JP2000303382A - 印刷用塗工紙の製造方法 - Google Patents

印刷用塗工紙の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、印刷用塗工紙の製造方法に関し、
特に原紙製造工程と塗工工程が連続して行われる、いわ
ゆるオンマシンコーター方式による塗工紙の製造方法に
より、従来もっぱらオフマシンコーター方式で製造され
ていた高級印刷用塗工紙を凌ぐ品質の塗工紙を効率よく
製造することにある。さらに具体的にはオンマシンコー
ター塗工品では難しいとされた白紙面感、印刷物面感、
印刷光沢、インキ受理均一性の優れた印刷用塗工紙の製
造方法を提供することにある。 【解決手段】 本発明に係る印刷用塗工紙の製造方法
は、原紙製造工程と塗工工程が連続して行われる塗工紙
の製造方法において、塗工紙の引張破断伸びの縦横比が
下記になるよう調整するものである。 1<SCD/SMD≦3 SCD;横方向の引張破断伸び、SMD;縦方向の引張破断
伸び

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷用塗工紙の製造
方法に関し、特に原紙製造工程と塗工工程が連続して行
われる、いわゆるオンマシンコーター方式を用いる塗工
紙の製造方法において白紙及び印刷物面感、印刷光沢、
インキ受理均一性がすぐれた印刷用塗工紙を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年印刷用塗工紙の製造はより高い生産
性を達成するために、塗工設備の高速化、広幅化が進ん
でいる。これらは単位時間あたりの生産量を増大させる
ことで生産性の向上に直接寄与する。一方、品質面でも
表面がより高平滑、高光沢で均一性のある塗工紙が要求
されてきており、それに応じ塗工方式もシングル塗工か
らダブル塗工、トリプル塗工といった多層塗工化への動
き、ダブル塗工においてもより平滑性、光沢をだすため
に上塗り、下塗りいずれもブレードコーターを用いるダ
ブル塗工方式への動きが急速に進んでおり塗工工程は重
装備化しつつある。
【0003】塗工紙の生産方式には原紙製造工程と塗工
工程が独立した設備で製造する方式と原紙製造工程と塗
工工程が一体となった設備で連続的に製造する方式に分
類される。塗工工程の配置から前者をオフマシンコータ
ー方式、後者をオンマシンコーター方式と一般に呼んで
区別している。オフマシンコーター方式において原紙は
原紙製造マシンで製造され一旦リールで巻き取られ、次
いで該原紙巻取りを独立した塗工設備に移動し原紙を巻
きもどしながらコーターで塗工する。
【0004】オンマシンコーター方式においては原紙製
造工程に引き続き塗工工程があるために、原紙は巻き取
られることなく連続して塗工される。したがってオンマ
シンコーターは工数、運転人員、エネルギー効率面でオ
フマシンコーターより優れているといえる。反面、塗工
工程の速度は原紙製造工程の速度に直接支配されること
から、坪量範囲が広ければ抄紙速度が変化し、それに応
じ塗工速度も変化することから塗工条件の変化を伴う。
また塗料処方の変更等を必要とする品種変更への対応に
ついては柔軟性に欠ける。オフコーター方式では原紙製
造工程と塗工工程が独立していることからそれぞれ独立
して工程の最適化が図られる。前記した生産性の進歩は
いずれの方式でも同様に適用されている。
【0005】一方品質面の要求に対しては、オフコータ
ー方式では上塗り、下塗りともブレードコーターによる
ダブル塗工が一般化しつつある。平滑な塗工表面を形成
するには非常に有効な塗工方式であるが、両面塗工の場
合には4つの塗工ステーションとそれに付随する4つの
乾燥設備を必要とし重装備となる。洋紙マシンでのオン
マシンコーター方式においては設備面、操業面の問題も
あり未だこの方式は実用化されていない。最新のオンマ
シンコーターでの構成は下塗をロールコーターで両面同
時塗工し、その後ブレードコーターで上塗りを片面づつ
