JP2000304748A - 抗原蛋白質の検出方法 - Google Patents

抗原蛋白質の検出方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】抗体認識部位の立体構造の関係などで、従来の
ELISA法において検出が困難であった抗原蛋白質の検出
が可能な検出方法を提供する。 【解決手段】 ELISA法において、検体を予め、0.1〜
10重量%のドデシル硫酸ナトリウムを含有する緩衝液
内で約5分前後煮沸した後、希釈用緩衝液で希釈して用
いることを特徴とする抗原蛋白質の検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗原蛋白質の検出
方法、特に従来のELISA法では検出が困難であった抗原
蛋白質を検出することができる改良された方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ELISA(エンザイム・リンクト・イムノ
−ソルベント・アッセイ:Enzyme Linked Immuno-Sorbe
nt Assay)法は、抗体を酵素で標識し、該抗体と結合す
る物質(抗原)を検出する方法であり、特に抗原蛋白質
の検出方法として、抗原抗体反応を利用して検体中の抗
原蛋白質或いは逆に特定の抗原蛋白質に結合する抗体を
検出する分析方法として広く用いられている。
【0003】該ELISA法は、測定対象とする抗原と反応
する抗体を、予めペルオキシダーゼやガラクトシダーゼ
等の酵素を化学的に結合させた第2の抗体で検出方法で
あり、反応系内に酵素反応によって発色する基質を加え
て、その発色度合から目的とする抗原の有無や量を検出
する方法である。
【0004】かかるELISA法では、ポリクローナル抗体
またはモノクローナル抗体同士、或いはポリクローナル
抗体とモノクローナル抗体とを組み合わせたサンドイッ
チ抗体法による目的蛋白質の検出が現在主流となってい
る〔「生化学実験法11エンザイムイムノアッセイ」、19
89年11月15日東京化学同人発行〕。
【0005】しかしながら、ELISA法に使用する抗体が
ウエスタンブロッティング法では抗原を検出可能であっ
ても、実際にはELISA法によっては、抗原の検出が困難
である場合が最近認められ、かかる抗体を用いたELISA
法による抗原蛋白質の検出の改良が当業界において所望
されている。
【0006】一方、従来よりドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)は、例えばSDS-ポリアクリルアミドゲル(PAGE)電気
泳動法による蛋白質の分子量の差異の検出(蛋白質のお
およその分子量の把握)に広く使用されている。
【0007】また、従来、陰イオン界面活性剤を蛋白可
溶化剤として試料に共存させ、20〜50℃にて約5分間反
応させ、酵素法によって、検体中のHDL-コレステロール
を測定する方法が知られている(特開平7-301636号公
報、再公表特許WO96-29599号公報、特公平8-78号公
報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ばウエスタンブロッティング法では検出可能であるが、
従来のELISA法では検出が困難であった抗原蛋白質、例
えば抗体の認識部位が立体構造上隠れているような抗原
蛋白質の検出を可能とする改良された方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的よ
り鋭意研究を重ねた結果、ELISA法において、予め検体
をSDS存在下で煮沸後、緩衝液で希釈して用いる時に
は、従来のELISA法において検出が困難であった抗原蛋
白質の検出が可能となるという事実を新たに発見した。
本発明はかかる新事実の発見に基づいて完成されたもの
である。
【0010】本発明によれば、ELISA法において、検体
を予めSDS存在下に煮沸後、緩衝液で希釈しておくこと
を特徴とする抗原蛋白質の検出方法が提供される。
【0011】特に、本発明によれば、煮沸が、0.1〜10
重量%のSDSを含む緩衝液中で5〜100倍に希釈した検体
につき、約5分前後行われる上記検出方法、及び煮沸後
の緩衝液による希釈が希釈倍率100〜1000倍とされる上
記検出方法が提供される。
【0012】本発明方法によれば、従来のELISA法では
検出できなかった抗原蛋白質を検出可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明検出方法につき詳述
すれば、本発明において検体としては、ヒト、サル、ウ
サギ、ラット、モルモット、イヌ、ヒツジ、ウシなどの
げっ歯類およびその他の哺乳動物から得られた血液を使
用できる。例えば、ヒト血液において、特に空腹時の血
清又は血漿が好ましく、これらは被験者より採血後、常
法に従い調製できる。
