JP2000309153A - 偽造・変造防止用印刷物 - Google Patents

偽造・変造防止用印刷物

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JP2000309153A
JP2000309153A JP11866899A JP11866899A JP2000309153A JP 2000309153 A JP2000309153 A JP 2000309153A JP 11866899 A JP11866899 A JP 11866899A JP 11866899 A JP11866899 A JP 11866899A JP 2000309153 A JP2000309153 A JP 2000309153A
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pattern
solvent
resin
card
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English (en)
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Shunsuke Sato
俊介 佐藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤を使用して顔写真を消去しようとしたと
きに、IDカードに適用されている他の印刷情報が溶解
して破壊され、また、カード基材に不正に顔写真を形成
しようとしても染料画像が形成されにくく、単に顔写真
の転写を試みたり、転写物を貼付するだけでは偽造・変
造が不可能な、カード等の価値の高い画像の変造を保護
し得る印刷物を提供しようとするものである。 【解決手段】 被印刷基材2として、染料受容性のない
ものを使用する事とし、剥離性のフィルム上に形成され
た溶剤溶解性の受容層3に染料画像4と溶剤溶解性の模
様5とを形成し、これらを被印刷基材2上に受容層3ご
と転写して印刷物とすることにより、上記の課題が解決
できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、証明書等に適用で
き、偽造・変造防止性の高い印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】偽造・変造の対象となるものには、経済
的な価値の高いものが多い。例えば、貨幣・紙幣、株券
・証券、小切手帳等は、額面金額または記載金額に相当
する価値、あるいは投機の対象となっていればそれ以上
の価値を有している。金融機関での預貯金用カード(通
称;キャッシュカード)やクレジット会社が発行するク
レジットカードも、不正に使用すれば、現金を持つのと
同様な利益が生じる可能性があるから、間接的とは言
え、経済的な価値を有している。偽造・変造の対象とな
るものは、単に経済的な価値を有するものに止まらず、
運転免許証や身分証明書(学生証、社員証、会員証、ま
たは外国人登録証を含み、一定条件を満たす者に交付さ
れる他のものも含む)は、それらを所持していないとで
きない活動、特に経済的な活動もあり得るから、不正な
意図で入手したい者にとっては偽造・変造する対象とな
り得る。
【0003】上記のうち、預貯金用カード(通称;キャ
ッシュカード)、クレジットカード、運転免許証、およ
び身分証明書は、各々の使用のされかたは相違するが、
いずれも、保持するべき資格を有する者が正しく保持し
ていることを証明する、いわゆるIDカードの機能を共
通して持っている。そして、必ずしも、すべてのケース
ではないが、これらのIDカードは顔写真を表面に貼付
してあることが多い。顔写真は、各人固有のものである
上、撮影自体は短時間に行なって画像の取り込みをする
ことができ、また、IDカード上で公開することに各人
の抵抗が少ないので、使用するのに適している。
【0004】IDカード等に顔写真を適用するには、種
々の手法があるが、例えば、カード基材を構成するコア
シート上に通常のプロセスインキとは異なる特殊な外観
を与えるインキを用いた印刷(セキュリティー印刷)を
しておき、その上をオーバーシートで被覆してカード基
材を調製し、得られたカード基材に昇華転写を行なって
顔写真を転写・形成していた。しかし、このようにして
顔写真を形成したカードに、次のような不正な試みがな
されることがある。例えば、カード基材を侵さない溶剤
を選んで顔写真のみを消去した後、市販の昇華転写プリ
ンタを使用して、本来のカード保持者のものとは異なる
顔写真をカード基材上にプリントする方法がある。ある
