JP2000299070A - マグネトロン - Google Patents

マグネトロン

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JP2000299070A JP11105081A JP10508199A JP2000299070A JP 2000299070 A JP2000299070 A JP 2000299070A JP 11105081 A JP11105081 A JP 11105081A JP 10508199 A JP10508199 A JP 10508199A JP 2000299070 A JP2000299070 A JP 2000299070A
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英幸 小畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプリアスレベルを従来より低く抑えること
が出来るマグネトロンの発振部の構造を提供する。 【解決手段】 一対のポールピースの各々の先端面の直
径をアノードベーンの内端面がつくる内接円直径より小
さくし、かつ該各々の先端面をアノードシリンダの管軸
と垂直に該アノードシリンダ方向へ延長した仮想線と該
一対のポールピースの該各々の先端面方向に径小となる
テーパ形状を有した外周面のつくる角度を20゜以上に
することにより、作用空間内の該アノードシリンダの管
軸方向でのカソード両端部の磁束密度を該カソード中心
部の磁束密度の1.1倍以上としたことを特徴とするマ
グネトロン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダー用マグネ
トロンにおいて、特に小さなスプリアスを得るための発
振部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8に従来の技術で設計されたレーダー
用マグネトロンの断面図を示す。円筒状のアノードシリ
ンダ1の管軸の中央に円筒形状のカソード2を配置し、
カソード2の周りには作用空間3をおいてアノードベー
ン4が放射状に等間隔で配列されている。一方、磁気回
路はマグネット5で発生した磁力をポールピース6に伝
え、ポールピース6を対向させることにより、カソード
2とアノードベーン4の間の作用空間3に平行で均一な
磁界を形成している。尚、本発明とは直接関係のないカ
ソード支持棒等は図では省略してある。
【0003】ポールピース6の外形に注目すると、マグ
ネット5との接触面よりカソード2側の対向する先端面
の直径を小さく絞ることにより磁力を効率よく伝えるよ
うにしている。また、ポールピース6のカソード2側の
先端面は、電子の作用空間3を挟む領域において均一な
磁界を得るために、アノードシリンダ1の管軸に対し垂
直な平面に仕上げ、かつその平らな先端面の直径(φ
p)は放射状に等間隔で囲み並べられたアノードベーン
4の内端面がつくる内接円直径(φa)より大きくなる
ように設計されている。
【0004】入力軸を通すためにポールピース6の中央
に穴を開けた設計も行われており、均一な磁界を得る事
を目的として、穴の大きさを調節したり(特開平8−1
67383号公報)、穴を形成するエッジ部にC面取り
(45゜の面取り)を施す事がある。このように、従来
はマグネトロンの作用空間3の磁界を均一にするように
ポールピース6の形状が決定されていた。その理由は、
磁界が均一でないと電子に作用する磁力が不均一となり
電子軌道が安定せず、このため発振スペクトラムが悪化
し、マグネトロンとして必要な特性が確保できなくなる
と考えられてきたからである。なお、一般的に磁界の均
一性は5%以内とすることが技術的な常識となってい
る。(“MICROWAVE MAGNETRONS” GEORGE B. COLLINS
編集 マサチューセッツ工科大学放射線研究所シリーズ
1948年 を参考。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図9に発振周波数が
9.4GHzの従来のマグネトロンの出力スペクトラム
波形を示す。メインの発振(9.4GHz)のスペクト
ラムの他に9.8GHz付近にスプリアスが存在してい
る。本例のマグネトロンでは、このスプリアスレベルは
メインの波形に対し−29.59dBcである。
【0006】電波法ではレーダー装置から放射されるス
プリアスレベルについての規制は厳しく、メインの発振
出力に対しスプリアス出力は−40dBc以下であるこ
とが要求されており、この様なスプリアスの発生するマ
グネトロンをレーダー装置に使用する場合には、その伝
送回路中もしくはアンテナ部にフィルタを入れる必要が
あった。このため、構造が複雑となり、コストもかかっ
ていた。また、比較的安定な動作が可能であること等の
