JP2000297420A - 貯水ダムの排砂方法及び装置 - Google Patents

貯水ダムの排砂方法及び装置

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JP2000297420A
JP2000297420A JP11105352A JP10535299A JP2000297420A JP 2000297420 A JP2000297420 A JP 2000297420A JP 11105352 A JP11105352 A JP 11105352A JP 10535299 A JP10535299 A JP 10535299A JP 2000297420 A JP2000297420 A JP 2000297420A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で長距離輸送が可能な貯水ダムの
排砂方法及び装置を提供する。 【解決手段】 上流端が貯水ダム底の堆砂3に対して開
口し、堰堤本体1を越えて延びる下流端が貯水ダム底よ
りも低い位置にある堆砂送給対象地に対して開口する排
砂管4を、堰堤本体1の余水吐9を通して敷設し、余水
吐9のゲート12を閉鎖して排砂管4の最高部位以上の
高さに貯水位W.Lを上昇させて排砂管4内部を流水に
よって充満し、排砂管4の上流端と下流端との間の圧力
差に起因する水の自然流動を惹起させ、該流水によって
堆砂3に当接させた排砂管4の上流端から堆砂3を吸引
・排除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貯水ダムの排砂方法
及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上流から河水とともに土砂が流入する貯
水ダムの水底には長年の間に土砂が堆積する。
【0003】土砂が堆積する堆砂状況は、流域の土砂の
生成状況や粒度の組成などの貯水ダム流域条件、貯水ダ
ム建設後の経過年数及び気象条件などによって異なる
が、堆砂高さが堰堤本体の頂部の標高に近付くと、貯水
ダムの有効貯水量が減少し、上流域の環境を悪化させ、
降雨時には下流域が多大な損害を被るなど、貯水ダムの
水底の堆砂は、貯水ダムの機能低下をきたし、種々の悪
影響を生むことが憂慮されている。
【0004】そのため、従来から種々の排砂装置が提供
されている。
【0005】例えば、管の一部に設けた狭いスリットを
通して水と砂とを吸引し、管内に形成される渦の作用を
利用して土砂を排出する渦動排砂管や、ゲート操作によ
り貯水位を低下させ貯水ダム内において相応の掃流力を
もたせる排砂門方式、あるいはサンドポンプなどであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
各種排砂装置は、多大の動力を必要とし、然も貯水ダム
の堰堤本体頂部近傍の堆砂を排除し得るのみであり、ま
た、貯水ダムから遠隔の地へ排砂を搬送する手段とはな
り難いので、貯水ダムから回収した排砂を、セメントな
どに混合する目的の砂及び小骨材などに商品化して、有
効に活用することが困難である。
【0007】更に、貯水ダムの水面及び堆砂面が堰堤本
体の頂部に対して低い位置にあり、標高差が大きな場合
には、排砂手段として、更に極めて多くの動力を必要と
し、堰堤本体に対する排砂装置の取付工作の面において
も困難が伴い、多額の資金と労力とを要するという問題
がある。
【0008】本発明は前述した実情に鑑みてなしたもの
で、簡単な構造で長距離輸送が可能な貯水ダムの排砂方
法及び装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載のダムの排砂方法では、上
流端が貯水ダム底の堆砂に対して開口し、堰堤本体の頂
部を越えて延びる下流端が前記貯水ダム底よりも低い位
置にある堆砂送給対象地に対して開口する排砂管を、堰
堤本体の余水吐を通して敷設し、余水吐のゲートを閉鎖
して排砂管の最高部位以上の高さに貯水位を上昇させる
ことにより、排砂管内へ貯水を導入して管内部を充満
し、排砂管の上流端と下流端との間の圧力差に起因する
水の自然流動を惹起させ、排砂管の上流端開口を堆砂に
当接して排砂管内への自然流水の流れにより堆砂を排砂
管内に吸引し、排砂管の下流端開口から放出する。