【0014】本発明によれば、これらの検体中の所望抗
原蛋白質の存在の有無(検出)及び存在量の定量が行な
い得る。特に、本発明によって検出される抗原蛋白質
は、従来のELISA法では検出困難なものであることがで
きる。その例としては、抗体による抗原認識部位が蛋白
質の高次構造の表面上に現われず、そのため抗原抗体結
合反応ができないような抗原蛋白質を挙げることができ
る。より具体的には、アミノ酸配列中にコラーゲン様の
G-X-Yリピートをもつもの、例えば各種コラーゲン類、
相補蛋白C1q(complement protein C1q)、マンナン結合
蛋白(mannan binding protein, MBP)、肺表面蛋白(lung
surfactant protein) SP-A, SP-D、マクロファージス
カベンジャーレセプター(macrophage scavenger recept
or)、コングルチニン(conglutinin)、脂肪組織特異的分
泌因子apM1(Adipose Most AbundantGene Transcript 1)
などを例示できる。
【0015】従って、本発明検出方法によれば、特に好
適には、ELISA法に使用する抗体がウエスタンブロッテ
ィングによれば抗原と反応(抗原を認識)するが、ELIS
A法によっては抗原の検出が困難な当該抗原の検出、測
定が行ない得る。即ち、例えば血漿をウエスタンブロッ
ティングすると、特定抗原蛋白質のバンドが確認できる
けれども、該血漿をそのままELISA法で測定すると、上
記ウエスタンブロッティングのバンドに相当するような
測定値が得られない場合がある。例えば、特定抗原に相
当する分子量が、血漿をゲルろ過で分画し、それぞれの
フラクションについてウエスタンブロッティングを行う
と予想される分子量を大きく上回る分子量のフラクショ
ンにバンドが確認される場合や、測定対象物の血中濃度
が高い場合、測定対象物が例えばアミノ酸配列の中にコ
ラーゲン様の配列を含んでおり、重合しやすい或いは他
の分子と会合しやすい場合などが上記の場合に該当す
る。本発明方法はかかる抗原蛋白質の検出に特に好適で
ある。該好適な本発明方法の一実施態様としては、後記
実施例に記載の方法を挙げることができる。
【0016】また、本発明方法は、検体中において抗体
と反応しづらい認識部位を有する抗原の検出にも有利に
適用できる。更に本発明方法は、他の物質と会合し得る
抗体による抗原の検出や、抗体の認識部位が抗原表面上
に出ておらずマスクされている抗原の検出にも、好まし
く適用できる。
【0017】本発明方法は、検体について予め上述した
特定のSDS処理を行なうことを除いては、通常のELISA法
に従って実施できる。
【0018】該ELISA法において使用される抗体は、常
法に従い製造することができ、該抗体の製造のための抗
原の調製も常法に従うことができる。例えば該抗原は、
哺乳動物より常法により、単離抽出することができる。
また該抗原はその蛋白質の遺伝子配列情報に基づき、通
常の遺伝子工学的手法〔例えば、Science,224, 1431(19
84) ; Biochem. Biophys. Res. Cmm.,130, 692 (1985)
; Proc. Natl. Acad.Sci., USA.,80, 5990 (1983)等参
照〕により組換え蛋白として製造することもできる。更
に、上記抗原は、上記遺伝子によりコードされるアミノ
酸配列情報に従って、一般的な化学合成手法により製造
することもできる。
【0019】遺伝子工学的手法を採用した上記抗原とし
ての蛋白質の製造は、該蛋白質をコードする遺伝子が宿
主細胞中で発現できる組換えDNAを作成し、これを宿主
細胞に導入して形質転換し、該形質転換体を培養するこ
とにより行われる。ここで宿主細胞としては、真核生物
及び原核生物のいずれも用いることができる。該真核生
物の細胞には、脊椎動物、酵母等の細胞が含まれ、脊椎
動物細胞としては、例えばサルの細胞であるCOS細胞〔C
ell, 23, 175 (1981)〕やチャイニーズ・ハムスター卵
巣細胞及びそのジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損株〔Pro
c. Natl. Acad.Sci., USA., 77, 4216 (1980)〕等がよ
く用いられるが、これらに限定されている訳ではない。
原核生物の宿主としては、大腸菌や枯草菌が一般によく
用いられる。
【0020】組換えDNAの宿主細胞への導入方法及びこ
れによる形質転換方法としては、一般的な各種方法が採
用され、形質転換体は、常法に従い培養でき、該培養に
より所望のように設計した遺伝子によりコードされる目
的の蛋白質が生産、発現される。発現蛋白質は、所望に
より、その物理的性質、化学的性質等を利用した各種の
分離操作〔「生化学データブックII」、1175-1259頁、
