JP2000309544A - 早産または流産防止剤および子宮頚管熟化抑制剤ならびにヒアルロニダーゼの阻害剤 - Google Patents

早産または流産防止剤および子宮頚管熟化抑制剤ならびにヒアルロニダーゼの阻害剤

Info

Publication number
JP2000309544A
JP2000309544A JP2000047134A JP2000047134A JP2000309544A JP 2000309544 A JP2000309544 A JP 2000309544A JP 2000047134 A JP2000047134 A JP 2000047134A JP 2000047134 A JP2000047134 A JP 2000047134A JP 2000309544 A JP2000309544 A JP 2000309544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hyaluronidase
inhibitor
miscarriage
cervical
inhibitors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000047134A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Miyauchi
聡 宮内
Hiroko Yoshida
裕子 吉田
Toshimasa Tanaka
俊誠 田中
Hideto Hirano
秀人 平野
Mikitaka Obara
幹隆 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seikagaku Corp
Original Assignee
Seikagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seikagaku Corp filed Critical Seikagaku Corp
Priority to JP2000047134A priority Critical patent/JP2000309544A/ja
Publication of JP2000309544A publication Critical patent/JP2000309544A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】子宮頚管の熟化を伴う早産や流産妊婦、特に、
切迫早産妊婦の子宮頚管粘液または子宮頚管組織中のヒ
アルロニダーゼを阻害することによる、早産または流産
防止剤ならびに早産または流産を防止するために使用し
得る子宮頚管熟化抑制剤を提供する。また、子宮頚管由
来のヒアルロニダーゼの阻害剤を提供する。 【解決手段】(1)ヒアルロニダーゼ阻害物質を有効成
分とする早産または流産防止剤。(2)硫酸化グリコサ
ミノグリカン、その誘導体、グリチルリチン、そのアグ
リコン及びその塩から成る群から選択される少なくとも
1種を有効成分とする早産または流産防止剤。(3)上
記の(2)と同一の群から選択される少なくとも1種の
ヒアルロニダーゼ阻害物質を有効成分とする子宮頚管熟
化抑制剤。(4)上記の(2)と同一の群から選択され
る少なくとも1種を有効成分とする子宮頚管由来のヒア
ルロニダーゼの阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、早産または流産防
止剤および子宮頚管熟化抑制剤ならびにヒアルロニダー
ゼの阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】正常な出産過程は主に2つの生理的プロ
セスによって調節されている。すなわち、胎児を娩出す
る子宮筋の収縮と、胎児の娩出ルートである子宮頚管の
熟化である。これらの何れか又は両方のプロセスが早期
に進行した場合、早産や流産を誘発する。その原因は多
岐に亘るが、主として、上行感染、子宮内感染、絨毛羊
膜炎、胎盤早期剥奪などとされている。
【0003】上記の様な早産および流産を防止する手段
として、従来より、塩酸リトドリン(ウテメリン)、塩
酸イソクスプリン(ズファジラン)、硫酸マグネシウム
製剤などの子宮運動抑制薬や、プロゲステロン誘導体
(プロゲホルモン、プロゲデポー)を初めとする黄体ホ
ルモン製剤が使用されている。この他、ウリナスチン様
化合物を投与することによる切迫早産の処置方法につい
ても報告されている(特表平9−505568号公
報)。
【0004】しかしながら、子宮運動抑制薬は、早産時
における子宮筋の収縮を抑制して早産または流産を防止
するため、子宮筋の収縮と同時に子宮頸管の熟化を伴う
早産や子宮頚管の熟化のみが原因の早産または流産に対
しては効果が弱い。また、ホルモン製剤は母体と胎児両
方への副作用が懸念されている。
【0005】一方、子宮収縮を伴わず、子宮頚管熟化の
みが原因となる早産または流産に対する手段としては、
