JP2000301103A - 焼却灰または飛灰の無害化処理方法 - Google Patents

焼却灰または飛灰の無害化処理方法

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JP2000301103A
JP2000301103A JP11114099A JP11409999A JP2000301103A JP 2000301103 A JP2000301103 A JP 2000301103A JP 11114099 A JP11114099 A JP 11114099A JP 11409999 A JP11409999 A JP 11409999A JP 2000301103 A JP2000301103 A JP 2000301103A
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chloride
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incinerated
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Tatsuo Goto
達男 後藤
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SHINSEI DENTAL LABORATORY KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率で容易に焼却灰または飛灰から重金属
類を除去して無害化するための処理方法を提供する。 【解決手段】 塩素化工程において、焼却灰を塩素、塩
素化合物又は塩素イオンの存在下で混練して、該焼却灰
または飛灰中に含まれる重金属類と亜鉛化合物及び/又
はスズ化合物を塩化物とする。続いて加熱除去工程にお
いて、この焼却灰または飛灰の混練物を600〜900
℃に加熱して塩化亜鉛及び/又は塩化スズとともに重金
属類の塩化物を揮発除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰または飛灰
から重金属類を除去して無害化するための処理方法に関
し、特に高効率で容易に焼却灰または飛灰から重金属類
を除去して無害化するための処理方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】産業廃棄物および都市
生活からの廃棄物等の内、可燃物は回収後、焼却炉で焼
却されて焼却灰の形態として投棄されたり埋設処分に付
されたりしている。しかしながら、これら焼却灰は鉛
(Pb)、カドミウム(Cd)、クロム(Cr)、水銀
(Hg)、ひ素(As)などの有害な重金属類を含んで
いるため、最近では規制が厳しくなり、各種溶出試験な
どにおいて一定のレベル以下でないと土壌中に投棄した
り路盤材として再利用することができなくなってきてい
る。その一方でこのような廃棄物を燃焼すると、各種成
分中の低沸点物質が揮散し、いわゆる飛灰となるが、こ
の飛灰は、前記焼却灰に比べて有害な重金属類などを非
常に多く含むので、一般廃棄物のように埋め立てること
ができないばかりか、外部環境に拡散させないために消
石灰を担持させたバグフィルターなどにこれを捕集して
いる。このような飛灰は、環境衛生上厳重な管理が必要
とされ、そのままでは投棄したり埋め立て資材として利
用することはできず、重金属類を水に不溶化してセメン
トなどとともにコンクリート成形体として埋め立てする
などされている。
【0003】しかしながら、近年産業廃棄物や一般家庭
からの廃棄物の量は増加の一途であり、既存の処分場の
飽和化と環境汚染の問題等から処分場用地の確保が困難
となっており、焼却灰、飛灰などをコンクリート成形体
として各種土木工事や建築工事の基礎としたり路盤材と
して再利用することが検討されている。
【0004】さらに、焼却炉からの焼却灰や飛灰を溶融
処理することにより減容化やダイオキシン類の熱分解を
図ることが行われているが、上記溶融処理においては蒸
気圧の大きい鉛やカドミウム等の重金属は、炉内で揮発
して排ガス中に入り、排ガスに入った重金属は排ガス処
