JP2000303254A - 産業資材用高強力中空繊維 - Google Patents
産業資材用高強力中空繊維Info
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Abstract
に浮くことができ、アイスプライス加工性にも優れてお
り、船舶繋留や牽引用ロープとして特に好適な産業資材
用高強力中空繊維を提供する。 【解決手段】 熱可塑性ポリマーからなり、各単糸は繊
維の横断面形状において、架橋部2を介して2つ以上の
中空部1を有し、中空率10〜35%、強度6.5cN
/dtex以上、伸度15〜25%である産業資材用高
強力中空繊維。
Description
性、かつ水に浮くのに十分な浮力を有し、特に船舶繋留
用ロープに適した産業資材用高強力中空繊維に関するも
のである。
用される船舶用ロープ又は各種の建設現場で使用される
ロープは、強力の高さと耐用年数の長さが求められる。
また、これらのロープの長さは様々であるが、一般的に
その先端部分は対象物との接続に便利なようにアイスプ
ライス加工(さつま加工)と呼ばれる加工が施される。
9で定義されているように、ロープの端部を輪状にした
後、その先端部をほぐし、ストランドをロープの間に差
し込む端末加工である。しかし、通常、ロープは非常に
硬く仕上げられているため、この加工のための作業は困
難である。
久性のみならず、水中に沈まずに水面に長時間浮いてい
ることも作業性において重要である。例えば、ナイロン
6を中心するポリアミド繊維は、その強力の高さと耐用
年数の長さから様々な産業資材用の素材に使用されてい
るが、ナイロン6繊維を使用した場合、比重が大きいた
め、通常のポリアミド繊維からなるロープは水中に沈ん
でしまい、ロープ自体が水分を吸収して重くなり、作業
の労力、特に巻き上げ時の負荷が大きくなる。
として用いる場合、ロープを外したときにロープが水中
に沈み、船のスクリューに絡まって危険であるという問
題がある。
は、単糸の横断面に4つの中空部を有するナイロン捲縮
糸が記載されている。しかしながら、このナイロン繊維
は、カーペット用に適したものであり、防汚性、嵩高性
には優れているが、強度、中空率ともに低く、産業資材
用には不向きであった。特に、この繊維をロープに用い
たとしても、水に殆ど浮くことができず、強度も低いの
で、船舶を繋留したり、牽引することはできなかった。
題点を解決し、十分な強伸度を有し、ロープとしたとき
に水に浮くことができ、かつアイスプライス加工性にも
優れており、船舶繋留や牽引用ロープとして特に好適な
産業資材用高強力中空繊維を提供することを技術的な課
題とするものである。
解決するために検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は、熱可塑性ポリマーからなり、各単糸は
繊維の横断面形状において、架橋部を介して2つ以上の
中空部を有し、中空率10〜35%、強度6.5cN/
dtex以上、伸度15〜25%であることを特徴とす
る産業資材用高強力中空繊維を要旨とするものである。
単糸の横断面形状における中空部の面積の割合をいい、
ニコン社製マイクロフォトS光学顕微鏡に顕微鏡写真撮
影装置を取り付け、単糸断面の横断面形状を撮影し、図
2の本発明の四つ穴断面中空繊維の断面模式図に示すよ
うに、面積A(中空部)と面積B(非中空部)の値を算
出し、次式により求めたものであり、5本の単糸につい
ての平均値とする。 中空率(%)=〔(面積A)/(面積A+面積B)〕×
100
する。本発明の中空繊維を構成する熱可塑性ポリマーと
しては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン46、ナイロン66、ナイロン610等及びこれ
