JP2000294369A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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JP2000294369A
JP2000294369A JP11097794A JP9779499A JP2000294369A JP 2000294369 A JP2000294369 A JP 2000294369A JP 11097794 A JP11097794 A JP 11097794A JP 9779499 A JP9779499 A JP 9779499A JP 2000294369 A JP2000294369 A JP 2000294369A
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moisture
anode
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JP11097794A
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Yusho Izumisawa
勇昇 泉澤
Kenji Furukawa
顕治 古川
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Chisso Corp
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/846Passivation; Containers; Encapsulations comprising getter material or desiccants
    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機EL構造体への水分侵入を防止すること
により、長期にわたって安定した発光特性を維持する有
機EL素子を提供する。 【解決手段】 透明基板1の表面に、陽極2、有機物層
3、陰極4を形成する。そして、陽極の一部、有機物層
及び陰極を含む有機EL構造体を覆うように、絶縁層5
とその上に設けられた水分反応層6とからなる積層体
(絶縁−水分反応層積層体)を設ける。水分反応層6を
形成する物質には、ポーリングの電気陰性度が1.2未
満の金属が選ばれる。上記電気陰性度が1.2未満と
1.2の境界にある金属はCa(1.0)とMg(1.
2)であり、CaとMgとではダークスポットの発生数
と成長に大きな差がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機エレクトロルミ
ネッセンス素子(以下、有機EL素子と記す)に関し、
特に封止構造を改良した有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】チン・ワン・タンが特開昭57−517
81号公報に新しい有機EL素子を発表して以来、有機
EL素子に関する技術は急速に進歩し、高輝度の明るい
素子、多色素子が得られるようになったが、この素子は
寿命が短いという問題が今後の解決すべき課題として残
されている。
【0003】有機EL素子の長寿命化に関する技術は、
主に耐性の高い有機化合物の開発と、外部汚染物質の侵
入、特に水分や酸素の侵入を防止する封止技術の改善に
力点が置かれている。有機EL構造体に侵入した水分
が、一対の電極とこれらに挟持された有機物層とからな
る積層体中に陰極表面の欠陥から侵入すると、有機物層
と陰極との間の剥離を招き、その結果通電が得られなく
なって発光しない部位、いわゆるダークスポット(黒
点)が発生することが知られている。
【0004】前記ダークスポットの発生を抑制するため
には、有機EL構造体への水分の侵入を防ぐことが必要
である。従来、有機EL構造体への水分の侵入を防止す
る手段を設けた有機EL素子としては、例えば、陽極、
有機物層、陰極を積層してなる構造体の外側に、さらに
乾燥剤を含有する保護層及び封止層を積層した構造を有
するもの(特開平7−169567号)、対向する一対
の電極間に有機物層が挟持された積層体を気密ケース内
に収納し、この積層体から隔離して気密ケース内に酸化
バリウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カル
シウムなどからなる乾燥手段を配設することにより、気
密ケース内に積層体及び乾燥手段を中空封止してなるも
の(特開平9−148066号)などが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の有機EL素子は、有機EL構造体への水分侵入
を十分に防止することができないものであった。すなわ
ち、構造体の外側に乾燥剤を含有する保護層を積層した
前記有機EL素子、及び気密ケース内に乾燥手段を設け
た前記有機EL素子は、いずれも有機EL素子内に侵入
した水分が乾燥剤に十分に吸収されず、その結果、水分
が有機EL構造体に侵入してダークスポットが発生する
という問題点を有していた。
