JP2000290745A - 疲労特性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板及びその製造方法 - Google Patents

疲労特性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板及びその製造方法

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JP2000290745A
JP2000290745A JP9935099A JP9935099A JP2000290745A JP 2000290745 A JP2000290745 A JP 2000290745A JP 9935099 A JP9935099 A JP 9935099A JP 9935099 A JP9935099 A JP 9935099A JP 2000290745 A JP2000290745 A JP 2000290745A
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strength steel
collision safety
ferrite
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JP9935099A
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Osamu Kono
治 河野
Junichi Wakita
淳一 脇田
Hidesato Mabuchi
秀里 間渕
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、材質安定化と低コストの観点から
の要望も充分満足し得る疲労特性と衝突安全性に優れた
加工用高強度鋼板並びにその製造方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 成形加工前のミクロ組織において、ビッ
カース硬度180超のフェライトを主相とし、体積分率
で3%以上の残留オーステナイト(γ)を含み、残部組
織(第2相)の体積分率が6%未満または3%未満であ
り、5%成形加工後のミクロ組織において、体積分率で
3%以上の残留オーステナイト(γ)を含み、加工硬化
指数が0.130以上であることを特徴とする疲労特性
と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に乗用車、トラ
ック等のボデー、シャーシ関連の構造部材や補強部材に
使用することを念頭においた疲労特性と衝突安全性に優
れた加工用高強度鋼板並びにその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】地球環境の負荷軽減に直結する自動車の
燃費低減を背景にして、乗用車やトラックの車体軽量化
を目的に、板厚に薄い高強度鋼板の適用が急速に拡大し
ている。しかし、板厚を薄くすることにより剛性が低下
するため、長期走行を考慮した場合、耐久性の低下が懸
念されており、耐久性の指標として鋼板の疲労特性を高
めることが必要とされている。また、耐久用部材といえ
ども自動車では優れた加工性が要求されるため、疲労特
性に優れた加工用の高強度鋼板が望まれている。
【0003】このような状況に応えるため、本発明者ら
は特開平07−252592号公報にて提案したフェラ
イト、ベイナイト、残留オーステナイト(γ)の3相か
らなる高強度鋼板を開発した。しかしながら、その疲労
限度比は0.45〜0.51と低く、より高いレベルの
疲労限度比を有した加工用高強度鋼板が望まれていた。
また、特開平07−252592号公報では、残留オー
ステナイト(γ)を得るためにフェライト変態とベイナ
イト変態を利用しており、これは当業者によく知られて
いるようにベイナイト変態域の温度制御性を悪化させ、
材質バラツキ、製品歩留の低下(ひいては製品コストの
アップ)といった問題点を抱えており、安定した材質と
低コスト化が望まれていた。
【0004】さらに、直近では、自動車事故時の乗員保
護の視点から衝突安全に関する法規制が急速に拡大・強
化されつつあり、衝突安全性の観点からも高強度鋼への
期待がますます高まっている。
【0005】しかし、従来の高強度鋼は成形性の向上を
主眼として開発されてきたものであり、衝突安全性の観
点では、その適用が疑問視されている。
【0006】衝突安全性に優れた鋼板及びその製造方法
に係る従来技術としては、特開平07−18372号公
報では、衝突安全性の指標として鋼板の高歪速度下にお
ける降伏強度を高めることが提案されているが、自動車
用部材は成形加工時及び衝突変形時に歪を受けるため、
衝突安全性の指標としては、これらの歪による加工硬化
分を降伏強度に加味することが必要であり、加工硬化を
考慮していない上記従来技術では不十分であった。
【0007】すなわち、実用の観点から、現在、疲労特
性と衝突安全性を兼備した加工用高強度鋼板が開発され
ていないのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来の問題点に
