JP2000291577A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP2000291577A
JP2000291577A JP11100577A JP10057799A JP2000291577A JP 2000291577 A JP2000291577 A JP 2000291577A JP 11100577 A JP11100577 A JP 11100577A JP 10057799 A JP10057799 A JP 10057799A JP 2000291577 A JP2000291577 A JP 2000291577A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろう付け入熱によるエアギャップの悪化を防
止する。 【解決手段】 圧縮機本体とケーシングとを、ろう付け
入熱による残留変形の略極小点である節目点K1、K
2、K3、K4、K5の少なくとも3点においてスポッ
ト溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、円筒状のケーシ
ング内にモータと圧縮機本体とを互いに同心に配置して
あるとともに、ケーシングの所定位置を貫通させて設け
た継手管に対して、圧縮機本体の内部空間と連通される
アキュムレータをろう付けによって固定してある圧縮機
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、円筒状のケーシング内にモー
タと圧縮機本体とを互いに同心に配置してあるととも
に、ケーシングの所定位置を貫通させて設けた継手管に
対して、圧縮機本体のシリンダに圧入、連通されるイン
レットチューブと共にアキュムレータをろう付けによっ
て固定してある圧縮機が一般的に採用されている。
【0003】そして、従来のこのような圧縮機において
は、圧縮機本体のシリンダとケーシングとを3ヶ所(図
7中矢印で示す3ヶ所であり、継手管を基準とす
る角度が52.0°、22.0°、165.0°に設定
されている)でスポット溶接することにより、圧縮機本
体の位置決めを達成している。ここで、シリンダは鋳鋼
製であり、材料費削減を目的として、ケーシングに対す
る溶接固定を達成する箇所にのみ肉を残している(図7
参照)。ただし、シリンダは、全周円形にして肉を鋳抜
きで減らすことも可能である。
【0004】そして、図7に示す構成のシリンダ、全周
円形で肉を鋳抜きで減らしたシリンダに対して溶接設備
を共通化する場合には、図7に示す構成のシリンダに適
用できるように溶接位置を設定することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7に示すように溶接
位置が設定された場合において、溶接時に働く力を合成
すると、図8に示すように、との合力は、に対
して1.6倍の大きさで向きが逆になり、結果としてシ
リンダはの向きに押されての位置でケーシングとの
クリアランスが詰まる。
【0006】このケーシングに対してシリンダが移動す
る方向とモータギャップが詰まる位置がほぼ一致する。
【0007】以上より、溶接が原因となるシリンダの位
置ずれがモータ回転子の軸ずれおよび傾きを生じ、モー
タエアギャップを狭めていると考えられる。
【0008】さらに、アキュムレータを継手管に対して
ろう付けするときの入熱でエアギャップが悪化すること
も知られている。
【0009】したがって、これらが原因となって、エア
ギャップが大幅に悪化することになる。
【0010】換言すれば、圧縮機のモータエアギャップ
は、アキュムレータろう付け入熱によるケーシングの残
留変形で芯ずれを生じ、しかも、上記従来の溶接位置は
スポット溶接平面における残留変形の影響を受けやすい
位置にあるので、ろう付け後はモータエアギャップの芯
ずれが大きく、モータ効率の低下、回転子と固定子との
接触などの不都合の原因になる。
【0011】また、実験的に得られたデータから、エア
ギャップの悪化する変化量は、最大で約0.05mmで
あり、その内訳は、溶接の合力と入熱によるものと、ろ
う付け入熱によるものとがおよそ半分づつであることが
分かる。したがって、上述の不都合が発生することにな
ってしまう。
【0012】さらに説明する。
【0013】近年、家電製品、特に消費電力の大きいエ
アコンには、省エネルギー、小消費電力化が求められて
いる。そして、エアコンの消費電力は圧縮機のモータに
よるものが最も多いので、その高効率化を達成するため
に、リラクタンスDCモータなどが採用されるようにな
ってきている。
【0014】このリラクタンスDCモータは、リラクタ