いは、同様にして顔写真を消去した後に、別の透明フィ
ルムに他人の顔写真を出力したものを粘着剤を使用して
カード基材に貼る方法もある。このように、従来の技術
においては、溶剤を使用することにより、顔写真のみを
消去でき、別の顔写真を適用することが可能である。従
来のIDカードが変造されやすい原因の一つは、溶剤を
使用して顔写真を消去する際に、IDカードの他の部分
が損なわれない点にある。また、一旦、顔写真が消去さ
れると、ポリ塩化ビニル樹脂シートからなる一般的なカ
ード基材は染料染着性であるため、市販の昇華タイプの
プリンタを使用して別の顔写真を形成することが可能で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明におい
ては、溶剤を使用して顔写真を消去しようとしたとき
に、IDカードに適用されている他の印刷情報が溶解す
る等して破壊されてしまうこと、また、カード基材上に
不正に顔写真を形成しようとしても、染料画像が形成さ
れにくく、単に顔写真の転写を試みたり、貼付するだけ
では、変造が不可能なカードを提供しようとするもので
ある。またカード以外のものであっても、同様に価値の
高い画像の変造を防止する印刷物を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決する手段】被印刷基材として、染料受容性
のないものを使用する事とし、剥離性のフィルム上に形
成された溶剤溶解性の受容層に染料画像と溶剤溶解性の
模様とを形成しておき、これらを被印刷基材上に受容層
ごと転写することにより、上記の課題が解決でき、以下
の発明をするに至った。
【0007】第1の発明は、染料受容性のない被印刷基
材上の少なくとも一部に、染料受容性かつ溶剤溶解性で
ある受容層が積層されており、前記受容層にはその下部
に染料が染着することにより形成された画像と、溶剤溶
解性である模様層とを有することを特徴とする偽造・変
造防止用印刷物に関するものである。第2の発明は、第
1の発明において、染料受容性のない被印刷基材は、表
面に、模様層を伴なった透明シートを有しており、前記
透明シートの下面の模様層の模様と受容層の下部に形成
された模様とは互いに連続した模様を構成することを特
徴とする偽造・変造防止用印刷物に関するものである。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記受
容層上に保護層が積層されていることを特徴とする偽造
・変造防止用印刷物に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1〜図3は本発明の実施態様を
示す図で、いずれも断面図である。
【0009】図1に例示するように、本発明の偽造・変
造防止用印刷物1の最も簡素なものは、被印刷基材2上
に受容層3が積層されたものである。被印刷基材2は染
料受容性がなく、受容層3は溶剤溶解性である性質を各
々持ったものである。加えて受容層3の下面およびその
近傍に、染料が染着したことにより形成された画像4を
有していると共に、受容層3の下部に溶剤溶解性である
模様層5を有しているものである。図1〜図3では画像
4は受容層3の下半分の厚みに及んでいるが、分かりや
すくするためであって、実際には、下面の表面およびそ
のごく近傍のみに形成される。受容層3は被印刷基材2
上の全面に積層してあってもよいが、被印刷基材2の上
面には、種々の通常の印刷やほかのID手段が適用され
ることが多く、一例として、20mm×20mm程度の
大きさであることが普通である。模様層3は、図1に示
すものでは受容層3の下部の一部に、模様層3の下面と
模様層3のない部分の受容層3下面とが平坦になるよう
形成されている。この例では、もしも、受容層3に溶剤
を作用させると、下部に画像と模様層を持つ受容層3
は、すべてが溶剤溶解性であるから、溶解して各層が崩
壊し、画像と模様層の模様が失なわれる。透明フィルム
に顔写真の画像を昇華転写して貼付したとしても、下の
模様層5が無いことが、画像を通して見えるので、偽造
・変造されたものであることが一目で分かる。
【0010】図2は本発明の偽造・変造防止用印刷物1
の別の例の断面図である。図2に示すように被印刷基材
2は、透明シート7の下面に模様層6を伴なったもので
ある点で図1に示したものと相違する。一般にカード類
に種々の必要事項を印刷して表示して見せる場合、それ
らの文字等が摩耗して失なわれないよう、表面より下部
に形成することが多いので、この構造であれば、そのよ
うな印刷を行なうのに適している。受容層3のある下部
