JP2000294856A - 紫外線レーザ装置及び紫外線レーザ用ガス - Google Patents

紫外線レーザ装置及び紫外線レーザ用ガス

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JP2000294856A JP27249699A JP27249699A JP2000294856A JP 2000294856 A JP2000294856 A JP 2000294856A JP 27249699 A JP27249699 A JP 27249699A JP 27249699 A JP27249699 A JP 27249699A JP 2000294856 A JP2000294856 A JP 2000294856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バースト運転を行う場合に、紫外線レーザ出力
のバースト特性並びにスパイク特性を効率良く改善し、
レーザ出力の向上化、及び安定化を図ることができるこ
と。 【解決手段】Ar/Neガスボンベ13及びAr/Ne
/F2 ガスボンベ14から供給されたチャンバ10内の
エキシマレーザ用ガスに小型のXeガスボンベ15から
キセノンガスを添加し、Xeガスセンサー16でキセノ
ンガスの割合を検知して、ガスコントローラ18でXe
ガスボンベ15からチャンバ10に供給するキセノンガ
スの供給を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線レーザ用ガ
スをチャンバ内に封入し、このチャンバ内でパルス発振
を行うことにより前記紫外線レーザ用ガスを励起してパ
ルスレーザを発振する紫外線レーザ装置及び紫外線レー
ザ用ガスに関し、特に、キセノンガスを添加してレーザ
出力のバースト現象並びにスパイク現象を改善する紫外
線レーザ装置及び紫外線レーザ用ガスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エキシマレーザ装置を光源とする
半導体露光装置では、露光とステージ移動を交互に繰り
返して半導体ウエハ上のICチップの露光を行うため、
紫外線レーザ装置は、レーザ光を所定回数連続してパル
ス発振させる連続パルス発振運転と、所定時間パルス発
振を休止する発振休止とを繰り返すバースト運転を行っ
ている。
【0003】図6(a)は、従来のエキシマレーザ装置
によりバースト運転を行う場合のエネルギーとバースト
番号との関係を示す図であり、同図に示すように、エキ
シマレーザ装置のバースト運転には、当初エネルギーが
高く、その後次第にエネルギーが低下するという特性
(以下「バースト特性」と言う。)がある。
【0004】また図6(b)は、各バーストにおけるパ
ルスとエネルギーとの関係を示す図であり、同図に示す
ように、連続パルス発振運転の当初は、比較的高いエネ
ルギーが得られ、その後徐々にパルスエネルギーが低下
するという特性(以下「スパイク特性」と言う。)があ
る。
【0005】このように、従来のエキシマレーザ装置を
用いたバースト運転を行うと、通常はこのバースト特性
及びスパイク特性が生ずることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エキシ
マレーザ装置が出力するレーザ出力にバースト特性が生
じたのでは、各バーストごとのエネルギーの変動による
露光量のばらつきを招くという問題が生ずる。
【0007】また、かかるレーザ出力にスパイク特性が
生じたのでは、露光量の精度がさらに低下するため、複
雑な放電電圧制御を行わねばならないという問題があっ
た。
【0008】すなわち、従来は、バーストモードにおけ
る連続パルス発振の最初のパルスの放電電圧(充電電
圧)を小さくし、以後のパルスの放電電圧を徐々に大き
くしていくという具合に、放電電圧を各パルスごとに変
化させて、スパイク現象による初期のエネルギー上昇を
防止する措置等を講じていたため、複雑な放電電圧制御
を要していた。
【0009】これらのことから、紫外線レーザ装置をバ
ースト運転する場合に、レーザ出力のバースト特性並び
にスパイク特性をいかに効率良く解消するかが、極めて
重要な課題となっていた。
【0010】なお、「IEEE JOURNAL OF ERECTRONICS,VO
L31,NO.12,DECEMBER 1995 p2195-p2207」に開示される"
Transmission Properties of Spark Preionization Rad
iation in Rare-Gas Halide Laser Gas Mixes"には、ネ
オンガス単体の中にキセノンガスを添加する技術が開示
されているが、この従来技術は、あくまでもスパーク予
備電離強度を大きくするための技術であり、紫外線レー
ザ出力のバースト特性並びにスパイク特性を解消するた
めのものではない。
【0011】そこで、本発明では、上記問題点を解決し
て、バースト運転を行う場合に、紫外線レーザ出力のバ
ースト特性並びにスパイク特性を効率良く改善し、レー
ザ出力の向上化、及び安定化を図ることができることを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的を
達成するため、請求項1に係る発明は、紫外線レーザ用
ガスをチャンバ内に封入し、このチャンバ内でパルス放
電を行うことにより前記紫外線レーザ用ガスを励起して
パルスレーザを発振する紫外線レーザ装置において、前
記チャンバ内の紫外線レーザ用ガスに所定の濃度のキセ
ノンガスを所定量供給して、紫外線レーザ出力に生ずる
バースト現象並びにスパイク現象を低減することを特徴
とする。
【0013】このように、請求項1に係る発明では、チ
ャンバ内の紫外線レーザ用ガスに所定の濃度のキセノン
ガスを所定量供給して、紫外線レーザ出力に生ずるバー
スト現象並びにスパイク現象を解消するため、複雑な制
御を伴うことなく簡単に紫外線レーザ出力を向上させ、
また出力を安定化することができる。
【0014】また、請求項2に係わる発明は、前記チャ
ンバ内に供給するキセノンガスを封入したキセノンガス
ボンベと、前記チャンバ内の紫外線レーザ用ガスに添加
されたキセノンガスの濃度を検出する検出手段と、前記
検出手段が検出したキセノンガスの濃度に基づいて、前
記キセノンガスボンベに封入したキセノンガスの前記チ
ャンバへの供給量を制御する制御手段とを具備したこと
を特徴とする。
【0015】このように、請求項2に係る発明では、チ
ャンバ内の紫外線レーザ用ガスに添加されたキセノンガ
