JP2000304702A5 - - Google Patents

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【発明の名称】粒状物品位判別方法及びその装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数のサンプル粒状物に光を照射したときの反射光及び透過光による画像信号を受光し、
該画像信号を画像処理してサンプル粒状物の光学情報を得るとともに、該光学情報によって形状情報を求め、
該形状情報と前記光学情報とに基づき、サンプル粒状物を完全粒及び未完粒を含む品位に判別し、該品位別に粒数をカウントして粒数比を求める粒状物品位判別方法において、
前記光学情報を加工してサンプル粒状物の画像を作成し、
該サンプル粒状物の画像と前記粒状物品位別粒数及び粒数比とを同時に表示又は印字することを特徴とする粒状物品位判別方法。
【請求項2】上記光学情報から品位別に1粒ごとのサンプル画像を作成し、上記粒数比と総粒数とに基づいて品位別の粒数を演算し、該演算結果に基づいてサンプル画像を配列してサンプル粒状物の画像を作成してなる請求項1の粒状物品位判別方法。
【請求項3】上記光学情報は、粒状物の色相、色彩及び輝度を含み、該輝度によって粒状物の形状情報を得てなる請求項1の粒状物品位判別方法。
【請求項4】透過光に基づく複数のサンプル粒状物の画像と、反射光に基づく複数のサンプル粒状物の画像とを取得する撮影手段と、
該撮影手段が接続され、該撮影手段により得られる信号を、粒状物の品位に関連する光学情報変換するとともに該光学情報から形状情報に変換する画像処理手段と、
前記光学情報と形状情報に基づいて粒状物品位を判別する判別処理部と、粒状物品位判別数と粒数比とを演算する演算処理部と、前記品位別粒数、粒数比及び粒状物の画像を合成して出力する画像生成処理部と、を備える演算制御手段と、
該演算制御手段によって出力された粒状物品位粒数、粒数比及び画像を同時に表示又は印字する表示手段と、
を備えることを特徴とする粒状物品位判別装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農水産物、その他の食品や産業資材等の粒状物の品位(品質)を分析する粒状物品位判別方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、穀粒、ペレット、チップコンデンサー、錠剤などの粒状物においては、品質判定装置を用いてサンプル中の異物や不良品の有無及びその程度を判別し、その混入割合を演算して製品の品質ランクを決定したり、品質管理の基準としたりしている。
【0003】
この種の粒状物の品位判別装置の一例として、特開平9−292344号公報に開示されたものがある。これは、農産物である玄米サンプル中に含まれる整粒、未熟粒、被害粒、着色粒などといった品位に基づいてその粒数を演算するものである。この米粒品位判別装置は、外周縁に複数個の試料採取孔を設けた円盤を回転させ、試料採取孔の試料玄米1粒ごとに光を照射し、玄米からの反射光量や透過光量を受光するようにしてあり、受光した光量から判別データを演算し、この判別データと、あらかじめ定めた判別アルゴリズムとによって玄米1粒ごとの品位を決定するものである。
【0004】
また、複数のサンプル玄米を撮像して画像データを得ることにより、画像データから米粒の輪郭を判別し、この輪郭と輪郭で決定された米粒画像の色彩と、あらかじめ決定された判別アルゴリズムとによって米粒の品位を決定する米粒品位判別装置がある。
【0005】
この米粒品位判別装置を含む従来の粒状物品位判別装置においては、測定終了後、プリンタなどの出力装置によって、測定日、サンプル番号又はロットナンバーや測定粒数などの記録とともに、品位ごとの粒数やその比率といった測定結果を印字して分析結果の管理資料としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の測定結果のみが印字された分析結果だけでは、分析装置の判別のためのしきい値などが最適であったことを裏付ける資料はないので、それが実際に分析したサンプルの分析結果であることを証明することは難しく、何らかの裏づけが求められていた。