行う方式のダブル塗工であり、塗工工程だけみればシン
プルな構成となる。
【0006】以上の観点から、オンマシンコーター方式
は製品の坪量が低く、塗工量が少ない品種を大量に生産
する場合に好ましく採用される。一方、オフマシンコー
ター方式はこのような分野に加え、品質要求レベルの高
い高級用途向けの塗工紙生産に採用されるケースも多
く、印刷用塗工紙製造における主流の方式となってい
る。
【0007】さらに具体的にはオンマシンコーター方式
で生産される塗工紙は欧米では主として雑誌用に使用さ
れるLWC(中質系の軽量塗工紙)、国内では同様な用
途である微塗工紙、A3、B3(軽量コート紙)といっ
た軽量塗工紙がほとんでである。一方、カタログ、ポス
ター、高級印刷用に使用されるA2、B2(コート
紙)、A1(アート紙)といった高級グレードへのオン
マシンコーター塗工方式の適用については欧米、国内い
ずれにおいても非常に稀なケースに属する。これらの品
種についてはもっぱらオフマシンコーター方式で製造さ
れているのが現状である。
【0008】しかしながら、効率面で前記した数多くの
利点を有するオンマシンコーター方式で品質的にもオフ
マシンコーターを凌ぐ高級用途の塗工紙が製造できれ
ば、産業上非常に好ましいことである。塗工設備以外に
オンマシンコーター方式で品質の良い塗工紙を製造する
際に問題となるのは塗工前原紙の評価ができない点にあ
る。実際塗工されている原紙の善し悪しはオンラインの
測定機である程度の評価はできるものの実際には塗工し
た製品の品質から推定する他はない。
【0009】オフマシンコーターでは原紙製造マシンが
独立していることから原紙の事前評価とそれゆえ原紙品
質のきめこまかな管理が可能である。特に塗工原紙とし
て平滑性は非常に重要な物性項目であるが、オンマシン
コーターの場合塗工前に原紙を平滑化する手段としてキ
ャレンダーを備えているにしても、原紙専用マシンに比
べ通紙性を考慮しキャレンダーの段数は少なく充分な平
滑度を得るには不満足なケースが多い。加えてオンマシ
ンコーターでは原紙が充分冷却されずに塗工工程にはい
るために、40~60℃といった紙面温度の高い原紙に
塗料が塗布される。また原紙に塗布された余剰のカラー
は掻き落とされ循環再利用されるが原紙の熱を吸収し3
0~50℃といった温度まで上昇する。このことは、そ
の後の乾燥エネルギーの節約になりオンマシンコーター
が冷えた原紙に塗工するオフマシンコーターに比べ消費
エネルギーで優れる要因の一つである。
【0010】しかし一方で、オンマシンコーターのこの
特徴は、カラーの原紙への浸透がより急速かつ多量に起
こりやすいことを意味し、その結果原紙表面の凹凸を被
覆する作用が劣ると同時に、原紙への水の浸透による粗
面化とあいまって塗工後の表面の平滑性が劣り、ガサツ
キ感あるいは光沢ムラのある面感になり易い。このよう
な塗工紙をスーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー
で仕上げ処理をすると、白紙光沢度、平滑度といった物
性値は目標値に到達できたとしても、面感すなわち視感
で判定される表面特性である平滑感の不足やガサツキ
感、光沢ムラを完全に解消することはできない。さらに
白紙面感のみならず、印刷後の面感、印刷光沢、インキ
受理の均一性等の品質も不満足となる。このような現象
は原紙の米坪があがるほど顕著になり、オンマシンコー
ターが高級用途の塗工紙製造用としてはほどんど利用さ
れていない原因にもなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明の課題は印刷用塗工紙の製造方法に関し、特
に原紙製造工程と塗工工程が連続して行われる、いわゆ
るオンマシンコーター方式による塗工紙の製造方法によ
り、従来もっぱらオフマシンコーター方式で製造されて
いた高級印刷用塗工紙を凌ぐ品質の塗工紙を効率よく製
造することにある。さらに具体的にはオンマシンコータ
ー塗工品では難しいとされた白紙面感、印刷物面感、印