為に、現在のマグネトロンは多空洞のベーンストラップ
タイプが大多数を占めている。しかし、このタイプのマ
グネトロンでのスプリアスはメイン周波数帯に近い周波
数帯で生じるため、外部にフィルター等を取り付けて分
離することが難しく深刻な問題となっていた。
【0007】近年、レーダー装置からのスプリアス放射
レベルの規制は、厳しくなりつつあり、上記のような従
来のマグネトロンでは、他の特性は充分満足するものの
スプリアスに関しては、常に規制値内に抑えることが難
しく、また、さらに高いマージンでスプリアスを抑える
ことは大変困難になっていた。このような状況に鑑み、
本発明は上記の問題点を解決し、スプリアス低減用フィ
ルタ等の部品を用いることなくスプリアスレベルが小さ
いマグネトロンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】円筒状のアノードシリン
ダの管軸の中央に配置したカソードと、該アノードシリ
ンダの内周面に固定され該カソードの周りに作用空間を
おいて放射状に等間隔で囲み並べられているアノードベ
ーンと、該アノードシリンダの両端部に設けられ該カソ
ードおよび該作用空間を挟み対向して配置し該アノード
シリンダの管軸と垂直な各々の先端面を有する一対のポ
ールピースからなるマグネトロンにおいて、該一対のポ
ールピースの該各々の先端面の直径を該アノードベーン
の内端面がつくる内接円直径より小さくし、かつ該各々
の先端面を該アノードシリンダの管軸と垂直に該アノー
ドシリンダ方向へ延長した仮想線と該一対のポールピー
スの該各々の先端面方向に径小となるテーパ形状を有し
た外周面のつくる角度を20゜以上にすることにより、
該作用空間内の該アノードシリンダの管軸方向での該カ
ソード両端部の磁束密度を該カソード中心部の磁束密度
の1.1倍以上としたことを特徴とするマグネトロンを
提供する。
【0009】
【作用】このように構成することにより、定常的にスプ
リアスレベルを低減することができる。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の実施例でマグネトロンの断
面を示したものである。円筒状のアノードシリンダ1の
管軸の中央にカソード2を配置し、カソード2の周りに
は作用空間3をおいてアノードベーン4が放射状に等間
隔で配列されている。また、カソード2および作用空間
3を挟み一対のポールピース6を対向させている。本例
のマグネトロンは従来のマグネトロンと異なり、ポール
ピース6の相対向する各々の先端面の直径(φp)はア
ノードベーン4の内端面がつくる内接円直径(φa)よ
り小さくなっている(例えば、φp=4.2mm、φa
=6.9mm)。また、ポールピース6の相対向する各
々の先端面をアノードシリンダ1方向へ延長した仮想線
とポールピース6の外周面のつくるテーパの角度θ(以
下、ポールピース先端部角度)を30゜にしている。
【0011】図2に本実施例のマグネトロンの出力スペ
クトラム波形を示す。このスプリアスレベルはメインの
波形に対し−62.50dBcであり、要求値の−40
dBc以下をクリアしている。
【0012】図3に本実施例のマグネトロンのポールピ
ースが形成する磁界の磁束密度分布を示す。図に示すと
おり、ポールピース先端面近傍(ポールピース先端面か
らのの距離L=0.5mm)の磁束密度は極めて強くな
っている。また、作用空間内に磁束密度が大きい部分
(L=1mm)と小さい部分(L=3mm)が出来て、
その比(カソード両端部の磁束密度/カソード中心部の
磁束密度)は、約1.2であった。
【0013】従来はマグネトロンの作用空間内の磁束密
度は出来る限り均一にすべきであるとされていたが、各
種のマグネトロンを作製しスプリアスレベルとの関係を
調査したところ、作用空間内の管軸方向におけるカソー
ド両端部の磁束密度がカソード中心部の磁束密度よりも
かなり大きい場合の方がスプリアスレベルが良好である
との結果を今回新たに得た。
【0014】作用空間内の磁束密度に分布をもたせるた
めに、本実施例のマグネトロンでポールピース先端部角
度を変えてその特性を調査した結果を図4に示す。図4
の横軸はポールピース先端部角度、縦軸はそのマグネト
ロンのスプリアスレベルである。なおこの時、マグネト
ロン電流、マグネトロン電圧は同一となるように全体の
磁力を調整した。図4からわかるように、ポールピース
先端部角度が大きくなる程スプリアスレベルが小さくな
り良好な特性となっている。特に先端部角度が20゜以
上で要求値の−40dBc以下となっている。
【0015】作用空間内のカソード両端部とカソード中
心部の磁束密度の比をポールピース先端部角度に対しプ
ロットしたものが図5である。ポールピース先端部角度
を鋭角にすることにより、作用空間内の磁束密度分布が
不均一になっており、カソード両端部すなわちポールピ