においては、受容層3が下層を透視できるものであるの
で、白色とするか、適当な背景色とする等、受容層3に
形成する画像の視認性を妨げないようにする。透明シー
ト7は被印刷基材2の一部をなすもので、素材的には同
様のものを使用して構成され、従って、透明シート7は
染料受容性がない上、化学的親和性が乏しいので、透明
シート表面に溶剤が作用しても、透明シート7が実質的
に溶解したり、さらに下面の模様層6が溶解することが
ない。
【0011】図3は、本発明の偽造・変造防止用印刷物
1の他の例であって、図2に示したものにくらべて、最
上面に保護層8を有している点が相違しており、保護層
8の存在により、受容層3の物理的または化学的耐久性
が向上する。また、この例では、透明シート7の下面に
形成された模様層は、受容層3の下部の溶剤溶解性の模
様5と関係付けられている。受容層3の下部の模様層5
のさらに下方の透明シート下面には模様層がなく、模様
層5と、被印刷基材2の受容層3を有する部分に接した
区域の透明シート7下面の模様層6aとが、上方から見
たときには切れ目なくつながっており、模様層5と模様
層6aとは互いに連続して一つの模様を形成している。
このように模様層5、6aを構成することにより、例え
ば、両模様層が一つの割印の模様を形成していると、受
容層3の画像4の消去を試みたときに、受容層3の下部
に有する模様層5が崩壊して割印の半分が消失するが、
割印の残り半分は消失しない。従って、偽造・変造を試
みる際に、残った割印の半分と整合させて消失した部分
を再現する必要が生じ、偽造・変造の困難性が増す。
【0012】上記において、画像5は、基本的には昇華
性転写シート(転写層内に昇華性染料を保有する)と受
像シートとを用いた昇華転写により形成される。使用す
る昇華性転写シートは、ポリエステルフィルムのような
耐熱性フィルム上に、昇華性染料を飽和ポリエステル樹
脂等と共に溶剤に溶解した塗料ないしインキを塗布、乾
燥して得られる。受像シートは、染料が染着する性質を
有する樹脂(例えば、飽和ポリエステル樹脂、くわしく
は後述)の皮膜からなる受容層を適当なベース上に積層
したものである。受像シートと昇華性転写シートとを、
転写層と受容層とが接するようにして重ね、背面よりサ
ーマルヘッドを使用して点状に加熱することにより、加
熱された部分の転写層中の昇華性染料が受容層に昇華な
いし移行する。サーマルヘッドに入力されるパルスの数
により、与える熱量の制御ができるので、熱量に応じた
量の染料が昇華ないし移行して、染料による濃淡画像が
形成される。カラー画像形成のためには、昇華性染料と
して黄、赤、青のものを選択し、同一フィルム上に、そ
れら各色の転写層を並べた昇華性転写シートを使用し、
各色毎に、分色画像情報に従って加熱すると、カラーの
濃淡画像が形成される。
【0013】本発明においては被印刷基材2が染料染着
性を有してなく、上記の昇華転写では直接に被印刷基材
2上に画像を形成することができない。偽造・変造防止
上は長所であるが、画像形成は簡単ではない。このた
め、受容層を剥離性のフィルム上に積層した中間転写媒
体を作製し、この中間転写媒体上の受容層に昇華転写を
行なって画像を形成し、昇華転写済みの受容層を被印刷
基材2に転写する方式を取る。この中間転写媒体に昇華
転写を行なうときに、溶融型の転写方式により、溶剤溶
解性の模様層を形成しておくとよい。転写シートとして
は、溶融型の転写層と昇華性の転写層とが同一フィルム
上に形成された複合型の転写シートを使用して画像を形
成してもよいし、それぞれの転写層が別のフィルム上に
形成された、別々の転写シートを使用して画像を形成し
てもよい。
【0014】本発明において、受容層3に形成して使用
する画像4の代表は顔写真である。顔写真は個人に特有
であることにより、個人を確認し得る。また、肉眼で判
別が可能であり、通常の用途であれば、判断に特別な機
器や訓練を要としない利点も有している。顔写真は、様
々な場所で個人の確認用に用いられるため、撮影し、使
用することに各個人の抵抗が少なく、最も使用しやす
い。個人の確認用としては、顔写真以外のものも使用で
きる。掌の指紋、眼の虹彩のパターン等の人体各部分の
形状的な特徴や、それに基づいて発せられる物理的な情
報、例えば声紋スペクトル等も画像として扱うことがで
きる。このほか、画像として扱い、見て判断するには必
ずしも向かないか、個人の身長、体重、血液検査データ
等の各種の健康診断データや遺伝的情報等も、個人に由
来するデータであり、補助的には使用可能である。
【0015】模様層5(6、6a、および6bを含む)
の画像には、特に制限はないが、偽造・変造防止用とし
