JP2000297098A - 抗mcp−1抗体認識ペプチドミミックス、その製造方法およびその用途 - Google Patents

抗mcp−1抗体認識ペプチドミミックス、その製造方法およびその用途

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JP2000297098A JP11105896A JP10589699A JP2000297098A JP 2000297098 A JP2000297098 A JP 2000297098A JP 11105896 A JP11105896 A JP 11105896A JP 10589699 A JP10589699 A JP 10589699A JP 2000297098 A JP2000297098 A JP 2000297098A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 単球の遊走に密接に関与しているMCP
−1の、その受容体との相互作用を制御・調節すること
が可能なペプチドミミックス、当該ペプチドミミックス
を有効成分とする医薬組成物、単球遊走阻害剤。抗MC
P−1抗体を用いてファージランダムペプチドライブラ
リーをスクリーニングすることを含む当該ペプチドミミ
ックスの製造方法。 【効果】 単球の遊走に密接に関与していると考えられ
るMCP−1と、その受容体との相互作用を制御・調節
することが可能な本発明のペプチドミミックスは、単球
遊走阻害剤として有用であり、各種炎症性疾患へ提供が
期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗MCP−1抗体と
結合し得るMCP−1様ペプチドミミックス(mimi
cs−模倣物の意)、その製造方法ならびにその用途に
関する。
【0002】
【従来の技術】ケモカインとは白血球走化作用を有する
サイトカインの総称である。約30種が存在し、いずれ
も構造的に4つのシステイン残基の位置が保存され、約
1万の分子量を有する。初めの2つのシステインの間に
アミノ酸が1つ入るCXCケモカインと、入らないCC
ケモカインに分別される。CXCケモカインは好中球
に、CCケモカインは単球またはマクロファージに作用
する。これらのケモカインは炎症刺激により産生される
ことから、炎症時に炎症局所に白血球を誘導するものと
考えられる(生化学、69巻12号、1373〜77
頁、1997年発行)。また、最近では走化作用以外に
も、接着分子の発現、血管新生の抑制、脱顆粒、ヒスタ
ミン遊離、抗腫瘍活性の増強、造血、器官形成への関与
等が明らかになりつつある(呼吸、17巻1号、2〜9
頁、1998年発行)。従って、ケモカインを阻害する
物質の、炎症性疾患への適用、すなわち、抗炎症剤、抗
アレルギー剤等としての用途が期待されている。
【0003】標的細胞にはこのケモカインに対する受容
体が存在する。現在9種類が同定されて、いずれも7回
膜貫通型のG蛋白質結合性受容体ファミリーに属する。
【0004】Monocyte Chemoattractant Protein-1(M
CP−1)は76個のアミノ酸からなる塩基性蛋白質
で、その構造上からケモカインの中のCCサブファミリ
ーに分類される。MCP−1は単球に対して特異的な遊
走活性を示す。また、単球表面の接着分子の発現にMC
P−1が関与しており、炎症局所への単球の遊走、内皮
細胞との接着および内皮下への浸潤というプロセスに深
いかかわりを持つ。実際の疾患ではMCP−1は慢性関
節リウマチ、肺線維症、腎炎等の慢性炎症性疾患、粥状
動脈硬化症および種々の悪性腫瘍で産生が認められ、局
所の単球・マクロファージの浸潤に重要な役割を果たし
ていると考えられている。また、近年ケモカイン受容体
はHIV−1感染のコレセプター(補助受容体)である
という発見がなされ、MCP−1のレセプターの一つで
あるCCR2もHIV−1感染のコレセプターのひとつ
であることが明らかにされている(ジャーナル・クリニ
カル・インベスト、100巻、497〜502頁、19
97年発行、参照)
【0005】最近、受容体−リガンド系における相互作
用部位を同定する手段として、ファージランダムペプチ
ドライブラリーを用いたスクリーニング法が注目されて
いる(サイエンス、249巻、386〜390頁、19
90年発行)。これはファージの構成蛋白質であるp3
分子をコードする遺伝子(ジーン3)にランダムなアミ
ノ酸配列を有するペプチド分子をコードする遺伝子を挿
入することにより、当該ペプチド分子を含んだ形のp3
