JP2000291645A - 摺動構造物 - Google Patents
摺動構造物Info
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- JP2000291645A JP2000291645A JP11101883A JP10188399A JP2000291645A JP 2000291645 A JP2000291645 A JP 2000291645A JP 11101883 A JP11101883 A JP 11101883A JP 10188399 A JP10188399 A JP 10188399A JP 2000291645 A JP2000291645 A JP 2000291645A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐蝕性、耐熱性、耐熱衝撃性を有する他、特
に優れた高温耐摩耗性を有し、安定かつ滑らかな摺動を
行うことができる摺動構造物、摺動リングと軸本体との
熱膨張係数が異なっていても、摺動リングと軸本体が空
回りを起こしたり、摺動リングが破損することのない摺
動構造物を提供する。 【解決手段】 軸受け51と、上記軸受け51に設けた
軸孔内をを相対的に回転する軸41を有する摺動構造物
52おいて、上記軸41を、周方向に溝42を有する軸
本体43と、上記溝42にはめ込まれた摺動リング44
とから構成し、上記摺動リング44を、軸本体43とは
熱膨張係数の異なる材料にて構成するとともに、その周
方向に3以上、8以下の断片45に分割し、上記摺動リ
ング44及び溝42を、回転軸を含む平面で切断した場
合の断面形状を、上記軸41の外周側を上底とした、ほ
ぼ同寸法の台形とする。金属溶湯中において使用される
摺動構造物において、少なくともその摺動部分をSi−
SiC系複合材料又はSiC系複合材料から構成する。
に優れた高温耐摩耗性を有し、安定かつ滑らかな摺動を
行うことができる摺動構造物、摺動リングと軸本体との
熱膨張係数が異なっていても、摺動リングと軸本体が空
回りを起こしたり、摺動リングが破損することのない摺
動構造物を提供する。 【解決手段】 軸受け51と、上記軸受け51に設けた
軸孔内をを相対的に回転する軸41を有する摺動構造物
52おいて、上記軸41を、周方向に溝42を有する軸
本体43と、上記溝42にはめ込まれた摺動リング44
とから構成し、上記摺動リング44を、軸本体43とは
熱膨張係数の異なる材料にて構成するとともに、その周
方向に3以上、8以下の断片45に分割し、上記摺動リ
ング44及び溝42を、回転軸を含む平面で切断した場
合の断面形状を、上記軸41の外周側を上底とした、ほ
ぼ同寸法の台形とする。金属溶湯中において使用される
摺動構造物において、少なくともその摺動部分をSi−
SiC系複合材料又はSiC系複合材料から構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、金属溶湯中にお
いて使用される摺動構造物、特に溶融金属メッキ装置に
設置されたロール装置に関する。
いて使用される摺動構造物、特に溶融金属メッキ装置に
設置されたロール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 摺動構造物とは、軸受けと軸受けに設
けた軸孔内に設置された軸等のように、互いに摺動しつ
つ特定の目的を達成するような構造物をいうが、金属溶
湯中において使用される摺動構造物としては、例えば、
溶融金属メッキ装置に設置されたシンクロール装置、サ
ポートロール装置等が挙げられる。
けた軸孔内に設置された軸等のように、互いに摺動しつ
つ特定の目的を達成するような構造物をいうが、金属溶
湯中において使用される摺動構造物としては、例えば、
溶融金属メッキ装置に設置されたシンクロール装置、サ
ポートロール装置等が挙げられる。
【0003】 従って、金属溶湯中で使用される摺動構
造物の例として、シンクロール装置及びサポートロール
装置について、図5に示す溶融金属メッキ装置の模式図
を用いて説明する。溶融金属メッキ装置21は金属溶湯
22を満たしたメッキ槽23に浸漬した状態で使用さ
れ、一般的に、シンクロール装置24、サポートロール
装置25及びワイピングノズル26とから構成されてい
る。
造物の例として、シンクロール装置及びサポートロール
装置について、図5に示す溶融金属メッキ装置の模式図
を用いて説明する。溶融金属メッキ装置21は金属溶湯
22を満たしたメッキ槽23に浸漬した状態で使用さ
れ、一般的に、シンクロール装置24、サポートロール
装置25及びワイピングノズル26とから構成されてい
る。
【0004】 シンクロール装置24は、シンクロール
27とシンクロール27に一体的に設けられた軸28及
び軸受け(図示せず。)から構成され、軸28は軸受け
と摺動しつつ軸受けに設けた軸孔内を回転する。又、サ
ポートロール装置25は、2個のサポートロール29と
サポートロール29に一体的に設けられた軸30及び軸
受け(図示せず。)から構成され、軸30は軸受けと摺
動しつつ軸受けに設けた軸孔内を回転する。
27とシンクロール27に一体的に設けられた軸28及
び軸受け(図示せず。)から構成され、軸28は軸受け
と摺動しつつ軸受けに設けた軸孔内を回転する。又、サ
ポートロール装置25は、2個のサポートロール29と
サポートロール29に一体的に設けられた軸30及び軸
受け(図示せず。)から構成され、軸30は軸受けと摺
動しつつ軸受けに設けた軸孔内を回転する。
【0005】 メッキ工程において、メッキ槽23の斜
め上方より供給された鋼ストリップ31は、シンクロー
ル装置24により上方へと方向転換され、サポートロー
ル装置25により、面振れを抑制される。さらに、ワイ
ピングノズル26より吹き出す、ガス圧と吹きつけ角度
を調整した高速ガスにより、鋼ストリップ31へのメッ
キ厚が調節される。
め上方より供給された鋼ストリップ31は、シンクロー
ル装置24により上方へと方向転換され、サポートロー
ル装置25により、面振れを抑制される。さらに、ワイ
ピングノズル26より吹き出す、ガス圧と吹きつけ角度
を調整した高速ガスにより、鋼ストリップ31へのメッ
キ厚が調節される。
【0006】 金属溶湯の温度は、例えば亜鉛の場合約
500℃、アルミニウムの場合約750℃であり、この
ような金属溶湯中で使用される摺動構造物の材質には、
優れた耐蝕性、耐熱性、耐熱衝撃性及び高温耐摩耗性を
備えたものを用いることが必要となる。特に、溶融金属
メッキ装置に設置されるシンクロール装置及びサポート
ロール装置においては、軸や軸受けの摺動部が摩耗した
り、腐食すると、ロールや溶融金属メッキ装置が振動す
るため、メッキ厚にばらつきを生じることになる。その
ため、シンクロール装置、サポートロール装置等の摺動
構造物の摺動部分には、SCH13等の耐蝕性耐熱合金
やサイアロン等のセラミックが用いられてきた。具体的
には、例えば図6に示すように、シンクロール27、サ
ポートロール29の軸を軸本体33と上記耐蝕性耐熱合
金から成る摺動リング34から構成し、又、軸受けに設
けた軸孔40内にサイアロンから成る層32を設けてい
た。尚、シンクロール27、サポートロール29の全体
を上記の材質で構成せずに、摺動リング34を用いるの
は、摺動部分が摩耗するたびにロール装置全体を交換し
たのではメッキ作業のコストが増大するからである。
500℃、アルミニウムの場合約750℃であり、この
ような金属溶湯中で使用される摺動構造物の材質には、
優れた耐蝕性、耐熱性、耐熱衝撃性及び高温耐摩耗性を
備えたものを用いることが必要となる。特に、溶融金属
メッキ装置に設置されるシンクロール装置及びサポート
ロール装置においては、軸や軸受けの摺動部が摩耗した
り、腐食すると、ロールや溶融金属メッキ装置が振動す
るため、メッキ厚にばらつきを生じることになる。その
ため、シンクロール装置、サポートロール装置等の摺動
構造物の摺動部分には、SCH13等の耐蝕性耐熱合金
やサイアロン等のセラミックが用いられてきた。具体的
には、例えば図6に示すように、シンクロール27、サ
ポートロール29の軸を軸本体33と上記耐蝕性耐熱合
金から成る摺動リング34から構成し、又、軸受けに設
けた軸孔40内にサイアロンから成る層32を設けてい
た。尚、シンクロール27、サポートロール29の全体
を上記の材質で構成せずに、摺動リング34を用いるの
は、摺動部分が摩耗するたびにロール装置全体を交換し
たのではメッキ作業のコストが増大するからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、摺動
構造物の摺動部分を上記の耐蝕性耐熱合金で構成して
も、金属溶湯中で用いた場合、摺動部分の摩耗速度は大
きく、例えば、上記の摺動リングの場合は、約1週間で
新しいものと交換しなければならず、メッキ作業のコス
トを増大させる原因となっていた。
構造物の摺動部分を上記の耐蝕性耐熱合金で構成して
も、金属溶湯中で用いた場合、摺動部分の摩耗速度は大
きく、例えば、上記の摺動リングの場合は、約1週間で
新しいものと交換しなければならず、メッキ作業のコス
トを増大させる原因となっていた。
【0008】 又、サイアロン等のセラミックスで摺動
リングを構成した場合、かじりが発生したり、ハンドリ
ング時や熱的な衝撃を受けた場合に、破損することも多
々あった。又、軸28、30を構成する摺動リング34
と軸本体33の材質が異なるため、両者の熱膨張係数も
異なり、軸本体33の熱膨張係数が摺動リング34の熱
膨張係数よりも大きいため、熱応力により摺動リング3
4が破損するという問題があった。
リングを構成した場合、かじりが発生したり、ハンドリ
ング時や熱的な衝撃を受けた場合に、破損することも多
々あった。又、軸28、30を構成する摺動リング34
と軸本体33の材質が異なるため、両者の熱膨張係数も
異なり、軸本体33の熱膨張係数が摺動リング34の熱
膨張係数よりも大きいため、熱応力により摺動リング3
4が破損するという問題があった。
【0009】 本発明はかかる状況に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、耐蝕性、耐熱性、
耐熱衝撃性を有する他、特に優れた高温耐摩耗性を有
し、安定かつ滑らかな摺動を行うことができる摺動構造
物、摺動リングと軸本体との熱膨張係数が異なっていて
も、摺動リングと軸本体が空回りを起こしたり、摺動リ
ングが破損することのない摺動構造物を提供することに
ある。
のであり、その目的とするところは、耐蝕性、耐熱性、
耐熱衝撃性を有する他、特に優れた高温耐摩耗性を有
し、安定かつ滑らかな摺動を行うことができる摺動構造
物、摺動リングと軸本体との熱膨張係数が異なっていて
も、摺動リングと軸本体が空回りを起こしたり、摺動リ
ングが破損することのない摺動構造物を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、軸受けと、上記軸受けに設けた軸孔内をを相対的に
回転する軸を有する摺動構造物であって、上記軸が、周
方向に溝を有する軸本体と、上記溝にはめ込まれた摺動
リングとから成り、上記摺動リングは、軸本体とは熱膨
張係数の異なる材料にて構成されるとともに、その周方
向に3以上、8以下の断片に分割され、上記摺動リング
及び溝を、回転軸を含む平面で切断した場合の断面形状
が、上記軸の外周側を上底とした、ほぼ同寸法の台形で
ある摺動構造物が提供される。上記の摺動構造物におい
