JP2000298874A - 相変化型光ディスク及びその製造方法 - Google Patents

相変化型光ディスク及びその製造方法

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JP2000298874A
JP2000298874A JP11105964A JP10596499A JP2000298874A JP 2000298874 A JP2000298874 A JP 2000298874A JP 11105964 A JP11105964 A JP 11105964A JP 10596499 A JP10596499 A JP 10596499A JP 2000298874 A JP2000298874 A JP 2000298874A
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recording
signal
phase
recording layer
signal recording
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JP11105964A
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English (en)
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Minoru Kikuchi
稔 菊地
Yoshihiro Akimoto
義浩 秋元
Fuminori Takase
史則 高瀬
Yoshihiro Saitou
喜浩 斎藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し記録を数回から数十回行った際のジ
ッターの急激な増加を抑制する。 【解決手段】 基板2上に、第1の誘電体層3と、信号
記録層4と、第2の誘電体層5と、光反射層6と、保護
膜層7とを順次積層して形成する。信号記録層4をGe
SbTe系材料によって形成するとともに、この信号記
録層に対して記録信号に応じて形成される記録マークの
後端部に発生する結晶粒径を50nm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化記録方式に
よって記録信号の記録及び/又は再生が行われる相変化
型光ディスク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】相変化型光ディスクは、信号記録層に対
してレーザ光を照射されることによって、信号の記録及
び/又は再生(以下、記録再生という。)が行われる光
記録媒体の一種であり、信号記録層が相変化材料によっ
て構成されてなる。
【0003】相変化型光ディスクでは、記録再生装置に
よりレーザ光が照射されることによって、信号記録層を
構成する相変化材料が、レーザ光の照射位置で結晶状態
とアモルファス状態とに可逆的に変化する。記録再生装
置は、これら両状態における光学定数の違いに起因する
信号記録層の反射率の変化を検出することによって、相
変化型光ディスクに対して記録再生を行う。
【0004】相変化型光ディスクは、一般に、信号記録
層の初期状態を結晶状態とされている。相変化型光ディ
スクは、記録信号を記録される際に、記録再生装置によ
って所定の出力のレーザ光が信号記録層に対して照射さ
れる。これにより、信号記録層は、レーザ光の照射位置
で融点温度以上に昇温される。その後、信号記録層は冷
却されて、この位置でアモルファス状態となる。相変化
型光ディスクでは、記録信号に応じて、アモルファス状
態とされた部位(以下、記録マークと称する。)を信号
記録層に形成されることによって、記録信号を記録す
る。
【0005】相変化型光ディスクは、信号記録層に記録
された記録信号を消去される際に、記録時よりも弱い出
力のレーザ光を照射され、この照射位置で信号記録層が
結晶化温度以上且つ融点温度以下に昇温される。これに
より、信号記録層は、レーザ光の照射位置で、照射前の
状態に依らずに結晶状態となる。
【0006】相変化型光ディスクは、信号記録層に記録
された記録信号を再生する際に、記録信号の消去時より
もさらに弱い出力のレーザ光を照射される。このとき、
記録再生装置は、このレーザ光が信号記録層に反射して
戻ってきた戻り光を検出し、レーザ光の照射位置で信号
記録層が結晶状態であるかアモルファス状態であるかに
より反射率が異なることを利用して記録信号を再生す
る。
【0007】相変化型光ディスクは、上述したように、
記録信号の書き換えが可能である。また、例えば光磁気
ディスクの場合等と異なり、記録再生のために外部磁場
を発生する手段を必要としない。そのため、相変化型光
ディスクは、記録再生装置の小型化に貢献することがで