【0010】また、本発明の請求項2に記載のダムの排
砂装置では、堰堤本体の頂部を跨ぐように余水吐の底部
に配置した曲管部材と、基端部が前記曲管部材の上流端
に気密に連結され且つ水中へ延びる先端部が貯水ダム底
の堆砂に対して開口する吸引管部材と、基端部が曲管部
材の下流端に気密に連結されて堰堤の外方へ延び且つ先
端部が堆砂送給対象地に対して開口する放出管部材とに
より構成した排砂管、及び該排砂管の上流側先端寄り部
分を揺動する吸引管揺動手段を備える。
【0011】本発明の請求項1に記載の貯水ダムの排砂
方法及び請求項2に記載の貯水ダムの排砂装置のいずれ
においても、堰堤本体の頂部を跨いで貯水ダムの内外を
連通する排砂管内に上流端と下流端の圧力差に起因する
水の自然流動を惹起させることにより、貯水ダム底の堆
砂を吸収・排除する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例と共に説明する。
【0013】図1乃至図6は本発明の貯水ダムの排砂装
置の実施の形態の一例を示すものであり、1は堰堤本
体、2は貯水(潭水)、3は堆砂、4は排砂管である。
【0014】排砂管4は、堰堤本体1の頂部を跨ぐよう
に配置した曲管部材5と、該曲管部材5の上流端に可撓
管部材6を介し気密に連結されて水中へ延びる吸引管部
材7と、前記の曲管部材5の下流端に連結されて堰堤本
体1の外方へ延びる放出管部材8とにより構成されてい
る。
【0015】曲管部材5は、図3に示すように、一端が
斜め下方へ屈曲し、他端が略垂直に下方へ屈曲された形
状を有し、堰堤本体1の頂部に設けられている余水吐9
の底部寄りに配設され、斜め下方に曲げられた一方の端
部を堰堤本体の内方側(上流側)に向け、且つ直管部分
5aを略水平あるいは堰堤本体1の外方側端部(下流側
端部)が僅かに低くなるように傾斜させて配置し、該直
管部分5aの外周を軟ゴムシートなどのパッキング部材
10で覆い、該パッキング部材10の下側外面と余水吐
9下部との間をコンクリートで水蜜に固着する。
【0016】余水吐9に固着した曲管部材5の上方に
は、ゲートガイド11に沿って昇降するゲート12が設
けられており、該ゲート12は、図4に示すように、下
端が曲管部材5に対してパッキング部材10を介して密
着し得るように形成されており、ゲート12を閉止する
と余水吐9を完全に遮断できるようになっている。
【0017】可撓管部材6は、吸引管部材7の自重や管
内を流動する砂流の影響、吸引管部材7が受ける風力や
水圧による応力などに対して充分に耐え得る厚ゴム製で
蛇腹形状を有し、基端が曲管部材5の堰堤本体1の内方
側に向いている端部(上流側端部)に気密に連結されて
いる。
【0018】吸引管部材7は、基端が可撓管部材6の先
端(上流側端部)に気密に連結され且つ先端が貯水2中
へ延びて堆砂3に達する長さを有する。
【0019】該吸引管部材7の先端は堆砂3に対して開
口しており、後述の吸引管揺動手段13によって、上下
左右に揺動し得るように構成されている。
【0020】放出管部材8は、基端が曲管部材5の堰堤
本体1の外方側に向いている端部(下流側端部)に気密
に連結され且つ先端が堰堤本体1外方へ延びて堆砂送給
対象地(図示せず)に達する長さを有し、先端は堆砂送
給対象地に対して開口している。
【0021】吸引管揺動手段13は、吸引管部材7の先
端部附近より上方に向けて配置され且つ下端に滑走用シ
ュー14を備えた櫓15と、該櫓15の頂部に配置した
滑車16と、滑車16に巻き掛けた巻上ロープ17とを
有し、巻上ロープ17の一端を吸引管部材7の先端部近
傍に連結し、該巻上ロープ17の他端を図示していない
巻上ドラムに巻き付け、巻上ドラムを正逆転させて巻上
ドラムの回転に伴う巻上ロープ17の巻き取りあるいは
繰り出しにより、可撓管部材6の屈曲に伴って吸引管部
材7の先端が上下方向に揺動するように構成されてい
る。
【0022】また、一端を櫓15の下部に連結した2本
の移動用ロープ18を櫓15から左右方向へ張設し、更
に一端を櫓15の上部に連結した複数本の転倒防止用ロ
ープ19を櫓15を中心に四方へ張設し、これらの移動
用ロープ18、及び転倒防止用ロープ19の各他端を、
それぞれ、図示していない移動用ドラムに巻き付けてお
り、移動用ドラムを正逆転させ、移動用ドラムの回転に
