JP2000303375A - 漂白パルプの製造方法 - Google Patents

漂白パルプの製造方法

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JP2000303375A JP11110574A JP11057499A JP2000303375A JP 2000303375 A JP2000303375 A JP 2000303375A JP 11110574 A JP11110574 A JP 11110574A JP 11057499 A JP11057499 A JP 11057499A JP 2000303375 A JP2000303375 A JP 2000303375A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ECF漂白パルプの製造における漂白薬品の
使用量を削減しうる漂白パルプの製造方法の提供。 【解決手段】 リグノセルロース材料を蒸解して得られ
た未晒パルプを酸素漂白した後、元素塩素の不在下にお
ける多段漂白を行い、漂白パルプを製造する方法におい
て、多段漂白の初段とその直後に連続して二酸化塩素段
を設け、この後にアルカリ条件下での抽出処理した後、
さらに漂白することを特徴とする漂白パルプの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リグノセルロース
材料、特に木材或いは非木材から漂白パルプを製造する
方法に関する。更に詳しく述べれば、本発明は、木材或
いは非木材を蒸解した後に洗浄して得られる未晒パルプ
を酸素漂白した後、塩素を用いないで漂白してECF漂
白パルプを製造する方法であって、初段と二段目に二酸
化塩素を薬品として用い、該二酸化塩素処理の間に洗浄
が有っても無くてもよく、その後、アルカリ条件下での
抽出を行い、さらに必要であれば一段または多段の漂白
を行う漂白パルプの製造方法に関する。
【0002】木材パルプや非木材パルプを製紙原料とし
て多くの用途に使用するためには、木材或いは非木材を
蒸解液で蒸解し、薬品の化学作用によってパルプ化した
後に得られるパルプを漂白薬品で漂白して白色度を高め
る必要がある。例えば、木材チップをクラフト蒸解液で
蒸解して得られるクラフトパルプは包装資材のように強
度を必要とする用途に使う場合を除いて、通常、酸素と
アルカリにより酸素脱リグニンされた後、或いは酸素と
アルカリにより酸素脱リグニンされないまま、塩素、次
亜塩素酸塩、二酸化塩素、酸素、オゾン、過酸化水素、
苛性ソーダ等の漂白剤及び漂白助剤からなる選ばれた漂
白薬品により1段乃至は多段シーケンスで漂白され、パ
ルプに含まれる着色原因物質であるリグニン等が除去さ
れ、白色度が70〜90%の範囲の半晒クラフトパルプ
乃至完全漂白クラフトパルプとして使用されるのが一般
的である。
【0003】従来から多段漂白法においては、パルプを
最初に塩素で処理し、パルプ中に含有されるリグニンを
塩素化し、リグニンに可溶性を付加した後、次にアルカ
リで塩素化リグニンを溶解抽出して、パルプ中からリグ
ニンを分離除去し、更に次亜塩素酸塩、二酸化塩素等を
使用し、残留する少量のリグニンを分解除去し、白色度
の高いパルプを得る方法が採られてきた。
【0004】しかしながら、近年、パルプの塩素化段か
らの漂白排水に含まれる有機塩素化合物の環境への影響
が懸念され、パルプ漂白に原子状塩素を用いない漂白シ
ーケンスについて盛んに研究されてきている。又、次亜
塩素酸塩を用いた場合もパルプの漂白時にクロロホルム
が生成し、環境に悪影響を及ぼす可能性があることか
ら、パルプ漂白に使用しない漂白シーケンス(ECF:
エレメンタリークロラインフリーと省略する場合があ
る)漂白の模索が行われている。
【0005】現在、塩素や次亜塩素酸塩の代替として、
オゾン、酸素、過酢酸および過硫酸等の酸素系の漂白薬
品が注目されている。しかしながら、これらの薬品は、
酸素と過酸化水素を除いては、薬品コストが高く、又爆
