクロデキ
ストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−3−
O−トリフルオロアセチル)−β−シクロデキストリ
ン、ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−ア
セチル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,
6−O−ジオクチル−3−O−プロピオニル)−β−シ
クロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジオクチ
ル−3−O−ブチリル)−β−シクロデキストリン、ヘ
プタキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−バレリ
ル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−
O−ジオクチル−3−O−ヘキサノイル)−β−シクロ
デキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジデシル−3
−O−トリフルオロアセチル)−β−シクロデキストリ
ン、ヘプタキス(2,6−O−ジブチル−3−O−プロ
ピオニル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス
(2,6−O−ジブチル−3−O−トリフルオロアセチ
ル)−β−シクロデキストリン、オクタキス(2,6−
O−ジヘキシル−3−O−トリフルオロアセチル)−γ
−シクロデキストリンを主成分とするものがより好まし
く、ヘプタキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−ト
リフルオロアセチル)−β−シクロデキストリン、ヘプ
タキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−トリクロロ
アセチル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス
(2,6−O−ジペンチル−3−O−ブチリル)−β−
シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジペン
チル−3−O−アセチル)−β−シクロデキストリン、
ヘプタキス(2,6−O−ジペンチル−3−O−プロパ
ノイル)−β−シクロデキストリン、ヘヘプタキス
(2,6−O−ジヘキシル−3−O−トリフルオロアセ
チル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6
−O−ジオクチル−3−O−トリフルオロアセチル)−
β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジ
オクチル−3−O−アセチル)−β−シクロデキストリ
ン、ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−プ
ロピオニル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス
(2,6−O−ジオクチル−3−O−ブチリル)−β−
シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジオク
チル−3−O−バレリル)−β−シクロデキストリン、
ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−3−O−ヘキサ
ノイル)−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,
6−O−ジデシル−3−O−トリフルオロアセチル)−
β−シクロデキストリン、ヘプタキス(2,6−O−ジ
ブチル−3−O−プロピオニル)−β−シクロデキスト
リン、ヘプタキス(2,6−O−ジブチル−3−O−ト
リフルオロアセチル)−β−シクロデキストリン、オク
タキス(2,6−O−ジヘキシル−3−O−トリフルオ
ロアセチル)−γ−シクロデキストリンを主成分とする
ものが特に好ましい。なお、特に好ましい上述シクロデ
キストリン誘導体は、下記式(I)で示される化合物を
主成分とするものである。
【0036】
【化2】 (R1=ペンチルの場合、R2=トリフルオロアセチ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリルまた
はヘキサノイル、R1=n−ヘキシルの場合、R2=ト
リフルオロアセチル、R1=n−オクチルの場合、R2
=トリフルオロアセチル、アセチル、プロピオニル、ブ
チリル、バレリルまたはヘキサノイル、R1=n−デシ
ルの場合、R2=トリフルオロアセチル、R1=n−ブ
チルの場合、R2=プロピオニルまたはトリフルオロア
セチル)上述のシクロデキストリン誘導体を合成するに
あたっては、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと
略す)溶媒中にシクロデキストリンを溶解し、粒状また
は粉末状の水酸化ナトリウムを次に混合する。そして次
に、発熱反応を制御しつつハロゲン化アルキルをシクロ
デキストリン1gに対して5g/分以下の速度、より好
ましくは1g/分以下の滴下速度で滴下し、滴下終了後
に反応温度を0〜150℃の範囲、より好ましくは40
〜100℃の範囲で1時間以上反応させてエーテル化す
る。生成したエーテル体を、エステル化剤でエステル化
してシクロデキストリン誘導体組成物を製造する。ハロ
ゲン化アルキルのハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ
素が好ましく、さらに好ましくは、臭素である。
【0037】好ましくは、エステル化剤として無水カル
ボン酸を用いるが、その場合、副生したカルボン酸を蒸
留により除去する事が好ましい。除去されたカルボン酸
は、脱水処理などで無水カルボン酸へ変換された後に反
応に再利用しても良い。また、中和、水洗処理を行う前
にカルボン酸が除去されるため、処理で生じる排水の量
を減少させることが可能である。
【0038】本発明における識別液体は識別剤と希釈剤
を含むものであり、希釈剤としては、識別剤を十分に溶
解でき、さらに識別剤の識別能を阻害しない程度に誘電
率が低いもので、粘性の低いものを用いるのがよい。
【0039】本発明における希釈剤は、極性の大きい化
合物を用いると、識別剤と光学異性体間の分子間相互作
用が阻害され、識別能、すなわち光学分割能が悪くな
る。そのため、希釈剤の比誘電率は30以下が好まし
く、10以下であることがより好ましい。比誘電率30
以下の希釈剤としては例えば、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、1,1,1−トリクロロエタン、α−ピネン、
d−リモネン、ベンゼン、トルエン、アニソール、メチ
ルアニソール、ベラトロール、シメン、ジエチルベンゼ
ン、テトラリン、ジクロロトルエン、クロロ−P−キシ
レン、ベンゾトリクロリド、n−ヘキサン、石油エーテ
ル、n−デカン、n−パラフィン、分枝状パラフィン、
オレフィン等の脂肪族炭化水素化合物、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物等など
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】本発明における比誘電率とは、誘電率測定
装置のコンデンサーの極板の間に溶媒を挿入した場合の
静電容量を、真空の場合の静電容量で割った値のことを
いい、一般に溶媒の極性が大きくなるに従って比誘電率
は大きくなる。なお、比誘電率の測定方法について
は、”新版電気化学便覧”(電気化学協会編、丸善
(株)269ページ)に詳しく記載されている。また、
本発明における脱着剤の比誘電率として”改訂3版化学
便覧基礎編II”(日本化学協会編、丸善(株)501ペ
ージ)および”新版溶剤ポケットブック”(有機合成化
学協会編、オーム社)記載の値を用いることができる。
【0041】本発明における希釈剤は、識別剤を希釈し
識別液体の粘度を下げる作用がある。識別剤は一般に固
体であったり、粘稠な液体であることが多い。希釈剤を
加えることで、識別液体の粘度が下がりプロセス系内で
圧損を被ることなく使用することが可能となる。また、
光学異性体を分割した後、識別剤と希釈剤をリサイクル
使用する際、識別液体の粘度を下げることで操作性の良
いものとなる。本発明における分割方法では、光学異性
体を分割した後、分割しようとした光学異性体の含有率
を5重量%以下の識別液体として回収することで、リサ
イクル使用する際にコンタミによる純度の悪化や、分割
性能の低下を抑制することができるようになる。本発明
における識別液体の回収時における好ましい光学異性体
含有率は5重量%以下であり、さらに好ましくは3重量
%以下、より好ましくは1%以下で特に好ましくは0.
5重量%以下である。
【0042】本発明は、光学異性体を含む混合物に、該
光学異性体を識別できる識別剤と希釈剤とからなる識別
液体を向流接触させて、吸着分離、蒸留分離、吸収分離
または膜分離により光学異性体を分割し、その後、識別
液体を光学異性体の含有率5重量%以下で回収しリサイ
クル使用する光学異性体の分割方法に関するものである
が、識別液体が、以下の条件を1つ以上満たすことが必
要である。 (a)希釈剤の比誘電率が30以下であり、かつ識別液
体の粘度が分割操作下の温度で0.2Pa・s以下であ
ること (b)識別剤を添加することにより、光学異性体の1
または13C−NMRスペクトルピークが分裂する効果を
有する識別剤と、該1Hまたは13C−NMRスペクトル
測定時の測定溶媒の比誘電率と同じかまたは低い比誘電
率を有する希釈剤を含むこと (c)識別剤の少なくとも1つの化合物の分割操作下の
圧力での沸点が、希釈剤の少なくとも1つの化合物の分
割操作下の圧力での沸点より高いこと (d)希釈剤の少なくとも1つの化合物の分割操作下の
