JP2000290312A - ポリマーの変性方法及び変性ポリマー - Google Patents

ポリマーの変性方法及び変性ポリマー

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JP2000290312A JP11103442A JP10344299A JP2000290312A JP 2000290312 A JP2000290312 A JP 2000290312A JP 11103442 A JP11103442 A JP 11103442A JP 10344299 A JP10344299 A JP 10344299A JP 2000290312 A JP2000290312 A JP 2000290312A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマー、特に疎水性ポリマーに、極性基を
簡易に導入できる汎用性の高いポリマーの変性方法を提
供する。 【解決手段】 ポリマーを、N−ヒドロキシフタルイミ
ドなどの下記式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示す)で表されるイミド化合物の存在
下、酸素、一酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物などの
酸素原子含有ガスで処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリマーの変性方
法、特に極性基を導入して帯電防止性などの特性を付与
できるポリマーの変性方法と、該方法により得られる変
性ポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレンなどの汎用的に用いられているポリマーの多く
は、分子内にフリーの極性基や反応性官能基を有してお
らず、疎水的な性質が強いため、一般に帯電しやすい。
そのため、通常、これらのポリマーに帯電防止剤を添加
して使用に供される。しかし、この方法では、しばし
ば、帯電防止剤のブリードアウトという問題を引き起こ
す。この問題を回避するためには、ポリマーそのものに
極性基を持たせることが必要である。
【0003】一般に、極性基を有するポリマーの製造法
として、(i)重合の段階で、極性基を有するモノマー
と共重合させる方法、(ii)酢酸セルロースに代表され
るように、元々親水性のポリマーをエステル化により疎
水化した後、脱エステル化(鹸化)によって、そのエス
テル化度をコントロールする方法、(iii)ベンゼン環
等の芳香環を有するポリマーの該芳香環を官能基化する
方法、(iv)ジシクロペンタジエンなどの不飽和結合部
を有する脂肪族環状炭化水素のポリマーの該不飽和部に
カルボキシル基等の親水性基を結合させる方法などが知
られている。
【0004】しかし、これらの方法では、官能基化のた
めの特殊なモノマーが必要であったり、水酸基や不飽和
部などの官能基を予め有している特定のポリマーにしか
適用できないなど、適用範囲が極めて狭い。また、ポリ
プロピレンなどを酸化処理して主鎖に極性基を導入する
方法も考えられるが、通常の酸化方法では主鎖が切断さ
れて低分子量化しやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ポリマー、特に疎水性ポリマーに、極性基を簡易に
導入できる汎用性の高いポリマーの変性方法を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、主鎖を切断すること
なく極性基を導入できるポリマーの変性方法を提供する
ことにある。本発明のさらに他の目的は、所望する極性
基を所望する割合で導入できるポリマーの変性方法を提
供することにある。本発明の他の目的は、帯電防止性に
優れたポリマーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、ポリマーを、特定の
触媒の存在下、酸素原子含有ガスで処理すると、該ポリ
マーに効率よく極性基を導入できることを見いだし、本
発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、ポリマーを、下記式
(1)
【化2】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
くは非芳香族性の環には、上記式(1)中に示されるN
−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていて
もよい)で表されるイミド化合物の存在下、酸素原子含
有ガスで処理することを特徴とするポリマーの変性方法
を提供する。前記酸素原子含有ガスとして、酸素、一酸
化炭素、窒素酸化物及び硫黄酸化物から選択された少な
くとも1種のガスを使用できる。本発明は、また、ポリ
マーを上記の方法により処理して得られる変性ポリマー
を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、被処理物である
ポリマーには、主鎖又は側鎖に第1級、第2級又は第3
級炭素原子を有する各種ポリマーが含まれる。前記ポリ
マーとして、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン系ポリエチレ
ンなど)、エチレンコポリマー(例えば、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共
重合体、アイオノマーなど)、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、ポリ−1−ブテン、ポリ(4
−メチルペンテン)(TPX)、ポリイソブチレンなど
のオレフィン系樹脂;ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−プロ
ピレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、イソプレン−スチレン共重合体などのジエン系樹
脂;シクロオレフィン類(例えば、シクロブテン、シク
ロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、3−メ
チルシクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロデセ
ン、3−メチルシクロデセン、シクロドデセン、シクロ
ドデカトリエン等)、ノルボルネン誘導体、テトラシク
ロドデセン、ジシクロペンタジエンと(メタ)アクリル
酸エステルとのディールスアルダー反応生成物などの環
状オレフィン類の開環重合体又はその水添物;前記環状
オレフィン類とエチレンなどのオレフィン類との共重合
体;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ポリ(α−メチルスチレン)などの芳香族ビニル化
合物を単量体成分とするポリマー;ビニルシクロヘキサ
ン、ビニルシクロヘキセン、ビニルアダマンタン、ビニ
ルノルボルナン、ビニルノルボルネンなどの脂環式ビニ
ル化合物を単量体成分とするポリマー;塩化ビニル系樹
脂;塩化ビニリデン系樹脂;酢酸ビニル系樹脂;セルロ
ース系樹脂;ポリエーテル;二塩基酸とグリコールの重
縮合により生成する種々のポリエステル;ポリアミド;
(メタ)アクリル酸エステルなどのアクリル系化合物を
単量体成分とするアクリル系樹脂などが含まれる。な
お、上記環状オレフィン類の開環重合体は、メタセシス
重合により得ることができる。
【0009】これらのポリマーのうち、(A)主鎖が飽
和炭素鎖である炭化水素系ポリマー、例えば、(A1)ポ
リエチレン(低密度ポリエチレン、メタロセン系ポリエ
チレンなど)、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペン
テン)などのオレフィン系樹脂、(A2)下記式(2)
【化3】 (式中、A環は1又は2以上の環が縮合していてもよい
脂環式炭化水素環を示す)で表される繰り返し単位を有
する脂環式炭化水素系樹脂(環状オレフィン類の開環重
合体の水添物、環状オレフィン類とエチレンとの共重合
体など)、(A3)ポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体などの芳香族炭化水素系樹脂(芳香族ビ
ニル化合物を単量体成分とするポリマー)、(A4)ビニ
ルシクロヘキサン、ビニルアダマンタンなどの脂環式ビ
ニル化合物を単量体成分とするポリマーなどが好まし
い。
【0010】前記A環としては、例えば、シクロペンタ
ン環、ノルボルナン環、トリシクロ[4.3.0.1
2,5]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]ドデカン環などが挙げられる。A環は置換基を有
していてもよい。前記置換基として、例えば、メチル、
エチル、イソプロピル基などのアルキル基(例えば、C
1-4アルキル基);シアノ基;メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、ブトキシカルボニル基などのエステ