理設備内で凝縮し、再び飛灰となってしまうという問題
点があった。
【0005】このような焼却灰又は飛灰から重金属類を
除去する処理方法として、特開平7−163965号公
報には、重金属を含む廃棄物を焼却し、燃焼排ガスをバ
グフィルターで処理する方法において、焼却前の廃棄物
に塩化物を混入させて焼却し、廃棄物中の重金属を金属
塩化物にして燃焼排ガス中に飛散させた上、燃焼排ガス
中に重金属の補集剤を噴霧してバグフィルターで前記重
金属の金属塩化物を除去する廃棄物の処理方法が開示さ
れている。
【0006】しかしながら、この廃棄物の処理方法は、
焼却前の廃棄物に塩化物を混入して焼却することにより
廃棄物中の重金属類を塩化物として飛散させるものであ
るため、廃棄物の容積が大きい場合には十分な効果を得
るには塩化物を多量に混入しなければならないという問
題点があった。また、重金属類を金属塩化物とする焼却
工程を800〜900℃で行っているが、このような温
度に廃棄物の燃焼をコントロールするのは困難であり、
高温域と低温域が生じ、低温域では不完全燃焼を生じ、
高温域では鉛が二酸化ケイ素と反応してその除去が困難
なケイ酸鉛となるななどの反応があこり、重金属類を完
全に除去することができないという問題点がある。
【0007】また、特開平7−214029号公報に
は、重金属を含有する焼却灰または飛灰を、塩素換算量
で少なくとも2重量%の塩化物の存在下で加熱処理して
重金属分を塩化物として揮発させることにより重金属を
飛灰中に濃縮する第1工程、および得られた飛灰を水性
溶液中に溶解し、さらに中和処理することによって重金
属分を固形沈殿物中に捕集した後、固液分離し、固形沈
殿物中の重金属を回収する第2工程、からなる焼却灰ま
たは飛灰の無害化処理による重金属のリサイクル方法が
開示されている。
【0008】しかしながら、この重金属のリサイクル方
法では、重金属類を塩化物の存在下で加熱処理して金属
塩化物としているが、このこれらの金属塩化物として汎
用的で飛灰中に多く含まれる塩化ナトリウムや塩化カル
シウムを用いるものであるので、800〜900℃の温
度における重金属類の除去率が必ずしも充分でなかっ
た。これは、この従来技術は、残渣を資源として非鉄製
錬所で処理することを目的としているためである。も
し、さらに低い温度で金属塩化物を効率よく揮発させる
ことができれば、二酸化ケイ素などのケイ素酸化物との
反応を抑制することができるだけでなく、エネルギー効
率の向上を図ることができて望ましい。
【0009】さらに特開平8−35018号公報には、
廃棄物の燃焼により発生する塩素をCaCl2として固
定化して含有する飛灰からの金属の回収方法であって、
a)該飛灰を酸化雰囲気中下でせん断力を加えながら加
熱し、CaCl2の分解により発生する塩素及び塩化水
素と飛灰中に含有される金属成分とを反応させ、b)こ
れにより生成し揮発する金属塩化物を、吸収液と接触さ
せて溶解回収し、c)得られた回収液から溶存金属を分
別的に回収する、飛灰からの金属の回収方法が開示され
ている。
【0010】しかしながら、この飛灰からの金属の回収
方法は、飛灰中に含まれるCaCl 2を利用し、このC
aCl2を分解して得られる塩素及び塩化水素などの塩
素系ガスと、金属成分とを反応させるものであるが、C
aCl2は安定な塩化物であるので、普通は600〜1
000℃では分解せず、塩素や塩化水素を発生しないた
め、重金属類の除去効果があまり得られないという問題
点がある。これは、この方法はいわゆる塩化焙焼と呼ば
れるものであり、酸化性雰囲気下で塩化物とともに焙焼
するものであるので、600〜1000℃の温度でも各
種酸化物とCaCl2とが反応して塩素や塩化水素など
が発生するが、それ以外の条件ではさらに高温まで加熱
しなければCaCl2が分解しないのである。したがっ
て、この方法は酸化性雰囲気下でなければ十分な効果が
期待できないものである。また、さらに低い温度で金属
塩化物を揮発させることができれば、前述した二酸化ケ
イ素などのケイ素酸化物との反応を抑制することができ
るだけでなく、エネルギー効率の向上を図ることができ
て望ましい。
【0011】そこで、このような重金属類を塩化物とし
て揮発除去する際の問題点を解決することを目的とし