圧力での沸点が、分割しようとする光学異性体の分割操
作下の圧力での沸点より10℃以上高いこと (e)識別液体中の識別剤の濃度が10重量%以上であ
ること以下、(a)〜(e)のそれぞれの条件について
説明する。 (a)希釈剤の比誘電率が30以下であり、かつ識別液
体の粘度が分割操作下の温度で0.2Pa・s以下であ
ること 識別液体は、光学異性体を分割するための識別能を保持
しかつ液体としてプロセス内を循環させ回収するための
流動性が重要な要素となる。
【0043】希釈剤として、極性の大きい化合物を用い
ると、識別剤と光学異性体間の分子間相互作用が阻害さ
れ、識別能、すなわち光学分割能が悪くなることを見出
した。そのため、希釈剤の比誘電率は30以下が好まし
く、10以下であることがより好ましい。
【0044】また、識別液体の粘度を制御することで識
別液体のプロセス系内でのハンドリングや、蒸留や蒸発
操作等による回収(精製)を容易ならしめることを見出
した。すなわち、識別液体の粘度は、分割操作下の温度
で0.2Pa・s(200cp)以下が好ましく、さら
に好ましくは0.1Pa・s(100cp)以下であ
り、0.05Pa・s(50cp)以下が特に好まし
い。
【0045】この場合、溶液状態のままで識別剤が光学
異性体を識別するため、本発明におけるプロセスの様
に、分割およびリサイクルを含む場合には非常にメリッ
トが大きい。何故なら、溶液のまま光学分割が出来るた
め、(1)連続化が可能となり生産性の高いプロセスを
構築でき、さらに識別液体の粘度が比較的小さいため、
(2)蒸留や蒸発などの簡便な方法で識別液体を回収
し、リサイクルすることが可能となるからである。本発
明における分割方法では、光学異性体を分割した後、光
学異性体混合物の含有率を5重量%以下の識別液体とし
て回収する事で、リサイクル使用する際にコンタミによ
る純度の悪化を抑制するメリットがある。本発明の条件
を満たすことで、識別液体の回収および精製が容易にで
きることを見出した。
【0046】なお、識別液体の粘度は、通常の方法、例
えばウベローデの粘度計による測定法により測定したも
のである。 (b)識別剤を添加することにより、光学異性体の1
または13C−NMRスペクトルピークが分裂する効果を
有する識別剤と、該1Hまたは13C−NMRスペクトル
測定時の測定溶媒の比誘電率と同じかまたは低い比誘電
率を有する希釈剤を含むこと 本発明においては、識別剤を添加することによって、光
学異性体の1Hまたは1 3C−NMRスペクトルピークが
分裂する効果を有することが好ましい。通常光学異性体
1Hまたは13C−NMRスペクトルピークは、R−体
であってもS−体であってもラセミ体であっても全く同
じである。本発明におけるこのピークの分裂は、識別剤
と光学異性体間の分子間相互作用の強さの違いにより生
じるものである。すなわち、光学異性体の1Hまたは13
C−NMRスペクトルピークが識別剤を添加することに
より分裂する効果とは、本質的に光学異性体を識別剤が
識別していることを示している。本発明においては、溶
液状態のままであるため、相互の分子間相互作用は比較
的弱いものであるにもかかわらず、識別剤と光学異性体
間の相対的な識別能力の差異が大きいため分割が可能と
なる。
【0047】この場合、溶液状態のままで識別剤が光学
異性体を識別するため、本発明におけるプロセスの様
に、分割およびリサイクルを含む場合には非常にメリッ
トが大きい。何故なら、(1)溶液のまま光学分割が出
来るため、連続化が可能となり生産性の高いプロセスを
構築でき、(2)さらに溶液中の光学異性体と識別剤の
相互作用が比較的弱いため、蒸留や蒸発などの簡便な方
法で識別液体を回収し、リサイクル使用することが可能
となるからである。本発明における分割方法では、光学
異性体を分割した後、光学異性体混合物の含有率を5重
量%以下の識別液体として回収しないと、リサイクル使
用する際にコンタミによる純度の悪化の原因となる。し
かしながら、本発明の方法によれば、上述の理由のた
め、識別液体の回収および精製が容易にできることを見
出した。
【0048】本発明における1Hまたは13C−NMRス
ペクトルは、観測周波数が200MHz以上の測定装置
を用いて測定するのが好ましく、500MHz以上のも
のを用いるのが最も好ましい。何故なら、観測周波数が
小さいとスペクトルの分解能が悪くなり、本来観測され
るべきピークの分裂を見落とす可能性があるからであ
る。本発明における1Hまたは13C−NMRスペクトル
の測定は、定法に従って測定する。
【0049】本発明における測定溶媒とは、通常にNM
R用溶媒として用いられているものであり、例えば重ク
ロロホルム(CDCl3)、重ジクロロメタン(CD2
2)、重ベンゼン(C66)、重DMSO、重水、重
トルエン(CD365)、重メタノール(CD3OD、
CD3OH)などが挙げられる。
【0050】本発明における希釈剤は、上記1Hまたは
13C−NMRスペクトルでピークの分裂が確認された際
に用いた測定溶媒より比誘電率が同じかまたは低いもの
を用いるのが好ましい。
【0051】何故なら、比誘電率が上記要件を満たす希
釈剤は、識別剤に対する相互作用が小さいと考えられる
ため、識別剤の識別能力が十分発揮されるからである。 (c)識別剤の少なくとも1つの化合物の分割操作下の
圧力での沸点が、希釈剤の少なくとも1つの化合物の分
割操作下の圧力での沸点より高いこと 本発明において、識別剤成分の少なくとも1つの化合物
の分割操作下の圧力での沸点が希釈剤成分の少なくとも
1つ化合物の分割操作下の圧力での沸点より高いことが
好ましい。この沸点差は、10℃以上高いことが好まし
く、20℃以上高いことがより好ましく、30℃以上高
いことが特に好ましい。識別剤の沸点が希釈剤の沸点よ
り高いことで、識別剤をリサイクル使用する際に蒸留お
よび/または蒸発操作により精製分離することが容易に
なるからである。ただし、希釈剤が、複数の成分からな
る場合は、少なくとも1種類の化合物が上記条件を満た
せばよい。 (d)希釈剤の少なくとも1つの化合物の分割操作下の
圧力での沸点が、分割しようとする光学異性体の分割操
作下の圧力での沸点より10℃以上高いこと 本発明においては、希釈剤成分の少なくとも1つの化合
物の分割操作下の圧力での沸点が光学分割しようとする
光学異性体の分割操作下の圧力での沸点より10℃以上
高いことが好ましい。この沸点差は、20℃以上高いこ
とがより好ましく、30℃以上高いことが特に好まし
い。希釈剤が光学分割しようとする光学異性体と10℃
以上の沸点差があることで、識別剤をリサイクル使用す
る際に蒸留および/または蒸発操作により精製分離する
ことが容易になるからである。
【0052】本発明において、それぞれの沸点(℃)の
関係は、分割操作下で 識別剤成分沸点 > 希釈剤成分沸点 > 光学異性体
沸点+10 となるのがより好ましい。この条件を満たすと、識別液
体により分割した光学異性体を連続的かつ効率的に製造
することがより容易になる。
【0053】すなわち、光学異性体は識別液体と接触し
た後、識別液体側に保持される光学対掌体と、識別液体
中の識別剤に識別されず識別液体外へ抜け出す光学対掌
体に分かれる。それぞれの光学対掌体は光学純度が増加
したものとして取得することが出来る。プロセス的に多
段化(複数回の接触操作を繰り返すこと)すればより純
度の高い光学対掌体が得られることとなる。この際、上
記条件を満たしていれば、識別液体側に保持された光学
対掌体は、蒸留および/または蒸発操作により容易に分
離できる。また、光学対掌体とともに若干希釈剤が流出
することがあっても、識別剤を損失しないメリットがあ
る。若干流出した希釈剤も、さらに蒸留および/または
蒸発操作を加えることにより精製することが出来る。 (e)識別液体中の識別剤の濃度が10重量%以上であ
ること 本発明における識別液体中の識別剤の濃度は、10重量
%以上であることが、識別能が向上するため良い。より
好ましくは20重量%以上であり、さらに好ましくは3
0重量%以上であり、40重量%以上が特に好ましい。
【0054】本発明における識別液体は、上記(a)〜
(e)の条件のうち2つ以上を満たすのがより好まし
い。なかでも、(a)と(b)、(a)と(c)、
(a)と(d)、(a)と(e)、(b)と(c)、
(b)と(d)、(b)と(e)または(c)と(d)
を満たすのが好ましい。
【0055】3つ以上の条件を満たすのが特に好まし
く、なかでも(a)と(b)と(c)、(a)と(b)
と(d)、(a)と(b)と(e)、(a)と(c)と
(d)、(a)と(b)と(c)と(d)、(b)と
(c)と(d)、(c)と(d)と(e)、(a)と
(c)と(d)と(e)または(b)と(e)と(c)
と(d)を満たすのが好ましい。
【0056】なかでも、(c)と(d)を満たすのが
り好ましく、(c)と(d)を満たし、さらに(a)、
(b)、(e)のうち1つ以上を満たすのが特に好まし
い。(a)〜(e)の全て満たすのが最も好ましい。
【0057】本発明において吸着分離を用いる場合は、
(a)と(c)、(a)と(d)、(a)と(e)、
(a)と(b)と(c)、(a)と(b)と(d)、
(a)と(b)と(e)、(a)と(c)と(d)、
(a)と(b)と(c)と(d)、(b)と(c)、
(b)と(d)、(b)と(e)、(b)と(c)と
(d)、(c)と(d)、(c)と(d)と(e)、
(a)と(c)と(d)と(e)、(b)と(c)と
(d)と(e)または(a)と(b)と(c)と(d)
と(e)を満たすのが好ましい。(c)と(d)を満た
すのがより好ましく、(c)と(d)を満たし、さらに
(a)、(b)、(e)のうち1つ以上を満たすのが特
に好ましい。
【0058】本発明において蒸留分離、吸収分離または
膜分離を用いる場合は、(a)と(b)、(a)と
(c)、(a)と(d)、(a)と(e)、(a)と
(b)と(c)、(a)と(b)と(d)、(a)と
(b)と(e)、(a)と(c)と(d)、(a)と
(b)と(c)と(d)、(b)と(c)、(b)と
(d)、(b)と(e)、(b)と(c)と(d)、
(c)と(d)、(c)と(d)と(e)、(a)と