発性があるため取り扱いが困難である。一方二酸化塩素
はコスト面、ジェネレーター容量の制限等が問題とな
り、現在のところ、我が国では塩素の代わりに二酸化塩
素を用いることは、一般に普及するまでには至っていな
いが、将来的には有望な漂白方法である。塩素や次亜塩
素酸塩と比較して、二酸化塩素は環境への影響が少ない
が、高価であるので、なるべく添加率を少なくするため
の最適な漂白シーケンスや条件の探索がなされている。
【0006】特開平4−245988号公報では、元素
塩素の不在下において化学パルプを漂白する場合の二酸
化塩素使用量を低減する方法として、ヘミセルロース分
解酵素でパルプを処理した後、二酸化塩素で漂白する
と、使用しない場合に比べ、二酸化塩素の添加率を約2
0%減添できる方法が開示されているが、酵素使用によ
るパルプ粘度低下、収率低下等の問題や、酵素処理の反
応が基質特異性を有するため、顕著に効果がでないパル
プなどが出てくる恐れもあり、酵素自身も安価な試薬で
はないため、漂白コストは逆に増大する可能性もある。
【0007】一方特開平4−263687号公報では二
酸化塩素添加率を削減する手段として、二酸化塩素にオ
ゾンを組み合わせて漂白することを記載しており、これ
によりトータルの二酸化塩素添加率は50%削減できる
と記載されている。しかし、パルプ粘度は27.5mP
a・sから16mPa・sに低下しており、またオゾン
を発生するための設備が必要となる点から、既存の工場
への導入は容易ではない。
【0008】また、特開平9−87985号公報および
特開平9−87986号公報では、製紙用化学パルプの
製造において、二酸化塩素の使用量を低減させる方法と
して、漂白前あるいは漂白後のpHを1〜3でおこな
い、その直後にアルカリ媒体中で過酸化物と酸素による
脱リグニンおよび漂白を行うこと、あるいは二酸化塩素
段にキレート剤を添加する方法が開示されている。この
処理により処理後の白色度は5%程度高くなり、トータ
ル二酸化塩素量添加率は対パルプ0.5重量%まで抑え
ることができたが、比較例は、塩素を含む漂白シーケン
スであり、ECF漂白シーケンスの比較例を最終段まで
漂白して比較していないため、ECF漂白での削減効果
は定かではない。
【0009】また、このような二酸化塩素段のpH調整や
キレート剤の併用は、その後段での過酸化物と酸素の反
応を効率的に行うために、重金属除去効果を主眼として
おり、本願発明のように、二酸化塩素漂白の効率を上げ
るためのものではない。また、これらの方法で処理して
も、過酸化物をその直後に使用しない場合もあり、この
場合には効果が見られなくなる恐れもある。
【0010】なお、二酸化塩素段が二回続くシーケンス
についてはすでに数多く述べられ、特開平4−2636
87号公報などにも記載されているが、これらは多段漂
白の後段に設けたものであり、本発明のような、多段漂
白の初段に二回続くものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
背景に鑑みECFパルプ製造のために漂白性を改善する
方法について種々検討を重ねた結果、未晒パルプを酸素
漂白した後のパルプ繊維を、ECF漂白の初段と二段目
に二酸化塩素を薬品として用い、処理温度の異なる初段
と二段目の二酸化塩素処理の間に洗浄が有っても無くて
もよく、次いでアルカリ条件下での抽出を行い、パルプ
中のリグニン量を減少させ、使用する二酸化塩素量の減
少が可能となることを見出した。このことは、有機塩素
化合物の排出量をさらに低減できるので、環境負荷が少
ない方法である。本発明は、白色度が高く、安定し、高
い品質を保ちつつ、排水への有機塩素化合物の排出量を
低減させた経済的で低環境負荷型の漂白方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)本発明はリグノセ
ルロース材料を蒸解して得られた未晒パルプを酸素漂白
した後、元素塩素の不在下における多段漂白を行い、漂