ースに近い部分が大きく、カソード中心部が小さくなっ
ている。
【0016】図4、図5から、ポールピース先端部角度
を20゜以上にすることによりカソード両端部とカソー
ド中心部の磁束密度の比を1.1倍以上にすれば、スプ
リアスレベルは−40dBc以下に抑えることが可能で
あることが分かる。
【0017】以上の様に磁束密度に分布を持たせること
でスプリアスレベルが改善される。また、その機構の詳
細は現在のところ不明であるが次のようであろうと考え
られる。カソード両端部はカソード、アノード形状が変
化している部分であり、その電界は乱されている。その
乱れた電界付近の電子分布を低下させるように磁界が作
用している可能性がある。磁界を強くすることで、電子
はミラー効果(磁力線が漏斗状に収束しているミラーと
呼ばれる領域で斥力をうける現象)によって磁界の弱い
方に跳ね返され、電子分布はカソード中心部によせられ
る。その為に、均一に運動する電子の割合が増加しスプ
リアスが低減される。マグネトロンに必要なのは均一な
磁界ではなく、均一に運動する電子であり、その為に磁
界に分布を持たせることが必要になっていると考えられ
る。この時当然、マグネトロン電流、電圧は特性がとれ
るように全体として磁力を調整する必要がある。カソー
ド両端部の磁力を強くすればするほど即ち磁束密度の比
を大きくするほど、スプリアス低減の効果は出てくる
が、全体としてはマグネトロンの特性を取るために、磁
力を調整しなければならない。
【0018】図6に、本発明によるポールピースの他の
実施例を示す。図1に示したものとの差は、本発明の特
徴であるポールピース6の先端部の鋭角を得るために、
テーパ形状を2段階とし鋭角な部分を突出させたことで
ある。また、図7に、本発明によるポールピースの他の
実施例を示す。図1に示したものとの差は、ポールピー
ス6の先端部角度を90゜としていることである。以上
のような形状でも、φpをφaより小さくし、かつポー
ルピース先端部角度を20゜以上にすることにより、上
述したような効果が得られている。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればマ
グネトロン単体でのスプリアス放射レベルを低いレベル
で安定に抑制することができるようになるので、レーダ
ー装置全体としてのスプリアスレベルを従来より更に低
く抑えることができる。また、従来、スプリアスを低減
するために用いられていたフィルタを削減することが可
能になり経済性や、小型化に寄与する効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマグネトロンの断面図である。
【図2】本発明によるマグネトロンの出力スペクトラム
波形である。
【図3】本発明によるポールピースが形成する磁界の磁
束密度分布である。
【図4】本発明によるポールピース先端部角度とスプリ
アスレベルの関係である。
【図5】本発明によるポールピース先端部角度と磁束密
度の比を示す図である。
【図6】本発明による他の実施例を示すマグネトロンの
断面図である。
【図7】本発明による他の実施例を示すマグネトロンの
断面図である。
【図8】従来設計によるマグネトロンの断面図である。
【図9】従来設計によるマグネトロンの出力スペクトラ
ム波形である。
【符号の説明】
1.アノードシリンダ 2.カソード 3.作用空間 4.アノードベーン 5.マグネット 6.ポールピース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のアノードシリンダの管軸の中央
    に配置したカソードと、該アノードシリンダの内周面に
    固定され該カソードの周りに作用空間をおいて放射状に
    等間隔で囲み並べられているアノードベーンと、該アノ
    ードシリンダの両端部に設けられ該カソードおよび該作
    用空間を挟み対向して配置し該アノードシリンダの管軸
    と垂直な各々の先端面を有する一対のポールピースから
    なるマグネトロンにおいて、該一対のポールピースの該
    各々の先端面の直径を該アノードベーンの内端面がつく
    る内接円直径より小さくし、かつ該各々の先端面を該ア
    ノードシリンダの管軸と垂直に該アノードシリンダ方向
    へ延長した仮想線と該一対のポールピースの該各々の先
    端面方向に径小となるテーパ形状を有した外周面のつく
    る角度を20゜以上にすることにより、該作用空間内の
    該アノードシリンダの管軸方向での該カソード両端部の
    磁束密度を該カソード中心部の磁束密度の1.1倍以上
    としたことを特徴とするマグネトロン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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