(c)と(d)と(e)、(b)と(c)と(d)と
(e)または(a)と(b)と(c)と(d)と(e)
を満たすのが好ましく、(c)と(d)を満たすのがよ
り好ましく、(c)と(d)を満たし、さらに(a)、
(b)、(e)のうち1つ以上を満たすのが特に好まし
い。
【0059】本発明において光学異性体は識別液体と接
触した後、識別液体中の識別剤に識別されて識別液体側
に保持される光学対掌体と、識別液体中の識別剤に識別
されず識別液体外へ抜け出す光学対掌体に分かれる。そ
れぞれの光学対掌体は光学純度が増加したものとして取
得することが出来る。プロセス的に多段化(複数回の接
触操作を繰り返すこと)すればより純度の高い光学対掌
体が得られるため、好ましい。
【0060】本発明におけるプロセスが、どの様なもの
であっても、識別液体中に溶解している光学対掌体は、
分離する必要がある。分離された光学対掌体と識別液体
は、それぞれ必要に応じてプロセス系内へリサイクルす
るのが好ましい。光学対掌体と識別液体を分離する方法
としては、蒸留および/または蒸発により分離するのが
好ましい。本プロセスの場合、識別液体を連続的に回収
しリサイクルする必要があり、蒸留および/または蒸発
のように連続的な分離が行いやすいプロセスとの組み合
わせは非常に効果的である。
【0061】光学対掌体や識別剤は、熱により劣化した
りラセミ化したりしやすいため、低い温度で分離できる
方法が好ましく、特に減圧蒸留および/または減圧下で
の蒸発が好ましい。
【0062】また、光学分割した光学異性体のうち一方
は、ラセミ化してリサイクルするのが好ましい。
【0063】本発明の技術は、抽出蒸留分離等に代表さ
れる蒸留分離または、吸収分離プロセスで以下のような
形態により用いることができる。プロセス系内で結晶を
析出させない条件下で、蒸留分離または吸収分離するの
が好ましい。本発明のプロセス系内で析出する結晶は、
大別すると3種類ある。
【0064】1つめは、プロセス系内における希釈剤の
濃度変化により、識別剤や光学異性体混合物や希釈剤の
一部が塔内で析出する結晶である。
【0065】2つめは、プロセス系内の温度変化によ
り、識別剤や光学異性体混合物や希釈剤の一部が析出す
る結晶である。
【0066】3つめは、識別液体と分割しようとする光
学異性体を混合することにより、ジアステレオまたは包
接化合物(クラスレート化合物)を生成して、あるいは
溶解度の関係で、析出する結晶を指す。ジアステレオ塩
や包接化合物を生成すると確かに形成した結晶側の光学
対掌体の光学純度は飛躍的に上昇するが固液分離などプ
ロセス上のハンドリングを考慮するとデメリットとな
る。
【0067】本発明において、結晶を析出させない条件
で行うメリットは、向流接触などの連続的なプロセスで
の複雑化や煩雑化を防止できる点にある。すなわち、均
一な溶液として取り扱えることにより、連続的な生産や
多段化したプロセスで光学対掌体の高純度化が可能とな
り、かつ生産がスムーズに行えることになる。
【0068】本発明における結晶を析出させない条件下
とは、以下の条件を満たすことである。 (1)プロセス系内で、識別剤、光学異性体混合物およ
び希釈剤が使用する濃度範囲内で濃度変化により析出し
ないこと (2)プロセス系内で、識別剤、光学異性体混合物およ
び希釈剤が使用する温度範囲内で温度変化により析出し
ないこと (3)プロセス系内で、識別剤および分割しようとする
光学異性体の濃度分布が、両者の反応によりジアステレ
オ塩または包接化合物を形成したとしても、結晶を生じ
ない濃度であるか、または識別剤と分割しようとする光
学異性体が結晶を全く形成しない組み合わせであること (3)については、塔内の各部分でサンプリングを行
い、濃度分析をすることで検証可能である。
【0069】本発明における蒸留分離または吸収分離に
おける識別液体は、以下のような効果を示す。その効果
とは、分割しようとする光学異性体と識別液体を混合
し、結晶の析出しない条件で溶液を調製し、気液平衡組
成を測定した場合に、気相成分の光学異性体の成分比率
が最初に混合した光学異性体の成分比率と異なることで
ある。すなわち、上記条件で、光学異性体の気液間の比
揮発度が1でないように作用する効果である。この場
合、光学異性体の気液間の成分比率とは、例えば、R体
成分とS体成分の比率である。この成分比率は、一般的
によく知られている光学異性体分析用液体クロマトグラ
フィ法やガスクロマトグラフィ法により簡単に測定可能
である。
【0070】識別液体中の識別剤と希釈剤の成分比は、
識別剤の重量比率が1%以上であることが好ましく、さ
らに好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、
さらに好ましくは30%以上であり、30〜80%が特
に好ましい。また、本発明において識別液体の各成分
は、いずれも分割しようとする光学異性体より沸点が高
いものもしくは揮発しないものを用いるのが好ましい。
また、識別液体としては分割しようとする光学異性体を
含む混合物を十分に溶解するものが好ましい。
【0071】上記の光学異性体の分割方法は、基本的に
は蒸留分離法または吸収分離法によるものである。これ
まで知られてきたいわゆる抽出蒸留法プロセスおよび吸
収分離プロセスの全てのメリットを本法に生かすことが
可能である。本発明においては、識別液体と分割しよう
とする光学異性体を逆向き方向に接触させる、いわゆる
向流接触方式による分割が好ましい。蒸留分離または吸
収分離プロセスとしては、蒸留塔または吸収塔の上段か
ら識別液体を、蒸留塔または吸収塔の中段から分離しよ
うとする光学異性体を含む混合物をそれぞれ連続的に注
入する方法が特に好ましい。好ましい装置としては図1
または図2に示される装置であり連続的に分割する方法
が好ましい。
【0072】すなわち、本発明は、蒸留塔または吸収塔
の上段部から識別液体を、蒸留塔または吸収塔の中段部
から分割しようとする光学異性体を含む混合物をそれぞ
れ連続的に注入する分離装置により行うのが好ましい。
また、蒸留塔または吸収塔の中段部から分割しようとす
る光学異性体を含む混合物と識別液体をそれぞれ連続的
に注入する分離装置でも好ましく分割が行える。さら
に、蒸留塔または吸収塔の上段部から識別液体を、蒸留
塔の中段部から分割しようとする光学異性体を含む混合
物と識別液体をそれぞれ連続的に注入する分離装置でも
同様に好ましい。
【0073】本発明におけるより好ましい分割方法とし
て、蒸留塔または吸収塔の下段部から識別液体と光学対
掌体を含む溶液を抜き出し、光学対掌体と識別液体を分
離した後、回収した識別液体を蒸留塔または吸収塔へ返
還することで効率の良い経済的な分離方法とすることが
できる。
【0074】また、蒸留塔または吸収塔の上段部または
下段部より抜き出される光学対掌体成分のうち不用な光
学対掌体成分は、異性化(ラセミ化)した後分離しよう
する光学異性体としてプロセスへ返還することでより好
ましい分離方法となる。
【0075】本発明における光学異性体の蒸留分離また
は吸収分離方法は、識別剤や分割した光学対掌体が熱に
より異性化したり、構造変化しやすいため、できるだけ
低い温度で実施するのが好ましい。低い温度で実施する
方法としては、プロセス系内を減圧して分割する方法が
好ましい。それに伴い、蒸留塔の塔底温度は40〜30
0℃、より好ましくは40〜200℃にするのが好まし
い。特に好ましくは、蒸留塔の塔底温度を40〜200
℃にし、減圧下で蒸留分離または吸収分離するのが特に
好ましい。
【0076】また本発明における技術は、吸着分離プロ
セスで以下のような形態により用いることができる。
【0077】本発明における吸着分離プロセスにおいて
は、識別剤と希釈剤からなる識別液体が移動相として機
能するため、吸着剤に吸着した光学異性体を脱着する能
力をも備えている必要がある。
【0078】吸着分離プロセスにおいて、識別液体が充
分な脱着力を発揮し、効率の良いプロセスとするために
は、光学異性体を含む混合物中のいずれかの光学対掌体
Aと希釈剤Bの間の吸着選択係数αA/Bが0.1〜1
0.0であることが好ましく、0.2〜5.0であるこ
とがより好ましい。
【0079】なお、本発明では吸着剤の特性を次式の吸
着選択係数αA/Bにより表した。
【0080】αA/B=([吸着相A]/[吸着相B])
/([液相A]/[液相B]) この吸着選択係数は、液相の各成分の濃度[吸着相
A]、[吸着相B]、[液相A]、[液相B]を、液体
クロマトグラフィまたはガスクロマトグラフィで分析す
ることにより算出される。各成分の濃度は、内部標準法
により決定するのが好ましい。好ましい内部標準として
は、n−ノナンが挙げられるが、移動相が水溶性であっ
たり、極性溶媒であったり等してn−ノナンが溶けない
場合は、適宜非吸着成分を選定し内部標準とする必要が
ある。
【0081】αA/Bが1より大の時にはA成分が吸着さ
れ、1より小の時にはB成分が吸着される。また、この
値が大きすぎると吸着剤に吸着した光学異性体が希釈剤
に脱着されにくいため吸着分離効率が悪くなり、この値
が小さすぎると吸着剤に光学対掌体が吸着されにくくな
って吸着分離効率が悪くなることになる。
【0082】本発明では、光学活性な識別剤と希釈剤と
吸着剤を用いて光学異性体を含む混合物から特定の光学
対掌体を得る。識別液体、すなわち移動相中の識別剤
は、錯形成や水素結合やπ−π相互作用等の分子間相互
作用により光学異性体を含む混合物中の特定の光学対掌
体を識別する。識別されにくい特定の光学対掌体は吸着
剤へ吸着され易く、識別されやすい特定の光学対掌体は
吸着剤に吸着されにくくなる。この原理を利用して光学
異性体を吸着分離することができる。
【0083】本発明の方法を用いた吸着分離するための
技術としては、移動床または擬似移動床による吸着分離
方法が好ましい。特に擬似移動床による連続的吸着分離
技術が、工業的なプロセスとして好ましく本発明のメリ
ットを充分に生かすことが可能となる。
【0084】擬似移動床方式による吸着分離の基本操作
としては以下の吸着操作、濃縮操作、脱着操作を連続的