分子(ジーン3蛋白質とランダムなアミノ酸配列を有す
るペプチド分子との融合体。以下、G3P体とも呼ぶ)
をfd−tetファージ(繊維状一本鎖DNAのファー
ジ)上に発現させ、ファージランダムペプチドライブラ
リーを作成し、パンニング等で目的とするペプチド分子
を発現しているファージをスクリーニングし、当該ファ
ージのジーン3遺伝子部分の塩基配列解析を行って、相
互作用部位を決定する方法である。
【0006】この方法を用いて、抗p53モノクローナ
ル抗体によるp53分子上のエピトープの決定(ただ
し、p53と相同性が高い)、抗bEGF抗体によりス
クリーニングされたbEGF類似体がbFGFとその受
容体FGFR−1の結合を阻害したこと、あるいは抗ア
セチルコリン受容体エピトープ抗体と結合するペプチド
配列の発見(当該受容体とは相同性がないが、アセチル
コリンと結合するか否かは言及せず)等が報告されてい
る(J.Mol.Biol.,248,p58〜78,
1995年発行。Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,90,10638〜42および10643
〜47,1993年発行)。
【0007】また、この手法をさらに発展させて、CT
LA−4に関して、抗CTLA−4モノクローナル抗体
を用いて、当該抗体が結合する標的分子の立体構造をア
ミノ酸の一次配列に依存せずに模倣する分子であり、且
つ受容体−リガンドの相互作用を制御できるような分子
を得る方法も報告されている(ネイチャー・バイオテク
ノロジー、16巻、267〜270頁、1998年発
行。)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、単球の遊走
活性に密接に関与しているMCP−1の、受容体との相
互作用を制御・調節することが可能なペプチドミミック
スを提供することを目的とする。さらに本発明は当該ペ
プチドミミックスの単球遊走阻害剤としての利用を目的
とする
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の事情
を考慮して、さらに研究を行った結果、抗MCP−1抗
体と結合し、かつMCP−1の単球遊走活性に対する阻
害効果を有するファージクローンを単離することに成功
した。さらに、抗MCP−1抗体と結合するMCP−1
様ペプチドミミックスを同定し、本発明を完成した。本
発明は抗MCP−1抗体と結合するMCP−1様ペプチ
ドミミックス、当該ペプチドミミックスとジーン3蛋白
質との融合体、当該ペプチドミミックスの単球遊走阻害
剤としての用途、および抗MCP−1抗体を用いてファ
ージランダムペプチドライブラリーをスクリーニングす
ることにより当該ペプチドミミックスを得る方法に関す
る。
【0010】すなわち本発明は以下の通りである。 1)抗MCP−1抗体と結合し得るMCP−1様ペプチ
ドミミックス。 2)MCP−1のアミノ酸配列とは相同性がない上記
1)記載のMCP−1様ペプチドミミックス。 3)MCP−1と立体構造が類似している、および/ま
たはMCP−1とその受容体との相互作用を制御・調節
する上記1)または2)記載のMCP−1様ペプチドミ
ミックス。 4)15残基のアミノ酸配列を有するポリペプチドであ
る上記1)記載のMCP−1様ペプチドミミックス。 5)以下の(1)または(2)のアミノ酸配列を有するポリペ
プチドである上記1)記載のMCP−1様ペプチドミミ
ックス。 (1)RPLPPRFGCVPLGCL(配列表配列番号
3) (2)NSGSICGFSVPWYSC(配列表配列番号
4) (Rはアルギニンを、Pはプロリンを、Lはロイシン
を、Fはフェニルアラニンを、Gはグリシンを、Cはシ
ステインを、Vはバリンを、Nはアスパラギンを、Sは
セリンを、Iはイソロイシンを、Wはトリプトファン
を、Yはチロシンをそれぞれ示す。) 6)上記1)〜5)のいずれかに記載のMCP−1様ペ
プチドミミックスとジーン3蛋白質との融合体。 7)上記1)〜5)のいずれかに記載のMCP−1様ペ
プチドミミックス、あるいは上記6)記載のMCP−1
様ペプチドミミックスとジーン3蛋白質との融合体を有
効成分として含有する医薬組成物。 8)上記1)〜5)のいずれかに記載のMCP−1様ペ
プチドミミックス、あるいは上記6)記載のMCP−1
様ペプチドミミックスとジーン3蛋白質との融合体を有
効成分として含有する単球遊走阻害剤。 10)抗MCP−1抗体を用いて、ファージランダムペ
プチドライブラリーをスクリーニングし、当該抗MCP
−1抗体と結合し得るMCP−1様ペプチドミミックス
を発現しているファージクローンを単離することを含