きるとともに、オーバーライトを容易に行うことができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、相変化型光
ディスクの信号記録層を構成する相変化材料としては、
主に、GeSbTe系材料とAgInSbTe系材料と
が用いられている。このうち、GeSbTe系材料は、
繰り返し耐久性が優れていること知られている。しかし
ながら、相変化型光ディスクは、GeSbTe系材料に
よって信号記録層を形成した場合に、繰り返し記録を数
回から数十回行ったときの信号特性が悪化してしまうと
いった問題があった。
【0009】具体的には、GeSbTe系材料によって
信号記録層を形成した相変化型光ディスクでは、繰り返
し記録を行った場合に、2回目以降に記録したときの再
生信号のジッターが急激に増加してしまう。そして、ジ
ッターが10%以下に安定するまでには、100回程度
の繰り返し記録が必要であった。このように、従来の相
変化型光ディスクでは、繰り返し記録を数回から数十回
行ったとき(以下、初期記録段階という。)にジッター
の急激な増加がみられる。
【0010】したがって、従来の相変化型光ディスク
は、安定した記録再生特性を確保するために、その製造
後に繰り返し記録を100回程度行う工程が必要とな
り、生産効率を向上させることが困難であった。
【0011】そこで、本発明は、初期記録段階でのジッ
ターの増加が抑制され、安定した記録再生特性を備える
相変化型光ディスク及びその製造方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した目
的を達成するために検討を進めた結果、記録マークを透
過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより、以下
の事実を見出した。すなわち、記録マーク上、又は一度
記録マークが形成された後の結晶上に、新しい記録マー
クを形成した場合には、この記録マークの後端部に結晶
が侵入し、マーク形状が歪んでしまう。初期記録段階で
のジッターの増加は、このマーク形状の歪みによって起
因していると考えられる。そして、従来の相変化型光デ
ィスクでは、記録マークの後端部に侵入した結晶の平均
粒径は、約80nmであった。
【0013】以上のような知見に基づく本発明に係る相
変化型光ディスクは、基板上に少なくとも信号記録層が
形成されてなり、この信号記録層に対して相変化記録方
式によって記録信号の記録及び/又は再生が行われる記
録媒体である。上記信号記録層は、GeSbTe系材料
によって構成され、レーザ光を照射されることによって
照射位置で結晶状態とアモルファス状態とに可逆的に変
化するとともに、その初期状態を結晶状態とされてな
る。また、上記信号記録層が結晶状態からアモルファス
状態に変化して形成される記録マークのレーザ光の移動
方向に対する後端部に発生する結晶粒の平均粒径が、5
0nm以下とされてなる。
【0014】以上のように構成された相変化型光ディス
クは、記録マーク上、又は一度記録マークが形成された
後の結晶上に、新しい記録マークを形成した場合であっ
ても、この記録マークのマーク形状の歪みが低減され
る。
【0015】また、本発明に係る相変化型光ディスクの
製造方法は、基板上に少なくとも信号記録層を形成して
なり、この信号記録層に対して相変化記録方式によって
記録信号の記録及び/又は再生が行われる相変化型光デ
ィスクの製造方法である。そして、上記信号記録層を形
成する際に、炭化水素ガス,窒素ガス,酸素ガス,及び
二酸化炭素ガスから選ばれる少なくとも1種を含む添加
ガスと、希ガスとの混合雰囲気中でターゲット材をスパ
ッタ成膜することによって、この信号記録層が結晶状態
からアモルファス状態に変化して形成される記録マーク
のレーザ光の移動方向に対する後端部に発生する結晶粒
の平均粒径が、50nm以下となるようにする。
【0016】これにより、記録マーク上、又は一度記録
マークが形成された後の結晶上に新しい記録マークを形
成した場合であっても、この記録マークのマーク形状の
歪みが低減された相変化型光ディスクを製造することが
でき、相変化型光ディスクの製造工程を簡略化すること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の
説明では、本発明に係る相変化型光ディスクとして、信
号記録層が形成された2枚の基板が保護膜層側で貼り合
わされ、2つの信号記録層を有する、いわゆる両面記録
再生式の相変化型光ディスクを例に挙げる。ただし、本
発明は、この例に限定されるものではなく、例えば、2
枚の基板が基板側で貼り合わされてなる相変化型光ディ
スクであってもよいし、信号記録層を1つだけ有する片
面記録再生式の相変化型光ディスクであってもよい。
【0018】以下の説明においては、図1に示すような