伴う移動用ロープ18、及び転倒防止用ロープ19の巻
き取りあるいは繰り出しにより、堆砂3上を滑る滑走用
シュー14とともに櫓15が移動し、吸引管部材7の先
端が左右いずれの方向へも移動できるように構成されて
いる。
【0023】前記の櫓15については、図5に示すよう
な2本の柱材20と複数本の結構材21とによって構成
された二本構櫓15a、または、図6に示すような4本
の柱材20と複数本の結構材21とによって構成された
行灯櫓15bと称されるもののいずれを使用してもよい
ことは勿論であり、特に複数組の排砂装置を投入する場
合には、屏風櫓(図示せず)を使用すると有利である。
【0024】また、前述の曲管部材5、吸引管部材7、
放出管部材8などの各管部材は、管内に岩石や砂利など
が詰まって管内の自然流動が阻害される場合を考慮し
て、障害排除工作を行ない得るような管径とすることが
望ましい。
【0025】各管部材の材質は、鋳造アルミニウム管、
鋳鉄管、耐高圧鉄筋コンクリート管などが良いと考えら
れる。
【0026】図1乃至図6に示す貯水ダムの排砂装置に
よって、貯水ダムから堆砂3を排除する際には、余水吐
9のゲート12を閉鎖して排砂管4の最高部位(曲管部
材固着部分)以上の高さに貯水2面の水位W.Lを上昇
させる。
【0027】貯水位W.Lが上昇するとともに、吸引管
部材7の先端開口から流入する流水によって吸引管部材
7内部が充満され、次で該流水は排砂管4の曲管部材5
を経て放出管部材8へ流出する。
【0028】この排砂管4内部を充満して流下する水の
ために、排砂管4の上流端(吸引管部材7の先端側)と
下流端(放出管部材8の先端側)との間に圧力差が生
じ、この圧力差に起因して排砂管4の内部において水の
自然流動が惹起される。
【0029】その後、図示していない巻上ドラムから巻
上ロープ17を繰り出して吸引管部材7の先端を下降さ
せ、その先端を堆砂3に当接させると、堆砂3が水とと
もに吸引管部材7の開口から管内へ流入し、排砂管4を
構成する吸引管部材7、可撓管部材6、曲管部材5、放
出管部材8の各管内を流動し、放出管部材8の開口を経
て堆砂送給対象地へ放出される。
【0030】なお、堆砂送給対象地で放出される堆砂3
を含む水流は、貯水ダムが占めている場所の標高と堰堤
本体1の高さに対する堆砂送給対象地の標高差によって
異なるが、非常に大きい流速を有するので、対象地の選
定には慎重を期する必要がある。
【0031】貯水ダムの堆砂3の排除を止める場合に
は、巻上ドラムに巻上ロープ17を巻き取り、吸引管部
材7の先端を堆砂3から離隔すれば、吸引管部材7に対
する堆砂3の流入が停止される。
【0032】また、貯水ダムの貯水2の流出を止める場
合には、更に巻上ドラムに巻上ロープ17を巻き込むこ
とにより、吸引管部材7の先端を貯水位W.Lよりも上
方位置へ巻き上げれば、吸引管部材7に対する貯水2の
流入が停止する。
【0033】更に、貯水ダムの堆砂排除位置を他に移す
場合には、図示していない移動用ドラムを正逆転させ
て、移動用ドラムの回転に伴う移動用ロープ18、及び
転倒防止用ロープ19の巻き取りあるいは繰り出しを行
なうことにより、堆砂3上を滑る滑走用シュー14とと
もに櫓15を移動させ、吸引管部材7の先端を所要の位
置へ移動させる。
【0034】以上述べたように、図1乃至図6に示す貯
水ダムの排砂装置の形態例によれば、吸引管部材7、可
撓管部材6、曲管部材5、及び放出管部材8を連結して
構成した排砂管4の曲管部材5の部分を堰堤本体1の余
水吐9に固着し、排砂管4により貯水ダムの内外を連通
し、余水吐9のゲート12を締め切って貯水位W.Lを
上昇させることにより、吸引管部材7の開口から流入す
る貯水2で排砂管4内を充満し、排砂管4の上流端と下
流端との間の圧力差に起因する水の自然流動を惹起さ
せ、該流水に乗せて貯水ダム底の堆砂3を吸引・排除す
るように構成したので、排砂装置として特別に吸引動力
を必要とせず、簡単な構造で、堆砂3の長距離輸送が可
能となる。
【0035】また、貯水ダムから遠隔地への排砂搬送が
できるため、貯水ダムから排除した排砂を、セメントな
どに混合する目的の砂及び小骨材などに商品化して有効
に活用することが容易となる。
【0036】本発明の排砂方法、装置を実施するに際し
ては、ダム上流側の状況を常に把握して土砂流(土石