む、抗MCP−1抗体と結合し得るMCP−1様ペプチ
ドミミックスの製造方法。
【0011】
【発明の実施の態様】本発明において抗MCP−1抗体
と結合するMCP−1様ペプチドミミックスとは、抗M
CP−1抗体と結合する、MCP−1と立体構造が非常
によく類似している、MCP−1のアミノ酸配列とは相
同性がほとんどない、MCP−1とその受容体との相互
作用を制御・調節する、等の特徴を有するものである。
全体では少なくとも8個のアミノ酸を有する分子であ
り、好ましくは15個のアミノ酸からなるペプチドミミ
ックスが例示される。
【0012】本発明のMCP−1様ペプチドミミックス
の具体例としては、RPLPPRFGCVPLGCL
(配列表配列番号3;以下、当該アミノ酸配列からなる
ペプチドミミックスを、後述する由来ファージクローン
に基づいてC27ミミックスともいう)、NSGSIC
GFSVPWYSC(配列表配列番号4;以下、当該ア
ミノ酸配列からなるペプチドミミックスを、後述する由
来ファージクローンに基づいてG25ミミックスともい
う)等のアミノ酸配列からなるペプチド分子等が挙げら
れる。尚、各アミノ酸配列中の各記号は前述の定義のと
おりである。
【0013】本発明のMCP−1様ペプチドミミックス
は抗MCP−1抗体と結合する為に必要な立体構造を保
持した状態であればその使用形態は特に限定されず、何
らかのキャリヤー上か、あるいは何らかの蛋白質に組み
込まれた形態であるか、またはペプチド合成等により作
成し得るペプチド単独の形態でも使用可能である。より
具体的には前述のC27ミミックス、G25ミミックス
ならびにこれらのミミックスがジーン3蛋白質に組み込
まれている態様であるG3P体(それぞれC27−G3
P、G25−G3Pともいう)等が挙げられる。当該ペ
プチドミミックスは、それぞれのアミノ酸配列情報に基
づきその立体構造を保持した状態で使用し、当該立体構
造が保持された範囲であれば当該アミノ酸配列を欠失、
置換、付加または修飾させてもよい。
【0014】本発明のMCP−1様ペプチドミミックス
は、例えば、MCP−1−受容体系に関与した分子間の
結合を阻止し、且つMCP−1の立体構造を認識するこ
とができる抗体(好ましくはモノクローナル抗体)を用
いて、108種類以上のランダムに並んだ少なくとも8
個以上のアミノ酸を有するペプチド分子を提示する、フ
ァージランダムペプチドライブラリーのスクリーニン
グ、ファージクローンの選択、選択したファージクロー
ンの回収、当該ファージからの精製といった一連の工程
を行うことによって得ることができる。本発明のMCP
−1様ペプチドミミックスは、精製した状態のものの
他、ペプチドミミックスがその表面に提示されたファー
ジとしても使用可能である。
【0015】本発明において使用される抗MCP−1抗
体は、MCP−1−受容体系に関与した分子間の結合を
阻害する能力のある抗体であればどのような動物種の抗
体でもよく、サブクラスやアイソタイプは限定されない
が、立体構造を認識することができる抗体が例示され
る。当該抗体としては、コンフォメーショナルエピトー
プを認識する抗体が挙げられる。
【0016】ここで、コンフォメーショナルエピトープ
を認識する抗体とは、エピトープの立体構造を認識する
抗体、すなわち、その抗体の抗原結合領域がカウンター
パートの立体構造の鋳型となるような抗体をいう。具体
的には免疫沈降反応等抗原がネイティブな状態であれば
結合できるが、抗原が変性状態にある場合に結合できな
い抗体のことであり、例えば還元状態下でのウエスタン
ブロッティング法では抗原と結合できない抗体、または
エピトープの構成アミノ酸配列をもとに合成されたリニ
アなペプチドには結合できないような抗体等が挙げられ
る。
【0017】本発明において使用される抗MCP−1抗
体の具体例としては、マウス抗ヒトMCP−1モノクロ
ーナル抗体(M279、E11、およびF9)が挙げら
れる。
【0018】当該M279ならびにE11はMCP−1
とその受容体との結合阻害活性を有する中和抗体であっ
て、MCP−1の一次構造を認識することができる。M
279はR&Dシステム社より販売されている。E11
はネイチャーバイオテクノロジー、16巻、267〜2
70頁、1998年発行、での記載に準じて調製するこ
とができる。
【0019】また、F9は同じく中和抗体であって、M
CP−1の三次構造を認識することができる。F9もE
11と同じく、ネイチャーバイオテクノロジー、16
巻、267〜270頁、1998年発行、での記載に準
じて調製することができる。