ル基(置換オキシカルボニル基)などが挙げられる。
【0011】前記脂環式炭化水素系樹脂(A2)の代表的
な例として、商品名「アートン」(日本合成ゴム(株)
製)、商品名「ゼオネックス」(日本ゼオン(株)
製)、商品名「アペル」(三井化学(株)製)、商品名
「アポ」(三井化学(株)製)などが例示される。
【0012】また、前記ポリマーとして、(B)ポリア
クリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、下記式
(3)
【化4】 (Rは水素原子又はメチル基を示し、B環は単環又は多
環の脂環式炭素環を示す)で表される繰り返し単位を有
するアクリル系樹脂(分子内に脂環式炭素環を有するア
クリル系樹脂)も好ましい。このようなアクリル系樹脂
は、例えばポリメチルメタクリレートと比較して疎水性
が高く、吸湿に起因する光学的特性や寸法の変動が小さ
い。
【0013】前記B環は、メチル、エチル、イソプロピ
ル基などのアルキル基(例えば、C 1-4アルキル基)等
の置換基を有していてもよい。B環の代表的な例とし
て、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、アダ
マンタン環、ノルボルネン環、デカリン環、パーヒドロ
アントラセン環などが挙げられる。前記脂環式炭素環を
有するアクリル系樹脂は、式(3)で表される繰り返し
単位に対応する(メタ)アクリル酸エステルの単独重合
体であってもよく、該(メタ)アクリル酸エステルとメ
タクリル酸メチルなどの他の共重合性モノマーとの共重
合体であってもよい。前記被処理物としてのポリマー
は、酸素原子含有ガスに対する反応性の点から、第2級
又は第3級炭素原子、特に第3級炭素原子を有している
のが好ましい。
【0014】本発明では、触媒として、前記式(1)で
表されるイミド化合物を用いる。このイミド化合物にお
いて、置換基R1及びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ
素、臭素、塩素およびフッ素原子が含まれる。アルキル
基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、
ヘキシル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状
又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル
基としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1
〜4程度の低級アルキル基が挙げられる。
【0015】アリール基には、フェニル、ナフチル基な
どが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、
シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、
例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜
10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素数1
〜4程度の低級アルコキシ基が含まれる。
【0016】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカル
ボニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ
部分の炭素数が1〜10程度のアルコキシカルボニル基
が含まれる。好ましいカルボニル基にはアルコキシ部分
の炭素数が1〜6程度、特に1〜4程度の低級アルコキ
シカルボニル基が含まれる。アシル基としては、例え
ば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル基な
どの炭素数1〜6程度のアシル基が例示できる。
【0017】前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっ
ていてもよい。また、前記式(1)において、R1及び
2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は
非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又
は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度
であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化
水素環である場合が多い。このような環には、例えば、
非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を
有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環
などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環な
ど)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの
置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、
ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していても
よい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、
芳香族環で構成される場合が多い。前記環は、アルキル
基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、
ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置
換基を有していてもよい。前記式(1)において、Xは
酸素原子又はヒドロキシル基を示し、窒素原子NとXと
の結合は単結合又は二重結合である。
【0018】前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結
合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香
族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状
イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい。例
えば、R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場
合、このアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子
を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていても
よい。また、R1及びR2が互いに結合して二重結合を形
成する場合、該二重結合を含んで前記N−置換環状イミ
ド基が形成されていてもよい。さらに、R1及びR2が互
いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成す
る場合、該環を構成する隣接する2つの炭素原子を含ん
で前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。
【0019】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【化5】 (式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ア
ルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳
香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。式
(1f)中、Aはメチレン基又は酸素原子を示す。R1
2は前記に同じ。式(1c)のベンゼン環には、式(1
c)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は
2個形成されていてもよい)
【0020】置換基R3〜R6において、アルキル基に
は、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭
素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基
には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度の
ハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアル
コキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシ
カルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程