に循環して実施する。 (1)吸着操作:光学異性体を含む混合物は吸着剤と接
触し、弱吸着成分を選択的に残して強吸着成分が吸着さ
れる。強吸着成分はエクストラクト成分として光学活性
な識別剤を含む移動相とともに回収される。 (2)濃縮操作:弱吸着成分を多く含むラフィネートは
さらに吸着剤と接触させられ強吸着成分が選択的に吸着
されて、ラフィネート中の弱吸着成分が高純度化され
る。 (3)脱着操作:高純度化された弱吸着成分はラフィネ
ートとして回収され、一方、強吸着成分は光学活性化合
物を含む識別液体により吸着剤から追い出され識別液体
を伴ってエクストラクト成分として回収される。
【0085】なお、この方法ではエクストラクトから得
られる成分を高純度化する事もできる。また、目的とし
ない光学対掌体は回収した後、異性化してプロセス内へ
返還することもできる。
【0086】本発明の吸着分離プロセスでは、識別液体
と光学対掌体を分離して純度の高い光学対掌体製品を取
得し移動相成分を回収返還したり、不用異性体を分離し
て識別液体成分を回収返還する際に、本発明の特徴であ
る(c)識別剤の少なくとも1つの化合物の分割操作下
の圧力での沸点が、希釈剤の少なくとも1つの化合物の
分割操作下の圧力での沸点より10℃以上高いことおよ
び/または、(d)希釈剤の少なくとも1つの化合物の
分割操作下の圧力での沸点が、分割しようとする光学異
性体の分割操作下の圧力での沸点より10℃以上高いこ
とが重要となる。
【0087】
【実施例】次に本発明の効果を実施例を挙げて説明す
る。 1.識別液体の調製 <ヘプタキス(2,6−O−ジペンチル)−β−シクロ
デキストリンの調製>ヘプタキス(2,6−O−ジペン
チル)−β−シクロデキストリン(DP−B−CD)
は、G.Wenz,Carbohydrate Res
earch,214,257−265p(1991)を
参考に以下の様にして調製した。
【0088】β−シクロデキストリン(日本食品加工
(株)製)2144.6gをDMSO(東レファインケ
ミカル社製)10.18lに溶解させた。そこへ1−ブ
ロモペンタン(東ソー(株)製)4794.4gを加え
た後、粒状NaOH(片山化学工業社製)1322.0
gを徐々に加え、約4日間室温で攪拌した。その後、過
剰のn−ヘキサンを加え攪拌した後、上澄み相を抽出し
た。この操作を3回繰り返した。有機相を、飽和食塩水
で3回洗浄した後、硫酸ナトリウムを加え乾燥した。そ
の後、約1mmHgの減圧下室温でn−ヘキサンを取り
除いた。さらに徐々に100℃まで加温して、低沸点化
合物を留去し、DP−B−CDを得た。
【0089】<ヘプタキス(2,6−O−ジペンチル−
3−O−トリフルオロアセチル)−β−シクロデキスト
リン(DPTFA−B−CD)の調製>ヘプタキス
(2,6−O−ジペンチル−3−O−トリフルオロアセ
チル)−β−シクロデキストリン(DPTFA−B−C
D)は、W.Y.Li,H.L.Jin,D.W.Ar
mstrong,J.Chromatogr.,50
9,303−324p(1990)を参考に以下のよう
にして調製した。
【0090】ヘプタキス(2,6−O−ジペンチル)−
β−シクロデキストリン1000gをn−ヘキサン50
00gに溶解させた。攪拌しながら、そこへ無水トリフ
ルオロ酢酸(旭硝子(株)製)4000gを徐々に滴下
した。その後、一晩攪拌した後、水洗を3回行った後、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、さらに水洗を
行った。
【0091】さらに、エバポレータで濃縮しn−ヘキサ
ンを除去し、識別剤であるDPTFA−B−CDを得
た。
【0092】<ヘプタキス(2,6−O−ジヘキシル)
−β−シクロデキストリンの調製>ヘプタキス(2,6
−O−ジヘキシル)−β−シクロデキストリン(DHx
−B−CD)は、G.ウエンツ著 カルボハイドレート
リサーチ(G.Wenz,Carbohydrate
Research),214,257−265p(1
991)を参考に以下の様にして調製した。
【0093】β−シクロデキストリン(日本食品加工
(株)製)25.0gをDMSO(東レファインケミカ
ル(株)製)150mlに溶解させた。次に0.7mm
粒状NaOH(キシダ化学(株)製)15.1gを加え
攪拌した。そこに1−ブロモヘキサン(東京化成(株)
製)61.1gを1時間かけて加えた後、70℃に加熱
して約8時間攪拌した。その後、n−ヘキサン100m
lを加え攪拌した後、20%食塩水を加えて有機相を抽
出した。有機相に100mlの20%食塩水を加えて攪
拌し、有機相を抽出した。有機相を20%食塩水100
mlで洗浄した後、有機相にn−パラフィンSL(日本
石油化学(株)製)20mlを加えて60℃/50mm
Hgの減圧下にn−ヘキサンを取り除き、その後120
℃/20mmHgの減圧下にn−パラフィンおよび未反
応1−ブロモヘキサン、1−ヘキサノールを留去し、D
Hx−B−CDを得た。
【0094】<ヘプタキス(2,6−O−ジヘキシル−
3−O−トリフルオロアセチル)−β−シクロデキスト
リン(DHxTFA−B−CD)の調製>ヘプタキス
(2,6−O−ジヘキシル−3−O−トリフルオロアセ
チル)−β−シクロデキストリン(DHxTFA−B−
CD)は、W.Y.リー、H.L.ジン、D.W.アー
ムストロング著 ジャーナル クロマトグラフィー
(W.Y.Li,H.L.Jin,D.W.Armst
rong,J.Chromatogr.),509,3
03−324(1990)を参考に以下のようにして調
製した。
【0095】ヘプタキス(2,6−O−ジヘキシル)−
β−シクロデキストリン43.3gをジイソプロピルエ
ーテル(日本石油化学(株)製)65mlに溶解させ
た。攪拌しながら、そこへ無水トリフルオロ酢酸(旭硝
子(株)製)35.7gを徐々に滴下した。25℃12
時間攪拌した後、溶媒を50℃/60mmHgの減圧下
に留去した。残査にジイソプロピルエーテル150ml
を加えて溶解し、10%炭酸ナトリウム水溶液を加えて
中和し、さらに20%食塩水100mlで有機相を水洗
した。再度20%食塩水100mlで水洗し、有機相に
n−パラフィンSL50mlを加え、60℃/50mm
Hgの減圧下にジイソプロピルエーテルを取り除き、そ
の後120℃/20mmHgの減圧下にn−パラフィン
を留去し、DHxTFA−B−CDを48.0gを得
た。
【0096】<ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル)
−β−シクロデキストリンの調製>β−シクロデキスト
リン(日本食品加工(株)製)100.0gをDMSO
(東レファインケミカル(株)製)600mlに溶解さ
せた。次に0.7mm粒状NaOH(キシダ化学(株)
製)75.0gを加え攪拌した。そこに1−ブロモオク
タン(東京化成(株)製)286.0gを1時間かけて
加えた後、70℃に加熱して約8時間攪拌した。その
後、n−ヘキサン500mlを加え攪拌した後、20%
食塩水を加えて有機相を抽出した。有機相に400ml
の20%食塩水を加えて攪拌し、有機相を抽出した。有
機相を20%食塩水500mlで洗浄した後、有機相に
n−パラフィンSL(日本石油化学(株)製)100m
lを加えて60℃/50mmHgの減圧下にn−ヘキサ
ンを取り除き、その後120℃/20mmHgの減圧下
にn−パラフィンおよび未反応1−ブロモオクタン、1
−オクタノールを留去し、DO−B−CDを得た。これ
をシリカゲル60F254TLCプレート(メルク社
製)で、展開溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=3:1体積
比)で展開したところ、Rf=0.65であった。
【0097】<ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−
3−O−トリフルオロアセチル)−β−シクロデキスト
リン(DOTFA−B−CD)の調製>ヘプタキス
(2,6−O−ジオクチル)−β−シクロデキストリン
238gをジイソプロピルエーテル(日本石油化学
(株)製)400mlに溶解させた。攪拌しながら、そ
こへ無水トリフルオロ酢酸(旭硝子(株)製)160g
を徐々に滴下した。25℃12時間攪拌した後、溶媒を
50℃/60mmHgの減圧下に留去した。残査にジイ
ソプロピルエーテル500mlを加えて溶解し、10%
炭酸ナトリウム水溶液を加えて中和し、さらに20%食
塩水200mlで有機相を水洗した。再度20%食塩水
200mlで水洗し、有機相にn−パラフィンSL20
0mlを加え、60℃/50mmHgの減圧下にジイソ
プロピルエーテルを取り除き、その後120℃/20m
mHgの減圧下にn−パラフィンを留去し、DO−TF
A−B−CDを280.0gを得た。これをシリカゲル
60F254TLCプレート(メルク社製)で、展開溶
媒(ヘキサン:酢酸エチル=3:1体積比)で展開した
ところRf=0.83であった。
【0098】<ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−
3−O−アセチル)−β−シクロデキストリン(DOA
c−B−CD)の調製>ヘプタキス(2,6−O−ジオ
クチル)−β−シクロデキストリン7.1gと4−ジメ
チルアミノピリジン2.2gをトリエチルアミン(片山
化学(株)製)40mlに溶解させた。攪拌しながら、
そこへ無水酢酸(ナカライテスク(株)製)2.3gを
徐々に滴下した。25℃7時間攪拌した後、溶媒を50
℃/60mmHgの減圧下に留去した。残査にジイソプ
ロピルエーテル50mlを加えて溶解し、10%塩酸を
加えて中和した。水200mlで有機相を水洗し、有機
相にn−パラフィンSL20mlを加え、60℃/50
mmHgの減圧下にジイソプロピルエーテルを取り除
き、その後120℃/20mmHgの減圧下にn−パラ
フィンを留去し、DOAc−B−CDを8.1gを得
た。これをシリカゲル60F254TLCプレート(メ
ルク社製)で、展開溶媒(ヘキサン:t−ブチルメチル
エーテル=1:1体積比)で展開したところRf=0.