スの濃度を検出し、検出したキセノンガスの濃度に基づ
いて、キセノンガスボンベに封入したキセノンガスのチ
ャンバへの供給量を制御するようにしたため、従来の紫
外線レーザ装置に、キセノンガスボンベ、検出手段及び
制御手段を設けるだけで、簡易に紫外線レーザ出力を向
上させ、また出力を安定化することができる。
【0016】また、請求項3に係わる発明は、チャンバ
内に封入された紫外線レーザ用ガスを励起してパルスレ
ーザを発振する紫外線レーザ装置で用いる紫外線レーザ
用ガスであって、該紫外線レーザ用ガスは、少なくとも
所定の濃度のキセノンガスを含有することを特徴とす
る。
【0017】このように、請求項3に係わる発明では、
紫外線レーザ用ガスが、ハロゲンガス以外に少なくとも
所定の濃度のキセノンガスを含有するよう構成したの
で、この紫外線レーザ用ガスをチャンバ内に供給するだ
けで、簡易に紫外線レーザ出力を向上させ、また出力を
安定化することができる。
【0018】また、請求項4に係わる発明は、前記紫外
線用レーザガスは、200ppm以下のキセノンガスを
含有することを特徴とする。
【0019】また、請求項5に係わる発明は、内壁面に
キセノンガスが吸着していない前記チャンバにキセノン
ガスを吸着させるキセノンガス吸着手段と、前記キセノ
ンガス吸着手段によって前記チャンバ内壁面にキセノン
ガスを吸着させ、前記チャンバ内のキセノンガスの濃度
が所定の濃度となる分量のキセノンガスが供給された場
合に当該チャンバ内のキセノンガスの濃度が当該所定の
濃度になることを確認する確認手段とを具備しているこ
とを特徴とする。
【0020】請求項5に係わる発明によれば、内壁面に
キセノンガスが吸着していないチャンバ、例えば新たに
製造し組み立てた又はレーザとして使用後に分解、清掃
等のメンテナンス処理後に組み立て直したチャンバ、を
用いる場合に、予めチャンバの内壁面に十分なキセノン
ガスを吸着させる。つづいて、チャンバ内へ所定の濃度
になる分量のキセノンガスを供給すると、このキセノン
ガスはチャンバ内壁面に吸着することなくレーザ用ガス
に添加される。このため、チャンバ内のキセノンガスの
濃度は所定の濃度となる。この結果、新たに組み立てた
又は組み立て直したチャンバを使用しても、使用の初期
の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度にな
り、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ず
るバースト現象並びにスパイク現象を低減することがで
きる。
【0021】また、請求項6に係わる発明は、前記チャ
ンバ内のキセノンガスの所定の濃度は0ppmを超え、
200ppm以下であることを特徴とする。
【0022】また、請求項7に係わる発明は、前記キセ
ノンガス吸着手段は、キセノンガスを前記チャンバ内へ
供給するキセノンガス供給手段を備え、前記確認手段
は、前記チャンバ内のキセノンガスの濃度を計測する濃
度計測手段を備え、前記キセノンガス供給手段によりキ
セノンガスを前記チャンバ内に供給し、前記濃度計測手
段によって計測されたチャンバ内のキセノンガスの濃度
が所定の濃度となった場合に、前記キセノンガス供給手
段によるキセノンガスの供給を停止させることを特徴と
する。
【0023】請求項7に係わる発明によれば、内壁面に
キセノンガスが吸着していないチャンバ内へ予めキセノ
ンガスが供給される。チャンバ内のキセノンガスの濃度
が計測され、キセノンガスの濃度が所定の濃度に達した
場合に、チャンバ内へのキセノンガスの供給が停止され
る。つづいて、チャンバ内へ所定の濃度となるような分
量のキセノンガスを供給すると、このキセノンガスはチ
ャンバ内壁面に吸着することなくレーザ用ガスに添加さ
れる。このため、チャンバ内のキセノンガスの濃度は所
定の濃度となる。この結果、新たに組み立てた又は組み
立て直したチャンバを使用しても、使用の初期の段階に
おいてキセノンガスの濃度が所定の濃度になり、バース
ト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ずるバースト
現象並びにスパイク現象を低減することができる。
【0024】また、請求項8に係わる発明は、前記キセ
ノンガス吸着手段は、キセノンガスを前記チャンバ内へ
供給するキセノンガス供給手段を備え、前記確認手段
は、レーザパルス発振時のレーザエネルギー値を計測す
るエネルギー計測手段を備え、前記キセノンガス供給手
段によりキセノンガスを前記チャンバ内に供給してレー
ザパルス発振を行い、前記エネルギー計測手段によって
計測された所定数のパルス発振前後でのレーザエネルギ
ー値を計測し、所定数のパルス発振後のレーザエネルギ
ー値が減少しなくなった場合に、前記キセノンガス供給
手段によるキセノンガスの供給を停止させることを特徴
とする。
【0025】請求項8に係わる発明では、内壁面にキセ
ノンガスが吸着していないチャンバ内へ予めキセノンガ
スが供給される。レーザパルス発振を行い、計測装置に
よって所定のパルス数におけるレーザのエネルギー値が
減少しなくなったことが検出されたときに、チャンバ内
へのキセノンガスの供給が停止される。つづいて、チャ
ンバ内へ所定の濃度となるような分量のキセノンガスを
供給すると、このキセノンガスはチャンバ内壁面に吸着
することなくレーザ用ガスに添加される。このため、チ
ャンバ内のキセノンガスの濃度は所定の濃度となる。こ
の結果、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバ
を使用しても、使用の初期の段階においてキセノンガス
の濃度が所定の濃度になり、バースト運転する場合に、
紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク
現象を低減することができる。なお、請求項8に係る発
明によれば、キセノンガスの濃度検出装置を設けること
なく正確に濃度を計測することができる。
【0026】また、請求項9に係わる発明は、前記キセ
ノンガス吸着手段は、キセノンガスを前記チャンバ内へ
供給するキセノンガス供給手段を備え、前記確認手段
は、レーザパルス発振時に放電電圧値を計測する電圧計
測手段を備え、前記キセノンガス供給手段によりキセノ
ンガスを前記チャンバ内に供給してレーザパルス発振を
行い、前記電圧計測手段により計測された所定数のパル
ス発振前後での放電電圧値を計測し、所定数のパルス発
振後の放電電圧値が増加しなくなった場合に、前記キセ
ノンガス供給手段によるキセノンガスの供給を停止させ