鑑みて、本発明は、材質安定化と低コストの観点からの
要望も充分満足し得る疲労特性と衝突安全性に優れた加
工用高強度鋼板並びにその製造方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々の実験を行い、詳細な検討を重ね
た結果、(1)疲労限度比を向上させるには第2相(フ
ェライトと残留オーステナイト(γ)を除いた残部)を
排しフェライトを強化し、その体積分率を高めることが
重要であること、(2)かかる組織構成において、残留
γは加工性を高め疲労特性にも寄与すること、(3)さ
らにかかる組織構成にすることにより疲労限度比のバラ
ツキをも改善することができること、(4)衝突安全性
の向上には鋼板の加工硬化指数を高め、降伏強さ×加工
硬化指数を高めることが必要であることを見いだし、本
発明に至ったのである。
【0010】さらに残部組織である第2相を排すること
により、加工性のバラツキ、製品歩留の低下(ひいては
製品コストアップ)といった問題点をも解消し、疲労特
性、衝突安全性、強度、加工性等の特性向上と低コスト
の両立を果たしたのである。
【0011】つまり、本発明の要旨とするところは、以
下の通りである。
【0012】(1) 成形加工前のミクロ組織におい
て、ビッカース硬度180超のフェライトを主相とし、
体積分率で3%以上の残留オーステナイト(γ)を含
み、残部組織(第2相)の体積分率が6%未満であり、
5%成形加工後のミクロ組織において、体積分率で3%
以上の残留オーステナイト(γ)を含み、加工硬化指数
が0.130以上であることを特徴とする疲労特性と衝
突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
【0013】(2) 成形加工前のミクロ組織におい
て、ビッカース硬度180超のフェライトを主相とし、
体積分率で3%以上の残留オーステナイト(γ)を含
み、残部組織(第2相)の体積分率が3%未満であり、
5%成形加工後のミクロ組織において、体積分率で3%
以上の残留オーステナイト(γ)を含み、加工硬化指数
が0.130以上であることを特徴とする疲労特性と衝
突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
【0014】(3) フェライト体積分率(Vf)が8
0%超且つフェライト平均粒径(df)が6μm未満で
あることを特徴とする上記(1)又は上記(2)に記載
の疲労特性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
【0015】(4) フェライト体積分率(Vf)とフ
ェライト平均粒径(df)との比Vf/dfが18以上
であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1
つに記載の疲労特性に優れた加工用高強度鋼板。
【0016】(5) 第2相及び残留オーステナイト
(γ)の平均粒径がフェライト平均粒径より小さいこと
を特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1つに記載の
疲労特性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
【0017】(6) 降伏強さ×加工硬化指数が70以
上であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか
1つに記載の疲労特性と衝突安全性に優れた加工用高強
度鋼板。
【0018】(7) 化学成分として、C:0.03〜
0.3重量%、SiとAlの内の1種又は2種を合計量
で0.5〜4%、Mn、Ni、Cr、Mo、Cuの内の
1種又は2種以上を合計量で0.5〜4%を含むことを
特徴とする上記(1)〜(6)の何れかに記載の疲労特
性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
【0019】(8) 化学成分として、Si<0.1%
とすることを特徴とする上記(7)に記載の疲労特性と
衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
【0020】(9) 化学成分として、Si:0.1〜
1%とすることを特徴とする上記(7)に記載の疲労特
性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
【0021】(10) 化学成分として、Si:1%超
〜4%とすることを特徴とする上記(7)に記載の疲労
特性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
【0022】(11) 化学成分として、Al≦0.2
%とすることを特徴とする上記(7)に記載の疲労特性
と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
【0023】(12) フェライト体積分率(Vf)
が、C/(1−0.01×Vf)+0.07×Mn+
0.04×(Ni+Cr+Mo+Cu)≧0.87の関
係式を満たすことを特徴とする上記(7)〜(11)の
何れか1つに記載の疲労特性と衝突安全性に優れた加工