外科的に子宮頚管を縫縮する手術が行われるが、この場
合、一定以上頚管が熟化すると子宮収縮が発来し早産ま
たは流産に至る。
【0006】ところで、子宮頚管熟化とヒアルロニダー
ゼとの関係については、以下の様な内容が報告されてい
る。
【0007】(1)ヒアルロニダーゼは、ヒトの妊娠お
よび非妊娠子宮頚管に存在し、子宮頚管の熟化に伴い子
宮頚管粘液中のヒアルロニダーゼの活性が上昇する(小
原幹雄ら、第34回日本新生児学会,1998年)。要
するに、ヒアルロニダーゼ活性は頚管熟化の良いマーカ
ーとなる。
【0008】(2)ヒアルロニダーゼを投与することに
よりヒト及び動物で子宮頚管熟化を惹起できる(Gupta,
T. et al., J, Indian Med.Association, 92, 47, 199
4, Li,W. J.等, Chinese Med. J., 107, 552, 1994;Li,
Z. 等, Chinese J. Obstet.Gyneocol., 28, 292, 1993
)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、子宮
頚管の熟化を伴う早産や流産妊婦、特に、切迫早産妊婦
の子宮頚管粘液または子宮頚管組織中のヒアルロニダー
ゼを阻害することによる、早産または流産防止剤ならび
に早産または流産を防止するために使用し得る子宮頚管
熟化抑制剤を提供することにある。本発明の他の目的
は、子宮頚管由来のヒアルロニダーゼの阻害剤を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、次の本発
明により、容易に達成することが出来る。
【0011】(1)ヒアルロニダーゼ阻害物質を有効成
分とする早産または流産防止剤。
【0012】(2)ヒアルロニダーゼ阻害物質が、硫酸
化グリコサミノグリカン、その誘導体、グリチルリチ
ン、そのアグリコン及びその塩から成る群から選択され
る少なくとも1種である(1)に記載の早産または流産
防止剤。
【0013】(3)硫酸化グリコサミノグリカンが、コ
ンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘ
パリン、ヘパラン硫酸、硫酸化ヒアルロン酸またはそれ
らの塩である(2)に記載の早産または流産防止剤。
【0014】(4)硫酸化グリコサミノグリカン、その
誘導体、グリチルリチン、そのアグリコン及びその塩か
ら成る群から選択される少なくとも1種を有効成分とす
る早産または流産防止剤。
【0015】(5)硫酸化グリコサミノグリカン、その
誘導体、グリチルリチン、そのアグリコン及びその塩か
ら成る群から選択される少なくとも1種のヒアルロニダ
ーゼ阻害物質を有効成分とする子宮頚管熟化抑制剤。
【0016】(6)硫酸化グリコサミノグリカン、その
誘導体、グリチルリチン、そのアグリコン及びその塩か
ら成る群から選択される少なくとも1種を有効成分とす
る子宮頚管由来のヒアルロニダーゼの阻害剤。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の早産または流産防止剤ならびに子宮頚管熟化抑
制剤(以下、これらをまとめて「本発明の薬剤」と言
う)の有効成分であるヒアルロニダーゼ阻害物質は、硫
酸化グリコサミノグリカン、その誘導体、グリチルリチ
ン、そのアグリコン又はその塩である。なお、本発明に
おいて、早産とは、妊娠22週以後37週未満の分娩で
あり、切迫早産とは、この早産の始まりを示唆する病
態、すなわち、子宮収縮や頚管熟化などの分娩兆候を呈
し、近い将来早産に至る状態を指す。また、本発明にお
いて、流産とは、妊娠22週未満の分娩を指す。
【0018】硫酸化グリコサミノグリカンとは、ウロン
酸(又はガラクトース)とアセチル化アミノ糖から成る
二糖繰り返し単位から成る多糖またはオリゴ糖であっ
て、構成糖のヒドロキシル基および/またはアミノ基が
硫酸化されたものを言う。硫酸化グリコサミノグリカン
の平均分子量は、通常2000〜2000000、好ま
しくは5000〜100000である。
【0019】本発明においては、哺乳動物のヒアルロニ
ダーゼ、特に子宮頚管中のヒアルロニダーゼ活性を阻害
し、子宮頚管熟化抑制作用を有するものである限り、何
れの種類の硫酸化グリコサミノグリカンも使用し得る
が、抗血液凝固活性などの副作用の低いものが推奨され
る。特に好ましい硫酸化グリコサミノグリカンは、各種
のコンドロイチン硫酸(A、C)、コンドロイチンポリ
硫酸(D,E)、デルマタン硫酸(コンドロイチン硫酸
B)、ケラタン硫酸、ケラタンポリ硫酸、ヘパリン、ヘ
パラン硫酸、硫酸化ヒアルロン酸である。また、これら
の硫酸化グリコサミノグリカンの塩も好ましい。
【0020】硫酸化グリコサミノグリカンの塩として
は、生物学的に許容され得る塩が広く例示できるが、具
体的には、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩など
のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など
のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などの無機塩基
との塩の他、ジエタノールアミン塩、シクロヘキシル
塩、アミノ酸塩などの有機塩基との塩やこれらの複塩の
うち、生物学的に許容される塩が使用される。
【0021】硫酸化グリコサミノグリカンの誘導体とし
ては、硫酸化グリコサミノグリカンの生体内における安
定性や持続性を向上させるため、その官能基(ヒドロキ
シル基、カルボキシル基、硫酸基、アセチル基、アミノ
基など)を化学的に修飾した化合物が挙げられる。硫酸
化グリコサミノグリカンと同程度の子宮頚管熟化抑制作
用を持つ誘導体であれば、その種類は特に制限されな
い。誘導体の具体例としては、硫酸化グリコサミノグリ
カンのヒドロキシル基、硫酸基またはカルボキシル基を
化学的に修飾したエステル等を例示することが出来る。
【0022】硫酸化グリコサミノグリカンエステルの具
体例としては、硫酸化グリコサミノグリカンの硫酸基ま
たはカルボキシル基がエステル化可能なヒドロキシル基
含有化合物でエステル化された化合物を挙げることが出
来る。その際に、硫酸化グリコサミノグリカンの全ての
官能基がエステル化されていても、一部がエステル化さ
れていてもよい。上記のヒドロキシル基含有化合物とし
ては、脂肪族アルコール(例、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール等)、芳香族アルコール(ベンジルアルコール、
フェネチルアルコール等)、シクロ脂肪族アルコール
(シクロヘキサノール、シクロヘキサンジオール、イノ
シトール等)の他、ステロール、ステロイド、コール
酸、アルカロイド等が挙げられる。他の具体例として
は、ヒドロキシル基がエステル化可能なカルボキシル基
含有化合物でエステル化された化合物を挙げることが出
来る。
【0023】グリチルリチンは、グリチルリチン酸とも
呼ばれ、通常、甘草(Glycyrrhizaglabra)又は同属植
物の根およびストロンを原料として製造されるが、本発
明においては、医薬品原薬として高純度に精製されたグ
リチルリチンが好適に使用される。また、グリチルリチ
ンのアグリコンの代表例としては、例えばグリチルリチ
ンのアルカリ加水分解によって得られるグリチルレチン
酸が挙げられる。
【0024】グリチルリチン及びそのアグリコンの塩と
しては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩などの
アルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの
アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などの無機塩基と
の塩の他、ジエタノールアミン塩、シクロヘキシル塩、
アミノ酸塩などの有機塩基との塩やこれらの複塩が挙げ
られ、生物学的に許容され得る塩として好ましい具体例
は、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン
酸二カリウムが挙げられる。また、グリチルリチンとア
ミノ酸との組成物も使用できる。
【0025】本発明の薬剤は、前記の特定のヒアルロニ
ダーゼ阻害物質を有効成分とするものであり、当該物質
の1種または2種以上を必要により医薬上許容される補
助剤と共に製剤化することが出来る。本発明の薬剤の剤
型は、本発明の目的を達成し得る限り特に限定されない
が、通常の使用方法に従い、膣内散布液などの液体剤、
軟膏剤、クリーム剤、ゲル等の半固形剤、膣錠、膣用カ
プセル剤、ペッサリー剤、膣坐剤などの固形剤などが挙
げられる。目的とする剤型は、前記成分の他に、一般に
医薬品製剤の原料として使用される成分を配合して達成
することが出来る。
【0026】上記の配合成分としては、例えば、動植物
油(大豆油、牛脂、合成グリセライド等)、炭化水素
(流動パラフィン、スクワレン、固形パラフィン等)、
エステル油(ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチ
ン酸イソプロピル等)、高級アルコール(セトステアリ
ルアルコール、ベヘニルアルコール等)、シリコン樹
脂、シリコンオイル、界面活性剤(ポリエチレン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオ
キシエチレンプロピレンブロックコポリマー等)、水溶
性高分子(ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル
酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなど)、
アルコール(エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等)、多価アルコール(グリセリン、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ソルビトール等)、
