JP2000299564A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 多層基板および多層基板の放熱構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】電子部品が実装される多層基板において、
前記多層基板は、絶縁部材からなる内層絶縁層と、
前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、
前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、
該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する層間接続部と、が順次積層されてなるものであって、
前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する穴に沿って前記内部伝熱層に接続するものであり、かつ前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層より前記表層絶縁層を介して、前記多層基板の前記表層絶縁層に接触して該多層基板を固定するケースに伝えることを特徴とする多層基板。
【請求項2】 前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する複数個の穴に沿って連続的形成されたものであって、
前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層及び前記層間接続部を介して前記ケースの近傍まで伝えられると共に、該内部伝熱層より該表層絶縁層を介して該ケースに伝えられてなることを特徴とする請求項1記載の多層基板。
【請求項3】電子部品が実装される多層基板において、
前記多層基板は、絶縁部材からなる内層絶縁層と、
前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、
前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、
該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する複数の層間接続部と、が順次積層されてなり、
前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する複数個の穴に沿って連続的に形成されたものであって、
前記電子部品からの熱が前記複数の層間接続部上に放出されることを特徴とする多層基板。
【請求項4】 前記複数の層間接続部上を覆うハンダが形成されてなることを特徴とする請求項2または請求項3記載の多層基板。
【請求項5】 前記内部伝熱層と、前記表層絶縁層と、前記層間接続部は前記多層基板の両面についてそれぞれ積層されてなるものであって、該両面における層間接続部はそれぞれ前記内層絶縁層を貫通して接続されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の多層基板。
【請求項6】 前記層間接続部にはハンダが充填されてなることを特徴とする請求項5記載の多層基板。
【請求項7】電子部品が実装される多層基板の放熱構造において、
絶縁部材からなる内層絶縁層と、前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する層間接続部と、が順次積層されてなるものであって、前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する穴に沿って前記内部伝熱層に接続する多層基板と、
該多層基板の前記表層絶縁層に接触して該多層基板を固定するケースと、を備え、
前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層より前記表層絶縁層を介してケースに伝えられることを特徴とする多層基板の放熱構造。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱素子等が実装されている多層基板の高密度実装化が実現でき、放熱性に優れ、コストを低減した多層基板および多層基板の放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来のプリント配線基板の放熱構造を示す図で、(a)はケースへの放熱構造図、(b)はヒートシンクへの放熱構造図である。
【0003】
発熱素子よりなる電子部品等が実装された多層基板の放熱構造は、図7(a),(b)に示すように従来例として、発熱素子90を熱伝導率の高い銅材等の金属材で形成された熱伝板3に取付けた後、この熱伝板3をさらに多層基板2に固定した状態でケース80に取付固定して、発熱素子90の熱を熱伝導率の比較的高い金属材で形成されたケース80に伝えて、このケース80から外方に放散する方法(図(a)による)と、発熱素子90を熱伝導率の高い銅材等の金属材で形成されたヒートシンク4と重ねて多層基板2に取付固定して、発熱素子90の熱をヒートシンク4に伝え、このヒートシンク4から外方に放散する方法(図(b)による)がある。
【0004】
この多層基板2の放熱構造について、図7(a)に示すケースへの放熱構造を説明し、図7(b)に示すヒートシンクへの放熱構造は説明を省略する。
【0005】
多層基板2は、ガラスエポキシ樹脂材で形成された内層絶縁層10と、内部伝熱層21と、表層絶縁層31と、外層パターン41とよりなり、積層プレス法等で成型されている。この成型では、内部伝熱層21と外層パターン41(又は固定ネジ65)との間に設けられている表層絶縁層31の厚みL11,12は絶縁性を必要とする厚み近く迄薄く加工する事が出来ない。この多層基板2には熱伝板3を固定する取付孔2aが設けられている。また、多層基板2には発熱素子等よりなる電子部品90,95が実装され、熱伝板3等を介してケース80に取付固定されている。
【0006】
発熱素子90は熱が発生するため、固定ネジ63を発熱素子90のベース部92に設けられた孔93に挿通し、熱伝板3に設けられたネジ孔3dに螺合して、熱伝板3に取付固定され、発熱素子90の熱が熱伝板3に伝導される。また、発熱素子90の端子91は多層基板2に設けられた外層パターン41にハンダ付けにより接続されている。
【0007】
熱伝板3は熱伝導率の高い銅材等で成型され、発熱素子90が取付られる取付面3aには取付ネジ孔3dが、多層基板2への取付面3bには取付ネジ3eが、ケース80への取付面3cには取付孔3fがそれぞれ形成されている。
【0008】
次に、ケース80への放熱構造の組立主要手順について説明する。
【0009】
発熱素子90を、熱伝板3の取付面3aに押圧し、固定ネジ63を発熱素子90の取付孔93に挿通し、熱伝板3のネジ孔3dに螺合して熱伝板3に取付固定する。この発熱素子90が固定された熱伝板3を、固定ネジ65を用いて、多層基板2の取付孔2aに挿通し、熱伝板3の取付ネジ孔3eに螺合し、多層基板2に取付固定する。