相変化型光ディスク1について説明することとする。相
変化型光ディスク1は、基板2上に、第1の誘電体層3
と、信号記録層4と、第2の誘電体層5と、光反射層6
と、保護膜層7とが順次積層されてなり、これら各層が
形成された2枚の基板2がそれぞれ保護膜層7同士を接
着剤8によって貼り合わされた構造とされている。すな
わち、相変化型光ディスク1は、2枚の基板2上にそれ
ぞれ形成された2つの信号記録層4を有する。なお、図
1は、相変化型光ディスク1の断面図であり、貼り合わ
された2枚の基板2のうちの一方の基板上に形成された
各層だけを図示し、他方の基板上に形成された各層の図
示を省略する。
【0019】相変化型光ディスク1は、全体略円板形状
を呈しており、例えば、その直径が120mm、厚みが
1.2mmとされる。また、相変化型光ディスク1は、
例えばディスクカートリッジ(図示せず。)に収納され
て、記録再生装置(図示せず。)に対して着脱自在に用
いられる。なお、相変化型光ディスク1は、ディスクカ
ートリッジに収納されずに用いられてもよいし、記録再
生装置と一体に構成されていてもよい。
【0020】基板2は、記録再生装置によって照射され
るレーザ光に対して透光性を有する硬質材料によって、
全体略円板形状に形成されている。基板2を形成する材
料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル
樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂等の各種樹脂
材料や、石英ガラス等のガラス材料等が用いられる。ま
た、基板2には、所定の凹凸パターンで溝状のグルーブ
が形成されており、このグルーブに沿って記録トラック
が形成されている。
【0021】第1の誘電体層3は、例えば、Si34
SiN,AlN,Al23,AlSiNO,HfO2
ZnS,ZrO2,Y23,MgO,SiO2,Mg
2,LiF等の材料を用いて、各種スパッタリング法
等の薄膜形成技術により、基板2上に薄膜状に形成され
てなる。なお、本実施の形態においては、ZnS−Si
2によって形成されるとした。また、第1の誘電体層
3の厚みは、例えば、80nm〜140nmとされる。
【0022】信号記録層4は、相変化材料であるGeS
bTe系材料によって第1の誘電体層3上に薄膜状に形
成されている。信号記録層4は、基板2の外方に臨む主
面2a側から記録再生装置によりレーザ光を照射される
ことによって、このレーザ光の照射位置で、結晶状態と
アモルファス状態とに可逆的に変化する構成とされてい
る。また、信号記録層4は、結晶状態である部分とアモ
ルファス状態である部分とで異なる反射率を示す。
【0023】第2の誘電体層5は、第1の誘電体層3と
同様にして、信号記録層4上に薄膜状に形成されてい
る。この第2の誘電体層5は、例えばZnS−SiO2
によって10nm〜30nmの厚みで形成されている。
【0024】相変化型光ディスク1は、信号記録層4が
第1の誘電体層3及び第2の誘電体層5によって挟み込
まれた構造とされている。これにより、信号記録層4
は、大気中に含まれる水分や酸素及び二酸化炭素等によ
って劣化してしまうことを防止されている。また、第1
の誘電体層3及び第2の誘電体層5は、記録再生を行う
際に照射されるレーザ光に多重干渉を生じさせ、このレ
ーザ光を増幅する機能を有している。
【0025】光反射層6は、第2の誘電体層5上に薄膜
状に形成されている。光反射層6は、信号記録層4及び
第2の誘電体層5を透過したレーザ光を反射する反射層
としての機能を有している。これにより、相変化型光デ
ィスク1は、光反射層6が反射層としての機能を有して
いることから、記録再生時におけるレーザ光の利用効率
を向上することができる。
【0026】また、光反射層6は、信号記録層4に向け
て照射されたレーザ光によって、この信号記録層4に熱
が蓄熱されることを防止するヒートシンクとしての機能
を有している。これにより、相変化型光ディスク1で
は、信号記録層4の冷却速度が速くなってレーザ光によ
るアモルファス化が促進され、記録特性を向上すること
ができる。また、これにより、相変化型光ディスク1で
は、レーザ光が照射されたときの信号記録層4の温度分
布がなだらかとなり、記録時及び信号消去時のパワーマ
ージンを広くすることができる。
【0027】光反射層6を形成する材料としては、熱的
に良導体である非鉄金属元素またその化合物を単独で、
あるいは複合させて用いることが望ましく、例えば、A
u,Al等によって50nm〜300nmの膜厚で形成
されている。
【0028】保護膜層7は、例えば、スピンコーター等
により塗布した紫外線硬化樹脂を硬化させること等によ
って、光反射層6上に薄膜状に形成されている。相変化
型光ディスク1は、保護膜層7を備えることによって、
