JP2000301542A - 高熱伝導性複合金型及びその製造方法 - Google Patents

高熱伝導性複合金型及びその製造方法

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JP2000301542A
JP2000301542A JP11114424A JP11442499A JP2000301542A JP 2000301542 A JP2000301542 A JP 2000301542A JP 11114424 A JP11114424 A JP 11114424A JP 11442499 A JP11442499 A JP 11442499A JP 2000301542 A JP2000301542 A JP 2000301542A
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steel
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Fumio Toyama
文夫 遠山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却効率が高く安価な高熱伝導性複合金型 【解決手段】 作業面1が鋼からなる金型の非作業面の
全体または一部に、250W/m/K以上の熱伝導率を
有する銅または銅合金、とくに純銅の10mm以上の厚
い熱伝導層2をパルスMIG溶接などの高エネルギ肉盛
溶接により形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属の鋳造用
金型、若しくは溶融プラスチックなどの各種材料を成形
する金型及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融金属の鋳造用金型やプラスチ
ックなどを成形する成形用金型などの高温で使用される
金属材料には、熱間ダイス鋼、ステンレス鋼などの鋼や
鋳鉄が使用されるほか、一部にはこれらより熱伝導性の
大きい銅合金が一体型として用いられてきた。
【0003】しかし、鋼あるいは鋳鉄は熱伝導度が必ず
しも高くないため、成形作業の際に金型の成形面近傍の
温度が上昇して、金型の形状や構造によっては、金型内
に生ずる大きな温度むらのために金型に変形が生じた
り、摩耗などが増加する。このような金型の温度上昇の
ために、従来は単位時間当りの成形サィクル数を上げる
ことが困難であった。一方、熱伝導性の大きい銅合金の
金型は強度が小さいので摩耗が大きく寿命が短いという
問題点があった。
【0004】そこで出願人は、先に金型の作業面の裏面
に銅等を接合することにより熱伝導性を増して上記欠点
を改善した高熱伝導性複合金型の製造方法を開示した
(特許第2642661号)。これらの接合方法として
は、金型の作業面の裏面に溶融した銅等を鋳造して接合
したり、銅ろうを間に介在させて鋼と銅等を接合した
り、銅等の粉末をHIP(高温アイソスタティックプレ
ス)法により固着して銅層を形成させたりする方法が行
われた。これらの方法は厚い熱伝導層を形成することが
容易であるので、熱伝導性が良く金型の過熱を防止する
のに効果がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記溶
融法では鋼と銅等との接合部の拡散層に脆化層が発生す
る場合があり、接合後の冷却時に接合部に剥離が生じや
すいという問題点があった。また、焼入れ・焼もどし熱
処理した鋼の作業面に銅等を溶融接合すると、接合の際
の予熱と接合時の温度上昇により型が焼き戻しされて軟
化するために、接合後に再熱処理しなければならなかっ
た。この再熱処理の際にも、鋼と銅等の膨張の差により
前記脆化層から剥離することがあるという問題点があっ
た。
【0006】一方、銅ろうを用いて接合すると、鋼と銅
等との間の熱伝導度が低下して冷却効果が減ずるという
欠点があり、HIP法ではコストが高くなるという問題
点がある。
【0007】また、この熱伝導層を肉盛溶接により形成
することもできるが、通常の肉盛溶接では銅などの熱伝
導度が大きい材料は溶融プールができ難いために、2層
以上の肉盛が難しく厚い熱伝導層を得ることが困難であ
った。この場合、厚い肉盛層を形成するには作業面の母
材を700℃以上に予熱して溶接するのが通常である
が、500〜700℃で焼もどしされた母材を700℃
以上に予熱すると硬さが低下するため、溶接後再焼入れ
・焼もどし処理が必要になる。この再熱処理の際に接合
面が剥離したり、あるいは金型に歪みが生ずるなどの問
題点があった。
【0008】そこで本発明は、厚い熱伝導層を有して冷
