JP2000301558A - ノルボルネン系ポリマー成形品の製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系ポリマー成形品の製造方法

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JP2000301558A
JP2000301558A JP2000038478A JP2000038478A JP2000301558A JP 2000301558 A JP2000301558 A JP 2000301558A JP 2000038478 A JP2000038478 A JP 2000038478A JP 2000038478 A JP2000038478 A JP 2000038478A JP 2000301558 A JP2000301558 A JP 2000301558A
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polymer molded
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JP2000038478A
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Hajime Naito
一 内藤
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
Masafumi Nakatani
政史 中谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化不良のない良好な品質の、強度・剛性・
寸法精度に優れたノルボルネン系ポリマー成形品をプレ
ス成形により得ることができるノルボルネン系ポリマー
成形品の製造方法の提供。 【解決手段】 ノルボルネン系モノマー(好ましくはジ
シクロペンタジエン)4の一定量と、酸素や水分に対し
て安定な特定の一般式で表されるルテニウム−カルベン
錯体又はルテニウムビニリデン錯体を溶剤に溶解した溶
液5の一定量とを、ダイナミックミキサー6等の混合装
置にて混合して重合性組成物とし、直ちに、樹脂原料供
給装置7により、下型2内に連続的に流し込み、次い
で、プレス機1により上型3を下降させて下型2に向け
て押し付けて(型閉じ)、型内に供給され重合硬化しつ
つある重合性組成物を加熱・加圧し、脱泡させながら賦
形して、ノルボルネン系ポリマー成形品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はノルボルネン系ポリ
マー成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強度・剛性・寸法精度の高い成形方法と
して、シートモールディングコンパウンド(SMC)プ
レス成形のように、予め開かれた型内に不飽和ポリエス
テル樹脂等のシートを置き、加熱・加圧することにより
成形品を得る技術がある(特公平6−17036号公
報)。しかし、このような方法で成形されたSMC成形
品は、衝撃強度が劣るため割れやすいという問題があ
る。その問題点を解決すべく、ノルボルネン系モノマー
を重合反応させて成形品を得る方法が知られている。
【0003】ノルボルネン系モノマーの重合成形技術と
して、例えば、金型内を不活性ガスに置換させてから、
ノルボルネン型モノマーを成形材料として金型内に射出
し、反応させる反応射出成形方法がある(特公平7−7
3859号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ノルボルネ
ン系モノマーを用いて重合成形をする場合、酸素や水分
の存在により重合反応が阻害され、完全な不活性ガス雰
囲気下でないと、良好な重合が進行しないという問題が
ある。すなわち、ノルボルネン系モノマーを用いた重合
成形は、閉塞空間内でしか重合を良好に進行させること
ができず、反応射出成形のような、閉じられた金型の中
に重合性組成物を射出成形する以外に、ノルボルネン系
モノマーの重合成形はできないものとされていた。
【0005】また、ノルボルネン系モノマー単体で成形
品を得るのではなく、強化繊維等の強化材と複合化して
成形品を成形する場合には、強化繊維を予め金型内にセ