【0010】
次に、熱伝板3に取付られた発熱素子90及び他の電子部品95等を多層基板2に、それぞれの端子91、96を外層パターン41にハンダ付けして取付固定する。そして、発熱素子90及び他の電子部品95等が実装された多層基板2をケース80に熱伝板3を介して取付固定する。この取付は固定ネジ60を用いて、熱伝板3の取付孔3fに挿通し、ケース80に設けられたネジ孔81に螺合して、多層基板2が取付られている熱伝板3をケース80に固定する。
【0011】
これにより、発熱素子90から発生した熱は熱伝板3からケース80に伝わり、ケース80から外方に放散される。尚、内部伝熱層21からの表面等への熱放散は表層絶縁層31の厚みL11,12が厚いため僅かなものとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の多層基板の放熱構造では、発熱素子の電気使用量の増加に伴い、放熱性を高めることが要求された場合等においては、発熱素子をケースにより近く配設して熱伝板からの熱伝導を高めるか、又はヒートシンクの面積を大きく設ける必要があり、基板表面における高密度配線,高密度実装化を妨げる問題があった。また、積層プレス法等による積み上げ成型された基板の絶縁層は絶縁性を必要とする厚み近く迄薄く加工する事が出来ず、内部伝熱層から表面への熱伝導性が悪いため、熱伝板又はヒートシンクが必要となり、その部材費と発
熱素子の組立加工費等が加算して高価になる問題があった。
【0013】
本発明の目的は、高密度実装化された発熱素子を実装した多層基板での放熱性を向上すると共に、熱伝板又はヒートシンクなどを用いることなく、コスト削減を行うことにある。
【0014】
【問題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本発明は、電子部品が実装される多層基板において、前記多層基板は、絶縁部材からなる内層絶縁層と、前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する層間接続部と、が順次積層されてなるものであって、前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する穴に沿って前記内部伝熱層に接続するものであり、かつ前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層より前記表層絶縁層を介して、前記多層基板の前記表層絶縁層に接触して該多層基板を固定するケースに伝えることを特徴とするものである。
【0015】
また、電子部品が実装される多層基板において、前記多層基板は、絶縁部材からなる内層絶縁層と、前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する複数の層間接続部と、が順次積層されてなり、前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する複数個の穴に沿って連続的に形成されたものであって、前記電子部品からの熱が前記複数の層間接続部上に放出されることを特徴とするものである。
また、前記複数の層間接続部上を覆うハンダが形成されてなることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記内部伝熱層と、前記表層絶縁層と、前記層間接続部は前記多層基板の両面についてそれぞれ積層されてなるものであって、該両面における層間接続部はそれぞれ前記内層絶縁層を貫通して接続されてなることを特徴とするものである。
【0017】
また、前記層間接続部にはハンダが充填されてなることを特徴とするものである。 また、電子部品が実装される多層基板の放熱構造において、絶縁部材からなる内層絶縁層と、前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する層間接続部と、が順次積層されてなるものであって、前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する穴に沿って前記内部伝熱層に接続する多層基板と、該多層基板の前記表層絶縁層に接触して該多層基板を固定するケースと、を備え、前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層より前記表層絶縁層を介してケースに伝えられることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造について説明する。
【0019】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【0020】
第1の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、発熱素子90をビルドアップ方式で成型されたビルドアップ基板2に実装し、発熱素子90の熱を、ビルドアップ基板2に形成された外層パターン41と内部伝熱層21で伝導するものである。この伝導された熱は、表層絶縁層31の薄く形成された隙間L12部(従来の積層プレス法等の成型による基板に対し、本ビルドアップ方式の成型による多層基板ではこの隙間が1/2〜1/3で、100μm以下となる)を介して熱伝導率の比較的高い金属材で形成されたケース80に伝えられ、このケース80から外方へ放散するようにして放熱性が高められている。このビルドアップ方式は、内層基板(絶縁層)に、導体層と絶縁層とを順次交互に積層する技術である。これによって微細な多層配線を高精度に形成可能となり、また絶縁層は塗布により形成されるためガラスクロスを含まずに薄い絶縁層を形成することが可能になる。
【0021】
ビルドアップ基板2は、ガラスエポキシ樹脂材で形成された内部絶縁層10と、スルーホール40の導電部42の近傍にまで伸びた内部伝熱層21と、絶縁部材からなる表層絶縁層31と、その上に発熱素子90が実装される導電部材からなる外層パターン41と、外層パターン41より延設され、外層パターン41と内部伝熱層21とをメッキされた非貫通穴で接続するバイアホール50(層間接続部)が順次積層されて成型されている。この成型により、内部伝熱層21とスルーホール40の導電部42との間に設けられている表層絶縁層31の厚みL12が絶縁性を必要とする最小限の厚みの近くまで薄く加工され、内部伝熱層21の固定ネジ60側端部と、スルーホール40の導電部42とが近接した状態となる。このビルドアップ基板2には、発熱素子90の底面が外層パターン41に押圧された状態で、発熱素子90の端子91と共に外層パターン41にハンダ付けされている。
【0022】
また、このビルドアップ基板2の両端部にはケース80への取付用孔としてスルーホール40が設けられている。このスルーホール40には固定ネジ60が導電部42と接触しながら挿通されており、この固定ネジ60が取付ネジ孔81に螺合されたとき、スルーホール40の基板裏面側導電部42がケース80により押圧される。これと共に、スルーホール40の基板表面側導電部42が固定ネジ60のネジ頭により押圧され、固定ネジ60を介してビルドアップ基板2がケース80に取り付けられる。