却効果が大きく、かつ鋼と銅等との接合部の脆化層の生
成をできる限り防止して、接合面の接合不良の発生を無
くするとともに、接合処理後の再焼入れなどの熱処理を
不要にした高熱伝導性複合金型の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】このように熱伝導層を厚くして金型内部の
熱伝導性を増し、内部冷却効果を大きくして金型内の温
度むらを小さくすることにより、金型の変形を抑えると
ともに、ヒートクラックの発生進展が抑えられ、金型寿
命が向上する。かつ製品成形サイクル時間を短縮して成
形能率を向上することができる。さらに本発明の金型
は、HIP法などよりも低コストで提供できる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の高熱伝導性複合金型及びその製造方法は、作
業面が鋼からなる金型の非作業面の全体または一部に、
250W/m/K以上の熱伝導率を有する銅または銅合
金の熱伝導層を高エネルギ肉盛溶接により形成させたこ
とを特徴とするものである。
【0011】また、前記作業面が焼入れ・焼もどし熱処
理された鋼からなり、前記熱伝導層が高エネルギ肉盛溶
接による10mm以上の厚さの純銅により形成されるこ
とが望ましい。この純銅としては99.99%Cu以上
の純度であることが熱伝導率の点から望ましい。
【0012】また、前記高エネルギ肉盛溶接はパルスM
IG溶接によることが望ましく、前記金型の作業面は焼
入れ後500℃以上の温度で焼もどし熱処理された鋼か
らなり、前記肉盛溶接時に前記焼もどし温度以下に予熱
し、肉盛溶接中の作業面の温度を前記焼もどし温度以下
に保持しつつ高エネルギ肉盛溶接することが望ましい。
【0013】ここで金型の作業面とは、単に面をいうだ
けでなく作業面を含む金型の部分(以下母材ともいう)
を総称する。また、非作業面とは、該母材の型面などに
対する裏面や側面などの面をいうものである。また熱伝
導層とは、母材より熱伝導率の高い材料で形成された母
材の熱を伝熱して母材を均一に冷却させるための層をい
う。
【0014】本発明は、熱伝導層に熱伝導率の高い高純
度の純銅を、高エネルギ肉盛溶接による10mm以上の
厚さに形成させて型の冷却効率を増したものである。即
ち、銅は熱伝導率が大きいので熱伝導層として好まし
く、一層冷却効率を上げるためには99.99%Cu以
上の純銅が望ましい。また、熱伝導層の厚さが薄いと均
一に熱伝達せず冷却効率が落ちるので、熱伝導層は10
mm以上の厚さが要求される。
【0015】かかる純銅の熱伝導層の形成方法として、
鋼に一層だけ純銅を肉盛溶接することは一般的溶接法
(MIG法、TIG法、粉体肉盛法等)によっても、そ
れ程困難ではなく、予熱無しに溶接肉盛することも可能
である。
【0016】しかし、肉盛層を厚くするために2層以上
肉盛する際に、熱伝導率が250W/m/Kのように高
い金属、例えば純銅の上にさらに純銅を肉盛する場合に
は、純銅の熱伝導率が大きいために溶融プールができ難
く平滑な肉盛ができない。そのために、通常の肉盛溶接
では予熱無しに復層の肉盛を行うことは困難で、前記1
0mmのような厚い熱伝導層を形成することは難しい。
このために、母材を700℃以上に予熱して溶接肉盛す
るのが通常である。
【0017】しかし、このように700℃以上に予熱す
ると、通常500〜700℃で焼もどし熱処理される母
材は焼もどし温度以上に加熱されて軟化するため、再焼
入れ・焼もどし熱処理が必要になる。そして、この再熱
処理の際に接合面が剥離したり、あるいは金型に歪みが
生ずるなどの問題点があった。
【0018】本発明者らは、純銅の肉盛溶接を高エネル
ギ密度の溶接、例えばパルス電源を用いてアークを高密
度化した溶接によれば、母材の予熱温度をその焼もどし
温度(500〜700℃)より低くし、かつ肉盛溶接中
の母材の温度上昇も焼もどし温度(500〜700℃)
より低くして肉盛溶接しても、無欠陥で健全な肉盛溶接
が可能になることを見出だし、上記問題点を解決したも
のである。この高エネルギ溶接は2層目以降の肉盛にの
み使用しても良い。
【0019】このように肉盛溶接時の保持温度を焼もど
し温度より低くすれば、純銅の熱伝導層を肉盛しても鋼
母材の硬さの低下がなく、従来の溶接法のような肉盛溶
接後の再熱処理を基本的には必要としないので、熱伝導
層の剥離や型の歪みが少なくなる。肉盛後の型は、通常
残留応力の除去のために歪み取り熱処理されるが、歪み
取り熱処理は焼もどし温度以下で行われるので硬さの低
下などはない。
【0020】また、高エネルギ密度溶接によれば、前記