白パルプを製造する方法において、多段漂白の初段とそ
の直後に連続した二酸化塩素段を設け、次いでアルカリ
条件下での抽出処理した後、さらに漂白することを特徴
とする漂白パルプの製造方法に存する。
【0013】(2)本発明は、連続した二酸化塩素段の
初段の二酸化塩素段は、処理温度70〜110℃、処理
時間10〜120分の範囲で行い、その直後に連続した
二段めの二酸化塩素段は処理温度40〜90℃、処理時
間30〜120分の範囲で行う(1)項記載の漂白パル
プの製造方法に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】木材を蒸解後、酸素漂白して得ら
れるパルプを塩素や次亜塩素酸塩を含まない漂白薬品で
漂白する(ECF漂白)際に、初段に二酸化塩素段を用
いた直後に、アルカリ処理や酸素および過酸化物を含む
アルカリ処理による抽出工程が続く従来法に比べて、二
段階で二酸化塩素処理を行った後、アルカリ処理や酸素
による脱リグニンを補強したアルカリで抽出する方法
は、漂白全行程における二酸化塩素添加率が少なくて済
む。したがって従来法より少ない二酸化塩素の使用量で
済むため、二酸化塩素のジェネレーターを新規に造る場
合にも、増設する場合にも、容量の小さいもので良く、
経済的であり、排水中の有機塩素化合物量も少なくな
り、環境保護にも役立つ方法である。
【0015】本発明は、木材をクラフト蒸解液のような
化学薬品を用いて蒸解し、得られる未漂白パルプを公知
の酸素とアルカリによる酸素漂白法により脱リグニンし
たパルプを、二段の二酸化塩素を、その間に洗浄するこ
となく添加し処理する方法(初段をD1段、次段をD2
段とすると、D1D2と略)あるいはその間に洗浄を行
い処理する方法(D1−D2段と略する)による処理に
次いでアルカリおよび/またはアルカリ条件下で酸素お
よび/または過酸化水素で抽出するか/または該抽出
後、塩素と次亜塩素酸塩を含まない漂白薬品を用いて漂
白し、ハンター白色度が70〜90%の漂白パルプを製
造する方法である。
【0016】本発明で用いられるパルプは、リグノセル
ロース材料である針葉樹材と広葉樹材からの未漂白パル
プを酸素とアルカリにより酸素漂白したパルプである。
本発明に使用されるパルプを得るための蒸解法として
は、クラフト蒸解、サルファイト蒸解、ポリサルファイ
ド蒸解、ソーダ蒸解等の公知の蒸解法を用いることがで
きるが、パルプ品質、エネルギー効率等を考慮すると、
クラフト蒸解法が好適に用いられる。
【0017】例えば、木材チップをクラフト蒸解する場
合、クラフト蒸解液の硫化度は5〜75%、好ましくは
15〜45%、有効アルカリ添加率は絶乾木材重量当た
り5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、蒸解
温度は140〜170℃で、蒸解方式は、連続蒸解法或
いはバッチ蒸解法のどちらでもよく、連続蒸解釜を用い
る場合は、蒸解液を多点で添加する修正蒸解法でもよ
く、その方式は特に問わない。蒸解に際して、使用する
蒸解液に蒸解助剤として、公知の環状ケト化合物を併用
してもよい。
【0018】本発明に使用される酸素漂白による脱リグ
ニン法は、酸素とアルカリを用いる公知の中濃度法或い
は高濃度法がそのまま適用できるが、現在汎用的に用い
られているパルプ濃度が8〜15重量%で行われる中濃
度法が好ましい。前記中濃度法による酸素漂白による脱
リグニン法で使用されるアルカリとしては苛性ソーダ或
いは酸化されたクラフト白液であり、酸素ガスとアルカ
リは中濃度ミキサーにおいて中濃度のパルプスラリーに
添加され混合が十分に行われた後、加圧下でパルプ、酸
素及びアルカリの混合物を一定時間保持できる脱リグニ
ン反応塔へ送られ、脱リグニンされるというものであ
る。前記中濃度ミキサーは、メーカーにより異なるが5
00〜1000rpmで高速回転するローターを有し、
高剪断力を中濃度パルプスラリーへ付与してあたかもパ
ルプスラリーが水のような流体に変化させ、それによっ