第1版第1刷、1980年6月23日株式会社東京化学同人発行
; Biochemistry, 25(25), 8274 (1986) ; Eur.J. Bioc
hem.,163, 313 (1987)等参照〕により分離、精製でき
る。該方法としては、具体的には例えば通常の再構成処
理、蛋白沈殿剤による処理(塩析法)、遠心分離、浸透
圧ショック法、超音波破砕、限外ろ過、分子篩クロマト
グラフィー(ゲルろ過)、吸着クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の
各種液体クロマトグラフィー、透析法、これらの組合せ
等を例示できる。
【0021】抗原としての蛋白質は、またそのアミノ酸
配列情報に従って、一般的な化学合成法により製造する
ことができ、該方法には、通常の液相法及び固相法によ
るペプチド合成法が包含される。
【0022】上記の如くして得られる抗原蛋白質に対す
る抗体は、抗原蛋白質、その断片及びこれらをハプテン
として含む複合蛋白質を免疫抗原として利用して、抗血
清(ポリクローナル抗体)及びモノクローナル抗体とし
て製造することができる。これら抗体の製造方法自体
は、当業者によく理解されているところであり、本発明
方法に用いられる抗体の製法もこれら常法に従うことが
できる〔続生化学実験講座「免疫生化学研究法」、日本
生化学会編 (1986)等参照〕。
【0023】以下、本発明に係わる検出方法(以下、
「SDS-ELISA法」という)について詳述すると、該方法
は、まず検体(例えば血漿)を、予めSDS存在下、特にS
DSを含む適当な緩衝液中で約5分前後煮沸する。該煮沸
は常法に従い例えば適当なヒートブロック(恒温槽)等
を用いて行い得る。ここで、利用できる緩衝液は、特に
限定されるものではなく従来よりよく知られている各種
のもののいずれであってよい。その具体例としては、例
えば、リン酸緩衝液(PBS)、MOPS緩衝液、HEPES緩衝液、
トリス塩酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液などを例
示できる。之等緩衝液中のSDS濃度は、通常約0.1〜10重
量%の範囲から選ばれるのが好ましい。
【0024】また、検体に対するSDS量は、検体が上記S
DS含有緩衝液にて約5〜100倍に希釈される量、例えばは
5倍、7倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍及び100倍に
希釈される量、より好ましくは10〜20倍程度の範囲に希
釈される量とすることができる。
【0025】本発明においては、次いで、上記の如くSD
S煮沸処理された検体処理液を、更に適当な希釈用緩衝
液で希釈する。ここで、用いられる緩衝液は、一般にEL
ISA法などの抗原、抗体の検出法に用いられることのよ
く知られている各種のもののいずれであってもよく、上
述した煮沸時に用いたものと同一のものであることがで
きる。また之等緩衝液中には、通常、ウシ血清アルブミ
ン(BSA)、卵アルブミン(OVA)などのアルブミン類や、
カゼイン、γ−グロブリン、動物血清などのキャリアー
蛋白を含ませることができる。
【0026】上記希釈用緩衝液によるSDS煮沸処理され
た検体の希釈倍率は、測定される対象物のELISA法によ
る検出範囲に依存して、当業者により適宜決定すること
ができる。例えば、後記実施例のapM1の場合、ELISA法
の検出範囲は、数十pg/mlから数十ng/mlであり、apM1の
血中濃度がμgオーダーであることから、検体のSDS煮沸
処理液を、少なくとも10倍、好ましくは100〜1000程
度、具体的には100、200、300、400、500、600、700倍
程度とされるのがよい。上記希釈によって、SDSの有す
る強力な界面活性作用が緩和され、抗体と抗原との反応
性に悪影響を及ぼすおそれが回避される。
【0027】本発明抗原蛋白質の検出は、上記に従い緩
衝液で希釈された検体について、ELISA法を実施するこ
とにより行われる。該ELISA法としては、特に免疫検定
法としてのサンドイッチ法を用いたELISA法が好適であ
る。このサンドイッチELISA法につき詳述すれば、その
原理は酵素抗体法に基づいている。即ち、この方法によ
れば、例えば、まず96ウエルプレートに特定の抗原又は
それらの断片を認識するモノクローナル抗体(第1抗
体)を固相化し、更に非特異的吸着を防ぐためにブロッ
キングを行う(固相化反応)。次に、上記モノクローナ
ル抗体固相化プレートにヒト特定抗原標準液又は検体を
加えて反応させる(第1反応)。プレートを洗浄後、特
定の抗原に反応するポリクローナル抗体(第2抗体 :第1
抗体とは異なる抗体)を加えて反応させる(第2反
応)。再度プレートを洗浄し、HRP標識抗ウサギIgG抗体
(第3抗体)を加えて反応させる(第3反応)。プレート
を洗浄後、基質溶液を加えて酵素反応を行い(第4反
