JP2000290885A - パルプ原料と該パルプ原料の製造法およびこれに用いるパルプ原料製造装置並びに該装置を使用したパルプの製造方法 - Google Patents

パルプ原料と該パルプ原料の製造法およびこれに用いるパルプ原料製造装置並びに該装置を使用したパルプの製造方法

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JP2000290885A JP11098390A JP9839099A JP2000290885A JP 2000290885 A JP2000290885 A JP 2000290885A JP 11098390 A JP11098390 A JP 11098390A JP 9839099 A JP9839099 A JP 9839099A JP 2000290885 A JP2000290885 A JP 2000290885A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量に廃棄される非木材からなる植物繊維か
ら良質のパルプを得るためのパルプ原料と、その製造法
および該製造法に用いる装置と、該装置を利用したパル
プの製造法を提供する。 【解決手段】 上部が開口した処理槽21内にアカバ等
からなる植物繊維を投入し、その上部を押圧板22によ
って抑え、少なくとも過酸化水素と苛性ソーダの混合液
からなる処理液を注入し、植物繊維の表面が処理液上に
顕出しないよう保持しなから非加熱下において反応せし
め、植物繊維中に含まれるリグニンの溶出を行うと同時
に、繊維の軟化と漂白によるパルプ化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非木材の植物繊
維を原料とするパルプ原料と、該パルプ原料の製造法お
よびこれに用いるパルプ原料製造装置、並びに該装置を
使用したパルプの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、繊維の集合体として製紙用、そ
の他に幅広く利用されている木材繊維を原料とするパル
プは、その製造方法によって、機械力で繊維を分離して
パルプとする機械パルプ、繊維間を結合しているリグニ
ンを薬品溶解して繊維分を抽出する化学パルプ、前記機
械パルプと化学パルプを折衷したセミケミカルパルプに
大別されている。
【0003】一方、非木材の植物の繊維を原料としたパ
ルプとしては、わら、バガスなどの茎稈繊維やコウゾ、
ミツマタ、ガンピなどの靱皮繊維等が古くから知られて
いるが、これらの非木材繊維によるパルプは特殊な用途
に限定されるか、故紙パルプなど共に前記木材パルプに
対する補助パルプとして現在はごく少量が生産され、利
用されているにすぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】人類は、森林生産物と
しての木材を人間生活に不可欠なものとして燃料、建築
材料、製紙などにきわめて広範に利用している。かゝる
木材の需要は世界的に増加の一途を辿り、これに伴って
森林資源の枯渇や公害問題を抱えるに至り、近年、森林
資源の保全や再生化と共に、必要以上の森林資源の消
費、特に木材の消費を抑えようとする機運が高まってい
る。
【0005】前記の木材繊維を構成する樹木は、強固な
幹を支えるために多くのリグニンを含んでいるので、化
学パルプやセミケミカルパルプ等のパルプ製造において
は、このリグニンを繊維分から分離するための薬品溶解
に際して加熱による蒸解(蒸煮ともいう)が不可欠であ
る。この蒸解には当然熱源を必要とし、前記したリグニ
ンの溶解のために多量の薬品の使用を余儀なくされ、加
えて繊維から分離した廃液は使途に乏しいために放流し
たり、あるいはボイラー燃焼などによる処分が行われて
いるが、いずれも公害源となるので、パルプの製造には
多くの装置と場所を要し、コストダウンを図ることがき
わめて難しい。
【0006】この発明はかゝる現状に鑑み、サトウキビ
の絞りカスなど大量に排出される農業廃棄物中に含まれ
る非木材の植物繊維を有効に利用した良質のパルプ原料
を提供せんとするものである。
【0007】この発明の他の目的は、前記非木材の植物