用高強度鋼板。
【0024】(13) 化学成分として、さらにNb、
V、Ti、P、B、Ca、REMの1種又は2種以上
を、Nb、V、Tiについては、それらの1種又は2種
以上を合計量で0.3%以下、Pについては、0.3%
以下、Bについては、0.01%以下、Caについて
は、0.0005〜0.01%REMについては、0.
005〜0.05%を含むことを特徴とする上記(7)
〜(12)の何れか1つに記載の疲労特性と衝突安全性
に優れた加工用高強度鋼板。
【0025】(14) 仕上温度(FT)をAr3〜A
3+180℃とし、さらにパラメータAが(1)式及
び(2)式を満たすように熱間圧延を終了し、熱延に引
き続く冷却テーブルにおける平均冷却速度(CR)を5
℃/秒以上とし、さらにパラメータAが(3)式を満た
すように巻取温度(CT)を調整することを特徴とする
疲労特性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板の製造
方法。 9≦logA≦18 ・ ・ ・ (1) ΔT≦21×logA−108 ・ ・ ・ (2) CT≦6×logA+296 ・ ・ ・ (3) ただし、パラメータA=ε* ×exp{(75282
−42745×Ceq)/[1.978×(FT+27
3)]} FT:仕上温度(℃) Ceq:炭素当量=C+Mneq/6(%) Mneq:マンガン当量=Mn+(Ni+Cr+Cu)
/2(%) ε* :最終パス歪み速度(S-1) ε* =(v/(R×h10.5)×(1/r0.5)×ln
{1/(1−r)} h1:最終パス入側板厚、h2:最終パス出側板厚、r=
(h1−h2)/h1 R:ロール径、v:最終パス出側速度 ΔT:仕上温度(仕上最終パス出側温度)−仕上入側温
度(仕上第一パス入側温度) Ar3=868−396×C+25×Si−68×Mn
−36×Ni−21×Cu−25×Cr+30×Mo
【0026】(15) さらに、熱延鋼板を酸洗後冷延
し、その後、連続焼鈍する際に、焼鈍温度STをAc1
〜Ac3の温度範囲とし、その温度範囲で10秒以上保
持し、その後、平均冷却速度(CR1)1〜10℃/秒
で550〜700℃の範囲内の温度(T1)へ冷却し、
さらに温度(T1)以降は350℃以下の温度(T2)ま
で平均冷却速度(CR2)10℃/秒以上で冷却するこ
とを特徴とする上記(14)に記載の疲労特性と衝突安
全性に優れた加工用高強度鋼板の製造方法。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明者らは、種々の実験を行
い、詳細な検討を重ねた結果、(1)疲労限度比を向上
させるには第2相(フェライトと残留オーステナイト
(γ)を除いた残部)を排しフェライトを強化し、その
体積分率を高めることが重要であること、(2)かかる
組織構成において、残留γは加工性を高め疲労特性にも
寄与すること、(3)さらにかかる組織構成にすること
により疲労限度比のバラツキをも改善することができる
こと、(4)衝突安全性の向上には鋼板の加工硬化指数
を高め、降伏強さ×加工硬化指数を高めることが必要で
あることを見いだし、本発明に至ったのである。
【0028】さらに残部組織である第2相を排すること
により、加工性のバラツキ、製品歩留の低下(ひいては
製品コストアップ)といった問題点をも解消し、疲労特
性、衝突安全性、強度、加工性等の特性向上と低コスト
の両立を果たしたのである。
【0029】以下に本発明の内容についてさらに詳細説
明する。
【0030】まず、本発明の鋼板ミクロ組織について説
明する。
【0031】フェライト及び第2相については、疲労限
度比の向上のために強化したフェライトを増やし第2相
を排することが最大のポイントである。
【0032】図1に、疲労限度比に及ぼす第2相体積分
率の影響を示す。第2相体積分率<6%で疲労限度比
0.52以上、第2相体積分率<3%で疲労限度比0.
56以上が得られている。さらに、第2相体積分率<1
%とすることは疲労限度比の向上に好ましい。
【0033】図2にはフェライト硬さの疲労限向上への
影響を示したもので、固溶元素の増加を通じたフェライ
ト硬さの増大に伴い疲労限が向上している。また、その
下限値としては、引張強さ、切欠き感受性、フレッチン
グ疲労等の特性確保をも考慮するとフェライト硬さ>1
80が必要である。
【0034】なお、図1及び図2に記載の疲労特性は、
図3に記載の疲労試験片を用いて求めた。
【0035】図4及び図5は衝突安全性の指標となる動
的エネルギー吸収量と鋼板の加工硬化指数及び降伏強さ
×加工硬化指数の関係を示すものである。鋼板の加工硬
化指数及び降伏強さ×加工硬化指数の増大により衝突安
全性(動的エネルギー吸収量)が向上しており、衝突安
全性の指標として、同一クラスの降伏強さであれば鋼板
の加工硬化指数(0.13以上)、降伏強さのクラスが
異なれば、鋼板の降伏強さ×加工硬化指数(70以上)
が妥当であることを示している。ただし、降伏強さ×加
工硬化指数が70以上であっても加工硬化指数が0.1
3未満であると降伏強さがいたずらに増大し、プレス成
形性の劣化を招くので、加工硬化指数を高めることが肝
要である。
【0036】なお、部材への成形加工時に鋼板が歪を受