ることを特徴とする。
【0027】請求項9に係わる発明では、内壁面にキセ
ノンガスが吸着していないチャンバ内へ予めキセノンガ
スが供給される。レーザ出力光エネルギーを一定とする
ようにレーザパルス発振を行い、計測装置によって所定
のパルス数における放電電圧値が増加しなくなったこと
が検出されたときに、チャンバ内へのキセノンガスの供
給が停止される。つづいて、チャンバ内へ所定の濃度と
なるような分量のキセノンガスを供給すると、このキセ
ノンガスはチャンバ内壁面に吸着することなくレーザ用
ガスに添加される。このため、チャンバ内のキセノンガ
スの濃度は所定の濃度となる。この結果、新たに組み立
てた又は組み立て直したチャンバを使用しても、使用の
初期の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度に
なり、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生
ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することが
できる。なお、請求項9に係る発明によれば、キセノン
ガスの濃度検出装置を設けることなく正確に濃度を計測
することができる。
【0028】また、請求項10に係わる発明は、前記キ
セノンガス吸着手段は、前記チャンバ内をキセノンガス
でフラッシングするフラッシング手段を備え、 前記確
認手段は、前記チャンバ内に所定量のキセノンガスを供
給する供給手段と該チャンバ内のキセノンガスの濃度を
計測する計測手段を備え、前記供給手段により所定量の
キセノンガスが供給された場合に前記計測手段によって
計測されたチャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃
度となるまで、前記フラッシング手段によるフラッシン
グを繰り返し行うことを特徴とする。
【0029】請求項10に係る発明によれば、内壁面に
キセノンガスが吸着していないチャンバ内がキセノンガ
スによってフラッシングされる。その後、所定の濃度と
なるような分量のキセノンガスがチャンバ内に供給され
る。チャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度に達
しなければ、キセノンガスのフラッシングが繰り返され
る。チャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度に達
するとフラッシングが終了する。このため、チャンバ内
のキセノンガスの濃度は所定の濃度となる。この結果、
新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバを使用し
ても、使用の初期の段階においてキセノンガスの濃度が
所定の濃度になり、バースト運転する場合に、紫外線レ
ーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低
減することができる。なお、フラッシング時に濃度が高
いキセノンガスを流入すれば、チャンバ内壁面へキセノ
ンガスを吸着させるために要する時間を短縮することが
可能となる。
【0030】また、請求項11に係わる発明は、前記チ
ャンバ内壁面に対する紫外線レーザ用ガスのパッシベー
ション処理工程中又は前後の何れかに、前記フラッシン
グ手段によるフラッシングを行うことを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、以下に示す第1の実
施の形態では、本発明をエキシマレーザ装置に適用した
場合を示し、第2の実施の形態では、本発明をF2レー
ザなどに適用した場合を示すこととする。
【0032】(第1の実施の形態)図1は、第1の実施
の形態で用いるエキシマレーザ装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【0033】同図に示すエキシマレーザ装置は、チャン
バ10内にNe等のバッファガス、Ar若しくはKr等
の希ガス、F2 などのハロゲンガス及びキセノン(X
e)ガスからなるエキシマレーザ用ガスを封入し、この
エキシマレーザガスを放電電極間の放電によって励起さ
せてレーザパルス発振を行う装置である。
【0034】ここで、このエキシマレーザ装置は、従来
のようにバッファガス、希ガス及びハロゲンガスのみで
エキシマレーザ用ガスを形成するのではなく、このエキ
シマレーザ用ガスにキセノンガスを添加した点にその特
徴がある。かかるキセノンガスをエキシマレーザ用ガス
に添加した理由は、エキシマレーザ出力に生ずるバース
ト現象並びにスパイク現象を解消するためである。
【0035】同図に示すエキシマレーザ装置は、チャン
バ10と、狭帯域化ユニット11と、部分透過ミラー1
2と、Ar/Neガスボンベ13と、Ar/Ne/F2
ガスボンベ14と、Xeガスボンベ15と、Xeガスセ
ンサー16と、ガス排気モジュール17と、ガスコント
ローラ18とを有する。
【0036】チャンバ10は、Neガス、Arガス、F
2 ガス及びXeガスを混合したエキシマレーザ用ガスを
封入する封入媒体であり、狭帯域化ユニット11は、発
光したパルス光を狭帯域化するユニットであり、図示し
ないプリズムビームエキスパンダやグレーティングによ
り形成される。また、部分透過ミラー12は、発振レー
ザ光の一部分のみを透過出力するミラーである。
【0037】Ar/Neガスボンベ13は、アルゴンと
ネオンの混合ガスを蓄えるガスボンベであり、Ar/N
e/F2 ガスボンベ14は、アルゴン、ネオン及びフッ
素の混合ガスを蓄えるガスボンベであり、Xeガスボン
ベ15は、キセノンガスを蓄える小型のガスボンベであ
る。
【0038】Xeガスセンサー16は、チャンバ10内
に封入されたエキシマレーザ用ガスに含まれるキセノン
ガス等の割合を検知するガスセンサーであり、ガス排気
モジュール17は、チャンバ10内のエキシマレーザ用
ガスを外部に排気するモジュールである。
【0039】ガスコントローラ18は、Xeガスセンサ
ー16の検出出力に基づいて、Ar/Neガスボンベ1
3からチャンバ10へのAr/Neガスの供給、Ar/
Ne/F2 ガスボンベ14からチャンバ10へのAr/
Ne/F2 ガスの供給、Xeガスボンベ15からチャン
バ10へのキセノンガスの供給、ガス排気モジュール1
7によるエキシマレーザ用ガスの排気を制御するコント
ローラである。
【0040】このように、このエキシマレーザ装置で
は、従来のエキシマレーザ装置に小型のXeガスボンベ
15を付加し、Xeガスセンサー16でキセノンガスの