ットしてから強化繊維内部に含まれる空気を除去しなけ
ればならず、このため、金型内において不活性ガスによ
って入念にパージする必要があり、 手間がかかる上に品
質が安定しないという問題があった。なお、強化材等を
混入する場合にも、空気はもとより、水分の存在が重合
反応を阻害するため、充分な乾燥等により水分を蒸散す
ることが必要である。
【0006】従来、ノルボルネン系モノマーを反応射出
成形する場合、以下の、A液及びB液の2種の溶液が用
いられており、これらA液とB液とを金型の直前で衝突
混合させ、金型内に重合性溶液として射出して重合反応
させることにより、ノルボルネン系モノマーの重合成形
品を得ている。
【0007】(A液)ノルボルネン系モノマーと活性剤
及び活性調節剤を含む溶液 (B液)ノルボルネン系モノマーと触媒を含む溶液 このような溶液において、触媒としては、タングステ
ン、モリブデン、レニウム、タンタルなどのハロゲン化
物、 オキシハロゲン化物、酸化物、有機アンモニウム塩
などが用いられている。
【0008】活性剤としては、アルキルアルミニウムハ
ライド、アルコキシアルキルアルミニウムハライド、ア
リールオキシアルキルアルミニウムハライド、有機スズ
化合物などが用いられている。また、活性調節剤として
は、n−プロピルアルコールなどのアルコール類が使用
されている。
【0009】ところで、上記重合性溶液は、ノルボルネ
ン系モノマーに、触媒、活性剤、活性調節剤を配合して
から反応射出成形するまでは、製造現場等で保管されて
いるが、成形時において水分や空気の混入を防止するに
は、反応射出成形(Reactioninjection Molding:RI
M)の様に、閉じられた金型の中に重合性組成物を射出
成形する方法でしか対応することができず、このため、
プレス成形に要求されるような複雑な形状や、繊維強化
を行うことができないという問題があった。また、成形
法がRIMに限定されることから、成形型の合わせがル
ーズになるため、型精度が悪く、寸法精度の悪い成形品
しか得られなかった。
【0010】一方、SMCをプレス成形した成形品は、
上述の如く、もろくて割れやすいという欠点があった。
【0011】本発明は、上記従来のノルボルネン系モノ
マーを用いて重合成形をする場合の問題点に鑑みてなさ
れたもので、硬化不良のない良好な品質の、強度・剛性
・寸法精度に優れたノルボルネン系ポリマー成形品をプ
レス成形により得ることができるノルボルネン系ポリマ
ー成形品の製造方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のノルボルネン系
ポリマー成形品の製造方法は、ノルボルネン系モノマー
と、触媒としての下記一般式(I)で表されるルテニウ
ム−カルベン錯体とを含有してなる重合性組成物を、型
開き状態の成形型内に供給し、成形型を閉じつつノルボ
ルネン系モノマーを重合させるとともにプレスして賦形
することによって特徴づけられる。
【化3】 (式中、R1 及びR2 は、互いに独立に、水素、C2 〜
C20−アルケニル基、C1 〜C20−アルキル基、アリー
ル基、C1 〜C20−カルボキシレート、C1 〜C20−ア
ルコキシ基、C2 〜C20−アルケニルオキシ基、アリー
ルオキシ基、C2〜C20−アルコキシカルボニル基、又
はC1 〜C20−アルキルチオ基(これらは、C1 〜C5
−アルキル基、ハロゲン、C1 〜C5 −アルコキシ基に
よって置換されていてもよいし、あるいはC1 〜C5 −
アルキル基、ハロゲン、C1 〜C5−アルコキシ基によ
って置換されたフェニル基によって置換されていてもよ
い)を表し、X1 及びX2 は、互いに独立に、任意のア
ニオン性配位子を表し、L1及びL2 は、互いに独立
に、任意の中性電子供与体を表し、X1 、X2 、L1
びL2 の内、2個または3個は、一緒に多座キレート化
配位子を形成してもよい) また、請求項2記載のノルボルネン系ポリマー成形品の
製造方法は、ノルボルネン系モノマーと、触媒としての
下記一般式(II)で表されるルテニウムビニリデン錯体
とを含有してなる重合性組成物を、型開き状態の成形型
内に供給し、成形型を閉じつつノルボルネン系モノマー
を重合させるとともにプレスして賦形することによって
特徴づけられる。
【化4】 (式中、R3 及びR4 は、互いに独立に、水素、C2 〜