けることをを考慮して、加工硬化指数は歪5〜10%の
n値で代表的に表現したが、本質的には成形加工時の加
工硬化指数が高いことに最大の特徴を有するものであ
る。また、プレスの設備能力から成形荷重の増大を抑え
ることが望まれる場合、変形抵抗を低く抑えるべく、歪
0〜5%のn値を低くすることが有効である。逆にプレ
スの設備能力が充分にある場合には、歪0〜5%のn値
も高めることが衝突安全性向上の観点から有効である。
【0037】さらに、加工硬化指数が増大することによ
り、鋼板のくびれが抑制され、降伏強さ×全伸び等で表
現される成形性も向上する。
【0038】なお、図4及び図5に記載の動的エネルギ
ー吸収量は、板厚1.2mmの熱延材を用い、下記の衝
撃圧壊試験法により求めた。すなわち、鋼板を図6〜7
に示すように、コーナーR=5mmのハット型試験片に
成形し(図6)、先端径5.5mmの電極によりチリ発
生電流の0.9倍の電流で35mmピッチでスポット溶
接3をし、2つの天板1間に試験片2を配設した部品と
し、さらに170℃×20分の焼付塗装処理を行った
後、図8の試験方法の模式図に示すように約150kg
の落錘4を約10mの高さから落下させ、ショックアブ
ソーバー6を設けた架台5の上の部品を長手方向に圧壊
し、その際の荷重変位線図の面積から変異=0〜150
mmの変位仕事を算出して、動的エネルギー吸収量とし
た。
【0039】残留オーステナイト(γ)については、そ
の体積分率を3%以上とすることにより加工性を高める
作用を発揮する。また、き裂停留やき裂迂回へのTRI
P(変態誘起塑性)の寄与によると推定される疲労限度
比や切欠き感受性の改善へも寄与する。
【0040】さらに5%成形加工後における残留オース
テナイト(γ)の体積分率を3%以上とすることによ
り、成形加工後の衝突時に残留γが硬いマルテンサイト
へ変態して変形荷重を高められ(変形仕事量を高め
る)、その結果、動的エネルギー吸収量を増加でき、衝
突安全性向上に寄与する。
【0041】好ましくは成形加工前のミクロ組織におけ
る残留オーステナイト(γ)の炭素濃度(Cγ)を1%
以上とすることにより、成形加工に対する残留オーステ
ナイト(γ)の安定化が向上し5%以下の成形加工で
は、マルテンサイトへ変態し難くなり、成形加工後の衝
突時における加工硬化指数をより高めることに寄与す
る。なお、残留オーステナイト(γ)の存在位置に関し
ては、軟質なフェライトが主に変形時の歪を受けるた
め、フェライトに隣接していない残留オーステナイト
(γ)は歪を受け難く、その結果5〜10&程度の変形
ではマルテンサイトへ変態し難くなり、その効果が薄れ
るため、残留オーステナイト(γ)はフェライトに隣接
することが好ましい。
【0042】上記の疲労特性、衝突安全性、成形性に及
ぼす効果をさらに高めるには、(1)フェライト体積分
率(Vf)を80%超(好ましくは85%超)且つフェ
ライト平均粒径(df)を6μm未満とする、(2)V
f/dfを18以上とする、(3)第2相及び残留オー
ステナイト(γ)の平均粒径をフェライト平均粒径より
小さくすることが、組織微細化、第二相と残留オーステ
ナイト(γ)の分散化、異相界面積変化等の作用を通じ
て効果を発揮し、さらにその効果は鋼板全体に及ぶよう
に作用する。
【0043】次に、本発明の化学成分について説明す
る。
【0044】Cはオーステナイトを安定化し、残留オー
ステナイト(γ)の確保のために、組織の粗大化を防止
するために、0.03重量%以上添加する。ただし、そ
の上限は衝突時に部材接合部が容易に剥離することを避
け、スポット溶接性不良、第二相体積分率の増大(フェ
ライト体積分率の低下)及びそれに伴うC農化不足や残
留オーステナイト(γ)体積分率低下、粗大ベイナイト
の出現や粗大ベネチックフェライトの出現を避ける観点
から、0.3重量%以下とする。好ましくは0.15重
量%以下、より好ましくは0.1重量%以下とする。
【0045】Si、Alは残留オーステナイト(γ)を
得るために重要な元素であり、フェライトの生成を促進
し、炭化物の生成を抑制することにより、残留オーステ
ナイト(γ)を確保する作用があると同時に脱酸元素・
フェライト強化元素としても作用する。上記効果を得る
観点から、SiとAlの内の1種もしくは2種の合計添
加量の下限値は0.5重量%とする必要がある。ただ
し、Si、Alを過度に添加しても上記効果は飽和し、
コスト増等の悪影響のため、その合計添加量の上限値は
4重量%とする。また、特に優れた表面性状が要求され
る場合は、Si<0.1重量%(好ましくは0.01重
量%)とすることにより、Siスケールを回避するか、
Si>1重量%(好ましくは1.2重量%)とすること
により、Siスケールを無害化(全面に発生させ目立た
なくする)してもよい。一方、耐火物溶損やノズル閉塞
等の製鋼上デメリットや靱性や集合組織制御等の材質上
の観点を重視する場合、Al≦0.2%(好ましくは
0.1%)とする。なお、フェライト強化作用はSiよ
りAlの方が小さいため、引張強さを低く抑えたい場合
は、Al添加量を増し、Si添加量を減ずることも可能
である。さらにより高い穴拡げ性(d/d0)が必要な
場合も同様である。