刷光沢、インキ受理均一性の優れた印刷用塗工紙の製造
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙製造工程
と塗工工程が連続して行われる塗工紙の製造方法におい
て、塗工紙の引張り破断伸びの縦横比が下記になるよう
調整することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法であ
る。 1<SCD/SMD≦3 SCD;横方向の引張破断伸び、SMD;縦方向の引張破断
伸び
【0013】以下、本発明の詳細を示す。本発明におい
て使用される塗工紙製造設備は、原紙を製造する工程と
塗工を行う工程が連続して行われる、いわゆるオンマシ
ンコーターである。この塗工設備においてオフコーター
塗工紙を凌ぐ品質の塗工紙を得るために原紙製造条件、
塗工条件、塗料処方と塗工紙品質の関係を検討した結
果、意外にも塗工製品の引張破断伸びの縦横比と塗工紙
の白紙面感、印刷品質にきわめて密接な関係があること
を見出した。すなわちオンマシンコーターにおいて同一
塗料処方を用い、原紙の製造条件を変え塗工紙の引張破
断伸びの縦横比を3以下にコントロールした場合にガサ
ツキ感が無く、平滑性、均一性に優れた白紙及び印刷面
感を有し、印刷光沢、インキ受理均一性のすぐれた塗工
紙が得られることを見出し本発明に至った。
【0014】ここで引張破断伸びとはJIS P 81
13で規定される方法に準拠し測定される値であるが、
本発明では定速伸張型引張試験機を用いた。試験片の形
状は幅15mm、長さ250mmとし、縦方向、横方向
それぞれから採取した試験片各10枚以上採取し、つか
み間隔180mm、引張り速度毎分20mmとして測定
し、有効な値10点について平均をとり引張破断伸びと
した。尚、ここで縦方向とは抄紙方向、横方向とは抄紙
方向に対し直交する方向を意味する。但しJIS P8
113とは異なり、試験用紙の前処理は調湿条件20
℃、65%RHで行い、同雰囲気下で測定を行った。オ
ンマシンコーターにおいて塗工前原紙は定常状態で採取
できないことから測定対象は塗工後の塗工紙とした。塗
工後、スーパーキャレンダー、ソフトニップキャレンダ
ー等による仕上処理がオフラインまたはオンラインで行
われるが、測定対象は仕上処理前後いずれのサンプルで
も良い。引張破断伸びの縦横比は3以下で、低いほど好
ましいが現実的に制御できる下限値は1.5であった。
従来のオンマシンコーターで製造された塗工紙について
測定した引張破断伸びの縦横比は3.5〜7の範囲であ
った。
【0015】引張破断伸びをオンマシンコーターで製造
される塗工紙において特定の範囲に制御することで面
感、印刷光沢、インキ受理均一性が改善される理由につ
いては明確でないが、次のように考えられる。引張破断
伸びは製造工程で受けた紙の履歴を反映し、特に紙の収
縮率との相関が高い。数値が高い程製造時の収縮率が高
いことを意味する。また一般に縦方向と横方向を比較し
た場合、常に横方向の収縮率が縦方向より高い。ここに
おいて引張破断伸びの縦横比が低いということは製造時
に受けた紙の横方向の収縮量が低かったことを示唆して
いる。
【0016】一方、収縮が起きるとすれば、収縮によっ
て発生した歪みはどこかに吸収される必要がある。もっ
とも起こり易い現象は厚さ方向への跳ね返りである。厚
みの増大が均一に起これば表面状態に変化はないと考え
られるが、不均一に起こるとすれば表面状態の変化、す
なわち平滑性の低下を伴う。紙のような不均質体では不
均一な厚みの増大がミクロ部分で発生し、その結果、表
面が粗面化すると考えるのが極めて妥当である。
【0017】次にオンマシンコーターにおいては塗工前
原紙の平滑性がオフコーター用原紙に比べより重要であ
る。すなわち、塗工工程では高温の原紙に高温のカラー
が塗布されるため、前記したように塗料の原紙層への浸
透がより急速かつ多量であり、原紙表面の凹凸を被覆す
る作用に欠けるため、塗工前原紙の平滑性の影響をより
受け易いと考えられる。一方で前記したように原紙の平