らを主成分とするポリアミド、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等及びこれらを主成
分とするポリエステル等が挙げられ、これらを単独、あ
るいは共重合やブレンドしたものを用いることができ
る。そして、本発明の効果を損なわない範囲であれば、
熱可塑性ポリマーには艶消剤、改質剤、制電剤、顔料等
を含んだものでもよい。
相対粘度が2.8以上のナイロン6が好ましく、特に、
相対粘度が3.0以上、さらには3.5以上のものが好
ましい。
媒とし、濃度1g/dl、温度25℃で測定したものであ
る。相対粘度が2.8未満であると、強度が低下し、産
業資材用として適さないものとなりやすい。なお、相対
粘度の上限は特に限定するものではないが、紡糸、製糸
性が低下しないようにするためには、4.0以下とする
ことが好ましい。
cN/dtex以上、伸度15〜25%であることが必
要であり、中でも、強度7.5cN/dtex以上、伸
度18〜23%であることが特に好ましい。これは、産
業資材用途として用いる素材であるために必要とされる
物性である。
と、この繊維を製紐して得られたロープは、船舶を繋
留、牽引するための強度が不十分なものになる。また、
伸度が15%未満であると、繊維の配向が進行しすぎて
繊維がもろくなって切断しやすくなる。一方、伸度が2
5%を超えると、この繊維を製紐して得られたロープ
は、使用するとさらに伸びてしまい、強度や耐久性が低
下する。
明する。図1、図3、図4は本発明の中空繊維の単糸断
面形状の実施態様を示す断面模式図である。図1は、中
心部付近に十字型の架橋部2を形成するように4つの中
空部1を配した四つ穴断面形状を呈するものであり、図
3は中空部1を2つ有するもの、図4は中空部1を3つ
有するものである。
において、架橋部2を介して2つ以上の中空部1を有し
ている。このように中空部と中空部の間に架橋部が存在
することで強度を保持することができるとともに、中空
部の潰れを防ぐことができ、ロープ等の製品にした際に
も中空部を保持し、中空率の低下が生じない。
うにすることが好ましく、特に、図1に示すように、中
心部付近に十字型の架橋部を形成するように4つの中空
部を配した四つ穴断面形状とすることが好ましい。この
ような四つ穴断面形状であると、架橋部が十字型である
ことによって、多方向からの応力に対する耐性が高くな
り、より高強度で中空率の低下のない繊維となる。
ける中空部の面積の割合である、中空率が10〜35%
であることが必要である。この中空率の範囲とすること
で、繊維の強度を保持し、かつこの繊維で作成したロー
プが水に浮く程度の比重とすることが可能となり、さら
には、アイスプライス加工時において繊維に弾性変形を
生じさせることができ、アイスプライス加工時の作業性
が向上する。
で算出できるみかけ比重である。ナイロン6を用いた場
合は、原糸の比重が1.14であり、中空率が10〜3
5%であると、みかけ比重は0.74〜1.03とな
り、中でも0.95以下となるようにすることが好まし
い。 みかけ比重=〔(100−中空率)/100〕×原糸の
比重
が大きくなり、この繊維からなるロープは水に沈むもの
となりやすい。また、繊維の弾性変形が生じにくくな
り、アイスプライス加工時の作業性が向上しない。一
方、中空率が35%を超えると、繊維の強度を維持する
ことができず、また、中空部の潰れや破れが生じるよう
になる。
可塑性ポリマーにポリアミドを用いて場合、長鎖アルキ
ル基を有するビスアミド化合物が添加されていることが
好ましい。
レンビスステアリルアミド、メタキシリレンビスオレイ
ルアミド、エチレンビスステアリルアミド等が挙げら
れ、中でも、エチレンビスステアリルアミド(EB)が
好ましい。
りがあり、中空率を上げるためには紡糸温度を下げてい
く必要がある。しかし、紡糸温度の低下は同時に溶融斑
などの原因になり、繊維の強度低下を引き起こす懸念が