度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。また、ア
シル基としては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1
〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3
〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級ア
ルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子で
ある場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環
としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環
と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12
員環が好ましい。
【0021】好ましいイミド化合物の代表的な例とし
て、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロ
フタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサ
ンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イ
ミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N
−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロ
キシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなどが挙げら
れる。前記イミド化合物は、慣用のイミド化反応、例え
ば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンNH2OH
とを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経てイミド
化する方法により調製できる。
【0022】前記酸無水物には、例えば、無水コハク
酸、無水マレイン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカル
ボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
無水物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカル
ボン酸1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性
環状多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環
式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テト
ラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリ
メット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、1,8;4,
5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族
多価カルボン酸無水物が含まれる。
【0023】特に好ましいイミド化合物は、脂環式多価
カルボン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物、な
かでも芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−
ヒドロキシイミド化合物、例えば、N−ヒドロキシフタ
ル酸イミドなどが含まれる。式(1)で表されるイミド
化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用でき
る。
【0024】本発明の方法において、触媒として用いる
式(1)で表されるイミド化合物の使用量は、広い範囲
で選択でき、例えば、前記ポリマーを処理する際に用い
る処理液中の濃度として、0.001〜1mol/l程
度、好ましくは0.01〜0.5mol/l程度であ
る。
【0025】本発明では、前記イミド化合物とともに助
触媒を用いることもできる。助触媒として、金属化合物
が挙げられる。助触媒として金属化合物を用いることに
より、反応速度や反応の選択性を向上させることができ
る。
【0026】金属化合物を構成する金属元素としては、
特に限定されないが、周期表2〜15族の金属元素を用
いる場合が多い。なお、本明細書では、ホウ素Bも金属
元素に含まれるものとする。例えば、前記金属元素とし
て、周期表2族元素(Mg、Ca、Sr、Baなど)、
3族元素(Sc、ランタノイド元素、アクチノイド元素
など)、4族元素(Ti、Zr、Hfなど)、5族元素
(Vなど)、6族元素(Cr、Mo、Wなど)、7族元
素(Mnなど)、8族元素(Fe、Ruなど)、9族元
素(Co、Rhなど)、10族元素(Ni、Pd、Pt
など)、11族元素(Cuなど)、12族元素(Znな
ど)、13族元素(B、Al、Inなど)、14族元素
(Sn、Pbなど)、15族元素(Sb、Biなど)な
どが挙げられる。好ましい金属元素には、遷移金属元素
(周期表3〜12族元素)が含まれる。なかでも、周期
表5〜11族元素、特に5族〜9族元素が好ましく、と
りわけV、Mo、Mn、Coなどが好ましい。金属元素
の原子価は特に制限されず、例えば0〜6価程度であ
る。
【0027】金属化合物としては、前記金属元素の単
体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロゲン
化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オキソ
酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、
炭酸塩など)、イソポリ酸の塩、ヘテロポリ酸の塩など
の無機化合物;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン
酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩など)、
錯体などの有機化合物が挙げられる。前記錯体を構成す
る配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコキシ
(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)、
アシル(アセチル、プロピオニルなど)、アルコキシカ
ルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルな
ど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル基、
ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、酸素原
子、H2O(アコ)、ホスフィン(トリフェニルホスフ
ィンなどのトリアリールホスフィンなど)のリン化合
物、NH 3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO
3(ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合
物などが挙げられる。
【0028】金属化合物の具体例としては、例えば、コ
バルト化合物を例にとると、水酸化コバルト、酸化コバ
ルト、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、硫
酸コバルト、リン酸コバルトなどの無機化合物;酢酸コ
バルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトな
どの有機酸塩;コバルトアセチルアセトナトなどの錯体
等の2価又は3価のコバルト化合物などが挙げられる。
また、バナジウム化合物の例としては、水酸化バナジウ
ム、酸化バナジウム、塩化バナジウム、塩化バナジル、
硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジン酸ナトリウム
などの無機化合物;バナジウムアセチルアセトナト、バ
ナジルアセチルアセトナトなどの錯体等の2〜5価のバ
ナジウム化合物などが挙げられる。他の金属元素の化合
物としては、前記コバルト又はバナジウム化合物に対応
する化合物などが例示される。金属化合物は単独で又は
2種以上組み合わせて使用できる。前記金属化合物の使
用量は、例えば、前記イミド化合物1モルに対して、
0.001〜0.1モル程度、好ましくは0.005〜
0.08モル程度である。
【0029】本発明では、また、助触媒として、少なく
とも1つの有機基が結合した周期表15族又は16族元