信号記録層4及び光反射層6が酸化等によって劣化して
しまうことを防止されている。また、基板2上に形成さ
れた各層に傷が生じることを防止することができる。
【0029】以上のように構成された相変化型光ディス
ク1は、信号記録層4の初期状態を結晶状態とされてい
る。そして、相変化型光ディスク1は、記録再生装置に
装着され、所定の線速度又は所定の回転数となるように
回転制御された状態で、信号記録層4に対して記録信号
の記録、消去、或いは再生が行われる。
【0030】具体的には、例えば、線速度が4.8m/
sとなるように回転制御されるとともに、記録再生に用
いるレーザ光の波長λとレンズ開口数NAとの関係が以
下の式1を満足するような光学系を用いられる。
【0031】
【数1】
【0032】相変化型光ディスク1は、記録信号を記録
される際に、記録再生装置によって所定の出力のレーザ
光が基板2の外方に臨む主面2aから入射され、信号記
録層4に対して照射される。これにより、信号記録層4
は、レーザ光の照射位置で融点温度以上に昇温される。
その後、信号記録層4は冷却されて、この位置でアモル
ファス状態となる。相変化型光ディスクでは、記録信号
に応じて、アモルファス状態とされた部位、すなわち、
記録マークを信号記録層4に形成されることによって、
記録信号を記録する。
【0033】また、相変化型光ディスク1は、上述と同
様の出力でレーザ光を照射されることによって、照射位
置が結晶状態であるかアモルファス状態であるかに依ら
ずに、信号記録層4に記録された記録信号の書き換え、
いわゆるオーバーライトを行うことができる。
【0034】相変化型光ディスク1は、信号記録層4に
記録された記録信号を消去される際に、記録時よりも弱
い出力のレーザ光を照射され、この照射位置で信号記録
層4が結晶化温度以上且つ融点温度以下に昇温される。
これにより、信号記録層4は、この照射位置で、照射前
の状態に依らずに結晶状態となる。なお、相変化型光デ
ィスク1は、このような記録信号の消去を信号記録層4
の全面にわたって行われることで、信号記録層4の全面
が結晶状態に初期化される。
【0035】相変化型光ディスク1は、信号記録層4に
記録された記録信号を再生される際に、記録信号の消去
時よりもさらに弱い出力のレーザ光を照射される。この
とき、記録再生装置は、このレーザ光が信号記録層4に
反射して戻ってきた戻り光を検出し、レーザ光の照射位
置で信号記録層4が結晶状態であるかアモルファス状態
であるかにより反射率が異なることを利用して記録信号
を再生する。
【0036】ところで、相変化型光ディスク1は、上述
したように信号記録層4がGeSbTe系材料によって
形成されている。GeSbTe系材料は、一般に、相変
化型光ディスクの信号記録層に用いた場合に、繰り返し
耐久性が優れていることが知られている。しかしなが
ら、従来の相変化型光ディスクは、GeSbTe系材料
によって信号記録層を形成した場合に、繰り返し記録を
数回から数十回行ったとき、すなわち初期記録段階での
ジッターが急激に増加してしまうという問題があった。
【0037】本発明者は、この問題の解決を図るため
に、信号記録層4に形成された記録マークを透過型電子
顕微鏡(TEM)で観察することにより、以下で説明す
る事実を見出した。以下では、図2を参照しながら説明
することとする。なお、図2は、記録マーク上、又は一
度記録マークが形成された後の結晶上に形成された新し
い記録マーク10を示す模式図である。図2中矢印A
は、レーザ光のスポットの移動方向を示す。また、以下
の説明においては、便宜上、記録マーク10がレーザ光
によって最初にアモルファス化される端部を先端部10
aと称し、これと反対側の端部を後端部10bと称す
る。
【0038】記録マーク10は、信号記録層4がアモル
ファス化されることによって形成されているが、本発明
者らの観察によって、その後端部10bに侵入するよう
に結晶粒11が形成されていることが確認された。これ
により、記録マーク10は、後端部10bでのマーク形
状が歪んで形成されている。上述したようなジッターの
急激な増加は、繰り返し記録を行ったときに、このマー
ク形状の歪みがなかなか平均化されないことに起因して
いると考えられる。なお、従来の相変化型光ディスクに
おける結晶粒11の平均粒径は、約80nmであった。
【0039】そこで、本発明者らは、結晶粒11の平均
粒径を小さくすることによって、記録マーク10の後端
部10bでの歪みを減少させ、ジッターの増加を抑制す
ることができるという知見を得た。粒径の小さい結晶相
を得るためには、結晶核を増やすことが有効である。信
号記録層4中に結晶核を増やすためには、この信号記録
層4に不純物を混入させる方法、信号記録層4と誘電体
層との界面に核を発生させる層を形成する方法等が挙げ
られる。