52であった。
【0099】<ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−
3−O−プロピオニル)−β−シクロデキストリン(D
OPr−B−CD)の調製>ヘプタキス(2,6−O−
ジオクチル)−β−シクロデキストリン7.0gと4−
ジメチルアミノピリジン1.1gをトリエチルアミン
(片山化学(株)製)40mlに溶解させた。攪拌しな
がら、そこへ無水プロピオン酸(ナカライテスク(株)
製)2.9gを徐々に滴下した。25℃6時間攪拌した
後、溶媒を50℃/60mmHgの減圧下に留去した。
残査にジイソプロピルエーテル50mlを加えて溶解
し、10%塩酸を加えて中和した。水200mlで有機
相を水洗し、有機相にn−パラフィンSL20mlを加
え、60℃/50mmHgの減圧下にジイソプロピルエ
ーテルを取り除き、その後120℃/20mmHgの減
圧下にn−パラフィンを留去し、DOPr−B−CDを
8.5gを得た。これをシリカゲル60F254TLC
プレート(メルク社製)で、展開溶媒(ヘキサン:t−
ブチルメチルエーテル=1:1体積比)で展開したとこ
ろRf=0.56であった。
【0100】<ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−
3−O−ブチリル)−β−シクロデキストリン(DOB
u−B−CD)の調製>ヘプタキス(2,6−O−ジオ
クチル)−β−シクロデキストリン8.7gと4−ジメ
チルアミノピリジン1.4gをトリエチルアミン(片山
化学(株)製)40mlに溶解させた。攪拌しながら、
そこへ無水酪酸(東京化成(株)製)4.3gを徐々に
滴下した。25℃6時間攪拌した後、溶媒を50℃/6
0mmHgの減圧下に留去した。残査にジイソプロピル
エーテル50mlを加えて溶解し、10%塩酸を加えて
中和した。水200mlで有機相を水洗し、有機相にn
−パラフィンSL20mlを加え、60℃/50mmH
gの減圧下にジイソプロピルエーテルを取り除き、その
後120℃/20mmHgの減圧下にn−パラフィンを
留去し、DOBu−B−CDを9.6gを得た。これを
シリカゲル60F254TLCプレート(メルク社製)
で、展開溶媒(ヘキサン:t−ブチルメチルエーテル=
1:1体積比)で展開したところ、Rf=0.57であ
った。
【0101】<ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−
3−O−バレリル)−β−シクロデキストリン(DOV
a−B−CD)の調製>ヘプタキス(2,6−O−ジオ
クチル)−β−シクロデキストリン9.0gと4−ジメ
チルアミノピリジン1.4gをトリエチルアミン(片山
化学(株)製)40mlに溶解させた。攪拌しながら、
そこへ無水吉草酸(東京化成(株)製)5.2gを徐々
に滴下した。25℃6時間攪拌した後、溶媒を50℃/
60mmHgの減圧下に留去した。残査にジイソプロピ
ルエーテル50mlを加えて溶解し、10%塩酸を加え
て中和した。水200mlで有機相を水洗し、有機相に
n−パラフィンSL20mlを加え、60℃/50mm
Hgの減圧下にジイソプロピルエーテルを取り除き、そ
の後120℃/20mmHgの減圧下にn−パラフィン
を留去し、DOVa−B−CDを11.3gを得た。こ
れをシリカゲル60F254TLCプレート(メルク社
製)で、展開溶媒(ヘキサン:t−ブチルメチルエーテ
ル=1:1体積比)で展開したところRf=0.60で
あった。
【0102】<ヘプタキス(2,6−O−ジオクチル−
3−O−ヘキサノイル)−β−シクロデキストリン(D
OHx−B−CD)の調製>ヘプタキス(2,6−O−
ジオクチル)−β−シクロデキストリン5.5gと4−
ジメチルアミノピリジン0.8gをトリエチルアミン
(片山化学(株)製)20mlに溶解させた。攪拌しな
がら、そこへ無水ヘキサン酸(東京化成(株)製)3.
7gを徐々に滴下した。25℃6時間攪拌した後、溶媒
を50℃/60mmHgの減圧下に留去した。残査にジ
イソプロピルエーテル50mlを加えて溶解し、10%
塩酸を加えて中和した。水200mlで有機相を水洗
し、有機相にn−パラフィンSL20mlを加え、60
℃/50mmHgの減圧下にジイソプロピルエーテルを
取り除き、その後120℃/20mmHgの減圧下にn
−パラフィンを留去し、DOHx−B−CDを11.3
gを得た。これをシリカゲル60F254TLCプレー
ト(メルク社製)で、展開溶媒(ヘキサン:t−ブチル
メチルエーテル=1:1体積比)で展開したところRf
=0.64であった。
【0103】<ヘプタキス(2,6−O−ジデシル)−
β−シクロデキストリンの調製>β−シクロデキストリ
ン(日本食品加工(株)製)6.1gをDMSO(東レ
ファインケミカル(株)製)50mlに溶解させた。次
に粉末状にしたNaOH(片山化学工業(株)製)4.
0gを加え攪拌した。そこに1−ブロモデカン(東京化
成(株)製)20.0gを5分かけて加えた後、70℃
に加熱して約12時間攪拌した。その後、n−ヘキサン
100mlを加え攪拌した後、20%食塩水を加えて有
機相を抽出した。有機相に100mlの20%食塩水を
加えて攪拌し、有機相を抽出した。有機相を20%食塩
水100mlで洗浄した後、有機相にn−パラフィンS
L(日本石油化学(株)製)20mlを加えて60℃/
50mmHgの減圧下にn−ヘキサンを取り除き、その
後120℃/20mmHgの減圧下にn−パラフィンお
よび未反応1−ブロモデカン、1−デカノールを留去
し、DD−B−CDを得た。これをシリカゲル60F2
54TLCプレート(メルク社製)で、展開溶媒(ヘキ
サン:酢酸エチル=3:1体積比)で展開したところR
f=0.68であった。
【0104】<ヘプタキス(2,6−O−ジデシル−3
−O−トリフルオロアセチル)−β−シクロデキストリ
ン(DDTFA−B−CD)の調製>ヘプタキス(2,
6−O−ジデシル)−β−シクロデキストリン15.0
gをジイソプロピルエーテル(日本石油化学(株)製)
50mlに溶解させた。攪拌しながら、そこへ無水トリ
フルオロ酢酸(旭硝子(株)製)14gを徐々に滴下し
た。25℃20時間攪拌した後、溶媒を50℃/60m
mHgの減圧下に留去した。残査にジイソプロピルエー
テル50mlを加えて溶解し、10%炭酸ナトリウム水
溶液を加えて中和し、さらに20%食塩水50mlで有
機相を水洗した。再度20%食塩水50mlで水洗し、
有機相にn−パラフィンSL20mlを加え、60℃/
50mmHgの減圧下にジイソプロピルエーテルを取り
除き、その後120℃/20mmHgの減圧下にn−パ
ラフィンを留去し、DDTFA−B−CDを15.9g
を得た。これをシリカゲル60F254TLCプレート
(メルク社製)で、展開溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=
3:1体積比)で展開したところ、Rf=0.84であ
った。
【0105】<ヘプタキス(2,6−O−ブチル)−β
−シクロデキストリンの調製>β−シクロデキストリン
(日本食品加工(株)製)6.1gをDMSO(東レフ
ァインケミカル(株)製)50mlに溶解させた。次に
粉末状にしたNaOH(片山化学工業(株)製)4.0
gを加え攪拌した。そこに1−ブロモデカン(東京化成
(株)製)12.4gを5分かけて加えた後、70℃に
加熱して約12時間攪拌した。その後、n−ヘキサン1
00mlを加え攪拌した後、20%食塩水を加えて有機
相を抽出した。有機相に100mlの20%食塩水を加
えて攪拌し、有機相を抽出した。有機相を20%食塩水
100mlで洗浄した後、有機相にn−パラフィンSL
(日本石油化学(株)製)20mlを加えて60℃/5
0mmHgの減圧下にn−ヘキサンを取り除き、その後
120℃/20mmHgの減圧下にn−パラフィンおよ
び未反応1−ブロモブタン、1−ブタノールを留去し、
DBu−B−CDを得た。
【0106】<ヘプタキス(2,6−O−ジブチル−3
−O−プロピオニル)−β−シクロデキストリン(DB
uPr−B−CD)の調製>ヘプタキス(2,6−O−
ジブチル)−β−シクロデキストリン7.3gと4−ジ
メチルアミノピリジン1.6gをトリエチルアミン(片
山化学(株)製)40mlに溶解させた。攪拌しなが
ら、そこへ無水プロピオン酸(ナカライテスク(株)
製)4.1gを徐々に滴下した。25℃8時間攪拌した
後、溶媒を50℃/60mmHgの減圧下に留去した。
残査にジイソプロピルエーテル50mlを加えて溶解
し、10%塩酸を加えて中和した。水200mlで有機
相を水洗し、有機相にn−パラフィンSL20mlを加
え、60℃/50mmHgの減圧下にジイソプロピルエ
ーテルを取り除き、その後120℃/20mmHgの減
圧下にn−パラフィンを留去し、DBuPr−B−CD
を8.3gを得た。これをシリカゲル60F254TL
Cプレート(メルク社製)で、展開溶媒(ヘキサン:酢
酸エチル=3:1体積比)で展開したところ、Rf=
0.52であった。
【0107】<1.11.ヘプタキス(2,6−O−ブ
チル−3−O−トリフルオロアセチル)−β−シクロデ
キストリン(DBuTFA−B−CD)の調製>ヘプタ
キス(2,6−O−ジブチル)−β−シクロデキストリ
ン12.0gをジイソプロピルエーテル(日本石油化学
(株)製)50mlに溶解させた。攪拌しながら、そこ
へ無水トリフルオロ酢酸(旭硝子(株)製)12gを徐
々に滴下した。25℃20時間攪拌した後、溶媒を50
℃/60mmHgの減圧下に留去した。残査にジイソプ
ロピルエーテル50mlを加えて溶解し、10%炭酸ナ
トリウム水溶液を加えて中和し、さらに20%食塩水5
0mlで有機相を水洗した。再度20%食塩水50ml
で水洗し、有機相にn−パラフィンSL20mlを加
え、60℃/50mmHgの減圧下にジイソプロピルエ
ーテルを取り除き、その後120℃/20mmHgの減
圧下にn−パラフィンを留去し、DBuTFA−B−C
Dを14.5gを得た。これをシリカゲル60F254
TLCプレート(メルク社製)で、展開溶媒(ヘキサ