【0007】
そのため、荷受時の自主検定のための穀粒品位別装置を備えたカントリーエレベータやライスセンターでは、生産者との間で検査結果に対する齟齬(そご)が生じたときに対応すべく、検査結果を裏付けるための分析サンプルを保存している。つまり、生産者との間で決済が行なわれるまでは、いつでも分析結果と分析サンプルとが照合できるように、数ヵ月から1年間は当該分析サンプルを保管していた。しかし、穀粒は低温保存する必要があり、そのため、保管場所、保管作業の手間、保管コストなどの問題があった。
【0008】
本発明は前記問題点にかんがみ、分析サンプルの保存を廃止しても分析結果の裏付けが可能であり、分析結果の信頼性を向上させることのできる粒状物の品位判別方法及びその装置の提供を技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明の粒状物品位判別方法は、
複数のサンプル粒状物に光を照射したときの反射光及び透過光による画像信号を受光し、
該画像信号を画像処理してサンプル粒状物の光学情報を得るとともに、該光学情報によって形状情報を求め、
該形状情報と前記光学情報とに基づき、サンプル粒状物を完全粒及び未完粒を含む品位に判別し、該品位別に粒数をカウントして粒数比を求める粒状物品位判別方法において、
前記光学情報を加工してサンプル粒状物の画像を作成し、
該サンプル粒状物の画像と前記粒状物品位別粒数及び粒数比とを同時に表示又は印字する、
という技術的手段を講じた。
【0010】
サンプル粒状物から得られる画像信号によって品位判別するとともに同じ画像信号によってサンプル画像を作成し、これらを同時に印字又は表示するようにしたので、品位判別結果として信頼性が向上するだけでなく、品位判別結果に加えたサンプル画像と実際のサンプル粒状物とが同一であることを裏付けるものとなる。
【0011】
また、光学情報から品位別に1粒ごとのサンプル画像を作成し、粒数比とあらかじめ定めた総粒数とに基づいて品位別の粒数を演算し、該演算結果に基づいてサンプル画像を作成するようにした。したがって、撮影したサンプル粒状物の粒数が、サンプル画像のためにあらかじめ定めた総粒数より多くても、総粒数と粒数比とに基づいて演算された品位別粒数に応じて、品位別の画像をサンプル粒状物の画像から取り出してサンプル画像を作成する。できあがったサンプル画像は、品位判別したサンプル粒状物の品位別粒数比と同じであり、粒数がサンプル粒状物の粒数と異なっても、サンプル画像として信頼性は高いものとなる。
【0012】
光学情報は、粒状物の色相と色彩と輝度を含み、光学情報のうち輝度によって粒状物の形状情報を得るものであり、特に透過情報から得られる輝度の違いは、粒状物の外形状と、粒状物の異色部分又は内質に応じた内形状として検出することができ、さまざまな要素を含んだ情報とすることができる。また、反射光による光学情報により、粒状物の色彩を明確に把握することができる。このような透過と反射による光学情報によって、外形、内質、色彩にわたる判別が可能である。さらに、形状情報は、粒状物の長さ、幅及び面積を含むものであり、粒状物の形状を特定するには必須の項目である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による好適な実施例を図1により説明する。図1に示すものは粒状物品位判別装置1の制御ブロック図である。粒状物品位判別装置1は、粒状物からの透過光に基づく複数のサンプル粒状物の画像と、反射光に基づく複数のサンプル粒状物の画像とを取得するための、粒状物を撮影する受光素子を具備したカメラ2からなる撮影手段と、該カメラ2が接続され、カメラ2によって撮影して得られる粒状物の信号を、粒状物の品位に関連する光学情報に変換するなどの画像処理を行う画像処理手段3(例えば「PCIバスボード」)と、該画像処理手段3により得られる光学情報に基づいて粒状物品位を判別し、サンプル粒状物のサンプル画像と品位に基づく粒数と粒数比とを同時に出力する演算制御手段4(例えば「パーソナルコンピュータ」など)と、該演算制御手段4から出力されたサンプル画像と粒数と粒数比とを印刷するプリンタ5と、これらを表示するカラーディスプレイ6とからなっている。画像処理手段3は市販の画像処理ボードであればよく、このボードを使用して画像処理を進めるための画像処理アプリケーションが演算制御手段4に備えられる。