滑化手段であるキャレンダー処理はオンマシンコーター
では原紙製造専用マシンに比べ不十分であることが多
い。ここで引張破断伸びの縦横比が低いということは原
紙製造工程での横方向の収縮率が低いことと関係し、収
縮することによる原紙表面の粗面化が抑えられるものと
推定される。第二に塗工工程に続く乾燥工程での収縮が
同じ理由により起こりやすくその結果塗工後の表面があ
れるという理由も考えられる。
【0018】次に引張破断の伸びの縦横比を制御する方
法であるが、原料の叩解度の調整、充填剤の添加量調
整、ジェットワイヤー比の調整、張力の調整、乾燥ゾー
ンにおける収縮の調整等、周知の技術を組み合わせるこ
とで達成できる。特に有効な方法は乾燥ゾーンでの収縮
を抑えることであり、このため原紙の乾燥方式として、
ヤンキードライヤーを用いる方法や乾燥ゾーン全群をシ
ングルデッキドライヤーとしかつ吸引しながらカンバス
表面に紙を固定し乾燥を行う方法があるが、高速での乾
燥能力、安定性の観点からは後者の方式は非常に有効で
ある。
【0019】本発明では塗工工程において、下塗は特に
上塗塗料の急激な脱水を緩和するため及び原紙の表面を
ある程度被覆するために、下塗塗工量は片面あたり乾燥
重量として2〜10g/mの範囲で塗工することが望
ましい。本発明で得られた塗工紙はスーパーキャレンダ
ー、ソフトニップキャレンダー等でオフラインまたはオ
ンラインで所定の白紙光沢になるよう処理され、マット
調、グロス調塗工紙として仕上げられる。本発明が特に
その効果を発揮するのは白紙光沢65%以上、米坪80
g/m以上で高級印刷用に使用されるいわゆるA2、
B2、A1塗工紙に分類される印刷用塗工紙である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるオンマシンコ
ーターの構成について以下説明する。原紙製造工程は周
知の通りワイヤパート、プレスパート、ドライパートか
ら構成される。ここでとくに重要なのはワイヤパート、
ドライパートである。ワイヤパートは均一な地合構成の
観点からギャップフォーマーまたはカウンターブレード
付きオントップフォーマーが好ましい。地合が悪いと塗
工層の均一性に影響を与え、白紙面感、印刷面感の均一
性に悪影響を及ぼす。ドライパートは前記したように引
張破断伸びの縦横比に大きな影響を与えるため、原紙の
収縮を最大限抑えるべく設備面、運転面で配慮する必要
がある。
【0021】この観点から選択される実施形態としては
前記したように乾燥ゾーン全群をシングルデッキドライ
ヤーとしかつ吸引しながらカンバス表面に紙を固定し乾
燥を行う方法が好ましい。シングルデッキ方式において
は紙は常にカンバス上にあるためカンバスから分離した
状態で乾燥される場所が存在するダブルデッキ方式に比
べ横方向の伸縮が抑制される。全群シングルデッキでも
吸引装置が無い場合あるいはあっても吸引が不十分な場
合には所定の効果が得られない場合もある。またシング
ルデッキとダブルデッキの組み合わせも考えられるが、
全群シングルデッキ方式に比べると効果は劣る。但し引
張破断伸びの縦横比の制御は乾燥設備だけで決まるもの
ではないので、他の手段との組み合わせの中で本発明で
特定する範囲内に制御できれば、本発明での乾燥方式に
限定されるものでは無い。
【0022】塗工工程はダブル塗工ができることが必要
である。下塗の塗工装置はブレードコーター、ロールコ
ーター等が使用できるが、オンマシンコーターでの操業
性を重視し、両面同時塗工であるゲートロールコータ
ー、トランスファーロールコーター、メタリングサイズ
レスコーター等のフィルムトランスファー方式のコータ
ーが使用される。下塗は特に上塗塗料の急激な脱水を緩
和するため及び原紙の表面をある程度被覆するために必
要である。塗工量は片面あたり乾燥重量として2〜10
g/mの範囲で塗工することが望ましい。2g/m
より少ない塗工量では原紙の被覆性が不足し、上塗塗工
後の面感が劣る。10g/mより多い塗工量ではロー