ンストルクと磁石トルクとを発生させるために、希土類
磁石を回転子に埋め込んでいる。そして、この希土類磁
石は磁力が非常に強いため、また、駆動させると回転子
と固定子との間に引き合う力が生まれるため、エアギャ
ップは偏りがないように確実に確保しなければならな
い。さらに、リラクタンスDCモータでは、対効率の観
点からエアギャップは狭いことが要求される。このエア
ギャップを狭くすることで効率を上げることができ、効
率が上がれば改善前の効率を維持してコストダウンする
設計仕様変更も可能であり、エアギャップ−効率−コス
トが密接に関わっている。
【0015】また、エアギャップが均一でないと、所期
の効率が得られないばかりか、最悪の場合には回転子と
固定子とが接触し、回転子が回らない、騒音が大きくな
る、などの不都合が発生する。
【0016】ここで、エアギャップの悪化する変化量は
上述のように最大で約0.05mmであり、他にも回転
軸と軸受けとの隙間で生ずる回転軸の倒れが約0.05
mmあるので、合計でエアギャップの2割を占める。こ
れら以外にも、磁力で引き寄せられて回転軸が撓むな
ど、エアギャップをさらに狭める要因がある。
【0017】したがって、これらの要因を全て解消する
ことが最も好ましいのであるが、これらの要因を全て解
消することは実際上は到底不可能である。
【0018】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、ろう付け入熱によるエアギャップの悪化
を防止することができる圧縮機を提供することを目的と
している。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の圧縮機は、円
筒状のケーシング内にモータと圧縮機本体とを互いに同
心に配置してあるとともに、ケーシングの所定位置を貫
通させて設けた継手管に対して、圧縮機本体の内部空間
と連通されるアキュムレータをろう付けによって固定し
てあるものであって、前記圧縮機本体とケーシングと
を、ろう付け入熱による残留変形の略極小点である節目
点の少なくとも3点において溶接したものである。
【0020】請求項2の圧縮機は、前記圧縮機本体とし
て、シリンダをフロントヘッドとリアヘッドとで挟持し
てあるとともに、シリンダの内部空間において回転可能
なロータリーピストンをモータの回転子と連結してある
ものを採用し、ケーシングとフロントヘッドとを、ろう
付け入熱による残留変形の略極小点である節目点の少な
くとも3点において溶接したものである。
【0021】
【作用】請求項1の圧縮機であれば、圧縮機本体とケー
シングとを、ろう付け入熱による残留変形の略極小点で
ある節目点の少なくとも3点において溶接しているので
あるから、ろう付け入熱による残留変形がエアギャップ
芯ずれに及ぼす影響を最小限に抑えることができ、ひい
ては、エアギャップの不良率の低減とモータ効率の向上
を達成することができる。
【0022】請求項2の圧縮機であれば、前記圧縮機本
体として、シリンダをフロントヘッドとリアヘッドとで
挟持してあるとともに、シリンダの内部空間において回
転可能なロータリーピストンをモータの回転子と連結し
てあるものを採用し、ケーシングとフロントヘッドと
を、ろう付け入熱による残留変形の略極小点である節目
点の少なくとも3点において溶接しているので、請求項
1の作用に加え、ろう付け入熱によるシリンダの内部空
間の歪みを低減することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明の圧縮機の実施の態様を詳細に説明する。
【0024】図1はこの発明の圧縮機の一実施態様を示
す縦断面図である。
【0025】この圧縮機は、円筒状の主ケーシング1の
底部にボトムケーシング1aを一体的に設けているとと
もに、主ケーシング1の内部にモータ2および圧縮機本
体3を互いに同心に設けている。そして、主ケーシング
1の所定位置に設けた継手管1bに対して、圧縮機本体
3のシリンダ3aに圧入、連通されるインレットチュー
ブ4aと共にアキュムレータ4の配管の全周をろう付け
によって連結している。
【0026】前記モータ2は、例えば、リラクタンスD
Cモータであり、固定子巻線2bを有するとともに、主
ケーシング1に固定された固定子2aと、図示しない永
久磁石を有するとともに、固定子2aの内部に回転自在
に設けられた回転子2cとを有している。
【0027】前記圧縮機本体3は、圧縮室として機能す
る内部空間3bを形成してなるシリンダ3aと、シリン
ダ3aを軸方向に挟持するフロントヘッド3c、リアヘ
ッド3dと、内部空間3b内に設けられたロータリーピ
ストン3eと、ロータリーピストン3eと嵌合されて回