【0014】
さらに、受光素子、例えばエリアセンサー(512×440画素)を備えたカメラ2によって撮影したサンプル粒状物の画像信号は画像処理手段3に入力される。画像処理手段3には入力された信号(NTSC信号)をアナログ・デジタル変換するA/D変換器3aと、変換されたデジタル信号を粒状物の品位に関連する光学情報、例えばYUV(明るさ、色差)信号やこのYUV信号を更にHSI(色相、色彩、輝度)信号に変換する処理部3bと、所定の容量、例えば512×512画素を40面程度記憶可能な記憶容量を備え、かつ、前記処理部3bで処理された値を記憶する記憶部3cと、画像を出力する出力ポート3dとを備えている。出力ポート3dにはカラーモニタ7が接続され、入力画像や画像処理手段3によって処理された画像を可視表示する。この処理部3bの信号処理動作は、後述する演算制御手段4に記憶した画像処理アプリケーションによって制御される。
【0015】
演算制御手段4は、CPU(中央演算素子)4aを中心にして、画像処理手段3の入出力ポートであるPCIバス4b、プリンタ5に印刷データを出力する出力ポート4c、関係式やプログラム等を記憶させた読み出し専用記憶素子(以下「ROM」という)4d、画像処理アプリケーションや画像データ等を記憶する読み出し書き込み記憶素子(以下「RAM」という)4e及び外部からデータを入力するための入力ポート4fがそれぞれ接続してある。入力ポート4fにはキーボードなどの入力手段8が接続される。ところで、画像処理アプリケーションとしては「VisualC++」(Microsoft社登録商標)などが利用でき、該アプリケーションは、使用に際してRAM4eに記憶される。したがって、カメラ2によって撮影されたデータが信号処理手段3に入力された後は、前記画像処理アプリケーションによって信号処理手段3の処理部3bが作動して信号形態をNTSC信号からYUV信号に変換したり、YUV信号をHSI信号に変換したりする。また、このように変換された信号のどの部分を利用してデータ処理するかといった手順については、別にROM4dに記憶したプログラムによって制御される。
【0016】
図2乃至図5によって撮影手段2について説明する。図2及び図3で示すように、ステッピングモータ20の回転軸21に軸支され、かつ、透明ガラスからなる回転円盤22を備え、該回転円盤22の円周の一方23に設置したフィーダ装置(以下「フィーダ」という)24によってサンプル粒状物25を円盤22上に供給し、円盤22をモータ20によって回転させて円盤22の円周の他方の撮影ポイント26に粒状物を移動させる。前記フィーダ24のトラフ28に関連してサンプル粒状物を貯留するホッパー29を備える。撮影ポイント26には、円盤22に垂直な撮影視線27を想定し、視線27の上方側にはドーナツ状の光源30、カメラ31及び光源30とカメラ31との間のスリット32を配設し、視線27の下方側には同様の光源34とカメラ35及びスリット36を配設してある。カメラ31,35は、それぞれのスリット32,36を介して撮影ポイント26上に供給された粒状物を撮影する。光源30,34も、同様に撮影ポイント26の粒状物を照明する。さらに、光源34の側方には円盤22上の粒上物に対して斜めから照明する面光源38を備える。
【0017】
図2及び図4で示すように、撮影ポイント26と光源30との間には、視線27を遮るように、乳白色板40と黒色板41との2種類を一体にした背景板42が、また、撮影ポイント26と光源34との間には、視線27を遮るように乳白色板43と黒色板44の2種類を一体にした背景板45が、互いに入れ替わるように配置してある。つまり、図4の平面図で示すように、背景板42,45は、ステッピングモータ46に直結した1本の回転軸47によって軸支され、モータ46の回転によって背景板42(乳白色板40、黒色板41)、背景板45(乳白色板43、黒色板44)、背景板なし48と、回転自在に切り替えることができるように配してある。さらに、図2及び図5で示すように、光源34とスリット36との間には、視線27を遮るように黒色板からなる背景板49が入れ替え自在となるよう、ステッピングモータ50の回転軸51に回転自在に軸支してある。