てパルプ、酸素及びアルカリを十分混合できる。酸素ガ
スの添加率は、絶乾パルプ重量当たり0.5〜3重量
%、アルカリ添加率は0.5〜4重量%、反応温度は8
0〜120℃、反応時間は15〜100分、パルプ濃度
は8〜15重量%であり、この他の条件は公知のものが
適用できる。
【0019】本発明における分割添加あるいは連続二酸
化塩素処理とは、パルプを酸性領域のpHで二酸化塩素
水を添加し、或いは該水溶液を含浸させ、特定時間と温
度を維持したのち、パルプの洗浄を行わず(D1D
2)、あるいは行って(D1−D2)、再び二酸化塩素
水をパルプに含浸させ、特定時間と温度を維持すること
と定義される。
【0020】本発明のD1およびD2段におけるパルプ
濃度は5〜40重量%、好ましくは8〜35重量%、更
に好ましくは10〜25重量%の範囲である。パルプ濃
度が5重量%未満では、処理に大容量の設備を要するの
で適さない。パルプ濃度が40重量%を超えると、パル
プと二酸化塩素を均一に混合することが難しくなり、効
果が十分得られないので適さない。
【0021】本発明のD1段およびD2段におけるパル
プ濃度は、5〜40重量%、処理温度は50〜150
℃、好ましくは、D1段の場合70〜110℃、D2段
は40〜90℃の範囲、保持時間は好ましくは、D1段
で10〜120分、D2段は30〜120分の条件下で
行われる。処理温度が40℃未満では、二酸化塩素によ
るリグニンの分解反応が不十分になり、温度が150℃
を超えると、多糖類の分解が顕著となり、パルプ繊維の
強度低下が大きくなるので適さない。本発明の二酸化塩
素処理の処理時間は10分以上であれば十分であるが、
120分を超えて長くしても脱リグニンの効果は上限に
到達する。
【0022】本発明の二酸化塩素処理時の使用量は、用
いる漂白前のパルプのリグニン量や後段の漂白シーケン
スによっても異なるが、D1、D2段ともに絶乾パルプ
に対し0.1〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1.
0重量%である。
【0023】D2段後のパルプは、アルカリ条件下でア
ルカリ単独および/または酸素の併用によるリグニンの
抽出・漂白工程が続く(E段またはE/O段と称す
る)。この時アルカリ条件下にするアルカリ薬品は、苛
性ソーダ、水酸化カリウム、酸化白液などが使用できる
が、苛性ソーダが一般的に使用される。また過酸化物、
特に過酸化水素を併用してもよい。白色度が80%以上
のパルプを得るには、アルカリ抽出段後のパルプは、さ
らに一段あるいは多段の漂白段を行う必要がある。薬品
としては、苛性ソーダ(E)、二酸化塩素(D)、酸素
(O)、過酸化水素(P)、オゾン(Z)、有機過酸等
の公知の漂白剤と漂白助剤からなる漂白薬品を挙げるこ
とができ、これらの中から適宜選択されて漂白薬品とし
て用いられる。漂白シーケンスとして、例えばD1D2
−E/O−D、D1−D2−E/O−D、D1D2−E
−D、D1−D2−E−D、D1D2−E/O−D−
P、D1−D2−E/O−D−P、D1D2−E/OP
−D、D1−D2−E/OP−D、D1−D2−E−
P、D1D2−E−P、D1D2−E/O−Z−D、D
1−D2−E/O−Z−Dのような塩素を含まない漂白
シーケンスを用いることができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。以下に示す実施例1〜4は、
木材チップを蒸解して得られる未漂白パルプを酸素脱リ
グニンして得られたパルプを用いて、分割添加あるいは
連続二酸化塩素処理した後、E/O−DまたはE/O−
D−Pシーケンスで漂白を行ったものであり、比較例
1、2は、一段の二酸化塩素処理したパルプをE/O−
DまたはE/O−D−Pシーケンスで漂白を行ったもの
である。又、特に示さない限り、D1とD2段における
薬品の削減率は以下のように算出した。
【0025】D1とD2段における合計薬品の削減率
(対D段添加率) 薬品の削減率は、二段処理あるいは分割添加ありとなし