C20−アルケニル基、C1 〜C20−アルキル基、アリー
ル基、C1 〜C20−カルボキシレート、C1 〜C20−ア
ルコキシ基、C2 〜C20−アルケニルオキシ基、アリー
ルオキシ基、C2〜C20−アルコキシカルボニル基、C1
〜C20−アルキルチオ基(これらは、C1 〜C5 −ア
ルキル基、ハロゲン、C1 〜C5 −アルコキシ基によっ
て置換されていてもよいし、あるいはC1 〜C5 −アル
キル基、ハロゲン、C1 〜C5 −アルコキシ基によって
置換されたフェニル基によって置換されていてもよい)
又は、フェロセン誘導体を表し、X3 及びX4 は、互い
に独立に、任意のアニオン性配位子を表し、L3 及びL
4 は、互いに独立に、任意の中性電子供与体を表し、X
3 、X4 、L3 及びL4 の内、2個または3個は、一緒
に多座キレート化配位子を形成してもよい)
【0013】また、請求項3記載のノルボルネン系ポリ
マー成形品の製造方法は、成形型内に繊維補強材を配置
した状態で、重合性組成物を成形型内に供給することに
よって特徴付けられる。更に、請求項4記載のノルボル
ネン系ポリマー成形品の製造方法は、ノルボルネン系モ
ノマーが、ジシクロペンタジエンであることによって特
徴付けられる。
【0014】次に、本発明のノルボルネン系ポリマー成
形品の製造方法のより具体的な例を図1を参照しながら
説明する。まず、ノルボルネン系モノマー4の一定量
と、酸素や水分に対して安定な一般式(I)で表される
ルテニウム−カルベン錯体又は一般式(II)で表される
ルテニウムビニリデン錯体を溶剤に溶解した溶液5の一
定量とを、ダイナミックミキサー6等の混合装置にて混
合して重合性組成物とし、直ちに、樹脂原料供給装置7
により、下型2内に連続的に流し込む。次いで、プレス
機1により上型3を下降させて下型2に向けて押し付け
(型閉じ)、型内に供給され一部重合硬化しつつある重
合性組成物を加熱・加圧し、脱泡させながら賦形する。
この場合、加熱・加圧条件は特に限定されないが、温度
30〜100℃、圧力0.3〜4MPa程度が好ましく
採用される。このようにして成形型内に供給し、加圧し
た重合性組成物は、空気存在下でも迅速に重合を開始す
るので、硬化不良の少ない良好なノルボルネン系ポリマ
ー成形品を得ることができる。
【0015】ここで、本発明のポリマー成形品の製造方
法に用いる下型2及び上型3は、型閉じを行った際に、
図2に示すように、下型2と上型3との合わせ面、即
ち、図示を省略しているポリマー成形品の側周分にクリ
アランスCがあくように構成されており、そのクリアラ
ンスCを通じて内部空気の脱泡を効率良く行うことがで
きる。このクリアランスCは、0.005mm〜1mm
が好ましく、さらには0.07mm〜0.5mm程度が
より好ましい。
【0016】本発明のポリマー成形品の製造方法にに用
いる樹脂原料供給装置は、ノルボルネン系モノマーと上
記ルテニウム−カルベン錯体又は上記ルテニウムビリニ
デン錯体とを、ダイナミックミキサー等の混合機により
吐出部直前で混合する構造のものが好ましい。
【0017】重合させるノルボルネン系モノマーとして
は、ノルボルネン、ノルボルネジエンなどの二環体のノ
ルボルネン系モノマー、ジシクロペンタジエンやジヒド
ロジシクロペンタジエンなどの三環体、テトラシクロド
デセンなどの四環体、トリシクロペンタジエンなどの五
環体、テトラシクロペンタジエンなどの七環体、及びこ
れらのアルキル置換体(例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル置換体など)、アルキリデン置換体(例え
ば、エチリデン置換体)、アリール置換体(例えば、フ
ェニル、トリル置換体)はもちろんのこと、エポキシ
基、メタクリル基、水酸基、アミノ基、カルボキシル
基、シアノ基、ハロゲン基、エーテル基、エステル結合
含有基等の極性基を有する誘導体などが挙げられる。こ
れらは、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して
用いてもよい。ノルボルネン系モノマーは、入手の容易
さ、反応性、ポリマーの物性バランス、コスト等の観点
からジシクロペンタジエンであることが好ましい。
【0018】成形品に強度・耐熱性を付与させたい場合
には、架橋性モノマーを用いて架橋させればよく、その