ン:酢酸エチル=3:1体積比)で展開したところ、R
f=0.79であった。
【0108】2.蒸留分離による光学異性体の分割 実施例1 内径40mmのオルダーショウ型棚段40段の蒸留装置
を用いて実験を行った。蒸留塔の塔頂コンデンサー上部
から真空ポンプにより塔頂圧力15mmHgまで減圧
し、50℃に保温した識別液体と分割しようとする光学
異性体の混合物(DPTFA−B−CD:n−ノナン
(東京化成(株)製):RS−2−クロロプロピオン酸
メチル(東京化成(株)製)=62:33:5(重量
比)の組成の溶液、RS−2−クロロプロピオン酸メチ
ルの光学純度50%)を約20g/分で塔内に連続的に
導入した。塔底温度を85℃に保ち、塔底から塔底液を
連続的に約14.5g/分で抜き出すとともに、還流比
0.20で留出液を塔頂より連続的に抜き出した。
【0109】数時間運転して安定化させた後、塔底液お
よび留出液を容器に取得した。それぞれの成分について
分析を行ったところ、留出液中のR−2−クロロプロピ
オン酸メチルの光学純度は54%、塔底液中のS−2−
クロロプロピオン酸メチルの光学純度は、87%であっ
た。R体およびS体の分析は、キラルデックスB−TA
キャピラリカラム(ASTEC社製)を用いてガスクロ
マトグラフィ法により成分分析を行った。塔底液よりエ
バポレーターでn−ノナン、2−クロロプロピオン酸メ
チルを分離回収した後、n−ノナンを追加して上述組成
の識別液体(DPTFA−B−CD:n−ノナン(東京
化成(株)製)=62:33(重量比))をリサイクル
使用するため再調製した。再調製した識別液体を分析し
た結果、光学異性体RS−2−クロロプロピオン酸メチ
ルの濃度は、1重量%以下であることを確認した。再調
製した識別液体を用いた場合も同様の蒸留実験結果が得
られた。塔底液のエバポレーターによる蒸発留分および
留出液はそれぞれ蒸留塔で分離し、取得したn−ノナン
はリサイクルした。本発明の要件を満たす識別液体をリ
サイクル利用することで、本発明のプロセスが連続的に
実施可能であることを確認できた。
【0110】上記実施例より、本発明の条件を満たせ
ば、光学異性体を効率よく分割できることを示すことが
できた。
【0111】実施例2 内径40mmのオルダーショウ型棚段20段の蒸留装置
を用いて実験を行った。蒸留塔の塔頂コンデンサー上部
から真空ポンプにより塔頂圧力30mmHgまで減圧
し、50℃に保温した識別液体と分割しようとする光学
異性体の混合物(DPTFA−B−CD:n−パラフィ
ンSL(日本石油化学(株)製)=2:1(重量比)の
組成の溶液を約10.5g/分で塔内に連続的に導入し
た。予め塔底にRS−2−クロロプロピオン酸メチルを
250g導入しておき、塔底温度を67℃に保った。塔
頂より留出液を連続的に0.36g/分で抜き出した。
【0112】1時間運転後の留出液を容器に取得した。
その成分について分析を行ったところ、留出液中のR−
2−クロロプロピオン酸メチルの光学純度は72%であ
った。
【0113】塔底液から、識別剤(DPTFA−B−C
D)および希釈剤(n−パラフィンSL)からなる識別
液体と光学異性体(RS−2−クロロプロピオン酸メチ
ル)をエバポレーターにより分離した。エバポレーター
での分離はバス温95℃、5mmHgで行い、希釈剤と
光学異性体および希釈剤と識別剤の混合物をそれぞれ取
得した。その後、充填式蒸留塔を用いて光学異性体と希
釈剤とを分離した。識別剤と希釈剤、および希釈剤と光
学異性体のそれぞれの沸点差が10℃以上あるため、エ
バポレーターおよび蒸留装置を用いることで容易に分離
できた。
【0114】分離した希釈剤および希釈剤と識別剤の混
合物とを混合し、希釈剤を追加して上述組成の識別液体
(DPTFA−B−CD:n−パラフィンSL=2:1
(重量比))を再調製した。この再調製した識別液体を
ガスクロマトグラフィー法で分析した結果、光学異性体
RS−2−クロロプロピオン酸メチルの濃度は、1重量
%以下であることを確認した。再調製した識別液体をリ
サイクルした。
【0115】本発明の要件を満たす識別液体をリサイク
ル利用することで、本発明のプロセスが連続的に実施可
能であることを確認できた。
【0116】また、本実施例の識別液体などの物性を以
下に示す。 識別液体の粘度 0.09Pa・s(80℃) 希釈剤(n−パラフィンSL)の比誘電率 1.99〜2.02 識別剤沸点 150℃以上/30mmHg 希釈剤沸点 80〜90℃/30mmHg 分離対象物沸点 約50℃/30mmHg 識別剤濃度 66.7重量% 希釈剤として粘度が低く誘電率の低いn−パラフィンS
Lを選択することで識別液体の識別能を保持し、粘性を
下げる効果が得られた。識別剤DPTFA−B−CD自
体は非常に粘性が高くプロセス的に循環したりリサイク
ルするのが容易ではないが本実施例では何ら問題なくス
ムースに行うことができた。(1H−NMRスペクトル
の測定)以下の分析条件で1H−NMRスペクトルの測
定を行った。
【0117】 装置 UNITYINOVA600型(varian社製) 観測周波数 599.8MHz 溶媒 CDCl3 基準物質 TMS ポイント数 64K 観測幅 8KHz パルス幅 45degree 繰り返し時間 7sec 積算回数 32回 CDCl3900mgにRS−2−クロロプロピオン酸
メチル20mg添加したサンプル1とCDCl3900
mgにS−2−クロロプロピオン酸メチル20mg添加
したサンプル2とDPTFA−B−CD:CDCl3
1:1(重量比)の溶液900mgにRS−2−クロロ
プロピオン酸メチル20mgを添加したサンプル3を調
製し上記測定条件で測定を行った。2−クロロプロピオ
ン酸メチルのα位プロトンのピーク(4重線)を図3
(サンプル1)、図4(サンプル2)、図5(サンプル
3)に示した。
【0118】RS−2−クロロプロピオン酸メチルのみ
のサンプル1、2の場合は、4重線が得られたが、DP
TFA−B−CDを添加したサンプル3の場合は、4重
線の分裂が観測された。
【0119】以上の結果から、DPTFA−B−CDは
RS−2−クロロプロピオン酸メチルに対し、R体とS
体を識別することを確認した。
【0120】CDCl3の比誘電率は4.81である。
n−パラフィンSLの比誘電率は1.99〜2.02の
範囲内にあり、CDCl3より小さい値であることが分
かる。
【0121】(比揮発度の測定)DPTFA−B−C
D:n−パラフィンSL(日本石油(株)製):RS−
2−クロロプロピオン酸メチル(東京化成(株)製)=
2:1:0.2(重量比)の組成の溶液を調製した。な
お、n−パラフィンSLは、沸点範囲が182〜212
℃のn−パラフィンである。この溶液のRS−2−クロ
ロプロピオン酸メチルの気液平衡を常法に従って測定し
た。液相の加温を80℃とし、30mmHgの減圧下で
行った。数時間安定状態で放置し、液相成分と気相成分
のRS−2−クロロプロピオン酸メチルのR体/S体比
を測定し、下記の式に基づき比揮発度αR/Sを算出し
た。比揮発度が、1のときは単なる蒸留では両成分を分
けることが不可能である。比揮発度が1より大きい場
合、両成分を蒸留または吸収により分離することが可能
となり、その値が大きければ大きいほど分離が容易にな
る。
【0122】αR/S=(気相のR体/S体比)/(液相
のR体/S体比) R体およびS体の分析は、キラルデックスB−TAキャ
ピラリカラム(ASTEC社製)を用いてガスクロマト
グラフィ法により成分分析を行った。比揮発度αR/S
1.33であった。気体成分は、R−体に富む液が得ら
れ(沸点45℃)、ボトム液はS−体に富む液が得られ
た。すなわち、識別剤であるDPTFA−B−CDと希
釈剤であるn−パラフィンSLからなる識別液体を用い
ることで光学異性体であるRS−2−クロロプロピオン
酸メチルを分割できることが確認できた。また、識別液
体として、上述のリサイクルした識別液体を用いて実験
を行っても、同じ結果が得られた。
【0123】上記実施例より、本発明の条件を満たせ
ば、光学異性体を効率よく分割できることを示すことが
できた。
【0124】実施例3 SULZER型実験用パッキンEXを充填した内径25
mm、高さ800mmの充填塔2本と、内径35mmの
オルダーショウ型棚段20段を垂直に直結した蒸留装置
を用いて実験を行った。蒸留塔の塔頂コンデンサー上部
から真空ポンプにより塔頂圧力11mmHgまで減圧
し、50℃に保温した識別液体と分割しようとする光学
異性体の混合物(DOTFA−B−CD:メンタン(日
本テルペン(株)製):RS−2−クロロプロピオン酸
メチル(東京化成(株)製)=64:32:4(重量
比)の組成の溶液、RS−2−クロロプロピオン酸メチ
ルの光学純度50%)を5.9g/分で塔内に連続的に
導入した。塔底温度を85℃に保ち、塔底から連続的に
4.5g/分で抜き出すとともに、還流比0.56で留
出液を塔頂より連続的に抜き出した。数時間安定化させ
た後の塔底液および留出液を容器に取得した。それぞれ
の成分について分析を行ったところ、留出液中のR−2
−クロロプロピオン酸メチルの光学純度は63%、塔底
液中のS−2−クロロプロピオン酸メチルの光学純度
は、96%であった。R体およびS体の分析は、キラル
デックスB−TAキャピラリカラム(アステック(AS
TEC)社製)を用いてガスクロマトグラフィ法により
成分分析を行った。塔底液よりエバポレーターでメンタ
ン、2−クロロプロピオン酸メチルを回収した。メンタ
ンを追加して上述組成の識別液体(DOTFA−B−C
D:メンタン(日本テルペン(株)製)=64:32:
(重量比))を再調製した。分析の結果、光学異性体R
S−2−クロロプロピオン酸メチルの濃度は、1重量%
以下であることを確認した。塔底液のエバポレーターに
よる蒸発留分および留出液はそれぞれ蒸留塔で分離し、
取得したメンタンはリサイクルした。実施例1、2と同
様の効果を確認した。
【0125】実施例4 DOTFA−B−CD:n−パラフィンSL(日本石油
(株)製):RS−2−クロロプロピオン酸メチル(東