【0040】本発明に係る相変化型光ディスク1は、信
号記録層4が後述する方法によって形成されたことによ
り、この信号記録層4に不純物が混入されて形成されて
いる。これにより、相変化型光ディスク1では、信号記
録層4に混入された不純物が結晶核として働き、記録マ
ーク10の後端部10bに侵入する結晶粒11の平均粒
径が50nm以下とされている。
【0041】したがって、相変化型光ディスク1は、記
録マーク10のマーク形状に生じる歪みが低減されてお
り、初期記録段階でのジッターの急激な増加が抑制され
ている。これにより、相変化型光ディスク1は、信号記
録層4がGeSbTe系材料により形成されたことによ
って優れた繰り返し耐久性を備えるとともに、ジッター
の急激な増加を抑制されたことにより安定した記録再生
特性を備える光記録媒体として用いることができる。具
体的には、相変化型光ディスク1は、記録再生を数万回
以上繰り返して行った場合であっても、良好な再生信号
が得られるものとなる。
【0042】以下では、本発明に係る相変化型光ディス
クについて、実験例に基づいて説明する。以下では、ま
ず、上述した相変化型光ディスク1と同様にして、複数
の相変化型光ディスクを作製した。
【0043】実験例1 実験例1では、直径が120mm、厚みが0.6mm、
トラックピッチが約0.8μmである基板上に各層を形
成し、接着剤を介して保護膜層側同士で2枚の基板を貼
り合わせることによって、従来と同様な相変化型光ディ
スクを作製した。基板上に各層を形成するにあたり、用
いた材料と膜厚とを以下に示す。
【0044】 実験例1の相変化型光ディスクの層構成 第1の誘電体層 : ZnS−SiO2(膜厚120nm) 信号記録層 : GeSbTe系材料(膜厚25nm) 第2の誘電体層 : ZnS−SiO2(膜厚15nm) 光反射層 : Al合金(膜厚150nm) 保護膜層 : 紫外線硬化樹脂(膜厚10μm) なお、この相変化型光ディスクは、各信号記録層毎に約
3.0GBの記録容量を有している。また、この相変化
型光ディスクを作製するにあたり、信号記録層は、ター
ゲット材としてGe2Sb2Te5を用い、従来と同様に
Arガス雰囲気中でスパッタリング法によって形成し
た。
【0045】実験例2〜実験例6 実験例2〜実験例6では、信号記録層を形成する際に、
CH4ガスを混合したArガス雰囲気中でスパッタ成膜
した他は、上述した実験例1と同様にして相変化型光デ
ィスクを作製した。
【0046】各実験例の相変化型光ディスクを作製する
に際して、信号記録層を形成する際に用いたスパッタガ
スのうち、Arガスに対してCH4ガスの占める割合を
表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】つぎに、実験例1〜実験例5の相変化型光
ディスクに対して、上述したように、信号記録層の全面
に初期化処理を施した後、記録再生装置によって、図3
に示すような発光パターンで波長650nmであるレー
ザ光を照射し、EFMランダムパターンを記録した。な
お、図3(a)は、単位長さの11倍の長さを有する記
録マーク(11T信号)を形成するときのレーザ光の発
光パターンを示し、図3(b)は、単位長さの3倍の長
さを有する記録マーク(3T信号)を形成するときのレ
ーザ光の発光パターンを示す。このとき、ディスクの線
速度は4.8m/sであり、チャンネルクロックは2
7.7MHzであるとした。また、記録再生装置として
は、記録パワーPhが14.5mWであり、消去パワー
Plが5.8mWであり、冷却パワーPcが1.5mW
である装置を用いた。
【0049】実験例1の相変化型光ディスクに対して、
上述したような発光パターンで10000回まで繰り返
し記録を行ったときの、再生信号のジッターを測定した
結果を図4に示す。なお、図4では、図2で示したよう
な記録マークの先端部でのジッター、後端部でのジッタ
ー、及びこれら先端部と後端部でのジッターを平均した
ジッターを示す。図4から明らかであるように、再生信
号のジッターは、記録動作を最初に数回繰り返したと
き、すなわち初期記録段階で最も高く、記録回数を増や
すにつれて減少してゆくことが分かる。また、記録マー
クの先端部でのジッターと比較して、後端部でのジッタ
ーが高いことがわかる。
【0050】また、実験例1〜実験例5の相変化型光デ
ィスクに対して、上述したような発光パターンで100
00回まで繰り返し記録を行ったときの、再生信号の平
均ジッターを測定した結果を図5に示す。さらに、この
とき、これら相変化型光ディスクの信号記録層を透過型
電子顕微鏡(TEM)によって観察し、図2に示したよ
うに、記録マークの後端部に侵入して形成されていた結
晶粒の平均粒径を測定した結果を図6に示す。なお、平
均粒径を求める際には、TEMによって得られた記録マ
ーク近傍の写真を、スキャナーを用いてコンピュータに
