JP2000292659A - プラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

プラスチック光ファイバケーブル

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JP2000292659A
JP2000292659A JP11100737A JP10073799A JP2000292659A JP 2000292659 A JP2000292659 A JP 2000292659A JP 11100737 A JP11100737 A JP 11100737A JP 10073799 A JP10073799 A JP 10073799A JP 2000292659 A JP2000292659 A JP 2000292659A
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optical fiber
plastic optical
mol
vinylidene fluoride
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JP11100737A
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Shinichi Toyoshima
真一 豊島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高開口数で曲げによる光ロスが少なく、耐薬
品性に優れ、高温高湿度環境下においても安定なプラス
チック光ファイバを提供する。 【解決手段】 PMMA系樹脂からなる芯と、ビニリデ
ンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプ
ロペンからなる特定組成の樹脂からなる鞘と、樹脂組成
物からなる接着バリア層と、ナイロン12樹脂からなる
被覆層を有し、該接着バリア層を形成する樹脂組成物
が、ビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘ
キサフロロプロペンからなる特定組成の樹脂とビニリデ
ンフロライド系樹脂との混合物である、プラスチック光
ファイバケーブルとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、車載用配線、移動
体配線、FA機器配線、パソコン配線などの光信号伝送
や、光電センサーなどに使用される、プラスチック光フ
ァイバルケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】芯をポリメチルメタクリレート(PMM
A)系樹脂とするプラスチック光ファイバの鞘樹脂とし
て、特公昭62−3401号公報にはビニリデンフロラ
イドとテトラフロロエチレンやヘキサフロロプロペンの
共重合体などで、メルトフローインデックスが、紡糸温
度T℃において荷重10kgで、(5/9)×T−10
0g/10分以上のものが提案されている。
【0003】またビニリデンフロライド系樹脂からなる
鞘とPMMA系樹脂からなる芯を有するプラスチック光
ファイバは、特許第2583523号公報に記載されて
いるように芯と鞘の境界部分に0.1μm〜2μm程度
にわたり芯樹脂と鞘樹脂が相溶した均質な相が形成さ
れ、それによって伝送損失が低くできることが知られて
いる。
【0004】特開平7−77642号公報にはPMMA
系プラスチック光ファイバの裸線の周りに含フッ素ポリ
オレフィン樹脂からなる保護層と、さらにその上にナイ
ロン12を被覆することを特徴とするプラスチック光フ
ァイバケーブルを提案している。この文献において上記
含フッ素ポリオレフィン樹脂はナイロン12の被覆と比
較的強く接着していることを開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高開
口数で曲げによる光ロスが少なく、且つガソリンなどの
車載薬品などにも耐性があり、且つ高温高湿度でも安定
であり、ケーブルの端末部の処理においては、被覆を付
けたまま信頼性高い車載用などに好適なプラスチック光
ファイバケーブルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
とることにより上記課題を解決したものである。
【0007】即ち本発明のプラスチック光ファイバケー