【0046】Mn、Ni、Cr、Mo、Cuはオーステ
ナイトを安定化して残留オーステナイト(γ)を確保す
る作用があるとともにフェライト強化元素である。ま
た、組織微細化や第二相分率制御にも寄与する。上記の
効果を得るためには、それらの内の1種もしくは2種以
上の合計添加量の下限値は0.5重量%とする必要があ
る。ただし、コストと効果の兼ね合いから、その合計添
加量の上限値は4重量%とする。
【0047】本発明のミクロ組織を得るためには、フェ
ライト変態温度域であるA3変態点近傍でフェライト変
態の抑制作用が小さく、フェライト変態域より低温でオ
ーステナイト安定化作用が大きいことが望まれる。その
観点からMo、Cr(特にMo)の添加が好ましい。一
方、Mnはフェライト変態温度域より低温でのオーステ
ナイト安定化作用は大きいが、A3変態点近傍でのフェ
ライト変態抑制作用も比較的強いため、好ましくは2重
量%以下とする。
【0048】また、好ましくはフェライト変態進行に伴
うC濃縮によるオーステナイトの安定化を考慮して、C
/(1−0.01×Vf)+0.07×Mn+0.04
×(Ni+Cr+Mo+Cu)≧0.87を満たすこと
が望まれる。なお、上式において、Vfはフェライト体
積分率である。左辺の値の増大に伴い、Ms点が低下
し、第二相体積分率の増大を抑え、最終的に本発明での
所望の組織を得るに好ましく作用する。
【0049】さらに、選択元素として、Nb、V、T
i、P、B、Ca、REMの1種又は2種以上を添加し
てもよい。
【0050】Nb、V、Tiは高強度化に有効な元素で
あるが、効果とコストの兼ね合いから、それらの添加量
は1種又は2種以上を合計量で0.3重量%以下とす
る。
【0051】Pは残留オーステナイトの確保、高強度化
に有効な元素であるが、効果とコストの兼ね合いから、
添加量は0.3重量%以下とする。特に優れた2次加工
性、靱性、スポット溶接性、リサイクル性が要求される
場合はP≦0.05重量%(好ましくは0.02重量
%)とする。一方、Siスケール模様等を避け、優れた
表面性状を得る観点からはP≧0.015重量%が好ま
しい。
【0052】Bは高強度化に有効な元素であるが、効果
とコストの兼ね合いから、その添加量は0.01重量%
以下とする。
【0053】Caは硫化物系介在物の形態制御(球状
化)により、加工性(特に穴拡げ比)をより向上させる
ために0.0005重量%以上添加するが、その効果の
飽和、さらには介在物の増加による逆効果(穴拡げ比の
劣化)の点からその上限を0.01重量%とする。ま
た、REMも同様の理由からその添加量を0.005〜
0.05重量%とする。なお、REMは希土類元素であ
るY、Ce、La等である。
【0054】さらに好ましくは、Sは硫化物系介在物に
よる加工性(特に穴拡げ比)、スポット溶接性の劣化防
止の観点から、その添加量は、≦0.01重量%(好ま
しくは0.003重量%、より好ましくは10ppm)
とする。
【0055】なお、オーステナイトの安定化や高強度化
等を狙って、必要に応じて、N≦0.02重量%添加し
てもよい。
【0056】次に以下に本発明の製造方法について説明
する。
【0057】まず、熱延高強度鋼板の製造方法について
説明する。
【0058】第一に、熱間圧延における仕上温度(F
T)は、鋼板の化学成分で決まるAr 3〜Ar3+180
℃とする。Ar3℃未満ではフェライトが歪みを受け、
加工性を劣化させる。Ar3+180℃超では第二相体
積分率の増大(フェライト分率の低下)、オーステナイ
ト(γ)へのC濃化不足、残留オーステナイト(γ)体
積分率の低下や平均粒径の粗大化が起こるとともにスケ
ール疵の発生からも好ましくない。また加工硬化指数を
高めるためには仕上温度は低温側が好ましい。
【0059】第二に、パラメータAが(1)式及び
(2)式を満たすように熱間圧延を行う。フェライト変
態促進、オーステナイト(γ)へのC濃化促進、残留γ
の確保、加工硬化指数の向上や平均粒径の微細化等を果
たし所望の組織を得るという観点から(1)式の下限と
(2)式の上限を設け、設備の過大化を避けるという観
点から(1)式の上限を設ける。
【0060】9≦logA≦18 ・ ・ ・ (1) ΔT≦21×logA−108 ・ ・ ・ (2) ただし、パラメータA=ε* ×exp{(75282
−42745×Ceq)/[1.978×(FT+27
3)]} FT:仕上温度(℃) Ceq:炭素当量=C+ Mneq/6(%) Mneq:マンガン当量=Mn+(Ni+Cr+Cu)
/2(%) ε* :最終パス歪み速度(S-1) ε* =(v/(R×h10.5)×(1/r0.5)×ln
{1/(1−r)} h1:最終パス入側板厚、h2:最終パス出側板厚、r=
(h1−h2)/h1 R:ロール径、v:最終パス出側速度 ΔT:仕上温度(仕上最終パス出側温度)−仕上入側温
度(仕上第一パス入側温度) Ar3=868−396×C+25×Si−68×Mn
−36×Ni−21×Cu−25×Cr+30×Mo
【0061】なお、熱間圧延における初期鋼片厚は25
mm以上が好ましく、鋼片の製造に際しては一般的な連
続鋳造のみならず、いわゆる薄肉連続鋳造の適用も可能
である。また、熱延連続化技術(いわゆるエンドレス圧