応)、酵素活性を酵素反応生成物固有の波長、例えば49
2nmにおける吸光度として読み取る。上記においては、
また第1抗体としてポリクローナル抗体を、第2抗体とし
てモノクローナル抗体を用いることもできる。また、こ
れらの方法の操作、手順なども常法に行うことができ
る。
【0028】上記方法に従えば、用いる標準液又は検体
中の特定抗原濃度が高いほど、強い酵素活性(吸光度)
が認められる。上記標準液の吸光度をプロットして標準
曲線(検量線)を作製し、検体の吸光度を該検量線と対
比させれば、検体中の特定抗原を簡便に読み取ることが
でき、かくして、本発明所期の抗原の検出を行なうこと
ができる。かくして、検体の提供者が各種疾患と関連し
ているかどうかの判定や病理状態についての診断が行い
得る。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、従来のELISA法におい
て検出が困難であった抗原蛋白の検出が可能である。
【0030】
【実施例】以下、本発明をより詳しく説明するため本発
明に利用する抗原の調製例及び抗体の作製例を参考例と
して挙げ、次いで本発明方法の実施例を挙げるが、本発
明は之等各例に限定されない。 参考例 1 抗原としての組換えapM1の調製 (1) apM1蛋白質の大腸菌での発現 1) apM1 PCR apM1の遺伝子配列及び該遺伝子配列でコードされるアミ
ノ酸配列は、ジーンバンク(gene bank)にアクセッシ
ョン番号D45371として登録されており、そのコーディン
グ領域(CDS)は、配列番号27〜761番目として示されて
いる。
【0031】apM1遺伝子は、大阪大学医学部第2内科よ
り供与されたプラスミドを鋳型としてPCR法により増幅
した。apM1遺伝子を含むプラスミドの制限酵素地図を図
1に示す。
【0032】PCRプライマーは、apM1の遺伝子配列の
内、69〜761番の693bpを増幅し、その5'末端に制限酵素
NdeIサイトを、3'末端にBamHIサイトを増設するように
デザインし、自動DNA合成機で製造した。該PCRプラ
イマーの配列は配列表に配列番号:1(forward)及
び:2(reverse)として示す通りである。 2) apM1遺伝子のサブクローニング 上記1)で得られたPCR産物(pT7-apM1)を、pT7 Blue T-Ve
ctor〔ノバゲン(Novagen)社製〕にサブクローニング
し、そのDNA配列に変異がないことを確認した。 3)発現ベクターの構築 発現ベクターpET3c(ノバゲン社製)をNdeI及びBamHIで
消化し、約4600bpのフラグメントを得た。また、上記1)
で得たpT7-apM1をNdeI及びBamHIで消化し、約700bpのフ
ラグメントを得た。これらのフラグメントをライゲーシ
ョンし、得られた発現ベクターをpET3c-apM1とした。 4)大腸菌での発現 宿主大腸菌であるBL21(DE3)pLysSを、上記3)で得たpE
T3c-apM1で形質転換し、2xT.Y. Amp.(トリプトン16g、
酵母抽出物10g及びNaCl 5g、100μg/mlアンピシリン)
で培養した。大腸菌が対数増殖期に入ったところでIPTG
(イソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド)を添加
し、リコンビナントapM1の生産を誘導した。このとき、
IPTGによる誘導前後の大腸菌およびIPTG誘導後のインク
ルージョンボディー(大腸菌の不溶性画分)をサンプリ
ングし、SDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングによ
りapM1の発現を確認した。 5)結果 上記に従い大腸菌に発現した発現物は、apM1のアミノ酸
配列からシグナルペプチド配列を除いた15番Glyから244
番Asnまでの230アミノ酸で、N端に開始コドン由来のMet
が付加されている。そのアミノ酸配列を配列番号:3に
示す。
【0033】上記方法に従い得られた大腸菌をSDS-PAGE
で分析したところ、CBB染色により、IPTG誘導後の大腸
菌およびインクルージョンボディーにおいて約30kDのバ
ンドが確認できた。
【0034】この約30kDのバンドをゲルから切り出して
N端10アミノ酸の配列を確認したところ、予想されたapM
1の同N端配列と同じである事が確認された。
【0035】これらの結果から、apM1は約30kDの蛋白質
として主にインクルージョンボディーの画分に発現して
いることが明らかとなった。 (2) リコンビナントapM1の大腸菌からの精製 リコンビナントapM1の大腸菌からの精製は、以下の5つ
のステップにて行った。 1)大腸菌の培養 発現ベクターpET3c-apM1で形質転換した大腸菌BL21(DE
3)pLysS(ノバゲン社製)を2xT.Y. Amp.で前培養(37
℃、振盪培養)し、翌日、その培養液を100倍量の2xT.