ブルは、芯と鞘からなるプラスチック光ファイバ裸線の
外側に、厚さ2μm〜50μmの接着バリア層と、該接
着バリア層の周囲に接着した厚さ50μm〜700μm
のナイロン12樹脂からなる被覆層を有し、上記接着バ
リア層が、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル
%、テトラフロロエチレン成分が25〜40モル%、ヘ
キサフロロプロペン成分が8〜22モル%の共重合体
と、ビニリデンフロライド成分が65モル%以上のビニ
リデンフロライド系樹脂とからなる樹脂組成物で形成さ
れたことを特徴とする。
【0008】本発明においては、上記芯を形成する芯樹
脂としては、ポリメチルメタクリレート系樹脂が好まし
く、上記鞘を形成する鞘樹脂としては、ビニリデンフロ
ライド成分が40〜62モル%、テトラフロロエチレン
成分が25〜40モル%、ヘキサフロロプロペン成分が
8〜22モル%からなり、ナトリウムD線で20℃で測
定した屈折率が1.350〜1.370であり、23℃
におけるショアD硬度(ASTM D2240)の値が
38〜45である樹脂が好ましく用いられる。
【0009】また、上記接着バリア層を形成する樹脂組
成物中の上記ビニリデンフロライド系樹脂の配合割合は
50〜95重量%が好ましい。
【0010】さらに、本発明のプラスチック光ファイバ
ケーブルは、上記被覆層の引き抜き強度が7kg以上で
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチック光ファイバ
ケーブルの芯を形成する芯樹脂としては、あらゆる透明
な樹脂が使用可能であるが、特に好ましいのはPMMA
系樹脂である。即ち、メチルメタクリレートを50重量
%以上含んだ共重合体で、共重合可能な成分としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルな
どのメタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミド
のようなマレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、ス
チレンなどがあり、これらの中から一種以上適宜選択し
て共重合させたものなどであり、その分子量が重量平均
分子量として8万〜20万程度のものが好ましく、特に
10万〜12万が好ましい。
【0012】本発明において鞘を形成する鞘樹脂として
は、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル%、テ
トラフロロエチレン成分が25〜40モル%、ヘキサフ
ロロプロペン成分が8〜22モル%からなり、ナトリウ
ムD線で20℃で測定した屈折率が1.350〜1.3
70であり、23℃におけるショアD硬度(ASTMD
2240)の値が38〜45である樹脂が好ましく用い
られる。尚、以下に記載する「ショアD硬度」とは、2
3℃におけるショアD硬度(ASTM D2240)の
値を意味する。
【0013】本発明においては、芯と鞘の境界面に芯樹
脂と鞘樹脂が相溶した相が全く形成されない。本発明者
は、該相溶相の存在するプラスチック光ファイバは高温
高湿度条件で放置したとき該相溶相に濁りを生じ、ファ
イバの開口数が下がることを発見した。そのため、本発
明では鞘樹脂単独で十分に透明性を有することが必須で
ある。従来のビニリデンフロライド系樹脂からなる鞘
は、それ自信はやや濁っているが、PMMA系樹脂から
なる芯と相溶して透明な相溶相を形成することにより、
低い伝送損失を確保していた。これに対し、本発明では
鞘樹脂自体が透明であり、芯とは相溶させないことが特
徴である。
【0014】本発明において、芯樹脂としてPMMA系
樹脂を用い、鞘樹脂として上記特定の組成の3成分共重
合体を用いる場合には、芯と鞘の接着の状態は、芯に軟
らかな透明な鞘が吸盤のようにしっとり貼り付いている
状態であり、両者は相互に融け合っている状態では無
い。このような鞘樹脂はある程度軟らかである必要があ
る。そのような鞘樹脂のショアD硬度は38〜45と、
非常に軟らかく設定しなければならない。しかしなが
ら、ファイバの繰り返し曲や引張りなどの時に生じるず
れに対する耐力が必要なことから、鞘樹脂としては比較
的メルトフローインデックスの低目の高分子の強度の強
いものが好ましい。従って、メルトフローインデックス
MIをASTM D1238、荷重10kg、オリフィ
スの直径2mm、長さ8mmノズルから10分間に流れ