素を含む多原子陽イオン又は多原子陰イオンとカウンタ
ーイオンとで構成された有機塩を用いることもできる。
助触媒として前記有機塩を用いることにより、反応速度
や反応の選択性を向上させることができる。
【0030】前記有機塩において、周期表15族元素に
は、N、P、As、Sb、Biが含まれる。周期表16
族元素には、O、S、Se、Teなどが含まれる。好ま
しい元素としては、N、P、As、Sb、Sが挙げら
れ、特に、N、P、Sなどが好ましい。
【0031】前記元素の原子に結合する有機基には、置
換基を有していてもよい炭化水素基、置換オキシ基など
が含まれる。炭化水素基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシ
ル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アリ
ルなどの炭素数1〜30程度(好ましくは炭素数1〜2
0程度)の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(ア
ルキル基、アルケニル基及びアルキニル基);シクロペ
ンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜8程度の脂環
式炭化水素基;フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜1
4程度の芳香族炭化水素基などが挙げられる。炭化水素
基が有していてもよい置換基として、例えば、ハロゲン
原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例え
ば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基
など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置
換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置
換又は無置換アミノ基、アルキル基(例えば、メチル、
エチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキ
ル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基な
ど)、複素環基などが例示できる。好ましい炭化水素基
には、炭素数1〜30程度のアルキル基、炭素数6〜1
4程度の芳香族炭化水素基(特に、フェニル基又はナフ
チル基)などが含まれる。前記置換オキシ基には、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基など
が含まれる。
【0032】前記有機塩の代表的な例として、有機アン
モニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機スルホニウム塩
などの有機オニウム塩が挙げられる。有機アンモニウム
塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロリ
ド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチル
アンモニウムクロリド、テトラヘキシルアンモニウムク
ロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ト
リエチルフェニルアンモニウムクロリド、トリブチル
(ヘキサデシル)アンモニウムクロリド、ジ(オクタデ
シル)ジメチルアンモニウムクロリドなどの第4級アン
モニウムクロリド、及び対応する第4級アンモニウムブ
ロミドなどの、窒素原子に4つの炭化水素基が結合した
第4級アンモニウム塩;ジメチルピペリジニウムクロリ
ド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、メチルキノリ
ニウムクロリドなどの環状第4級アンモニウム塩などが
挙げられる。また、有機ホスホニウム塩の具体例として
は、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチル
ホスホニウムクロリド、トリブチル(ヘキサデシル)ホ
スホニウムクロリド、トリエチルフェニルホスホニウム
クロリドなどの第4級ホスホニウムクロリド、及び対応
する第4級ホスホニウムブロミドなどの、リン原子に4
つの炭化水素基が結合した第4級ホスホニウム塩などが
挙げられる。有機スルホニウム塩の具体例としては、ト
リエチルスルホニウムイオジド、エチルジフェニルスル
ホニウムイオジドなどの、イオウ原子に3つの炭化水素
基が結合したスルホニウム塩などが挙げられる。
【0033】また、前記有機塩には、メタンスルホン酸
塩、エタンスルホン酸塩、オクタンスルホン酸塩、ドデ
カンスルホン酸塩などのアルキルスルホン酸塩(例え
ば、C 6-18アルキルスルホン酸塩);ベンゼンスルホン
酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン
酸塩、デシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼン
スルホン酸塩などのアルキル基で置換されていてもよい
アリールスルホン酸塩(例えば、C6-18アルキル−アリ
ールスルホン酸塩);スルホン酸型イオン交換樹脂(イ
オン交換体);ホスホン酸型イオン交換樹脂(イオン交
換体)なども含まれる。前記有機塩の使用量は、例え
ば、前記イミド化合物1モルに対して、0.001〜
0.1モル程度、好ましくは0.005〜0.08モル
程度である。
【0034】本発明では、前記イミド化合物とともに強
酸を用いることもできる。前記イミド化合物と強酸を併
用すると、酸素原子含有ガスとして酸素を用いることに
より、プラスチック成形品を構成するポリマーのメチレ
ン炭素原子(第2級炭素原子)などにオキソ基を効率よ
く導入することができる。
【0035】前記強酸には、例えばpKa2以下(25
℃)の化合物が含まれる。強酸のpKaは、好ましくは
−15〜2程度、さらに好ましくは−10〜0程度であ
る。強酸としては、例えば、ハロゲン化水素(フッ化水
素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素)、ハロゲン化水
素酸(フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素
酸)、オキソ酸(硫酸、硝酸、リン酸、クロム酸などの
金属酸、塩素酸などのハロゲン酸など)、超強酸(Cl
SO3H、H2SO4−SO3、FSO3H、FSO3H−S
3、FSO3H−SbF5、HF−SbF5など)、ヘテ
ロポリ酸(ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リ
ンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンバナドモリ
ブデン酸、リンバナドタングステン酸など)、スルホン
酸類(メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸など)等が挙げられる。好ましい強
酸には、無機酸、例えば、ハロゲン化水素、ハロゲン化
水素酸、硫酸、ヘテロポリ酸などが含まれる。強酸は単
独で又は2種以上混合して使用できる。強酸の使用量
は、前記イミド化合物1モルに対して、例えば0.00
1〜3モル程度、好ましくは0.1〜1モル程度であ
る。
【0036】また、本発明の方法では、系内に、ラジカ
ル発生剤やラジカル反応促進剤を存在させてもよい。こ
のような成分として、例えば、ハロゲン(塩素、臭素な
ど)、過酸(過酢酸、m−クロロ過安息香酸など)、過
酸化物(過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド
(TBHP)等のヒドロペルオキシドなど)などが挙げ
られる。これらの成分を系内に存在させると、反応が促
進される場合がある。前記成分の使用量は、前記イミド
化合物1モルに対して、例えば0.001〜0.1モル
程度である。
【0037】さらに、本発明では、反応系内に共反応剤
(前記イミド化合物の存在下で酸素原子含有ガスと反応
可能な化合物;特開平8−38909号公報、特開平9
−327626号公報など参照)を共存させてもよい。
反応系内に前記共反応剤を共存させると、該共反応剤が
ラジカル発生剤的な機能を果たすためか、反応が促進さ
れ、プラスチック成形品表面が短時間内に親水性化され
る場合が多い。
【0038】このような共反応剤として、例えば、
(a)第1級又は第2級アルコール、(b)不飽和結合
に隣接する部位に炭素−水素結合を有する化合物、
(c)メチン炭素原子を有する化合物、(d)シクロア
ルカン類、(e)ヘテロ原子の隣接位に炭素−水素結合
を有する非芳香族性複素環化合物、(f)共役化合物、
(g)芳香族炭化水素、(h)チオール類、(i)エー
テル類、(j)スルフィド類、(k)アルデヒド若しく
はチオアルデヒド類、及び(l)アミン類から選択され
た少なくとも1種の化合物を使用できる。これらの化合