割合を検知して、ガスコントローラ18でXeガスボン
ベ15からチャンバ10に供給するキセノンガスの供給
を制御するよう構成している。
【0041】次に、かかるキセノンガスを添加したエキ
シマレーザ用ガスを用いた場合のバースト特性及びスパ
イク特性について説明する。
【0042】図2は、キセノンガスを添加したエキシマ
レーザ用ガスを用いた場合のバースト特性及びスパイク
特性の一例を示す図である。なお、ここでは10ppm
のキセノンガスをエキシマレーザ用ガスに添加した場合
を示している。
【0043】同図(a)に示すように、キセノンガスを
添加しない場合には、当初のバーストのエネルギー値を
1とすると、バースト回数が増えるほどエネルギー置が
小さくなり、やがて初期の4割(0.4)程度に収束す
るというバースト特性を有する。
【0044】これに対して、キセノンガスを10ppm
添加した場合には、エネルギー値が収束するバースト回
数が少なく、またバースト回数の増加に伴って低下する
エネルギーも少ない。さらに、キセノンガスを10pp
m添加した場合の各バーストのエネルギー値は、該キセ
ノンガスを添加しない場合よりもはるかに大きい。
【0045】このように、キセノンガスを10ppm添
加すると、該キセノンガスを添加しなお場合よりもバー
スト特性が大幅に改善される。
【0046】また、同図(b)に示すように、キセノン
ガスを添加しない場合には、当初のパルスのエネルギー
値を1とすると、パルス回数が増えるほどエネルギー値
が小さくなり、やがて初期の4割(0.4)程度に収束
するというスパイク特性を有する。このため、実用上
は、パルス発振が進行してエネルギーが収束するまでの
スパイク部分のパルスは使用できない。
【0047】これに対して、キセノンガスを10ppm
添加した場合には、スパイク部分がほとんど解消され、
エネルギー値が極めて迅速に収束するとともに、エネル
ギー値のばらつき(3σ)も大幅に改善されている。ま
た、キセノンガスを10ppm添加した場合の各パルス
エネルギー値は、該キセノンガスを添加しない場合より
もはるかに大きい。
【0048】このように、キセノンガスを10ppm添
加すると、該キセノンガスを添加しない場合よりもスパ
イク特性が大幅に改善される。
【0049】次に、図1に示すチャンバ10に封入する
エキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量と、レーザ
出力のエネルギー値及びそのばらつきとの相関関係につ
いて説明する。
【0050】図3は、図1に示すチャンバ10に封入す
るエキシマレーザ用ガスへのキセノンガスの添加量と、
レーザ出力のエネルギー値及びそのばらつき(3σ)と
の相関関係を示す図である。
【0051】同図に示すように、キセノンガスを添加し
ない場合には添加時の最大出力の25パーセント程度の
エネルギー値しか得られないが、このキセノンガスの添
加量を徐々に増やす(0〜10ppm)と、そのエネル
ギー値が急速に増加する。
【0052】具体的には、キセノンガスの添加量を0〜
2ppm加えると出力エネルギーが急速に増加し、2〜
10ppmの範囲では出力エネルギーが概ねフラットと
なり、添加量が10ppmのときにエネルギー値が最大
となる。その後、キセノンガスの添加量を増やし続ける
と、エネルギー値が徐々に低下する。
【0053】また、キセノンガスの添加量を徐々に増や
す(0〜10ppm)と、エネルギー値のばらつき(3
σ)が減少し、キセノンガスの添加量が約10ppmと
なった時に、エネルギー値のばらつきが最小(約25パ
ーセント)となる。その後、キセノンガスの添加量を増
やし続けると、かかるばらつき(3σ)が増加する。
【0054】このことから、エネルギー効率面及びエネ
ルギーの安定面から見た場合には、約10ppm程度の
キセノンガスを添加する場合が最も効率が良い。ただ
し、200ppm程度のキセノンガスを添加した場合で
あっても、該キセノンガスを添加しない場合よりもエネ
ルギー値及びそのばらつきが改善される。
【0055】次に、図1に示すチャンバ10に封入する
エキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量を変動させ
た場合のバースト特性及びスパイク特性について図4及
び図5を用いて説明する。
【0056】図4は、エキシマレーザ用ガスへのキセノ
ンの添加量と、バースト特性との相関関係を示す図であ
る。
【0057】同図に示すように、キセノンガスを添加し
ない(0ppm)場合には、バースト回数を重ねると、
出力光エネルギー値が徐々に低下し、ある値へ収束する
バースト特性を生ずるが、10ppm、20ppm、5
0ppm又は100ppmのキセノンガスを添加した場
合には、いずれの場合も出力光エネルギーが収束するま
でのバースト数が少なくなる。
【0058】また、キセノンガスを10ppm添加した
場合には、そのエネルギー値が最も大きく、キセノンガ
スの添加量を増やす都度各バーストのエネルギー値が低
下する。ただし、キセノンガスを100ppm添加した
場合であっても、キセノンガスを添加しない場合よりも
各バーストのエネルギー値は大きい。
【0059】これらのことから、基本的にはキセノンガ
スの添加によってバースト特性が改善され、約10pp
mの添加量が最も効率が良いことが分かる。
【0060】図5は、エキシマレーザ用ガスへのキセノ
ンの添加量と、スパイク特性との相関関係を示す図であ
る。
【0061】同図に示すように、キセノンガスを添加し
ない(0ppm)場合には、所定数のパルスを超えるま
でエネルギー値が徐々に低下するスパイク特性を生じる
が、10ppm、20ppm、50ppm又は100p
pmのキセノンガスを添加した場合には、いずれの場合
もかかるスパイク特性が大幅に改善されている。
【0062】また、キセノンガスを10ppm添加した
場合には、そのエネルギー値が最も大きく、キセノンガ
スの添加量を増やす都度パルスエネルギー値が低下す
る。ただし、キセノンガスを100ppm添加した場合
であっても、キセノンガスを添加しない場合よりもパル
スエネルギー値は大きい。
【0063】これらのことから、基本的にはキセノンガ
スの添加によってスパイク特性が改善され、約10pp
mの添加量が最も効率が良いことが分かる。
【0064】上述してきたように、第1の実施の形態で
は、従来のエキシマレーザ装置に小型のXeガスボンベ
15を付加し、Xeガスセンサー16でキセノンガスの
割合を検知して、ガスコントローラ18でXeガスボン