る樹脂のg数と定義した時、紡糸温度T℃において、1
5<MI<(5/9)×T−100なる関係のあるもの
が好ましい。
【0015】本発明においては、軟らかな鞘樹脂からな
る鞘でも信頼性に優れたプラスチック光ファイバである
ために、該鞘層の外側に強固なナイロン12樹脂からな
る被覆層を密着させることにより、機械的強度を大幅に
向上させることができる。
【0016】ナイロン12樹脂はショアD硬度が70程
度であり、硬く、さらに機械的にあらゆる強度に強いの
で優れた機械的補強材である。しかしながら、車載用途
やFA用途に供するプラスチック光ファイバとしては、
多数の種類の薬品類に対する耐性があることが好まし
い。ナイロン12樹脂はかなりの薬品に対して侵入を防
ぐ有益な樹脂ではあるが、ガソリンや不凍液などに対し
ては不十分であり、これらの薬品に対しても耐性を付与
するためには更なる耐性のあるバリア層が必要である。
【0017】本発明においては、このバリア層として、
接着バリア層と称する一つの層を付与するのが特徴であ
る。即ち、この接着バリア層は、プラスチック光ファイ
バ裸線の鞘とナイロン12樹脂からなる被覆層を密着さ
せる機能があり、且つガソリンや不凍液に対してバリア
効果のある厚さ2μm〜50μmの層である。これによ
りプラスチック光ファイバ裸線とナイロン12樹脂から
なる被覆が一体として強固に密着した、耐薬品性に優れ
たプラスチック光ファイバケーブルが提供されるのであ
る。
【0018】本発明にかかる接着バリア層を形成する接
着バリア樹脂としては、ビニリデンフロライド成分が4
0〜62モル%、テトラフロロエチレン成分が25〜4
0モル%、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%
の共重合体と、ビニリデンフロライド成分が65モル%
以上のビニリデンフロライド系樹脂との混合物である樹
脂組成物を用いる。そして特に、当該樹脂組成物におい
て、上記ビニリデンフロライド成分が65モル%以上の
ビニリデンフロライド系樹脂の配合割合が、50〜95
重量%であるものが好ましい。
【0019】本発明に用いられる接着バリア樹脂に混合
される、ビニリデンフロライド成分が65モル%以上の
樹脂としては、例えばビニリデンフロライドとテトラフ
ロロエチレンとの共重合体、ビニリデンフロライドとヘ
キサフロロプロペンとの共重合体、ビニリデンフロライ
ドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンの共
重合体、などであり、ショアD硬度が55〜75程度の
比較的硬い樹脂である。当該樹脂組成物においては、上
記ビニリデンフロライド系樹脂が薬品の侵入を阻止する
バリア機能を有しており、他方の3成分共重合体がナイ
ロン12被覆への接着機能を有している。ビニリデンフ
ロライド系樹脂の割合が多いと耐薬品性は強いがナイロ
ン12被覆への密着力は弱く、好ましい配合割合は該ビ
ニリデンフロライド系樹脂が樹脂組成物中に50〜95
重量%である。
【0020】本発明に用いる接着バリア樹脂や、鞘樹脂
として前記特定の組成の3成分共重合体を用いる場合、
当該樹脂の各成分の含有量は、NMRにより測定するこ
とができる。具体的には、鞘樹脂試料の適量をアセトン
−d6とα,α,α−トリフロロトルエンとの混合溶媒
に溶解してなる試料溶液を用意し、観測周波数は1Hが
400MHz、19Fが376MHzとし、化学シフトの
基準物として、1H−NMRはテトラメチルシランを基
準に換算し、19F−NMRはトリクロロフロロメタンを
基準に換算した。スペクトルからの各成分濃度の算出は
次式により求めた重量%組成を、モル%換算する。
【0021】
【数1】
【0022】尚、上記式中、 A:試料溶液中のトリフロロトルエンmmol数 B:1H−NMRで2.2〜2.7ppmと3.0〜
3.8ppmの積分値合計 C:1H−NMRで7.0〜8.5ppmの積分値 D:試料溶液中の試料mg数 E:19F−NMRで−67〜−78ppmの積分値 F:19F−NMRで−62〜−66ppmの積分値
【0023】本発明においては、ナイロン12被覆とプ
ラスチック光ファイバ裸線との密着強度の強いケーブル
を提供することも目的の一つである。ここで、本発明に
かかる密着強度を引き抜き強度で次のように定義する。
【0024】先ず50mmの長さのプラスチック光ファ
イバケーブルをとり、片端から5mmずつ注意深く被覆
をはぎとり、合計20mmの被覆をはぎとり、30mm