【0020】本発明で使用するファージランダムペプチ
ドライブラリーは、ファージ表面にランダムなアミノ酸
配列を有するペプチド分子が提示されているものであれ
ば、いかなる種類のファージベクターで構築されたもの
でも使用可能であり、具体的には公知の方法(サイエン
ス、249巻、386〜390頁、1990年発行。
J.Mol.Biol.,248,p58〜78,19
95年発行。Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,90,10638〜42および10643〜4
7,1993年発行。ネイチャー・バイオテクノロジ
ー、16巻、278〜270頁、1998年発行等)に
よって作製され得る。ファージ表面に提示されるべく挿
入される遺伝子は、8個以上、好ましくは15個のアミ
ノ酸からなるペプチド分子をコードするものが例示され
る。さらにランダムなアミノ酸配列を有するペプチド分
子はファージの表面に提示されていれば、いかなるファ
ージの構成蛋白質に挿入されていてもよいが、ジーン3
蛋白質に挿入されたものが好ましい。ジーン3蛋白質の
N末端から4番目のAlaと5番目のGlyの間に8個
以上、好ましくは15個のランダムに並んだアミノ酸か
らなるペプチド分子が挿入されているものならば当該挿
入されたペプチド分子の両端に延びるアミノ酸配列が、
その挿入ペプチド分子の三次構造に及ぼす影響を最小限
に抑えることができる。
【0021】本発明のMCP−1様ペプチドミミックス
の製造方法は、前述の抗MCP−1抗体を用いて、ファ
ージランダムペプチドライブラリーをスクリーニングす
ることから開始する。スクリーニング法としては抗体を
プレート上に固定化して使用する一般的なパンニング方
法や、抗体を固定化したアフィニティーカラム法等を使
用することができる。また、パンニング→ファージ回収
→ファージの増殖→パンニングの工程を3回以上繰り返
すことによって、目的のファージクローンを濃縮するこ
とができる。このようなスクリーニング法によって抗M
CP−1抗体に結合するペプチドミミックスをその表面
に提示しているファージクローンを濃縮することができ
る。通常、このようにして得られたファージクローン
は、抗体との結合力の差や保持されているアミノ酸配列
の種類によって、いくつかのクローン集団に分類するこ
とができる。得られたファージクローンの遺伝子の塩基
配列解析はジデオキシ法等の常法により簡単に行うこと
ができる。
【0022】本発明のMCP−1様ペプチドミミックス
は、その微細な受容体結合様式の違いにより、また、M
CP−1とその受容体の系に関与する分子の発現状態に
より、MCP−1に対して正の制御または負の制御を行
うことができる。特に炎症性疾患時のようにMCP−1
−受容体系が異常亢進している場合には負の制御を行う
ことができる。故にMCP−1活性阻害剤あるいは単球
遊走阻害剤として、また、慢性関節リウマチ、肺線維
症、腎炎等の慢性炎症性疾患、アテローム、動脈硬化
症、悪性腫瘍等の予防および治療に対して有用である。
【0023】本発明の医薬組成物ならびに単球遊走阻害
剤は、有効成分である本発明のMCP−1様ペプチドミ
ミックス、あるいはジーン3蛋白質と当該MCP−1様
ペプチドミミックスとの融合体を、必要に応じて適宜の
医薬的に許容される添加剤(例えば、担体、賦形剤、希
釈剤等)等の製薬上必要な成分と混合し、粉末、顆粒、
錠剤、カプセル剤等の態様にて経口的に、また注射剤等
の態様にて非経口的に投与することができる。投与量は
有効成分の種類(ペプチドミミックスの種類)、投与ル
ート、患者の病状および疾患の種類、体重、年齢、性別
等に応じて適宜増減できるが、一般的には成人1日当た
りペプチドミミックスの量で0.001〜1000mg
を、1日1回乃至数回に分けて投与するのが望ましい。
【0024】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために実施例お
よび実験例を挙げるが、本発明はこれらにより何ら限定
されるものではない。 実施例1 (1)ファージ・デイスプレイ・ライブラリーおよびパ
ンニング ファージランダムペプチドデイスプレイライブラリ−の
構築およびマイクロパンニングは福本らの報告(ネイチ
ャー・バイオテクノロジー、16巻、278〜270
頁、1998年発行)に準じて行った。fd−tetフ
ァージの改変体であるfUSE5ベクター中のジーン3
蛋白質(以下、G3Pとも呼称。このものはリーダー配
列を切断して成熟型として存在する。)のN末から5番
目の位置に15残基のランダムなアミノ酸配列からなる