【0023】
これにより、ビルドアップ基板2の表面に実装された発熱素子90の発生熱は図1に示す熱経路Hのように、外層パターン41、バイアホール50、内部伝熱層21へ伝導され、内部伝熱層21の固定ネジ60側端部より表層絶縁層31の隙間L12を介してスルーホール40の導電部42、固定ネジ60、更に固定ネジ60が螺合される取付ネジ孔81を経て熱伝導率の高い金属材で形成されたケ
ース80に伝わり、ケース80から外方に放散される。尚、ビルドアップ基板2の裏面に実装された発熱素子90の発生熱については固定ネジ60を介さずにケース80に伝わる。
【0024】
次に、本発明のビルドアップ基板の放熱構造の組立手順について説明する。
発熱素子90を発熱素子90の端子91と共に、外層パターン41にハンダ付けして、発熱素子90をビルドアップ基板2に取付固定する。そして、固定ネジ60をビルドアップ基板2のスルーホール40に挿通し、ケース80の取付ネジ孔81に螺合してビルドアップ基板2をケース80に取付固定する。
【0025】
以上説明したように第1の実施の形態によれば、表層絶縁層31の間隔L11,12が薄く形成されているので、表層絶縁層31を介して熱伝導が行われ、内部伝熱層21とスルーホール40との絶縁性を確保しつつ、高密度実装化された基板での放熱性が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費、組立加工費等のコストを削減することができる。尚、内部伝熱層21,表層絶縁層31を介在せずに、外層パターン41を直接、基板導電部42に接続する考え方もあるが、このようにしてしまうと発熱素子90とケース80との絶縁性が確保できなくなってしまう。またその分基板2の表面が導電パターンで専有されてしまい、表面のスペースに制約ができてしまう。本実施の形態ではこのような問題も解決することができる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。尚、第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0027】
本第2の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第1の実施の形態の放熱構造に対し、さらにビルドアップ基板2に実装されている発熱素子90とビルドアップ基板2が収納されているケース80との間の数カ所に連続的にバイアホール50が設けられたものである。また、バイアホール50と内部伝熱層21は固定ネジ60の近傍まで延設されている。
【0028】
これにより、ケース80から離れた位置に発熱素子90が実装されている場合には、発熱素子90の熱は、図2に示す熱経路Hのように複数のバイアホール50と内部伝熱層21とにより、ビルドアップ基板2が取付固定されている熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80の近辺まで効率良く伝導される。
【0029】
更に、伝導された熱は第1の実施の形態で示したように内部伝熱層21の固定ネジ60側端部より表層絶縁層31の隙間L12を介してスルーホール40の導電部42、固定ネジ60、更に固定ネジ60が螺合される取付ネジ孔81を経て熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80に伝わり、ケース80から外方に放散される。
【0030】
尚、本第2の実施の形態では、ビルドアップ基板2の表面の数カ所にバイアホール50を設けているが、これに限らず発熱素子90がビルドアップ基板2のケース80への取付部から近い位置に配設されている場合等には、それに合わせた数のバイアホール50を設けても良い。
【0031】
また、バイアホール50はいわば放熱フィンの形状となっているので、バイアホール50の表面からも発熱素子90の熱が放出され、上述した熱経路Hに加えて更に放熱効果がよくなる。
【0032】
以上説明したように第2の実施の形態によれば、表層絶縁層31の間隔L11,12が薄く形成されることにより、表層絶縁層31からの熱伝導が向上し、しかも数カ所にバイアホール50を設けることにより、ケース80から離れた位置に配設された発熱素子90からの熱もケース80まで有効に伝導可能にしているので、高密度実装化された基板での放熱性が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費、組立加工費等のコストを削減することができる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図3は本発明の第3の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【0034】
本第3の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第2の実施の形態の放熱構造に対し、熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80への熱伝導とは無関係に、発熱素子90の熱をビルドアップ基板2の表面の数カ所に形成されているバイアホール50を通じて、表面積が増やされたバイアホール50の表面から外方に放散するようにしている。この相違点以外は第2の実施の形態と同様の構成なので、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
従って、本第3の実施の形態は、例えばビルドアップ基板2が収納された状態が熱伝導率の高い金属材が使用されていないラック85等へ、レール86を介して挿入固定される場合等に適用される。
【0036】
これにより、ビルドアップ基板2に適当な外部放熱体(金属ケース等)がなくとも、発熱素子90から発生した熱は、図3に示す熱経路Hのように、ビルドアップ基板2の表面の数カ所に設けられたバイアホール50、内部伝熱層21、及び薄く成型された表層絶縁層31とを通じて、ビルドアップ基板2の表面から外方に放散される。
【0037】
以上のように第3の実施の形態によれば、ビルドアップ基板2に適当な外部放熱体(金属ケース等)がなくとも、表面積が増やされたいわば放熱フィンの形状を有するバイアホール50の表面から熱放散が行える。
【0038】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図4は本発明の第4の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。尚、第2の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