ある。このため、強度を必要する繊維の製造において
は、紡糸温度はある程度の高さを維持することが必要と
なる。
ことなく、繊維単糸の形状が保持できるので、高中空率
とすることが可能となり、高強度、高中空率の繊維を得
ることが容易となる。
1.0重量%であることが好ましく、中でも0.05〜
0.2重量%が好ましい。0.01重量%未満の場合
は、上記の単糸形状の保持の効果が十分に発揮されず、
一方、1.0重量%を超えると、強度が低下したり、糸
切れなどの紡糸操業性が悪化する懸念がある。
用いた場合、ポリマーに珪素化合物を添加することが好
ましい。
持し、中空率を上げる効果に加え、樹脂そのものの比重
を小さくする効果もあるため、繊維全体の比重を下げる
ことが可能になり、より水に浮きやすい繊維とすること
ができる。同時に、繊維の耐摩耗性を向上させる効果も
あり、ロープとしての耐久性を向上させることが可能に
なる。
の形状を保持する効果があり、樹脂の比重を小さくでき
ればよく、特に好ましいものとしては、オルガノポリシ
ロキサン(シリコン樹脂)や、層状珪酸塩(ナノコンポ
ジットナイロン)等が挙げられる。
1.0重量%であることが好ましく、中でも0.05〜0.2重量%
が好ましい。0.01重量%未満では、上記の単糸形状の保
持の効果が十分に発揮されず、一方、1.0重量%を超える
と、強度が低下したり、糸切れなどの紡糸操業性が悪化
する懸念がある。
水、撥水等の加工を施さなくてもこの繊維からなるロー
プは、水に浮かべ続けた場合で、約1カ月以上は水に浮
いていることができる。しかしながら、水に触れている
部分から徐々に吸水され、用いられる環境にもよるが、
撥水されるよりも吸水が進んだり、製紐した繊維や紐間
に水が吸収されると、ロープ全体が水に沈むようにな
る。そこで、本発明の繊維又はロープとしたときのロー
プ表面に防水、撥水等の耐水加工を施すことによって、
より耐水性に優れ、長期間水に浮くロープを提供するこ
とが可能になる。
について説明する。通常の中空糸用紡糸口金を装着した
溶融紡糸装置を用いて製造することができ、一旦巻き取
ることなく、紡糸に引き続いて延伸を行い、巻き取る一
工程法でも、一旦未延伸糸を巻き取った後延伸を行う二
工程法のどちらを採用してもよいが、生産性よく製造す
るためには、一工程法を用いることが望ましい。
に用いられるため、単糸繊度は4.0〜50dtex程
度、総繊度600〜3500dtex程度のものとする
ことが好ましい。
る。なお、実施例中の各種の値の測定、評価は次のよう
にして行った。 〔強伸度〕島津製作所(株)製オートグラフS-100 を用
い、繊度(d) ×1/20の初荷重(g)をかけ、試料長25c
m、引っ張り速度30cm/分で測定した。 〔中空率〕前記の方法で測定し、算出した。 〔みかけ比重〕前記の式で算出した。 〔水浮上性〕得られた繊維を製紐機を用いて8本×8本
の製紐品を作成し、この製紐品を20cmに切り取り、
両端を結わえて水中に放置した。放置から24時間、放
置から1週間、放置から3週間の状態を観察し、浮いて
いる状態を○、完全に水中に沈んでいる状態を×で示し
た。 〔アイスプライス加工性〕得られた繊維を3本引き揃え
てS方向に120TPMの撚数を持つ下撚コードを作成
し、続いてこの下撚コード4本を引き揃え、Z方向に12
0TPMの撚数を与えた引き揃えコードを作成した。さ
らにこのコードを22本引き揃え、110TPMの撚数で
撚糸し、ストランドを形成する。最後にストランド3本
で3つ打ちし、16mmロープに仕上げた。このロープ
のアイスプライス加工時の作業性を○と×の2段階で評
価した。
添加し、エクストルーダーに供給し、中空糸用紡糸口金
を備えた溶融紡糸装置を用いて紡糸温度278℃で溶融紡
糸した。紡糸後の糸条を冷却し、非水系油剤を付与した
後、ローラ温度130〜190℃の熱ローラ間で総延伸倍率4.