における漂白に使用したD1とD2段の二酸化塩素の合
計の薬品率から下記式(1)により算出した。 D1とD2段における合計薬品の削減率、%={(D段における合計薬品添加率 −本法の場合のD1とD2段における合計薬品添加率)/D段における合計薬品 添加率}×100…(1)
【0026】パルプ粘度に関してはJ.TappiN
O.44に、AOX(活性炭吸着性有機ハロゲン)につ
いては米国環境庁EPA法(三菱化成製TOX−10使
用)にしたがって行い、PC価については、105℃の
オーブンで4時間加速度的に退色させた前後の白色度を
用いて、以下の式(2)に従い評価した。 PC価=(1−退色後の白色度)2/(2×退色後の白色度))−(1−退色前 の白色度)2/(2×退色前の白色度))…(2)
【0027】実施例1 工場にてクラフト蒸解を行い酸素脱リグニンを行った広
葉樹パルプ(ハンター白色度43.8%、カッパー価1
0.8)を用いて、以下の条件にて二段二酸化塩素処理
を行った。すなわち、この未漂白パルプをイオン交換水
に濃硫酸を添加してpHを4とし、希釈して処理時のパ
ルプ濃度が8%になるように調整した後、絶乾パルプ重
量当たり二酸化塩素を0.45%添加し、ステンレス製
2リットル容の間接加熱式オートクレーブに入れ、温度
105℃で60分間圧力を維持しながら加熱し、パルプ
のD1段処理を行った。オートクレーブを冷却後、D1
処理して得られたパルプを洗浄することなくプラスチッ
ク袋に移した。
【0028】プラスチック袋中のD1処理後のパルプに
D2処理時のパルプ濃度が10%になるようイオン交換
水および絶乾パルプ重量当たり二酸化塩素を0.30%
添加し、温度が70℃の恒温水槽に60分間浸漬してD
2段の漂白を行った。得られたパルプをイオン交換水で
洗浄、脱水した。D2段後のパルプをプラスチック袋に
入れ、イオン交換水を用いてパルプ濃度を10%に調整
した後、苛性ソーダ゛を絶乾パルプ重量当たり1.0%添
加し、D1段と同様にしてオートクレーブに入れ、酸素
による1.5kg/m2の加圧を行い、温度60℃で15分
処理した後、オートクレーブよりパルプを取り出しプラ
スチック袋に移し替え、60℃の恒温水槽にて45分間
の処理を行ってE/O段の抽出を行った。得られたパル
プをイオン交換水を用いて洗浄、脱水した。
【0029】続いて、E/O段後のパルプをプラスチッ
ク袋に入れ、イオン交換水を用いてパルプ濃度10%に
調整した後、絶乾パルプ重量当たり二酸化塩素を0.2
%添加し、温度70℃で180分間の条件で二酸化塩素
処理を行った(D3段)。得られたパルプはイオン交換
水を用いて洗浄、脱水し、漂白パルプを得た。D3段後
のパルプを離解した後、Tappi試験法T205os
−71(JISP 8209)に従って坪量60g/m
2のシートを作製し、JIS P 8123に従ってパルプ
のハンター白色度を測定した結果85.0%であった。
【0030】実施例2 実施例1と同様に添加率0.45%のD1段処理をした
後、洗浄・脱水を行い、さらに二酸化塩素添加率0.2
5%のD2段処理を行い、以降の処理は実施例1と全く
同様の処理を引き続いて行い、ハンター白色度85.0
%の漂白パルプを得た。
【0031】実施例3 実施例1と同様に添加率0.20%のD1段処理をした
後、洗浄を行なわず、二酸化塩素添加率0.24%のD
2段処理を行い、処理パルプをイオン交換水で洗浄後、
実施例1と全く同様な条件でE/O段処理とD3段処理
を行った後のパルプをプラスチック袋に入れ、イオン交
換水を用いてパルプ濃度10%に調整した後、絶乾パル
プ重量当たり過酸化水素を0.35%および苛性ソーダ
を0.5%添加し、温度70℃で120分間処理し、P
段の漂白を行った。得られたパルプはイオン交換水を用
いて洗浄、脱水し、ハンター白色度85.0%の漂白パ
ルプを得た。
【0032】実施例4 実施例3と同様に、D1−D2−E/O−D3−Pのシ
ーケンスで漂白し、D1とD2の間に洗浄・脱水を行っ
た。各段の薬品添加率は、D1が0.2%、D2が0.