ルパターンが発生しやすくまた塗工量の制御が困難にな
る。
【0023】上塗の塗工装置としてはブレードコータ
ー、バーコーター、エアナイフコーター、リバースロー
ルコーター、カーテンコーター等が使用できるが、ファ
ウンテンノズルタイプのブレードコーターが好ましい。
塗工量は片面あたり乾燥重量として7〜15m/g
好ましい。
【0024】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例に用いた塗工紙製造設備と塗料処方を以下に示し
た。塗工紙製造設備は実際の生産ラインである2つのオ
ンマシンコーターを用いた。原料はLBKP80%、N
BKP20%の配合からなるパルプを500mlまで叩
解し、填料、紙力剤、サイズ剤等を添加した紙料を用い
た。塗工量は片面あたりの乾燥重量として下塗で3〜7
g/m、上塗で12g/mとした。塗工紙の仕上げ
は12段からなるスーパーキャレンダーを用い白紙光沢
72度を目標にしてオフラインで処理した。
【0025】オンマシンコーター(A) ワイヤーパート;カウンターブレード付きオントップ型
ハイブリッドフォーマー ドライパート;吸引装置付全群シングルデッキドライヤ 下塗コーター;ゲートロールコーター 上塗コーター;ジェットファウンテン型ブレードコータ
【0026】オンマシンコーター(B) ワイヤーパート;オントップ型ハイブリッドフォーマー ドライパート;シングルデッキドライヤ+ダブルデッキ
ドライヤ 下塗コーター;ゲートロールコーター 上塗コーター;ジェットファウンテン型ブレードコータ
【0027】下塗塗料 顔料;カオリン/湿式重質炭酸カルシウム=30重量部
/70重量部 バインダー;澱粉/SBRラテックス=12重量部/1
2重量部 上塗塗料 顔料;カオリン/湿式重質炭酸カルシウム=70重量部
/30重量部 バインダー;澱粉/SBRラテックス=3重量部/14
重量部
【0028】〈品質評価方法〉得られた塗工紙は白紙物
性、面感を評価するとともに、4色オフセット枚葉印刷
機で、墨、藍、紅、黄のプロセスインキを使用し、12
000枚/時の印刷速度で印刷し印刷物の品質を併せて
評価した。評価項目と評価方法について以下に示した。
【0029】白色光沢度;JIS−P8142で規定さ
れる方法に準拠し(株)村上色彩研究所製の光沢度計を用
い、75度光沢を測定した。 引張破断伸び縦横比;JIS P8113で規定される
方法に準拠し、測定機として定速伸張型引張試験機であ
る(株)オリエンテック社製テンシロンRTM−100
を用いた。試験片の形状は幅15mm、長さ250mm
とし、縦方向、横方向それぞれから採取した試験片各1
0枚以上採取し、つかみ間隔180mm、引張り速度毎
分20mmとして測定し、有効な値10点について平均
をとり引張破断伸びとした。縦横比は以下の式により求
めた。 縦横比=SCD/SMD CD;横方向の引張破断伸び、SMD;縦方向の引張破断
伸び 但し、JIS P8113とは異なり、試験用紙の前処
理は調湿条件20℃、65%RHで行い、同雰囲気下で
測定を行った。
【0030】平滑度;王研式平滑度計を用い測定した。 白紙面感;官能検査で白紙表面の均一性、平滑感を5段
階評価(数字が高いほど均一で平滑感が高い)。 印刷光沢度;印刷物の4色重ね部の光沢度を村上色彩研
究所製の光沢度計を用い、60度光沢度を測定した。 印刷面感;官能検査で印刷物べた部の表面均一性、平滑
感を5段階評価(数字が高いほど均一で平滑感が高
い)。 インキ受理均一性;官能検査で印刷物ハーフトーン部の
インキ受理均一性を5段階評価(数字が高いほど均一性
が高い)。
【0031】実施例1 オンマシンコーター(A)を使用し、塗工紙の引張破断
伸びの縦横比が最低になるようジェットワイヤ比及び乾
燥工程での吸引を調整して、ラインスピード1000m
/分で、下塗塗工量を3g/m(片面)、上塗塗工量
を12g/mとし、目標米坪84.9g/mのA2
グレードの塗工紙を作成した。白紙及び印刷物の評価結
果を表1に示した。