て、本発明者は焼却灰中に含まれている水酸化カルシウ
ムに着目し、焼却灰または飛灰を水分とともに混練する
第1工程と、この混練物を400℃以下の温度で分解す
る塩化物の存在下で該塩化物の分解温度以上400℃以
下に加熱して焼却灰または飛灰中に含まれる重金属類を
金属塩化物とする第2工程と、1100℃まで昇温して
前記金属塩化物を揮発させて回収する第3工程とからな
る焼却灰または飛灰の無害化処理処理方法を提案した
(特開平10−20221号)この方法により重金属類
を水酸化合物とした後塩素と反応させることでその塩化
物化率を向上させ、ケイ素酸化物などの沸点の高い化合
物の生成を極力抑制して重金属類を効率よく揮発除去す
ることが可能となった。しかしながらこの方法では85
0〜1100℃に加熱することにより重金属類の塩化物
を揮発除去しているので、さらに低い温度で重金属類の
塩化物を揮発させることができれば、エネルギー効率の
向上を図る点で望ましい。
【0012】本発明はこれらの課題に鑑みてなされたも
のであり、高効率で容易に焼却灰または飛灰から重金属
類を除去して無害化するための処理方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み本発明者
が鋭意研究した結果、重金属類を塩化物とした後の塩化
物の揮発は、他の塩類の影響を受け易い傾向があり、例
えば、塩化鉛は約950℃の沸点を有し、塩化ナトリウ
ムや塩化カルシウムは、1400℃以上の高い沸点を有
するが、従来のように焼却灰あるいは飛灰中に塩化ナト
リウムや塩化カルシウムなどの高沸点塩類が多量に含ま
れる場合には、その影響で950℃を超えた温度領域ま
で加熱しないと塩化鉛などの重金属類の塩化物は充分に
は揮発しないことがわかった。その一方で、塩化スズや
塩化亜鉛などは600〜750℃の比較的低温域に沸点
を有するが、これら低沸点塩化物と重金属類の塩化物と
が共存する場合には、低沸点塩化物が沸点近くの温度に
達して活発に揮発し始めると、これに伴い重金属類の塩
化物も活発に共揮発し始め、その結果として重金属類の
塩化物がその沸点より低温域で揮発を完了することがわ
かった。さらに、本発明者は、重金属類の塩化物と、塩
化ナトリウムや塩化カルシウムなどの高沸点塩類と、塩
化スズや塩化亜鉛などの低沸点塩類との関係について研
究したところ、重金属類をより低い温度で活発に揮発さ
せるためには、塩化ナトリウムや塩化カルシウムなどの
高沸点塩類は存在していない方が望ましく、これが含ま
れる場合には、ある程度以上の低沸点塩類がなければ、
重金属類の沸点を降下させる効果が得られず、したがっ
て、これが不足する場合には添加してやればよいことが
わかった。これらに基き本発明を完成した。
【0014】本発明の請求項1記載の焼却灰または飛灰
の無害化処理方法は、焼却灰または飛灰から重金属類を
除去する無害化処理方法であって、前記焼却灰を塩素、
塩素化合物又は塩素イオンの存在下で混練して、該焼却
灰または飛灰中に含まれる重金属類と、亜鉛化合物及び
/又はスズ化合物を塩化物とする塩素化工程と、この焼
却灰の混練物を600〜900℃に加熱して塩化亜鉛及
び/又は塩化スズとともに重金属類の塩化物を揮発除去
する加熱除去工程とを有するものである。
【0015】また、請求項2記載の焼却灰または飛灰の
無害化処理方法は、前記請求項1において、前記焼却灰
または飛灰がアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属
化合物を含有しており、前記塩素化工程においてアルカ
リ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物はアルカリ金
属塩化物及びアルカリ土類金属塩化物となり、これら塩
化物の総量に対して前記塩化亜鉛及び/又は塩化スズが
8%以上であるものである。
【0016】請求項3記載の焼却灰または飛灰の無害化
処理方法は、前記請求項2において、前記塩化亜鉛及び
/又は塩化スズが8%以上(重量基準)となるように前
記焼却灰に亜鉛化合物及び/又はスズ化合物を添加する
ものである。
【0017】さらに、請求項4記載の焼却灰または飛灰
の無害化処理方法は、前記請求項1乃至3のいずれか1