【0006】本発明は、前述した事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、有機EL構造体への水分侵入を防
止することにより、長期にわたって安定した発光特性を
維持する有機EL素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意検討を行った結果、陽極、有機物層
及び陰極を含む有機EL構造体を覆うように、絶縁層と
その上に設けられた水分反応層とからなる積層体を形成
した場合、特に上記水分反応層をポーリングの電気陰性
度が1.2未満の金属を含む層とした場合、上記金属と
水分とが速やかに反応して有機EL構造体に水分が侵入
することが効果的に防止されるとともに、有機EL構造
体と水分反応層との短絡が生じなくなり、その結果、長
期にわたってダークスポットのない安定した発光特性を
維持する有機EL素子が得られることを知見し、本発明
をなすに至った。
【0008】したがって、本発明は、下記(1)、
(2)に示す有機EL素子を提供する。 (1)透明基板の表面に設けられた陽極と、陽極に対向
して設けられた陰極と、陽極と陰極との間に設けられた
発光層を含む有機物層とを有する有機EL素子におい
て、前記陽極の一部、有機物層及び陰極を含む有機EL
構造体を覆うように、絶縁層とその上に設けられたポー
リングの電気陰性度が1.2未満の金属を含む水分反応
層とからなる積層体(絶縁−水分反応層積層体)の少な
くとも1層を設けてなることを特徴とする有機EL素
子。
【0009】(2)水分反応層が、ポーリングの電気陰
性度が1.2未満の金属を含む(1)の有機EL素子。
【0010】この場合、本発明においては、後述する実
施形態に示すように、下記(3)〜(9)示す構成を好
適に採用することができる。
【0011】(3)水分反応層が、実質的にポーリング
の電気陰性度が1.2未満の金属のみからなる(2)の
有機EL素子。
【0012】(4)水分反応層と陽極との間に陽極絶縁
層を設けた(1)〜(3)の有機EL素子。
【0013】(5)陽極の一部、有機物層、陰極及び絶
縁−水分反応層積層体を含む有機EL構造体の上方に封
止基板を設け、この封止基板を透明基板に封止基板接着
剤で固着した(1)〜(4)の有機EL素子(後記第1
の実施形態)。
【0014】(6)陽極の一部、有機物層、陰極及び絶
縁−水分反応層積層体を含む有機EL構造体を封止モー
ルディング剤でモールドした(1)〜(4)の有機EL
素子(後記第2の実施形態)。
【0015】(7)陽極の一部、有機物層、陰極及び絶
縁−水分反応層積層体を含む有機EL構造体の上に、水
分反応性物質を高分子結着剤に分散させてなる物質によ
り形成された水分予備反応層を設けるとともに、この水
分予備反応層を封止モールディング剤でモールドした
(1)〜(4)の有機EL素子。
【0016】(8)水分反応性物質が、ポーリングの電
気陰性度が1.2未満の金属の1種又は2種以上である
(7)の有機EL素子。
【0017】(9)高分子結着剤が、熱又は光硬化性樹
脂である(7)、(8)の有機EL素子。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 (実施形態1)図1は本発明の第1の実施形態の第1の
例を示す断面図である。透明基板、例えばガラス基板1
の上に、ITO(インジウム錫酸化物)の陽極2、発光
層を含む有機物層3及び陰極4からなる有機EL構造体
を形成する。この場合、有機EL構造体の各層の材料、
構成等に何ら限定はない。例えば、陽極材料としてはI
TOの他に酸化錫(NESA)、金、銀、白金、銅等を
使用でき、陰極材料としてはインジウム、マグネシウ
ム、アルミニウム、マグネシウム−インジウム合金、マ
グネシウム−銀合金、マグネシウム−アルミニウム合金
等を使用できる。また、有機EL構造体の構造は、例え
ば陽極/発光層/陰極、陽極/正孔輸送層/発光層
/電子輸送層/陰極、陽極/発光層/電子輸送層/陰
極、陽極/正孔輸送層/発光層/陰極などの任意の構
造とすることができる。
【0019】前記有機EL構造体の上に絶縁層5を設け
て有機物層3と陰極4を完全に覆い、この絶縁層5の上
に水分反応層6を好ましくは0.2〜1μmの厚さに形
成する。すなわち、陽極2の一部、有機物層3及び陰極
4を含む有機EL構造体を覆うように、絶縁層5とその
上に設けられた水分反応層6とからなる積層体(絶縁−
水分反応層積層体)を設ける。絶縁層5は、水分反応層
6と有機EL構造体との短絡を防ぐために設けられるも
のである。絶縁層5と水分反応層6とからなる絶縁−水
分反応層積層体が設けられた有機EL構造体の上方に封
止基板8を設け、この封止基板8をガラス基板1に封止
基板接着剤7で固着する。
【0020】水分反応層6には、室温で水と速やかに反
応し易い、ポーリングの電気陰性度が1.2未満である
金属、例えば金属リチウム(ポーリングの電気陰性度:
1.0)、金属ナトリウム(同:0.9)、金属カリウ
ム(同:0.8)、金属ルビジウム(同:0.8)、金
属セシウム(同:0.7)、金属カルシウム(同:1.