画像データとして取り込んだ。そして、コンピュータに
よって個々の結晶粒の面積を算出した後、結晶形状を円
と仮定して直径を求め、これを結晶粒の平均粒径とし
た。
【0051】図5に示す結果から、相変化型光ディスク
では、信号記録層を形成する際のスパッタガスにCH4
を混合する割合を増加するにつれて、初期記録段階での
急激なジッターの発生が抑制され、記録回数が少ない段
階から安定した記録再生が可能であることがわかる。具
体的には、スパッタガスにCH4を混合せずに信号記録
層を形成した実験例1の場合に、ジッターは最高で1
2.5%と高い値となり、CH4を5%以上混合したス
パッタガスを用いて信号記録層を形成した実験例3〜実
験例5の場合に、ジッターは9%を下回った値となっ
た。
【0052】したがって、本発明に係る相変化型光ディ
スクの製造方法では、安定した記録再生特性を確保する
ためにディスクの製造後に繰り返し記録を100回程度
行う工程が不要となり、相変化型光ディスクの生産効率
を向上させることができる。また、図5に示す結果から
明らかであるように、本発明に係る相変化型光ディスク
の製造方法によれば、従来の製造方法によって作製した
相変化型光ディスクよりもジッターが低減された相変化
型光ディスクを製造することができる。
【0053】相変化型光ディスクでは、一般にジッター
が9%以下である場合に、良好な記録再生を行うことが
できる。したがって、実験例3〜実験例5の場合のよう
に、スパッタガスにCH4を混合する割合を5%以上と
することが望ましい。
【0054】また、図6に示す結果から、信号記録層を
形成する際のスパッタガスにCH4を混合する割合を増
加するにつれて、記録マークの後端部に侵入して形成さ
れる結晶粒の平均粒径が小さくなることがわかる。この
結晶粒の平均粒径は、繰り返し記録を10000回まで
行った後も、ほぼ変化がみられない。また、図5に示し
た結果を考慮すると、実験例3〜実験例5の場合、すな
わち、記録マークの後端部に侵入して形成される結晶粒
の平均粒径が50nm以下である場合に、相変化型光デ
ィスクは、良好な記録再生を行うことができる。
【0055】つぎに、実験例1〜実験例6の相変化型光
ディスクについて、グルーブが形成された位置でのレー
ザ光に対する反射率を測定した結果を図7に示す。この
結果から、スパッタガスにCH4を混合する割合を増や
すに従って、反射率は単調に低下してゆくことがわか
る。相変化型光ディスクでは、一般に、レーザ光に対す
る反射率が11%以下である場合に、良好な記録再生を
行うのに十分な信号変調度を確保することができない。
したがって、図7に示す結果から、スパッタガスにCH
4を混合する割合を10%以下であることが望ましい。
【0056】以上の結果から、相変化型光ディスクを作
製するにあたり、信号記録層をスパッタ成膜する際に
は、Arガスに対するCH4の割合を5%以上、10%
以下とすることが望ましいといえる。
【0057】なお、本実験例においては、信号記録層を
形成する際のスパッタガスとして、Arガスに添加ガス
としてCH4ガスを混合するとしたが、本発明は、この
例に限定されるものではない。本発明で用いるスパッタ
ガスとしては、信号記録層に不純物を混入させて結晶核
の数を増やす作用があるガスを添加ガスとして希ガスに
混合すればよい。添加ガスとしては、例えば、CH4
同様なパラフィン系炭化水素であるエタン(C26)や
プロパン(C38)であってもよい。また、酸素、窒
素、二酸化炭素等のガスを添加ガスとして信号記録層を
スパッタ成膜しても、上述と同様の効果が得られる。ま
た、これらのガスを複数用いて希ガスに混合するとして
もよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る相変
化型光ディスクは、記録マーク上、又は一度記録マーク
が形成された後の結晶上に、新しい記録マークを形成し
た場合に、この記録マークのマーク形状の歪みが低減さ
れる。これにより、初期記録段階でのジッターの急激な
増加を抑制することができる。したがって、本発明に係
る相変化型光ディスクは、信号記録層がGeSbTe系
材料により形成されて優れた繰り返し耐久性を備えると
ともに、ジッターの急激な増加を抑制されて安定した記
録再生特性を備える光記録媒体として用いることができ
る。
【0059】また、本発明に係る相変化型光ディスクの
製造方法は、記録マーク上、又は一度記録マークが形成
された後の結晶上に新しい記録マークを形成した場合で
あっても、この記録マークの後端部への結晶の侵入が抑
制された相変化型光ディスクを製造することができる。
したがって、ジッターの発生を安定させるために、繰り
返し記録を100回程度行う工程が不要となり、相変化