については被覆を残した。被覆を取り除いたプラスチッ
ク光ファイバ素線部を1.1mmの孔を明けた5mmの
アクリル板に貫通させ、その素線を引きながら、ナイロ
ン被覆とプラスチック光ファイバ素線が引き抜かれる強
度を測定した値であり、該値を超えると、プラスチック
光ファイバ素線(或いは裸線)が伸びはじめるような強
度である。本発明は7kg以上の引き抜き強度を確保す
ることを目的にしている。
【0025】本発明において、接着バリア層は3層複合
紡糸により裸線と同時に被覆するのが製造工程が簡略化
され最も好ましい。しかしながら、電線被覆のように、
裸線に後被覆することも可能である。接着バリア層の厚
さは2〜50μm程度であり、この層にはカーボンブラ
ックなどを加えてもよい。このような裸線に接着バリア
層を配置したプラスチック光ファイバ素線は、その後の
工程で電線被覆法によりナイロン12を50μm〜70
0μmに被覆し、本発明のプラスチック光ファイバケー
ブルを得る。このケーブルのナイロン12被覆と裸線の
引き抜き強度は7kg以上である。これは、プラスチッ
ク光ファイバ裸線とナイロン12被覆を一体として、端
末のコネクター固定などの端末処理ができることになり
端末処理の信頼性を大きく向上させるものである。ナイ
ロン12樹脂は十分な剛性と寸法安定性があり、コネク
ターの固定方法でも、ナイロン12の被覆層を締め付け
て固定することも十分可能になる。
【0026】本発明のプラスチック光ファイバ裸線の直
径は900μm〜1100μm程度であり、そのうち芯
の直径はプラスチック光ファイバの直径のおよそ90.
0%〜99.4%であり、鞘の厚さはプラスチック光フ
ァイバの直径の0.3%〜5.0%である。このような
プラスチック光ファイバ裸線に対し、ナイロン12樹脂
からなる被覆層の厚さは50μm〜700μm必要であ
る。50μm未満では被覆が困難であり、700μmを
超えるとケーブルが剛直になりすぎるからである。より
好ましい厚さは100μm〜300μmであり、このよ
うなケーブルはプラスチック光ファイバとナイロン12
被覆が一体となった光ファイバとして端末処理が容易に
行える。
【0027】端末処理としては、ナイロン12被覆が比
較的強固に密着しているため、ファイバ端面は切断した
まま、或いは研磨して用いることができる。この場合、
コネクターとの固定は、フェルールとナイロン12被覆
の間に接着剤で固定したり、或はフェルールを圧着した
り、或はナイロン12層に止め歯を打ち込んだりして行
うことができる。さらに好ましくは、特許第28348
11号公報にあるように、先端部を熱板処理し皿状に膨
大化する方法等を組み合わせれば、ピストニングによる
問題も完全に防止できるというメリットがある。
【0028】本発明のプラスチック光ファイバケーブル
はそのまま使用されることもあるし、その上にポリエチ
レンやポリ塩化ビニルやポリウレタン、ナイロン12、
ポリプロピレン、フッ素樹脂どなどの熱可塑性樹脂の外
ジャケットを施してより補強したケーブルとして用いる
こともできる。これらの被覆材には難燃剤としてメラミ
ン系のものや赤燐、水酸化マグネシウムなどを加えるこ
とも当然可能である。
【0029】
【実施例】(実施例1)芯樹脂として屈折率nd20
1.492のポリメチルメタクリレート樹脂で重量平均
分子量が10万の樹脂を用いた。鞘樹脂としては、ビニ
リデンフロライド57モル%、テトロフロロエチレン3
2%、ヘキサフロロプロペン11%からなる、メルトフ
ローインデックスが240℃、10kg荷重において2
7g/10分、屈折率が1.364で、ショアD硬度が
41の樹脂を用いた。接着バリア層樹脂としては、ビニ
リデンフロライド57モル%、テトロフロロエチレン3
2%、ヘキサフロロプロペン11%からなる共重合体
で、240℃、10kg荷重におけるメルトフローイン
デックスが27g/10分の樹脂30重量%に、ビニリ
デンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20
モル%からなる共重合体にカーボンブラックを添加して
なる、ショアD硬度が60、メルトフローインデックス
が230℃、3.8kg荷重で30g/10分のビニリ
デンフロライド系樹脂70重量%を混合してなる樹脂組
成物を用いた。
【0030】上記芯樹脂、鞘樹脂、接着バリア樹脂の三
つの樹脂を3層複合紡糸ダイに導入し、ダイの温度を2
40℃で紡糸した。ダイから吐出されたストランドを2
倍に延伸し、熱処理して、芯径970μm、鞘厚み7.