糖(グルコース、ショ糖など)、無機粉体(無水ケイ
酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニ
ウム等)、精製水などが挙げられる。
【0027】また、pH調整のためには、例えば、無機
酸(塩酸、リン酸など)、無機酸のアルカリ金属塩(リ
ン酸ナトリウム等)、無機塩基(水酸化ナトリウム
等)、有機酸(低級脂肪酸、クエン酸、乳酸など)、有
機酸のアルカリ金属塩(クエン酸ナトリウム、乳酸ナト
リウム等)、有機塩基(アルギニン、エタノールアミン
等)を使用することが出来る。また、必要に応じて、防
腐剤や抗酸化剤などを添加することが出来る。
【0028】本発明の薬剤中の有効成分(ヒアルロニダ
ーゼ阻害物質)量および当該薬剤の投与量は、ヒアルロ
ニダーゼ阻害物質の種類、投与方法、投与対象の妊婦の
年齢、体重、子宮の状態により異なり、適宜増減するこ
とが出来る。本発明の薬剤中の有効成分量としては、
0.1〜10重量%程度を例示することが出来るが、斯
かる範囲に限定されず、目的とする薬理効果を発揮する
に必要な量を配合すればよい。また、本発明の薬剤の投
与量としては、1人1回当たり0.1〜10g程度を例
示することが出来る。本発明の薬剤の投与方法は、本発
明の目的を達成し得る限り制限されるものではないが、
通常、膣坐剤、外用剤として非経口的に投与される。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0030】実施例1 (1)検体の採取および試料の調製方法:先ず、非妊
婦、満期以前、満期、分娩第1期、切迫早産妊婦の子宮
頚管粘液を次の様に採取した。すなわち、子宮頚管内に
1号綿棒(日本綿棒社)を挿入して10秒間静置した
後、軽く擦過して採取した。次いで、1mlのリン酸緩
衝生理食塩水(Phosphate Buffer Saline; PBS)に上記
の綿棒を浸し、バイブレーターで10秒間攪拌・振盪す
ることにより、綿棒に吸収された子宮頚管粘液を抽出
し、更に、3000rpmで10分間遠心分離を行って
上清を回収し、各試料とした。なお、コンドロイチン硫
酸濃度の測定には、非妊婦、満期以前、満期、分娩第1
期、切迫早産妊婦の子宮頚管粘液を、また、ヒアルロニ
ダーゼ活性の測定には分娩第1期の子宮頚管粘液を使用
した。
【0031】(2)コンドロイチン硫酸濃度の測定:検
体中のコンドロイチン硫酸濃度は、検体を酵素消化して
得られたコンドロイチン(COS),コンドロイチン硫
酸A(CS−A),コンドロイチンC硫酸(CS−C)
由来の不飽和二糖(ΔDi−OS,ΔDi−4S,ΔD
i−6S)を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
で定量することにより算出した。
【0032】検体100μlに5U/mlの「コンドロ
イチナーゼABC」(生化学工業(株))を20μl加
え、37℃で2時間消化した。これに5U/mlの「コ
ンドロイチナーゼAC II」(生化学工業(株))と1
M酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)を夫々20μl
加え、再度37℃で2時間消化した。酵素消化後の試料
を分画分子量1万の限外濾過装置(日本ミリポアリミテ
ッド製「ウルトラフリーRC3GC」)を使用して濾過
した。酵素消化によって得られた不飽和二糖は濾液に回
収される。
【0033】ΔDi−OSはポリアミン結合型ビニルア
ルコールポリマーカラム(昭和電工(株)製「NH2
−50」)を使用して分離した。ΔDi−OSの溶出に
は20重量%メタノールを含む50mMのテトラメチル
アンモニウム−酢酸緩衝液(pH8.5)を使用した。
ΔDi−4S及びΔDi−6Sはジメチルアミン結合型
シリカゲルカラム((株)千秋科学製「N(NH32
3151−N」)を使用して分離した。ΔDi−4Sと
ΔDi−6Sの溶出には20重量%メタノールを含む2
0mMのNa2SO4を使用した。ΔDi−OSを溶出す
る際の流速は0.5ml/min、ΔDi−4SとΔD
i−6Sを溶出する際の流速は0.65ml/minと
した。カラムからの溶出液に0.1重量%の2−シアノ
アセトアミドを含む50mMの四ホウ酸ナトリウム溶液
を混合し、混合液を150℃に設定した反応槽を通過さ
せて反応させた。反応液の蛍光を励起波長331nm、
蛍光波長383nmでモニターした。
【0034】なお、検体の希釈の影響を避けるために、
不飽和二糖体濃度は検体中のカルシウム濃度を使用して
補正した。また、結果は全てmean±S.Dで表し、
検定は「Mann Whitney’s U−Tes
t」を使用した。
【0035】上記各不飽和二糖の化学名は以下の通りで
ある。
【表1】ΔDi−OS:2−アセトアミド−2−デオキ
シ−3−O−(4−デオキシ−α−L−スレオ−ヘキシ