繊維を有効に利用した良質のパルプ原料を安価に製造法
するためのパルプ原料の製造法の提供にある。
【0008】この発明のさらに他の目的は、前記非木材
の植物繊維を有効に利用した良質のパルプ原料を安価に
製造するためのパルプ原料の製造装置の提供にある。
【0009】この発明のさらに他の目的は、前記のパル
プ原料の製造装置を利用して非木材の植物繊維を有効に
利用した良質のパルプを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、この発明の請求項1に記載のパルプ原料は、非木材
の植物繊維に、少なくとも過酸化水素と苛性アルカリと
の混合液からなる処理液を加え、非加熱状態において、
前記植物繊維と前記処理液を反応せしめ、植物繊維中の
リグニンの溶出と該植物繊維の軟化及び漂白によるパル
プ化処理を行うことを特徴とするものである。
【0011】この発明のパルプ原料の製造法は、基本的
には、非木材の植物繊維に、少なくとも過酸化水素と苛
性アルカリとの混合液からなる処理液を加え、非加熱状
態において、前記植物繊維を前記処理液の表面に顕出し
ない状態を保持しながら前記処理液と反応せしめ、植物
繊維中のリグニンの溶出と該植物繊維の軟化及び漂白に
よるパルプ化処理を行ったのち、廃液を分離すること特
徴とする。
【0012】より詳しくは、非木材の植物繊維に、過酸
化水素と苛性アルカリとからなる混合液と、該混合液の
前記植物繊維への添加によって得られたリグニンを含む
廃液とからなる処理液を加え、非加熱状態において、前
記植物繊維を処理液の表面に顕出しない状態を保持しな
がら処理液と反応せしめ、植物繊維中のリグニンの溶出
と該植物繊維の軟化及び漂白によるパルプ化処理を行っ
たのち、処理液を分離することを特徴とするものであ
る。
【0013】この発明の請求項6に記載のパルプ原料製
造装置は、上部が開口した有底筒状の処理槽と、この処
理槽内に上下動自在に設けられ、処理槽内に収容された
非木材の植物繊維が添加されたパルプ化のための処理液
の表面に顕出することを防止するための押圧板とからな
ることを特徴とするものである。
【0014】この発明の請求項9に記載のパルプの製造
方法は、有底筒状の処理槽内に非木材の植物繊維を収容
し、前記処理槽内に過酸化水素と苛性アルカリとからな
る混合液、もしくは前記混合液の前記植物繊維への添加
によって得られたリグニンを含む廃液と前記混合液とか
らなる処理液を加え、前記植物繊維が処理液の表面に顕
出しないよう処理槽内に上下動自在に配置した押圧板に
よって押圧保持しながら、非加熱下において、植物繊維
と処理液とを反応せしめ、初期段階における反応の鎮静
化に伴って押圧板による押圧度を緩め、前記処理液の追
加によって植物繊維のパルプ化処理を促進させてパルプ
繊維を得たのち、該パルプ繊維と処理液を分離し、爾後
常法によりパルプとすることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明のパルプ原料は、樹木の
木化(木質化)に関与してセルロースと共に樹木中にほ
ゞ20〜30%という多量のリグニンを含む木材繊維を
用いることなく、リグニンの少ない非木材の植物の茎や
葉をパルプ化のための植物繊維からなるものである。
【0016】かゝる非木材の植物繊維としては、アバカ
(ばしょう科に属する宿根性植物の葉柄から採取される
繊維)、バガス(さとうきびの搾りかす)、バナナの
葉、ケナフ(あおい科に属する1年生草本の茎から採っ
た靱皮繊維)、チョマ、コゴングラス、キビの茎葉およ
びトウモロコシの茎葉などがあり、これらの1種もしく
は2種以上を使用することができる。
【0017】この発明のパルプ原料の製造法は、かゝる
非木材の植物繊維を、少なくとも過酸化水素と苛性アル
カリの混合液からなる処理液を用いて、非加熱の状態、
すなわち、常温でパルプ化するものである。
【0018】この処理液に使用する苛性アルカリとして
は、苛性ソーダや苛性カリなどがあるが、容易かつ安価
に入手できる苛性ソーダが好ましい。
【0019】このパルプ原料の製造法において、パルプ
化の最初の段階においては、パルプ化によって生成する
廃液がないため、過酸化水素と苛性アルカリの混合液の