京化成(株)製)=2:1:0.2(重量比)の組成の
溶液を調製し、実施例2と同様に気液平衡接触を行っ
た。
【0126】比揮発度αR/Sは1.52であった。気体
成分は、R−体に富む液が得られ(沸点45℃)、ボト
ム液はS−体に富む液が得られた。すなわち、識別剤で
あるDO−TFA−B−CDと希釈剤であるn−パラフ
ィンSLからなる識別液体を用いることで光学異性体で
あるRS−2−クロロプロピオン酸メチルを分割できる
ことが確認できた。
【0127】識別剤(DOTFA−B−CD)と希釈剤
(n−パラフィンSL)、および希釈剤と光学異性体
(RS−2−クロロプロピオン酸メチル)の沸点差がそ
れぞれ10℃以上あるため、DOTFA−B−CDとn
−パラフィンSLと光学対掌体は、エバポレーターおよ
び蒸留装置を用いることで容易に分離でき、また分離し
たものは、再度利用して、同様の結果を得ることが出来
た。以上のことから、実施例2と同様の効果を確認し
た。
【0128】実施例5 DOTFA−B−CD:n−パラフィンSL(日本石油
(株)製):RS−2−クロロプロピオン酸メチル(東
京化成(株)製)=6:3:0.2(重量比)の組成の
溶液を調製し、実施例2と同様に気液平衡接触を行っ
た。
【0129】比揮発度αR/Sは1.94であった。気体
成分は、R−体に富む液が得られ(沸点45℃)、ボト
ム液はS−体に富む液が得られた。すなわち、識別剤で
あるDOTFA−B−CDと希釈剤であるn−パラフィ
ンSLからなる識別液体を用いることで光学異性体であ
るRS−2−クロロプロピオン酸メチルを分割できるこ
とが確認できた。
【0130】識別剤(DOTFA−B−CD)と希釈剤
(n−パラフィンSL)、および希釈剤と光学異性体
(RS−2−クロロプロピオン酸メチル)の沸点差がそ
れぞれ10℃以上あるため、DOTFA−B−CDとn
−パラフィンSLと光学対掌体は、エバポレーターおよ
び蒸留装置を用いることで容易に分離でき、また分離し
たものは、再度利用して、同様の結果を得ることが出来
た。以上のことから、実施例2と同様の効果を確認し
た。
【0131】実施例6 DPTFA−B−CD:n−パラフィンSL(日本石油
(株)製):RS−2−クロロプロピオン酸メチル(東
京化成(株)製)=62.4:31.2:6.4(重量
比)の組成の溶液を調製し、液相の温度を85℃とした
以外は実施例2と同様に気液平衡接触を行った。
【0132】比揮発度αR/Sは1.21であった。蒸留
したものは、R−体に富む液が得られ、ボトム液はS−
体に富む液が得られた。すなわち、識別剤であるDPT
FA−B−CDと希釈剤であるn−パラフィンSLから
なる識別液体を用いることで光学異性体であるRS−2
−クロロプロピオン酸メチルを分離できることが確認を
できた。
【0133】以上のことから、実施例2と同様の効果を
確認した。
【0134】実施例7 調製する溶液の組成をDPTFA−B−CD:n−パラ
フィンSL(日本石油(株)製):RS−エピクロロヒ
ドリン(東京化成(株)製)=63.1:31.5:
5.4(重量比)とし、液相の温度を60℃、系内圧力
を15mmHgとし対外は、実施例2と同様に気液平衡
接触を行った。比揮発度αR/Sは1.06であった。す
なわち、識別剤であるDPTFA−B−CDと希釈剤で
あるn−パラフィンSLからなる識別液体を用いること
で光学異性体であるRS−エピクロロヒドリンを分離で
きることが確認できた。
【0135】以上のことから、実施例2と同様の効果を
確認した。
【0136】実施例8 実施例6で使用したボトム液をさらに加熱し、光学異性
体を抜き出した後の溶液を用いて実施例6と同様の実験
をした。ボトム液は結晶が析出しておらず、連続的な繰
り返しの実験が可能であった。溶液のDPTFA−B−
CD/2−クロロプロピオン酸メチル比は14.37
に、2−クロロプロピオン酸メチルのR体/S体比は
0.73になっており、この場合、比揮発度は1.62
となった。多段化したプロセスにより、よりS−体に富
んだ光学対掌体を得ることができた。本実施例により実
施例11と同様の効果を確認した。
【0137】実施例9 実施例8で使用したボトム液をさらに加熱し、光学異性
体を抜き出した後の溶液を用いて実施例11と同様の実
験をした。溶液のDPTFA−B−CD/2−クロロプ
ロピオン酸メチル比は24.47に、2−クロロプロピ
オン酸メチルのR体/S体比を0.53になっており、
この場合、比揮発度は1.83となった。多段化したプ
ロセスにより、さらにS−体に富んだ光学対掌体を得る
ことができた。本実施例により実施例11と同様の効果
を確認した。
【0138】比較例1 溶液をRS−2−クロロプロピオン酸メチルのみとし
て、実施例1と同様の実験を行ったところ、比揮発度は
1.00であった。このことから、光学異性体であるR
S−クロロプロピオン酸メチルは光学活性な識別剤を含
む識別液体を用いないと蒸留分離できないことが分か
る。
【0139】比較例2 溶液をRS−エピクロロヒドリンのみとして、実施例2
と同様の実験を行ったところ、比揮発度は1.00であ
った。このことから、光学異性体であるRS−エピクロ
ロヒドリンは光学活性な識別剤を含む識別液体を用いな
いと蒸留分離できないことが分かる。 3.吸着分離による光学異性体の分割 実施例10 (吸着分離性能の評価)DPTFA−B−CD:ジイソ
プロピルエーテル:RS−2−クロロプロピオン酸メチ
ル(A.H.Marks社製)=46.59:46.7
7:6.63(重量比)の組成の溶液を調製し、3.0
0gをスリ付き三角フラスコへ入れた。そこへ、200
℃で10時間乾燥したシリカゲル4B(富士シリシア
(株)製)を1.0g加えた。室温で1時間放置した
後、よく攪拌しさらに1時間放置した。その後、上澄み
液を採取し、キラルデックスB−TAキャピラリカラム
(ASTEC社製)を用いてガスクロマトグラフィ法に
より成分分析を行った。算出した吸着選択係数αR−体
/S−体は、1.31、αR−体/ジイソプロピルエー
テルは0.960であった。本結果から、光学活性な識
別剤としてDPTFA−B−CDを用い、シリカゲルを
吸着剤とすることでR−体とS−体を吸着分離できるこ
とが分かった。ジイソプロピルエーテルと、R−体の吸
着選択係数が約1であるため、充分な脱着力を有してお
り、希釈剤として利用できることも分かった。
【0140】(識別液体の調製)移動相としては、DP
TFA−B−CD、n−パラフィンSL(日本石油化学
(株)製:常圧での沸点182〜212℃のn−パラフ
ィン)およびジイソプロピルエーテル(日本石油化学
(株)製:常圧での沸点77℃)を重量比で2:1:2
に混合した識別液体(識別剤濃度40重量%)を用い
た。DPTFA−B−CDは光学活性な識別剤、n−パ
ラフィンSLは希釈剤、ジイソプロピルエーテルは脱着
力を有する希釈剤として機能する。
【0141】(擬似移動床方式・吸着分離プロセス)吸
着カラム塔として長さ1m、内径4.75mmのステン
レスカラムを12本連結し、各カラムにシリカゲル4B
(30〜80mesh、富士シリシア(株)製)を充填
した。図6に示すような擬似移動床プロセスを用いて下
記方法により確認した。流体の抜き出し口および導入口
は回転弁により制御した。実験は全て室温で行った。導
入口からはDPTFA−B−CD:n−パラフィンS
L:RS−2−クロロプロピオン酸メチル(A.H.M
arks社製)=2:1:1の組成の液を2.32ml
/時で供給した。識別液体は180.90ml/時で供
給した。エクストラクトからは28.69ml/時でラ
フィネートからは26.80ml/時でそれぞれ抜き出
した。回転弁は380秒おきに切り替えた。この条件で
定常状態になるまで12時間運転したところ、エクスト
ラクトからはS−2−クロロプロピオン酸メチルが78
00ppmで、ラフィネートからはR−2−クロロプロ
ピオン酸メチルが8100ppmでそれぞれ光学純度1
00%eeで流出した。成分分析はキラルデックスB−
TAキャピラリカラム(アステック(ASTEC)社
製)を用いてガスクロマトグラフィ法により行った。
【0142】ラフィネートから抜き出されたS−2−ク
ロロプロピオン酸メチルを含む溶液をエバポレータによ
り30mmHgで減圧蒸留して、イソプロピルエーテル
とS−2−クロロプロピオン酸メチルからなる液を得
た。(30mmHgでのS−2−クロロプロピオン酸メ
チルの沸点:約50〜60℃、30mmHgでのn−パ
ラフィンSLの沸点:80℃以上)さらに、イソプロピ
ルエーテル(常圧での沸点77℃)を常圧蒸留で抜き出
すことで塔底に残った化学純度96%(光学純度100
%ee)のS−2−クロロプロピオン酸メチル(常圧で
の沸点133℃)を得た。
【0143】エバポレータのボトム液は、ほとんど2−
クロロプロピオン酸メチルが含まれなくなるまでさらに
濃縮した後、イソプロピルエーテルとn−パラフィンS
Lを加えて移動相組成の溶液を調製し移動相へ返還し
た。
【0144】連続的なプロセスとして効率よく光学異性
体を吸着分離し、識別液体をプロセス系内へ返還できる
ことを確認した。
【0145】(シクロデキストリン誘導体組成物の性能
評価)以下の各実施例は、いくつかのシクロデキストリ
ン誘導体と希釈剤からなる識別液体を用いた評価結果を
示すものである。
【0146】以下の各実施例におけるバッチ式での評価
結果は静的な条件で測定したものであるが、このバッチ
式での評価は、実施例10で示されるような擬似移動床
方式など別の評価方法で得られる吸着分離能を簡便に評
価しているのものと見なすことができる。すなわち静的
な条件で吸着選択性が得られたものは擬似移動床方式に
よっても大きな差を見出すことができる。このため、静
的な条件で差異の得られたものは実質回分方式や移動床
方式によるクロマトグラフィ法により容易に分離でき
る。
【0147】実施例11 500℃で3時間焼成したフォージャサイト型ゼオライ
トKYを1.0g秤量し、識別剤・DHxTFA−B−
CD4.0gとp−ジエチルベンゼン(東レ(株)製)
6.0g、RS−2−クロロプロピオン酸メチル(東京