−4−エノピラノシルウロン酸)−D−ガラクト−ス ΔDi−4S:2−アセトアミド−2−デオキシ−3−
O−(4−デオキシ−α−L−スレオ−ヘキシ−4−エ
ノピラノシルウロン酸)−4−O−スルホ−D−ガラク
ト−ス ΔDi−6S:2−アセトアミド−2−デオキシ−3−
O−(4−デオキシ−α−L−スレオ−ヘキシ−4−エ
ノピラノシルウロン酸)−6−O−スルホ−D−ガラク
トース)
【0036】(3)結果:総コンドロイチン硫酸量を反
映するΔDi−OS,ΔDi−4S,ΔDi−6Sの合
計(ΔDi−CS)は、切迫早産において最も高値であ
った(33.76±17.30μg/ml)。これは満
期以前(17.42±8.42μg/ml)及び満期
(18.89±6.85μg/ml)と比較して有意に
高値であった。分娩第1期(21.71±13.22μ
g/ml)では有意な上昇を認めなかった。非妊婦(1
7.53±14.61μg/ml)では満期以前と同程
度の値であった。(図3)
【0037】(4)ヒアルロニダーゼ活性の測定:2本
のエッペンドルフチューブの各々に十分に攪拌した各試
料20μlを採取した。一方の試料は100℃で5分間
処理して試料中のヒアルロニダーゼを失活させた。10
0℃で処理した試料と未処理の各試料に100mM酢酸
ナトリウム緩衝液(pH4.0)20μlとフルオレッセ
ンアミンで標識したヒアルロン酸(FA−HA)(10
0μg/ml)20μlとを添加し、更に、終濃度が1
0mM、1mM、0.1mMになる様にヒアルロニダー
ゼ阻害物質としてグリチルリチン(ミノファーゲン社製
「グリチロン1号」)を各20μl添加した。同様に、
コンドロイチン硫酸Cナトリウムを主体とするコンドロ
イチン硫酸ナトリウム(科研製薬社製「コンドロン
注」)1mg/ml、デルマタン硫酸ナトリウム1mg/
ml、ケラタン硫酸ナトリウム1mg/mlを各20μ
lづつ添加した(終濃度0.25mg/ml)。コント
ロールとして各試料に阻害物質を添加しないものを使用
した。これらの反応液を37℃で24時間静置した。
【0038】その後、0.45μmの遠心限外濾過チュ
ーブにより、各試料を12000rpmの条件下で15
分間遠心限外濾過した。得られた濾液をゲル濾過用カラ
ムを装着したHPLCにアプライし、カラムからの溶出
液中のFA−HAを蛍光検出器で検出した。各試料の1
00℃処理と未処理試料のFA−HAの保持時間の差
(ΔTime)を算出した。ヒアルロニダーゼ活性が強
いほどFA−HAが分解されてHAの分子量が小さくな
るため、ΔTimeは大きくなる。このΔTimeから
阻害率(%)を算出した。
【0039】また、阻害剤として、コンドロイチンナト
リウム(COS)、コンドロイチン硫酸Aナトリウム
(CS−A)、コンドロイチン硫酸Cナトリウム(CS
−C)(何れも生化学工業株式会社製)を使用し、それ
ぞれ終濃度が5μg/ml、10μg/ml、20μg/
mlになる様に各20μlづつ添加し、上記と同様にヒ
アルロニダーゼ阻害率を算出した。
【0040】(5)結果:子宮頚管粘液中のヒアルロニ
ダーゼ活性は、コンドロイチン硫酸(科研製薬社製「コ
ンドロン注」)、デルマタン硫酸およびケラタン硫酸で
ほぼ完全に阻害された。また、グリチルリチンでは10
mMの濃度で完全に酵素活性が阻害され、1mMで約9
割の阻害、0.1mMで約4割の阻害が認められた。こ
れらの結果を図1に示した。また、子宮頸管粘液中のヒ
アルロニダーゼ活性は、20μg/mlのコンドロイチ
ンで若干の阻害がみられたが、20μg/mlのコンド
ロイチン硫酸(CS−A及びCS−C)でほぼ完全に阻
害された。(図2)
【0041】(6)考察:上記(3)の結果から、非妊
婦、満期以前、満期、分娩第1期と比較し、切迫早産妊
婦における子宮頚管粘液中のコンドロイチン硫酸濃度が
高値であることが示された。この結果は、切迫早産妊婦
においては正常妊婦と比べて子宮頚管の早期熟化が亢進
するが、生体の恒常性を保つため、子宮頚管が熟化抑
制、つまり、子宮頚管の熟化に伴うヒアルロニダーゼ活
性の亢進を抑制する方向に働いたことを示すものであ
る。これにより、子宮頚管の熟化に関与するヒアルロニ
ダーゼを阻害すれば、子宮頚管の熟化が抑制され、ひい
ては、早産または流産の防止が可能であることが示唆さ
れた。また、(5)の結果より、子宮頚管粘液中のヒア
ルロニダーゼ活性は、グリチルリチン、コンドロイチン
硫酸(CS−A及びCS−C)、デルマタン硫酸、ケラ
タン硫酸などのヒアルロニダーゼ阻害剤により阻害され
ることから、これらのヒアルロニダーゼ阻害物質を使用
してヒアルロニアーゼ活性を調節して子宮頚部の熟化を
コントロールすることが可能であり、更には、子宮頚部
の熟化を抑制することにより、早産または流産、特に切
迫早産の防止が可能であることが分かった。
【0042】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、硫酸化グ
リコサミノグリカン、その誘導体、グリチルリチン、そ