ては、細かい画像の方がより適している。例えば、線や
網点の大きさが、線数で表示したとき、5〜20本/m
m程度のものである。このように細かいと、肉眼・人力
での偽造・変造が難しくなる。具体的には、紙幣や株券
等ではなじみの深い彩紋がある。ただし、伝統的な彫刻
凹版やそれを模したものではなく、もっと細かいものが
好ましい。彩紋も含めて、偽造・変造しにくい細かい画
像としては、一方向に線が多数並んだ縞模様や縦横の線
の組合せである格子、曲線および曲線の組合わせ、無地
網、飾り罫線、又は文字・記号・マーク等の微小な模様
の繰り返し等がある。これらの画像は細かければ、規則
性があっても偽造がむずかしくなるが、出来れば、不規
則性を持たせた方が、偽造の困難性が増す。例示した上
記の模様には、個人との関係は必ずしもないが、上記の
条件に合致する限り、個人に特有な模様であってもよ
く、例えば、指紋、印鑑の陰影、自身の署名、あるい
は、一部重複するが、第1の部類の画像として挙げたも
のの中からも選択することができる。このように個人に
特有な情報は、そうでないものにくらべ、一般的に言っ
て規則性も乏しいため、不正な意図で偽造・変造しよう
とする際に、真正なものを忠実にコピーしない限り、相
違が生じやすく、偽造・変造防止の観点で、より適して
いる。また、模様層5の画像は、画像の種類を問わず、
特殊な効果のあるインキを使用して形成したものであっ
てもよい。これらのインキは、汎用でなく、ときには注
文生産であるために、通常のプロセスカラーインキにく
らべ入手しにくく、偽造・変造を試みる者にとっても、
手に入れにくいからである。特殊な効果のあるインキの
具体例としては、金属光沢または真珠光沢のあるイン
キ、赤外線吸収性インキ、紫外線吸収性インキ、または
蛍光発光性インキ等がある。
【0016】受容層3の下部に形成された溶剤溶解性の
模様層5は、受容層4に溶剤を作用させて画像5を消去
しようとしたとき、共に溶解して崩壊するものである。
また、透明シート7の下部に形成された模様層6、6
a、および6bは、被印刷基材2の表面を構成する透明
シート7が化学的親和性に乏しく、溶剤の影響が少ない
ため、溶剤溶解性または溶剤不溶解性のいずれであって
もよい。なお、図2および図3では、被印刷基材2表面
の透明シート7の下面に模様層6(6aまたは6bを含
む)を形成するよう描いたが、被印刷基材2はこのよう
な3層の構造からなっていなくてもよい。例えば、本発
明の代表的な適用例であるカード分野では、2枚の白色
コアシートと表裏1枚ずつの透明なオーバーシートの合
計4枚のプラスチックシートを積層してカード基材とす
ることが一般的に行なわれているので、このコアシート
とオーバーシートとの間に模様層6、6a、または6b
を形成するとよい。シート7の下に模様層6を形成する
際に、模様層5との関係を、互いの画像を足すと一つの
画像が完成するように連続性を持たせて形成しておくと
よく、図3を引用した説明で割印の例を既に述べた。こ
うしておくと、独立した模様にくらべ、溶解性のある場
所が分かりにくく、しかも模様層5が崩壊したか、ある
いは消去されたときに、模様層5があった部分の空白が
目立つため、偽造・変造を防止する効果が高く、好まし
い。
【0017】模様層5を形成するためには、転写シート
の溶融型転写層部分を、溶剤溶解性のある樹脂をバイン
ダーとして用い、顔料または染料の着色剤、添加剤、溶
剤ないし希釈剤を使用して溶解ないし分散させて得られ
る塗料組成物又はインキ組成物を使用し、オフセット印
刷、シルクスクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷等
の印刷手法により行ない、模様層形成用転写シートを調
製する。バインダーとなる樹脂としては、シェラック、
ロジン、ロジン変成マレイン酸樹脂、ニトロセルロー
ス、酢酸セルロース、酪酢酸セルロース、またはエチル
セルロース等のセルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、塩
化ゴム、環化ゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/酢
酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂等が例示される。
【0018】ここで、模様層5の溶剤溶解性は、厳密に
は、偽造・変造を試みる者が選択して使用する溶剤に対
する相対的なものであり、また被印刷基材の素材や受容
層の素材によっても変わり得る。ただ、現在のカードに
的を絞れば、基材はポリ塩化ビニル樹脂シートからなっ