ペプチド分子を挿入した。種々のランダムペプチド分子
をその表面に発現する各種ファージをライブラリーとし
て構築した。
【0025】続いて、抗ヒトMCP−1モノクローナル
抗体(M279、E11、F9)を用いて、ファージラ
ンダムペプチドライブラリーのパンニングを行った。当
該抗MCP−1抗体はファージを選択するための鋳型と
して使用した。ライブラリーをスクリーニングして、抗
MCP−1抗体に結合するファージクローンを単離し
た。
【0026】各種抗MCP−1抗体をそれぞれ35mm
のプラスチックプレート(岩城ガラス社製)に10μg
コーテイングしたものに、先で調製したファージライブ
ラリー〔5×1012Transducing Unit(以下、TU)〕
とを4℃で16時間反応させた(パンニング)。未結合
のファージを0.5%トウイーン20を含むトリス塩酸
緩衝生理食塩液(TBS;50mMトリス塩酸、0.1
5M塩化ナトリウム含有、pH7.5)で洗浄後に、
0.1N塩酸−グリシン緩衝液(pH2.2)を用い
て、各種抗MCP−1抗体と結合したファージを溶出し
た。回収後に1Mトリス塩酸(pH9.1)で中和し
た。得られたファージを大腸菌K91kan(ネイチャ
ー・バイオテクノロジー、16巻、267〜270頁、
1998年発行。)に感染・増殖させた。パンニングに
用いる各種抗MCP−1抗体量を5μg、1μgと減ら
しながら同じ操作を繰り返し、より強く特異的に抗MC
P−1抗体と結合するファージクローンを選別した。
【0027】得られた約100個のファージクローンに
ついてELISA法による一次スクリーニングを行っ
た。ELISA用プレート(住友ベークライト社製)に
各種抗MCP−1抗体 100ng/40μl/穴を用
いて4℃で一晩コーテイングした。1%BSA(ウシ血
清アルブミン、シグマ社製)を含むTBS100μlを
用いて室温で2時間ブロッキングした。0.5%トウイ
ーン20を含むTBSでプレートを洗浄し、各種ファー
ジクローン2×1010ビリオン/40μl/穴およびビ
オチン化抗M13モノクローナル抗体(ファルマシア社
製)40ng/40μl/穴を添加した。1000分の
1に希釈したアルカリホスファターゼ(AP)標識スト
レプトアビジン(ベクターラボ社製)を室温で1時間反
応させ、洗浄後に基質であるp−ニトロフェニルリン酸
ナトリウム6水和物(和光純薬)を添加し、405nm
における吸光度を測定した。7個のクローンが抗MCP
−1抗体と特異的に結合した。
【0028】さらに、抗MCP−1抗体と特異的に結合
した7個のファージクローンについて、それぞれのG3
P体(すなわち各ペプチドミミックスとジーン3蛋白質
との融合体)を福本らの報告(上記)に準じて精製し
た。
【0029】(2) パンニングにより選択したファー
ジに挿入されているDNAの配列解析 ジーン3蛋白質に組み込まれた各種ペプチドミミックス
のDNA配列をDNAシークエンサー(Applied Biosys
tems社製の373A−36S型)を用いて解析した。プ
ライマーとして以下の塩基配列を有する合成オリゴヌク
レオチドを用いた。 TGAATTTTCT GTATGAGG (配列表配列番号2) 結果、ジーン3蛋白質のアミノ酸配列(配列表配列番号
1)の4番目のAlaと5番目のGlyの間に挿入され
ているペプチドミミックスは配列表配列番号3または配
列表配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するものの
2種類に分類できた。配列表配列番号3で示されるアミ
ノ酸配列を有するペプチドミミックスが挿入されている
ファージクローンの代表的なものとしてC27ファー
ジ、配列表配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する
ペプチドミミックスが挿入されているファージクローン
の代表的なものとしてG25ファージをそれぞれ得た。
尚、便宜上、上記ファージ由来の挿入されたペプチドミ
ミックスはその由来に因んでそれぞれC27ミミック
ス、G25ミミックスと、さらにそれらのペプチドミミ
ックスが挿入されているジーン3蛋白質(G3P体)を
それぞれC27−G3P、G25−G3Pという。
【0030】同定された二種類のペプチドミミックスの
アミノ酸配列には明確な共通配列は見当たらなかった。
さらにジーンワークス(帝人)あるいはPIMA法によ
りこれらのミミックスとMCP−1とのホモロジー検索
を行ったが、一次配列に類似性を示さなかった。C2
7、G25ミミックスは2個のシステイン残基を有して
いた。
【0031】実験例1 各種抗MCP−1抗体(M279、E11、F9)、マ