20%で、以降は実施例3と同一の添加率で行い、ハン
ター白色度85.0%の漂白パルプを得た。
【0033】比較例1 実施例1と同様の未晒パルプをプラスチック袋に入れ、
イオン交換水を用いて処理時のパルプ濃度が10%にな
るよう調整した後、絶乾パルプ重量当たり二酸化塩素を
0.80%添加し、温度が70℃の恒温水槽に120分
間浸漬して二酸化塩素段の漂白を行った。得られたパル
プはイオン交換水で洗浄、脱水した。その後のE/O−
D段処理に関しては、実施例1と全く同様に行い、ハン
ター白色度85.0%の漂白パルプを得た。
【0034】比較例2 比較例1と同様のD段処理を、二酸化塩素添加率のみ
0.45%に変えて行い、その後のE/O−D−P段処
理は実施例2と全く同様に行い、ハンター白色度85.
0%の漂白パルプを得た。
【0035】表1に、実施例1〜4と比較例1、2の結
果を示した。
【0036】
【表1】
【0037】表1から示されるように、シーケンスによ
って異なるが、二段二酸化塩素処理(D1−D2)によ
って通常の一段処理の場合に比べて、10%〜14%の
薬品が低減できることにより、有機塩素化合物は37%
程度低減することができ、D1D2処理によっては5〜
9%の薬品低減が可能となり、これにより有機塩素化合
物は35%程度低減できた。実施例3、4では、比較例
2と比べ、パルプ粘度は向上する。パルプの退色性も改
善が認められた。
【0038】
【発明の効果】本発明は、ECF漂白において、初段で
二段の二酸化塩素処理することにより、パルプ粘度を低
下させることなく、二酸化塩素使用量を低減でき、この
ために有機塩素化合物量の排出も低減できる漂白パルプ
の製造方法を提供するという効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグノセルロース材料を蒸解して得られ
    た未晒パルプを酸素漂白した後、元素塩素の不在下にお
    ける多段漂白を行い、漂白パルプを製造する方法におい
    て、多段漂白の初段とその直後に連続した二酸化塩素段
    を設け、次いでアルカリ条件下での抽出処理した後、さ
    らに漂白することを特徴とする漂白パルプの製造方法。
  2. 【請求項2】 連続した二酸化塩素段の初段の二酸化
    塩素段は、処理温度70〜110℃、処理時間10〜1
    20分の範囲で行い、その直後に連続した二段目の二酸
    化塩素段は処理温度40〜90℃、処理時間30〜12
    0分の範囲で行うことを特徴とする請求項1記載の漂白
    パルプの製造方法。
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CN105672018B (zh) * 2007-12-20 2018-09-11 三菱瓦斯化学株式会社 漂白纸浆的制造方法

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