ベ15からチャンバ10に供給するキセノンガスの供給
を制御するよう構成したので下記に示す効果が得られ
る。
【0065】(1)エキシマレーザ出力に生ずるバース
ト現象並びにスパイク現象を低減することができる。
【0066】(2)複雑な制御を伴うことなく簡単にエ
キシマレーザ出力を安定化することができる。
【0067】(3)従来のエキシマレーザ装置を基本構
成としてエキシマレーザ出力の安定化を図ることができ
る。
【0068】なお、本実施の形態では、従来のエキシマ
レーザ装置にXeガスボンベ15等を付加することとし
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、キセノ
ンガスを添加したエキシマレーザ用ガスをガスボンベに
封入しておき、このガスボンベからチャンバ10にエキ
シマレーザ用ガスを直接供給することもできる。
【0069】また、本実施の形態では、エキシマレーザ
ガスを放電電極間の放電によって励起させてレーザパル
ス発振を行う場合を示したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、電子ビームやマイクロ波などを用いて
エキシマレーザ用ガスを励起する場合に適用することも
できる。
【0070】以上、第1の実施の形態について説明し
た。
【0071】(第2の実施の形態)ところで、上記第1
の実施の形態では、ハロゲンガスを含むエキシマレーザ
用ガスを用いる場合を示したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、フッ素レーザやハロゲンガスを含ま
ないエキシマレーザ用ガスなどの各種紫外線レーザ装置
に幅広く適用することができる。
【0072】例えば、半導体露光用の紫外線レーザの代
表的なものとして、KrF(248nm)、ArF(1
93nm)、F2(157nm)、Kr2(146n
m)及びAr2(126nm)などが知られているが、
これらの紫外線レーザの場合にも、キセノンガスを添加
することにより、バースト現象並びにスパイク現象を低
減することができる。
【0073】図7は、第2の実施の形態で用いるF2レ
ーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、図1に
示すエキシマレーザ装置の構成部位と同様の機能を有す
る部位には、同一の符号を付することとしてその詳細な
説明を省略する。
【0074】同図に示すF2レーザ装置は、チャンバ1
0内にF2レーザ用ガスを封入し、このF2レーザガス
を放電電極間の放電によって励起させてレーザパルス発
振を行う装置である。
【0075】ここで、このF2レーザ装置は、従来のよ
うにF2ガスのみで紫外線レーザ用ガスを形成するので
はなく、このF2ガスにキセノンガスを添加した点にそ
の特徴がある。かかるキセノンガスを紫外線レーザ用ガ
スに添加した理由は、紫外線レーザ出力に生ずるバース
ト現象並びにスパイク現象を解消するためである。
【0076】同図に示すF2レーザ装置は、チャンバ1
0と、狭帯域化ユニット11と、部分透過ミラー12
と、F2ガスボンベ71と、Xeガスボンベ15と、X
eガスセンサー16と、ガス排気モジュール17と、ガ
スコントローラ72とを有する。
【0077】ここで、F2ガスボンベ71は、紫外線レ
ーザ用ガスの主体を形成するフッ素ガスを蓄える小型の
ガスボンベであり、ガスコントローラ72は、Xeガス
センサー16の検出出力に基づいて、F2ガスボンベ7
1からチャンバ10へ供給するF2ガスの供給量や、X
eガスボンベ15からチャンバ10へのキセノンガスの
供給量などを制御するコントローラである。
【0078】このように、このF2レーザ装置では、従
来のF2レーザ装置に小型のXeガスボンベ15を付加
し、Xeガスセンサー16でキセノンガスの割合を検知
して、ガスコントローラ72でXeガスボンベ15から
チャンバ10に供給するキセノンガスの供給を制御する
よう構成している。
【0079】その結果、第1の実施の形態の図2〜図6
で説明したのと同様の結果が得られ、具体的には、
(1)F2レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパ
イク現象を低減することができる、(2)複雑な制御を
伴うことなく簡単にF2レーザ出力を安定化することが
できる、(3)従来のF2レーザ装置を基本構成として
F2レーザ出力の安定化を図ることができる、という効
果を奏する。
【0080】なお、ここではF2レーザ装置について本
発明を適用した場合を示したが、ハロゲンガスを含まな
いエキシマレーザ装置に本発明を適用した場合にも、同
様の結果が得られる。
【0081】さて、新たに組み立てた又は組み立て直し
たチャンバを使用してバースト運転する場合を考える。
この新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバの内
壁面にはキセノンガスのような吸着性の高いガスは未だ
吸着されていない。したがって、新たにこのチャンバ内
にキセノンガスを所定の濃度となるような分量だけ供給
しても、供給したキセノンガスの大部分はチャンバの内
壁面に吸着されてしまう。このためチャンバ内に供給し
たガスの濃度を計測しても、キセノンガスはレーザ用ガ
スに殆ど添加されないため、所定の濃度を得ることがで
きないという問題が生じている。この結果、レーザ出力
が安定しない状態となり、この状態はチャンバ内に十分
なガスが供給されてチャンバ内壁面にガスが吸着できな
くなるまで続く。
【0082】したがって、新たに組み立てた又は組み立
て直したチャンバを使用すると、使用の初期の段階にお
いてキセノンガスの濃度が所定の濃度にならないため、
バースト運転する場合に紫外線レーザ出力に生ずるバー
スト現象並びにスパイク現象を低減することができなか
った。次に述べる実施形態は、新たに組み立てた又は組
み立て直したチャンバに予めキセノンガスを吸着させて
おくことで上記問題点を解決するものである。
【0083】つまり、予めチャンバ内壁面に十分なキセ
ノンガスを吸着させておけば、後に供給する所定の濃度
に相当する分量のキセノンガスはチャンバの内壁面に吸
着することがなくなり、チャンバ内のキセノンガスは所
定の濃度となる。以下紫外線レーザ装置、特にキセノン
ガス添加の効果が顕著に表れるArFエキシマレーザを
想定して説明をする。
【0084】図8は図1に示す構成を前提とする処理手
順を示すフローチャートである。ただし、チャンバ10
は新たに組み立てた又は組み立て直したものであるとす