化成(株)製)1.0gからなる均一な溶液を3.5g
加え、室温で24時間吸着した後、上澄み液のRS−2
−クロロプロピオン酸メチルのR/S比を分析した。R
/S分析はガスクロマトグラフィ法によりキラルデック
スB−TA(アステック社製)カラムを用いて行った。
結果を表1に示した。
【0148】実施例12 実施例11と同様の方法で識別剤をDOTFA−B−C
Dに変えて、吸着分離能を評価した。結果を表1に示し
た。
【0149】実施例13 実施例11と同様の方法で識別剤をDOAc−B−CD
に変えて、吸着分離能を評価した。結果を表1に示し
た。
【0150】実施例14 実施例11と同様の方法で識別剤をDOPr−B−CD
に変えて、吸着分離能を評価した。結果を表1に示し
た。
【0151】実施例15 実施例11と同様の方法で識別剤をDOBu−B−CD
に変えて、吸着分離能を評価した。結果を表1に示し
た。
【0152】実施例16 実施例11と同様の方法で識別剤をDOVa−B−CD
に変えて、吸着分離能を評価した。結果を表1に示し
た。
【0153】実施例17 実施例11と同様の方法で識別剤をDOHx−B−CD
に変えて、吸着分離能を評価した。結果を表1に示し
た。
【0154】実施例18 実施例11と同様の方法で識別剤をDDTFA−B−C
Dに変えて、吸着分離能を評価した。結果を表1に示し
た。
【0155】実施例19 実施例11と同様の方法で識別剤をDBuPr−B−C
Dに変えて、吸着分離能を評価した。結果を表1に示し
た。
【0156】実施例20 実施例11と同様の方法で識別剤をDBuTFA−B−
CDに変えて、吸着分離能を評価した。結果を表1に示
した。
【0157】
【表1】
【0158】
【発明の効果】本発明の光学異性体の分割方法を用いる
ことで光学異性体を効率よく分割することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸留分離装置を示す図である。
【図2】本発明の吸収分離装置を示す図である。
【図3】実施例2におけるサンプル1(RS−2−クロ
ロプロピオン酸メチルのみ、溶媒 CDCl3)の1H−
NMRスペクトルを示す図である。
【図4】実施例2におけるサンプル2(S−2−クロロ
プロピオン酸メチル+DPTFA−B−CD、溶媒 C
DCl3)の1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図5】実施例2におけるサンプル3(RS−2−クロ
ロプロピオン酸メチル+DPTFA−B−CD、溶媒
CDCl3)の1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図6】実施例10において用いた擬似移動床方式装置
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−28194 (32)優先日 平成11年2月5日(1999.2.5) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 柴山 勝弘 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 青木 智之 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 山川 忍 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 Fターム(参考) 4D017 AA03 BA04 CA11 DA02 EA01 4D076 AA16 GA10 HA14 HA20 JA03 4H006 AA02 AC83 AD11 BC10 BC11 BC51 BC52

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学異性体を含む混合物に、該光学異性体
    を識別できる識別剤と希釈剤とからなる識別液体を向流
    接触させて、吸着分離、蒸留分離、吸収分離または膜分
    離により光学異性体を分割し、その後、識別液体を光学
    異性体の含有率5重量%以下で回収しリサイクル使用す
    る光学異性体の分割方法であって、 (a)希釈剤の比誘電率が30以下であり、かつ識別液
    体の粘度が分割操作下の温度で0.2Pa・s以下であ
    ること (b)識別剤を添加することにより、光学異性体の1
    または13C−NMRスペクトルピークが分裂する効果を
    有する識別剤と、該1Hまたは13C−NMRスペクトル
    測定時の測定溶媒の比誘電率と同じかまたは低い比誘電
    率を有する希釈剤を含むこと (c)識別剤の少なくとも1つの化合物の分割操作下の
    圧力での沸点が、希釈剤の少なくとも1つの化合物の分
    割操作下の圧力での沸点より高いこと (d)希釈剤の少なくとも1つの化合物の分割操作下の
    圧力での沸点が、分割しようとする光学異性体の分割操
    作下の圧力での沸点より10℃以上高いこと (e)識別液体中の識別剤の濃度が10重量%以上であ
    ること のうち、1つ以上の条件を満たすことを特徴とする光学
    異性体の分割方法。
  2. 【請求項2】識別剤が少なくとも2つ以上の不斉原子を
    有することを特徴とする請求項1に記載の光学異性体の
    分割方法。
  3. 【請求項3】識別剤が糖類、ヒドロキシカルボン酸、糖
    類誘導体およびヒドロキシカルボン酸誘導体から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の光学異性体の分割方法。
  4. 【請求項4】 識別剤がシクロデキストリン誘導体であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の光学異性体の分割
    方法。
  5. 【請求項5】 シクロデキストリン誘導体がエーテル基
    および/またはエステル基を有することを特徴とする請
    求項4に記載の光学異性体の分割方法。
  6. 【請求項6】シクロデキストリン誘導体が、下記式
    (I) 【化1】 (R1=ペンチルの場合、R2=トリフルオロアセチ
    ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリルまた
    はヘキサノイル、R1=n−ヘキシルの場合、R2=ト
    リフルオロアセチル、R1=n−オクチルの場合、R2
    =トリフルオロアセチル、アセチル、プロピオニル、ブ
    チリル、バレリルまたはヘキサノイル、R1=n−デシ
    ルの場合、R2=トリフルオロアセチル、R1=n−ブ
    チルの場合、R2=プロピオニルまたはトリフルオロア
    セチル)で示される化合物を含むことを特徴とする請求
    項5に記載の光学異性体の分割方法。
  7. 【請求項7】光学純度が増加した光学活性体を蒸留およ
    び/または蒸発により識別液体から分離することを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学異性体
    の分割方法。
  8. 【請求項8】光学純度が増加した光学対掌体を減圧蒸留
    および/または減圧下での蒸発により識別液体から分離
    することを特徴とする請求項7に記載の光学異性体の分
    割方法。
  9. 【請求項9】光学分割した光学異性体のうち一方をラセ
    ミ化し、光学異性体混合物としてリサイクルすることを
    特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学異
    性体の分割方法。
  10. 【請求項10】 結晶を析出させない条件下で、光学異
    性体混合物を蒸留分離または吸収分離することを特徴と
    する請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学異性体の
    分割方法。
  11. 【請求項11】 蒸留塔または吸収塔の上段部から識別
    液体を、蒸留塔または吸収塔の中段部から光学異性体混
    合物を注入することを特徴とする請求項10に記載の光
    学異性体の分割方法。
  12. 【請求項12】 蒸留塔または吸収塔の中段部から光学
    異性体混合物と識別液体を注入することを特徴とする請
    求項10に記載の光学異性体の分割方法。
  13. 【請求項13】 蒸留塔の下段部から識別液体と光学対
    掌体を含む溶液を抜き出し、光学対掌体と識別液体を分
    離した後、回収した識別液体を蒸留塔へ返還することを
    特徴とする請求項10に記載の光学異性体の分割方法。
  14. 【請求項14】 蒸留塔または吸収塔の上段部または下
    段部から光学対掌体を含む溶液を抜き出し、回収した光
    学対掌体成分をラセミ化した後、蒸留塔へ返還すること
    を特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の
    光学異性体の分割方法。
  15. 【請求項15】 減圧下で行うことを特徴とする請求項
    10〜14のいずれか1項に記載の光学異性体の分割方
    法。
  16. 【請求項16】 蒸留塔の塔底温度を40〜200℃と
    することを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項
    に記載の光学異性体の分割方法。
  17. 【請求項17】 光学異性体中のいずれかの光学対掌体
    Aと希釈剤Bの間の吸着選択係数αA/Bが0.2〜5.
    0であることを特徴とする請求項1に記載の光学異性体
    の分割方法。
  18. 【請求項18】 分割方法が擬似移動床を用いて行うこ
    とを特徴とする請求項1または17に記載の光学異性体
    の分割方法。
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