焼もどし温度より低温度の予熱でも復層の肉盛が容易に
なり、熱伝導が良好な厚い熱伝導層が容易に得られる。
こうして得られた複合金型材の接合面は良好で、接合界
面の伝熱抵抗を無視して伝熱計算ができる接合度を有す
ることが分かった。
【0021】また、前記金型の作業面が重量比でC≦
1.1、Si≦2.00%、Mn≦2.00%、Ni≦
4.00%、Cr≦18.00%、WおよびMoの単独
または複合で(1/2W+ Mo)≦12.00%を含有
し、さらにV≦3.00%、Co≦6.5%、A1≦
l.50%、Cu≦3.00%の一種以上を含有し、残
部実質Feからなる鋼であることが高度の金型特性を得
るために望ましい。
【0022】前記金型の作業面は鍛造品から切削加工に
よって作製しても良いし、鋳造により作製しても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の一実施形態
について具体的に説明する。
【0024】
【実施例1】図1は実施例に用いた金型の断面図を示
す。金型の作業面(以下母材という)1は内面寸法が直
径200mm、深さ100mm、肉厚10mmの円筒キ
ャビティ1aを有し、SUS420J2鋼の鋳造により
作成された。この母材は980℃で焼入れ後、650℃
で焼もどしされてHRC27の硬さに熱処理された。
【0025】この母材は、裏面をショットブラストによ
り清浄された後、下記の条件のパルスMIG溶接によ
り、20mm厚さの純銅の肉盛層を形成した。 肉盛溶接後600℃×1.5hrの歪み取り焼きなまし
を行った。
【0026】肉盛溶接部界面を切断し、顕微鏡調査をし
た結果は溶接部界面は極めて良好で欠陥は認められなか
った。
【0027】また、溶接部界面の近傍の熱伝導率をレー
ザフラッシュ法により測定した結果は、SUS420J
2側で21W/m/K、界面を含む1mmの厚さの部分
(拡散層)で43W/m/K、界面より3mmはなれた
銅側(1層目)で260W/m/Kとなり、界面より6
mmはなれた銅側(2層目)では320W/m/Kとほ
ぼ純銅に近い値を示した。
【0028】また、肉盛溶接後の母材の硬さはHRC2
7の肉盛前と変わらず、ミクロ組織も肉盛前と変化は見
られなかった。
【0029】
【実施例2】実施例2は、実施例1と同じ図1に示す寸
法の金型を、SKD61鋼の鍛造材から切削加工して作
成した。この型を1050℃で焼入れ後、650℃で焼
もどししてHRC37の硬さに熱処理した。
【0030】この母材の裏面をショットブラストにより
清浄にした後、下記の条件のパルスMIG溶接により、
13mm厚さの純銅層を形成した。 肉盛溶接後600℃×1.5hrの歪み取り焼きなまし
を行った。
【0031】肉盛溶接部界面を切断し、顕微鏡調査をし
た結果は溶接部界面は極めて良好で欠陥は認められなか
った。
【0032】溶接部界面の近傍の熱伝導率の測定結果
は、SKD61側で30W/m/Kであったが、界面を
含む1mmの厚さの部分(拡散層)、界面より3mmは
なれた銅側(1層目)では実施例1とほぼ同一数値で、
界面より6mmはなれた銅側(2層目)では同様に32
0W/m/Kとほぼ純銅に近い値を示した。
【0033】また、肉盛溶接後の母材の硬さ、ミクロ組
織も実施例1と同様に肉盛前と変化は見られなかった。
【0034】以上のべたように、本発明の高熱伝導性複
合金型及びその製造方法によれば、金型の非作業面の全
体または一部に、250W/m/K以上の熱伝導率を有
する銅、とくに純銅の10mm以上の厚い熱伝導層を有
するので、金型の熱伝導性が良く内部冷却効果が増加し
て、金型内の温度むらが小さくなり金型の変形が抑えら
れるとともに、ヒートクラックの発生が減少し金型寿命
が向上する。これにより、製品成形サイクル時間を短縮
することができ、成形能率を向上できる。
【0035】この熱伝導層は、パルスMIG溶接などの
高エネルギ肉盛溶接により形成されるので、10mm以
上の厚い熱伝導層が容易に肉盛りでき、かつ鋼と純銅と
の接合部の脆化層の生成が少なく、熱伝導層の剥離など
の接合面の接合不良の発生が減少する。
【0036】また、肉盛溶接時の母材の予熱温度、作業
温度を母材の焼もどし温度より低くしても溶接界面に欠
陥のない健全な肉盛ができるので、作業面が焼入れ・焼
もどし熱処理された鋼の場合も、肉盛溶接後の再焼入れ
焼もどしの熱処理が不要になりコストが低減できる。
【0037】母材を重量比でC≦1.1,Si≦2.0
0%、Mn≦2.00%、Ni≦4.00%、Cr≦1
8.00%、WおよびMoの単独または複合で(1/2
W+Mo)≦12.00%を含有し、さらにV≦3.0
0%、Co≦6.5%、A1≦l.50%、Cu≦3.