Y. Amp.で希釈して更に培養した。2〜3時間培養して培
養液のOD550が0.3〜0.5になったところで、0.4mMのIPTG
を添加し、リコンビナントapM1の生産を誘導した。IPTG
添加後約3〜5時間で培養液を遠心分離(5000rpm、20
分、4℃)し、大腸菌の沈殿を得た。 2)大腸菌からのインクルージョンボディーの調製 大腸菌の沈殿を50mM Tris-HCl (pH8.0)に懸濁し、リゾ
チームで37℃、1時間処理した後、0.2% Triton X-100
(片山化学社製)を添加した。その溶液を超音波処理
(BRANSON SONIFIER, output control 5, 30秒間)し、
遠心分離(12000rpm、30分間、4℃)して沈殿を回収し
た。その沈殿を適量の50mM Tris-HCl (pH8.0), (0.2% T
ritonX-100添加)に懸濁し、超音波処理(同上条件)を
行った。得られた溶液を遠心分離し、沈殿を再度同様の
操作で洗浄し、得られた沈殿をインクルージョンボディ
ーとした。 3)インクルージョンボディーのリフォールディング インクルージョンボディーを少量の7M塩酸グアニジン,
100mM Tris-HCl (pH8.0), 25mM 2MEに可溶化した。その
溶液を200倍量の2M Urea, 20mM Tris-HCl (pH8.0)に滴
下して希釈し、4℃で3晩放置した。 4)リフォールディング溶液の濃縮 リフォールディングした溶液を遠心分離(9000rpm、30
分間、4℃)し、得られた上清をアミコンYM-10メンブレ
ンを用いた限外濾過で約100倍に濃縮した。その濃縮液2
0mM Tris-HCl (pH8.0)に透析し、0.45μmのフィルター
で濾過した。 5) DEAE-5PWによる陰イオン交換HPLC 上記4)で得られたサンプルをDEAE-5PW(東ソー社製)に
よる陰イオン交換HPLCにより分離、精製した。開始バッ
ファーは20mM Tris-HCl (pH7.2)で、溶出は1MNaClのリ
ニアグラジェントで行い、280nmの吸収でモニターし
た。フラクションは1mlずつとり、各フラクションをSDS
-PAGEにより分析した。 6)結果 リコンビナントapM1は、大腸菌にインクルージョンボデ
ィーとして発現していたので、精製に際しては、まず、
インクルージョンボディーの可溶化およびリフォールデ
ィングを行った。その結果、apM1は可溶化され、陰イオ
ン交換カラムで分離された。そのピークのフラクション
をSDS-PAGEで分析したところ、約30kDのapM1のバンドが
観察され、apM1のピークであることが判明した。これら
のapM1のフラクションを集め、引き続くウサギおよびマ
ウスの免疫のための抗原として用いた。 参考例2 apM1に対するポリクローナル抗体及びモノクロ
ーナル抗体の作製 1)ポリクローナル抗体の作製 リコンビナントapM1 100μg/bodyを等量のコンプリート
アジュバントと混合して5匹のウサギに2週間おきに8回
免疫して抗apM1ポリクローナル抗体(認識番号;OCT910
1〜OCT9105)を得た。 2)モノクローナル抗体の作製 リコンビナントapM1 20μg/bodyを等量のコンプリート
アジュバントと混合してマウスに2週間おきに3回免疫
し、細胞融合の3日前にアジュバントなしで最終免疫し
た。マウス脾臓リンパ球とミエローマ細胞(P3U1)の細
胞融合はPEG法にて行い、HAT培地で培養することにより
ハイブリドーマを選択した。
【0036】apM1抗体産生株のスクリーニングは、抗原
(apM1)をコーティングしたイムノプレートを用いたEL
ISAで行い、限界希釈法でハイブリドーマをクローニン
グした。シングルクローンになったハイブリドーマは、
プリスタン処理したマウス腹腔内に投与して腹水にした
(認識番号;ANOC9101〜ANOC9111)。
【0037】得られたマウス腹水は、プロテインAカラ
ムを用いて精製した。 3) apM1の動物細胞での発現 apM1 cDNAを制限酵素EcoRIで切出し、発現ベクターpCIn
eo(プロメガ社製)のEcoRIサイトに挿入した。このpCI
