JP2000313253A - 車両のエンジン再始動時の制御装置 - Google Patents

車両のエンジン再始動時の制御装置

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JP2000313253A
JP2000313253A JP11166925A JP16692599A JP2000313253A JP 2000313253 A JP2000313253 A JP 2000313253A JP 11166925 A JP11166925 A JP 11166925A JP 16692599 A JP16692599 A JP 16692599A JP 2000313253 A JP2000313253 A JP 2000313253A
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vehicle
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force
brake
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両飛び出し感を抑制し、車両後退を防止し
ながら、良好な発進性を確保する。 【解決手段】 エンジンの自動停止中に車両のブレーキ
力Btを保持する手段と、エンジンの再始動の際の、車
両の駆動力(クリープ力)Ktの回復状態を検出する手
段と、を備え、自動停止したエンジンが再始動する際
に、前記車両のブレーキ力Btを該車両の駆動力Ktの
回復状態に合わせて減少させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の停止条件が
成立したときにエンジンを自動停止すると共に、所定の
再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを
再始動する車両のエンジン再始動時の制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、走行中において車両が停止し、所
定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止さ
せ、燃料の節約、排気エミッションの低減、あるいは騒
音の低減等を図るように構成した車両が提案され、すで
に実用化されている(例えば特開平8−14076号公
報、特開平9−222035号公報)。
【0003】具体的には、車速零、アクセルオフ、ブレ
ーキペダルオン、などといった所定の停止条件を満足し
たことが検出されたときにエンジンを自動停止するよう
にしている。
【0004】エンジンを再始動させる条件が成立したと
き、例えば、ドライバがアクセルペダルを踏む(アクセ
ルオン)などの走行の意思を示した場合には、直ちにエ
ンジンを再始動させるようにしている。又、バッテリの
充電容量が不足したときなどではドライバが走行の意思
を表していない場合でもエンジンを再始動させるように
している。これは、バッテリ上がりを防止し、エンジン
再始動が不可能な事態となることを避けるためである。
【0005】ところで自動変速機搭載車においては、シ
フトポジションが「D(ドライブ)」ポジションのよう
な前進走行ポジションに設定されていると、車速が実質
的に零の場合であっても、自動変速機の歯車変速装置は
ニュートラルの状態にはならず、第1速段に設定される
ようになっている。従って、内燃機関の出力はトルクコ
ンバータ、歯車変速装置の前進クラッチを経て常に出力
軸に伝達されるため、いわゆるクリープが生じる。この
クリープはドライバがアクセルをオンにしなくても極低
速走行を可能とするものであり、車両を走行させる上で
ドライバにとって有効に作用する場合が多い。
【0006】ところが、エンジンが自動停止している
と、このクリープ力が発生しない。従って、車両が斜面
上に停止していたような場合には、後退してしまう恐れ
がある。そこで、このようなことに鑑みて、エンジン停
止時に車輪をロックすることによって、車両が動かない
ようにブレーキ力を保持する制御(いわゆるヒルホール
ド制御)を行うものが提案されている。
【0007】エンジンが自動停止しているときは、自動
変速機用のオイルポンプも停止しているため、前進段を
形成するためのクラッチも係合が解かれた状態となって
いる。そのため、シフトポジションが駆動ポジションの
状態でエンジンを再始動したときには、それと同時に前
進段を形成するために当該クラッチを係合させる技術が
提案されている。
【0008】又、このようにエンジンが再始動してから
前進クラッチを係合させると発進性が損なわれるため、
エンジンを自動停止させている間でも、モータジェネレ
ータ等による動力発生源により電動のオイルポンプを回
したり、大型のアキュムレータを備えたりして前進クラ
ッチを係合したままの状態に維持しておく技術も提案さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の制御形態を採用している場合であっても、エンジンが
再始動される際に、クリープ力(駆動力)の回復とブレ
ーキ作動(ヒルホールド)の解除とのタイミングがずれ
ると、車両の飛び出し感が発生したり、逆に車両が急な
坂道にあった場合に後退が発生したりしてしまうことが
あった。
【0010】とりわけ、エンジンの再始動と共に前進ク
ラッチを係合させる制御形態を採用している車両にあっ
ては、再始動によるエンジンの駆動力の発生タイミング
と前進クラッチの係合タイミングとブレーキ作動の解除
タイミングとの3者のかけ合せとなるため、不具合が発
生する恐れがそれだけ大きくなり易いという事情があっ