ているものが多いから、それを前提とすれば、ポリ塩化
ビニル樹脂シートに接着性を有するバインダー樹脂は、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ま
たはポリウレタン樹脂等である。いずれも、本来的な溶
剤は、それぞれ、メチルエチルケトン、イソプロピルア
ルコール、酢酸エチル等であるが、トルエン、キシレ
ン、ベンゼンにも溶解性を有し、また、バインダーが塩
化ビニル/酢酸ビニル共重合体であれば、シクロヘキサ
ノンにも溶解性を有する。受容層3の画像4を溶解し得
る溶剤としては、例えば、ガソリン、トリクロロエタ
ン、およびメチルエチルケトンがあるが、これらは、一
般的なカード基材であるポリ塩化ビニル樹脂シートを膨
潤ないし溶解する作用も大きいため、偽造・変造を試み
る者にとっても好ましくない。恐らくは試行錯誤の結果
であろうが、トルエン、キシレン、またはベンゼン等の
芳香族炭化水素系溶剤、あるいはシクロヘキサノン等の
脂環族ケトンが、利用されることが多い。従って、一般
的なポリ塩化ビニル樹脂シートを被印刷基材とするカー
ドであれば、上記溶剤、特にトルエン、キシレン、また
はベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、あるいはシクロ
ヘキサノンで溶解する樹脂をバインダーとして模様を形
成することができる。なお、市販の樹脂は、上記したよ
うな純粋のものよりも、2成分ないしそれ以上の成分の
共重合体が多いので、表示されている樹脂の溶解性と一
致しないことが多く、その都度、溶解性または不溶解性
を確かめて選択するとよい。なお、模様層5は溶剤溶解
性というほどではなくても、溶剤の作用により膨潤性を
有する程度のものでもよく、ここでは、膨潤性を示すも
のも「溶解性」の範囲に含めるものとする。また、ポリ
塩化ビニル樹脂のように、カード基材等の被印刷基材と
して使用されるものと、バインダーとして使用されると
きとでは、重合度や組成が異なる場合があり、ポリ塩化
ビニル樹脂シート(ポリ塩化ビニル樹脂の重合度が相対
的に高い)上のインキ中のポリ塩化ビニル樹脂バインダ
ー(ポリ塩化ビニル樹脂の重合度が相対的に低く、溶解
性を呈するために酢酸ビニル成分を含んでいる。)が、
溶剤の作用により溶解ないし膨潤して除去され、下のポ
リ塩化ビニル樹脂シートは実質的に溶解、膨潤すること
がないことがある。
【0019】被印刷基材2としては、無効となったカー
ドの焼却時の問題を踏まえると、ポリエステル樹脂やポ
リオレフィン系樹脂等の塩素や可塑剤を含まないプラス
チックシートの使用がより好ましい。このほか、紙、金
属箔ないし金属シートの金属も使用でき、あるいは染料
染着性のないプラスチック、紙、または金属の任意の複
合体であってもよい。プラスチックの中でも好ましいも
のとしては、テレフタール酸とエチレングリコールの縮
合物を単位とする、ポリエステル樹脂の中では最も知ら
れているポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレング
リコール部分の一部をシクロヘキサンジメタノールで置
き換えたポリエステルであって、好ましくは、エチレン
グリコール部分とシクロヘキサンジメタノール部分とを
ほぼ交互に繰り返し、非結晶質であって、かつ固有粘度
が0.70以上である樹脂で構成したシートであり、カ
ード用途に適している。固有粘度の上限は0.80で、
従って、固有粘度としては0.70〜0.80、より好
ましくは、固有粘度が0.70〜0.77、最適な範囲
は、固有粘度が0.70〜0.75である。固有粘度が
0.70未満ではエンボス文字の形成時にひび割れが生
じ、上限を超えると、高くて明瞭なエンボス文字の形成
が次第に困難になる。上記の樹脂は、イーストマンケミ
カル社製の商品名、Easter PETGコポリエス
テルを三菱樹脂株式会社にてシート化したものが市販さ
れている。さらに、上記の非結晶質のポリエステル系樹
脂にはゴム成分を添加するとなおよい。添加するゴム成
分としては、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレ
ンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ニトリル
ゴム、ウレタンゴム等であり、非結晶質のポリエステル
系樹脂とゴム成分との重量比が97/3〜86/14に
なるように添加するとよい。重量比が97/3よりもゴ
ム成分が少ないと、添加した効果がなく、重量比が86
/14よりもゴム成分が多いと、引っ張り強度等の強度
が低下する。なお、被印刷基材2と透明シート7とは、