本第4の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第2の実施の形態に対し、さらに複数のバイアホール50のコップ形状に形成された内部と外層パターン41の表面上にクリームハンダ55を施したもので、熱伝導率の高い材料で体積が増やされ、熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80への熱伝導を向上したものである。
【0040】
これにより、発熱素子90が離れた位置に配設されていても、発熱素子90から発生した熱は、図4に示す熱経路Hのように、複数のバイアホール50と外層パターン41との表面に充填されたクリームハンダ55と内部伝熱層21とにより、ビルドアップ基板2が取付固定されている熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80の近辺までより効率的に伝導される。
【0041】
更に、伝導された熱は第1、第2の実施の形態で示したように内部伝熱層21の固定ボルト60側端部より表層絶縁層31の隙間L12を介してスルーホール40の導電部42、固定ネジ60、更に固定ネジ60が螺合される取付ネジ孔81を経て熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80に伝わり、ケース80から外方に放散される。
【0042】
尚、ビルドアップ基板2に適当な外部放熱体(金属ケース80等)がなくとも、発熱素子90から発生した熱は、ビルドアップ基板2の表面に形成された複数のバイアホール50と外層パターン41より熱伝導率の高いクリームハンダ55を介して、ビルドアップ基板2の表面からも外方に放散されるので、第3の実施の形態における構造にも本発明は適用可能である。
【0043】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図5は本発明の第5の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。尚、第3の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
本第5の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第3の実施の形態に対し、ビルドアップ基板2の表面の数カ所に形成されている図3に示すバイアホール50を、さらに裏面にも設けて、内層絶縁層10を貫通して、表面のバイアホール50と裏面のバイアホール50とを層間接続した貫通バイアホール58を形成したものである。これによって、ビルドアップ基板2の両表面から外方への熱放散に、さらに貫通バイアホール58の貫通孔から外方への熱放散を加わえることができる。また、このビルドアップ基板2はラック85等に設けられた
レール86へ挿入収納されている。
【0045】
以上のように、発熱素子90がビルドアップ基板2の任意の位置に配設されていても、発熱素子90から発生した熱は、図5に示す熱経路Hのように、ビルドアップ基板2の両表面の数カ所に設けられた貫通バイアホール58、内部伝熱層21、及び薄く成型された表層絶縁層31とを介して、ビルドアップ基板2の両表面から外方に放散される。従って、特にラック85への放散が困難な構造の形態においても、本第5の実施の形態が適用でき、高密度実装化された基板での放熱性が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費
、組立加工費等のコストを削減することができる。
【0046】
尚、本例においては、第3の実施の形態について説明したが、これに限らず第1の実施の形態、又は第2の実施の形態に適用しても良い。
【0047】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図6は本発明の第6の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。尚、第5の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
本第6の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第5の実施の形態に対し、ビルドアップ基板2の両表面の数カ所に形成されている図5に示す複数の貫通バイアホール58の円筒形状に形成された穴部と外層パターン41の両表面上に、さらにクリームハンダ55を充填して、熱伝導率の高い材料で体積を増やしたものである。これによって、発熱素子90の近傍と離れた位置での貫通バイアホール58、内部伝熱層21、及び薄く成型された表層絶縁層31との温度差(熱抵抗)が少なくなり、ビルドアップ基板2の両表面から外方への熱をより効率的に放散できる。また、このビルドアップ基板2はラック85等に設けられたレール86へ挿入収納されている。
【0049】
以上のように、発熱素子90がビルドアップ基板2の任意の位置に配設されていても、発熱素子90から発生した熱は、図6に示す熱経路Hのように、ビルドアップ基板2の両表面の数カ所に設けられた貫通バイアホール58を有する両表面のクリームハンダ55を介して、ビルドアップ基板2の両表面から外方に放散される。従って、特にラック85への放散が困難な構造の形態においても、本第6の実施の形態が適用でき、高密度実装化された基板での放熱性が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費、組立加工費等のコストを削減することができる。
【0050】
尚、本例においては、第3の実施の形態について説明したが、これに限らず第1の実施の形態、又は第2の実施の形態に適用しても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、熱伝導性が向上し、発熱素子の熱を基板表面、又は基板取付用ケースから放散する放散能力が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費、組立加工費等のコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図2】
本発明の第2の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図3】
本発明の第3の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図4】
本発明の第4の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図5】
本発明の第5の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図6】
本発明の第6の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図7】
従来のプリント配線基板の放熱構造を示す図である。
【符号の説明】
2・・・ビルドアップ基板
3・・・熱伝板
4・・・ヒートシンク
10・・・エポキシ樹脂材(内層絶縁層)
21・・・内部伝熱層
31・・・表層絶縁層
41・・・外層パターン