物は、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、オキソ
基、ヒドロキシル基、メルカプト基、置換オキシ基(例
えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ
基など)、置換チオ基、カルボキシル基、置換オキシカ
ルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ
基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、アルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シク
ロアルケニル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフ
チル基など)、アラルキル基、複素環基などを有してい
てもよい。
【0039】(a)第1級又は第2級アルコール 第1級又は第2級アルコール(a)には、広範囲のアル
コールが含まれる。アルコールは、1価、2価又は多価
アルコールの何れであってもよい。第1級アルコールと
しては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、
1−ブタノール、1−デカノール、エチレングリコール
などの飽和又は不飽和脂肪族第1級アルコール;シクロ
ペンチルメチルアルコール、シクロヘキシルメチルアル
コールなどの飽和又は不飽和脂環式第1級アルコール;
ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコールな
どの芳香族第1級アルコール;2−ヒドロキシメチルピ
リジンなどの複素環式アルコールが挙げられる。第2級
アルコールとしては、2−プロパノール、s−ブチルア
ルコールなどの飽和又は不飽和脂肪族第2級アルコー
ル;シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの飽
和又は不飽和脂環式第2級アルコール;1−フェニルエ
タノール、1−フェニルプロパノール、1−フェニルメ
チルエタノール、ジフェニルメタノールなどの芳香族第
2級アルコール;1−(2−ピリジル)エタノールなど
の複素環式第2級アルコールなどが含まれる。好ましい
第1級又は第2級アルコール(a)には、第2級アルコ
ール(例えば、s−ブチルアルコールなどの脂肪族第2
級アルコール、シクロヘキサノールなどの脂環式第2級
アルコール、1−フェニルエタノールなどの芳香族第2
級アルコール)が含まれる。前記アルコール(a)は単
独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0040】(b)不飽和結合に隣接する部位に炭素−
水素結合を有する化合物 不飽和結合に隣接する部位に炭素−水素結合を有する化
合物(b)としては、(b1)芳香族性環の隣接位(いわ
ゆるベンジル位)にメチル基又はメチレン基を有する芳
香族性化合物、(b2)不飽和結合(例えば、炭素−炭素
三重結合、炭素−酸素二重結合など)の隣接位にメチル
基又はメチレン基を有する非芳香族性化合物などが挙げ
られる。前記芳香族性化合物(b1)において、芳香族性
環は、芳香族炭化水素環、芳香族性複素環の何れであっ
てもよい。なお、芳香族性環の隣接位のメチレン基は、
前記芳香族性環に縮合した非芳香族性環を構成するメチ
レン基であってもよい。芳香族性環の隣接位にメチル基
を有する芳香族化合物としては、例えば、芳香環に1〜
6個程度のメチル基が置換した芳香族炭化水素類(例え
ば、トルエン、キシレン、メチルナフタレンなど)、複
素環に1〜6個程度のメチル基が置換した複素環化合物
(例えば、4−メチルピリジンなど)などが例示でき
る。芳香族性環の隣接位にメチレン基を有する芳香族化
合物としては、例えば、炭素数2以上のアルキル基又は
置換アルキル基を有する芳香族炭化水素類(例えば、エ
チルベンゼン、プロピルベンゼン、ジフェニルメタンな
ど)、炭素数2以上のアルキル基又は置換アルキル基を
有する芳香族性複素環化合物(例えば、4−エチルピリ
ジンなど)、芳香族性環に非芳香族性環が縮合した化合
物であって、該非芳香族性環のうち芳香族性環に隣接す
る部位にメチレン基を有する化合物(ジヒドロナフタレ
ン、インデン、インダン、テトラリン、フルオレン、ア
セナフテン、フェナレン、キサンテン等)などが例示で
きる。
【0041】不飽和結合の隣接位にメチル基又はメチレ
ン基を有する非芳香族性化合物(b2)には、例えば、
(b2-1)炭素−炭素三重結合の隣接位にメチル基又はメ
チレン基を有する鎖状不飽和炭化水素類、(b2-2)カル
ボニル基の隣接位にメチル基又はメチレン基を有する化
合物が例示できる。前記鎖状不飽和炭化水素類(b2-1)
としては、例えば、メチルアセチレンなどの炭素数3〜
20程度のアルキン類が例示できる。前記化合物(b2-
2)には、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチル
ケトン、3−ペンタノン、アセトフェノンなどの鎖状ケ
トン類;シクロヘキサノンなどの環状ケトン類)、カル
ボン酸又はその誘導体(例えば、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、及びこれらのエステルなど)などが含まれ
る。
【0042】(c)メチン炭素原子を有する化合物 メチン炭素原子(又は第3級炭素原子)を有する化合物
(c)には、(c1)環の構成単位としてメチン基(すな
わち、メチン炭素−水素結合)を含む環状化合物、(c
2)メチン炭素原子を有する鎖状化合物が含まれる。環
状化合物(c1)には、(c1-1)少なくとも1つのメチン
基を有する橋かけ環式化合物、(c1-2)環に炭化水素基
が結合した非芳香族性環状化合物(脂環式炭化水素な
ど)などが含まれる。なお、前記橋かけ環式化合物に
は、2つの環が2個の炭素原子を共有している化合物、
例えば、縮合多環式芳香族炭化水素類の水素添加生成物
なども含まれる。
【0043】橋かけ環式化合物(c1-1)としては、例え
ば、デカリン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ピナ
ン、ピネン、ボルナン、ノルボルナン、ノルボルネン、
カンファー、エンドトリシクロ[5.2.1.02,6
デカン、アダマンタン、1−アダマンタノール、ペルヒ
ドロアントラセンなどの2〜4環式の橋かけ環式炭化水
素又は橋かけ複素環化合物及びそれらの誘導体などが挙
げられる。これらの橋かけ環式化合物は、橋頭位(2環
が2個の原子を共有している場合には接合部位に相当)
にメチン炭素原子を有する。環に炭化水素基が結合した
非芳香族性環状化合物(c1-2)としては、1−メチルシ
クロペンタン、1−メチルシクロヘキサンなどの炭化水
素基(例えば、アルキル基など)が環に結合した脂環式
炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。環に炭化水素
基が結合した非芳香族性環状化合物(b1-2)は、環と前
記炭化水素基との結合部位にメチン炭素原子を有する。
【0044】メチン炭素原子を有する鎖状化合物(c2)
としては、第3級炭素原子を有する鎖状炭化水素類、例
えば、イソブタン、イソペンタン、イソヘキサン、3−
メチルペンタンなどの脂肪族炭化水素類およびその誘導
体などが例示できる。
【0045】(d)シクロアルカン類 シクロアルカン類(d)としては、例えば、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタ
ン、シクロドデカン、シクロテトラデカン、及びこれら
の誘導体などが例示できる。
【0046】(e)ヘテロ原子の隣接位に炭素−水素結
合を有する非芳香族性複素環化合物 ヘテロ原子の隣接位に炭素−水素結合を有する非芳香族
性複素環化合物(e)における非芳香族性複素環には、
窒素原子、酸素原子及びイオウ原子から選択された少な
くとも1種のヘテロ原子を有する複素環などが含まれ
る。前記複素環には、ベンゼン環、シクロヘキサン環、
ピリジン環などの芳香族性又は非芳香族性の環が1又は
2以上縮合していてもよい。前記複素環としては、例え
ば、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ピラン、ジ
ヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピロリジン、ピペ
リジン、ピペラジン、モルホリン、インドリン、クロマ
ン、イソクロマンなどが例示される。
【0047】(f)共役化合物 共役化合物(f)には、共役ジエン類(f1)、α,β−
不飽和ニトリル(f2)、α,β−不飽和カルボン酸又は
その誘導体(例えば、エステル、アミド、酸無水物等)
(f3)などが挙げられる。共役ジエン類(f1)として
は、例えば、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられ
る。なお、共役ジエン類(f1)には、二重結合と三重結
合とが共役している化合物、例えば、ビニルアセチレン