みからなる処理液を使用してパルプ化し、その後のパル
プ化によって前記廃液が得られるようになれば、この廃
液を主体としてこれに過酸化水素と苛性アルカリを混合
した液を処理液として使用するものである。
【0020】この処理液の各成分の好ましい混合割合
は、廃液を混入しない過酸化水素と苛性アルカリのみの
場合には、おおむね過酸化水素1:苛性アルカリ2(重
量比)とするもので、植物繊維に対するこの処理液の好
ましい使用量は、約0.5〜2.0重量%の範囲であ
る。
【0021】一方、廃液を混合した処理液の場合には、
処理液の全量に対する好ましい割合として、廃液を85
〜95重量%、過酸化水素を1.0〜3.0重量%、苛
性アルカリを3.0〜6.0重量%とすることが好まし
く、前記廃液を圧倒的多量に用いることによって過酸化
水素と苛性アルカリの使用量を抑えられる。
【0022】この処理液の植物繊維に対する使用量は、
植物繊維量の約2倍量〜4倍量(重量)である。なお、
廃液はその全量を前記過酸化水素と苛性アルカリに混合
することなく、その一部を残し、反応の途中においてこ
れを逐次添加して最終的に所期の廃液量を確保するよう
にしてもよい。
【0023】かゝる処理液の組成や植物繊維に対する使
用量は、対象とする植物繊維の種類や、該植物繊維に含
まれるリグニン量及びパルプ化の質などによって適宜に
調整することができる。
【0024】以下、非木材の植物を用いるこの発明のパ
ルプの製造方法の一例を添付の図面を引用して説明す
る。図1はこの発明のパルプの製造方法のブロックダイ
ヤグラムであって、パルプの原料となる植物繊維を裁断
機1によって適宜の大きさに裁断し、除塵装置2によっ
てあらかじめ異物を取り除いたのち、パルプ化装置3に
導入する。除塵装置2で取り除いた異物は、肥料として
土壌に還元することができる。
【0025】パルプ化装置3に導入された植物繊維に、
処理液調整装置15において調製されたこの発明のパル
プ原料の製造法で得られた廃液と、過酸化水素および苛
性ソーダの混合液からなる処理液を注加して非加熱下、
たとえば、常温(温度約20〜25℃)において反応せ
しめる。
【0026】その際、パルプ化装置3に収容された植物
繊維は、たとえば、その表面を押圧することによって処
理液の表面に顕出しない状態に保持して反応させる。
【0027】このパルプ化装置3では、植物繊維と処理
液との反応の初期において気泡の発生による活発な反応
が生じ、所定時間の経過後(約3時間後)には反応が鎮
静化し、植物繊維が処理液を吸収して膨潤による体積膨
張が生じる。
【0028】この時点で加圧状態を弱め、パルプ化装置
3の内底部の植物繊維の分解を助けるために前記廃液の
所定量を追加し、ほゞ1昼夜(約24時間)という短時
間においてパルプ化を図るもので、植物繊維と前記の処
理液との反応で植物繊維中のリグニンが溶出し、同時に
繊維の軟化と漂白とが行なわれパルプ化される。
【0029】この反応によりパルプ繊維と、パルプ化に
よって溶出したリグニンなどを含んだ液(廃液)が生ず
るが、つぎのパルパー4でパルプ繊維を廃液から離解
し、ついで加圧脱水機5で脱水し、リファイナー6にお
いて洗浄水濾過装置20からの洗浄水によりパルプ繊維
の叩解と洗浄を行う。
【0030】前記加圧脱水機5による脱水で得られた廃
液は、これを回収して廃液濾過装置16に送ってその中
の固形分を濾過し、濾液は廃液として前記処理液調整装
置15に移送し、固形分は有機肥料の製造工程に移送し
て有機肥料として耕作地などに使用する。
【0031】リファイナー6を経たパルプ繊維は、スク
リーンによる精選装置7で除塵し、セントリークリーナ
ー8において最終的な除塵を行い、ついで水を使用した
脱水脱色装置9において脱水脱色を行ったのち、シート
マシン10でシートとし、梱包し保管される。
【0032】加圧脱水機5で得られた廃液は、廃液濾過
装置16において液と固形分に分離され、廃液として前
記処理液調整装置15に送り、処理液貯槽14からこの
処理処理液調整装置15に送られた過酸化水素、苛性ソ
ーダと混合して所定の混合液としてパルプ化装置3に導
入される。
【0033】廃液濾過装置16で得られた固形分は、沈