50・・・バイアホール
55・・・クリームハンダ
58・・・貫通バイアホール
80・・・ケース
85・・・ラック
86・・・レール
90・・・発熱素子
【発明の名称】 多層基板および多層基板の放熱構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】電子部品が実装される多層基板において、
前記多層基板は、絶縁部材からなる内層絶縁層と、
前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、
前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、
該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する層間接続部と、が順次積層されてなるものであって、
前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する穴に沿って前記内部伝熱層に接続するものであり、かつ前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層より前記表層絶縁層を介して、前記多層基板の前記表層絶縁層に接触して該多層基板を固定するケースに伝えることを特徴とする多層基板。
【請求項2】 前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する複数個の穴に沿って連続的形成されたものであって、
前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層及び前記層間接続部を介して前記ケースの近傍まで伝えられると共に、該内部伝熱層より該表層絶縁層を介して該ケースに伝えられてなることを特徴とする請求項1記載の多層基板。
【請求項3】電子部品が実装される多層基板において、
前記多層基板は、絶縁部材からなる内層絶縁層と、
前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、
前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、
該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する複数の層間接続部と、が順次積層されてなり、
前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する複数個の穴に沿って連続的に形成されたものであって、
前記電子部品からの熱が前記複数の層間接続部上に放出されることを特徴とする多層基板。
【請求項4】 前記複数の層間接続部上を覆うハンダが形成されてなることを特徴とする請求項2または請求項3記載の多層基板。
【請求項5】 前記内部伝熱層と、前記表層絶縁層と、前記層間接続部は前記多層基板の両面についてそれぞれ積層されてなるものであって、該両面における層間接続部はそれぞれ前記内層絶縁層を貫通して接続されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の多層基板。
【請求項6】 前記層間接続部にはハンダが充填されてなることを特徴とする請求項5記載の多層基板。
【請求項7】電子部品が実装される多層基板の放熱構造において、
絶縁部材からなる内層絶縁層と、前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する層間接続部と、が順次積層されてなるものであって、前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する穴に沿って前記内部伝熱層に接続する多層基板と、
該多層基板の前記表層絶縁層に接触して該多層基板を固定するケースと、を備え、
前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層より前記表層絶縁層を介してケースに伝えられることを特徴とする多層基板の放熱構造。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱素子等が実装されている多層基板の高密度実装化が実現でき、放熱性に優れ、コストを低減した多層基板および多層基板の放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来のプリント配線基板の放熱構造を示す図で、(a)はケースへの放熱構造図、(b)はヒートシンクへの放熱構造図である。
【0003】
発熱素子よりなる電子部品等が実装された多層基板の放熱構造は、図7(a),(b)に示すように従来例として、発熱素子90を熱伝導率の高い銅材等の金属材で形成された熱伝板3に取付けた後、この熱伝板3をさらに多層基板2に固定した状態でケース80に取付固定して、発熱素子90の熱を熱伝導率の比較的高い金属材で形成されたケース80に伝えて、このケース80から外方に放散する方法(図(a)による)と、発熱素子90を熱伝導率の高い銅材等の金属材で形成されたヒートシンク4と重ねて多層基板2に取付固定して、発熱素子90の熱をヒートシンク4に伝え、このヒートシンク4から外方に放散する方法(図(b)による)がある。
【0004】
この多層基板2の放熱構造について、図7(a)に示すケースへの放熱構造を説明し、図7(b)に示すヒートシンクへの放熱構造は説明を省略する。
【0005】
多層基板2は、ガラスエポキシ樹脂材で形成された内層絶縁層10と、内部伝熱層21と、表層絶縁層31と、外層パターン41とよりなり、積層プレス法等で成型されている。この成型では、内部伝熱層21と外層パターン41(又は固定ネジ65)との間に設けられている表層絶縁層31の厚みL11,12は絶縁性を必要とする厚み近く迄薄く加工する事が出来ない。この多層基板2には熱伝板3を固定する取付孔2aが設けられている。また、多層基板2には発熱素子等よりなる電子部品90,95が実装され、熱伝板3等を介してケース80に取付固定されている。
【0006】
発熱素子90は熱が発生するため、固定ネジ63を発熱素子90のベース部92に設けられた孔93に挿通し、熱伝板3に設けられたネジ孔3dに螺合して、熱伝板3に取付固定され、発熱素子90の熱が熱伝板3に伝導される。また、発熱素子90の端子91は多層基板2に設けられた外層パターン41にハンダ付けにより接続されている。
【0007】
熱伝板3は熱伝導率の高い銅材等で成型され、発熱素子90が取付られる取付面3aには取付ネジ孔3dが、多層基板2への取付面3bには取付ネジ3eが、ケース80への取付面3cには取付孔3fがそれぞれ形成されている。
【0008】
次に、ケース80への放熱構造の組立主要手順について説明する。
【0009】
発熱素子90を、熱伝板3の取付面3aに押圧し、固定ネジ63を発熱素子90の取付孔93に挿通し、熱伝板3のネジ孔3dに螺合して熱伝板3に取付固定する。この発熱素子90が固定された熱伝板3を、固定ネジ65を用いて、多層基板2の取付孔2aに挿通し、熱伝板3の取付ネジ孔3eに螺合し、多層基板2に取付固定する。