5μm、接着バリア層の厚み7.5μmの直径1000
μmのプラスチック光ファイバ素線を得た。次いでこの
プラスチック光ファイバ素線を電線被覆用のクロスヘッ
ドダイに導入し、210℃の温度で、ナイロン12樹脂
を200μmの厚さに被覆し、直径が1400μmのケ
ーブルを得た。
【0031】このプラスチック光ファイバケーブルの伝
送損失を測定した。650nmの単色光で、入射NA
0.15で50mの長さで測定した伝送損失値は135
dB/kmであった。
【0032】本プラスチック光ファイバケーブルのナイ
ロン12被覆と、素線の引き抜き強度を測定した。先ず
50mmの長さのプラスチック光ファイバケーブルをと
り、片端から5mmずつ注意深く被覆をはぎとり、20
mmの被覆をはぎとり、30mmについては被覆を残し
た。被覆を取り除いたプラスチック光ファイバ素線部を
1.1mmの孔を明けた5mmのアクリル板に貫通さ
せ、該裸線を引きながら、ナイロン被覆とプラスチック
光ファイバ素線が引き抜かれる強度を測定した。その結
果、素線が伸び始める7kg以上の強度を有していた。
【0033】次にこの直径が1.4mmケーブルを用い
て、クロスヘッドダイ経由で更にナイロン12樹脂を外
被覆し、外径2.2mmのプラスチック光ファイバケー
ブルを得た。このナイロン12には難燃剤としてメラミ
ンシアヌール酸系含有物を用いて難燃性が付与されてい
る。本ケーブルの断面構造を図1に示す。図中、1は
芯、2は鞘、3は接着バリア層、4は被覆層、5は外被
覆層、6は裸線、7は素線である。このケーブルを用い
て耐熱性を評価した。
【0034】伝送特性は650nmLEDを用いて、フ
ァイバの長さ10mの光量の経時変化を測定した。LE
Dの出力は、標準ファイバを保管し、測定毎にそのファ
イバの出力が一定となるようにLEDの出力を調整して
行った。
【0035】ケーブルの端末は直径が2.2mmのナイ
ロン外被覆を剥がし、残りの直径が1.4mmのケーブ
ルを内径が1.45mmのフェルールに挿入し、先端は
180℃の熱板に押しつけ先端部がT型になるように処
理して用いた。この時、ナイロン12の被覆層がプラス
チック光ファイバの芯と鞘を皿状に支えており、ピスト
ニングにより引っ込みも完璧に防止できる。
【0036】その結果、室内保管品では10mの光パワ
ーは−16.1dBmであるのに対し、85℃、95%
湿度条件で1000時間放置したものは−16.4dB
mで高温湿度下でも安定していた。さらにこのケーブル
の耐薬品性を調べた。このケーブルを3mとり、そのう
ち中央部の1mを室温で200時間ガソリンに浸漬した
がそれによる光パワーの変化は0.4dBmであった。
【0037】他の車の薬品として不凍液に対する安定性
を調べた。同様のファイバサンプルを85℃で200時
間浸漬した時の光パワー変化は0.4dBmであった。
【0038】(比較例1)実施例1の芯樹脂と鞘樹脂を
用い、接着バリア樹脂の代わりに、ビニリデンフロライ
ド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%の共重
合体を保護層樹脂として用い、複合紡糸により、芯・鞘
・保護層の各外径が970μm、985μm、1000
μmのプラスチック光ファイバ素線を製造した。この素
線をクロスヘッドダイに導入し、ナイロン12を200
μmの厚さに被覆し、1.4mmのプラスチック光ファ
イバケーブルを得た。本プラスチック光ファイバケーブ
ルについても実施例1と同様の引き抜き強度を測定し
た。引き抜き強度は4.5〜5.5kgであった。
【0039】(比較例2)実施例1の芯樹脂と鞘樹脂を
用い、2層複合紡糸ダイにより芯径980μm、鞘外径
1000μmのプラスチック光ファイバ裸線を得た。こ
の裸線を直接電線被覆用クロスヘッドダイに導入してナ