ウスIgG1κモノクローナル抗体(MOPC−21、
ファーミンゲン製)を用いて、実施例1で得られたファ
ージクローンとの反応性を確認した。分析は実施例1の
ELISA法によった。その結果、いずれのミミックス
とも抗MCP−1抗体とは特異的に結合したが、IgG
1κ抗体とは反応しなかった。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】実験例2 ファージクローンのMCP−1受容体への結合活性をF
ACSにより確認した。MCP−1受容体発現細胞とし
て、THP−1細胞(J.Biol.Chem.,27
4(8),4646〜54頁,1999年発行による)
を用いた。THP−1細胞(5×105)をマウスIg
G 400μg/mlと1時間反応して、Fc受容体を
ブロックした。このものは、抗CCR2モノクローナル
抗体と反応することを別途確認した。2%FCS、0.
1%NaN3を含むPBSで洗浄し、MCP−1を20
μg/ml加え、あるいは加えないで1時間反応させ
た。細胞を洗浄し、各種ファージクローン3.3×10
13ビリオン/mlを加えて1時間反応させた。細胞を洗
浄し、ビオチン化抗M13モノクローナル抗体33μg
/mlを加えて30分間反応し、FITC標識ストレプ
トアビジン(ラインコ社製)を用いて検出した。反応は
氷上で行った。分析はコールターEPICS XLによ
った。L4ファージ(抗MCP−1抗体との結合性を有
しないファージ)を対照ファージクローンとして用い
た。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】C27ファージ、G25ファージはTHP
−1細胞に結合し、MCP−1でその結合が阻害される
ことが判明した。
【0036】実験例3 ファージクローンの単球遊走阻害活性をケモタキス阻害
分析法を用いて確認した。分析には48穴ケモタキス・
チャンバーと孔径5μmのポリカルボネート・フィルタ
ー(いずれもニューロプローブ社製)を使用した。下層
チャンバーに10nM MCP−1を30μl加え、上
層チャンバーにPBMC(peripheral blood mononucle
ar cell(末梢血単核細胞);4×104/40μl)4
0μlと各種濃度(1×106〜1×1010ビリオン/
ml)のファージクローン10μl加えた。37℃、5
%二酸化炭素下で90分間反応させた後に、フィルター
をDiff−Quikで染色し、顕微鏡で遊走細胞を数
えた。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】C27ファージ、G25ファージはPBM
Cの遊走、すなわち、単球の遊走を阻害することが判明
した。
【0039】
【発明の効果】本発明のMCP−1様ペプチドミミック
スは、単球の遊走に密接に関与しているMCP−1の、
受容体との相互作用を制御・調節することが可能であ
り、単球遊走阻害剤として有用である。炎症反応におけ
るMCP−1の作用を考えると、本発明のMCP−1様
ペプチドミミックスは、各種炎症性の疾患に適用可能で
ある。
【0040】
【配列表フリーテキスト】配列表配列番号2:シークエ
ンシングプライマーとして作用するよう設計されたオリ
ゴヌクレオチド。 配列表配列番号3:抗MCP−1抗体によって認識され
るペプチド。 配列表配列番号4:抗MCP−1抗体によって認識され
るペプチド。
【0041】
【配列表】 SPECIMEN SEQUENCE LISTING <110> Yoshitomi Pharmaceutical Industries, Ltd. <120> PEPTIDE MIMICS RECOGNIZED WITH ANTI-MCP-1 ANTIBODY, METHOD FOR PRODUCTION THEREOF AND USE THEREOF <130> A3939 <160> 4 <210> 1 <211> 432 <212> PRT <213> bacteriophage (fd-tet) <400> 1 Val Lys Lys Leu Leu Phe Ala Ile Pro Leu Val Val Pro Phe Tyr Ser -15 -10 -5 His Ser Ala Asp Gly Ala Gly Ala Ala Gly Ala Glu Thr Val Glu Ser 1 5 10 Cys Leu Ala Lys Pro His Thr Glu Asn Ser Phe Thr Asn Val Trp Lys 15 20 25 30 Asp Asp Lys Thr