【0010】
次に、熱伝板3に取付られた発熱素子90及び他の電子部品95等を多層基板2に、それぞれの端子91、96を外層パターン41にハンダ付けして取付固定する。そして、発熱素子90及び他の電子部品95等が実装された多層基板2をケース80に熱伝板3を介して取付固定する。この取付は固定ネジ60を用いて、熱伝板3の取付孔3fに挿通し、ケース80に設けられたネジ孔81に螺合して、多層基板2が取付られている熱伝板3をケース80に固定する。
【0011】
これにより、発熱素子90から発生した熱は熱伝板3からケース80に伝わり、ケース80から外方に放散される。尚、内部伝熱層21からの表面等への熱放散は表層絶縁層31の厚みL11,12が厚いため僅かなものとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の多層基板の放熱構造では、発熱素子の電気使用量の増加に伴い、放熱性を高めることが要求された場合等においては、発熱素子をケースにより近く配設して熱伝板からの熱伝導を高めるか、又はヒートシンクの面積を大きく設ける必要があり、基板表面における高密度配線,高密度実装化を妨げる問題があった。また、積層プレス法等による積み上げ成型された基板の絶縁層は絶縁性を必要とする厚み近く迄薄く加工する事が出来ず、内部伝熱層から表面への熱伝導性が悪いため、熱伝板又はヒートシンクが必要となり、その部材費と発
熱素子の組立加工費等が加算して高価になる問題があった。
【0013】
本発明の目的は、高密度実装化された発熱素子を実装した多層基板での放熱性を向上すると共に、熱伝板又はヒートシンクなどを用いることなく、コスト削減を行うことにある。
【0014】
【問題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本発明は、電子部品が実装される多層基板において、前記多層基板は、絶縁部材からなる内層絶縁層と、前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する層間接続部と、が順次積層されてなるものであって、前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する穴に沿って前記内部伝熱層に接続するものであり、かつ前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層より前記表層絶縁層を介して、前記多層基板の前記表層絶縁層に接触して該多層基板を固定するケースに伝えることを特徴とするものである。
【0015】
また、電子部品が実装される多層基板において、前記多層基板は、絶縁部材からなる内層絶縁層と、前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する複数の層間接続部と、が順次積層されてなり、前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する複数個の穴に沿って連続的に形成されたものであって、前記電子部品からの熱が前記複数の層間接続部上に放出されることを特徴とするものである。
また、前記複数の層間接続部上を覆うハンダが形成されてなることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記内部伝熱層と、前記表層絶縁層と、前記層間接続部は前記多層基板の両面についてそれぞれ積層されてなるものであって、該両面における層間接続部はそれぞれ前記内層絶縁層を貫通して接続されてなることを特徴とするものである。
【0017】
また、前記層間接続部にはハンダが充填されてなることを特徴とするものである。 また、電子部品が実装される多層基板の放熱構造において、絶縁部材からなる内層絶縁層と、前記内層絶縁層上に形成される導電性部材からなる内部伝熱層と、前記内部伝熱層上に形成される表層絶縁層と、該表層絶縁層上に実装された前記電子部品と前記内部伝熱層とを接続する層間接続部と、が順次積層されてなるものであって、前記層間接続部は前記表層絶縁層を貫通する穴に沿って前記内部伝熱層に接続する多層基板と、該多層基板の前記表層絶縁層に接触して該多層基板を固定するケースと、を備え、前記電子部品からの熱が前記内部伝熱層より前記表層絶縁層を介してケースに伝えられることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造について説明する。
【0019】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【0020】
第1の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、発熱素子90をビルドアップ方式で成型されたビルドアップ基板2に実装し、発熱素子90の熱を、ビルドアップ基板2に形成された外層パターン41と内部伝熱層21で伝導するものである。この伝導された熱は、表層絶縁層31の薄く形成された隙間L12部(従来の積層プレス法等の成型による基板に対し、本ビルドアップ方式の成型による多層基板ではこの隙間が1/2〜1/3で、100μm以下となる)を介して熱伝導率の比較的高い金属材で形成されたケース80に伝えられ、このケース80から外方へ放散するようにして放熱性が高められている。このビルドアップ方式は、内層基板(絶縁層)に、導体層と絶縁層とを順次交互に積層する技術である。これによって微細な多層配線を高精度に形成可能となり、また絶縁層は塗布により形成されるためガラスクロスを含まずに薄い絶縁層を形成することが可能になる。
【0021】
ビルドアップ基板2は、ガラスエポキシ樹脂材で形成された内部絶縁層10と、スルーホール40の導電部42の近傍にまで伸びた内部伝熱層21と、絶縁部材からなる表層絶縁層31と、その上に発熱素子90が実装される導電部材からなる外層パターン41と、外層パターン41より延設され、外層パターン41と内部伝熱層21とをメッキされた非貫通穴で接続するバイアホール50(層間接続部)が順次積層されて成型されている。この成型により、内部伝熱層21とスルーホール40の導電部42との間に設けられている表層絶縁層31の厚みL12が絶縁性を必要とする最小限の厚みの近くまで薄く加工され、内部伝熱層21の固定ネジ60側端部と、スルーホール40の導電部42とが近接した状態となる。このビルドアップ基板2には、発熱素子90の底面が外層パターン41に押圧された状態で、発熱素子90の端子91と共に外層パターン41にハンダ付けされている。
【0022】
また、このビルドアップ基板2の両端部にはケース80への取付用孔としてスルーホール40が設けられている。このスルーホール40には固定ネジ60が導電部42と接触しながら挿通されており、この固定ネジ60が取付ネジ孔81に螺合されたとき、スルーホール40の基板裏面側導電部42がケース80により押圧される。これと共に、スルーホール40の基板表面側導電部42が固定ネジ60のネジ頭により押圧され、固定ネジ60を介してビルドアップ基板2がケース80に取り付けられる。