なども含めるものとする。α,β−不飽和ニトリル(f
2)としては、例えば、(メタ)アクリロニトリルなど
が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導
体(f3)としては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メ
タ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド又は
その誘導体などが挙げられる。
【0048】(g)芳香族炭化水素 芳香族炭化水素(g)としては、ベンゼン、ナフタレ
ン、アセナフチレン、フェナントレン、アントラセン、
ナフタセンなどの、少なくともベンゼン環を1つ有する
芳香族化合物、好ましくは少なくともベンゼン環が複数
個(例えば、2〜10個)縮合している縮合多環式芳香
族化合物などが挙げられる。これらの芳香族炭化水素
は、1又は2以上の置換基を有していてもよい。置換基
を有する芳香族炭化水素の具体例として、例えば、2−
クロロナフタレン、2−メトキシナフタレン、1−メチ
ルナフタレン、2−メチルナフタレン、2−メチルアン
トラセン、2−t−ブチルアントラセン、2−カルボキ
シアントラセン、2−エトキシカルボニルアントラセ
ン、2−シアノアントラセン、2−ニトロアントラセ
ン、2−メチルペンタレンなどが挙げられる。また、前
記ベンゼン環には、非芳香族性炭素環、芳香族性複素
環、又は非芳香族性複素環が縮合していてもよい。
【0049】(h)チオール類 チオール類(h)としては、メタンチオール、エタンチ
オールなどの脂肪族チオール;シクロペンタンチオール
などの脂環式チオール;フェニルメタンチオールなどの
芳香族チオールなどが挙げられる。
【0050】(i)エーテル類 エーテル類(i)としては、ジエチルエーテル、ジプロ
ピルエーテルなどの脂肪族エーテル類;アニソール、ジ
ベンジルエーテル等の芳香族エーテルなどが挙げられ
る。
【0051】(j)スルフィド類 スルフィド類(j)としては、ジエチルスルフィド、ジ
プロピルスルフィドなどの脂肪族スルフィド類;メチル
フェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィドなどの
芳香族スルフィド類などが挙げられる。
【0052】(k)アルデヒド若しくはチオアルデヒド
類 アルデヒド類としては、アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、ヘキサナール、デカナール、スクシンアル
デヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒドなど
の脂肪族アルデヒド;ホルミルシクロヘキサンなどの脂
環式アルデヒド;ベンズアルデヒド、ニトロベンズアル
デヒド、シンナムアルデヒド、サリチルアルデヒド、ア
ニスアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデ
ヒド、テレフタルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド;
フルフラール、ニコチンアルデヒドなどの複素環アルデ
ヒドなどが挙げられる。チオアルデヒド類としては、前
記アルデヒド類に対応するチオアルデヒド類が挙げられ
る。
【0053】(l)アミン類 アミン類(l)としては、第1級または第2級アミン、
例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
エチレンジアミン、ヒドロキシルアミン、エタノールア
ミンなどの脂肪族アミン;シクロヘキシルアミンなどの
脂環式アミン;ベンジルアミン、トルイジンなどの芳香
族アミンなどが例示される。
【0054】これらの共反応剤の中でも、(a)第1級
又は第2級アルコール、(b)不飽和結合に隣接する部
位に炭素−水素結合を有する化合物、(c)メチン炭素
原子を有する化合物、(d)シクロアルカン類などが好
ましく、特に、第2級アルコール、及び(b1)芳香族性
環の隣接位(いわゆるベンジル位)にメチル基又はメチ
レン基を有する芳香族化合物(例えば、トルエンやエチ
ルベンゼンなどのように芳香環の隣接位にメチル基又は
メチレン基を有する芳香族炭化水素類;フルオレンやテ
トラリンなどのように、芳香族性環に非芳香族性環が縮
合した化合物であって、該非芳香族性環のうち芳香族性
環に隣接する部位にメチレン基を有する化合物など)、
アダマンタンなどのメチン炭素原子を有する橋かけ環式
化合物などが好ましい。
【0055】前記共反応剤は単独で又は2種以上混合し
て使用できる。共反応剤の使用量は、広い範囲で選択で
き、例えば、前記ポリマーを処理する際に用いる処理液
中の濃度として、0.001〜10mol/l、好まし
くは0.01〜5mol/l(特に、0.1〜3mol
/l)程度である。前記共反応剤を反応溶媒として用い
ることもできる。
【0056】本発明では、また、系内に1,2−ジカル
ボニル化合物又はそのヒドロキシ還元体を存在させても
よい。1,2−ジカルボニル化合物又はそのヒドロキシ
還元体を系内に存在させ、且つ酸素含有ガスとして酸素
を用いると、ポリマー分子を構成する炭素原子(特に、
メチン炭素原子)にアシル基が導入される。
【0057】前記1,2−ジカルボニル化合物又はその
ヒドロキシ還元体には、下記式(4)で表される化合物
が含まれる。
【化6】 (式中、Ra及びRbは、同一又は異なって、水素原子、
炭化水素基又は複素環基を示すか、又は、Ra及びR
bは、互いに結合して隣接する2つの炭素原子と共に環
を形成してもよい。Z1及びZ2は、同一又は異なって、
酸素原子又はヒドロキシル基を示す)
【0058】Ra、Rbにおける炭化水素基には、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オク
タデシル、アリル基などの炭素数1〜20(好ましくは
1〜10、特に1〜6)程度の直鎖状又は分岐鎖状の脂
肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基及びアルキ
ニル基);シクロペンチル、シクロヘキシル基などの炭
素数3〜8程度の脂環式炭化水素基(シクロアルキル基
及びシクロアルケニル基);フェニル、ナフチル基など
の炭素数6〜14程度の芳香族炭化水素基(アリール
基)が含まれる。
【0059】前記複素環基における複素環としては、例
えば、テトラヒドロフラン、ピロリジン、ピペリジン、
ピペラジン、モルホリン、インドリン、フラン、オキサ
ゾール、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾ
ール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、
インドール、キノリンなどの窒素原子、酸素原子及びイ
オウ原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を
1〜3個程度含む3〜15員(好ましくは5〜12員、
さらに好ましくは5又は6員)程度の複素環(縮合環を
含む)などが含まれる。
【0060】前記炭化水素基及び複素環基は、種々の置
換基、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル
基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシルオキシ基など)、カルボキシル基、置換
オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、
シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニ
ル、ナフチル基など)、複素環基などを有していてもよ
い。RaとRbは同一の基である場合が多い。
【0061】Ra及びRbが互いに結合して隣接する2つ
の炭素原子と共に形成する環としては、シクロペンタン
環、シクロヘキサン環などの3〜15員(好ましくは5
〜6員)程度のシクロアルカン環が挙げられる。前記環
は、例えば上記のような置換基を有していてもよい。Z
1及びZ2は、酸素原子又はヒドロキシル基を示し、炭素
原子とZ1、Z2との結合は単結合又は二重結合である。
【0062】式(4)で表される化合物のうち、好まし
い化合物には、下記式(4a)で表される化合物が含まれ
る。
【化7】 (式中、Ra1及びRb1は、同一又は異なって、炭素数1
〜4のアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を
示すか、又は、Ra1及びRb1は、互いに結合して隣接す
る2つの炭素原子と共に環を形成してもよい。Z1及び
2は、同一又は異なって、酸素原子又はヒドロキシル
基を示す) 特に好ましいRa1及びRb1は、メチル基又はエチル基、
特にメチル基である。Ra1及びRb1は同一の基である場
合が多い。
【0063】前記1,2−ジカルボニル化合物の好まし
い具体例として、ビアセチル(2,3−ブタンジオ
ン)、2,3−ペンタンジオン、3,4−ヘキサンジオ
ン、ビベンゾイル(ベンジル)、アセチルベンゾイル、