のアグリコン及びその塩から成る群から選択される少な
くとも1種のヒアルロニダーゼ阻害物質で子宮頚管粘液
中のヒアルロニダーゼ活性を阻害することにより、子宮
頚部の熟化を抑制し、早産または流産を防止することが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】正常妊婦の子宮頚管粘液中のヒアルロニダーゼ
活性のコンドロイチン硫酸(CS)、デルマタン硫酸
(DS)、ケラタン硫酸(KS)、グリチルリチンによ
る阻害効果を示したグラフ
【図2】正常妊婦の子宮頚管粘液中のヒアルロニダーゼ
活性のコンドロイチン(COS)、コンドロイチン硫酸
A(CS−A)、コンドロイチン硫酸C(CS−C)に
よる阻害効果を示したグラフ
【図3】非妊娠、正常妊婦、分娩および切迫早産妊婦の
子宮頚管粘液中のコンドロイチン硫酸濃度の変化を示し
たグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 C08B 37/00 C08B 37/00 H // C07H 15/256 C07H 15/256 A (72)発明者 小原 幹隆 秋田県秋田市広面字糠塚85−4 Fターム(参考) 4C057 BB03 DD01 JJ54 4C084 AA02 AA17 BA44 NA14 ZA812 ZC202 ZC542 4C086 AA01 AA02 EA10 EA26 EA27 MA01 MA04 NA14 ZA81 ZC20 ZC54 4C090 AA09 BA62 BA65 BA66 BA67 BA68 DA09 DA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒアルロニダーゼ阻害物質を有効成分と
    する早産または流産防止剤。
  2. 【請求項2】 ヒアルロニダーゼ阻害物質が、硫酸化グ
    リコサミノグリカン、その誘導体、グリチルリチン、そ
    のアグリコン及びその塩から成る群から選択される少な
    くとも1種である請求項1に記載の早産または流産防止
    剤。
  3. 【請求項3】 硫酸化グリコサミノグリカンが、コンド
    ロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリ
    ン、ヘパラン硫酸、硫酸化ヒアルロン酸またはそれらの
    塩である請求項2に記載の早産または流産防止剤。
  4. 【請求項4】 硫酸化グリコサミノグリカン、その誘導
    体、グリチルリチン、そのアグリコン及びその塩から成
    る群から選択される少なくとも1種を有効成分とする早
    産または流産防止剤。
  5. 【請求項5】 硫酸化グリコサミノグリカン、その誘導
    体、グリチルリチン、そのアグリコン及びその塩から成
    る群から選択される少なくとも1種のヒアルロニダーゼ
    阻害物質を有効成分とする子宮頚管熟化抑制剤。
  6. 【請求項6】 硫酸化グリコサミノグリカン、その誘導
    体、グリチルリチン、そのアグリコン及びその塩から成
    る群から選択される少なくとも1種を有効成分とする子
    宮頚管由来のヒアルロニダーゼの阻害剤。
JP2000047134A 1999-02-25 2000-02-24 早産または流産防止剤および子宮頚管熟化抑制剤ならびにヒアルロニダーゼの阻害剤 Pending JP2000309544A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000047134A JP2000309544A (ja) 1999-02-25 2000-02-24 早産または流産防止剤および子宮頚管熟化抑制剤ならびにヒアルロニダーゼの阻害剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-47472 1999-02-25
JP4747299 1999-02-25
JP2000047134A JP2000309544A (ja) 1999-02-25 2000-02-24 早産または流産防止剤および子宮頚管熟化抑制剤ならびにヒアルロニダーゼの阻害剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000309544A true JP2000309544A (ja) 2000-11-07

Family

ID=26387646

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000047134A Pending JP2000309544A (ja) 1999-02-25 2000-02-24 早産または流産防止剤および子宮頚管熟化抑制剤ならびにヒアルロニダーゼの阻害剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000309544A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008020495A1 (en) * 2006-08-15 2008-02-21 Tokyo Cemical Industry Co., Ltd. Novel inhibitor