殿物収集装置17に集められて肥料製造工程18におい
て有機肥料として耕作地19などに供給される。一方、
脱水脱色装置9において脱水脱色に使用された水は、洗
浄水濾過装置20を経て前記したリファイナー6に供給
され、リファイナー6のための洗浄水として使用され
る。なお、11は原料繊維物質の倉庫、12は梱包機、
13は製品パルプの保管倉庫である。
【0034】この発明における前記パルプ化装置3は、
具体的には図2に例示する構造を有するものである。す
なわち、パルプ化装置3は、上部が開口した所定の径と
高さの縦型の有底円筒状をなした処理槽21と、この処
理槽21内に設けられた円板状の押圧板22と、外周に
ねじ23aを刻設して下端を押圧板22の上面中央に固
定したシャフト23と、このシャフト23を保持して当
該押圧板22を処理槽21内に昇降させるための蓋部材
24とによって構成されているものである。
【0035】このバルプ化装置3は上部の開口部から植
物繊維と処理液を投入し、反応で得られた内容物をこの
開口部から排出するようになっている。かゝるパルプ化
装置3は、反応の途中で生ずる原料の植物繊維の膨潤に
よる体積膨張や、反応途中で加える廃液の量などを考慮
すれば、直径に対する高さの比を大きくした深底の円筒
体であることが望ましい。
【0036】蓋部材24は、処理槽21の上部の外周部
の対向する部位に設けた一対の係合部材21a,21b
に係合する係合部を下部に有する一対の縦部材25a,
25bの上端部を下部横部材26と上部横部材27によ
って一体的に連結して全体を門形の形状して構成したも
のである。
【0037】この蓋部材24の上部横部材27にはモー
タ28を固定し、上部横部材27と下部横部材26の間
には、前記モータ28の回転軸に直結されて軸方向に沿
った外周にかみ合い歯を設けた縦歯車29が設けられて
いる。
【0038】一方、前記シャフト23は、その上端部を
前記下部横部材26と上部横部材27の中央部にそれぞ
れ貫通させる。その際、シャフト23は下部横部材26
上の中央部に配設した平歯車30の中心部をも貫通さ
せ、シャフト23の外周部に形成したねじ23a部を平
歯車30の貫通部の内周に設けたねじと係合させてい
る。
【0039】この平歯車30の外周は上下の横部材2
6,27間に設けられた縦歯車29と係合していると共
に、この平歯車30と上部横部材27の間のシャフト2
3の外周にはスプリング31が介装され、このスプリン
グ31による付勢で平歯車30を常時下方に押し付ける
ように構成している。なお、23bはシャフト23のね
じに塗布した機械油のための油止めである。
【0040】かゝる蓋部材24において、モータ28の
正逆の回転で縦歯車29が回転すると、この縦歯車29
にかみ合っている平歯車30が回転し、平歯車30に螺
着されているシャフト23を自在に上下させることがで
き、これによってシャフト23に結合した押圧板22と
処理槽21の内底部の間の空間の容積を自在に変化させ
ることができる。
【0041】この処理槽21の内部に収容した植物繊維
と処理液との反応で原料である植物繊維が膨潤し、押圧
板22を押し上げる方向に力が加わると、シャフト23
もスプリング31の力に抗して自動的に上方に押し上げ
られるように作用する。その際、平歯車30が縦歯車2
9にかみ合ったまゝで縦歯車29の軸方向に沿って移動
し、シャフト23を平歯車30と共に自動的に上方に押
し上げ、これによって押圧板22が上昇し、原料の収縮
によって押圧板22が自動的に下がるよう構成されてい
る。
【0042】この場合のシャフト23の移動は、下部横
部材26と上部横部材27の間の限られた距離において
なされるので、このパルプ化装置3は、押圧板22の大
きな上下移動をモータ28で行い、小さな上下移動を前
記スプリング31によって自動的に行うことができる。
【0043】この蓋部材24は処理槽21に対して着脱
可能としているため、原料の植物繊維を内部に充填する
場合や、パルプ化したパルプ繊維を廃液と共に排出する
ような場合には、この蓋部材24を処理槽21から取り
外し、処理槽21の上部の開口部から行うものである。
【0044】パルプ化したパルプ繊維を廃液と共に排出
する場合には、図3に示すように、処理槽21に設けた