【0018】
上記構成の撮影手段2は、図6のようなブロック図で表した制御装置60によって制御される。制御装置60は、中央演算処理素子(CPU)61を中心にして、入出力ポート62と読み出し記憶素子(ROM)63及び読み出し書き込み記憶素子64とが接続されている。入出力ポート62には、モータ駆動部64と、フィーダ24及び光源駆動部65と、更にカメラ31,35が接続してある。モータ駆動部64には、モータ20,44,49が接続され、それぞれのモータは、あらかじめROM63に記憶したプログラムに沿ったCPU61の指令によって回転駆動される。モータの回転駆動により、モータ20においてはサンプル粒状物25が撮影ポイント26に供給され、モータ46においては背景板42,45が適宜入れ替えられ、モータ50においては背景板49が適宜入れ替えられる。また、光源駆動部65には光源30,34,38が接続してあり、あらかじめROM63に記憶したプログラムに沿ったCPU61の指令によって、それぞれの光源は点灯・消灯する。カメラ31,35は制御装置60の指令によって撮影し、撮影して得られた画像データは、制御装置60の指令によって画像処理手段3に送出される。
【0019】
ROM63には図7のようなプログラムが記憶してある。ホッパー29にサンプル粒状物を投入して測定を開始すると、フィーダ24が駆動(7−1)されるとともにモータ20が駆動(7−2)し、粒状物はフィーダ24から1層状態になって円盤22に供給される。粒状物を一定量供給したらフィーダ24を停止(7−3)し、モータ20を所定量回転させ、粒状物を撮影ポイント26に到達させて停止(7−4)する。モータ46を所定量回転させて乳白色板43を視点27位置に配置し、下部光源34を点灯させて、上部カメラ31で粒状物の上部からその透過光を撮影(7−5)して画像データを送出する。このとき得られる画像データには、例えば450粒程度の粒状物の画像が存在する。次に、モータ46を所定量回転させて黒色板44を視点27位置に配置し、光源を上部光源30に切り換えて点灯し、上部カメラ31で穀粒の反射光を撮影(7−6)して画像データを送出する。同様に、モータ46を所定量回転させて乳白色板40を視点27位置に配置し、光源を上部光源30に切り換えて点灯させて、下部カメラ35で粒状物の下方からその透過光を撮影(7−7)し、画像データを送出する。また、モータ46を所定量回転させて黒色板41を視点27位置に配置し、光源を下部光源34に切り換えて点灯させて、下部カメラ35で粒状物の下方からその反射光を撮影(7−8)して画像データを送出する。最後に、モータ46を所定量回転させて「背景板なし」48を視点27位置に配置し、モータ50を所定量回転させて黒色板49を視点位置に配置し、光源を面光源38に切り換えて点灯させ、カメラ31で粒状物の上方から斜光による透過光を撮影(7−9)して画像データを送出する。撮影した画像データは画像処理手段3に送出される。以上の5つの画面の撮影が終了すると、モータ20を所定量回転させ、撮影が終了した粒状物は排出手段(図示せず)で排出(7−10)される。
なお、撮影手段2の制御装置60と演算制御手段4とは電気的に連絡しておくことが好ましく、演算制御手段4の画像データ要求信号に応じて前述の動作を繰り返し実行するようプログラムすることにより自動化できる。
【0020】
以上のように送出された画像データは、演算制御手段4のROM4dに記憶したプログラムに沿って、接続された画像処理手段3で画像処理される。以下において、乳白色の背景板40,43としたときの上部カメラ31と下部カメラ35とから得られる透過光は、共に同様の画像処理が行なわれるので一方の説明のみとする。同様に、黒色の背景板41、44としたときの上部カメラ31と下部カメラ35とから得られる反射光は、共に同様の画像処理が行なわれるので一方のみの説明とする。まず、乳白色の背景板40、43としたときの上部カメラ31と下部カメラ35とから得られる透過光の画像データの画像処理について、図8乃至図11により説明する。
【0021】