例としては、反応性の二重結合を有する多環ノルボルネ
ン系モノマーが挙げられ、具体的には、ジシクロペンタ
ジエン、テトラシクロペンタジエンなどが挙げられる。
ここで、ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマーが同
一である場合には、特に他の架橋性モノマーを使用する
必要はない。
【0019】これらのノルボルネン系モノマーは単独で
使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい
し、上記ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なシ
クロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シ
クロオクテン、シクロドデセンなどの単環シクロオレフ
ィンを本発明の目的を損なわない範囲で使用しても差し
支えない。
【0020】本発明のノルボルネン系ポリマー成形品の
製造方法に用いる重合性組成物には、消泡剤、酸化防止
剤、充填材、着色剤、高分子改質剤、難燃剤、発泡剤、
揺変性付与剤、帯電防止剤、分子量調節剤、顔料、染
料、耐衝撃性改良剤としてのエラストマーなどの各種添
加剤を配合してもよい。充填材としては、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素
ナトリウム、クレー、タルク、マイカ、カオリン、フラ
イアッシュ、モンモリロナイト、ガラスバルーン、シリ
カバルーン、熱膨張性塩化ビニリデン粒子等が挙げられ
る。エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共集合体、EPDM、エチレン−酢酸ビニル共集
合体及びこれらの水素化物が挙げられる。
【0021】次に、上記一般式(I)で表されるルテニ
ウム−カルベン錯体について以下に詳述する。上記一般
式(I)で表されるルテニウム−カルベン錯体の内、好
ましい錯体は以下のものである。すなわち、式中、R1
及びR2 が、互いに独立に、水素、C2 〜C5 −アルケ
ニル基、C1 〜C5 −アルキル基、フェニル基、C1 〜
C5 −カルボキシレート、C1 〜C5 −アルコキシ基、
フェノキシ基、又はC2 〜C5 −アルコキシカルボニル
基(これらは、C1 〜C5 −アルキル基、ハロゲン、C
1 〜C5 −アルコキシ基によって置換されていてもよ
く、あるいはC1 〜C5 −アルキル基、ハロゲン、C1
〜C5 −アルコキシ基によって置換されたフェニル基に
よって置換されていてもよい)であり、また、X1 及び
X2 が、互いに独立に、C1 、Br、C1 〜C5 −カル
ボキシレート、C1 〜C5 −アルコキシ基、フェノキシ
基、C1 〜C5 −アルキルチオ基(これらは、C1 〜C
5 −アルキル基、ハロゲン、C1 〜C5 −アルコキシ基
によって置換されていてもよいし、あるいはC1 〜C5
−アルキル基、ハロゲン、 C1 〜C5 −アルコキシ基に
よって置換されたフェニル基によって置換されていても
よい)の群からのアニオン性配位子であり、さらに、L
1 及びL2 が、互いに独立に、アリール基またはC1 〜
C10−アルキルホスフィン基(これらは、C1 〜C5 −
アルキル基、ハロゲン、C1 〜C5 −アルコキシ基によ
って置換されていてもよいし、あるいはC1 〜C5 −ア
ルキル基、ハロゲン、C1 〜C5 −アルコキシ基によっ
て置換されたフェニル基によって置換されていてもよ
い)の群からの中性配位子である、ルテニウム−カルベ
ン錯体が好ましい。
【0022】更に好ましい一般式(I)で表されるルテ
ニウム−カルベン錯体としては、式中、R1 及びR2
が、互いに独立に、水素、メチル基、エチル基、フェニ
ル基、またはメチル基、エチル基もしくはフェニル基に
よって必要に応じて置換されたビニルであり、また、X
1 及びX2 が、互いに独立に、C1 またはBrであり、
さらに、L1 及びL2 が、互いに独立に、トリメチルホ
スフィン基、トリエチルホスフィン基、トリフェニルホ
スフィン基またはトリシクロヘキシルホスフィン基であ
る、ルテニウム−カルベン錯体が挙げられる。
【0023】次に、一般式(II)で表されるルテニウム