延)の適用も可能である。熱間圧延における仕上最終パ
ス出側速度は500mpm以上(より好ましくは600
mpm以上宇)が好ましい。
【0062】第三に、冷却テーブルにおける平均冷却速
度(CR)を5℃/秒以上とする。5℃/秒未満では炭
化物の過剰生成、残留γ体積分率の低下等の悪影響を生
じ、所望の組織・鋼板が得られない。なお、この冷却は
一定の冷却速度で行っても、冷却途中で冷却速度を変更
するゆわゆる多段冷却を行ってもよい。
【0063】第四に、(3)式を満たすような巻取温度
(CT)に調整して巻取を行う。(3)式の上限を越え
ると第二相分率が増大する等の悪影響を生じ所望の組織
・鋼板が得られない。
【0064】 CT≦6×logA+296 ・ ・ ・ (3) ただし、CT:巻取温度(℃)
【0065】次に、冷延高強度鋼板の製造方法について
説明する。
【0066】冷延高強度鋼板を製造するに際しては、連
続焼鈍条件が最も重要であり、熱間圧延、熱間圧延後の
酸洗、冷間圧延の各条件を規制する必要は特にない。ま
た、焼鈍後に必要に応じ、調質圧延、電気めっき等を施
してもよい。
【0067】第一に、焼鈍温度(ST)を鋼板の化学成
分で決まるAc1〜Ac3の温度範囲とし、その温度範囲
で10秒以上保持することが必要である。Ac1未満で
は逆変態オーステナイトが生成しないため、その後、残
留オーステナイトを得ることができず、Ac3超では粗
大なオーステナイト組織となるため、その後、本発明の
所望のミクロ組織を得ることができない。また、10秒
未満では逆変態オーステナイトの生成量が不足するた
め、その後、本発明の所望の組織を得ることができな
い。なお、滞在時間の上限は設備の長大化、ミクロ組織
の粗大化を避ける観点から200秒以下が好ましい。な
お、Ac1及びAc3は次式に基づいて決定する。
【0068】Ac1=723−10.7×Mn−16.
9× Ni+29.1×Si +16.9×Cr Ac3=910−203×C0.5−15.2× Ni+4
4.7×Si+104×V+31.5×Mo
【0069】第二に、平均冷却速度(CR1)1〜10
℃/秒で550〜700℃の範囲の温度(T1)まで冷
却を行う。未変態オーステナイトへCを濃化させ所望の
残留オーステナイト(γ)を得るために平均冷却速度
(CR1)の上限を10℃/秒とし、設備の長大化抑制
の観点から下限を1℃/秒とした。また、未変態オース
テナイトへのC濃化を企図して冷却速度(T1)の上限
温度を700℃、炭化物生成抑制を企図して下限温度を
550℃とした。
【0070】第三に、温度(T1)以降は350℃以下
の温度T2まで平均冷却速度(CR2)10℃/秒以上で
冷却することが必要である。350℃超、10℃/秒未
満では室温までの冷却中に炭化物の析出が懸念され、本
発明の所望の組織、特性を得ることができない
【0071】
【実施例】表1に示す化学成分を有する鋼を鋳造して得
た鋼片を用いて、鋼番1〜20については、表2に示す
製造条件で熱延鋼板を製造し製品とした。鋼番21〜2
4については表3に示す製造条件により冷延焼鈍し、冷
延鋼板を製造し製品とした。得られた鋼板のミクロ組織
と材質特性を表4及び表5に示す。表1〜5において、
本発明例が鋼番1〜12、鋼番21であり、比較例が鋼
番13〜20、鋼番22〜24である。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】従来技術である本発明者らが特開平7−2
52592号公報で提案した鋼板で示される疲労限度比
0.45〜0.51、及び比較例の疲労限度比0.37
〜0.45に対し、本発明例では疲労限度比0.53〜
0.60と格段に優れ、バラツキも小さい。さらに、他
の特性レベル及びバラツキ、製品歩留の観点からも優れ
ていた。すなわち、本発明により疲労特性及び衝突安全
性を兼備した加工用高強度鋼板が得られている。
【0078】なお、本発明例はスポット溶接性もたがね
試験において剥離破断がなく、良好であった。
【0079】ミクロ組織は以下の方法で評価した。
【0080】フェライト及び残部組織の同定及び平均粒
径(円相当径)と体積分率の測定はナイタール試薬及び
特開昭59−219473号公報に開示された試薬によ
り鋼板圧延方向断面を腐食した倍率1000倍の光学顕
微鏡写真により行った。
【0081】残留オーステナイトの同定及び平均粒径
(円相当径)は特開平5−163590号公報で開示さ
れた試薬により圧延方向断面を腐食し、倍率1000倍
の光学顕微鏡写真より求めた。
【0082】残留オーステナイト体積分率(Vγ:単位
は%)はMo―Kα線によるX線解析で次式に従い算出
した。
【0083】Vγ=(2/3){100/(0.7×α
(211)/γ(220)+1)}+(1/3){10
0/(0.78×α(211)/γ(311)+1)} ただし、α(211)、γ(220)、α(211)、
γ(311)は面強度を示す。
【0084】残留γのC濃度(Cγ:単位は%)はMo
―Kα線によるX線解析でオーステナイトの(211)
面、(220)面、(311)面の反射率から格子定数
(単位はオングストローム)を求め、次式に従い算出し
た。
【0085】 Cγ(%)=(格子定数−3.572)/0.033