neo-apM1をGIBCO-BRL社製のLIPOFECT AMINEを用いてCOS
-1細胞(ATCC CRL1650)にトランスフェクションし、72
時間後の培養上清および細胞を回収した。 4) apM1のウエスタンブロッティング ヒト脂肪組織、pCIneo-apM1/COS-1細胞、pCIneo-apM1
/COS-1細胞培養上清、pCIneo/COS-1細胞、pCIneo/CO
S-1細胞培養上清、正常人血漿およびリコンビナントapM
1をそれぞれSDS-PAGEし、ニトロセルロースフィルター
にトランスファーした。
【0038】このフィルターを抗apM1モノクローナル抗
体(ANOC9104)と反応させ、次いでHRP標識抗体と反応
させた後に、ECL(アマシャム社製ウエスタンブロッテ
ィング検出試薬)を用いて検出を行った。
【0039】その結果、脂肪組織、pCIneo-apM1/COS-1
細胞、pCIneo-apM1/COS-1細胞培養上清、正常人血漿お
よびリコンビナントapM1において約30kDのバンドが確認
されたが、pCIneo/COS-1細胞およびpCIneo/COS-1細胞
培養上清においては何も検出されなかった。これらのこ
とから、モノクローナル抗体がapM1に特異的に反応して
いることが確認された。 参考例3 apM1 ELISAの作製 1)ウエスタンブロッティングによるapM1抗体の力価検討 正常人血漿をPBSで10倍に希釈し、その5μlを2ME(+)、
(-)でSDS-PAGEしてニトロセルロースフィルターにトラ
ンスファーした。そのフィルターを1000倍希釈した抗ap
M1ポリクローナル抗体(OCT9101〜9105)あるいは5μg/
mlに調製した抗apM1モノクローナル抗体(ANOC9101〜91
11)と反応させ、次いでHRP標識抗体と反応させて、ECL
により検出した。
【0040】その結果、全てのポリクローナル抗体で2M
E(+)の場合約30kDの、また2ME(-)の場合約70kDのapM1の
バンドが確認できた。また、モノクローナル抗体の場合
は、ANOC9104およびANOC9108がapM1のバンドと強く反応
した。このことから、ELISAに用いるモノクローナル抗
体はANOC9104或いはANOC9108が適当であると考えられ
た。 2) apM1 ELISAの作製 apM1モノクローナル抗体(ANOC9108)をイムノプレート
にコーティングし、各ウエルをブロッキングした後にap
M1スタンダードおよびサンプルを添加して反応させた。
プレートの各ウエルを洗浄した後、希釈したapM1ポリク
ローナル抗体(OCT9104)を添加して反応させた。プレ
ートの各ウエルを洗浄した後、希釈したHRP標識抗ウサ
ギIgG抗体を添加して反応させた。プレートの各ウエル
を洗浄した後、OPDを用いて発色させ、492nmの吸収を測
定した。apM1の標準品には、大腸菌に発現したapM1を精
製し、BSAを標準としたプロテインアッセイにより蛋白
量を定量したものを用いた。
【0041】その結果、上記ANOC9108とOCT9104の組み
合わせの検出範囲は、0.1ng/ml〜50ng/mlであった。 3)正常人血漿のゲルろ過およびウエスタンブロッティン
グ 上記のapM1 ELISAで正常人血漿を測定したところ、ウエ
スタンブロッティングの結果から予測される測定値より
も非常に低いものだった。そこで、正常人血漿をSupero
se6(ファルマシア社製)を用いてゲルろ過し、各フラ
クションをSDS-PAGEして、apM1モノクローナル抗体(AN
OC9104)を用いたウエスタンブロッティングで分析し
た。また、分子量マーカーを同一条件でゲルろ過し、ap
M1の溶出した位置と比較検討した。
【0042】その結果、apM1は分子量290kDから900kDの
間のフラクションに溶出していた。このことから、血中
のapM1は、自身で重合体を形成しているか、あるいは他
の血漿成分と会合して、290kDから900kDの大きな分子と
なり、そのために抗体の認識部位がマスクされているも
のと考えられた。 実施例1 1)血漿サンプルの処理 血漿のSDS存在下での煮沸処理処理条件(煮沸時間、SDS
緩衝液と血漿との混合比)について検討した。即ち、2.