ビニリデン錯体について以下に詳述する。上記一般式
(II)で表されるルテニウムビニリデン錯体の内、好ま
しい錯体は以下のものである。すなわち、式中、R3 及
びR4 は、互いに独立に、水素、メチル基、エチル基、
フェニル基、フェロセニル基、又はメチル基、エチル
基、フェニル基もしくはフェロセニル基によって必要に
応じて置換されたビニル基であり、X3 及びX4は、互
いに独立に、Cl、Brであり、L3 及びL4 は、互い
に独立に、トリメチルホスフィン基、トリエチルホスフ
ィン基、トリフェニルホスフィン基又はトリシクロヘキ
シルホスフィン基である、ルテニウムビニリデン錯体が
好ましい。
【0024】上記一般式(I)で表されるルテニウム−
カルベン錯体又は一般式(II)で表されるルテニウムビ
リニデン錯体については、混合しながら成形型内に流し
込むため、液状にすることが好ましい。その一例として
溶媒に希釈して用いることが好ましい。溶媒の例として
は、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジクロロメタンなどが挙げられる。なお、ルテニ
ウム−カルベン錯体を活性水素が存在する溶媒あるいは
酸に溶解させるのは、錯体の安定性を損なうので好まし
くない。一般式(II)のルテニウムビニリデン錯体につ
いては、一般式(I)のルテニウム−カルベン錯体より
は空気中での安定性が高いが、同様のことが言える。
【0025】本発明のノルボルネン系ポリマー成形品の
製造方法において、ノルボルネン系モノマーに対するル
テニウム−カルベン錯体またはルテニウムビニリデン錯
体の混合比率は、1/5〜1/500000モルの範囲
が好ましい。更に好ましくは、1/30〜1/2000
00モルの範囲である。この範囲で必要な硬化時間を基
に、触媒の混合比率を設定すればよい。
【0026】本発明において、繊維強化ノルボルネン系
ポリマー成形品を製造する場合は、例えば、成形型内に
繊維補強材を配置した状態で、重合性組成物を成形型内
に流し込むという方法を採用すればよい。
【0027】その具体例としては、図3に示すように、
下型2内に予め繊維補強材8を配置しておき、この状態
で下型2内に、ノルボルネン系モノマーとビス−トリシ
クロヘキシルホスフィンベンジリジンルテニウム(I
V)ジクロライドとを含有してなる重合性組成物を樹脂
原料供給装置にて供給し、次いで、型閉じを行って重合
開始しつつあるモノマーをプレスして賦形するという方
法を挙げることができる。
【0028】この例においても、重合性組成物は成形型
内で重合を開始するので、ノルボルネン系ポリマー成形
品を得ることができる。しかも、繊維補強材8下でノル
ボルネン系モノマーを重合させているので、より高強度
・高弾性率の成形品を得ることができる。
【0029】繊維補強材としては、チョップドストラン
ドマット、コンティニアスマット、クロス状マットなど
のマット類を用いるか、あるいは、予め繊維を製品形状
に賦形したプリフォームマットを用いるのが好ましい。
【0030】また、繊維補強材の種類としては、無機繊
維や有機繊維が挙げられ、これらの好ましい例として
は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ジュート繊
維等のポリエチレンテレフタレート繊維等が挙げられ
る。
【0031】<作用>本発明のノルボルネン系ポリマー
成形品の製造方法は、ノルボルネン系モノマーを、酸素
や水分に対して安定なルテニウム−カルベン錯体又はル
テニウムビニリデン錯体(触媒)を用いて重合させてい
るので、空気存在下でも硬化不良が少なくなる。従っ
て、本発明によれば、型開き状態の成形型内に供給した
ノルボルネン系モノマーを、空気存在下で重合させつつ
プレスすることが可能となる。即ち、従来は不可能であ
った空気存在下での成形法であるプレス成形によるノル
ボルネン系ポリマー成形品の製造が可能となる。
【0032】また、従来の反応射出成形に比べて、寸法
精度の良い、衝撃強度に優れたノルボルネン系ポリマー
成形品を得ることができる。また、繊維補強等、補強
材、充填材を混入しても、界面での硬化不良が生じない
ので、従来は得ることが困難であった高強度・高弾性率
の成形品を製造することが可能となる。しかも、SMC
等を用いて得られた従来の繊維強化プラスチック(FR