【0023】
これにより、ビルドアップ基板2の表面に実装された発熱素子90の発生熱は図1に示す熱経路Hのように、外層パターン41、バイアホール50、内部伝熱層21へ伝導され、内部伝熱層21の固定ネジ60側端部より表層絶縁層31の隙間L12を介してスルーホール40の導電部42、固定ネジ60、更に固定ネジ60が螺合される取付ネジ孔81を経て熱伝導率の高い金属材で形成されたケ
ース80に伝わり、ケース80から外方に放散される。尚、ビルドアップ基板2の裏面に実装された発熱素子90の発生熱については固定ネジ60を介さずにケース80に伝わる。
【0024】
次に、本発明のビルドアップ基板の放熱構造の組立手順について説明する。
発熱素子90を発熱素子90の端子91と共に、外層パターン41にハンダ付けして、発熱素子90をビルドアップ基板2に取付固定する。そして、固定ネジ60をビルドアップ基板2のスルーホール40に挿通し、ケース80の取付ネジ孔81に螺合してビルドアップ基板2をケース80に取付固定する。
【0025】
以上説明したように第1の実施の形態によれば、表層絶縁層31の間隔L11,12が薄く形成されているので、表層絶縁層31を介して熱伝導が行われ、内部伝熱層21とスルーホール40との絶縁性を確保しつつ、高密度実装化された基板での放熱性が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費、組立加工費等のコストを削減することができる。尚、内部伝熱層21,表層絶縁層31を介在せずに、外層パターン41を直接、基板導電部42に接続する考え方もあるが、このようにしてしまうと発熱素子90とケース80との絶縁性が確保できなくなってしまう。またその分基板2の表面が導電パターンで専有されてしまい、表面のスペースに制約ができてしまう。本実施の形態ではこのような問題も解決することができる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。尚、第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0027】
本第2の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第1の実施の形態の放熱構造に対し、さらにビルドアップ基板2に実装されている発熱素子90とビルドアップ基板2が収納されているケース80との間の数カ所に連続的にバイアホール50が設けられたものである。また、バイアホール50と内部伝熱層21は固定ネジ60の近傍まで延設されている。
【0028】
これにより、ケース80から離れた位置に発熱素子90が実装されている場合には、発熱素子90の熱は、図2に示す熱経路Hのように複数のバイアホール50と内部伝熱層21とにより、ビルドアップ基板2が取付固定されている熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80の近辺まで効率良く伝導される。
【0029】
更に、伝導された熱は第1の実施の形態で示したように内部伝熱層21の固定ネジ60側端部より表層絶縁層31の隙間L12を介してスルーホール40の導電部42、固定ネジ60、更に固定ネジ60が螺合される取付ネジ孔81を経て熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80に伝わり、ケース80から外方に放散される。
【0030】
尚、本第2の実施の形態では、ビルドアップ基板2の表面の数カ所にバイアホール50を設けているが、これに限らず発熱素子90がビルドアップ基板2のケース80への取付部から近い位置に配設されている場合等には、それに合わせた数のバイアホール50を設けても良い。
【0031】
また、バイアホール50はいわば放熱フィンの形状となっているので、バイアホール50の表面からも発熱素子90の熱が放出され、上述した熱経路Hに加えて更に放熱効果がよくなる。
【0032】
以上説明したように第2の実施の形態によれば、表層絶縁層31の間隔L11,12が薄く形成されることにより、表層絶縁層31からの熱伝導が向上し、しかも数カ所にバイアホール50を設けることにより、ケース80から離れた位置に配設された発熱素子90からの熱もケース80まで有効に伝導可能にしているので、高密度実装化された基板での放熱性が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費、組立加工費等のコストを削減することができる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図3は本発明の第3の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【0034】
本第3の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第2の実施の形態の放熱構造に対し、熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80への熱伝導とは無関係に、発熱素子90の熱をビルドアップ基板2の表面の数カ所に形成されているバイアホール50を通じて、表面積が増やされたバイアホール50の表面から外方に放散するようにしている。この相違点以外は第2の実施の形態と同様の構成なので、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
従って、本第3の実施の形態は、例えばビルドアップ基板2が収納された状態が熱伝導率の高い金属材が使用されていないラック85等へ、レール86を介して挿入固定される場合等に適用される。
【0036】
これにより、ビルドアップ基板2に適当な外部放熱体(金属ケース等)がなくとも、発熱素子90から発生した熱は、図3に示す熱経路Hのように、ビルドアップ基板2の表面の数カ所に設けられたバイアホール50、内部伝熱層21、及び薄く成型された表層絶縁層31とを通じて、ビルドアップ基板2の表面から外方に放散される。
【0037】
以上のように第3の実施の形態によれば、ビルドアップ基板2に適当な外部放熱体(金属ケース等)がなくとも、表面積が増やされたいわば放熱フィンの形状を有するバイアホール50の表面から熱放散が行える。
【0038】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図4は本発明の第4の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。尚、第2の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
本第4の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第2の実施の形態に対し、さらに複数のバイアホール50のコップ形状に形成された内部と外層パターン41の表面上にクリームハンダ55を施したもので、熱伝導率の高い材料で体積が増やされ、熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80への熱伝導を向上したものである。