0)、金属ストロンチウム(同:1.0)、金属バリウ
ム(同:0.9)などが使用される。この場合、水分反
応層6は、ポーリングの電気陰性度が1.2未満の金属
と他の物質との混合物で形成してもよいが、有機EL構
造体への水分侵入防止効果の点で、実質的にポーリング
の電気陰性度が1.2未満の金属のみによって形成する
ことが好ましい。
【0021】水分反応層6が0.05μmより薄いと、
水分反応層6に含まれる金属の量が少なくなり、有機E
L構造体への水分侵入阻止能が低くなるため、有機EL
素子の寿命が短くなって実用に支障を来す。また、水分
反応層6は厚ければ厚いほど有機EL素子の寿命が長く
なり好ましいが、余り厚くすると下の絶縁層5との熱膨
張率の差に起因して水分反応層6に亀裂が入ることがあ
る。厚さの限度は3μm程度である。それ故、水分反応
層6の厚さは0.05〜3μm程度、さらに安全を図る
なら0.05〜1μm程度にするのがよい。
【0022】絶縁層5は水分反応層6と有機EL構造体
との短絡を防ぐために設けられるものであるから、絶縁
層5に使用される物質としては、必ずしも限定されない
が、導電率が10-14S/m以下の絶縁性物質であれば
いずれも使用可能である。具体的には、金属酸化物、金
属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、金属塩化物、金属
弗化物、金属硫酸塩、有機化合物、有機金属化合物など
を用いることができる。絶縁層5は、上記絶縁性物質の
多層構造であっても構わない。
【0023】封止基板接着剤7には、水分不透過性樹脂
が好適に使用され、具体的には、例えば熱又は光硬化性
のエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹
脂、シリコーンポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、シリ
コーンゴム、ポリオレフィン系樹脂などが用いられる。
【0024】封止基板8には、水分不透過性物質が使用
され、具体的には、例えばガラスや、ステンレス鋼、ア
ルミニウムといった金属などが用いられる。
【0025】(実施形態2)図2は本発明の第1の実施
形態の第2の例を示す断面図である。ガラス基板1の上
に、ITOの陽極2、有機物層3及び陰極4を形成し、
この上に絶縁層5を設け、この上に水分反応層6を設け
る。ここまでは図1に示した第1の例と同じである。第
2の例においては、絶縁層5と水分反応層6とからなる
絶縁−水分反応層積層体を2層連続して設ける。すなわ
ち、第1の例において説明したように、水分反応層6は
厚くすると亀裂が入るので余り厚くできない。それ故、
水分反応層6を複数層に分け、間に絶縁層5を挟むよう
にすると、各水分反応層6の厚さは薄くなって亀裂が入
ることが防止され、しかも水分反応層6の合計の厚さを
厚くして金属量を増やし、有機EL構造体への水分侵入
阻止能を高めて有機EL素子の長寿命化を図ることがで
きる。絶縁層5と水分反応層6とからなる絶縁−水分反
応層積層体の数は、多ければ多いほど良いのであるが、
層数を多くするとそれだけ手間と材料費がかかり、コス
トが高くなるので、自ずから限度がある。
【0026】(実施形態3)図3は本発明の第1の実施
形態の第3の例を示す断面図である。本例は、図1に示
した有機EL素子の有機物層3の外側の陽極2の一部に
陽極絶縁層11を設けるとともに、水分反応層6を絶縁
層5の側面まで延ばすことにより、絶縁層5の側面から
有機物層3に向かって侵入しようとする水分、特に有機
物層3の側面に向かって侵入しようとする水分を阻止す
るものである。
【0027】陽極絶縁層11に使用される物質として
は、必ずしも限定されないが、絶縁層5と同じ物質、す
なわち導電率が10-14S/m以下の絶縁性物質であれ
ばいずれも使用可能である。具体的には、金属酸化物、
金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、金属塩化物、金
属弗化物、金属硫酸塩、有機化合物、有機金属化合物な
どを用いることができる。陽極絶縁層11は、上記絶縁
性物質の多層構造であっても構わない。
【0028】陽極絶縁層11は、図2の第2の例に対し
ても適用できる。第1及び第2の例では、水分反応層6
を絶縁層5の側面まで延ばそうとすると陽極2と短絡す
る危険性があったので、水分反応層6を絶縁層5の側面
まで延ばすのは難しかった。これに対し、陽極絶縁層1
1を設けると、水分反応層6と陽極2とが短絡しなくな
るので、水分反応層6を陽極絶縁層11に接するまで延
ばすことができ、水分侵入阻止効果をさらに高めること
ができ、長寿命化が図れる。
【0029】(実施形態4)図4は本発明の第2の実施