【0032】実施例2 ラインスピード600m/分で、下塗塗工量を5g/m
(片面)とし、目標米坪127.9g/mの塗工紙
を作成した以外は実施例1と同様にしてA2グレードの
塗工紙を作成した。
【0033】実施例3 ラインスピード500m/分で、下塗塗工量を7g/m
(片面)とし、目標米坪157g/mの塗工紙を作
成した以外は実施例1と同様にしてA2グレードの塗工
紙を作成した。
【0034】実施例4 実施例3において塗工紙の引張破断伸びの縦横比が3に
なるようにジェットワイヤ比を変更した以外は実施例3
と同様にしてA2グレードの塗工紙を作成した。
【0035】比較例1〜3 実施例1〜3において乾燥工程の吸引を止めて塗工紙を
製造した以外は実施例1〜3と同様にして、目標米坪8
4.9g/m(比較例1)、127.9g/m(比
較例2)、157g/m(比較例3)の塗工紙を作成
した。
【0036】比較例4〜6 実施例1〜3においてオンマシンコーター(A)のかわ
りにオンマシンコーター(B)を使用した以外は、実施
例1〜3と同様にして、目標米坪84.9g/m、1
27.9g/m(比較例5)、157g/m(比較
例6)の塗工紙を作成した。
【0037】参考例1〜3 オフコーターで製造された市販のA2塗工紙についての
評価結果を参考例1〜3として示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の方法によると、オンマシンコーター塗工では製造が難
しかった白紙面感、印刷品質の優れた塗工紙の製造が可
能になり、従来専らオフコーターで製造されていた高級
印刷用途の塗工紙を凌ぐ面感、印刷適性の優れた塗工紙
が低コストで製造できる。オフコーター方式に比べより
簡素な設備、より少ない工程、より少ないエネルギー消
費で高品質の塗工紙を効率よく製造できることから、本
発明はエネルギー多消費型産業といわれる製紙産業にお
いて省エネルギーにも寄与し、実用的価値も高い。また
下塗の塗工量は片面あたり乾燥重量として2〜10g/
の範囲で塗工することとしたので、上塗塗料の急激
な脱水を緩和することができ、原紙の表面被覆が良好と
なり、かつ上塗塗工後の面感が良好となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L055 AG11 AG27 AG47 AG63 AG75 AG97 AH02 AH37 AJ04 BD07 BE09 EA08 EA09 EA11 EA14 FA12 FA15 GA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙製造工程と塗工工程が連続して行わ
    れる塗工紙の製造方法において、塗工紙の引張破断伸び
    の縦横比が下記になるよう調整することを特徴とする印
    刷用塗工紙の製造方法。 1<SCD/SMD≦3 SCD;横方向の引張破断伸び、SMD;縦方向の引張破断
    伸び
  2. 【請求項2】 原紙製造工程における原紙の乾燥をシン
    グルデッキドライヤーからのみ構成される乾燥設備で吸
    引しながら紙をカンバスに固定し行うことを特徴とする
    請求項1記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 塗工工程での下塗の塗工量は片面あたり
    乾燥重量として2〜10g/mの範囲で塗工すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の印刷用塗工紙の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 塗工紙の米坪が80g/m以上、白紙
    光沢が65%以上であることを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の印刷用塗工紙の製造方法。
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