流)を下流に流しても二次災害を起さぬように注意する
こと、堆砂の除去を急いで吸引管先端を堆砂中に余り突
込みすぎると土砂が管の中に詰まるので注意することが
必要である。
【0037】なお、本発明の貯水ダムの排砂方法及び装
置は上述した形態例にのみ限定されるものではなく、図
示した曲管部材5、可撓管部材6、吸引管部材7に相当
する部分を予めゴム材料またはこれに類する材料で一体
に形成し、可撓管部材に相当する部分に可撓性を保持せ
しめるよう構成してもよいこと、其他本発明の要旨を逸
脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論
である。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の貯水ダムの
排砂方法及び装置によれば、下記のような種々の優れた
効果を奏し得る。
【0039】(1)請求項1あるいは請求項2に記載の
貯水ダムの排砂方法及び装置のいずれにおいても、上流
端が貯水ダム底の堆砂に対して開口し、堰堤頂を越えて
延びる下流端が前記の貯水ダム底よりも低い位置にある
堆砂送給対象地に対して開口する排砂管を、堰堤本体の
余水吐の底部に敷設し、余水吐のゲートを閉鎖して排砂
管の最高部位以上の高さに貯水面を上昇させて排砂管内
部を流水によって充満し、排砂管の上流端と下流端の圧
力差に起因する水の自然流動を惹起させ、該流水によっ
て堆砂に当接させた排砂管の上流端から堆砂を吸引・排
除できるようにしたので、排砂装置として特別に吸引動
力を必要とせず、簡単な構造で、堆砂の長距離輸送が可
能となる。
【0040】(2)また、貯水ダムから遠隔地への排砂
搬送ができるため、貯水ダムから排除した排砂を、セメ
ントなどに混合する目的の砂及び小骨材などに商品化し
て有効に活用することが容易となる。
【0041】(3)更に、本発明の請求項1あるいは請
求項2に記載の貯水ダムの排砂方法及び装置を有効に活
用すれば、沼地の地盤改良、海岸の埋め立て、飛行場の
造成なども可能となり、騒音の防止、河川環境の美化、
強いては地球環境の向上に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貯水ダムの排砂装置の概念図である。
【図2】図1に関連する平面図である。
【図3】図1に関連する曲管部材固着部分の拡大図であ
る。
【図4】図3のIV−IV矢視図である。
【図5】図1に関連する櫓の一例の正面図である。
【図6】図1に関連する櫓の他の例の斜視図である。
【符号の説明】
1 堰堤本体 2 貯水(潭水) 3 堆砂 4 排砂管 5 曲管部材 6 可撓管部材 7 吸引管部材 8 放出管部材 9 余水吐 12 ゲート 13 吸引管揺動手段 W.L 貯水位

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流端が貯水ダム底の堆砂に対して開口
    し、堰堤本体の頂部を越えて延びる下流端が前記貯水ダ
    ム底よりも低い位置にある堆砂送給対象地に対して開口
    する排砂管を、堰堤本体の余水吐を通して敷設し、余水
    吐のゲートを閉鎖して排砂管の最高部位以上の高さに貯
    水位を上昇させることにより、排砂管内へ貯水を導入し
    て管内部を充満し、排砂管の上流端と下流端との間の圧
    力差に起因する水の自然流動を惹起させ、排砂管の上流
    端開口を堆砂に当接して排砂管内への自然流水の流れに
    より堆砂を排砂管内に吸引し、排砂管の下流端開口から
    放出することを特徴とする貯水ダムの排砂方法。
  2. 【請求項2】 堰堤本体の頂部を跨ぐように余水吐の底
    部に配置した曲管部材と、基端部が前記曲管部材の上流
    端に気密に連結され且つ水中へ延びる先端部が貯水ダム
    底の堆砂に対して開口する吸引管部材と、基端部が曲管
    部材の下流端に気密に連結されて堰堤の外方へ延び且つ
    先端部が堆砂送給対象地に対して開口する放出管部材と
    により構成した排砂管、及び該排砂管の上流側先端寄り
    部分を揺動する吸引管揺動手段を備えたことを特徴とす
    る貯水ダムの排砂装置。
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