た。
【0011】また、エンジンの始動処理を行った後にお
いて、エンジン回転速度がアイドル回転速度に落ち着く
前に、一時的にアイドル回転速度より高い回転速度(最
大回転速度)となる状態がある。
【0012】その最大回転速度NEmaxについて図1
2を用いて説明する。
【0013】図12は、ヒルホールド制御を実行してい
ないときの車速V、エンジン回転速度NE、ブレーキペ
ダルのオン・オフ信号、車両の前後の揺れ(以後、車両
の前後Gという)を示したものである。
【0014】図12において、時刻t21にてブレーキ
ペダルオンの信号が検出され、時刻t22にて車両が停
止している(車速零)。
【0015】所定のエンジン自動停止条件が成立した
ら、エンジンは自動停止を開始する(時刻t23)。
【0016】時刻t24にて例えばエンジンの再始動条
件の1つであるブレーキペダルオフの信号があった場合
には、エンジンは再始動処理を実行し、エンジンの回転
速度NEが上昇し始める。
【0017】前述したようにエンジン回転速度NEはア
イドル回転速度NEiに落ち着く前の時刻t25付近で
アイドル回転速度より一時的に高くなる。これが最大回
転速度NEmaxである。この最大回転速度NEmax
に達する付近では、図に示してあるように、車両は前後
に大きく揺れを生じている。
【0018】これはエンジンが始動し始め直後というこ
ともあって、エンジン回転速度NEが未だ完全に落ち着
いていない状態であることに加え、所定のクラッチの係
合状態とも関係して、車両が不安定な状態であるからと
考えられる。
【0019】また、このときブレーキペダルは、解除
(解放)されている状態であるため、より一層、車両に
大きな揺れが生じている。
【0020】このように車両に発生する前後Gは、ドラ
イバに不快感を与える可能性がある。
【0021】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、エンジンの再始動に当って車両
の飛び出し感が発生したり車両の後退が発生したりする
のを防止すると共に、良好な発進性を確保することがで
きる車両のエンジン再始動時の制御装置を提供すること
をその課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、所定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停
止すると共に、所定の再始動条件が成立したときに該自
動停止したエンジンを再始動する車両のエンジン再始動
時の制御装置において、前記エンジンの自動停止中に車
両のブレーキ力を保持する手段と、前記エンジンの再始
動の際の、車両の駆動力の回復状態を検出する手段と、
を備え、前記自動停止したエンジンが再始動する際に、
前記車両のブレーキ力を該車両の駆動力の回復状態に合
わせて減少させることにより、上記課題を解決したもの
である。
【0023】このように、駆動力の回復に合わせてブレ
ーキ力を制御(低減)することにより、駆動力の回復と
ブレーキ作動の解除のタイミングを適正化することがで
き、車両の飛び出し感を抑制し、又、車両が後退するの
を防止することができる。また良好な発進性も確保でき
る。
【0024】なお、ここでいう「車両の駆動力」とは、
具体的にエンジンの再始動によって結果として発生する
クリープ力のことであり、本発明では必ずしもこれを直
接検出することは要求していない。
【0025】例えば、エンジン回転速度から駆動力を推
定しても良いものとする。
【0026】また、請求項1における「車両のブレーキ
力を該車両の駆動力の回復状態に合わせて減少させる」
という概念には、駆動力の回復状態に合わせてブレーキ
力減少の「開始タイミング」を決定するという概念と、
駆動力の回復状態に合わせてブレーキ力の「減少のさせ
方」を決定するという概念の双方を含み、要は「駆動力
の回復状態をモニタした結果に依存して」この2つのう
ち少なくとも一方が決定される構成とされていれば足り
るものとする。
【0027】例えば、本発明により駆動力の回復状態に
合わせてブレー力減少の「開始タイミング」を決定する
構成を採用した場合には、「減少のさせ方」まで駆動力
の回復に依存させることは要求されない。
【0028】ブレーキ力減少の「開始タイミング」の具
体的な設定例としては、例えば、駆動力がわずかでも発
生したと判定された時点からブレーキ力の減少を開始す
るようにしてもよく、また、ある所定の値に駆動力が到
達したと判定された時点からブレーキ力の減少を開始す
るようにしてもよい。
【0029】又、前述したように駆動力はエンジン回転
速度からも導き出せるようにしてもよいため、該エンジ
ン回転速度が所定のエンジン回転速度に到達したと判定
されたときをトリガとして、その時点からブレーキ力の
減少を開始するようにしてもよい。
【0030】一方、ブレーキ力の「減少のさせ方」の具
体的な設定例としては、例えばブレーキ力を駆動力と反
比例の関係で減少させるようにしたり、また、予め実験
データによって設定しておいた「駆動力」−「ブレーキ
力」のマップに基づいて減少させるようにしてもよい。
【0031】なお、ブレーキ力の減少させる際の手法と
しては、例えば、制動油圧をきめ細かく制御可能なリニ
ア弁などを用いるようにすればよい。
【0032】請求項2に記載の発明は、所定の停止条件
が成立したときにエンジンを自動停止すると共に、所定
の再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジン
を再始動する車両のエンジン再始動時の制御装置におい
て、前記エンジンの自動停止中に車両のブレーキ力を保
持する手段と、エンジン再始動の際に、エンジン回転速