係合部材21a,21bに、コ字状のアングル材からな
る吊下部材32を使用し、吊下部材32に設けた吊下環
33にフックを掛けて吊り下げ、処理槽21を傾倒させ
て内容物を排出することができる。その際に、処理槽2
1の開口縁のほゞ半周に案内用の鍔34を設けることに
よって、液垂れのない状態で内容物を排出することがで
きる。なお、35は処理槽21を傾倒させるとき、鉤の
付いた棒などを引っ掛けて有利に傾倒するためのフック
である。
【0045】
【作用】この発明のパルプ原料の製造法は、非木材から
なる植物繊維に過酸化水素と苛性アルカリとの混合液か
らなる処理液、もしくは前記混合液を前記植物繊維に反
応させることによって得たリグニンを含む廃液と前記混
合液とからなる処理液を非加熱下において反応させるこ
とによって、ほゞ1昼夜という短時間において植物繊維
中に含まれるリグニンを溶出させ、同時に植物繊維の軟
化と漂白によりパルプ化することができる。
【0046】このパルプ化で得られるパルプ繊維を廃液
より分離し、常法によって濾過、洗浄、脱水等を行って
精製することによってパルプとすることができ、得たパ
ルプは良質なものである。
【0047】
【実施例】以下、この発明のパルプ化装置を用いたパル
プ製造の実施例を添付の図面を引用してより具体的に説
明する。 <実施例1>図1における裁断機1であらかじめ所定の
大きさに裁断し、除塵装置2で異物を除去した繊維状の
アバカを、図2に示すバルプ化装置3に投入し、点線L
1 で示すレベルになるように押圧板22で押圧し、この
状態で処理液を注入し、非加熱下において反応させて第
1段階のパルプ化を実施した。用いたアバカの量及び薬
液の組成と使用量は〔表1〕のとおりである。
【0048】
【表1】
【0049】この処理液の注入により、最初に気泡の発
生による活発な反応が行われ、約3時間後には反応が鎮
静化し、アバカの薬液吸収による体積膨張で押圧板22
を自動的に押し上げて図2の点線L2 で示すレベルとな
った。
【0050】この時点でモータ28を始動して押圧板を
適度に上昇させ、アバカに掛ける押圧状態を弱めて放置
したところ、約20時間後には液のレベルが図2の点線
3で示すレベルとなった。その後、約4時間さらに放
置し、ほゞ24時間で反応を終了させた。これによりア
バカは薬液との反応で繊維物質中のリグニンを溶出し、
同時に繊維の軟化と漂白が行われてアバカによるパルプ
繊維を得ることができた。
【0051】この第1段階のパルプ化によって得られた
内容物をパルプ化装置3から取り出してパルパー4でパ
ルプ繊維を廃液から離解し、加圧脱水機5で脱水し、得
た廃液を含んだ薬液を使用して以下に述べる第2段階の
パルプ化を行った。すなわち、前記と同様にして裁断、
除塵したアバカをパルプ化装置3に投入して押圧板22
で押圧し、この状態で処理液を注入し、非加熱下におい
て反応させて第1段階のパルプ化を実施した。用いたア
バカの量及び薬液の組成と使用量は〔表2〕のとおりで
ある。
【0052】
【表2】
【0053】この状態で前記第1段階のパルプ化に準じ
て操作することにより、最初に気泡の発生による活発な
反応が行われ、約3時間後には反応が鎮静化し、アバカ
の薬液吸収による体積膨張で押圧板22を自動的に押し
上げて図2の点線L2 で示すレベルとなった。
【0054】この時点でモータ28を始動して押圧板を
適度に上昇させ、アバカに掛ける圧力を和らげて処理槽
21の内底部のアバカの分解を助けるために加圧状態を
弱めて廃液の所定量を逐次追加した。
【0055】約20時間後には液のレベルが図2の点線
3 で示すレベルとなり、約4時間このまゝで放置し、
ほゞ24時間で反応を終了させた。これによりアバカは
処理液との反応で繊維物質中のリグニンを溶出し、同時
に繊維の軟化と漂白が行われてアバカによるパルプ繊維
を得ることができた。前記第1段階および第2段階で得
たパルプ化の内容物より廃液を分離し、これより図1に
示す工程に準拠した処理によって最終的にアバカによる
シート(紙)を得た。このシートは、厚みが薄いにもか
かわらず、強靱でかつ優れた耐水性を優するものであっ
た。
【0056】
【発明の効果】この発明のパルプ原料の製造法は、非木