【0040】
これにより、発熱素子90が離れた位置に配設されていても、発熱素子90から発生した熱は、図4に示す熱経路Hのように、複数のバイアホール50と外層パターン41との表面に充填されたクリームハンダ55と内部伝熱層21とにより、ビルドアップ基板2が取付固定されている熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80の近辺までより効率的に伝導される。
【0041】
更に、伝導された熱は第1、第2の実施の形態で示したように内部伝熱層21の固定ボルト60側端部より表層絶縁層31の隙間L12を介してスルーホール40の導電部42、固定ネジ60、更に固定ネジ60が螺合される取付ネジ孔81を経て熱伝導率の高い金属材で形成されたケース80に伝わり、ケース80から外方に放散される。
【0042】
尚、ビルドアップ基板2に適当な外部放熱体(金属ケース80等)がなくとも、発熱素子90から発生した熱は、ビルドアップ基板2の表面に形成された複数のバイアホール50と外層パターン41より熱伝導率の高いクリームハンダ55を介して、ビルドアップ基板2の表面からも外方に放散されるので、第3の実施の形態における構造にも本発明は適用可能である。
【0043】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図5は本発明の第5の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。尚、第3の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
本第5の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第3の実施の形態に対し、ビルドアップ基板2の表面の数カ所に形成されている図3に示すバイアホール50を、さらに裏面にも設けて、内層絶縁層10を貫通して、表面のバイアホール50と裏面のバイアホール50とを層間接続した貫通バイアホール58を形成したものである。これによって、ビルドアップ基板2の両表面から外方への熱放散に、さらに貫通バイアホール58の貫通孔から外方への熱放散を加わえることができる。また、このビルドアップ基板2はラック85等に設けられた
レール86へ挿入収納されている。
【0045】
以上のように、発熱素子90がビルドアップ基板2の任意の位置に配設されていても、発熱素子90から発生した熱は、図5に示す熱経路Hのように、ビルドアップ基板2の両表面の数カ所に設けられた貫通バイアホール58、内部伝熱層21、及び薄く成型された表層絶縁層31とを介して、ビルドアップ基板2の両表面から外方に放散される。従って、特にラック85への放散が困難な構造の形態においても、本第5の実施の形態が適用でき、高密度実装化された基板での放熱性が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費
、組立加工費等のコストを削減することができる。
【0046】
尚、本例においては、第3の実施の形態について説明したが、これに限らず第1の実施の形態、又は第2の実施の形態に適用しても良い。
【0047】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図6は本発明の第6の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。尚、第5の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
本第6の実施の形態に係るビルドアップ基板2の放熱構造は、第5の実施の形態に対し、ビルドアップ基板2の両表面の数カ所に形成されている図5に示す複数の貫通バイアホール58の円筒形状に形成された穴部と外層パターン41の両表面上に、さらにクリームハンダ55を充填して、熱伝導率の高い材料で体積を増やしたものである。これによって、発熱素子90の近傍と離れた位置での貫通バイアホール58、内部伝熱層21、及び薄く成型された表層絶縁層31との温度差(熱抵抗)が少なくなり、ビルドアップ基板2の両表面から外方への熱をより効率的に放散できる。また、このビルドアップ基板2はラック85等に設けられたレール86へ挿入収納されている。
【0049】
以上のように、発熱素子90がビルドアップ基板2の任意の位置に配設されていても、発熱素子90から発生した熱は、図6に示す熱経路Hのように、ビルドアップ基板2の両表面の数カ所に設けられた貫通バイアホール58を有する両表面のクリームハンダ55を介して、ビルドアップ基板2の両表面から外方に放散される。従って、特にラック85への放散が困難な構造の形態においても、本第6の実施の形態が適用でき、高密度実装化された基板での放熱性が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費、組立加工費等のコストを削減することができる。
【0050】
尚、本例においては、第3の実施の形態について説明したが、これに限らず第1の実施の形態、又は第2の実施の形態に適用しても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、熱伝導性が向上し、発熱素子の熱を基板表面、又は基板取付用ケースから放散する放散能力が向上できると共に、伝熱板又はヒートシンク等を用いることなく、部材費、組立加工費等のコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図2】
本発明の第2の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図3】
本発明の第3の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図4】
本発明の第4の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図5】
本発明の第5の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図6】
本発明の第6の実施の形態に係るビルドアップ基板の放熱構造を示す図である。
【図7】
従来のプリント配線基板の放熱構造を示す図である。
【符号の説明】
2・・・ビルドアップ基板
3・・・熱伝板
4・・・ヒートシンク
10・・・エポキシ樹脂材(内層絶縁層)
21・・・内部伝熱層
31・・・表層絶縁層
41・・・外層パターン
50・・・バイアホール
55・・・クリームハンダ
58・・・貫通バイアホール
80・・・ケース
85・・・ラック
86・・・レール
90・・・発熱素子
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