る。同図8に示すようにチャンバ10の内壁面に予めキ
セノンガスが吸着され、チャンバ10内のキセノンガス
の濃度が所定の濃度にされる。
【0085】すなわち、同図8に示すように、Xeガス
ボンベ15からキセノンガスが吸着していないチャンバ
10内へキセノンガスが供給される(ステップS8
1)。次に、Xeガスセンサー16によってチャンバ1
0内のキセノンガスの濃度が計測される。計測値が所定
の濃度以上となれば、ガスコントローラ18によってX
eガスボンベ15からのキセノンガスの供給が停止され
る。上記所定の濃度は10ppmとする。以下において
も同様である(ステップS82)。以上のようにしてキ
セノンガスの吸着処理が終了する。
【0086】キセノンガスの供給(ステップS81)に
ついて更に具体的に説明する。キセノンの供給の第一の
方法は、100%のキセノンガス(ガスボンベ中のキセ
ノンガスが希釈されていない)をチャンバ10内へ供給
し、ついでそのキセノンガスを排気した後、10ppm
のキセノンガスを含むレーザガス(F2、Ar、Ne混
合ガス)又は10ppmのキセノンガスを含むバッファ
ガス(Ne又はHe)、その他10ppmのキセノンガ
スを含むガスをチャンバ10内へ供給する。チャンバ1
0内のキセノンガスの濃度が10ppmに達していれば
キセノンガス吸着処理を終了とする。しかし、チャンバ
10内のキセノンガスの濃度が10ppmに達していな
い場合は、チャンバ10内ガスを排気して再び100%
のキセノンガスをチャンバ10内へ供給し、ついでその
キセノンガスを排気した後、10ppmのキセノンを含
むガスをチャンバ10内へ供給してキセノンが10pp
mに達したか否かをみる操作を繰り返す。
【0087】キセノンの供給の第二の方法は、上記した
10ppmのキセノンガスを含むレーザガス(F2、A
r、Ne混合ガス)又は10ppmのキセノンガスを含
むバッファガス(Ne又はHe)、その他10ppmの
キセノンガスを含むガスをチャンバ10内へ供給して排
気する操作を行いながらチャンバ10内のキセノンガス
の濃度が10ppmになるまで当該操作を継続すること
である。この場合、10ppmのキセノンを含むガスを
チャンバ10内へ供給した後、キセノンガスの濃度を計
測して10ppmに達していない場合はチャンバ10内
を排気して再び10ppmのキセノンを含むガスをチャ
ンバ10内へ供給する操作をチャンバ10内のキセノン
ガスの濃度が10ppmに達するまで繰り返すことも可
能である。
【0088】以上の処理を行うことにより、チャンバ1
0内には十分なキセノンガスが吸着され、後から供給す
る所定の濃度に相当する分量のキセノンガスはチャンバ
内壁面に吸着することなくレーザ用ガスに添加される。
このため、チャンバ内のキセノンガスの濃度は所定の濃
度(10ppm)になる。この結果、新たに組み立てた
又は組み立て直したチャンバを使用しても、使用の初期
の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度にな
り、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ず
るバースト現象並びにスパイク現象を低減することがで
きる。
【0089】次に、Xeガスセンサー16を用いること
なくキセノンガスの濃度を正確に計測することができる
実施形態について説明する。
【0090】図9はArFエキシマレーザのスパイク特
性を示す図である。同図9(a)において縦軸はエネル
ギー値を示し、横軸はパルス数を示す。同図9(b)に
おいて縦軸は放電電圧値を示し、横軸はパルス数を示
す。また、最初のパルスからaパルスまでの領域をA領
域とし、aパルス以降の領域をB領域とする。
【0091】同図9(a)に示すように、レーザ励起強
度が一定の場合、ArFエキシマレーザのエネルギー値
は、A領域では急激に減少した後、一定の値となり安定
する。B領域では、チャンバ内のキセノンガスの濃度が
10ppmの場合にはエネルギー値は変化しない。これ
に対してキセノンガスの濃度が0ppmの場合にはaパ
ルスに達した時点でエネルギー値がさらに減少した後、
一定の値となり安定する。
【0092】一方、同図9(b)に示すように、ArF
エキシマレーザのレーザから出力される各パルス光エネ
ルギーを一定に維持するための放電電圧値は、A領域で
は急激に増加した後、一定の値となり安定する。B領域
では、チャンバ内のキセノンガスの濃度が10ppmの
場合には放電電圧値は変化しない。これに対してキセノ
ンガスの濃度が0ppmの場合にはaパルスに達した時
点でエネルギー値がさらに増加した後、一定の値となり
安定する。
【0093】したがってaパルス時点で、レーザエネル
ギー値の減少がなくなるか、又は放電電圧値の増加がな
くなると、キセノンガスの濃度が10ppmになったも
のと判断することができる。
【0094】図10は図9(a)、(b)に示す特性を
利用して、チャンバ10の内壁面に予めキセノンガスを
吸着させる実施形態の構成を示す。図10はArFエキ
シマレーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、
図1に示すエキシマレーザ装置の構成部位と同様の機能
を有する部位には、同一の符号を付することとしてその
詳細な説明を省略する。
【0095】図10に示すようにArFエキシマレーザ
装置には、図1のXeガスセンサー16の代わりにエネ
ルギー値又は放電電圧値を計測する計測装置101が設
けられている。すなわち、計測装置101によってチャ
ンバ10内の放電電極の放電電圧値又はチャンバ10か
ら発振されるレーザ光のエネルギー値がパルス毎に計測
される。計測装置101で計測されたエネルギー値また
は放電電圧値はガスコントローラに入力される。
【0096】図11はガスコントローラ18で行われる
処理の手順を示すフローチャートである。ただし、チャ
ンバ10は新たに組み立てた又は組み立て直したもので
あるとする。
【0097】同図11に示すように、キセノンガス吸着
処理が行われる。このキセノンガス吸着処理の内容をS
111〜S113で示す。すなわち、チャンバ10内へ
実際のレーザ発振を行う混合比率のF2、Ar、Ne混
合ガスを供給してレーザパルス発振がバーストモードで
行われ(ステップS111)、Xeガスボンベ15から
キセノンガスが吸着されていないチャンバ10内へキセ
ノンガスが供給される(ステップS112)。次に、計
測装置101でレーザエネルギー値又は放電電圧値が計
測される。そして、aパルス時点で、レーザエネルギー
値の減少がなくなるか、又は放電電圧値の増加がなくな