形態の第1の例を示す断面図である。ガラス基板1の上
に、ITOの陽極2、有機物層3及び陰極4からなる有
機EL構造体を形成する。この有機EL構造体の上に絶
縁層5を設けて有機物層3と陰極4を完全に覆い、この
上に水分反応層6を0.05〜1μmの厚さに形成す
る。絶縁層5、水分反応層6を構成する物質は前述のも
のと同じである。絶縁層5と水分反応層6が設けられた
有機EL構造体を封止モールディング剤でモールディン
グして封止モールディング体9を形成し、有機EL構造
体を封止する。
【0030】封止モールディング体9は、水分反応層6
が直接空気に触れて空気中の水分と反応することを防ぐ
ためのものである。したがって、封止モールディング体
9には、水分不透過性樹脂が好適に使用され、具体的に
は、例えば熱又は光硬化性のエポキシ系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーンポリイミド樹
脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリオレフィン
系樹脂などが用いられる。封止モールディング体9を使
用した場合、封止基板を使用した場合と比べてコストが
安くなるという利点が得られる。
【0031】(実施形態5)図5は本発明の第2の実施
形態の第2の例を示す断面図である。ガラス基板1の上
に、ITOの陽極2、有機物層3及び陰極4を形成し、
この上に絶縁層5を設け、この上に水分反応層6を設け
る。ここまでは図4に示した第1の例と同じである。第
2の例においては、絶縁層5と水分反応層6とからなる
絶縁−水分反応層積層体を2層連続して設ける。絶縁−
水分反応層積層体を複数層設ける理由は、図2の例で説
明したのと同じである。そして効果も同じである。絶縁
層5と水分反応層6が設けられた有機EL構造体を封止
モールディング剤でモールディングして封止モールディ
ング体9を形成し、有機EL構造体を封止する。
【0032】(実施形態6)図6は本発明の第2の実施
形態の第3の例を示す断面図である。本例は、図4に示
した有機EL素子の有機物層3の外側の陽極2の一部に
陽極絶縁層11を設けるとともに、水分反応層6を絶縁
層5の側面まで延ばすことにより、絶縁層5の側面から
有機物層3に向かって侵入しようとする水分、特に有機
物層3の側面に向かって侵入しようとする水分を阻止す
るものであり、図3の例と同じ考え方に基づくものであ
る。したがって、陽極絶縁層11には図3の例と同じ物
質が使用される。陽極絶縁層11は、図5の第2の例に
対しても適用できる。
【0033】(実施形態7)図7は本発明の第3の実施
形態の第1の例を示す断面図である。ガラス基板1の上
に、ITOの陽極2、有機物層3及び陰極4からなる有
機EL構造体を形成し、この上に絶縁層5、水分反応層
6を形成する。ここまでは、図4で説明した例と同じで
ある。本例では、絶縁層5と水分反応層6が設けられた
有機EL構造体を覆うように水分予備反応層10を設
け、さらにこの上を封止モールディング剤でモールディ
ングして封止モールディング体9を形成し、有機EL構
造体を封止する。つまり、図4の有機EL素子の絶縁−
水分反応層積層体と封止モールディング体9との間に水
分予備反応層10を追加したものである。
【0034】水分予備反応層10は、有機EL構造体へ
の水分の侵入をより確実に阻止するためのものである。
この水分予備反応層10は、水分反応性物質を高分子結
着剤に分散させてなる物質で形成する。この場合、水分
反応性物質としては、水分反応層6に用いる水分反応性
物質と同じ物質、すなわちポーリングの電気陰性度が
1.2未満の金属の1種又は2種以上を好適に用いるこ
とができる。また、高分子結着剤には、水分不透過性樹
脂が好適に使用され、具体的には、例えば熱又は光硬化
性のエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹
脂、シリコーンポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、シリ
コーンゴム、ポリオレフィン系樹脂などが用いられる。
封止モールディング体9には、図4の例で説明したのと
同じものが使用される。
【0035】水分予備反応層10は、より具体的には、
熱又は光硬化性の高分子結着剤に水分反応性物質の粉末
を分散させた流動性混合液を塗布した後に熱又は光で硬
化させる方法、高分子結着剤と水分反応性物質とを共蒸
着させる方法などによって形成することができる。
【0036】高分子結着剤に水分反応性物質の粉末を分
散させた流動性混合液を用いる場合、高分子結着剤への
粉末の混合率は0.5〜5重量%程度である。混合率が
5重量%を越えると混合液の流動性が低下して塗布しに