【0086】特性評価は以下の方法で実施した。
【0087】引張試験はJIS5号(標点距離50m
m、平行部幅25mm)を用い引張速度10mm/分で
実施し引張強さ(TS)、全伸び(T.El)、降伏強
度(YS)と加工硬化指数(歪5〜10%のn値)を求
め、TS×El、YS×nを計算した。
【0088】伸びフランジ性は20mmの打ち抜き穴を
バリのない面から30度円錐ポンチで押し拡げ、クラッ
クが板厚を貫通した時点での穴径(d)と初期穴径(d
0、20mm)との穴拡げ比(d/d0)を求めた。
【0089】スポット溶接性は鋼板板厚の平方根の5倍
の先端径を有する電極によりチリ発生電流の0.9倍の
電流で接合したスポット溶接試験片をたがねで破断ささ
せた時にいわゆる剥離破断を生じたら不適とした。
【0090】疲労限度比は製造したままの表面にて図3
に示す寸法、形状の疲労試験片を用いた完全両振りの平
面曲げ疲労限FL(1000万回で破断しない応力)と
TSとの比、FL/TSとした。
【0091】
【発明の効果】本発明により従来にない優れた疲労特性
及び衝突安全性を兼備した加工用高強度鋼板を低コスト
且つ安定的に提供することが可能となったため、高強度
鋼板の使用用途・使用条件が格段に広がり、工業上、経
済上の効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】疲労限度比と第2相体積分率の関係を示す図で
ある。
【図2】フェライト硬さの疲労限向上への寄与を示す図
である。
【図3】疲労限度比を求めるための疲労試験片の概略図
である。
【図4】加工硬化指数と衝突エネルギー吸収量の関係を
示す図である。
【図5】降伏強さ×加工硬化指数と衝突エネルギー吸収
量の関係を示す図である。
【図6】ハット型試験片の断面図である。
【図7】ハット型試験片の概略図である。
【図8】衝撃圧壊試験法の模式図である。
【符号の説明】
1 天板 2 試験片 3 スポット溶接 4 落錘 5 架台 6 ショックアブソーバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/58 C22C 38/58 (72)発明者 間渕 秀里 大分市大字西ノ州1番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内 Fターム(参考) 4K037 EA01 EA05 EA06 EA11 EA13 EA15 EA16 EA17 EA20 EA27 EA28 EB05 EB06 EB07 EB09 EB12 FC03 FC04 FD02 FD03 FD04 FE01 FH01 FJ05 FK02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形加工前のミクロ組織において、ビッ
    カース硬度180超のフェライトを主相とし、体積分率
    で3%以上の残留オーステナイト(γ)を含み、残部組
    織(第2相)の体積分率が6%未満であり、5%成形加
    工後のミクロ組織において、体積分率で3%以上の残留
    オーステナイト(γ)を含み、加工硬化指数が0.13
    0以上であることを特徴とする疲労特性と衝突安全性に
    優れた加工用高強度鋼板。
  2. 【請求項2】 成形加工前のミクロ組織において、ビッ
    カース硬度180超のフェライトを主相とし、体積分率
    で3%以上の残留オーステナイト(γ)を含み、残部組
    織(第2相)の体積分率が3%未満であり、5%成形加
    工後のミクロ組織において、体積分率で3%以上の残留
    オーステナイト(γ)を含み、加工硬化指数が0.13
    0以上であることを特徴とする疲労特性と衝突安全性に
    優れた加工用高強度鋼板。
  3. 【請求項3】 フェライト体積分率(Vf)が80%超
    且つフェライト平均粒径(df)が6μm未満であるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の疲労特性
    と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
  4. 【請求項4】 フェライト体積分率(Vf)とフェライ
    ト平均粒径(df)との比Vf/dfが18以上である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の疲
    労特性に優れた加工用高強度鋼板。
  5. 【請求項5】 第2相及び残留オーステナイト(γ)の
    平均粒径がフェライト平均粒径より小さいことを特徴と
    する請求項1〜4の何れか1つに記載の疲労特性と衝突
    安全性に優れた加工用高強度鋼板。
  6. 【請求項6】 降伏強さ×加工硬化指数が70以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の
    疲労特性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
  7. 【請求項7】 化学成分として、C:0.03〜0.3
    重量%、SiとAlの内の1種又は2種を合計量で0.