転子2cとの連結を達成するクランク軸3fとを有して
いる。そして、フロントヘッド3cと主ケーシング1と
がスポット溶接により連結されている。なお、3gは、
シリンダ3a、フロントヘッド3c、およびリアヘッド
3dを一体化する連結ボルトである。
【0028】前記継手管1bは、シリンダ3aと正対す
るように主ケーシング1を貫通する状態で設けられてい
る。そして、継手管1bに挿通され、かつろう付けされ
たインレットチューブ4aの先端部は、シリンダ3aの
側壁を貫通する貫通孔3hと連通されている。
【0029】図2はフロントヘッド3cと主ケーシング
1とのスポット溶接位置、継手管1bの位置を説明する
概略図である。なお、図2においてP1、P2、P3は
従来のスポット溶接位置であり、T1、T2、T3は等
間隔のスポット溶接位置であり、K1、K2、K3、K
4、K5は節目点(ろう付け入熱による残留変形が略極
小になる点)である。
【0030】先ず、節目点K1、K2、K3、K4、K
5について説明する。
【0031】図3に示すように、主ケーシング1、ボト
ムケーシング1a、継手管1b、インレットチューブ4
aをシェル要素で、モータ2の固定子2aをソリッド要
素で、モデル化し、有限要素法(FEM)解析を行う。
なお、この解析を行うに当たって、ろう付け入熱を継手
管1bの端点に熱流束として設定し、また、継手管1b
と主ケーシング1と周囲空気との間の熱伝達係数が非常
に小さいことから、短時間の過渡熱伝導解析を行うに
は、自由対流による熱の散逸を考慮せず、構造全体が断
熱状態にあると考える。また、荷重条件として各時刻の
温度分布による熱荷重を用い、拘束条件として固定子2
aの内壁を完全固定する。
【0032】このような条件下において、主ケーシング
1の外表面に軸方向に並ぶ点A、B、C、Dにおける温
度の実測値(実線参照)と計算値(丸印参照)とは図4
に示すとおりであり、継手管1bから十分に離れた点
C、Dについては計算値と実測値とがよく一致し、継手
管1bに比較的近い点A、Bについては最初の数秒間を
除いて計算値と実測値とが概ね一致している。したがっ
て、計算結果と試験結果とは総じて相関関係がとれてい
ると考えてよい。換言すれば、FEM解析の妥当性が確
認できた。
【0033】図5は計算により求められた温度分布を用
いてスポット溶接平面における残留変形を示す図であ
る。
【0034】この図から分かるように、残留変形が殆ど
残らない節目点は、α=±31.0°、β=±101.
0°の場所に位置することが分かる。また、β〜(36
0.0−β)の領域においても残留変形が全般的に非常
に小さいことが分かる。
【0035】次いで、図6を参照して残留変形に起因す
るモータのエアギャップ芯ずれを説明する。なお、以下
の説明においては、シリンダ3a、フロントヘッド3
c、リアヘッド3dとクランク軸3fなどからなるメカ
部は、主ケーシング1a、継手管1bとインレットチュ
ーブ4aと比べ、剛性が非常に高いので、完全剛体とみ
なしている。
【0036】スポット溶接平面から回転子上部までの距
離をLとすれば、回転子上部での芯ずれは次の(1)
(2)(3)式から算出することができる。 U=U0+L×θy ・・・(1) V=V0+L×θx ・・・(1) δ=(U2+V21/2 ・・・(3) ここで、U0、V0は、スポット溶接平面の中心点(図
2中の点Oを参照)におけるx、y方向の並進残留変
位、θy、θxは中心点Oにおけるx、y軸周りの回転
残留変位である。
【0037】そして、スポット溶接位置を点P1、P
2、P3に設定した場合、点T1、T2、T3に設定し
た場合、節目点K1、K2、K3、K4、K5の少なく
とも3点に設定した場合のそれぞれについて回転子上部
でのエアギャップの芯ずれを計算したところ、表1に示
す計算結果が得られた。なお、単位はμmである。
【0038】
【表1】 表1から分かるように、従来の溶接点を採用した場合の
エアギャップ芯ずれが最も大きい。また、従来の溶接点
を採用した場合には、芯ずれの計算結果と実測結果とが
ほぼ一致している。
【0039】また、芯ずれの方向を、図2に〜の矢
印で示す。ここで、従来の溶接点を採用した場合には、
芯ずれの方向の計算結果と実測結果とが概ね一致してい
る。なお、矢印は等間隔の溶接点T1、T2、T3を
採用した場合に対応し、矢印は従来の溶接点P1、P
2、P3を採用した場合に対応し、矢印は節目点K2
〜K4を採用した場合に対応し、矢印は、節目点
K3〜K5を採用した場合、K1〜K4を採用した場
合、K1〜K5を採用した場合、K1,K2,K5を採
用した場合にそれぞれ対応している。
【0040】そして、従来の溶接点による最大芯ずれに
対する節目点を採用した場合の芯ずれの割合は、14.