材の植物繊維に過酸化水素と苛性アルカリとの混合液か
らなる処理液、もしくは前記植物繊維に前記混合液を反
応させることによって得たリグニンを含む廃液と前記過
酸化水素と苛性アルカリとの混合液とからなる処理液を
非加熱下において反応させることによって、ほゞ1昼夜
という短時間においてパルプ化でき、これにより植物繊
維は処理液と十分に反応して植物繊維中のリグニンを溶
出し、同時に繊維の軟化と漂白を行い、このパルプ化で
得られるパルプ繊維を廃液より分離し、常法による濾
過、洗浄、脱水等を行って精製したパルプとすることが
できる。
【0057】特に、この発明のパルプ原料の製造方は、
原料の非木材の植物繊維を非加熱でパルプ化させること
ができるので、繊維の変質のない優れた品質のパルプを
得ることができ、従来のような蒸解の必要がなく、パル
プ化で得たパルプ繊維から分離した廃液を回収して処理
液の一部として繰り返し使用できるので、廃液の排出に
よる公害の発生がなく、過酸化水素や苛性アルカリの新
規な使用を最低限に留めることができる。
【0058】さらに、対象となる繊維物質が、その処理
に難渋していた無尽蔵ともいわれている農産廃棄物など
の非木材の繊維を原料として利用できるので、安価かつ
容易にパルプを得ることができる。
【0059】この発明のパルプ原料の製造法で得られた
パルプ繊維は、廃液を分離した状態で密封しておけば保
存が可能であるため、このパルプ化装置を中心としてこ
れに付随するパルパーや加圧脱水機、廃液濾過装置、薬
液貯槽、廃液調整装置などの一連の付帯設備を、農業廃
棄物を多量に排出する地域に設置してパルプ化し、得た
パルプ繊維を大きなパルプ需要を持った遠隔地の既設の
パルプ工場に送って爾後のパルプ精製等の工程をこのパ
ルプ工場で実施して最終的なパルプとすることにより、
さらに低廉な設備や費用で安価かつ効率的なパルプの製
造が可能となるものである。
【0060】この発明のパルプ原料製造装置は、簡単な
構造により非木材からなる植物繊維のパルプ化を可能に
し、操作や取り扱いも容易であるのでパルプ化のための
設備費を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のパルプの製造方法における工程の一
例を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】この発明のパルプ化装置の一例を示す縦断面図
である。
【図3】この発明のパルプ化装置の使用例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 裁断機 2 除塵装置 3 パルプ化装置 4 パルパー 5 加圧脱水機 6 リファイナー 7 精選装置 8 セントリークリーナー 9 脱水脱色装置 10 シートマシン 14 処理液貯槽 15 処理液調整装置 16 濾液濾過装置 21 処理槽 22 押圧板 23 シャフト 24 蓋部材 25a,25b 縦部材 26 下部横部材 27 上部横部材 28 モータ 29 縦歯車 30 平歯車 31 スプリング 32 吊下部材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非木材の植物繊維に、少なくとも過酸化
    水素と苛性アルカリとの混合液からなる処理液を加え、
    非加熱状態において、前記植物繊維と前記処理液を反応
    せしめ、植物繊維中のリグニンの溶出と該植物繊維の軟
    化及び漂白によるパルプ化処理を行うことによって得た
    ことを特徴とするパルプ原料。
  2. 【請求項2】 非木材の植物繊維に、少なくとも過酸化
    水素と苛性アルカリとの混合液からなる処理液を加え、
    非加熱状態において、前記植物繊維を前記処理液の表面
    に顕出しない状態を保持しながら前記処理液と反応せし
    め、植物繊維中のリグニンの溶出と該植物繊維の軟化及
    び漂白によるパルプ化処理を行ったのち、廃液を分離す
    ること特徴とするパルプ原料の製造法。
  3. 【請求項3】 非木材の植物繊維に、過酸化水素と苛性
    アルカリとからなる混合液と、該混合液の前記植物繊維