KR100958691B1 (ko) * 2002-01-02 2010-05-18 딜라포 아베 임부의 효과적인 분만을 유도하기 위한 황산화글리코스아미노글리칸의 용도
JP2015514705A (ja) * 2012-03-26 2015-05-21 ディラフォール・アクチボラゲットDilafor Ab 分娩停止の処置のための方法
US11521401B2 (en) * 2020-07-31 2022-12-06 Bridging Biosciences, LLC Fertility window prediction using a convolutional neural network (CNN) and other learning methods
CN117205224A (zh) * 2023-10-30 2023-12-12 安徽医科大学第一附属医院 甘草甜素在制备用于预防和治疗不明原因复发性流产药物中的应用
JP2024511658A (ja) * 2021-03-31 2024-03-14 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー 妊娠期間を延長するため及び月経又は妊娠の合併症のための製剤

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0782131A (ja) * 1993-09-14 1995-03-28 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd ヒアルロニダーゼ活性阻害剤及び水中油型クリーム基剤
WO1998016559A1 (fr) * 1996-10-15 1998-04-23 Toray Industries, Inc. Agent de maturation des canaux cervicaux

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0782131A (ja) * 1993-09-14 1995-03-28 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd ヒアルロニダーゼ活性阻害剤及び水中油型クリーム基剤
WO1998016559A1 (fr) * 1996-10-15 1998-04-23 Toray Industries, Inc. Agent de maturation des canaux cervicaux

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100958691B1 (ko) * 2002-01-02 2010-05-18 딜라포 아베 임부의 효과적인 분만을 유도하기 위한 황산화글리코스아미노글리칸의 용도
US8207145B2 (en) 2002-01-02 2012-06-26 Dilafor Ab Use of sulfated glycosaminoglycans for establishing effective labor in women
US8524688B2 (en) 2002-01-02 2013-09-03 Dilafor Ab Use of sulfated glycosaminoglycans for establishing effective labor in women
WO2008020495A1 (en) * 2006-08-15 2008-02-21 Tokyo Cemical Industry Co., Ltd. Novel inhibitor
JP2015514705A (ja) * 2012-03-26 2015-05-21 ディラフォール・アクチボラゲットDilafor Ab 分娩停止の処置のための方法
US11521401B2 (en) * 2020-07-31 2022-12-06 Bridging Biosciences, LLC Fertility window prediction using a convolutional neural network (CNN) and other learning methods
JP2024511658A (ja) * 2021-03-31 2024-03-14 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー 妊娠期間を延長するため及び月経又は妊娠の合併症のための製剤