項において、前記塩素化工程が焼却灰又は飛灰に塩化鉄
水溶液を添加して混練するものである。
【0018】
【発明の実施形態】以下、本発明の焼却灰または飛灰の
無害化処理方法について詳細に説明する。本発明におい
て処理対象となる焼却灰とは、焼却炉の底部に残存する
底灰といわれるものであり、重金属類などの有害物質の
含有量が後述する飛灰よりは低いものである。この焼却
灰としては、都市ゴミ焼却場で発生するものに限らず、
地下水処理場や下水汚泥処理場などで生じる焼却灰、産
業廃棄物処理場から発生するものなど重金属類を含有す
る全ての焼却後の灰を含む。また、本発明において飛灰
とは、ごみを焼却するとごみの各種成分中の低沸点物質
が揮散するが、これをフィルターなどで捕集したもので
あり、前述した焼却灰に比べて鉛(Pb)、水銀(H
g)などの有害な重金属類を多く含むものである。な
お、この飛灰は消石灰を担持したバグフィルターなどに
より捕集されるため、その成分中に消石灰あるいはその
中和剤である塩化カルシウムなどを多く含有する。この
ような焼却灰あるいは飛灰中には、重金属類(その化合
物)の他に、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属塩やア
ルカリ土類金属塩、さらにはスズ、亜鉛、鉄などの遷移
金属元素を含有している。本発明は、このスズ、亜鉛、
鉄などの成分を塩化物として利用するものである。な
お、亜鉛は、重金属類に分類されることもある、本明細
書中では説明の便宜上、重金属類から除外した。しかし
ながら、いずれにせよこれも焼却灰または飛灰から除去
されるので問題はない。
【0019】本発明においては、まず塩素化工程として
焼却灰または飛灰を塩素、塩素化合物又は塩素イオンの
存在下で混練して、該焼却灰または飛灰中に含まれる重
金属類と、亜鉛化合物、スズ化合物などの遷移金属化合
物を塩化物とする。
【0020】この塩素化工程においては、前処理として
焼却灰または飛灰に水分を加えてそのまま、あるいは焼
却灰のようにそこに含有されている水酸化カルシウムの
量が不足する場合には必要に応じて水酸化カルシウムを
適宜添加した後混練する。この水分としては、純水や清
浄水を用いる必要はなく、焼却灰または飛灰を濡らすこ
とができれば汚水であってもよいし、あるいは水蒸気で
あってもよい。このように焼却灰または飛灰を水酸化カ
ルシウムの存在下で水分とともに混練すると、該焼却灰
または飛灰中の重金属類、その酸化物及び硫化物などの
化合物は、水酸化カルシウムと迅速に反応して、重金属
類の水酸化物や塩基性炭酸塩を形成する。例えば、硫酸
鉛と水酸化カルシウムとの間では下記の反応が生じる。
【0021】 PbSO4+Ca(OH)2→CaSO4+Pb(OH)2 他の重金属類もこれと同じような反応により水酸化カル
シウムと反応して水酸化物となる。また、亜鉛やスズな
どの遷移金属の化合物も水酸化物となる。なお、これら
の金属化合物は、いずれも水酸基と容易に反応するの
で、この反応は非常に効率よく進行する。
【0022】この前処理における焼却灰または飛灰と水
分との混合割合は、混練可能であれば特に制限はなく、
焼却灰または飛灰100重量部に対して水分3〜100
重量部とすればよい。水分が3重量部未満では充分な混
練性及び重金属類の水酸化の効果が得られない一方、1
00重量部を超えると水分が多くなりすぎて後述する加
熱工程での効率が低下する。なお、湿灰(湿り気を帯び
た灰)のときには、焼却灰または飛灰に対する水分の割
合が上記範囲内であればそのまま用いることができ、範
囲外の場合には水分添加や加熱などにより水分調整を行
えばよい。
【0023】そして、このような前処理を必要に応じて
施した焼却灰または飛灰に対し塩化物や塩素系ガスを供
給して、重金属類の化合物や遷移金属元素化合物と反応
させる。前記塩化物としては、例えば、塩化鉄を用いる
ことができる。該塩化鉄は、そのまま添加してもよい
が、水に対する溶解性が高いので水に溶解した状態とし
て塩素イオンとすれば、焼却灰または飛灰中の重金属類
の化合物や遷移金属化合物との反応性が向上する。この
塩化鉄水溶液を用いる場合には、前述した前処理と塩化
物化とを同じ工程中で連続して行うことができる。