型光ディスクの生産効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る相変化型光ディスクを示す要部拡
大断面図である。
【図2】同相変化型光ディスクの信号記録層に形成され
る記録マークを説明するための図である。
【図3】同相変化型光ディスクに対して照射するレーザ
光のパターンを示す図であり、(a)は11T信号を示
し、(b)は3T信号を示す図である。
【図4】従来の相変化型光ディスクと同様に作製した実
験例1の相変化型光ディスクにおける、繰り返し記録回
数とジッターとの関係を示す図である。
【図5】実験例1〜実験例5の相変化型光ディスクにお
ける、繰り返し記録回数とジッターとの関係を示す図で
ある。
【図6】実験例1〜実験例5の相変化型光ディスクにお
ける、繰り返し記録回数と、記録マーク後端部に形成さ
れる結晶粒の平均粒径との関係を示す図である。
【図7】実験例1〜実験例6の相変化型光ディスクにお
ける、CH4の混合割合と、レーザ光に対する反射率と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 相変化型光ディスク、2 基板、3 第1の誘電体
層、4 信号記録層、5 第2の誘電体層、6 光反射
層、7 保護膜層、8 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 史則 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 斎藤 喜浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JA01 JC09 JC18 5D121 AA01 EE03 EE14 EE17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも信号記録層が形成さ
    れてなり、この信号記録層に対して相変化記録方式によ
    って記録信号の記録及び/又は再生が行われる相変化型
    光ディスクであって、 上記信号記録層は、GeSbTe系材料によって構成さ
    れ、レーザ光を照射されることによって照射位置で結晶
    状態とアモルファス状態とに可逆的に変化するととも
    に、その初期状態を結晶状態とされ、 上記信号記録層が結晶状態からアモルファス状態に変化
    して形成される記録マークのレーザ光の移動方向に対す
    る後端部に発生する結晶粒の平均粒径が、50nm以下
    であることを特徴とする相変化型光ディスク。
  2. 【請求項2】 基板上に少なくとも信号記録層を形成し
    てなり、この信号記録層に対して相変化記録方式によっ
    て記録信号の記録及び/又は再生が行われる相変化型光
    ディスクの製造方法であって、 上記信号記録層を形成する際に、炭化水素ガス,窒素ガ
    ス,酸素ガス,及び二酸化炭素ガスから選ばれる少なく
    とも1種を含む添加ガスと、希ガスとの混合雰囲気中で
    ターゲット材をスパッタ成膜することにより、上記信号
    記録層に対してレーザ光が照射されることによって、こ
    の信号記録層が結晶状態からアモルファス状態に変化し
    て形成される記録マークのレーザ光の移動方向に対する
    後端部に発生する結晶粒の平均粒径が、50nm以下と
    なるようにすることを特徴とする相変化型光ディスクの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 上記信号記録層を形成する際には、上記
    添加ガスの割合を5%以上,且つ10%以下とすること
    を特徴とする請求項2記載の相変化型光ディスクの製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6989069B2 (en) 2001-12-14 2006-01-24 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method for producing an optical information recording medium
US7384723B2 (en) 2002-01-23 2008-06-10 Fujifilm Corporation Optical information recording medium
US8179763B2 (en) 2006-05-31 2012-05-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical disc, information recording method, and information reproducing method

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