Leu Asp Arg Tyr Ala Asn Tyr Glu Gly Cys Leu Trp 35 40 45 Asn Ala Thr Gly Val Val Val Cys Thr Gly Asp Glu Thr Gln Cys Tyr 50 55 60 Gly Thr Trp Val Pro Ile Gly Leu Ala Ile Pro Glu Asn Glu Gly Gly 65 70 75 Gly Ser Glu Gly Gly Gly Ser Glu Gly Gly Gly Ser Glu Gly Gly Gly 80 85 90 Thr Lys Pro Pro Glu Tyr Gly Asp Thr Pro Ile Pro Gly Tyr Thr Tyr 95 100 105 110 Ile Asn Pro Leu Asp Gly Thr Tyr Pro Pro Gly Thr Glu Gln Asn Pro 115 120 125 Ala Asn Pro Asn Pro Ser Leu Glu Glu Ser Gln Pro Leu Asn Thr Phe 130 135 140 Met Phe Gln Asn Asn Arg Phe Arg Asn Arg Gln Gly Ala Leu Thr Val 145 150 155 Tyr Thr Gly Thr Val Thr Gln Gly Thr Asp Pro Val Lys Thr Tyr Tyr 160 165 170 Gln Tyr Thr Pro Val Ser Ser Lys Ala Met Tyr Asp Ala Tyr Trp Asn 175 180 185 190 Gly Lys Phe Arg Asp Cys Ala Phe His Ser Gly Phe Asn Glu Asn Pro 195 200 205 Phe Val Cys Glu Tyr Gln Gly Gln Ser Ser Asp Leu Pro Gln Pro Pro 210 215 220 Val Asn Ala Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Glu 225 230 235 Gly Gly Gly Ser Glu Gly Gly Gly Ser Glu Gly Gly Gly Ser Glu Gly 240 245 250 Gly Gly Ser Gly Gly Gly Ser Gly Ser Gly Asp Phe Asp Tyr Glu Lys 255 260 265 270 Met Ala Asn Ala Asn Lys Gly Ala Met Thr Glu Asn Ala Asp Glu Asn 275 280 285 Ala Leu Gln Ser Asp Ala Lys Gly Lys Leu Asp Ser Val Ala Thr Asp 290 295 300 Tyr Gly Ala Ala Ile Asp Gly Phe Ile Gly Asp Val Ser Gly Leu Ala 305 310 315 Asn Gly Asn Gly Ala Thr Gly Asp Phe Ala Gly Ser Asn Ser Gln Met 320 325 330 Ala Gln Val Gly Asp Gly Asp Asn Ser Pro Leu Met Asn Asn Phe Arg 335 340 345 350 Gln Tyr Leu Pro Ser Leu Pro Gln Ser Val Glu Cys Arg Pro Tyr Val 355 360 365 Phe Gly Ala Gly Lys Pro Tyr Glu Phe Ser Ile Asp Cys Asp Lys Ile 370 375 380 Asn Leu Phe Arg Gly Val Phe Ala Phe Leu Leu Tyr Val Ala Thr Phe 385 390 395 Met Tyr Val Phe Ser Thr Phe Ala Asn Ile Leu Arg Asn Lys Glu Ser 400 405 410 <210> 2 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Oligonucleotide designed to act as sequencing primer. <400> 2 tgaattttct gtatgagg 18 <210> 3 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial sequence <220> <223> Peptide recognized with anti-MCP-1 antibody. <400> 3 Arg Pro Leu Pro Pro Arg Phe Gly Cys Val Pro Leu Gly Cys Leu 1 5 10 15 <210> 4 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial sequence <220> <223> Peptide recognized with anti-MCP-1 antibody. <400> 4 Asn Ser Gly Ser Ile Cys Gly Phe Ser Val Pro Trp Tyr Ser Cys 1 5 10 15
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/00 637 A61K 31/00 637E 38/00 C07K 14/00 C07K 14/00 C12P 21/02 C C12P 21/02 G01N 33/53 D G01N 33/53 C12N 7/00 // C12N 7/00 A61K 37/02 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA20 GA11 HA04 4B064 AG01 CA12 CC24 DA01 4B065 AA98X AB01 BA02 CA24 CA44 4C084 AA02 AA07 AA18 BA01 BA08 BA18 BA41 CA56 NA14 ZA452 ZA592 ZB112 ZB152 ZB262 ZC412 4H045 AA10 AA20 AA30 BA15 BA16 BA17 BA41 CA01 DA01 DA86 EA22 FA74

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗MCP−1抗体と結合し得るMCP−
    1様ペプチドミミックス。
  2. 【請求項2】 MCP−1のアミノ酸配列とは相同性が
    ない請求項1記載のMCP−1様ペプチドミミックス。
  3. 【請求項3】 MCP−1と立体構造が類似している、
    および/またはMCP−1とその受容体との相互作用を
    制御・調節する請求項1または2記載のMCP−1様ペ
    プチドミミックス。
  4. 【請求項4】 15残基のアミノ酸配列を有するポリペ
    プチドである請求項1記載のMCP−1様ペプチドミミ
    ックス。
  5. 【請求項5】 以下の(1)または(2)のアミノ酸配列を有
    するポリペプチドである請求項1記載のMCP−1様ペ
    プチドミミックス。 (1)RPLPPRFGCVPLGCL(配列表配列番号
    3) (2)NSGSICGFSVPWYSC(配列表配列番号
    4) (Rはアルギニンを、Pはプロリンを、Lはロイシン
    を、Fはフェニルアラニンを、Gはグリシンを、Cはシ
    ステインを、Vはバリンを、Nはアスパラギンを、Sは
    セリンを、Iはイソロイシンを、Wはトリプトファン
    を、Yはチロシンをそれぞれ示す。)
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のMCP
    −1様ペプチドミミックスとジーン3蛋白質との融合
    体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載のMCP
    −1様ペプチドミミックス、あるいは請求項6記載のM
    CP−1様ペプチドミミックスとジーン3蛋白質との融
    合体を有効成分として含有する医薬組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載のMCP
    −1様ペプチドミミックス、あるいは請求項6記載のM
    CP−1様ペプチドミミックスとジーン3蛋白質との融
    合体を有効成分として含有する単球遊走阻害剤。
  9. 【請求項9】 抗MCP−1抗体を用いて、ファージラ
    ンダムペプチドライブラリーをスクリーニングし、当該
    抗MCP−1抗体と結合し得るMCP−1様ペプチドミ
    ミックスを発現しているファージクローンを単離するこ
    とを含む、抗MCP−1抗体と結合し得るMCP−1様
    ペプチドミミックスの製造方法。
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