て、摺動リングの分割面は、回転軸と1点でのみ交わる
ことが好ましい。又、上記台形の底角の大きさが30°
以上、80°以下であることが好ましい。さらに、上記
の摺動構造物において、上記摺動リングを回転軸を含む
平面で切断した場合の断面形状の軌跡の少なくとも1つ
が、回転軸を含む他の平面で切断した場合の断面形状の
軌跡と異なることが好ましい。
ば、軸受けと、上記軸受けに設けた軸孔内をを相対的に
回転する軸を有する摺動構造物であって、上記軸が、周
方向に溝を有する軸本体と、上記溝にはめ込まれた摺動
リングとから成り、上記摺動リングは、軸本体とは熱膨
張係数の異なる材料にて構成されるとともに、その周方
向に3以上、8以下の断片に分割され、上記摺動リング
及び溝を、回転軸を含む平面で切断した場合の断面形状
が、上記軸の外周側を上底とした、ほぼ同寸法の台形で
ある摺動構造物が提供される。上記の摺動構造物におい
て、摺動リングの分割面は、回転軸と1点でのみ交わる
ことが好ましい。又、上記台形の底角の大きさが30°
以上、80°以下であることが好ましい。さらに、上記
の摺動構造物において、上記摺動リングを回転軸を含む
平面で切断した場合の断面形状の軌跡の少なくとも1つ
が、回転軸を含む他の平面で切断した場合の断面形状の
軌跡と異なることが好ましい。
【0011】 又、本発明によれば、軸受けと、上記軸
受けに設けた軸孔内をを相対的に回転する軸を有する摺
動構造物であって、上記軸が、周方向に溝を有する軸本
体と、上記溝にはめ込まれた摺動リングとから成り、上
記摺動リングは、上記軸本体とは熱膨張係数の異なる材
料にて構成され、上記摺動リングを回転軸を含む平面で
切断した場合の断面形状の軌跡の少なくとも1つが、回
転軸を含む他の平面で切断した場合の断面形状の軌跡と
異なる摺動構造物が提供される。
受けに設けた軸孔内をを相対的に回転する軸を有する摺
動構造物であって、上記軸が、周方向に溝を有する軸本
体と、上記溝にはめ込まれた摺動リングとから成り、上
記摺動リングは、上記軸本体とは熱膨張係数の異なる材
料にて構成され、上記摺動リングを回転軸を含む平面で
切断した場合の断面形状の軌跡の少なくとも1つが、回
転軸を含む他の平面で切断した場合の断面形状の軌跡と
異なる摺動構造物が提供される。
【0012】 上記又は前記の摺動構造物において、摺
動リング及び軸孔内壁はSi−SiC系複合材料又はS
iC系複合材料から成ることが好ましい。
動リング及び軸孔内壁はSi−SiC系複合材料又はS
iC系複合材料から成ることが好ましい。
【0013】 さらに本発明によれば、金属溶湯中にお
いて使用される摺動構造物であって、少なくともその摺
動部分がSi−SiC系複合材料又はSiC系複合材料
から成る摺動構造物が提供される。上記の摺動構造物
は、軸受けと、上記軸受けに設けた軸孔内をを相対的に
回転する軸を有するものであってもよい。
いて使用される摺動構造物であって、少なくともその摺
動部分がSi−SiC系複合材料又はSiC系複合材料
から成る摺動構造物が提供される。上記の摺動構造物
は、軸受けと、上記軸受けに設けた軸孔内をを相対的に
回転する軸を有するものであってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】 本発明の第一の摺動構造物は、
図1に示すように、軸受け51と、軸受け51に設けた
軸孔40内を相対的に回転する軸41を有し、上記軸4
1が、周方向に溝42を有する軸本体43と、上記溝4
2にはめ込まれた摺動リング44とから構成され、上記
摺動リング44は、軸本体43とは熱膨張係数の異なる
材料にて構成されるとともに、その周方向に3以上、7
以下の断片45に分割され、上記摺動リング44及び溝
42を、回転軸46を含む平面で切断した場合の断面形
状が、上記軸41の外周側を上底とした、ほぼ同寸法の
台形である。
図1に示すように、軸受け51と、軸受け51に設けた
軸孔40内を相対的に回転する軸41を有し、上記軸4
1が、周方向に溝42を有する軸本体43と、上記溝4
2にはめ込まれた摺動リング44とから構成され、上記
摺動リング44は、軸本体43とは熱膨張係数の異なる
材料にて構成されるとともに、その周方向に3以上、7
以下の断片45に分割され、上記摺動リング44及び溝
42を、回転軸46を含む平面で切断した場合の断面形
状が、上記軸41の外周側を上底とした、ほぼ同寸法の
台形である。
【0015】 摺動リング44をその周方向に分割した
のは、摺動リング44を構成する材料の熱膨張係数が、
軸本体43を構成する材料の熱膨張係数よりも小さい場
合であっても、摺動リング44が破損するのを防止する
ためである。尚、3以上、7以下の断片45に分割する
こととしたのは、2分割では摺動リング44の破損を防
止しきれず、8以上の断片に分割すると摺動リングを軸
本体に取り付ける場合の作業が煩雑になり、作業効率が
低下するからである。
のは、摺動リング44を構成する材料の熱膨張係数が、
軸本体43を構成する材料の熱膨張係数よりも小さい場
合であっても、摺動リング44が破損するのを防止する
ためである。尚、3以上、7以下の断片45に分割する
こととしたのは、2分割では摺動リング44の破損を防
止しきれず、8以上の断片に分割すると摺動リングを軸
本体に取り付ける場合の作業が煩雑になり、作業効率が
低下するからである。
【0016】 又、軸41に周方向に走る溝42を設
け、摺動リング44をその溝にはめ込むとともに、摺動
リング44及び溝42を、回転軸46を含む平面で切断
した場合の断面形状を、軸41の外周側を上底とした、
ほぼ同寸法の台形としたのは、軸41が回転する際に、
遠心力で摺動リング44を構成する各断片が溝から離脱
するのを防止するためである。「ほぼ同寸法の台形」と
は、摺動リングと溝42の壁との間に0.1〜0.5m
m程度のクリアランスを設ける場合を意味する。
け、摺動リング44をその溝にはめ込むとともに、摺動
リング44及び溝42を、回転軸46を含む平面で切断
した場合の断面形状を、軸41の外周側を上底とした、
ほぼ同寸法の台形としたのは、軸41が回転する際に、
遠心力で摺動リング44を構成する各断片が溝から離脱
するのを防止するためである。「ほぼ同寸法の台形」と
は、摺動リングと溝42の壁との間に0.1〜0.5m
m程度のクリアランスを設ける場合を意味する。
【0017】 上記の台形の底角の大きさは、摺動リン
グ44の厚みとの関係で定められるが、一般的には30
°以上、80°以下であることが好ましく、45°以
上、60°以下であることがより好ましい。30°未満
の場合は、摺動リング44の辺縁部の厚みが小さくなり
すぎるため、摺動リング44が破損しやすくなるからで
あり、80°を越える場合は、摺動リング44が溝42
から離脱しやすくなるからである。
グ44の厚みとの関係で定められるが、一般的には30
°以上、80°以下であることが好ましく、45°以
上、60°以下であることがより好ましい。30°未満
の場合は、摺動リング44の辺縁部の厚みが小さくなり
すぎるため、摺動リング44が破損しやすくなるからで
あり、80°を越える場合は、摺動リング44が溝42
から離脱しやすくなるからである。
【0018】 上記の摺動構造物において、摺動リング
の分割面53は、図2に示すように、回転軸46と1点
54でのみ交わることが好ましい。このようにすること
により摺動リング外周面上の分割線47が、摺動リング
44の回転方向に対して斜めに配向するため、摺動リン
グ44を構成する各断片45間の段差による衝撃を軽減
でき、滑らかな摺動を行うことができるからである。
の分割面53は、図2に示すように、回転軸46と1点
54でのみ交わることが好ましい。このようにすること
により摺動リング外周面上の分割線47が、摺動リング
44の回転方向に対して斜めに配向するため、摺動リン
グ44を構成する各断片45間の段差による衝撃を軽減
でき、滑らかな摺動を行うことができるからである。
【0019】 尚、「軸孔内を相対的に回転する軸」と
は、軸孔40内を軸41自体が回転する場合のみなら
ず、軸41が静止しており、軸孔40が回転する場合も
含む意である。
は、軸孔40内を軸41自体が回転する場合のみなら
ず、軸41が静止しており、軸孔40が回転する場合も
含む意である。
【0020】 又、本発明の第二の摺動構造物は、図3
に示すように、軸孔40を備えた軸受け51(図3
(a)及び(c)では図示せず。)と、上記軸孔40内
を相対的に回転する軸41を有し、上記軸41が、周方
向に溝42を有する軸本体43と、上記溝42にはめ込
まれた摺動リング44とから構成され、上記摺動リング
44は、軸本体43とは熱膨張係数の異なる材料にて構
成されるとともに、摺動リング44を回転軸46を含む
平面で切断した場合の断面形状の軌跡48aの少なくと
も1つが、回転軸46を含む他の平面で切断した場合の
断面形状の軌跡48aと異なるように構成される。
に示すように、軸孔40を備えた軸受け51(図3
(a)及び(c)では図示せず。)と、上記軸孔40内
を相対的に回転する軸41を有し、上記軸41が、周方
向に溝42を有する軸本体43と、上記溝42にはめ込
まれた摺動リング44とから構成され、上記摺動リング
44は、軸本体43とは熱膨張係数の異なる材料にて構
成されるとともに、摺動リング44を回転軸46を含む
平面で切断した場合の断面形状の軌跡48aの少なくと
も1つが、回転軸46を含む他の平面で切断した場合の
断面形状の軌跡48aと異なるように構成される。
【0021】 このような構成とすることにより、摺動
リング44を構成する材料の熱膨張係数が、軸本体43
を構成する材料の熱膨張係数よりも大きい場合であって
も、摺動リング44が空回りするのを防止でき、摺動リ
ング44は常に軸41に追随して回転することになる。
リング44を構成する材料の熱膨張係数が、軸本体43
を構成する材料の熱膨張係数よりも大きい場合であって
も、摺動リング44が空回りするのを防止でき、摺動リ
ング44は常に軸41に追随して回転することになる。
【0022】 このような摺動構造物の具体的な態様と
しては、図3(a)及び(b)に示すように、摺動リン
グ44の一部を軸41の長手方向に突出させる場合、即
ち、摺動リング44を回転軸46を含む平面で切断した
場合の断面形状のほとんどは同じ軌跡48bを有する
が、一部の断面形状が、他の大多数の断面形状とは異な
る軌跡48aを描く場合が挙げられる。しかし、より好
ましい態様は、図3(c)に示すように、摺動リング4
4の開口部の少なくとも一方を閉塞する平面56と、回
転軸46に垂直な平面55とを斜めに配向させた場合で
ある。この場合、摺動リング44の開口部の少なくとも
一方を閉塞する平面56と、回転軸に垂直な平面55と
の間に形成される角の大きさは5〜50°であることが
好ましい。
しては、図3(a)及び(b)に示すように、摺動リン
グ44の一部を軸41の長手方向に突出させる場合、即
ち、摺動リング44を回転軸46を含む平面で切断した
場合の断面形状のほとんどは同じ軌跡48bを有する
が、一部の断面形状が、他の大多数の断面形状とは異な
る軌跡48aを描く場合が挙げられる。しかし、より好
ましい態様は、図3(c)に示すように、摺動リング4
4の開口部の少なくとも一方を閉塞する平面56と、回
転軸46に垂直な平面55とを斜めに配向させた場合で
ある。この場合、摺動リング44の開口部の少なくとも
一方を閉塞する平面56と、回転軸に垂直な平面55と
の間に形成される角の大きさは5〜50°であることが
好ましい。