素材的に同じものを使用することが望ましい。ただ、こ
のように積層するときは、慣習的に、下層が白色等に着
色された不透明なものであり、上層が無色透明とするの
がよい。別の箇所にも記載したが、4層の積層シートが
被印刷基材2である場合には、最上層と最下層が無色透
明で、中間の二層が例えば、白色等に着色された不透明
なものである。
【0020】受容層3は、染料が染着しやすい樹脂を選
択して構成する。具体的には、ポリプロピレン樹脂等の
ポリオレフィン樹脂、エチレンもしくはプロピレン等の
オレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー、ハロ
ゲン化樹脂であるポリ塩化ビニルまたはポリ塩化ビニリ
デン樹脂等、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポ
リ酢酸ビニル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ
エステル樹脂であるポリエチレンテレフタレートもしく
はポリブチレンテレフタレート樹脂等、ポリスチレン系
樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース樹脂であるセルロ
ースジアセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げ
られる。中でも特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−ス
チレン系樹脂、またはポリエステル系樹脂が好ましい。
受容層3は、これらの樹脂を使用し、適当な溶剤に溶解
または分散して受容層形成用塗料ないしインキを調製
し、グラビア印刷、ロールコーティング等の方法により
塗布し、乾燥して形成し、その厚みは、1〜10μm程
度である。
【0021】保護層8は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、または電離放射線硬化性樹脂等を使用して形成で
き、適宜な樹脂を使用した塗料組成物ないしインキ組成
物を使用して受容層4上に塗布した後、乾燥させるかま
たは電離放射線照射により硬化させることにより形成で
きる。あるいは、中間転写媒体の剥離性フィルム上に保
護層8と受容層3を順に積層したものを調製して使用
し、昇華転写後に転写すれば、受容層3上に保護層8が
積層された構造が容易に得られる。
【0022】本発明の偽造・変造防止用印刷物は基本的
には以上の構成からなっているが、本発明をカード等に
適用した場合には、通常、カードに適用されている様々
な手段を選択してカード基材に併用することができる。
【0023】最も汎用されており、カードの要件と言っ
てもよい程度のものとして、磁気記録層がある。磁気記
録層は、料金前払い用カードや点数カードの場合には裏
面の全面に形成された磁気記録層を有している以外、普
通は約6mm幅のストライプ状のもので、カード基材の
表面または裏面に、フェライト等の磁性物質を添加し混
練して作製した塗料を用いて直接設けるか、薄いプラス
チックシート等の基材に塗布し、ストライプ状にカット
して貼るか、あるいは仮の基材に剥離可能に積層して作
製した磁気記録層転写シートを使用して、転写法により
形成する。磁性物質を添加し混練して作製した塗料を用
いる以外に、磁性物質(=磁性金属や磁性金属酸化物)
の蒸着やスパッタリング等により気相状態で磁性物質の
薄膜を形成して磁気記録層2とする方法によって直接に
形成するか、あるいは、別に形成しておき、ストライプ
状にカットして貼るか、転写により適用する等によって
もよい。
【0024】カードの裏面には筆記性層を有しているこ
とが多い。筆記性層は、カード保持者自身の署名をする
欄で、ボールペン等でサインした際に、インキをはじか
ず、インキがある程度浸透するように、適宜なバインダ
ーに体質顔料を練り込んだ塗料組成物を用いて形成する
か、あるいは別の基材に形成したものを転写するかまた
は貼付して形成する。
【0025】カード基材には、演算部または/およびメ
モリ部を有するICまたはLSIを埋め込んで使用でき
るようにしてもよい。ICまたはLSIを使用すると、
磁気記録層に記録できる情報量をはるかに上回る情報を
盛り込むことができ、かつ書き込み、消去、演算等がで
きるので、銀行通帳、カルテ等としての利用が可能にな
る利点がある。手段は異なるが、盛り込める情報量の多
い手段としてレーザー光等により記録する金属薄膜等か
らなる光学記録層もある。
【0026】カード基材には、ホログラム等の光回折パ