シクロペンタン−1,2−ジオン、シクロヘキサン−
1,2−ジオンなどのα−ジケトン類が挙げられる。な
かでも、ビアセチルなどが好ましい。前記1,2−ジカ
ルボニル化合物のヒドロキシ還元体の好ましい例として
は、アセトイン、ベンゾインなどのα−ケトアルコール
類;2,3−ブタンジオール、2,3−ペンタンジオー
ルなどのビシナルジオール類が含まれる。なかでも、ア
セトイン、2,3−ブタンジオールなどが好ましい。
【0064】前記1,2−ジカルボニル化合物又はその
ヒドロキシ還元体の使用量は、例えば、前記イミド化合
物1モルに対して、2〜1000モル程度、好ましくは
5〜500モル程度である。なお、1,2−ジカルボニ
ル化合物又はそのヒドロキシ還元体を用いる場合、前記
イミド化合物の代わりに、又は、前記イミド化合物と共
に前記金属化合物を用いてもよい。
【0065】本発明において、酸素原子含有ガス(以
下、「反応ガス」と称する場合がある)には、例えば、
酸素、一酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物などが含ま
れる。これらのガスは、単独で又は2種以上組み合わせ
て使用できる。
【0066】酸素は、分子状酸素、活性酸素の何れであ
ってもよい。分子状酸素は、特に制限されず、純粋な酸
素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化
炭素などの不活性ガスで希釈した酸素や空気を使用して
もよい。酸素として分子状酸素を用いる場合が多い。
【0067】窒素酸化物としては、例えば、N23、N
2O、NO、NO2などが挙げられる。これら(例えば、
2O、NO、NO2など)は酸素と共に用いることがで
きる。また、硫黄酸化物としては、SO2、SO3などが
例示できる。これら(例えば、SO2など)は酸素と共
に用いることができる。
【0068】反応ガスとして酸素を用いる場合には、ポ
リマー分子の第1級炭素原子(例えば、ベンジル位又は
アリル位のメチル炭素原子)、第2級炭素原子(例え
ば、ベンジル位又はアリル位のメチレン炭素原子、非芳
香族性炭素環を形成するメチレン炭素原子など)又は第
3級炭素原子(分岐状アルキル基又はアルキレン基にお
けるメチン炭素原子、多環式基の接合位や橋頭位のメチ
ン炭素原子など)にヒドロキシル基、オキソ基又はカル
ボキシル基が導入される。
【0069】反応ガスとして一酸化炭素と酸素とを用い
ると、ポリマー分子を構成する炭素原子にカルボキシル
基を導入できる。この場合、一酸化炭素と酸素の割合
は、一酸化炭素/酸素(モル比)=1/99〜99/
1、好ましくは10/90〜99/1程度である。
【0070】また、反応ガスとして酸素を用い、且つ反
応系内に前記1,2−ジカルボニル化合物又はそのヒド
ロキシ還元体を存在させると、前記のように、ポリマー
分子を構成する炭素原子(特に、メチン炭素原子)にア
シル基[式(4)で表される化合物を用いる場合には、
aC(=O)−又はRbC(=O)−]が導入される。
反応ガスとして窒素酸化物(又は、窒素酸化物と酸素)
を用いると、ポリマー分子を構成する炭素原子にニトロ
基が導入される。また、反応ガスとして硫黄酸化物(又
は、硫黄酸化物と酸素)を用いた場合には、ポリマー分
子を構成する炭素原子に、SO3H基、SO2H基などが
導入される。反応ガスの使用量は、反応速度、所望する
親水性基導入量、操作性などを考慮して適宜選択でき
る。
【0071】前記ポリマーの処理は、通常、該ポリマー
を溶解可能で且つ前記イミド化合物を含む溶媒中に前記
ポリマーを溶解させ、これに反応ガスを導入することに
より行われる。反応ガスは液化して導入することも可能
である。
【0072】溶媒としては、前記ポリマーの種類に応じ
て、適宜選択でき、例えば、酢酸、プロピオン酸などの
有機酸;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニ
トリルなどのニトリル類;ホルムアミド、アセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセト
アミドなどのアミド類;t−ブタノール、t−アミルア
ルコールなどのアルコール類;ヘキサン、オクタンなど
の脂肪族炭化水素;ベンゼンなどの芳香族炭化水素;ク
ロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化
炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリフルオ
ロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロベ
ンゼン、ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合
物;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル
類;及びこれらの混合溶媒などを使用できる。溶媒中に
水を適量添加してもよい。溶媒として、酢酸などの有機
酸、ベンゾニトリルなどのニトリル類、クロロベンゼン
やトリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素等を用いる場合が多い。
【0073】処理温度(反応温度)は、ポリマーの種類
や反応ガスの種類などに応じて適当に選択できる。例え
ば、反応ガスとして酸素を用いてポリマーの炭素原子に
ヒドロキシル基やオキソ基などを導入する場合には、処
理温度は0〜300℃程度、好ましくは30〜250℃
程度である。また、反応ガスとして一酸化炭素と酸素と
を用い、ポリマーの炭素原子にカルボキシル基を導入す
る場合の処理温度は、例えば0〜200℃程度、好まし
くは10〜150℃程度である。さらに、反応ガスとし
て窒素酸化物又は硫黄酸化物を用いる場合の処理温度
は、例えば0〜150℃程度、好ましくは10〜125
℃程度である。前記処理は、常圧又は加圧下で行うこと
ができ、加圧下で行う場合には、通常、1〜100at
m(例えば、1.5〜80atm)、好ましくは2〜7
0atm程度である。処理時間は、処理温度及び処理圧
力に応じて、例えば、30分〜48時間程度の範囲から
適当に選択できる。
【0074】反応ガス濃度や、処理温度、処理時間など
の反応条件を調整することにより、ポリマーに導入する
極性基の量(官能基導入率)をコントロールすることが
できる。前記処理は、反応ガスの存在下又は反応ガスの
流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法に
より行うことができる。
【0075】反応ガスによる処理後、反応混合物を、慣
用の分離精製操作、例えば、再沈殿、晶析、再結晶、濾
過などに付すことにより分離できる。こうして得られた
変性ポリマーは、ポリマーを構成する炭素原子にヒドロ
キシル基などの極性基が導入されているため、元のポリ
マーと比べて高い帯電防止性を有する。
【0076】
【発明の効果】本発明の方法によれば、酸素原子含有ガ
スと特定構造を有するイミド化合物の触媒作用とによ
り、ポリマーを構成する炭素原子にヒドロキシル基等の
極性基を簡単な操作で導入することができ、ポリマーの
帯電性などの特性を大きく向上させたり、ポリマーに特
殊機能を付与することができる。また、本発明の方法で
は、特殊なモノマーを用いる必要が無く、しかも原料が
特定のポリマーに限定されないので適用範囲が極めて広
い。特に、疎水性ポリマー(非極性ポリマー)に共通の
非芳香族性基を構成する炭素原子、例えば、主鎖のメチ
レン又はメチン炭素原子などに、直接極性基を導入でき
るという利点を有する。さらに、ポリスチレンやポリプ
ロピレンなどの汎用のポリマーを利用して、必要な時に
必要量製造できるので効率的である。また、主鎖を切断
することなく極性基を導入することができる。さらに、
反応ガスの種類や濃度及び反応条件(例えば、温度、時
間など)を調整することにより、所望の官能基(極性
基)を所望の割合で導入できる。本発明の変性ポリマー
は、上記方法により得られるため、帯電性などの特性に
優れる。
【0077】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0078】実施例1 ポリスチレン[商品名:31N、ダイセル化学工業
(株)製]3g、N−ヒドロキシフタルイミド5ミリモ
ル、コバルトアセチルアセトナートCo(AA)20.
05ミリモル、及びクロロベンゼン30mlの混合溶液
を、酸素雰囲気下(1atm)、75℃で3時間攪拌し
た。反応混合液をメタノール中に滴下、再沈することに
より変性ポリスチレンを得た。これをクロロホルム10
mlに溶解した後、メタノール中への滴下、再沈により
精製を行った。この精製操作を3回繰り返し、最終的な
精製変性ポリスチレンを約3g得た。得られた変性ポリ
プロピレンを赤外線吸収スペクトル分析(FT−IR)
したところ、3500cm-1付近にヒドロキシル基の特
性吸収が認められ、ポリマーにヒドロキシル基が導入さ
れたことが分かった。なお、図1に変性前のポリスチレ
ンの赤外線吸収スペクトルを、図2に変性ポリスチレン