透過画像データの画像処理について図8で説明する。信号の演算制御手段4は、カメラ2により撮影されたサンプル粒状物の透過画像データ(NTSC信号)を取り込み(8−1)、画像データ(NTSC)を画像処理手段3でYUV信号に変換(8−2)して記憶部3cに記憶するよう指令する。さらに、演算制御手段4は、記憶部3cのYUV信号のうち輝度信号を用い、画素ごとに所定のしきい値を基準として画像処理手段3で2値化処理(8−3)を指令する。2値化処理すると、粒状物の輪郭を図9のように把握することができる。そこで、粒状物の輪郭を抽出(8−4)する処理を指令する。粒状物の外形状が得られると、外形状内の画素数から面積が得られ、画像処理にて図形の長軸と短軸とを決定して幅と長さを特定することができ、これを後段で行う。ここでは1つの粒状物のみを示したが、通常、画像データは複数個の粒状物データを取り込んでいるので、粒状物1個ごとに識別する記号を付すラベリング(8−5)を行う。さらに、YUV信号のうち輝度信号を用いて輝度信号からエッジ画像を抽出(8−6)するよう指令する。エッジ画像は輝度信号を微分処理して得られる画像であり、輝度の勾配があるところを信号として取り出すように処理するものである。例えば、図10のように、粒状物の一部に着色がある場合や内質に不透明な部分がある場合のように、粒状物の輪郭部分や他と色彩の異なる境界部分などは輝度の勾配が存在するので、これらをエッジ処理すると図11のような画像にして取り出すことができる。
【0022】
次に、粒状物の特徴を抽出するために、形状の輪郭から粒状物1つごとに面積、円形度、長さ及び幅を演算(8−7)するよう指令する。エッジ画像からは、画素ごとの輝度について、粒状物1つごとにエッジ画像の信号のヒストグラムを作成(8−8)するよう指令する。さらに、輝度信号そのものからは、粒状物1つごとに輝度信号のヒストグラムを作成(8−9)するよう指令する。ここでは、粒状物の輪郭を形状情報とし、YUV信号、輝度信号、エッジ画像のヒストグラム及び輝度信号のヒストグラムを光学情報とする。以上の特徴項は演算制御手段4のRAM4eに粒状物のラベルごとに記憶(8−10)する。以上、透過光による画像データからは、乳白色の背景板を透過した拡散光が、粒状物の形状と内質に関係する光として検出され、サンプル粒状物の個々の形状と透過光量を検出することによって、粒状物の形状に関係する特徴と透過光量の特徴とを取得することができる。
なお、ここで処理する輝度信号はモノクロ信号で可能である。
【0023】
反射画像データの画像処理について図12により説明する。演算制御手段4は、カメラ2により撮影された反射画像データ(NTSC信号)を取り込んで(12−1)、画像データ(NTSC)を画像処理手段3でYUV信号に変換(12−2)して記憶するよう指令し、SI(色彩、輝度)信号からエッジ画像を抽出(12−4)するよう指令する。エッジ画像の内容については前述のとおりである。次に、粒状物の特徴を抽出するために、HSI信号からは、1つの粒状物ごとにHSI信号のヒストグラムを作成(12−5)するよう指令する。また、SI信号のエッジ画像からは、1つの粒状物ごとにエッジ画像のヒストグラムを作成(12−6)するよう指令する。ここでは、粒状物のYUV信号とHSI信号のヒストグラム及びエッジ画像のヒストグラムを光学情報とする。以上の特徴項は演算制御手段4のRAM4eに記憶される。このとき、粒状物1つごとのラベルは、透過画像処理のときに付したラベルを対応させて流用するとよい。
なお、透過画像処理とは別に反射画像処理のラベルを付し、同じ粒状物のデータとなるように対応させて記憶してもよい。
以上、反射光による画像データ、つまり、黒色板を背景として粒状物から得られる反射光を検出することによって、粒状物の色彩に関する特徴を取得することができる。ここでの信号はカラー信号である。
【0024】