ターンを積層することがある。光回折パターン自身に肉
眼では見えない情報を盛り込んでもよいが、粘着シール
型の光回折パターンシールとして、顔写真の上に貼る
と、顔写真の貼変え防止ができる。あるいは顔写真以外
の部分にも貼付できる。光回折パターンシールは、作成
が難しく、真正なシールである事の証明の意味で貼るこ
とが多い。あるいは、接着剤によって強固に積層して使
用する場合もある。光回折パターンが回折格子、あるい
は回折格子の中でも特にホログラムである場合、これを
可視化させるため、下から順に、接着剤層または粘着剤
層、光屈折層、透明光回折パターン層、および保護層が
積層されて、光回折パターンシールとなっている事が多
い。
【0027】
【発明の効果】第1の発明によれば、染料受容性のない
被印刷基材を使用しているので、真正な画像を溶剤を用
いて消去しても、昇華転写による画像形成ができない。
また、受容層の画像を消去しようとすると、受容層およ
びその下層の溶剤溶解性の模様層が共に崩壊するから、
画像を他のフィルム上に形成して貼付しても、その他の
部分を復元する必要がある。第2の発明によれば、第1
の発明の効果に加え、溶剤を作用させたときに、消去さ
れる模様と連続していた消去されない模様が残るため、
復元を試みる際に、残っている模様との連続性が要求さ
れる。第3の発明によれば、第1または第2の発明の効
果に加え、受容層の物理的、化学的耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本的な偽造・変造防止用印刷物の断面図であ
る。
【図2】保護層付きの偽造・変造防止用印刷物の断面図
である。
【図3】オーバーシートを伴なう偽造・変造防止用印刷
物の断面図である。
【符号の説明】
1 偽造・変造防止用印刷物 2 被印刷基材 3 受容層 4 画像 5、6 模様層 7 透明シート 8 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA01 HA05 HA10 HB04 HB08 HB09 HB14 JA02 JA11 JA18 JA19 JA26 JB02 JB06 JB07 JB11 JB12 JB13 JB14 JB25 JB40 KA01 KA15 KA31 KA37 KA41 KA45 LA02 LA11 LA14 LA20 LA30 LB08 2H113 AA06 BA01 BA03 BA05 BA09 BA22 BA23 BB02 BB08 BB10 BB22 BC06 BC09 BC10 CA39 CA46 DA04 DA24 DA25 DA26 DA28 DA43 DA46 DA47 DA49 DA50 DA57 DA58 DA62 DA63 FA10 FA36 FA42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料受容性のない被印刷基材上の少なく
    とも一部に、染料受容性かつ溶剤溶解性である受容層が
    積層されており、前記受容層にはその下部に染料が染着
    することにより形成された画像と、溶剤溶解性である模
    様層とを有することを特徴とする偽造・変造防止用印刷
    物。
  2. 【請求項2】 染料受容性のない被印刷基材は、表面
    に、下面に模様層を伴なった透明シートを有しており、
    前記透明シートの下面の模様層の模様と受容層の下部に
    形成された模様とは互いに連続した模様を構成すること
    を特徴とする請求項1記載の偽造・変造防止用印刷物。
  3. 【請求項3】 前記受容層上に保護層が積層されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の偽造・変造防
    止用印刷物。
JP11866899A 1999-04-26 1999-04-26 偽造・変造防止用印刷物 Pending JP2000309153A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006006422A (ja) * 2004-06-23 2006-01-12 Taiyo Elec Co Ltd 遊技機
JP4873674B1 (ja) * 2011-01-22 2012-02-08 株式会社サガラプロセス印刷 スクリーン印刷物
CN115926672A (zh) * 2023-03-13 2023-04-07 汕头市恒顺包装材料有限公司 一种全息防伪膜双色层及其制造工艺

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