【0023】 又、本発明の第三の摺動構造物は、金属
溶湯中において使用され、少なくともその摺動部分がS
i−SiC系複合材料又はSiC系複合材料から構成さ
れる。摺動構造物をSi−SiC系複合材料又はSiC
系複合材料から構成することにより、摺動構造物に充分
な耐熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗性を付与することがで
き、摺動構造物の寿命を延ばすことにより、メッキ作業
のコストを低減することができるとともに、より滑らか
な摺動を行うことができるため、摺動構造物の磨耗に起
因する溶融金属メッキ装置の振動を防ぐことができ、メ
ッキ製品の品質にばらつきが生じるのを防止できる。
溶湯中において使用され、少なくともその摺動部分がS
i−SiC系複合材料又はSiC系複合材料から構成さ
れる。摺動構造物をSi−SiC系複合材料又はSiC
系複合材料から構成することにより、摺動構造物に充分
な耐熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗性を付与することがで
き、摺動構造物の寿命を延ばすことにより、メッキ作業
のコストを低減することができるとともに、より滑らか
な摺動を行うことができるため、摺動構造物の磨耗に起
因する溶融金属メッキ装置の振動を防ぐことができ、メ
ッキ製品の品質にばらつきが生じるのを防止できる。
【0024】 即ち、Si−SiC系複合材料及びSi
C系複合材料は、表1に示すように、従来用いられてい
たSCH13等の耐蝕耐熱性合金やサイアロン等のセラ
ミックと同程度の耐熱性及び耐熱衝撃性を有するととも
に、これらより優れた耐磨耗性を備えるため、摺動構造
物に上記の特性を付与することができるのである。
C系複合材料は、表1に示すように、従来用いられてい
たSCH13等の耐蝕耐熱性合金やサイアロン等のセラ
ミックと同程度の耐熱性及び耐熱衝撃性を有するととも
に、これらより優れた耐磨耗性を備えるため、摺動構造
物に上記の特性を付与することができるのである。
【0025】
【表1】
【0026】 尚、表1において、耐熱性の値は各部材
のカタログ中に記載された値である。
のカタログ中に記載された値である。
【0027】 又、耐熱衝撃性の値は、ヒーターにて1
500℃に熱した試験ピース(100mm×50mm×
5mm)を水中に投入した際に、割れるか否かを観察す
ることにより測定した。
500℃に熱した試験ピース(100mm×50mm×
5mm)を水中に投入した際に、割れるか否かを観察す
ることにより測定した。
【0028】 又、耐磨耗性の値は、耐熱合金であるS
CH13から成るリングを、アルミニウム溶湯中で20
0rpmにて回転させ、板状試験ピースを、10時間、
長さ50mmの線接触で50kgの負荷にて接触させた
場合の磨耗量を調べることにより測定した。
CH13から成るリングを、アルミニウム溶湯中で20
0rpmにて回転させ、板状試験ピースを、10時間、
長さ50mmの線接触で50kgの負荷にて接触させた
場合の磨耗量を調べることにより測定した。
【0029】 本発明において、「Si−SiC系複合
材料」とは、C/Cコンポジットから成る基本骨格をS
i−SiC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構
成を有する材料をいう。
材料」とは、C/Cコンポジットから成る基本骨格をS
i−SiC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構
成を有する材料をいう。
【0030】 より具体的には、「Si−SiC系複合
材料」とは、55重量%〜75重量%の炭素と、1重量
%〜10重量%の珪素と、10重量%〜50重量%の炭
化珪素とから構成され、少なくとも炭素繊維の束と炭素
繊維以外の炭素成分とを含有するヤーンが層方向に配向
しつつ三次元的に組み合わされ、互いに分離しないよう
に一体化されているヤーン集合体と、このヤーン集合体
中で隣り合う前記ヤーンの間に充填されているSi−S
iC系材料からなるマトリックスとを備え、0.05〜
0.6の動摩擦係数と、0.5%〜10%に制御された
気孔率とを有する複合材料をいう。
材料」とは、55重量%〜75重量%の炭素と、1重量
%〜10重量%の珪素と、10重量%〜50重量%の炭
化珪素とから構成され、少なくとも炭素繊維の束と炭素
繊維以外の炭素成分とを含有するヤーンが層方向に配向
しつつ三次元的に組み合わされ、互いに分離しないよう
に一体化されているヤーン集合体と、このヤーン集合体
中で隣り合う前記ヤーンの間に充填されているSi−S
iC系材料からなるマトリックスとを備え、0.05〜
0.6の動摩擦係数と、0.5%〜10%に制御された
気孔率とを有する複合材料をいう。
【0031】 ここで、「C/Cコンポジット」とは、
炭素繊維束の周囲に、熱可塑性樹脂等のプラスチックか
らなる柔軟な被膜を形成して得た、柔軟性中間材である
プレフォームドヤーンを、特開平2−80639号公報
に記載されている方法によりシート状または織布状に
し、必要量を積層した後、ホットプレスで成形し得られ
た成形体、または、この成形体を焼成して得られる焼成
体をいう。尚、炭素繊維束は、炭素繊維束のマトリック
スとして作用する粉末状のバインダーであって、焼成後
には炭素繊維の束に対して遊離炭素となるピッチ、コー
クス類を包含させ、さらに必要に応じてフェノール樹脂
粉末等を含有させることによって調製する。
炭素繊維束の周囲に、熱可塑性樹脂等のプラスチックか
らなる柔軟な被膜を形成して得た、柔軟性中間材である
プレフォームドヤーンを、特開平2−80639号公報
に記載されている方法によりシート状または織布状に
し、必要量を積層した後、ホットプレスで成形し得られ
た成形体、または、この成形体を焼成して得られる焼成
体をいう。尚、炭素繊維束は、炭素繊維束のマトリック
スとして作用する粉末状のバインダーであって、焼成後
には炭素繊維の束に対して遊離炭素となるピッチ、コー
クス類を包含させ、さらに必要に応じてフェノール樹脂
粉末等を含有させることによって調製する。
【0032】 Si−SiC系複合材料の基本骨格とし
て用いられるC/Cコンポジットとしては、直径が10
μm前後の炭素繊維を、通常、数百本〜数万本束ねて形
成した繊維束(ヤーン)を熱可塑性樹脂で被覆して柔軟
性糸状中間材とし、これを特開平2−80639号公報
に記載されている方法によりシート状にしたものを二次
元または三次元方向に配列して一方向シート(UDシー
ト)若しくは各種クロスとしたり、又は上記シートやク
ロスを積層することにより、所定形状の予備成形体(繊
維プリフォーム)とし、次いでこの予備成形体の繊維束
の外周に形成されている有機物からなる熱可塑性樹脂等
の被膜を焼成することにより炭化除去したものが使用さ
れる。
て用いられるC/Cコンポジットとしては、直径が10
μm前後の炭素繊維を、通常、数百本〜数万本束ねて形
成した繊維束(ヤーン)を熱可塑性樹脂で被覆して柔軟
性糸状中間材とし、これを特開平2−80639号公報
に記載されている方法によりシート状にしたものを二次
元または三次元方向に配列して一方向シート(UDシー
ト)若しくは各種クロスとしたり、又は上記シートやク
ロスを積層することにより、所定形状の予備成形体(繊
維プリフォーム)とし、次いでこの予備成形体の繊維束
の外周に形成されている有機物からなる熱可塑性樹脂等
の被膜を焼成することにより炭化除去したものが使用さ
れる。
【0033】 尚、本明細書においては、参考のために
特開平2−80639号公報の記載を引用する。本発明
に於いて使用されるC/Cコンポジットは、上記のヤー
ン中の炭素繊維以外の炭素成分は、好ましくは炭素粉末
であり、特に好ましくは黒鉛化した炭素粉末である。
特開平2−80639号公報の記載を引用する。本発明
に於いて使用されるC/Cコンポジットは、上記のヤー
ン中の炭素繊維以外の炭素成分は、好ましくは炭素粉末
であり、特に好ましくは黒鉛化した炭素粉末である。
【0034】 又、「Si−SiC系材料」とは、未反
応の状態で残存する珪素からなる珪素相からほぼ純粋な
炭化珪素に至るまでの、いくつかの相異なる相を含む材
料をいい、典型的には珪素相と炭化珪素相から成るが、
炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変化している
SiC共存相を含んでもよい。従って、Si−SiC系
材料とは、このようにSi−SiC系列において、炭素
の濃度として、0mol%から50mol%までの範囲
以内で含まれてる材料の総称である。
応の状態で残存する珪素からなる珪素相からほぼ純粋な
炭化珪素に至るまでの、いくつかの相異なる相を含む材
料をいい、典型的には珪素相と炭化珪素相から成るが、
炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変化している
SiC共存相を含んでもよい。従って、Si−SiC系
材料とは、このようにSi−SiC系列において、炭素
の濃度として、0mol%から50mol%までの範囲
以内で含まれてる材料の総称である。
【0035】 本発明に用いる「Si−SiC系複合材
料」は、ヤーンの表面から離れるのに従って珪素の含有
比率が上昇する傾斜組成を有するマトリックスを有する
ことが好ましい。又、本発明に用いる「Si−SiC系
複合材料」において、C/Cコンポジットから成る基本
骨格は、炭素繊維から構成される複数のヤーン配列体を
特定方向に積層して成るヤーン集合体から成り、各ヤー
ン配列体はそれぞれ特定本数の炭素繊維を束ねて構成し
たヤーンをほぼ平行に二次元的に配列したものであるこ
とが好ましい。
料」は、ヤーンの表面から離れるのに従って珪素の含有
比率が上昇する傾斜組成を有するマトリックスを有する
ことが好ましい。又、本発明に用いる「Si−SiC系
複合材料」において、C/Cコンポジットから成る基本
骨格は、炭素繊維から構成される複数のヤーン配列体を
特定方向に積層して成るヤーン集合体から成り、各ヤー
ン配列体はそれぞれ特定本数の炭素繊維を束ねて構成し
たヤーンをほぼ平行に二次元的に配列したものであるこ
とが好ましい。
【0036】 図7に「Si−SiC系複合材料」の一
例を示す。図8(a)は図7のIIa−IIa線断面図
であり、図8(b)は図7のIIb−IIb線断面図で
ある。Si−SiC系複合材料7の骨格は、ヤーン集合
体6によって構成されている。ヤーン集合体6は、ヤー
ン配列体1A、1B、1C、1D、1E、1Fを上下方
向に積層してなる。各ヤーン配列体においては、各ヤー
ン3どうしが平行になるようにかつ二次元的に配列され
ている。上下方向に隣り合う各ヤーン配列体における各
ヤーンの長手方向は、直交している。即ち、各ヤーン配
列体1A、1C、1Eの各ヤーン2Aの長手方向は、互
いに平行であり、かつ各ヤーン配列体1B、1D、1F
の各ヤーン2Bの長手方向に対して直交している。各ヤ
ーンは、炭素繊維と、炭素繊維以外の炭素成分とからな
る繊維束3からなる。ヤーン配列体が積層されることに
よって、三次元格子形状のヤーン集合体6が構成され
る。各ヤーンは、後述するような加圧成形工程の間に押
しつぶされ、略楕円形になっている。
例を示す。図8(a)は図7のIIa−IIa線断面図
であり、図8(b)は図7のIIb−IIb線断面図で
ある。Si−SiC系複合材料7の骨格は、ヤーン集合
体6によって構成されている。ヤーン集合体6は、ヤー
ン配列体1A、1B、1C、1D、1E、1Fを上下方