    への添加によって得られたリグニンを含む廃液とからな
    る処理液を加え、非加熱状態において、前記植物繊維を
    処理液の表面に顕出しない状態を保持しながら処理液と
    反応せしめ、植物繊維中のリグニンの溶出と該植物繊維
    の軟化及び漂白によるパルプ化処理を行ったのち、処理
    液を分離することを特徴とするパルプ原料の製造法。
  4. 【請求項4】 前記非木材の植物繊維は、アバカ、バガ
    ス、バナナの葉、ケナフ、チョマ、コゴングラス、キビ
    およびトウモロコシの茎葉から選ばれた1種もしくは2
    種以上からなることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載のパルプ原料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記処理液は、処理液の全量に対する割
    合として廃液が85〜95重量%、混合液中の過酸化水
    素が1.0〜3.0重量%、苛性アルカリが3.0〜
    6.0重量%であることを特徴とする請求項3に記載の
    パルプ原料の製造方法。
  6. 【請求項6】 上部が開口した有底筒状の処理槽と、こ
    の処理槽内に上下動自在に設けられ、処理槽内に収容さ
    れた非木材の植物繊維が添加されたパルプ化のための処
    理液の表面に顕出することを防止するための押圧板とか
    らなることを特徴とするパルプ原料製造装置。
  7. 【請求項7】 前記押圧板は、前記処理槽の上部に着脱
    自在に装着される蓋部材の中央部に設けられたシャフト
    と連動したもので、該シャフトは蓋部材に設けられたモ
    ータによって駆動するものであることを特徴とする請求
    項6に記載のパルプ原料製造装置。
  8. 【請求項8】 前記押圧板は、前記処理槽の上部に着脱
    自在に装着される蓋部材の中央部に設けられたシャフト
    と連動したもので、該シャフトは蓋部材に装着されたバ
    ネ部材によって昇降自在に保持されていることを特徴と
    する請求項6に記載のパルプ原料製造装置。
  9. 【請求項9】 有底筒状の処理槽内に非木材の植物繊維
    を収容し、前記処理槽内に過酸化水素と苛性アルカリと
    からなる混合液、もしくは前記混合液の前記植物繊維へ
    の添加によって得られたリグニンを含む廃液と前記混合
    液とからなる処理液を加え、前記植物繊維が処理液の表
    面に顕出しないよう処理槽内に上下動自在に配置した押
    圧板によって押圧保持しながら、非加熱下において、植
    物繊維と処理液とを反応せしめ、初期段階における反応
    の鎮静化に伴って押圧板による押圧度を緩め、前記処理
    液の追加によって植物繊維のパルプ化処理を促進させて
    パルプ繊維を得たのち、該パルプ繊維と処理液を分離
    し、爾後常法によりパルプとすることを特徴とするパル
    プの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007071187A1 (fr) * 2005-12-21 2007-06-28 Chengshao Zhang Procede de fabrication de pate a papier par reaction de peroxyde d'hydrogene et d'une substance alcaline
CN101823002A (zh) * 2010-04-20 2010-09-08 金永安 一种基于碱-过氧化氢法的蒸煮催化剂及清洁化制浆工艺
KR101895009B1 (ko) 2016-05-24 2018-10-24 송한규 삼아피지사(三皮紙絲) 제조장치 및 방법, 삼아피지사를 포함한 편직물
WO2022054297A1 (ja) * 2020-09-11 2022-03-17 修弘 中村 紙類
CN115976870A (zh) * 2022-12-24 2023-04-18 台州森林造纸有限公司 一种造纸用纸浆除渣系统

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