P)成形品に比べて衝撃強性に優れ、割れ難い成形品を
得ることができる。
【実施例】以下、単に「部」とあるのは「重量部」を意
味する。 <実施例1> (原材料) モノマー:ジシクロペンタジエン ルテニウム−カルベン錯体:ビス(トリシクロヘキシル
ホスフイン)ベンジリデンルテニウムジクロリド 溶媒:トルエン (成形品の製造)図1に示すように、トルエン200部
にビス(トリシクロヘキシルホスフイン)ベンジリデン
ルテニウムジクロリド20部を溶解させた溶液5を、ビ
ス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテ
ニウムジクロリドのジシクロペンタジエンに対するモル
比が1/5000になるように、ジシクロペンタジエン
4と共に、ダイナミックミキサー6にて混合しながら、
得られた重合性組成物を平板成形用の下型2内に連続的
に50g供給し、上型3を下降させて閉じつつ、上記モ
ノマーを重合させるとともにプレスし賦形した。このと
きの、成形型の温度は80℃、プレス圧は0.7MPa
であった。
【0033】そして、3分後に脱型を行い、ポリジシク
ロペンタジエン製の平板(100mm×100mm×5
mm)を得た。得られた成形品は、成形時において空気
と接していたのにも関わらず、硬化性が良好であった。
【0034】<比較例1> (原材料) モノマー1(A液):活性剤、活性調節剤及びジシクロ
ペンタジエンよりなる溶液(商品名メトン:帝人メトン
株式会社製) モノマー2(B液):触媒及びジシクロペンタジエンよ
りなる溶液(商品名メトン:帝人メトン株式会社製)
【0035】(成形品の製造)従来の活性剤を含むジシ
クロペンタジエンA液と、従来の触媒を含むジシクロペ
ンタジエンB液(触媒及び活性剤の化合物名は不明)と
を、混合比率が1/1になるように、実施例1と同様
に、図1に示す成形型におけるダイナミックミキサーに
て、A液及びB液を混合しながら下型内に連続的に供給
し成形したところ、得られた成形品の殆どの部分が未硬
化で、製品とはなり得ないものであった。なお、成形時
の型温度は80℃であった。
【0036】<比較例2> (原材料) モノマー1(A液):活性剤、活性調節剤及びジシクロ
ペンタジエンよりなる溶液(商品名メトン:帝人メトン
株式会社製) モノマー2(B液):触媒及びジシクロペンタジエンよ
りなる溶液(商品名メ (成形品の製造)従来の活性剤を含むジシクロペンタジ
エンA液と、従来の触媒を含むジシクロペンタジエンB
液(触媒及び活性剤の化合物名は不明)とを、混合比率
が1/1になるように反応射出(RIM)成形機を用い
て、成形型内に射出充填した。その結果、硬化した成形
品を得ることはできたが、寸法精度は、表1に示す如く
実施例1に比べて悪かった。なお、成形時の型温度は8
0℃であった。又、AB両液の上記射出充填は、予め窒
素を供給して空気をパージしておいた成形型に対して行
った。
【0037】<実施例2> (原材料) モノマー:ジシクロペンタジエン ルテニウム−カルベン錯体:ビス(トリシクロヘキシル
ホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド 溶媒:トルエン 繊維補強材:コンティニアスマット(ガラス繊維:旭フ
ァイバー社製 #450)
【0038】(成形品の製造)下型2内にコンティニア
スマットを5枚積層した状態で、実施例1と同様にし
て、ジシクロペンタジエンと上記触媒とを混合して得ら
れた重合性組成物を、下型2内に連続的に流し込んで重
合させつつ、上型3を降下させてプレスすることにによ
り、繊維補強ポリジシクロペンタジエン成形品(平板)
を得た。なお、成形時の型温度は80℃であった。得ら
れた成形品は、表1に示した通り強度及び弾性率に優れ
ていた。
【0039】<比較例3>イソ系ポリエステル、炭酸カ
ルシウム及びガラス繊維を、100:100:30の割
合で混入したSMCを、実施例1と同様に、図1に示し
た成形型を用いて3分間プレスで加圧して繊維補強樹脂
成形品を得た。得られた成形品は、強度・剛性は、実施
例2で得られた繊維補強ジシクロペンタジエン成形品と
同等であったが、衝撃強度は劣っていた。
【0040】<実施例3> (原材料) モノマー:ジシクロペンタジエン ルテニウムビニリデン錯体:下記の式 (III)で表される
ものを用いた。
【0041】