イロン12樹脂を200μmの厚さに被覆し、直径が
1.4mmのプラスチック光ファイバケーブルを得た。
本プラスチック光ファイバケーブルについても実施例1
と同様の引き抜き強度を測定した。引抜き強度は7kg
以上であった。
【0040】次にこの直径が1.4mmケーブルを用い
て、クロスヘッドダイ経由で更にナイロン12樹脂を外
被覆し、外径2.2mmのプラスチック光ファイバケー
ブルを得て、更なる評価を行った。その結果、85℃、
95%の高温湿度条件下では1000時間でも全く安定
であったが、ガソリン浸漬テストにおいては200時間
で1.2dBmの光量変化が観測された。また、実施例
1と同様に不凍液に対する安定性を調べたところ、同様
のファイバサンプルで85℃で200時間浸漬した時の
光パワー変化は3.0dBmであった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラスチ
ック光ファイバケーブルは、ガソリンなどの車載薬品な
どに対する耐性に優れ、さらに高温高湿度環境にも安定
であり、引き抜き強度に優れ、ナイロン12被覆を剥が
さずにそのまま端末処理を行うことができるため、取扱
が容易であり、特に車載用配線などとして好ましく用い
るができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で作製したプラスチック光ファ
イバケーブルの断面模式図である。
【符号の説明】
1 芯 2 鞘 3 接着バリア層 4 被覆層 5 外被覆層 6 裸線 7 素線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯と鞘からなるプラスチック光ファイバ
    裸線の外側に、厚さ2μm〜50μmの接着バリア層
    と、該接着バリア層の周囲に接着した厚さ50μm〜7
    00μmのナイロン12樹脂からなる被覆層を有し、上
    記接着バリア層が、ビニリデンフロライド成分が40〜
    62モル%、テトラフロロエチレン成分が25〜40モ
    ル%、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%の共
    重合体と、ビニリデンフロライド成分が65モル%以上
    のビニリデンフロライド系樹脂とからなる樹脂組成物で
    形成されたことを特徴とするプラスチック光ファイバケ
    ーブル。
  2. 【請求項2】 上記芯を形成する芯樹脂が、ポリメチル
    メタクリレート系樹脂であり、上記鞘を形成する鞘樹脂
    が、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル%、テ
    トラフロロエチレン成分が25〜40モル%、ヘキサフ
    ロロプロペン成分が8〜22モル%からなり、ナトリウ
    ムD線で20℃で測定した屈折率が1.350〜1.3
    70であり、23℃におけるショアD硬度(ASTM
    D2240)の値が38〜45である樹脂である請求項
    1記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  3. 【請求項3】 上記接着バリア層を形成する樹脂組成物
    中の上記ビニリデンフロライド系樹脂の配合割合が50
    〜95重量%である請求項1記載のプラスチック光ファ
    イバケーブル。
  4. 【請求項4】 上記被覆層の引き抜き強度が7kg以上
    である請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック光
    ファイバケーブル。
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