斜光透過画像データの画像処理について図13乃至15により説明する。演算制御手段4は、カメラ2により撮影された反射画像データ(NTSC信号)を画像処理手段3に取り込んで(13−1)、画像データ(NTSC信号)を画像処理手段3でYUV信号に変換して(13−2)記憶部3cに記憶するよう指令する。さらに、演算制御手段4は、記憶部3cのYUV信号のうち輝度信号からエッジ画像を抽出する(13−3)。これは、図14で示すように、内部に亀裂が生じている粒状物に亀裂面に対してほぼ直角に斜光を照射すると、亀裂面を境にして光の照射側が明るく、他方が暗く見えるので、輝度に関する微分処理であるエッジ画像を抽出すると、図15のように、亀裂部分が粒状物を横断(あるいは縦断)する線として抽出できる。次に、粒状物の特徴を抽出するために、演算制御手段4は、エッジ画像をハフ変換して(13−4)亀裂に伴う線を特定するよう指令する。以上の特徴項は、演算制御手段4のRAM4eに記憶される。ここでは、粒状物のYUV信号、エッジ画像及びハフ変換した値を光学情報とする。このとき、粒状物1つごとのラベルは、透過画像処理のときに付したラベルを対応させて流用するとよい。
【0025】
以上、透過光、反射光及び斜光による画像データにおいては、基準板による基準光データの取得(リファレンス)を省いたが、基準板の明るさや画像を基準データとして先に取り込んでおくことにより、各画像データを補正すること、より詳しくは、背景板の輝度や色彩を平均化することもできる。
【0026】
ところで、ROM4d内には、あらかじめ粒状物品位関係式が記憶してある。この粒状物品位関係式は次のようにして求めてある。つまり、あらかじめ粒状物品位を特定した、品位が既知の粒状物から、前述した透過画像による粒状物の面積、円形度、長さ、幅、エッジ画像信号のヒストグラム及び輝度信号のヒストグラムと、反射画像によるHSI信号のヒストグラム及びエッジ画像のヒストグラムと、斜光画像によるエッジ画像をハフ変換した信号とを得て、これらの情報を説明変数とし、重回帰分析などの線形解析やニューラルネットワークなどの非線形解析により、品位が未知の粒状物品位を求めるための粒状物品位関係式を作るものである。したがって、品位が未知の粒状物の、前記透過光画像、反射光画像又は斜光画像によって与えられた情報と前記粒状物品位関係式とによって、品位が未知の粒状物の品位を特定することができる。
なお、前記した各情報は一例であり、全ての情報を利用することが必要条件ではない。また、線形解析や非線形解析については、公知の解析法が利用できる。
【0027】
画像処理後の演算制御手段4の制御プログラム全体について、図16を用いて更に説明する。カメラ2からサンプル粒状物の画像データを得て(16−1)、処理可能な画像データに変換して記憶部3cに記憶する。ここで得た画像データは、演算制御手段4と画像処理手段3とによって、前述のとおり、粒状物ごとに画像処理され(16−3)、例えば450粒分の、画像処理された形状情報と光学情報を得る。これら形状情報及び光学情報と、形状物品位関係式とによって粒状物のラベルごとに品位を演算特定し(16−4)、品位ごとの粒数を演算する(16−5)とともに、品位後とに粒数比を演算する(16−6)。反射画像データの処理で得た記憶部3cの、例えばYUV信号による画像を区切って1粒ごとの画像データを得、記憶部3cに記憶するよう画像処理手段に指令する(16−7)。ここでの画像処理は、まず、透過光画像データによって、前述のように粒状物の1粒ごとの外形状を判別し、この外形状に基づいて同じラベルの反射光画像データを1粒ごとに分割して、最終的に並べ替えるとよい。サンプル画像を反射光画像データを利用して作成すると、色彩が明確であり視覚的によい。演算制御手段4では、求めた品位ごとの粒数、粒数比及び450粒分のサンプル画像(1粒ごとの画像アデータ)を同時に所定のフォーマットにし、出力ポート4cからカラープリンター5又はカラーディスプレイ6に出力する(16−8)。このときの印刷の一例を穀粒の品位判別を例として図17に示す。このように本発明では、品位と品位別粒数及びその粒数比に加えて、画像として取得したサンプル粒状物のサンプル画像を付加して提供することができる。すなわち、サンプル粒状物の品位判別のために取得したサンプル粒状物そのものの撮影データによって品位判別し、加えてサンプル画像も作成することができる。
【0028】