向に積層してなる。各ヤーン配列体においては、各ヤー
ン3どうしが平行になるようにかつ二次元的に配列され
ている。上下方向に隣り合う各ヤーン配列体における各
ヤーンの長手方向は、直交している。即ち、各ヤーン配
列体1A、1C、1Eの各ヤーン2Aの長手方向は、互
いに平行であり、かつ各ヤーン配列体1B、1D、1F
の各ヤーン2Bの長手方向に対して直交している。各ヤ
ーンは、炭素繊維と、炭素繊維以外の炭素成分とからな
る繊維束3からなる。ヤーン配列体が積層されることに
よって、三次元格子形状のヤーン集合体6が構成され
る。各ヤーンは、後述するような加圧成形工程の間に押
しつぶされ、略楕円形になっている。
【0037】 各ヤーン配列体1A、1C、1Eにおい
ては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリックス8A
が充填されており、各マトリックス8Aはヤーン2Aの
表面に沿ってそれと平行に延びている。各ヤーン配列体
1B、1D、1Fにおいては、隣り合う各ヤーンの間隙
には、マトリックス8Bが充填されており、各マトリッ
クス8Bは、ヤーン2Bの表面に沿ってそれと平行に延
びている。本例では、マトリックス8A、8Bは、それ
ぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相4A、4B
と、炭化珪素相4A、4Bよりも炭素の含有割合が少な
いSi−SiC系材料相5A、5Bからなっている。炭
化珪素相中にも珪素を一部含有していてもよい。また、
本例では、上下方向に隣接するヤーン2Aと2Bとの間
にも、炭化珪素相4A、4Bが生成している。各マトリ
ックス8Aと8Bとは、それぞれヤーンの表面に沿って
細長く、好ましくは直線状に延びており、各マトリック
ス8Aと8Bとは互いに直交している。そして、ヤーン
配列体1A、1C、1Eにおけるマトリックス8Aと、
これに直交するヤーン配列体1B、1D、1Fにおける
マトリックス8Bとは、それぞれヤーン2Aと2Bとの
間隙部分で連続している。この結果、マトリックス8
A、8Bは、全体として、三次元格子を形成している。
ては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリックス8A
が充填されており、各マトリックス8Aはヤーン2Aの
表面に沿ってそれと平行に延びている。各ヤーン配列体
1B、1D、1Fにおいては、隣り合う各ヤーンの間隙
には、マトリックス8Bが充填されており、各マトリッ
クス8Bは、ヤーン2Bの表面に沿ってそれと平行に延
びている。本例では、マトリックス8A、8Bは、それ
ぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相4A、4B
と、炭化珪素相4A、4Bよりも炭素の含有割合が少な
いSi−SiC系材料相5A、5Bからなっている。炭
化珪素相中にも珪素を一部含有していてもよい。また、
本例では、上下方向に隣接するヤーン2Aと2Bとの間
にも、炭化珪素相4A、4Bが生成している。各マトリ
ックス8Aと8Bとは、それぞれヤーンの表面に沿って
細長く、好ましくは直線状に延びており、各マトリック
ス8Aと8Bとは互いに直交している。そして、ヤーン
配列体1A、1C、1Eにおけるマトリックス8Aと、
これに直交するヤーン配列体1B、1D、1Fにおける
マトリックス8Bとは、それぞれヤーン2Aと2Bとの
間隙部分で連続している。この結果、マトリックス8
A、8Bは、全体として、三次元格子を形成している。
【0038】 Si−SiC系複合材料は、例えば平成
10年9月4日付出願の特願平10−267462号に
開示された下記の方法にて製造することができる。即
ち、炭素繊維の束に対して、最終的にマトリックスとな
る粉末状のバインダーピッチ、コークス類を包含させ、
更に必要に応じてフェノール樹脂粉末等を含有させるこ
とによって、炭素繊維束を作製する。炭素繊維束の周囲
に、熱可塑性樹脂等のプラスチックから成る柔軟な被膜
を形成し、柔軟性中間材料を得る。この柔軟性中間材料
を、ヤーン状にし(特願昭63−231791号明細
書)、必要量を積層した後、ホットプレスで300〜2
000℃、常庄〜500kg/cm2の条件下で成形す
ることによって、成形体を得る。または、この成形体
を、必要に応じて700〜1200℃で炭化させ、15
00〜3000℃で黒鉛化して、焼結体を得る。
10年9月4日付出願の特願平10−267462号に
開示された下記の方法にて製造することができる。即
ち、炭素繊維の束に対して、最終的にマトリックスとな
る粉末状のバインダーピッチ、コークス類を包含させ、
更に必要に応じてフェノール樹脂粉末等を含有させるこ
とによって、炭素繊維束を作製する。炭素繊維束の周囲
に、熱可塑性樹脂等のプラスチックから成る柔軟な被膜
を形成し、柔軟性中間材料を得る。この柔軟性中間材料
を、ヤーン状にし(特願昭63−231791号明細
書)、必要量を積層した後、ホットプレスで300〜2
000℃、常庄〜500kg/cm2の条件下で成形す
ることによって、成形体を得る。または、この成形体
を、必要に応じて700〜1200℃で炭化させ、15
00〜3000℃で黒鉛化して、焼結体を得る。
【0039】 炭素繊維は、石油ピッチ若しくはコール
タールピッチを原料とし、紡糸用ピッチの調整、溶融紡
糸、不融化及び炭素化して得られるピッチ系炭素繊維並
びにアクリロニトリル(共)重合体繊維を耐炎化及び炭
素化して得られるPAN系炭素繊維のいずれのものでも
よい。
タールピッチを原料とし、紡糸用ピッチの調整、溶融紡
糸、不融化及び炭素化して得られるピッチ系炭素繊維並
びにアクリロニトリル(共)重合体繊維を耐炎化及び炭
素化して得られるPAN系炭素繊維のいずれのものでも
よい。
【0040】 マトリックスの形成に必要な有機バイン
ダーとしては、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬
化性樹脂及びタール、ピッチ等が用いられるが、これら
はコークス類、金属、金属化合物、無機及び有機化合物
等を含んでいてもよい。有機バインダーの一部が炭素源
となる場合もある。
ダーとしては、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬
化性樹脂及びタール、ピッチ等が用いられるが、これら
はコークス類、金属、金属化合物、無機及び有機化合物
等を含んでいてもよい。有機バインダーの一部が炭素源
となる場合もある。
【0041】 次いで、上記のように作製された成形体
又は焼結体とSiとを、1100〜1400℃の温度
域、炉内圧0.1〜10hPaで1時間以上保持する。
好ましくは、この際、成形体又は焼結体とSiの合計重量
1kg当たり0.1NL(ノルマルリットル:1200
℃、圧力0.1hPaの場合、5065リットルに相
当)以上の不活性ガスを流しつつ、成形体又は焼結体表
面にSi−SiC層を形成する.次いで、温度1450
〜2500℃に昇温して前記成形体又は焼結体の開気孔
内部へSi−SiC系材料を溶融、含浸成形させる。
又、この過程において、成形体を用いた場合は、前記成
形体の焼成も行われ、Si−SiC系複合材料が生成す
る。Si−SiC系複合材料全体における、Si−Si
C系材質の濃度傾斜の調節は、成形体又は焼結体の開気
孔率及びその細孔径により行う。
又は焼結体とSiとを、1100〜1400℃の温度
域、炉内圧0.1〜10hPaで1時間以上保持する。
好ましくは、この際、成形体又は焼結体とSiの合計重量
1kg当たり0.1NL(ノルマルリットル:1200
℃、圧力0.1hPaの場合、5065リットルに相
当)以上の不活性ガスを流しつつ、成形体又は焼結体表
面にSi−SiC層を形成する.次いで、温度1450
〜2500℃に昇温して前記成形体又は焼結体の開気孔
内部へSi−SiC系材料を溶融、含浸成形させる。
又、この過程において、成形体を用いた場合は、前記成
形体の焼成も行われ、Si−SiC系複合材料が生成す
る。Si−SiC系複合材料全体における、Si−Si
C系材質の濃度傾斜の調節は、成形体又は焼結体の開気
孔率及びその細孔径により行う。
【0042】 又、本発明において、「SiC系複合材
料」とは、C/Cコンポジットから成る基本骨格をSi
−SiC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構成
を有する材料をいう。
料」とは、C/Cコンポジットから成る基本骨格をSi
−SiC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構成
を有する材料をいう。
【0043】 より具体的には、「SiC系複合材料」
とは、炭化珪素と炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分と
から構成され、骨格部と骨格部の周囲に形成されたマト
リックスとからなる構造を有するSiC−C/Cコンポ
ジット複合材料であって、炭化珪素の少なくとも50%
はβ型で、骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成
分により形成されており、その骨格部の一部分には炭化
珪素が存在していてもよく、マトリックスは、炭化珪素
により形成され、前記マトリックスと前記骨格部とは一
体的に形成されており、かつ、前記複合材料は0.5%
〜5%の気孔率と二山型の平均気孔径の分布を有する複
合材料をいう。SiC系複合材料の動摩擦係数は0.0
5〜0.6であることが好ましく、又、大気中で10℃
/分の割合で昇温したときに5%重量減少が生じる温度
が600℃以上であることが好ましい。
とは、炭化珪素と炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分と
から構成され、骨格部と骨格部の周囲に形成されたマト
リックスとからなる構造を有するSiC−C/Cコンポ
ジット複合材料であって、炭化珪素の少なくとも50%
はβ型で、骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成
分により形成されており、その骨格部の一部分には炭化
珪素が存在していてもよく、マトリックスは、炭化珪素
により形成され、前記マトリックスと前記骨格部とは一
体的に形成されており、かつ、前記複合材料は0.5%
〜5%の気孔率と二山型の平均気孔径の分布を有する複
合材料をいう。SiC系複合材料の動摩擦係数は0.0
5〜0.6であることが好ましく、又、大気中で10℃
/分の割合で昇温したときに5%重量減少が生じる温度
が600℃以上であることが好ましい。
【0044】 ここで「C/Cコンポジット」について
は、「Si−SiC系複合材料」の場合と同様である。
は、「Si−SiC系複合材料」の場合と同様である。
【0045】 SiC系複合材料は、骨格部がC/Cコ
ンポジットであるため、その一部にSiCが形成されて
いても、各炭素繊維の構造が破壊されることなく保持さ
れているために炭素繊維が炭化珪素化により短繊維化す
ることがなく、原料であるC/Cコンポジットの有する
機械的強度がほぼ保持されるか、炭化珪素化により増大
するという大きな特徴を有している。しかも、ヤーン集
合体中で隣り合うヤーンの間に、SiC系材料からなる
マトリックスが形成された複合構造を有している。この
点で、上記のSi−SiC系複合材料とは異なる。な