【0024】重金属類や亜鉛、スズなどは、この塩化鉄
水溶液などによる塩素イオンに対しては低温でも迅速に
反応して塩化物となる。特に前述した前処理を施した場
合には、重金属類と塩素イオンとの間では以下の反応が
起こる。
【0025】 M(OH)2+(H++Cl-)→MCl2+2H2O (式中、MはPb、Cd、As、Cuなどの重金属、及
びZn、Sn)また、前記塩化物として、重金属類と二
酸化ケイ素などのケイ素酸化物との反応が生じないよう
に400℃以下の温度で分解する塩化物を用いることも
できる。この400℃以下の温度で分解する塩化物とし
ては、例えば、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、
塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル、
塩化ビニリデンなどを用いることができる。なお、塩素
化ポリエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの高
分子系の塩化物の場合には、未使用のものを用いる必要
はなく、廃棄処理物でよい。この高分子系の塩化物は、
前述した前処理を施す場合には、水分とともに混練する
前あるいは混練中に添加してもよい。
【0026】上述したような塩化物の配合割合は、焼却
灰または飛灰100重量部に対して、塩素換算で1〜5
重量部程度である。塩化物が1重量部未満では後述する
ように重金属の化合物や遷移金属の化合物を充分に塩素
化するのが困難となる一方、5重量部を超えてもそれ以
上の効果が得られないばかりか、後述する加熱除去工程
において未反応の塩素量が増加するため好ましくない。
【0027】また、塩化物を加熱して塩素ガスを発生さ
せる代わりに塩素系ガスを直接導入してもよい。この塩
素系ガスとしては、塩素ガスあるいは塩化水素ガスなど
であり、さらにその他のガス性不純物を含有していても
よく、例えば焼却炉の排ガスは、多量の塩素ガス及び塩
化水素ガスを含んでいることからこれを導入するように
してもよい。この場合にも約400℃以下程度、好まし
くは200〜400℃程度にまで加熱する。
【0028】このようにして塩化物の存在下に必要に応
じて加熱しながら混練することにより、重金属類の化合
物や遷移金属の化合物を塩化物とすることができる。特
に前処理を施した場合には、重金属類と塩化水素ガスや
塩素ガスとの間では以下の反応が起こる。
【0029】 M(OH)2+2HCl→MCl2+2H2O 2M(OH)2+2Cl2→2MCl2+2H2O+O2 この結果、塩素化工程後の焼却灰または飛灰中には、重
金属類の塩化物と、遷移金属元素である亜鉛、スズの塩
化物とが存在することになる。また、酸化カルシウムや
水酸化カルシウムも塩素化されて塩化カルシウムとなる
ので、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属の塩化物
も存在し、さらには、塩化ナトリウムなどのアルカリ金
属塩化物も存在することになる。これらの3種類の塩化
物の沸点は、高い方から順に(1)塩化ナトリウムが1
413℃、塩化カリウムが1500℃及び塩化カルシウ
ムが1500℃以上で、(2)重金属類が約900〜1
000℃(例えば塩化鉛が950℃及び塩化カドミウム
が960℃)で、(3)塩化亜鉛が732℃及び塩化ス
ズが623℃である。すなわち、これら3種類の塩化物
は、それぞれ(1)約1400〜1500℃以上温度領
域に沸点を有するもの、(2)約900〜1000℃の
温度領域に沸点を有するもの、(3)600〜800℃
の温度領域に沸点を有するもの、とその沸点により分類
可能となっている。
【0030】次に加熱除去工程において、塩素化した焼
却灰または飛灰を600℃〜900℃に加熱、好ましく
は前述した塩素化工程から徐々に昇温しながら加熱す
る。そうすると、この温度領域では、塩化亜鉛(732
℃)及び塩化スズ(623℃)のみが活発に揮発するは
ずであるが、これらの塩類の揮発に伴いこれ以外の塩
類、特に重金属類の塩化物も活発に揮発を開始する。こ
の揮発は重金属類の塩類がなくなるまで継続する。この
ようにして重金属類をその沸点以下の温度で活発に揮発
させて除去することができる。