70倍で熱延伸を施し、2500m/分の速度で巻き取り、図
1に示すような四つ穴断面形状の中空繊維(940dt
ex/68f)を得た。
変更した以外は、実施例1と同様に行った。
重量%を添加した以外は、実施例1と同様に行った。
に示すような二つ穴断面形状の中空繊維を得た。
に示すような三つ穴断面形状の中空繊維を得た。
丸断面のものとした以外は、実施例1と同様に行い、丸
断面形状の繊維(940dtex/68f)を得た。
ネシウムを0.1重量%添加した以外は実施例1と同様
に行った。
した以外は実施例1と同様に行った。
を有する丸断面のものとした以外は、実施例1と同様に
行い、中空繊維を得た。
維の強伸度、中空率、みかけ比重、水浮上性、アイスプ
ライス加工性の評価結果を表1に示す。
中空繊維は、十分な強伸度を有し、この繊維からなるロ
ープは水浮上性に優れ、撥水加工を施していなくても1
か月以上の間水に浮き続けていた。そして、アイスプラ
イス加工時の作業性にも優れるものであった。一方、比
較例1の繊維は、中空部がないために、比重が大きく、
この繊維からなるロープは最初から水に浮かず、アイス
プライス加工性にも劣るものであった。比較例2の繊維
は、中空率が低すぎたためにみかけ比重が大きくなり、
その製紐品は水に入れると24時間以内に水に沈んだ。
また、アイスプライス加工性にも劣るものであった。比
較例3の繊維は、中空率が大きすぎたため、強伸度の劣
ったものであり、また、その紡糸状況は糸切れが多く、
操業性が悪かった。比較例4の繊維は、中空部が1つで
あったため、架橋部が存在せず、強度が低く、またロー
プとしたときに中空部の潰れも生じたため、みかけ比重
は1.0未満であったが、水浮上性に劣り、水に浮かべ
てから2日程度で水中に沈んだ。
度を有し、中空部の潰れが生じにくい高中空率の繊維で
あるため、特に船舶繋留や牽引用ロープとして好適に用
いることができ、この繊維からなるロープは強伸度や耐
久性に優れるのはもちろんのこと、長期間水に浮いてい
ることができるので、ロープを外したときに沈んでスク
リューに絡まる危険性が極めて少なくなり、作業の安全
性が大幅に向上し、同時に作業の労力も軽減することが
可能となる。さらに、アイスプライス加工時に弾性変形
を生じさせることが容易であり、アイスプライス加工の
作業性にも優れる。
を示す断面模式図である。
面模式図である。
様を示す断面模式図である。
様を示す断面模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 熱可塑性ポリマーからなり、各単糸は繊
維の横断面形状において、架橋部を介して2つ以上の中
空部を有し、中空率10〜35%、強度6.5cN/d
tex以上、伸度15〜25%であることを特徴とする
産業資材用高強力中空繊維。 - 【請求項2】 熱可塑性ポリマーが、相対粘度2.8以
上のナイロン6を主成分とするものである請求項1記載
の産業資材用高強力中空繊維。 - 【請求項3】 各単糸の横断面形状において、中心部付
近に十字型の架橋部を形成するように4つの中空部を有
する請求項1又は2記載の産業資材用高強力中空繊維。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35461099A JP4336010B2 (ja) | 1999-02-19 | 1999-12-14 | ロープ用高強力中空繊維 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4153299 | 1999-02-19 | ||
| JP11-41532 | 1999-02-19 | ||
| JP35461099A JP4336010B2 (ja) | 1999-02-19 | 1999-12-14 | ロープ用高強力中空繊維 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000303254A true JP2000303254A (ja) | 2000-10-31 |
| JP4336010B2 JP4336010B2 (ja) | 2009-09-30 |
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ID=26381171
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35461099A Expired - Fee Related JP4336010B2 (ja) | 1999-02-19 | 1999-12-14 | ロープ用高強力中空繊維 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
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Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006233015A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Bridgestone Corp | ゴム組成物、加硫ゴムおよびタイヤ |
| WO2011160905A1 (de) | 2010-06-21 | 2011-12-29 | Polyamide High Performance Gmbh | Schwimmfähiges tau |
| KR20200125598A (ko) * | 2018-02-26 | 2020-11-04 | 도레이 카부시키가이샤 | 폴리아미드 610 멀티필라멘트 |
| CN112726238A (zh) * | 2020-12-28 | 2021-04-30 | 青岛鲁普耐特绳网研究院有限公司 | 中空聚酯纤维浮水系泊绳及其制作方法 |
-
1999
- 1999-12-14 JP JP35461099A patent/JP4336010B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
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| US8850785B2 (en) | 2010-06-21 | 2014-10-07 | Php Fibers Gmbh | Buoyant rope |
| KR20200125598A (ko) * | 2018-02-26 | 2020-11-04 | 도레이 카부시키가이샤 | 폴리아미드 610 멀티필라멘트 |
| US11807959B2 (en) | 2018-02-26 | 2023-11-07 | Toray Industries, Inc. | Polyamide-610 multifilament |
| KR102674777B1 (ko) * | 2018-02-26 | 2024-06-13 | 도레이 카부시키가이샤 | 폴리아미드 610 멀티필라멘트 |
| CN112726238A (zh) * | 2020-12-28 | 2021-04-30 | 青岛鲁普耐特绳网研究院有限公司 | 中空聚酯纤维浮水系泊绳及其制作方法 |
| CN112726238B (zh) * | 2020-12-28 | 2024-03-26 | 青岛鲁普耐特绳网研究院有限公司 | 中空聚酯纤维浮水系泊绳及其制作方法 |
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