お、この材料は、平成11年2月9日付出願の特願平1
1−31979号に開示された方法により製造すること
ができる。従って、特願平11−31979号の内容を
ここに引用する。
ンポジットであるため、その一部にSiCが形成されて
いても、各炭素繊維の構造が破壊されることなく保持さ
れているために炭素繊維が炭化珪素化により短繊維化す
ることがなく、原料であるC/Cコンポジットの有する
機械的強度がほぼ保持されるか、炭化珪素化により増大
するという大きな特徴を有している。しかも、ヤーン集
合体中で隣り合うヤーンの間に、SiC系材料からなる
マトリックスが形成された複合構造を有している。この
点で、上記のSi−SiC系複合材料とは異なる。な
お、この材料は、平成11年2月9日付出願の特願平1
1−31979号に開示された方法により製造すること
ができる。従って、特願平11−31979号の内容を
ここに引用する。
【0046】 ここで、「SiC系材料」とは、炭素と
の結合度を異にする炭化珪素を含有する材料をいい、C
/Cコンポジットに金属珪素を含浸させることにより製
造できる。その際、金属珪素はコンポジット内の炭素繊
維を構成する炭素原子および/または炭素繊維の表面に
残存している遊離炭素原子と反応し、一部が炭化される
ために、C/Cコンポジットの最表面や炭素繊維からな
るヤーンとヤーンとの間には、一部炭化された珪素が生
成し、かくして上記のヤーンとヤーンとの間には炭化珪
素からなるマトリックスが形成される。
の結合度を異にする炭化珪素を含有する材料をいい、C
/Cコンポジットに金属珪素を含浸させることにより製
造できる。その際、金属珪素はコンポジット内の炭素繊
維を構成する炭素原子および/または炭素繊維の表面に
残存している遊離炭素原子と反応し、一部が炭化される
ために、C/Cコンポジットの最表面や炭素繊維からな
るヤーンとヤーンとの間には、一部炭化された珪素が生
成し、かくして上記のヤーンとヤーンとの間には炭化珪
素からなるマトリックスが形成される。
【0047】 このマトリックスにおいては、極微量の
珪素と炭素とが結合した炭化珪素質の相から、純粋な炭
化珪素結晶相に至るまで、いくつかの相異なる相を含み
うる。しかし、このマトリックスには、X線による検出
限界(0.3重量%)以下の金属珪素しか含まれない。
つまり、このマトリックスは、典型的には炭化珪素相か
らなるが、炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変
化しているSiC質相を含みうる。従って、SiC系材
料とは、このようなSiC系列において、炭素の濃度と
して、少なくとも0.01mol%以上から50mol
%までの範囲以内で含まれてる材料の総称である。又、
SiC系複合材料は、マトリックスが骨格部表面から離
れるに従って、珪素の含有比率が上昇する傾斜組成を有
していてもよい。なお、炭素濃度を0.01mol%未
満に制御するには、C/Cコンポジット中の遊離炭素の
量との関係で、添加する金属珪素の量の厳密な計量が要
求され、又、後述する最終工程での温度管理が複雑にな
るため実際的ではない。従って、理論的には、炭素濃度
を0.001mol%程度まで制御することは可能であ
る。
珪素と炭素とが結合した炭化珪素質の相から、純粋な炭
化珪素結晶相に至るまで、いくつかの相異なる相を含み
うる。しかし、このマトリックスには、X線による検出
限界(0.3重量%)以下の金属珪素しか含まれない。
つまり、このマトリックスは、典型的には炭化珪素相か
らなるが、炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変
化しているSiC質相を含みうる。従って、SiC系材
料とは、このようなSiC系列において、炭素の濃度と
して、少なくとも0.01mol%以上から50mol
%までの範囲以内で含まれてる材料の総称である。又、
SiC系複合材料は、マトリックスが骨格部表面から離
れるに従って、珪素の含有比率が上昇する傾斜組成を有
していてもよい。なお、炭素濃度を0.01mol%未
満に制御するには、C/Cコンポジット中の遊離炭素の
量との関係で、添加する金属珪素の量の厳密な計量が要
求され、又、後述する最終工程での温度管理が複雑にな
るため実際的ではない。従って、理論的には、炭素濃度
を0.001mol%程度まで制御することは可能であ
る。
【0048】 「SiC系複合材料」の骨格部は基本的
には図7に示した「Si−SiC系複合材料」と同様で
ある。従って、図7を「SiC系複合材料」の一例を示
したものとして説明する。又、図7を「SiC系複合材
料」の骨格部とみなした場合のIIa−IIa線断面図
を図9(a)に、IIb−IIb線断面図を図9(b)
に示す。
には図7に示した「Si−SiC系複合材料」と同様で
ある。従って、図7を「SiC系複合材料」の一例を示
したものとして説明する。又、図7を「SiC系複合材
料」の骨格部とみなした場合のIIa−IIa線断面図
を図9(a)に、IIb−IIb線断面図を図9(b)
に示す。
【0049】 SiC系複合材料17の骨格は、Si−
SiC系複合材料の骨格と同様に、ヤーン集合体16に
よって構成されている。ヤーン集合体16は、ヤーン配
列体11A、11B、11C、11D、11E、11F
を上下方向に積層してなる。各ヤーン配列体において
は、各ヤーン13が二次元的に配列されており、各ヤー
ンの長手方向がほぼ平行である。上下方向に隣り合う各
ヤーン配列体における各ヤーンの長手方向は、直交して
いる。すなわち、各ヤーン配列体11A、11C、11
Eの各ヤーン12Aの長手方向は、互いに平行であり、
かつ各ヤーン配列体11B、11D、11Fの各ヤーン
12Bの長手方向に対して直交している。各ヤーンは、
炭素繊維と、炭素繊維以外の炭素成分とからなる繊維束
13からなる。ヤーン配列体が積層されることによっ
て、三次元格子形状のヤーン集合体16が構成される。
各ヤーンは、後述するような加圧成形工程の間に押しつ
ぶされ、やや楕円形になっている。
SiC系複合材料の骨格と同様に、ヤーン集合体16に
よって構成されている。ヤーン集合体16は、ヤーン配
列体11A、11B、11C、11D、11E、11F
を上下方向に積層してなる。各ヤーン配列体において
は、各ヤーン13が二次元的に配列されており、各ヤー
ンの長手方向がほぼ平行である。上下方向に隣り合う各
ヤーン配列体における各ヤーンの長手方向は、直交して
いる。すなわち、各ヤーン配列体11A、11C、11
Eの各ヤーン12Aの長手方向は、互いに平行であり、
かつ各ヤーン配列体11B、11D、11Fの各ヤーン
12Bの長手方向に対して直交している。各ヤーンは、
炭素繊維と、炭素繊維以外の炭素成分とからなる繊維束
13からなる。ヤーン配列体が積層されることによっ
て、三次元格子形状のヤーン集合体16が構成される。
各ヤーンは、後述するような加圧成形工程の間に押しつ
ぶされ、やや楕円形になっている。
【0050】 各ヤーン配列体11A、11C、11E
においては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリック
ス18Aが充填されており、各マトリックス18Aはヤ
ーン12Aの表面に沿ってそれと平行に延びている。各
ヤーン配列体11B、11D、11Fにおいては、隣り
合う各ヤーンの間隙には、マトリックス18Bが充填さ
れており、各マトリックス18Bは、ヤーン12Bの表
面に沿ってそれと平行に延びている。図9(a)および
図9(b)に示したように、マトリックス18A、18
Bは、それぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相
14からなっている。炭化珪素相の一部は、小突起部1
9として表面に突出するか、あるいは、複合部材の内部
においては、炭素繊維層に突出していてもよい。この様
な小突起部の内部には、中央値が約100μmの孔径を
有する気孔(空隙)が形成されている。なお、この小突
起部19は、殆どが原料のC/Cコンポジットの炭素繊
維以外の炭素成分からなるマトリックスの跡に沿って形
成されるので、ヤーンとヤーンとの間隔および/または
ヤーン配列体とヤーン配列体との間隔を適宜選択するこ
とにより、単位面積当たりの小突起部19の密度を調整
することが可能である。隣接するヤーン12Aと12B
との間にも、炭化珪素相14が形成されていてもよい。
においては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリック
ス18Aが充填されており、各マトリックス18Aはヤ
ーン12Aの表面に沿ってそれと平行に延びている。各
ヤーン配列体11B、11D、11Fにおいては、隣り
合う各ヤーンの間隙には、マトリックス18Bが充填さ
れており、各マトリックス18Bは、ヤーン12Bの表
面に沿ってそれと平行に延びている。図9(a)および
図9(b)に示したように、マトリックス18A、18
Bは、それぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相
14からなっている。炭化珪素相の一部は、小突起部1
9として表面に突出するか、あるいは、複合部材の内部
においては、炭素繊維層に突出していてもよい。この様
な小突起部の内部には、中央値が約100μmの孔径を
有する気孔(空隙)が形成されている。なお、この小突
起部19は、殆どが原料のC/Cコンポジットの炭素繊
維以外の炭素成分からなるマトリックスの跡に沿って形
成されるので、ヤーンとヤーンとの間隔および/または
ヤーン配列体とヤーン配列体との間隔を適宜選択するこ
とにより、単位面積当たりの小突起部19の密度を調整
することが可能である。隣接するヤーン12Aと12B
との間にも、炭化珪素相14が形成されていてもよい。
【0051】 各マトリックス18Aと18Bとは、そ
れぞれヤーンの表面に沿って細長く、好ましくは直線状
に延びており、各マトリックス18Aと18Bとは互い
に直交している。そして、ヤーン配列体11A、11
C、11Eにおけるマトリックス18Aと、これに直交
するヤーン配列体11B、11D、11Fにおけるマト
リックス18Bとは、それぞれヤーン12Aと12Bと
の間隙部分で連続している。この結果、マトリックス1
8A、18Bは、全体として、三次元格子を形成してい
る。
れぞれヤーンの表面に沿って細長く、好ましくは直線状
に延びており、各マトリックス18Aと18Bとは互い
に直交している。そして、ヤーン配列体11A、11
C、11Eにおけるマトリックス18Aと、これに直交
するヤーン配列体11B、11D、11Fにおけるマト
リックス18Bとは、それぞれヤーン12Aと12Bと
の間隙部分で連続している。この結果、マトリックス1
8A、18Bは、全体として、三次元格子を形成してい
る。
【0052】 SiC系複合材料は、例えば平成11年
2月9日付出願の特願平11−31979号に開示され
た下記の方法にて製造することができる。即ち、Si−
SiC系複合材料の場合と同様に製造した炭素繊維から
成る成形体または焼成体と金属珪素とを、1100〜1
400℃の温度域、炉内圧0.1〜10hPaで1時間
以上保持する。保持時間は、種々の要因により変動しう
るが、無機ポリマーないし無機物のセラミックス化への
変化に伴うCO等の発生ガスを焼成雰囲気より除去し、
また大気中のO2等による外部からの焼成雰囲気の汚染
を防止するに充分な時間であればよい。また、この際、
成形体または焼成体と珪素の合計重量1kg当たり0.