【0031】このような効果が得られる理由は、塩化亜
鉛、塩化スズの揮発に伴う蒸気圧の降下や重金属類とこ
れらの塩類とが複合塩を形成し、この複合塩が低い温度
で揮発する、すなわち沸点の異なる塩類が相互に関係し
あうためであると推測される。したがって、アルカリ金
属塩あるいはアルカリ土類金属塩が存在すれば、当然に
これらも関係してくることになる。そして、これらの塩
類は沸点が非常に高いため、塩化亜鉛、塩化スズによる
沸点の低下の効果をかえって打ち消す方向に作用するた
め、重金属類の沸点の低下を阻害することになりかねな
い。したがって、結論的にはアルカリ金属塩あるいはア
ルカリ土類金属塩は存在しない方が望ましいが、飛灰中
にはその捕集方法からすると、不可避的に混入してしま
う。そこで、アルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属
塩が存在する場合には、焼却灰または飛灰中のこれらの
合計100重量%に対して、塩化亜鉛、塩化スズが8重
量%以上とすれば充分な効果が期待できる。
【0032】なお、焼却灰または飛灰中のアルカリ金属
塩あるいはアルカリ土類金属塩の量は、処理前の焼却灰
または飛灰(原灰)の成分分析を行い、これに含まれる
ナトリウム、カルシウムなどがほとんど塩化物となるこ
とから、その総量を塩化物に換算することにより求める
ことができる。また、塩化亜鉛、塩化スズの総量も原灰
中に含まれる亜鉛、スズの総量から塩化物に換算するこ
とにより求めることができる。その結果、塩化亜鉛、塩
化スズの総量が8重量%に満たない場合には、塩素化処
理工程前の焼却灰または飛灰に亜鉛化合物またはスズ化
合物を添加するか、あるいは揮発除去工程前の焼却灰ま
たは飛灰に塩化亜鉛、塩化スズを添加してやればよい。
【0033】このようにして重金属類を除去した後は、
残った焼却灰または飛灰は無害化されているので、その
ままアスファルトなどの充填材(微粉骨材)として用い
ることができる。また、この焼却灰または飛灰を120
0〜1600℃程度に加熱することにより、重金属類の
含有量の非常に少ないスラグとすることができる。この
ため、この焼却灰または飛灰、あるいはスラグをポルト
ランドセメント、砂、砂利などに配合してコンクリート
ブロックとしたり、路盤材としたりしても、有害物質の
流出が少ない。
【0034】上述したような本発明の方法によれば、焼
却灰または飛灰中の重金属類を600〜900℃と従来
よりも低温で除去することができるので、焼却灰または
飛灰の処理におけるエネルギー効率の向上を図ることが
でき、その除去も容易である。しかも、加熱除去工程を
低温で行うことができるので、汎用の材料が使用可能と
なるため、この点においても優れている。
【0035】以上、本発明の焼却灰または飛灰の無害化
処理方法について説明してきたが、本発明はこれに限定
されず、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変更が
可能である。例えば、焼却灰または飛灰中にアルカリ金
属やアルカリ土類金属が多い場合には、塩化物とした
後、水に溶出させてその含有率を低下させてるなどして
もよい。
【0036】
【実施例】以下の具体的実施例により本発明をさらに詳
細に説明する。 実施例1〜3 表1に示す成分組成の飛灰(原灰)に対して濃度50重
量%の塩化第二鉄水溶液(水100重量部に対して塩化
第二鉄100重量部を溶解)をPHが2になるまで添加
し充分に混練した。この混練物を850℃で1時間減圧
下で加熱した後の成分を測定した(実施例1)。結果を
表1に合わせて示す。なお、表1中の原灰におけるカル
シウムは、ほとんどが酸化カルシウム、塩化カルシウ
ム、水酸化カルシウムであり、これらは塩素化工程にお
いてほとんどが塩化カルシウムとなる。この処理後の飛
灰に対し、溶出試験(環境庁告示第46号に定める方法
で測定)を行った。結果を原灰における結果とともに表
1に示す。
【0037】また、この原灰100gに対して酸化鉛
0.5gとひ素標準液50mlを添加したもの(実施例
2)、及び実施例2にさらに亜鉛華0.5gを添加した
もの(実施例3)について実施例1と同様の処理を行っ
た後の成分組成及び溶出試験結果を表1に合わせて示