3%SDSを含む31.25mMトリス・HCl緩衝液(pH6.8)で10倍
に希釈した正常人血漿を、10秒、30秒、1分、3分、5
分、10分間それぞれ煮沸した。空冷後、各血漿SDS処理
溶液を0.1% BSA含有PBS緩衝液で500倍に希釈し、ELISA
法によりapM1を測定した。
【0043】また別途に、正常人血漿を2倍、3倍、5
倍、10倍、20倍に上記SDS含有緩衝液でそれぞれ希釈
し、5分間煮沸し、空冷後、各血漿SDS処理溶液を0.1% B
SA含有PBS緩衝液で血漿原液からトータル10000倍に希釈
して、同様にapM1を測定した。
【0044】その結果、いずれの場合も、ウエスタンブ
ロッティングの結果とほぼ一致する程度のレベルでapM1
が検出できた。最適な処理条件は、血漿をSDS緩衝液で1
0倍に希釈して5分間煮沸処理するのがもっともよいと考
えられた。 2)血漿サンプルの希釈 apM1 ELISAの検出範囲が0.1ng/ml〜50ng/mlであり、apM
1の血中濃度がおそらくμgオーダーであることから、血
清(血漿)は希釈して測定する必要があるので、適正な
希釈倍率を求めるために、上記に従いSDS処理した血漿
を段階希釈してapM1の測定を行った。即ち、正常人血漿
をSDS緩衝液で10倍に希釈して5分間煮沸処理し、そ
の溶液を0.1% BSA含有PBS緩衝液で20倍から10000倍まで
段階希釈してapM1の測定を行った。
【0045】その結果、ELISAの測定範囲内であれば希
釈倍率に比例してapM1が検出され、その吸光度等から考
えて、血漿SDS処理液を緩衝液で100倍以上に希釈すれ
ば、充分に測定が可能であり、また希釈倍率が1000倍以
下であれば、apM1が検出範囲に充分に入ることが確認で
きた。この希釈倍率の範囲内では、500倍に希釈して測
定することが適当であると考えられた。 3) apM1 SDS-ELISA法の確立 血清(血漿)10μlを90μlのSDS緩衝液〔31.25mM Tris-
HCl (pH6.8), 2.3% SDS〕と混合し、DRI-BLOCK DB-1L
(エムエス機器社製)を用いて約5分間煮沸した。血漿S
DS処理液を約30分間空冷した後、0.1% BSA, PBSで500倍
に希釈した。
【0046】apM1モノクローナル抗体(ANOC9108)をコ
ーティングしたイムノプレートの各ウエルをブロッキン
グし、apM1スタンダードおよび希釈した血漿SDS処理液
を添加して室温で一晩反応させた。プレートの各ウエル
を洗浄した後、10000倍に希釈したapM1ポリクローナル
抗体(OCT9104)を添加して室温で2時間反応させた。プ
レートの各ウエルを洗浄した後、10000倍に希釈したHRP
標識抗ウサギIgG抗体を添加して室温で2時間反応させ
た。プレートの各ウエルを洗浄した後、OPDを用いたHRP
の酵素反応により各ウエルを発色させ、2N硫酸を添加し
て反応を停止させた後、492nmの吸収を測定した。apM1
の標準品には、大腸菌に発現したapM1を精製し、BSAを
標準としたプロテインアッセイにより蛋白量を定量した
ものを用いた。
【0047】その結果、apM1 ELISAの検出範囲は0.1ng/
ml〜50ng/mlであり、ほとんどの検体は上記の希釈によ
り検出範囲内に収まった。 4)採血条件の検討 正常人10名の血液を血清、ヘパリン、EDTAの各採血条件
でそれぞれ採血し、apM1を測定して、採血条件の違いに
よる測定値の変動について検討した。
【0048】その結果は図3(縦軸:apM1濃度、μg/
ml、横軸:サンプルNo.)に示す通りであり、これらの
採血法による測定値の変動は認められなかった。 5)日内変動、日差変動の検討 正常人の血清(血漿)中apM1の測定における日内変動お
よび日差変動について検討した。日内変動については同
一の検体を8重に測定してCV値を求めた。また日差変動
については、同一の検体を日を変えて4回繰り返し測定
し、CV値を求めた。
【0049】その結果、日内変動についてはCV値が5%以
下、日差変動についてはCV値が10%以下と良好な結果が
得られた。
【0050】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. <120> A detecting method of antigenic proteins <130> 1009JP <160> 3 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 29 <212> DNA <213> PCR primer(forward) sequence for apM1 <400> 1 AACATATGGG GCATGACCAG GAAACCACG 29 <210> 2 <211> 29 <212> DNA <213> PCR primer(reverse) sequence for apM1 <400> 2 AAGGATCCTC