    5〜4%、Mn、Ni、Cr、Mo、Cuの内の1種又
    は2種以上を合計量で0.5〜4%を含むことを特徴と
    する請求項1〜6の何れかに記載の疲労特性と衝突安全
    性に優れた加工用高強度鋼板。
  8. 【請求項8】 化学成分として、Si<0.1%とする
    ことを特徴とする請求項7に記載の疲労特性と衝突安全
    性に優れた加工用高強度鋼板。
  9. 【請求項9】 化学成分として、Si:0.1〜1%と
    することを特徴とする請求項7に記載の疲労特性と衝突
    安全性に優れた加工用高強度鋼板。
  10. 【請求項10】 化学成分として、Si:1%超〜4%
    とすることを特徴とする請求項7に記載の疲労特性と衝
    突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
  11. 【請求項11】 化学成分として、Al≦0.2%とす
    ることを特徴とする請求項7に記載の疲労特性と衝突安
    全性に優れた加工用高強度鋼板。
  12. 【請求項12】 フェライト体積分率(Vf)が、C/
    (1−0.01×Vf)+0.07×Mn+0.04×
    (Ni+Cr+Mo+Cu)≧0.87の関係式を満た
    すことを特徴とする請求項7〜11の何れか1つに記載
    の疲労特性と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板。
  13. 【請求項13】 化学成分として、さらにNb、V、T
    i、P、B、Ca、REMの1種又は2種以上を、N
    b、V、Tiについては、それらの1種又は2種以上を
    合計量で0.3%以下、Pについては、0.3%以下、
    Bについては、0.01%以下、Caについては、0.
    0005〜0.01%REMについては、0.005〜
    0.05%を含むことを特徴とする請求項7〜12の何
    れか1つに記載の疲労特性と衝突安全性に優れた加工用
    高強度鋼板。
  14. 【請求項14】 仕上温度(FT)をAr3〜Ar3+1
    80℃とし、さらにパラメータAが(1)式及び(2)
    式を満たすように熱間圧延を終了し、熱延に引き続く冷
    却テーブルにおける平均冷却速度(CR)を5℃/秒以
    上とし、さらにパラメータAが(3)式を満たすように
    巻取温度(CT)を調整することを特徴とする疲労特性
    と衝突安全性に優れた加工用高強度鋼板の製造方法。 9≦logA≦18 ・ ・ ・ (1) ΔT≦21×logA−108 ・ ・ ・ (2) CT≦6×logA+296 ・ ・ ・ (3) ただし、パラメータA=ε* ×exp{(75282
    −42745×Ceq)/[1.978×(FT+27
    3)]} FT:仕上温度(℃) Ceq:炭素当量=C+Mneq/6(%) Mneq:マンガン当量=Mn+(Ni+Cr+Cu)
    /2(%) ε* :最終パス歪み速度(S-1) ε* =(v/(R×h10.5)×(1/r0.5)×ln
    {1/(1−r)} h1:最終パス入側板厚、h2:最終パス出側板厚、r=
    (h1−h2)/h1 R:ロール径、v:最終パス出側速度 ΔT:仕上温度(仕上最終パス出側温度)−仕上入側温
    度(仕上第一パス入側温度) Ar3=868−396×C+25×Si−68×Mn
    −36×Ni−21×Cu−25×Cr+30×Mo
  15. 【請求項15】 さらに、熱延鋼板を酸洗後冷延し、そ
    の後、連続焼鈍する際に、焼鈍温度STをAc1〜Ac3
    の温度範囲とし、その温度範囲で10秒以上保持し、そ
    の後、平均冷却速度(CR1)1〜10℃/秒で550
    〜700℃の範囲内の温度(T1)へ冷却し、さらに温
    度(T1)以降は350℃以下の温度(T2)まで平均冷
    却速度(CR2)10℃/秒以上で冷却することを特徴
    とする請求項14に記載の疲労特性と衝突安全性に優れ
    た加工用高強度鋼板の製造方法。
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