くくなり、0.5重量%未満であると水分反応性物質の
量が少なくなりすぎて水分侵入防止効果が小さくなる。
【0037】後者の高分子結着剤と水分反応性物質との
共蒸着の場合は、水分反応性物質の混合率に特に制限は
ないが、水分反応性物質の混合率が大きくなると、水分
予備反応層10が導電性を帯びてくる。それ故、図7の
ように水分予備反応層10が陽極2と接していると、陽
極2を短絡させてしまうので、水分予備反応層10が絶
縁性を保持する範囲内にあるように水分反応性物質の混
合率を調整する必要がある。
【0038】図7の例では、絶縁層5と水分反応層6と
からなる絶縁−水分反応層積層体を1層しか設けていな
いが、図2、図5に示した例と同様に2層以上設けても
よい。そして、層数が多いほど効果も大きいことは、前
述の通りである。
【0039】(実施形態8)図8は本発明の第3の実施
形態の第2の例を示す断面図である。本例は、図7に示
した有機EL素子の有機物層3の外側の陽極2の一部に
陽極絶縁層11を設けるとともに、水分反応層6及び水
分予備反応層10を絶縁層5の側面まで延ばすことによ
り、絶縁層5の側面から有機物層3に向かって侵入しよ
うとする水分、特に有機物層3の側面に向かって侵入し
ようとする水分を阻止するものであり、図3、図6の例
と同じ考え方に基づくものである。したがって、陽極絶
縁層11には図3の例と同じ物質が使用される。
【0040】前述のように、水分予備反応層10は、水
分反応性物質の混合率が大きくなると導電性を帯びてく
る。それ故、図7のように水分予備反応層10と陽極2
とが接している場合には、陽極2を短絡させないよう
に、水分反応性物質の混合率を調整する必要があった。
しかし、本例では、有機物層3の外側の陽極2の一部に
陽極絶縁層11を設けたので、陽極2の短絡が生じるこ
とはない。したがって、水分予備反応層10における水
分反応性物質の混合率を任意の値に増加させることがで
きる。水分反応性物質の含有率が増加すればするほど、
水分侵入阻止効果が大きくなることは、容易に理解され
ることである。また、高分子結着剤と水分反応性物質と
を共蒸着させる方法を、水分反応性物質の混合率を気に
することなく、すなわち水分予備反応層10が導電性で
あるか、絶縁性であるかを気にすることなく、自由に使
用することができる。
【0041】第3の実施形態では、水分予備反応層10
を設ける分だけコストが高くなるが、第2の実施の形態
よりも水分侵入防止効果が優れており、有機EL素子の
さらなる長寿命化を図ることができる。
【0042】
【実施例】次に、本発明の実施例と比較例について説明
する。 (実施例1)図1に示したのと同様に、ガラス基板1の
上にITOの陽極2、有機物層3、陰極4を設けて有機
EL構造体を形成し、この上にトリス(8−キノリノナ
ト)アルミニウムを1μmの厚さに真空蒸着して絶縁層
5を設け、この上に水分反応層6としてポーリングの電
気陰性度が1.0である金属カルシウムを0.5μmの
厚さに真空蒸着した。次に、ガラス基板1上に光硬化型
エポキシ樹脂を封止基板接着剤7として枠状に塗り、ガ
ラス基板を封止基板8としてガラス基板1上に載せ、封
止基板接着剤7を硬化させた。
【0043】この有機EL素子の発光部について、封止
基板の接着直後にダークスポット(黒点)を30倍の拡
大写真で撮影して、ダークスポットの数及び平均直径を
測定した。次に、この有機EL素子を、温度40℃、湿
度90%の条件で300時間及び500時間保存した
後、それぞれの時間の経過時に封止基板の接着直後と同
様にして拡大写真撮影を行い、ダークスポットの数及び
平均直径を測定した。その結果を図9(ダークスポット
の数)、図10(ダークスポットの平均直径)に示す。
図9及び図10に示されるように、ダークスポットの成
長は殆ど見られなかった。
【0044】(比較例1)比較例1として、実施例1の
金属カルシウムに代えて、ポーリングの電気陰性度が
1.2である金属マグネシウムを用いて水分反応層6を
形成する他は、実施例1と同様にして有機EL素子を作
製した。そして、実施例1と全く同じ条件で保存及び測
定を行った。測定結果を図9、図10に示す。図9及び
図10に示されるように、水分反応層を金属マグネシウ
ムで形成した場合は、金属カルシウムを用いた場合に比
べてダークスポットの成長が著しいことが確認された。
【0045】(実施例2)実施例1の金属カルシウムに
代えて、ポーリングの電気陰性度が1.0である金属リ
チウムを用いて水分反応層6を形成する他は、実施例1
と同様にして有機EL素子を作製した。そして、実施例
1と全く同じ条件で保存及び測定を行った。その結果、
ダークスポットの成長は殆ど見られなかった。
【0046】(実施例3)実施例1の金属カルシウムに