1NL(ノルマルリットル:1200℃、圧力0.1h
Paの場合、5065リットルに相当)以上の不活性ガ
スを流しつつ、成形体または焼成体表面にSiC層を形
成することが好ましい。次いで、温度1450〜250
0℃に昇温して前記成形体または焼成体の開気孔内部へ
珪素を溶融、含浸させ、先ず、SiC系材料を形成させ
る。
2月9日付出願の特願平11−31979号に開示され
た下記の方法にて製造することができる。即ち、Si−
SiC系複合材料の場合と同様に製造した炭素繊維から
成る成形体または焼成体と金属珪素とを、1100〜1
400℃の温度域、炉内圧0.1〜10hPaで1時間
以上保持する。保持時間は、種々の要因により変動しう
るが、無機ポリマーないし無機物のセラミックス化への
変化に伴うCO等の発生ガスを焼成雰囲気より除去し、
また大気中のO2等による外部からの焼成雰囲気の汚染
を防止するに充分な時間であればよい。また、この際、
成形体または焼成体と珪素の合計重量1kg当たり0.
1NL(ノルマルリットル:1200℃、圧力0.1h
Paの場合、5065リットルに相当)以上の不活性ガ
スを流しつつ、成形体または焼成体表面にSiC層を形
成することが好ましい。次いで、温度1450〜250
0℃に昇温して前記成形体または焼成体の開気孔内部へ
珪素を溶融、含浸させ、先ず、SiC系材料を形成させ
る。
【0053】 次いで、炉内温度を一旦周囲環境温度
(20℃〜25℃)まで冷却するか、あるいは、炉内温
度をそのまま保持しつつ、炉内圧力を約1気圧程度まで
上げ、炉内温度を1800℃〜2800℃に引き上げ
て、場合によっては残存していることもある金属珪素
と、既に生成している炭化珪素を炭素繊維と炭素繊維外
の炭素成分中(一部黒鉛化した炭素を含む遊離炭素と同
義である)にまで拡散させ、これら炭素と反応させる。
この場合の保持時間は1時間程度で充分である。また、
この過程において、C/Cコンポジットからなる成形体
を用いた場合は、前記成形体の焼成も行われ、同時にS
iC系複合材料が生成する。
(20℃〜25℃)まで冷却するか、あるいは、炉内温
度をそのまま保持しつつ、炉内圧力を約1気圧程度まで
上げ、炉内温度を1800℃〜2800℃に引き上げ
て、場合によっては残存していることもある金属珪素
と、既に生成している炭化珪素を炭素繊維と炭素繊維外
の炭素成分中(一部黒鉛化した炭素を含む遊離炭素と同
義である)にまで拡散させ、これら炭素と反応させる。
この場合の保持時間は1時間程度で充分である。また、
この過程において、C/Cコンポジットからなる成形体
を用いた場合は、前記成形体の焼成も行われ、同時にS
iC系複合材料が生成する。
【0054】 本発明において、第一の摺動構造物と第
二の摺動構造物を組み合わせ、図4に示すように、上記
摺動リング44をその周方向に分割し、摺動リング44
及び溝42を、回転軸を含む平面で切断した場合の断面
形状を、上記軸41の外周側を上底とした、ほぼ同寸法
の台形とし、さらに、摺動リング44の開口部の少なく
とも一方を閉塞する平面と、回転軸46に垂直な平面と
を斜めに配向させれば、摺動リング44の破損及び溝4
2からの離脱を防止できるとともに、摺動リング44と
軸41の空回りを防ぐこともできる。又、本発明の第一
の摺動構造物若しくは第二の摺動構造物又は第一の摺動
構造物と第二の摺動構造物を組み合わせた、例えば図4
に示す摺動構造物において、少なくとも摺動リング44
及び軸受けに設けた軸孔内壁をSi−SiC系複合材料
又はSiC系複合材料から構成すれば、これらの摺動構
造物に優れた耐磨耗性を付与することができるため、摺
動構造物の寿命を延ばすことができるとともに、より滑
らかな摺動を行うことができる。
二の摺動構造物を組み合わせ、図4に示すように、上記
摺動リング44をその周方向に分割し、摺動リング44
及び溝42を、回転軸を含む平面で切断した場合の断面
形状を、上記軸41の外周側を上底とした、ほぼ同寸法
の台形とし、さらに、摺動リング44の開口部の少なく
とも一方を閉塞する平面と、回転軸46に垂直な平面と
を斜めに配向させれば、摺動リング44の破損及び溝4
2からの離脱を防止できるとともに、摺動リング44と
軸41の空回りを防ぐこともできる。又、本発明の第一
の摺動構造物若しくは第二の摺動構造物又は第一の摺動
構造物と第二の摺動構造物を組み合わせた、例えば図4
に示す摺動構造物において、少なくとも摺動リング44
及び軸受けに設けた軸孔内壁をSi−SiC系複合材料
又はSiC系複合材料から構成すれば、これらの摺動構
造物に優れた耐磨耗性を付与することができるため、摺
動構造物の寿命を延ばすことができるとともに、より滑
らかな摺動を行うことができる。
【0055】 本発明の摺動構造物は、金属溶湯中で使
用される摺動構造物、例えば溶融金属メッキ装置に設け
たシンクロール装置、サポートロール装置等のロール装
置に好適に用いることができる。
用される摺動構造物、例えば溶融金属メッキ装置に設け
たシンクロール装置、サポートロール装置等のロール装
置に好適に用いることができる。
【0056】
【実施例】 以下、本発明を実施例を用いてさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるもの
ではない。
く説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるもの
ではない。
【0057】(実施例1) 図1に示すように、摺動リ
ング44が周方向に3個の断片45に分割された軸41
を備えたシンクロール装置及びサポートロール装置を有
する溶融金属メッキ装置を用いて鋼ストリップにアルミ
ニウムメッキを施し、摺動リング44の破損、溝42か
らの離脱について調べた。
ング44が周方向に3個の断片45に分割された軸41
を備えたシンクロール装置及びサポートロール装置を有
する溶融金属メッキ装置を用いて鋼ストリップにアルミ
ニウムメッキを施し、摺動リング44の破損、溝42か
らの離脱について調べた。
【0058】 摺動リング44は軸41に設けた溝42
にはめ込まれており、摺動リング44及び溝42を、回
転軸を含む平面で切断した場合の断面形状は、上記軸4
1の外周側を上底とした台形とした。摺動リング44と
溝42の壁との間には0.1〜0.5mmのクリアラン
スを設けた。
にはめ込まれており、摺動リング44及び溝42を、回
転軸を含む平面で切断した場合の断面形状は、上記軸4
1の外周側を上底とした台形とした。摺動リング44と
溝42の壁との間には0.1〜0.5mmのクリアラン
スを設けた。
【0059】 シンクロール装置に用いた摺動リング4
4を切断した場合の台形の二つの底角の大きさは共に4
5°とし、上底及び下底の長さはそれぞれ20mm、3
4mm、高さは6mmとした。摺動リング44の内径及
び外径はそれぞれ99mm、113mmとし、軸41の
径は99mmとした。又、シンクロールの大きさは直径
400mm、幅1000mmとした。
4を切断した場合の台形の二つの底角の大きさは共に4
5°とし、上底及び下底の長さはそれぞれ20mm、3
4mm、高さは6mmとした。摺動リング44の内径及
び外径はそれぞれ99mm、113mmとし、軸41の
径は99mmとした。又、シンクロールの大きさは直径
400mm、幅1000mmとした。
【0060】 上記摺動リング44は、図2に示すよう
に、摺動リング外周面上の分割線47が、摺動リング4
4の回転方向に対して5°で配向するように分割した。
シンクロール、サポートロール、軸本体は熱膨張率が1
85×10-6/℃であるSCH13から構成し、摺動リ
ング44は熱膨張率が18、5×10-6/℃であるSC
H13から構成した。又、軸受けに設けた軸孔の内壁に
はSi−SiC系複合材料から成る層を設けた。
に、摺動リング外周面上の分割線47が、摺動リング4
4の回転方向に対して5°で配向するように分割した。
シンクロール、サポートロール、軸本体は熱膨張率が1
85×10-6/℃であるSCH13から構成し、摺動リ
ング44は熱膨張率が18、5×10-6/℃であるSC
H13から構成した。又、軸受けに設けた軸孔の内壁に
はSi−SiC系複合材料から成る層を設けた。
【0061】 溶融金属メッキ装置21は、図5に示す
ように、上記のシンクロール装置24、サポートロール
装置25及びワイピングノズル26とから構成し、約7
00℃のアルミニウム溶湯22を満たしたメッキ槽23
に浸漬した状態で使用した。
ように、上記のシンクロール装置24、サポートロール
装置25及びワイピングノズル26とから構成し、約7
00℃のアルミニウム溶湯22を満たしたメッキ槽23
に浸漬した状態で使用した。
【0062】 5日間の間、溶融金属メッキ装置21を
稼働させた後、摺動リング44の破損、溝42からの離
脱の有無を目視にて調べた。
稼働させた後、摺動リング44の破損、溝42からの離
脱の有無を目視にて調べた。
【0063】(実施例2) 図3(c)に示すように、
摺動リング44の開口部を閉塞する平面56と、回転軸
46に垂直な平面55によって形成される角の大きさが
45°となるようにした軸41を備えたシンクロール装
置及びサポートロール装置を有する溶融金属メッキ装置
を用いて鋼ストリップにアルミニウムメッキを施し、摺
動リング44と軸41との空回りについて調べた。
摺動リング44の開口部を閉塞する平面56と、回転軸
46に垂直な平面55によって形成される角の大きさが
45°となるようにした軸41を備えたシンクロール装
置及びサポートロール装置を有する溶融金属メッキ装置
を用いて鋼ストリップにアルミニウムメッキを施し、摺
動リング44と軸41との空回りについて調べた。
【0064】 摺動リング44は軸41に設けた溝42
にはめ込まれており、軸41の径、シンクロール及びサ
ポートロールの直径は実施例1と同じとした。シンクロ
ール装置に用いる摺動リング44の内径及び外径はそれ
ぞれ99mm、113mmとし、摺動リング44の厚さ
及び幅はそれぞれ6mm、80mmとした。サポートロ
ール装置に用いる摺動リング44の内径及び外径はそれ
ぞれ120mm、140mmとし、摺動リング44の厚
さ及び幅はそれぞれ100mm、10mmとした。
にはめ込まれており、軸41の径、シンクロール及びサ
ポートロールの直径は実施例1と同じとした。シンクロ
ール装置に用いる摺動リング44の内径及び外径はそれ
ぞれ99mm、113mmとし、摺動リング44の厚さ
及び幅はそれぞれ6mm、80mmとした。サポートロ
ール装置に用いる摺動リング44の内径及び外径はそれ
ぞれ120mm、140mmとし、摺動リング44の厚
さ及び幅はそれぞれ100mm、10mmとした。
【0065】 シンクロール、サポートロール、軸本体
は熱膨張率が185×10-6/℃であるSCH13から
構成し、摺動リング44は熱膨張率が18、5×10-6
/℃であるSCH13から構成した。又、軸受けに設け
た軸孔の内壁にはSi−SiC系複合材料から成る層を
設けた。
は熱膨張率が185×10-6/℃であるSCH13から
構成し、摺動リング44は熱膨張率が18、5×10-6
/℃であるSCH13から構成した。又、軸受けに設け
た軸孔の内壁にはSi−SiC系複合材料から成る層を
設けた。
【0066】 上記のシンクロール装置24、サポート
ロール装置25及びワイピングノズル26とから構成し
た図5に示す溶融金属メッキ装置21を用いて実施例1
と同様に5日間の間、溶融金属メッキ装置21を稼働さ
せ、摺動リング44と軸41との空回りの有無を調べ
た。結果を表2に示す。
ロール装置25及びワイピングノズル26とから構成し
た図5に示す溶融金属メッキ装置21を用いて実施例1