【化5】 式中、Cyはシクロヘキシル基を表し、Fcはフェロセ
ニル基を表す。
【0042】溶媒:トルエン
【0043】(成形品の製造)図1に示すように、トル
エン200部にルテニウムビニリデン錯体20部を溶解
させた溶液を、ルテニウムビニリデン錯体のジシクロペ
ンタジエンに対するモル比が1/3000になるよう
に、ジシクロペンタジエンと共に、ダイナミックミキサ
ー6にて混合しながら得られた重合性組成物を、平板成
形用の下型2内に連続的に50g供給し、上型3を下降
させて閉じつつ、上記モノマーを重合させるとともにプ
レスし賦形した。そして、上型3を閉じて3分後に脱型
を行い、ポリジシクロペンタジエン製の平板(100m
m×100mm×5mm)を得た。得られた成形品は、
成形時において空気と接していたのにも関わらず、硬化
性が良好であった。なお、成形時の型温度は100℃で
あった。
【0044】<実施例4> (原材料) モノマー:ジシクロペンタジエン ルテニウムビニリデン錯体:実施例3と同じものを用い
た。 溶媒:トルエン 繊維補強材:コンティニアスマット(ガラス繊維:旭フ
ァイバー社製 #450)
【0045】(成形品の製造)下型2内にコンティニア
スマットを5枚積層した状態で、実施例3と同様にし
て、ジシクロペンタジエンと触媒とを混合して得られた
重合性組成物を下型2内に流し込み、ジシクロペンタジ
エンを重合させるとともに上型3にてプレスすることに
により、繊維補強ポリジシクロペンタジエン成形品(平
板)を得た。なお、成形時の型温度は100℃であっ
た。得られた成形品は強度弾性率に優れていた。
【0046】次に、実施例1〜実施例4と、比較例2及
び3の各例で得られた成形品について、曲げ強度(JI
S K 7055準拠)、曲げ弾性率(JIS K 7
055準拠)、アイゾット衝撃(JIS K 711
0)、及び寸法誤差の各物性値を測定し、その結果を、
下記の表1に示した。なお、アイゾット衝撃について
は、ノッチ付き試験片で行った。また、寸法誤差は、平
板成形品の長辺の設計寸法と実製品との差を百分率表示
したものである。
【0047】
【表1】
【0048】以上の結果から、本発明のノルボルネン系
ポリマー成形品の製造方法により得られるノルボルネン
型ポリマー成形品は、強度・弾性率はもとより、特に耐
衝撃性と耐熱性に優れることがわかった。また、従来の
反応射出成形方法と比べて寸法精度が高いこともわかっ
た。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ノルボ
ルネン系モノマーと、触媒としてのルテニウム−カルベ
ン錯体又はルテニウムビニリデン錯体とを含有してなる
重合性組成物を、型開き状態の成形型内に供給し、成形
型を閉じつつノルボルネン系モノマーを重合させるとと
もにプレスして賦形するので、本発明によれば、空気存
在下でも容易に高い生産性をもって、ノルボルネン型ポ
リマー成形品を得ることができる。
【0050】得られるノルボルネン型ポリマー成形品
は、従来の繊維強化プラスチック(FRP)のプレス成
形品よりも耐衝撃性に優れており、従来の反応射出成形
によるノルボルネン型ポリマー成形品よりも強度、剛性
及び寸法精度に優れている。また、繊維補強材による複
合時において硬化不良による界面密着不良が生じないの
で、繊維補強材を用いる求項3記載の本発明によれば、
容易に高強度・高弾性率の成形品を得ることができる。
また、ノルボルネン系モノマーが、ジシクロペンタジエ
ンである請求項4記載の本発明によれば、ジシクロペン
タジエンの特性により、上記効果がより確実に発現され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るノルボルネン系ポリマー成形品の
製造方法の一例の説明図である。
【図2】本発明に係るノルボルネン系ポリマー成形品の
製造方法に用いる成形型の一例を示す模式的断面図であ
る。
【図3】本発明に係る繊維補強ノルボルネン系ポリマー
成形品の製造方法の一例の説明図である。
【符号の説明】
1 プレス機 2 下型 3 上型 4 ノルボルネン系モノマー 5 ルテニウム−カルベン錯体 6 ダイナミックミキサー 7 樹脂供給装置 8 繊維補強材 C 成形型のクリアランス
フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA12L AB03 AB04 AB17 AB25 AG01 AK01 AK02 AM30 CA09 CB01 CL50 CN01 CN05 CN25 4F204 AA12L AB03 AB04 AB17 AB25 AG01 AK01 AK02 AM30 FA01 FB01 FH21 FN11 FN15 FN17 4J032 CA34 CA35 CA38 CA43 CA45 CB01 CD02 CE06 CG07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノルボルネン系モノマーと、触媒として
    の下記一般式(I)で表されるルテニウム−カルベン錯
    体とを含有してなる重合性組成物を、型開き状態の成形
    型内に供給し、成形型を閉じつつノルボルネン系モノマ
    ーを重合させるとともにプレスして賦形することを特徴
    とするノルボルネン系ポリマー成形品の製造方法。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、互いに独立に、水素、C2 〜
    C20−アルケニル基、C1 〜C20−アルキル基、アリー
    ル基、C1 〜C20−カルボキシレート、C1 〜C20−ア
    ルコキシ基、C2 〜C20−アルケニルオキシ基、アリー
    ルオキシ基、C2〜C20−アルコキシカルボニル基、又
    はC1 〜C20−アルキルチオ基(これらは、C1 〜C5
    −アルキル基、ハロゲン、C1 〜C5 −アルコキシ基に
    よって置換されていてもよいし、あるいはC1 〜C5 −
    アルキル基、ハロゲン、C1 〜C5−アルコキシ基によ
    って置換されたフェニル基によって置換されていてもよ
    い)を表し、X1 及びX2 は、互いに独立に、任意のア
    ニオン性配位子を表し、L1及びL2 は、互いに独立
    に、任意の中性電子供与体を表し、X1 、X2 、L1
    びL2 の内、2個または3個は、一緒に多座キレート化
    配位子を形成してもよい)
  2. 【請求項2】 ノルボルネン系モノマーと、触媒として
    の下記一般式(II)で表されるルテニウムビニリデン錯
    体とを含有してなる重合性組成物を、型開き状態の成形
    型内に供給し、成形型を閉じつつノルボルネン系モノマ
    ーを重合させることを特徴とするノルボルネン系ポリマ
    ー成形品の製造方法。 【化2】 (式中、R3 及びR4 は、互いに独立に、水素、C2 〜
    C20−アルケニル基、C1 〜C20−アルキル基、アリー
    ル基、C1 〜C20−カルボキシレート、C1 〜C20−ア
    ルコキシ基、C2 〜C20−アルケニルオキシ基、アリー
    ルオキシ基、C2〜C20−アルコキシカルボニル基、C1
    〜C20−アルキルチオ基(これらは、C1 〜C5 −ア
    ルキル基、ハロゲン、C1 〜C5 −アルコキシ基によっ
    て置換されていてもよいし、あるいはC1 〜C5 −アル
    キル基、ハロゲン、C1 〜C5 −アルコキシ基によって
    置換されたフェニル基によって置換されていてもよい)
    又は、フェロセン誘導体を表し、X3 及びX4 は、互い
    に独立に、任意のアニオン性配位子を表し、L3 及びL
    4 は、互いに独立に、任意の中性電子供与体を表し、X
    3 、X4 、L3 及びL4 の内、2個または3個は、一緒
    に多座キレート化配位子を形成してもよい)
  3. 【請求項3】 成形型内に繊維補強材を配置した状態
    で、重合性組成物を成形型内に供給することを特徴とす
    る請求項1又は2記載のノルボルネン系ポリマー成形品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 ノルボルネン系モノマーが、ジシクロペ
    ンタジエンであることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    か1項記載のノルボルネン系ポリマー成形品の製造方
    法。
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