代えて、ポーリングの電気陰性度が0.9である金属ナ
トリウムを用いて水分反応層6を形成する他は、実施例
1と同様にして有機EL素子を作製した。そして、実施
例1と全く同じ条件で保存及び測定を行った。その結
果、ダークスポットの成長は殆ど見られなかった。
【0047】(実施例4)実施例1の金属カルシウムに
代えて、ポーリングの電気陰性度が0.8である金属カ
リウムを用いて水分反応層6を形成する他は、実施例1
と同様にして有機EL素子を作製した。そして、実施例
1と全く同じ条件で保存及び測定を行った。その結果、
ダークスポットの成長は殆ど見られなかった。
【0048】(実施例5)実施例1の金属カルシウムに
代えて、ポーリングの電気陰性度が1.0である金属ス
トロンチウムを用いて水分反応層6を形成する他は、実
施例1と同様にして有機EL素子を作製した。そして、
実施例1と全く同じ条件で保存及び測定を行った。その
結果、ダークスポットの成長は殆ど見られなかった。
【0049】(比較例2)実施例1の金属カルシウムに
代えて、ポーリングの電気陰性度が1.5であるアルミ
ニウムを用いて水分反応層6を形成する他は、実施例1
と同様にして有機EL素子を作製した。そして、実施例
1と全く同じ条件で保存及び測定を行った。その結果、
ダークスポットの成長が著しいことが確認された。
【0050】(実施例6)実施例6は、図1に示した有
機EL素子において、絶縁層5を2層構造にした例であ
る。ガラス基板1の上にITOの陽極2、有機物層3、
陰極4を設けて有機EL構造体を形成し、この上にトリ
ス(8−キノリノナト)アルミニウムを厚さ1μmに真
空蒸着し、その上に一酸化ゲルマニウム(GeO)を厚
さ100nmに真空蒸着することにより、2層構造の絶
縁層5を形成した。その上に水分反応層6として金属カ
ルシウムを厚さ500nmに真空蒸着した。次に、ガラ
ス基板1上に光硬化型エポキシ樹脂を封止基板接着剤7
として枠状に塗り、ガラス基板を封止基板8としてガラ
ス基板1上に載せ、封止基板接着剤7を硬化させた。そ
して、実施例1と全く同じ条件で保存及び測定を行っ
た。その結果、ダークスポットの成長は殆ど見られなか
った。
【0051】(比較例3)実施例6の金属カルシウムに
代えて、金属マグネシウムを用いて水分反応層6を形成
する他は、実施例6と同様にして有機EL素子を作製し
た。そして、実施例1と全く同じ条件で保存及び測定を
行った。その結果、ダークスポットの成長が著しいこと
が確認された。
【0052】(比較例4)実施例6の金属カルシウムに
代えて、アルミニウムを用いて水分反応層6を形成する
他は、実施例6と同様にして有機EL素子を作製した。
そして、実施例1と全く同じ条件で保存及び測定を行っ
た。その結果、ダークスポットの成長が著しいことが確
認された。
【0053】以上の実施例と比較例から、水分反応層6
に使用する金属の種類によって、ダークスポットの成長
に著しい差のあることがわかる。使用した金属の持つ特
性を検討した結果、電気陰性度の小さいものほどダーク
スポットの成長抑制効果が大きいことがわかった。そし
て、金属カルシウムと金属マグネシウムを境にしてダー
クスポットの成長抑制効果に大きな差があることが確認
された。ポーリングの電気陰性度でいうと、1.2が境
界になる。すなわち、ポーリングの電気陰性度1.2未
満の金属が良いということになる。
【0054】ポーリングの電気陰性度は、元々は結合し
ている原子が電子を引きつける能力を表すものとして定
義されたものであるが、異種の2原子A,Bの結合エネ
ルギーの大きさを表す尺度ともなっている。結合を作る
2原子の電気陰性度の差が大きいほど、電子は一方の原
子に引きつけられ、その結合のイオン性は大きい。ま
た、電気陰性度は、その原子のもつ電子の供与性及び受
容性を示す尺度となる。水分に対しては、電気陰性度の
小さい金属ほど水分の電気陰性度との差が大きくなり、
水分との結合力が高められるものと考えられる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ポーリ
ングの電気陰性度が1.2未満の金属を水分反応層に使
用することで、水分反応層において水分を前記金属と速
やかに反応させて除去し、有機EL構造体に水分を侵入
させないようにしたことから、長期にわたってダークス
ポットのない安定した発光特性が維持される有機EL素
子が得られる。また、前記水分反応層と絶縁層とからな
る絶縁−水分反応層積層体を複数層設けることにより、
さらなる長寿命化を図ることができる。このように水分
反応層にポーリングの電気陰性度が1.2未満の金属を
用いることは、封止基板を使用した素子構造、モールド
封止した素子構造のいずれにおいても効果がある。