と同様に5日間の間、溶融金属メッキ装置21を稼働さ
せ、摺動リング44と軸41との空回りの有無を調べ
た。結果を表2に示す。
【0067】(実施例3) 図4に示すように、摺動リ
ング44をその周方向に3個の断片45に分割し、摺動
リング44及び溝42を、回転軸を含む平面で切断した
場合の断面形状を、上記軸41の外周側を上底とした台
形とし、さらに、摺動リング44の開口部を閉塞する平
面と、回転軸に垂直な平面によって形成される角の大き
さが30°となるようにした軸41を備えたシンクロー
ル装置及びサポートロール装置を有する溶融金属メッキ
装置を用いて鋼ストリップにアルミニウムメッキを施
し、摺動リング44の破損、溝42からの離脱、摺動リ
ング44と軸41との空回り、摺動リングの磨耗量につ
いて調べた。
ング44をその周方向に3個の断片45に分割し、摺動
リング44及び溝42を、回転軸を含む平面で切断した
場合の断面形状を、上記軸41の外周側を上底とした台
形とし、さらに、摺動リング44の開口部を閉塞する平
面と、回転軸に垂直な平面によって形成される角の大き
さが30°となるようにした軸41を備えたシンクロー
ル装置及びサポートロール装置を有する溶融金属メッキ
装置を用いて鋼ストリップにアルミニウムメッキを施
し、摺動リング44の破損、溝42からの離脱、摺動リ
ング44と軸41との空回り、摺動リングの磨耗量につ
いて調べた。
【0068】 摺動リング44は軸41に設けた溝42
にはめ込まれており、摺動リング44と溝42の壁との
間には0.1〜0.5mmのクリアランスを設けた。
にはめ込まれており、摺動リング44と溝42の壁との
間には0.1〜0.5mmのクリアランスを設けた。
【0069】 シンクロール装置に用いた摺動リング4
4を切断した場合の台形の二つの底角の大きさは共に4
5°とし、上底及び下底の長さはそれぞれ80mm、1
00mm、高さは10mmとした。摺動リング44の内
径及び外径はそれぞれ105mm、135mmとし、軸
41の径は99mmとした。又、シンクロールの寸法は
実施例1と同じとした。
4を切断した場合の台形の二つの底角の大きさは共に4
5°とし、上底及び下底の長さはそれぞれ80mm、1
00mm、高さは10mmとした。摺動リング44の内
径及び外径はそれぞれ105mm、135mmとし、軸
41の径は99mmとした。又、シンクロールの寸法は
実施例1と同じとした。
【0070】 上記摺動リング44は、摺動リング外周
面上の分割線47が、摺動リング44の回転方向に対し
て5°で配向するように分割した。
面上の分割線47が、摺動リング44の回転方向に対し
て5°で配向するように分割した。
【0071】 又、軸受けに設けた軸孔の内壁にはSi
−SiC系複合材料から成る層を設け、摺動リングはS
i−SiC系複合材料から構成した。
−SiC系複合材料から成る層を設け、摺動リングはS
i−SiC系複合材料から構成した。
【0072】 上記のシンクロール装置24、サポート
ロール装置25及びワイピングノズル26とから構成し
た図5に示す溶融金属メッキ装置21を用いて実施例1
と同様に5日間の間、溶融金属メッキ装置21を稼働さ
せ、実施例1と同様に摺動リング44の破損、溝42か
らの離脱、摺動リング44と軸41との空回りについて
調べた。又、稼働終了後の摺動リングの高さの減り具合
を測定することにより摺動リングの磨耗量について調べ
た。結果を表2に示す。
ロール装置25及びワイピングノズル26とから構成し
た図5に示す溶融金属メッキ装置21を用いて実施例1
と同様に5日間の間、溶融金属メッキ装置21を稼働さ
せ、実施例1と同様に摺動リング44の破損、溝42か
らの離脱、摺動リング44と軸41との空回りについて
調べた。又、稼働終了後の摺動リングの高さの減り具合
を測定することにより摺動リングの磨耗量について調べ
た。結果を表2に示す。
【0073】(比較例1) 摺動リング及び溝を回転軸
を含む平面で切断した場合の断面形状を正方形とした点
を除いては実施例1と同様のシンクロール装置及びサポ
ートロール装置を有する溶融金属メッキ装置を用いて実
施例1と同様に鋼ストリップにアルミニウムメッキを施
し、実施例1と同様に摺動リングの破損、溝からの離脱
について調べた。結果を表2に示す。
を含む平面で切断した場合の断面形状を正方形とした点
を除いては実施例1と同様のシンクロール装置及びサポ
ートロール装置を有する溶融金属メッキ装置を用いて実
施例1と同様に鋼ストリップにアルミニウムメッキを施
し、実施例1と同様に摺動リングの破損、溝からの離脱
について調べた。結果を表2に示す。
【0074】(比較例2) 摺動リングの開口部のそれ
ぞれを閉塞する平面と、回転軸に垂直な平面によって形
成される角の大きさが0°となるようにした点を除いて
は実施例2と同様の軸を備えたシンクロール装置及びサ
ポートロール装置を有する溶融金属メッキ装置を用いて
実施例2と同様に鋼ストリップにアルミニウムメッキを
施し、実施例2と同様に摺動リングと軸との空回りにつ
いて調べた。結果を表2に示す。
ぞれを閉塞する平面と、回転軸に垂直な平面によって形
成される角の大きさが0°となるようにした点を除いて
は実施例2と同様の軸を備えたシンクロール装置及びサ
ポートロール装置を有する溶融金属メッキ装置を用いて
実施例2と同様に鋼ストリップにアルミニウムメッキを
施し、実施例2と同様に摺動リングと軸との空回りにつ
いて調べた。結果を表2に示す。
【0075】(比較例3及び4) 軸受けに設けた軸孔
の内壁にSCH13(比較例3)又はサイアロン(比較
例4)から成る層を設け、摺動リングをSCH13(比
較例3)又はサイアロン(比較例4)から構成した点を
除いては実施例3と同様のシンクロール装置及びサポー
トロール装置を有する溶融金属メッキ装置を用いて実施
例3と同様に鋼ストリップにアルミニウムメッキを施
し、実施例3と同様に摺動リングの磨耗量について調べ
た。結果を表2に示す。尚、比較例4においては、溶融
金属メッキ装置を金属溶湯に入れた際に、熱衝撃により
摺動リングが破損したため、磨耗量の測定はできなかっ
た。
の内壁にSCH13(比較例3)又はサイアロン(比較
例4)から成る層を設け、摺動リングをSCH13(比
較例3)又はサイアロン(比較例4)から構成した点を
除いては実施例3と同様のシンクロール装置及びサポー
トロール装置を有する溶融金属メッキ装置を用いて実施
例3と同様に鋼ストリップにアルミニウムメッキを施
し、実施例3と同様に摺動リングの磨耗量について調べ
た。結果を表2に示す。尚、比較例4においては、溶融
金属メッキ装置を金属溶湯に入れた際に、熱衝撃により
摺動リングが破損したため、磨耗量の測定はできなかっ
た。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】 本発明の第一の摺動構造物において
は、摺動リングが周方向に分割されているため、摺動リ
ングの熱膨張係数が、軸本体の熱膨張係数よりも小さい
場合であっても、金属溶湯中において摺動リングが破損
することがなく、又、遠心力で摺動リングを構成する各
断片が溝から離脱することもない。
は、摺動リングが周方向に分割されているため、摺動リ
ングの熱膨張係数が、軸本体の熱膨張係数よりも小さい
場合であっても、金属溶湯中において摺動リングが破損
することがなく、又、遠心力で摺動リングを構成する各
断片が溝から離脱することもない。
【0078】 又、本発明の第二の摺動構造物を用いれ
ば、摺動リングの熱膨張係数が、軸本体の熱膨張係数よ
りも大きい場合であっても、金属溶湯中において摺動リ
ングが空回りするのを防止できる。
ば、摺動リングの熱膨張係数が、軸本体の熱膨張係数よ
りも大きい場合であっても、金属溶湯中において摺動リ
ングが空回りするのを防止できる。
【0079】 又、本発明の第三の摺動構造物は、摺動
部分がSi−SiC系複合材料又はSiC系複合材料か
ら構成されるため、充分な耐熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗
性を有し、従来の摺動構造物に比べ著しく寿命が長いた
め、より滑らかな摺動を行うことができる。従って、メ
ッキ作業のコストを低減することができるとともに、摺
動構造物の磨耗に起因する溶融金属メッキ装置の振動を
防ぐことができ、メッキ製品の品質にばらつきが生じる
のを防止できる。
部分がSi−SiC系複合材料又はSiC系複合材料か
ら構成されるため、充分な耐熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗
性を有し、従来の摺動構造物に比べ著しく寿命が長いた
め、より滑らかな摺動を行うことができる。従って、メ
ッキ作業のコストを低減することができるとともに、摺
動構造物の磨耗に起因する溶融金属メッキ装置の振動を
防ぐことができ、メッキ製品の品質にばらつきが生じる
のを防止できる。
【0080】 即ち、本発明の第一、第二又は第三の摺
動構造物を単独で、又はそれぞれの摺動構造物の特徴を
組み合わせて用いれば、金属溶湯中において良好な摺動
を確保することができるため、本発明の摺動構造物は、
例えば溶融金属メッキ装置に設けたシンクロール装置、
サポートロール装置等のロール装置として好適に用いる
ことができる。
動構造物を単独で、又はそれぞれの摺動構造物の特徴を
組み合わせて用いれば、金属溶湯中において良好な摺動
を確保することができるため、本発明の摺動構造物は、
例えば溶融金属メッキ装置に設けたシンクロール装置、
サポートロール装置等のロール装置として好適に用いる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の摺動構造物の一例を示す(a)模式
図、(b)(a)のA−A線断面図及び(c)(a)の
B−B線断面図である。
図、(b)(a)のA−A線断面図及び(c)(a)の
B−B線断面図である。
【図2】 摺動リングの分割方法の一例を示す模式図で
ある。
ある。
【図3】 本発明の摺動構造物の(a)他の例を示す斜
視図、(b)断面形状の軌跡を示す模式図及び(c)さ
らに他の例を示す斜視図である。
視図、(b)断面形状の軌跡を示す模式図及び(c)さ
らに他の例を示す斜視図である。
【図4】 (a)本発明の摺動構造物のさらに他の例を
示す模式図、(b)(a)のA−A線断面図(c)
(a)のB−B線断面図である。
示す模式図、(b)(a)のA−A線断面図(c)
(a)のB−B線断面図である。
【図5】 溶融金属メッキ装置の一例を示す模式図であ
る。
る。
【図6】 従来の摺動構造物の一例を示す模式図であ
る。
る。
【図7】 Si−SiC系複合材料の骨格の一例を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図8】 (a)図7のIIa−IIa線断面図及び
(b)図7のIIb−IIb線断面図である。
(b)図7のIIb−IIb線断面図である。
【図9】 図7をSiC系複合材料の骨格の一例を示す
斜視図とみなした場合の(a)図7のIIa−IIa線
断面図及び(b)図7のIIb−IIb線断面図であ
る。
斜視図とみなした場合の(a)図7のIIa−IIa線
断面図及び(b)図7のIIb−IIb線断面図であ
る。
1…ヤーン配列体、2…ヤーン、3…繊維束、4…炭化
珪素相、5…Si−SiC系材料相、6…ヤーン集合
体、7…Si−SiC系複合材料、8…マトリックス、
11…ヤーン配列体、12…ヤーン、13…繊維束、1
4…炭化珪素相、15…Si−SiC系材料相、16…
ヤーン集合体、17…SiC系複合材料、18…マトリ
ックス、19…小突起部、21…溶融金属メッキ装置、