ることを確認するまで以上の処理(ステップS111〜
ステップS113)が繰り返される。aパルス時点で、
レーザエネルギー値の減少がなくなるか、又は放電電圧
値の増加がなくなることが確認されると、チャンバ10
内のキセノンガスの濃度は10ppmに達したものと判
断され、ガスコントローラ18によってXeガスボンベ
15からのキセノンガスの供給が停止される(ステップ
S113)。以上のようにしてキセノンガス吸着処理が
終了する。
【0098】キセノンガス吸着処理の他の方法として
は、まず最初にチャンバ10内へ実際のレーザ発振を行
う混合比率のF2、Ar、Ne混合ガスへ10ppmの
キセノンガスを追加したガス(以下、「LG]とい
う。)を供給してレーザをパルス発振させる。aパルス
目でレーザ出力エネルギー値の減少又は放電電圧値の増
加を確認したらチャンバ10内のガスを排気し、再びガ
スLGを供給してレーザパルス発振させ、aパルス目で
レーザ出力エネルギー値の減少又は放電電圧値の増加が
確認されなくなるまで前記処理を繰り返すことも可能で
ある。
【0099】なお、放電電圧を一定とする制御が行われ
ているときには、レーザ出力光の一部をフォトセンサへ
入力して計測装置101によってエネルギー値の変化が
計測される。また、エネルギーを一定とする制御が行わ
れているときには、計測装置101によって放電電圧値
の変化が計測される。
【0100】また、露光中に図9に示す現象を観測した
場合、前記したキセノンガス吸着処理をおこなってもよ
い。
【0101】この結果、新たに組み立てた又は組み立て
直したチャンバ10を使用しても、使用の初期の段階に
おいてキセノンガスの濃度が所定の濃度になり、バース
ト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ずるバースト
現象並びにスパイク現象を低減することができる。また
本実施形態によれば、Xeガスセンサー16を設ける必
要がないので装置構成を簡素化することができるととも
に、濃度の正確な計測が行われる。
【0102】さて、新たに組み立てた又は組み立て直し
たチャンバ10を使用する場合は、チャンバ10の内壁
面に水や酸素等の不純物が付着している。このため、こ
れら不純物をいわゆるパッシベーションによって除去す
る必要がある。すなわちArFエキシマレーザでは通常
はArFガスまたはKrFガスがチャンバ10内に供給
され、不純物とガスとによる化学反応を生じさせて不純
物が除去されるとともに、チャンバ10の内壁面にフッ
化物の膜が形成される。これは不働態化処理と呼ばれて
いる。不働態化処理により、チャンバ10の内壁面はフ
ッ素に対して安定な状態となる。
【0103】図12はArFエキシマレーザのチャンバ
10の内壁面を、KrFガスを用いて不働態化処理する
工程を示す図である。
【0104】同図12に示すように、まずKrFガスを
用いてチャンバ10の内壁面に対して不働態化処理が行
われる。次に、KrFエキシマレーザの性能を確認する
処理が行われる。次に、チャンバ10内へArFエキシ
マレーザ用ガスが導入され、ArFエキシマレーザの性
能を確認する処理が行われる。
【0105】ここでチャンバ10内にキセノンガスを供
給する処理は、矢印S131に示すようにKrFガスに
よる不動態化処理の前で行うことができる。また上記キ
セノンガスを供給する処理は、矢印S132に示すよう
にKrFガスによる不動態化処理と同時に行うことがで
きる。また上記キセノンガスを供給する処理は、矢印S
133に示すようにKrFガスによる不動態化処理とK
rFエキシマレーザの性能の確認処理の間に行うことが
できる。また上記キセノンガスを供給する処理は、矢印
S134に示すようにKrFエキシマレーザの性能の確
認処理と同時に行うことができる。また上記キセノンガ
スを供給する処理は、矢印S135に示すようにKrF
エキシマレーザの性能の確認処理とArFレーザの性能
の確認処理の間に行うことができる。また上記キセノン
ガスを供給する処理は、矢印S136に示すようにAr
Fレーザの性能の確認処理と同時に行うことができる。
また上記キセノンガスを供給する処理は、矢印S137
に示すようにArFレーザの性能の確認処理の後に行う
ことができる。
【0106】なお、図12ではKrFガスを用いたチャ
ンバ10の内壁面の不働態化処理及びKrFエキシマレ
ーザの性能確認処理を行っているが、KrFガスを用い
たこれら処理を省略してもよい。すなわちArFガスを
用いてチャンバ10の内壁面の不働態化処理が行われた
後にArFエキシマレーザの性能確認処理が行われる。
ただし、この場合、放電電極やその他チャンバ10内の
部品が摩耗し、レーザチャンバの寿命が短くなる虞があ
る。また、レーザパルス発振が安定しなくなる虞があ
る。したがって、KrFガスを用いてチャンバ10の内
壁面の不働態化処理を行うことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態で用いるエキシマレーザ装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】キセノンガスを添加したエキシマレーザ用ガス
を用いた場合のバースト特性及びスパイク特性の一例を
示す図である。
【図3】図1に示すチャンバに封入するエキシマレーザ
用ガスへのキセノンガスの添加量と、レーザ出力のエネ
ルギー値及びそのばらつき(3σ)との相関関係を示す
図である。
【図4】エキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量
と、バースト特性との相関関係を示す図である。
【図5】エキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量
と、スパイク特性との相関関係を示す図である。
【図6】従来のエキシマレーザ装置によりバースト運転
を行う場合のエネルギーとバースト番号等との関係を示
す図である。
【図7】第2の実施の形態で用いるF2レーザ装置の構
成を示すブロック図である。
【図8】図1に示す構成を前提とする処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図9】ArFエキシマレーザのスパイク特性を示す図
である。
【図10】図9(a)、(b)に示す特性を利用して、
チャンバ10の内壁面に予めキセノンガスを吸着させる
実施形態の構成を示す。
【図11】ガスコントローラ18で行われる処理の手順
を示すフローチャートである。
【図12】ArFエキシマレーザのチャンバ10の内壁