【0056】また、有機EL素子の有機物層の外側の陽
極の一部に陽極絶縁層を設け、水分反応層を絶縁層の側
面まで延ばすことにより、絶縁層の側面から有機物層に
向かって侵入しようとする水分を阻止することができ、
さらに長寿命化を図ることができる。しかも、水分予備
反応層における水分反応性物質の混合率を高めることが
でき、有機EL素子のいっそうの長寿命化を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の第1の例を示す断面
図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の第2の例を示す断面
図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の第3の例を示す断面
図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の第1の例を示す断面
図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の第2の例を示す断面
図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の第3の例を示す断面
図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の第1の例を示す断面
図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の第2の例を示す断面
図である。
【図9】水分反応層の物質がダークスポットの数に及ぼ
す影響を示すグラフである。
【図10】水分反応層の物質がダークスポットの平均直
径に及ぼす影響を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 陽極 3 有機物層 4 陰極 5 絶縁層 6 水分反応層 7 封止基板接着剤 8 封止基板 9 封止モールディング体 10 水分予備反応層 11 陽極絶縁層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の表面に設けられた陽極と、陽
    極に対向して設けられた陰極と、陽極と陰極との間に設
    けられた発光層を含む有機物層とを有する有機EL素子
    において、前記陽極の一部、有機物層及び陰極を含む有
    機EL構造体を覆うように、絶縁層とその上に設けられ
    た水分反応層とからなる積層体(絶縁−水分反応層積層
    体)の少なくとも1層を設けてなることを特徴とする有
    機EL素子。
  2. 【請求項2】 水分反応層が、ポーリングの電気陰性度
    が1.2未満の金属を含む請求項1に記載の有機EL素
    子。
  3. 【請求項3】 水分反応層が、実質的にポーリングの電
    気陰性度が1.2未満の金属のみからなる請求項2に記
    載の有機EL素子。
  4. 【請求項4】 水分反応層と陽極との間に陽極絶縁層を
    設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL素
    子。
  5. 【請求項5】 陽極の一部、有機物層、陰極及び絶縁−
    水分反応層積層体を含む有機EL構造体の上方に封止基
    板を設け、この封止基板を透明基板に封止基板接着剤で
    固着した請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL
    素子。
  6. 【請求項6】 陽極の一部、有機物層、陰極及び絶縁−
    水分反応層積層体を含む有機EL構造体を封止モールデ
    ィング剤でモールドした請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の有機EL素子。
  7. 【請求項7】 陽極の一部、有機物層、陰極及び絶縁−
    水分反応層積層体を含む有機EL構造体の上に、水分反
    応性物質を高分子結着剤に分散させてなる物質により形
    成された水分予備反応層を設けるとともに、この水分予
    備反応層を封止モールディング剤でモールドした請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  8. 【請求項8】 水分反応性物質が、ポーリングの電気陰
    性度が1.2未満の金属の1種又は2種以上である請求
    項7に記載の有機EL素子。
  9. 【請求項9】 高分子結着剤が、熱又は光硬化性樹脂で
    ある請求項7又は8に記載の有機EL素子。
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