3%〜44.9%であり、芯ずれを大幅に低減できてい
ることが分かる。
【0041】したがって、芯ずれを最も小さくするため
には、節目点K3〜K5を採用することが最も好まし
い。ただし、実際の量産形態で溶接による中心軸のずれ
を考慮すると、節目点K1〜K4、またはK2〜K4を
採用することが好ましい。
【0042】この結果、ろう付け入熱による残留変形が
エアギャップ芯ずれに及ぼす影響を最小限に抑えること
ができ、ひいては、エアギャップの不良率の低減、モー
タ効率の向上を達成することができる。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明は、ろう付け入熱による
残留変形がエアギャップ芯ずれに及ぼす影響を最小限に
抑えることができ、ひいては、エアギャップの不良率の
低減とモータ効率の向上を達成することができるという
特有の効果を奏する。
【0044】請求項2の発明は、請求項1の効果に加
え、ろう付け入熱によるシリンダの内部空間の歪みを低
減することができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧縮機の一実施態様を示す縦断面図
である。
【図2】フロントヘッドと主ケーシングとのスポット溶
接位置、継手管の位置を説明する概略図である。
【図3】主ケーシング、ボトムケーシング、継手管、イ
ンレットチューブをシェル要素で、モータの固定子をソ
リッド要素で、モデル化した状態を示す図である。
【図4】主ケーシングの外表面に軸方向に並ぶ点A、
B、C、Dにおける温度の実測値(実線参照)と計算値
(丸印参照)とを示す図である。
【図5】計算により求められた温度分布を用いてスポッ
ト溶接平面における残留変形を示す図である。
【図6】残留変形に起因するモータのエアギャップ芯ず
れを説明する図である。
【図7】従来の圧縮機のシリンダの形状および溶接位置
を示す図である。
【図8】溶接時に働く力を説明する図である。
【符号の説明】
1 主ケーシング 1b 継手管 2 モータ 2c 回転子 3 圧縮機本体 3a シリンダ 3b 内部空間 3c フロントヘッド 3d リアヘッド 3e ロータリーピストン 4 アキュムレータ K1、K2、K3、K4、K5
節目点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H003 AA05 AB04 AC03 CD01 CD07 CE02 CE03 CE05 CF04 3H029 AA04 AA13 AA21 BB11 BB31 BB42 BB47 CC02 CC07 CC09 CC26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のケーシング(1)内にモータ
    (2)と圧縮機本体(3)とを互いに同心に配置してあ
    るとともに、ケーシング(1)の所定位置を貫通させて
    設けた継手管(1b)に対して、圧縮機本体(3)の内
    部空間と連通されるアキュムレータ(4)をろう付けに
    よって固定してある圧縮機であって、 前記圧縮機本体(3)とケーシング(1)とを、ろう付
    け入熱による残留変形の略極小点である節目点(K1)
    (K2)(K3)(K4)(K5)の少なくとも3点に
    おいて溶接してあることを特徴とする圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記圧縮機本体(3)は、シリンダ(3
    a)をフロントヘッド(3c)とリアヘッド(3d)と
    で挟持してあるとともに、シリンダ(3a)の内部空間
    (3b)において回転可能なロータリーピストン(3
    e)をモータ(2)の回転子(2c)と連結してあり、
    ケーシング(1)とフロントヘッド(3c)とを、ろう
    付け入熱による残留変形の略極小点である節目点(K
    1)(K2)(K3)(K4)(K5)の少なくとも3
    点において溶接してある請求項1に記載の圧縮機。
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