22…金属溶湯、23…メッキ槽、24…シンクロール
装置、25…サポートロール装置、26…ワイピングノ
ズル、27…シンクロール、28…軸、29…サポート
ロール、30…軸、31…鋼ストリップ、32…耐蝕性
耐熱合金又はサイアロンから成る層、33…軸本体、3
4…摺動リング、40…軸孔、41…軸、42…溝、4
3…軸本体、44…摺動リング、45…断片、46…回
転軸、47…分割線、48、49…断面形状の軌跡、5
0…軸受け、51…軸受け、52…摺動構造物、53…
摺動リングの分割面、55…回転軸に垂直な平面、56
…摺動リングの開口部を閉塞する平面。
珪素相、5…Si−SiC系材料相、6…ヤーン集合
体、7…Si−SiC系複合材料、8…マトリックス、
11…ヤーン配列体、12…ヤーン、13…繊維束、1
4…炭化珪素相、15…Si−SiC系材料相、16…
ヤーン集合体、17…SiC系複合材料、18…マトリ
ックス、19…小突起部、21…溶融金属メッキ装置、
22…金属溶湯、23…メッキ槽、24…シンクロール
装置、25…サポートロール装置、26…ワイピングノ
ズル、27…シンクロール、28…軸、29…サポート
ロール、30…軸、31…鋼ストリップ、32…耐蝕性
耐熱合金又はサイアロンから成る層、33…軸本体、3
4…摺動リング、40…軸孔、41…軸、42…溝、4
3…軸本体、44…摺動リング、45…断片、46…回
転軸、47…分割線、48、49…断面形状の軌跡、5
0…軸受け、51…軸受け、52…摺動構造物、53…
摺動リングの分割面、55…回転軸に垂直な平面、56
…摺動リングの開口部を閉塞する平面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA08 AA20 CA01 DA01 PA03 QA07 SB01 SB20 3J103 CA25 DA01 FA01 FA11 FA13 FA26 GA02 GA52
Claims (28)
- 【請求項1】 軸受けと、該軸受けに設けた軸孔内を相
対的に回転する軸を有する摺動構造物であって、 該軸が、周方向に溝を有する軸本体と、該溝にはめ込ま
れた摺動リングとから成り、 該摺動リングは、該軸本体とは熱膨張係数が異なる材料
にて構成されるとともに、その周方向に3以上、8以下
の断片に分割され、 該摺動リング及び該溝を、回転軸を含む平面で切断した
場合の断面形状が、該軸の外周側を上底とした、ほぼ同
寸法の台形であることを特徴とする摺動構造物。 - 【請求項2】 該摺動リングの分割面が、回転軸と1点
でのみ交わる請求項1に記載の摺動構造物。 - 【請求項3】 該台形の底角の大きさが30°以上、8
0°以下である請求項1又は2に記載の摺動構造物。 - 【請求項4】 軸受けと、該軸受けに設けた軸孔内を相
対的に回転する軸を有する摺動構造物であって、 該軸が、周方向に溝を有する軸本体と、該溝にはめ込ま
れた摺動リングとから成り、 該摺動リングは、該軸本体とは熱膨張係数の異なる材料
にて構成され、 該摺動リングを回転軸を含む平面で切断した場合の断面
形状の軌跡の少なくとも1つが、回転軸を含む他の平面
で切断した場合の断面形状の軌跡と異なることを特徴と
する摺動構造物。 - 【請求項5】 該摺動リングを回転軸を含む平面で切断
した場合の断面形状の軌跡の少なくとも1つが、回転軸
を含む他の平面で切断した場合の断面形状の軌跡と異な
る請求項1、2又は3に記載の摺動構造物。 - 【請求項6】 該摺動リングの開口部の少なくとも一方
を閉塞する平面と、回転軸に垂直な平面とが斜めに配向
する請求項4又は5に記載の摺動構造物。 - 【請求項7】 該摺動リングの開口部の少なくとも一方
を閉塞する平面と、回転軸に垂直な平面との間に形成さ
れる角の大きさが5°以上である請求項6に記載の摺動
構造物。 - 【請求項8】 少なくとも該摺動リング及び該軸孔の内
壁がSi−SiC系複合材料又はSiC系複合材料から
成る請求項1〜7のいずれか1項に記載の摺動構造物。 - 【請求項9】 金属溶湯中において使用される摺動構造
物であって、 少なくともその摺動部分がSi−SiC系複合材料又は
SiC系複合材料から成ることを特徴とする摺動構造
物。 - 【請求項10】 軸受けと、該軸受けに設けた軸孔内を
相対的に回転する軸を有する請求項9に記載の摺動構造
物。 - 【請求項11】 該Si−SiC系複合材料が、55重
量%〜75重量%の炭素と、1重量%〜10重量%の珪
素と、10重量%〜50重量%の炭化珪素とから構成さ
れ、少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成分
とを含有するヤーンが層方向に配向しつつ三次元的に組
み合わされ、互いに分離しないように一体化されている
ヤーン集合体と、このヤーン集合体中で隣り合う前記ヤ
ーンの間に充填されているSi−SiC系材料からなる
マトリックスとを備え、0.05〜0.6の動摩擦係数
と、0.5%〜10%に制御された気孔率とを有する請
求項8、9又は10に記載の摺動構造物。 - 【請求項12】 該Si−SiC系複合材料において、
該マトリックスが、該ヤーンの表面に沿って生成してい
る炭化珪素相を有している請求項11に記載の摺動構造
物。 - 【請求項13】 該Si−SiC系複合材料において、
該マトリックスが珪素からなる珪素相を有しており、こ
の珪素相と該ヤーンとの間に該炭化珪素相が生成してい
る請求項12に記載の摺動構造物。 - 【請求項14】 該Si−SiC系複合材料において、
該マトリックスが、該ヤーンの表面から離れるに従って
珪素の含有比率が大きくなる傾斜組成を有している請求
項11、12又は13のいずれか1項に記載の摺動構造
物。 - 【請求項15】 該Si−SiC系複合材料において、
該ヤーン集合体が複数のヤーン配列体を備えており、各
ヤーン配列体がそれぞれ複数の該ヤーンを略平行に二次
元的に配列することによって形成されており、該各ヤー
ン配列体が積層されることによって該ヤーン集合体が構
成されている請求項11、12、13又は14のいずれ
か1項に記載の摺動構造物。 - 【請求項16】 該Si−SiC系複合材料において、
隣接する該ヤーン配列体における各ヤーンの長手方向が
互いに交差している請求項15に記載の摺動構造物。 - 【請求項17】 該Si−SiC系複合材料において、
該マトリックスが、該Si−SiC複合材料中で互いに
連続することで三次元網目構造を形成している請求項1
1〜16のいずれか1項に記載の摺動構造物。 - 【請求項18】 該Si−SiC系複合材料において、
該マトリックスが該各ヤーン配列体において略平行に二
次元的に配列されており、隣り合う該各ヤーン配列体中
に生成している該マトリックスが互いに連続しており、
これによって該マトリックスが三次元格子を形成してい
る請求項16に記載の摺動構造物。 - 【請求項19】 該SiC系複合材料が、炭化珪素と炭
素繊維と炭素繊維以外の炭素成分とから構成され、骨格
部と骨格部の周囲に形成されマトリックスとからなる構
造を有し、 炭化珪素の少なくとも50%はβ型で、 該骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分により
形成されており、該骨格部の一部分には炭化珪素が存在
していてもよく、 該マトリックスは、炭化珪素により形成され、 該マトリックスと該骨格部とは一体的に形成されてお
り、かつ、 該SiC系複合材料が0.5%〜5%の気孔率と二山型
の平均気孔径の分布を有する請求項8、9又は10に記
載の摺動構造物。 - 【請求項20】 該SiC系複合材料において、該マト
リックスが、該骨格部表面に沿って形成されている請求
項19に記載の摺動構造物。 - 【請求項21】 該SiC系複合材料において、該マト
リックスの一部が一連の小突起部を形成している請求項
19又は20に記載の摺動構造物。 - 【請求項22】 該SiC系複合材料において、該マト
リックスが該骨格部表面から離れるに従って、珪素の含
有比率が上昇する傾斜組成を有している請求項19、2
0又は21に記載の摺動構造物。 - 【請求項23】 該SiC系複合材料において、該骨格
部が、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分とからなるヤ
ーンを、少なくとも複数本ほぼ並行に二次元的に配列し
て作製したヤーン配列体を、交互に直交するように必要
数積層して作製されたものであるヤーン集合体から構成
されている請求項19、20、21又は22に記載の摺
動構造物。 - 【請求項24】 該SiC系複合材料において、該マト
リックスが、該SiC系複合材料の中で互いに連続する
ことで三次元網目構造を形成している請求項19〜23
のいずれか1項に記載の摺動構造物。 - 【請求項25】 該SiC系複合材料の動摩擦係数が
0.05〜0.6である請求項19〜24のいずれか1
項に記載の摺動構造物。 - 【請求項26】 該SiC系複合材料において、大気中
で10℃/分の割合で昇温したときに5%重量減少が生
じる温度が600℃以上である請求項19〜25のいず
れか1項に記載の摺動構造物。 - 【請求項27】 溶融金属メッキ装置に設けたロール装
置である請求項1〜26のいずれか1項に記載の摺動構
造物。 - 【請求項28】 該ロール装置がシンクロール装置又は
サポートロール装置である請求項27に記載の摺動構造
物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11101883A JP2000291645A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 摺動構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11101883A JP2000291645A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 摺動構造物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000291645A true JP2000291645A (ja) | 2000-10-20 |
Family
ID=14312346
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11101883A Withdrawn JP2000291645A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 摺動構造物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000291645A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002294419A (ja) * | 2001-04-02 | 2002-10-09 | Hitachi Metals Ltd | 連続溶融金属めっき浴中ロール用軸受 |
-
1999
- 1999-04-08 JP JP11101883A patent/JP2000291645A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002294419A (ja) * | 2001-04-02 | 2002-10-09 | Hitachi Metals Ltd | 連続溶融金属めっき浴中ロール用軸受 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060704 |