す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、本発明の処理を
飛灰に施すことにより、処理後の飛灰における鉛、ひ
素、カドミウムの含有率及び溶出量のいずれもが大幅減
少しているのが確認された。
【0040】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の焼却灰または飛
灰の無害化処理方法は、焼却灰または飛灰から重金属類
を除去する無害化処理方法であって、前記焼却灰を塩
素、塩素化合物又は塩素イオンの存在下で混練して、該
焼却灰または飛灰中に含まれる重金属類と、亜鉛化合物
及び/又はスズ化合物を塩化物とする塩素化工程と、こ
の焼却灰の混練物を600〜900℃に加熱して塩化亜
鉛及び/又は塩化スズとともに重金属類の塩化物を揮発
除去する加熱除去工程とを有するものであるので、重金
属類をその沸点以下で除去することができる。これによ
り重金属類の除去効率の向上及び簡易化が達成される。
【0041】また、請求項2記載の焼却灰または飛灰の
無害化処理方法は、前記請求項1において、前記焼却灰
または飛灰がアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属
化合物を含有しており、前記塩素化工程においてアルカ
リ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物はアルカリ金
属塩化物及びアルカリ土類金属塩化物となり、これら塩
化物の総量に対して前記塩化亜鉛及び/又は塩化スズが
8%以上であるものであるので、重金属類の揮発除去を
より低温で行うことができる。
【0042】請求項3記載の焼却灰または飛灰の無害化
処理方法は、前記請求項2において、前記塩化亜鉛及び
/又は塩化スズが8%以上となるように前記焼却灰に亜
鉛化合物及び/又はスズ化合物を添加するものであるの
で、アルカリ金属塩化物及びアルカリ土類金属塩化物が
多い場合でも、重金属類の揮発除去を低温で行うことが
できる。
【0043】さらに、請求項4記載の焼却灰または飛灰
の無害化処理方法は、前記請求項1乃至3のいずれか1
項において、前記塩素化工程が焼却灰又は飛灰に塩化鉄
水溶液を添加して混練するものであるので、加熱するこ
となく効率よく重金属類を塩化物とすることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却灰または飛灰から重金属類を除去す
    る無害化処理方法であって、前記焼却灰または飛灰を塩
    素、塩素化合物又は塩素イオンの存在下で混練して、該
    焼却灰または飛灰中に含まれる重金属類と亜鉛化合物及
    び/又はスズ化合物を塩化物とする塩素化工程と、この
    焼却灰または飛灰の混練物を600〜900℃に加熱し
    て塩化亜鉛及び/又は塩化スズとともに重金属類の塩化
    物を揮発除去する加熱除去工程とを有することを特徴と
    する焼却灰または飛灰の無害化処理方法。
  2. 【請求項2】 前記焼却灰または飛灰がアルカリ金属化
    合物及びアルカリ土類金属化合物を含有しており、前記
    塩素化工程においてアルカリ金属化合物及びアルカリ土
    類金属化合物はアルカリ金属塩化物及びアルカリ土類金
    属塩化物となり、これら塩化物の総量に対して前記塩化
    亜鉛及び/又は塩化スズが8%以上であることを特徴と
    する請求項1記載の焼却灰または飛灰の無害化処理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記塩化亜鉛及び/又は塩化スズが8%
    以上となるように前記焼却灰に亜鉛化合物及び/又はス
    ズ化合物を添加することを特徴とする請求項2記載の焼
    却灰または飛灰の無害化処理方法。
  4. 【請求項4】 前記塩素化工程が焼却灰又は飛灰に塩化
    鉄水溶液を添加して混練することを特徴とする請求項1
    乃至3記載のいずれか1項記載の焼却灰または飛灰の無
    害化処理方法。
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