の赤外線吸収スペクトルを示す。また、変性前後の試料
を、それぞれ熱プレスにより、30mm×50mm×1
mmのシートとし、このシートの表面に0.006cc
の純水を滴下し、自動接触角計[CA−Z型、協和界面
科学(株)製]で水滴の接触角(deg)を測定した。
この接触角は親水性の指標となる。結果を表1に示す。
【0079】実施例2 ポリプロピレンに代えて、シクロペンタジエン系ポリマ
ー[商品名:ZEONEX450、日本ゼオン(株)
製]を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行い、変
性ポリマーを得た。得られた変性ポリマーを赤外線吸収
スペクトル分析(FT−IR)したところ、3500c
-1付近にヒドロキシル基の特性吸収が認められ、ポリ
マーにヒドロキシル基が導入されたことが分かった。な
お、図3に変性前のシクロペンタジエン系ポリマーの赤
外線吸収スペクトルを、図4に変性シクロペンタジエン
系ポリマーの赤外線吸収スペクトルを示す。また、変性
前後の試料をクロロホルムに溶解し、溶液キャストを行
うことにより、30mm×50mm×0.1mmのシー
トとし、このシートの表面に0.006ccの純水を滴
下し、自動接触角計[CA−Z型、協和界面科学(株)
製]で水滴の接触角(deg)を測定した。結果を表1
に示す。
【0080】実施例3 3,5−ジメチルアダマンタン−1−イルメタクリレー
ト10gを40mlのトルエンに溶解し、開始剤として
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.1g加
え、60℃で5時間攪拌し重合した。重合溶液をメタノ
ールに滴下、再沈することにより、ポリ(3,5−ジメ
チルアダマンタン−1−イルメタクリレート)が得られ
た。これをトルエン20mlに溶解し、メタノールでの
再沈を行うことで精製した。この精製操作を2回繰り返
すことにより、精製ポリ(3,5−ジメチルアダマンタ
ン−1−イルメタクリレート)を約9g得た。得られた
ポリマーの分子量は、Mn=21000、Mw/Mn=
1.8であった。ポリプロピレンに代えて、上記ポリ
(3,5−ジメチルアダマンタン−1−イルメタクリレ
ート)を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行い、
変性ポリ(3,5−ジメチルアダマンタン−1−イルメ
タクリレート)を得た。得られた変性ポリマーを赤外線
吸収スペクトル分析(FT−IR)したところ、350
0cm-1付近にヒドロキシル基の特性吸収が認められ、
ポリマーにヒドロキシル基が導入されたことが分かっ
た。なお、図5に変性前のポリ(3,5−ジメチルアダ
マンタン−1−イルメタクリレート)の赤外線吸収スペ
クトルを、図6に変性後のポリ(3,5−ジメチルアダ
マンタン−1−イルメタクリレート)の赤外線吸収スペ
クトルを示す。また、変性前後の試料について、実施例
2と同様にして、水滴の接触角(deg)を測定した。
結果を表1に示す。
【0081】実施例4 3,5−ジメチルアダマンタン−1−イルメタクリレー
トに代えて、1−アダマンチルアクリレートを用いた以
外は実施例3と同様の操作を行い、精製ポリ(1−アダ
マンチルアクリレート)及び変性ポリ(1−アダマンチ
ルアクリレート)を得た。得られた変性ポリマーを赤外
線吸収スペクトル分析(FT−IR)したところ、35
00cm-1付近にヒドロキシル基の特性吸収が認めら
れ、ポリマーにヒドロキシル基が導入されたことが分か
った。なお、図7に変性前のポリ(1−アダマンチルア
クリレート)の赤外線吸収スペクトルを、図8に変性後
のポリ(1−アダマンチルアクリレート)の赤外線吸収
スペクトルを示す。また、変性前後の試料について、実
施例2と同様にして、水滴の接触角(deg)を測定し
た。結果を表1に示す。
【0082】実施例5 ポリスチレン[商品名:31N、ダイセル化学工業
(株)製]3g、N−ヒドロキシフタルイミド5ミリモ
ル、コバルトアセチルアセトナートCo(AA)20.
05ミリモル、アダマンタン20ミリモル、及びクロロ
ベンゼン30mlの混合溶液を、酸素雰囲気下(1at
m)、75℃で1時間攪拌した。反応混合液をメタノー
ル中に滴下、再沈することにより変性ポリスチレンを得
た。これをクロロホルム10mlに溶解した後、メタノ
ール中への滴下、再沈により精製を行った。この精製操
作を3回繰り返し、最終的な精製変性ポリスチレンを約
3g得た。得られた変性ポリプロピレンを赤外線吸収ス
ペクトル分析(FT−IR)したところ、3500cm
-1付近にヒドロキシル基の特性吸収が認められ、ポリマ
ーにヒドロキシル基が導入されたことが分かった。ま
た、変性前後の試料について、実施例1と同様にして、
水滴の接触角(deg)を測定した。結果を表1に示
す。
【0083】実施例6 ポリスチレン[商品名:31N、ダイセル化学工業
(株)製]3g、N−ヒドロキシフタルイミド5ミリモ
ル、コバルトアセチルアセトナートCo(AA)20.
05ミリモル、アダマンタン20ミリモル、クロロベン
ゼン25ml、及び酢酸5mlの混合溶液を、酸素雰囲
気下(1atm)、75℃で0.5時間攪拌した。な
お、酢酸の添加と共に樹脂が析出したが、反応の進行に
伴って均一溶液となった。反応混合液をメタノール中に
滴下、再沈することにより変性ポリスチレンを得た。こ
れをクロロホルム10mlに溶解した後、メタノール中
への滴下、再沈により精製を行った。この精製操作を3
回繰り返し、最終的な精製変性ポリスチレンを約3g得
た。得られた変性ポリプロピレンを赤外線吸収スペクト
ル分析(FT−IR)したところ、3500cm-1付近
にヒドロキシル基の特性吸収が認められ、ポリマーにヒ
ドロキシル基が導入されたことが分かった。また、変性
前後の試料について、実施例1と同様にして、水滴の接
触角(deg)を測定した。結果を表1に示す。
【0084】
【表1】 表1より、実施例において変性されたポリマーでは、変
性前と比較し、水の接触角が大幅に低下して、親水性が
向上したことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における変性前のポリマー(ポリスチ
レン)の赤外線吸収スペクトルである。
【図2】実施例1における変性後のポリマーの赤外線吸
収スペクトルである。
【図3】実施例2における変性前のポリマー(シクロペ
ンタジエン系ポリマー)の赤外線吸収スペクトルであ
る。
【図4】実施例2における変性後のポリマーの赤外線吸
収スペクトルである。
【図5】実施例3における変性前のポリマー[ポリ
(3,5−ジメチルアダマンタン−1−イルメタクリレ
ート)]の赤外線吸収スペクトルである。
【図6】実施例3における変性後のポリマーの赤外線吸
収スペクトルである。
【図7】実施例4における変性前のポリマー[ポリ(1
−アダマンチルアクリレート)]の赤外線吸収スペクト
ルである。
【図8】実施例4における変性後のポリマーの赤外線吸
収スペクトルである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AA02P AA03P AA03Q AA08P AA17P AB02Q AC03P AC04P AG04P AG04Q AJ02Q AL02Q AM02Q AR03P AR04P AR05P AS02P AS03P AU22P BA03H BA04H BA14H BA16H BA41H BA56H CA01 CA04 CA31 DA58 FA08 HA11 HA61 HB07 HB35 HB42 HB45 HB50 HB53 HC50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーを、下記式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
    ル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しく
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
    ヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2
    が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若し
    くは非芳香族性の環には、上記式(1)中に示されるN
    −置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていて
    もよい)で表されるイミド化合物の存在下、酸素原子含
    有ガスで処理することを特徴とするポリマーの変性方
    法。
  2. 【請求項2】 酸素原子含有ガスが、酸素、一酸化炭
    素、窒素酸化物及び硫黄酸化物から選択された少なくと
    も1種である請求項1記載のポリマーの変性方法。
  3. 【請求項3】 ポリマーを請求項1又は2記載の方法に
    より処理して得られる変性ポリマー。
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