00%の一種以上を含有し、残部実質Feからなる鋼に
すると寿命の長い高性能の金型が得られ、この母材は切
削加工によっても、鋳造によって作製されても良い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高熱伝導
性複合金型及びその製造方法によれば、内部の熱伝導性
が高く冷却効率のよい金型が、容易にかつHIP法など
より安価に提供できるので、成形の作業能率が向上して
産業の発展に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の高熱伝導性複合金型の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 母材(作業面) 1a キャビティ 2 熱伝導層(肉盛部)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業面が鋼からなる金型の非作業面の全
    体または一部に、250W/m/K以上の熱伝導率を有
    する銅または銅合金の熱伝導層を高エネルギ肉盛溶接に
    より形成させたことを特徴とする高熱伝導性複合金型。
  2. 【請求項2】 前記作業面が焼入れ・焼もどし熱処理さ
    れた鋼からなり、前記熱伝導層が高エネルギ肉盛溶接に
    よる10mm以上の厚さの純銅により形成されたことを
    特徴とする請求項1に記載の高熱伝導性複合金型。
  3. 【請求項3】 作業面が鋼からなる金型の非作業面の全
    体または一部に、250W/m/K以上の熱伝導率を有
    する銅または銅合金の熱伝導層を高エネルギ肉盛溶接に
    より形成させたことを特徴とする高熱伝導性複合金型の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記作業面が焼入れ・焼もどし熱処理さ
    れた鋼からなり、前記熱伝導層が高エネルギ肉盛溶接に
    よる10mm以上の厚さの純銅により形成されたことを
    特徴とする請求項3に記載の高熱伝導性複合金型の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記金型の作業面は焼入れ後500℃以
    上の温度で焼もどし熱処理された鋼からなり、前記肉盛
    溶接時に前記焼もどし温度以下に予熱し、肉盛溶接中の
    作業面の温度を前記焼もどし温度以下に保持しつつ高エ
    ネルギ肉盛溶接することを特徴とする請求項3及び4に
    記載の高熱伝導性複合金型の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記高エネルギ肉盛溶接はパルスMIG
    溶接によることを特徴とする請求項3から5のいずれか
    に記載の高熱伝導性複合金型の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記金型の作業面が重量比でC≦1.
    1、Si≦2.00%、Mn≦2.00%、Ni≦4.
    00%、Cr≦18.00%、WおよびMoの単独また
    は複合で(1/2W+ Mo)≦12.00%を含有し、
    さらにV≦3.00%、Co≦6.5%、A1≦l.5
    0%、Cu≦3.00%の一種以上を含有し、残部実質
    Feからなる鋼であることを特徴とする請求項1から6
    のいずれかに記載の高熱伝導性複合金型及びその製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記金型の作業面は鍛造品から切削加工
    によって作製されたことを特徴とする請求項1から7の
    いずれかに記載の高熱伝導性複合金型及びその製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記金型の作業面は鋳造により作製され
    たことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の
    高熱伝導性複合金型及びその製造方法。
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