AGTTGGTGTC ATGGTAGAG 29 <210> 3 <211> 231 <212> PRT <213> Abdominal fat tissue from myoma uteri <400> 3 Met Gly His Asp Gln Glu Thr Thr Thr Gln Gly Pro Gly Val Leu Leu 1 5 10 15 Pro Leu Pro Lys Gly Ala Cys Thr Gly Trp Met Ala Gly Ile Pro Gly 20 25 30 His Pro Gly His Asn Gly Ala Pro Gly Arg Asp Gly Arg Asp Gly Thr 35 40 45 Pro Gly Glu Lys Gly Glu Lys Gly Asp Pro Gly Leu Ile Gly Pro Lys 50 55 60 Gly Asp Ile Gly Glu Thr Gly Val Pro Gly Ala Glu Gly Pro Arg Gly 65 70 75 80 Phe Pro Gly Ile Gln Gly Arg Lys Gly Glu Pro Gly Glu Gly Ala Tyr 85 90 95 Val Tyr Arg Ser Ala Phe Ser Val Gly Leu Glu Thr Tyr Val Thr Ile 100 105 110 Pro Asn Met Pro Ile Arg Phe Thr Lys Ile Phe Tyr Asn Gln Gln Asn 115 120 125 His Tyr Asp Gly Ser Thr Gly Lys Phe His Cys Asn Ile Pro Gly Leu 130 135 140 Tyr Tyr Phe Ala Tyr His Ile Thr Val Tyr Met Lys Asp Val Lys Val 145 150 155 160 Ser Leu Phe Lys Lys Asp Lys Ala Met Leu Phe Thr Tyr Asp Gln Tyr 165 170 175 Gln Glu Asn Asn Val Asp Gln Ala Ser Gly Ser Val Leu Leu His Leu 180 185 190 Glu Val Gly Asp Gln Val Trp Leu Gln Val Tyr Gly Glu Gly Glu Arg 195 200 205 Asn Gly Leu Tyr Ala Asp Asn Asp Asn Asp Ser Thr Phe Thr Gly Phe 210 215 220 Leu Leu Tyr His Asp Thr Asn 225 230
【図面の簡単な説明】
【図1】apM1遺伝子配列を含むプラスミドの制限酵素地
図を示す。
【図2】リコンビナントapM1を用いて作製した標準曲線
を示す。
【図3】採血条件の検討結果について示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12P 21/02 C 15/02 21/08 15/09 ZNA C12Q 1/00 Z C12P 21/02 C12N 5/00 B 21/08 15/00 C C12Q 1/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA11 BA31 BA44 CA04 CA09 DA02 DA06 EA04 GA03 GA11 GA18 GA19 HA15 4B063 QA01 QA18 QQ03 QQ79 QR03 QR41 QR48 QR51 QS33 QS35 QX01 4B064 AG27 AG31 BH09 CA02 CA10 CA19 CA20 CC24 CE02 CE06 CE11 CE12 CE14 DA13 4B065 AA26X AA90X AA90Y AA91X AB01 AB05 BA02 BD01 BD15 BD16 BD17 BD46 CA24 CA25 CA46 4H045 BA10 CA40 DA76 DA86 FA74 GA01 GA10 GA15 GA23 GA26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ELISA法において、検体を予めドデシル
    硫酸ナトリウムの存在下に煮沸後、緩衝液で希釈してお
    くことを特徴とする抗原蛋白質の検出方法。
  2. 【請求項2】 煮沸が、0.1〜10重量%のドデシル硫酸
    ナトリウムを含む緩衝液中で5〜100倍に希釈した検体に
    つき、約5分前後行われる請求項1に記載の検出方法。
  3. 【請求項3】 煮沸後の緩衝液による希釈が、希釈倍率
    100〜1000倍とされる請求項1又は2に記載の検出方
    法。
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