450粒全粒を画像として出力する場合は前述のとおりでよいが、カラープリンター5の印刷紙面の大きさやディスプレイ6の解像度の関係から100粒程度しか印刷・表示できないときには、図18で示すように処理される。つまり、図16におけるステップ「(16−7)」に替えて、品位ごとの粒数比と印字・表示可能な粒数1000粒とから品位ごとの粒数を算出する(18−7)。品位ごとの粒数に応じて、記憶部3cから該当の画像データを任意に選択する(18−8)。求めた品位ごとの粒数、粒数比及び選択した画像データ100粒分を同時に所定のフォーマットにし、出力ポート4cからカラープリンター5又はカラーディスプレイ6に出力する(18−9)。このときの印刷の一例を穀粒の品位判別を例として図19に示す。
【0029】
又は、図16におけるステップ「(16−7)」に替えて、図20で示すように、品位ごとの粒数比と印字・表示可能な粒数100粒とから品位ごとの粒数を算出する(20−7)。記憶部3cの画像データから品位を代表する画像を品位ごとに1つずつ選択する(20−8)。品位ごとの粒数及び粒数比と、選択した品位ごとの画像を先に算出した粒数分複写して得た品位別粒数分の画像データとを同時に所定のフォーマットにし、出力ポート4cからカラープリンター5又はカラーディスプレイ6に出力する(20−9)。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、品位ごとの粒数及び粒数比とサンプル画像とを同時に印字又は表示するようにしたので、品位判別のために取得した撮影データを利用して品位判別とサンプル画像の作成を行うことができる。
【0031】
すなわち、サンプル粒状物の品位判別のために取得したサンプル粒状物そのものの撮影データによって品位判別し、加えてサンプル画像も作成するようにしたので、品位判別の結果とそのサンプル画像を同一紙面に表示できるだけでなく、一連の手順で処理されるので、品位判別の基になったサンプル粒状物と、品位判別と同時に表示されるサンプル画像の粒状物との同一性は信頼できるものである。したがって、データの信頼性を裏付けるためのサンプル粒状物の保管は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒状物品位判別装置の制御ブロック図である。
【図2】撮影手段の簡略な側断面図である。
【図3】撮影手段のフィーダとガラス状円盤の平面図である。
【図4】背景板の配置と回転を示した平面図である。
【図5】同上。
【図6】撮影手段の制御ブロック図である。
【図7】撮影手段のフローチャートである。
【図8】透過光の画像データの処理フローチャートである。
【図9】透過光画像データを2値化処理して得られる画像の一例を示す図である。
【図10】画像処理する前の透過光画像データの一例を示す図である。
【図11】図10の画像をエッジ処理して得られる画像の一例を示す図である。
【図12】反射光の画像データの処理フローチャートである。
【図13】斜光画像データの処理フローチャートである。
【図14】画像処理する前の斜光画像データの一例を示す図である。
【図15】斜光画像データを画像処理して得られる画像の一例を示す図である。
【図16】粒状物品位判別装置のフローチャートです。
【図17】印刷された品位判別の測定結果の一例である。
【図18】サンプル画像の別の作成手段を示すフローチャートである。
【図19】別のフローチャートで作成して印刷した品位判別の測定結果の一例である。
【図20】サンプル画像の別の作成手段を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 粒状物品位判別装置
2 撮影手段(カメラ)
3 画像処理手段
4 演算制御手段
5 プリンタ
6 カラーディスプレイ
20 ステッピングモータ
21 回転軸
22 回転円盤
23 円周の一方
24 フィーダ装置
25 サンプル粒状物
26 撮影ポイント
27 撮影視線
28 トラフ
29 ホッパー
30 光源
31 カメラ
32 スリット
34 光源
35 カメラ
36 スリット
40 乳白色板
41 黒色板
42 背景板
43 乳白色板
44 黒色板
45 背景板
46 ステッピングモータ
47 回転軸
48 背景板なし
49 背景板
50 ステッピングモータ
51 回転軸
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