CN117205224A (zh) * 2023-10-30 2023-12-12 安徽医科大学第一附属医院 甘草甜素在制备用于预防和治疗不明原因复发性流产药物中的应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DK168876B1 (da) Middel, der kan administreres oralt eller subcutant, til inhibering af angiogenese hos pattedyr samt fremgangsmåde til fremstilling af et sådant middel
KR101337578B1 (ko) 의료 장치 및 의약 제형에 유용한 점막 접착성 자일로글루칸 함유 제형
US4994443A (en) Inhibition of angiogenesis
US5001116A (en) Inhibition of angiogenesis
US20120316130A1 (en) Compositions and methods for treating estrogen-dependent diseases and conditions
EP0577716A1 (en) New non-anticoagulant heparin derivatives
KR20130097073A (ko) 초저-용량의 hrt용 고체 경구 투여 형태
EP1453523B1 (de) Heparin-haltiges ophthalmikum
JP2995069B2 (ja) 生長阻害剤およびその使用
JP2000309544A (ja) 早産または流産防止剤および子宮頚管熟化抑制剤ならびにヒアルロニダーゼの阻害剤
CA2414583C (en) Neuroprotective 7-beta-hydroxysteroids
NO324357B1 (no) Anvendelse av et ostroprogestagenhormonpreparat ved fremstillingen av et medikament for behandling av ostrogenforstyrrelser og osteoporose hos postmenopausale kvinner, samt anvendelse av et farmasoytisk preparat ved fremstilling av et medikament for a stoppe ovulasjon
CN112823797B (zh) 用于治疗动脉病变的药物及其用途
Martínez-Boví et al. The effect of dexamethasone and flunixin-meglumine on ovulation, endometrial oedema, and inter-ovulatory interval length in the mare
KR20040075917A (ko) 임부의 효과적인 분만을 유도하기 위한 황산화글리코스아미노글리칸의 용도
JP4203611B2 (ja) 子宮頸管熟化剤
JP2012528081A (ja) 急性疼痛及び慢性疼痛の治療におけるテロシノブファギンの鎮痛剤としての使用、テロシノブファギンを含む薬学的組成物及びその使用
EP1977752A1 (de) Pharmazeutische Zubereitung zur Verminderung der Endometriose
US20030166626A1 (en) 7-Hydroxyepiandrosterone having neuroprotective activity
JP2001514229A (ja) 心臓血管疾患の阻害剤としての硫酸化されたオリゴ糖の使用
Mapletoft et al. Estrogen esters to synchronize follicular wave emergence and ovulation in CIDR-treated cattle
JPWO1998016559A1 (ja) 子宮頸管熟化剤
US20060183725A1 (en) Pharmaceutical preparation for oral contraception
WO2009027003A1 (de) Verwendung von gestagenen in kombination mit (6s)5-methyltetrahydrofolat zur therapie der endometriose mit gleichzeitiger verminderung von therapie-nebenwirkungen sowie der verminderung des risikos angeborener fehlbildungen bei eintritt einer gravidität
Jones et al. Is there a role for pentosan polysulfate in the prevention of calcium oxalate stones?

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100629