面を、KrFガスを用いて不働態化処理する工程を示す
【符号の説明】
10…チャンバ 11…狭帯域化ユニット 12…部分透過ミラー、 13…Ar/Neガスボンベ 14…Ar/Ne/F2 ガスボンベ 15…Xeガスボンベ 16…Xeガスセンサー 17…ガス排気モジュール 18…ガスコントローラ 71…F2ガスボンベ 72…ガスコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住谷 明 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 Fターム(参考) 5F071 AA06 BB01 HH01 HH02 HH03 JJ04 JJ05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線レーザ用ガスをチャンバ内に封入
    し、このチャンバ内でパルス放電を行うことにより前記
    紫外線用ガスを励起してパルスレーザを発振する紫外線
    レーザ装置において、 前記チャンバ内の紫外線レーザ用ガスに所定の濃度のキ
    セノンガスを所定量供給して、紫外線レーザ出力に生ず
    るバースト現象並びにスパイク現象を低減することを特
    徴とする紫外線レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記チャンバ内に供給するキセノンガス
    を封入したキセノンガスボンベと、 前記チャンバ内の紫外線レーザ用ガスに添加されたキセ
    ノンガスの濃度を検出する検出手段と、 前記検出手段が検出したキセノンガスの濃度に基づい
    て、前記キセノンガスボンベに封入したキセノンガスの
    前記チャンバへの供給量を制御する制御手段とを具備し
    たことを特徴とする請求項1記載の紫外線レーザ装置。
  3. 【請求項3】 チャンバ内に封入された紫外線レーザ用
    ガスを励起してパルスレーザを発振する紫外線レーザ装
    置で用いる紫外線レーザ用ガスであって、 該紫外線レーザ用ガスは、少なくとも所定の濃度のキセ
    ノンガスを含有することを特徴とする紫外線レーザ用ガ
    ス。
  4. 【請求項4】 前記紫外線用レーザガスは、 200ppm以下のキセノンガスを含有することを特徴
    とする請求項3記載の紫外線レーザ用ガス。
  5. 【請求項5】 内壁面にキセノンガスが吸着していない
    前記チャンバにキセノンガスを吸着させるキセノンガス
    吸着手段と、 前記キセノンガス吸着手段によって前記チャンバ内壁面
    にキセノンガスを吸着させ、前記チャンバ内のキセノン
    ガスの濃度が所定の濃度となる分量のキセノンガスが供
    給された場合に当該チャンバ内のキセノンガスの濃度が
    当該所定の濃度になることを確認する確認手段とを具備
    していることを特徴とする請求項1記載の紫外線レーザ
    装置。
  6. 【請求項6】 前記チャンバ内のキセノンガスの所定の
    濃度は0ppmを超え、200ppm以下であることを
    特徴とする請求項5記載の紫外線レーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記キセノンガス吸着手段は、キセノン
    ガスを前記チャンバ内へ供給するキセノンガス供給手段
    を備え、 前記確認手段は、前記チャンバ内のキセノンガスの濃度
    を計測する濃度計測手段を備え、 前記キセノンガス供給手段によりキセノンガスを前記チ
    ャンバ内に供給し、前記濃度計測手段によって計測され
    たチャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度となっ
    た場合に、前記キセノンガス供給手段によるキセノンガ
    スの供給を停止させることを特徴とする請求項5記載の
    紫外線レーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記キセノンガス吸着手段は、キセノン
    ガスを前記チャンバ内へ供給するキセノンガス供給手段
    を備え、 前記確認手段は、レーザパルス発振時のレーザエネルギ
    ー値を計測するエネルギー計測手段を備え、 前記キセノンガス供給手段によりキセノンガスを前記チ
    ャンバ内に供給してレーザパルス発振を行い、前記エネ
    ルギー計測手段によって計測された所定数のパルス発振
    前後でのレーザエネルギー値を計測し、所定数のパルス
    発振後のレーザエネルギー値が減少しなくなった場合
    に、前記キセノンガス供給手段によるキセノンガスの供
    給を停止させることを特徴とする請求項5記載の紫外線
    レーザ装置。
  9. 【請求項9】 前記キセノンガス吸着手段は、キセノン
    ガスを前記チャンバ内へ供給するキセノンガス供給手段
    を備え、 前記確認手段は、レーザパルス発振時に放電電圧値を計
    測する電圧計測手段を備え、 前記キセノンガス供給手段によりキセノンガスを前記チ
    ャンバ内に供給してレーザパルス発振を行い、前記電圧
    計測手段により計測された所定数のパルス発振前後での
    放電電圧値を計測し、所定数のパルス発振後の放電電圧
    値が増加しなくなった場合に、前記キセノンガス供給手
    段によるキセノンガスの供給を停止させることを特徴と
    する請求項5記載の紫外線レーザ装置。
  10. 【請求項10】 前記キセノンガス吸着手段は、前記チ
    ャンバ内をキセノンガスでフラッシングするフラッシン
    グ手段を備え、 前記確認手段は、前記チャンバ内に所定量のキセノンガ
    スを供給する供給手段と該チャンバ内のキセノンガスの
    濃度を計測する計測手段を備え、 前記供給手段により所定量のキセノンガスが供給された
    場合に前記計測手段によって計測されたチャンバ内のキ
    セノンガスの濃度が所定の濃度となるまで、前記フラッ
    シング手段によるフラッシングを繰り返し行うことを特
    徴とする請求項5記載の紫外線レーザ装置。
  11. 【請求項11】 前記チャンバ内壁面に対する紫外線レ
    ーザ用ガスのパッシベーション処理工程中又は前後の何
    れかに、前記フラッシング手段によるフラッシングを行
    うことを特徴とする請求項10記載の紫外線レーザ装
    置。
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