度がアイドル回転速度に落ち着く前の最大回転速度に至
ったことを判定する手段と、を備え、前記自動停止した
エンジンが再始動する際に、エンジン回転速度がアイド
ル回転速度に落ち着く前の最大回転速度に至ったと判定
された時点以降から前記車両のブレーキ力を減少させる
ことにより、上記課題を解決したものである。
【0033】請求項2は、ブレーキ力減少の「開始タイ
ミング」の一例を示したものである。
【0034】エンジンが暖まっているときと冷えている
ときとでは、エンジン始動時のタイミングが現実問題と
してばらつくことがあるが、請求項2の発明により、た
とえ、エンジンの始動のタイミングがばらついたとして
も、即ち駆動力の発生にばらつきが発生したとしても、
常にブレーキ力の減少の開始タイミングを一定にするこ
とができる。
【0035】また、請求項2の発明によると、ブレーキ
力を、エンジン始動開始当初における不安定な状態が経
過するまで(駆動力が安定するまで)は保持しているの
で、車両が前後に揺れることを大幅に抑制することがで
きる。
【0036】なお、前述したように、例えばブレーキ力
減少の「開始タイミング」を駆動力の回復状態に合わせ
て決定した場合には、「減少のさせ方」については必ず
しも駆動力に依存させる必要はなく、例えば、請求項
3、4に記載の「減少のさせ方」を採用してもよい。
【0037】又、ブレーキ力減少の「開始タイミング」
に対しては、いわゆるガードを設定し、例えばエンジン
の再始動に失敗したようなときでも誤ったタイミングで
ブレーキ力の減少が開始しないように構成することもで
きる(請求項5)。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を詳細に説明する。
【0039】この実施形態では、図6に示されるような
車両の駆動システムにおいて、所定の停止条件が成立し
たときにエンジンを自動停止させると共に、所定の再始
動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始
動させるようにしている。
【0040】図6において、符号1は前述した車両に搭
載されるエンジン、2は自動変速機である。このエンジ
ン1には該エンジン1を再始動させるためのモータ及び
発電機として機能するモータジェネレータ(MG)3
が、該エンジン1のクランク軸1aに、クラッチ26、
チェーン27、クラッチ28及び減速機構Rを介して連
結されている。なお、エンジンスタータをモータジェネ
レータ3と別に設け、エンジン始動時に、スタータとモ
ータジェネレータ3を併用したり、極低温時にはスター
タを専用に使用してもよい。
【0041】減速機構Rは、遊星歯車式で、サンギア3
3、キャリア34、リングギア35を含み、ブレーキ3
1、ワンウェイクラッチ32を介してモータジェネレー
タ3及びクラッチ28の間に組込まれている。
【0042】自動変速機2用のオイルポンプ19は、エ
ンジン1のクランク軸1aにクラッチ26、28を介し
て直結されている。自動変速機2内には、前進走行時に
係合される公知の前進クラッチC1や、後進時に係合さ
れる後進クラッチC2(図示せず)等が設けられてい
る。符号4はモータジェネレータ3に電気的に接続され
るインバータである。このインバータ4は、スイッチン
グにより電力源であるバッテリ5からモータジェネレー
タ3への電気エネルギの供給を可変にしてモータジェネ
レータ3の回転速度を可変にする。又、モータジェネレ
ータ3からバッテリ5への電気エネルギの充電を行うよ
うに切り換える。
【0043】符号7はクラッチ26、28の断続の制
御、及びインバータ4のスイッチング制御を行うための
コントローラである。
【0044】なお、図中の矢印線は各信号線を示してい
る。
【0045】該コントローラ7は、エンジン及び自動変
速機等をコントロールするECU(電子制御装置)80
とリンクしている。このコントローラ7、ECU80に
は、図中の矢印線に示すように各種センサ群90(エン
ジン回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサ9
1、車速Veを検出する車速センサ92、アクセルのオ
ン、オフを検出するためのアイドル接点センサが付設さ
れると共にアクセル開度に相当するスロットル開度を検
出するスロットル開度センサ93、シフトレバーのシフ
トポジションを検出するシフトポジションセンサ94、
ブレーキオン信号を検出するブレーキ信号センサ95、
イグニッションスイッチのオン・オフを検出するイグニ
ッションの位置を検出するセンサ96、エコランモード
を検出するエコランスイッチセンサ97、タービン回転
速度を検出するタービン回転速度センサ98、バッテリ
の充電量を検出するバッテリ充電量検出センサ99等)
からの信号が入出力されている。シフトポジションセン
サ94は、従来と同様のセンサであり、各ポジションに
それぞれ配置されている。
【0046】又、このコントロール7は、エンジン及び
自動変速機等を制御するエンジンECU(電子制御装
置)80、ブレーキ力を制御するブレーキECU82と
リンクしている。
【0047】次に、上記自動変速機2において前進クラ
ッチC1を係合させる構成について説明する。
【0048】図7は自動変速機の油圧制御装置において
前進クラッチC1を係合させる構成の要部を示す油圧回
路図である。後進クラッチC2の場合も基本的には同じ
であるので、ここでは説明を省略する。
【0049】プライマリレギュレータバルブ50は、ラ
イン圧コントロールソレノイド52によって制御され、
オイルポンプ19によって発生された元圧をライン圧P
Lに調圧する。このライン圧PLは、マニュアルバルブ
54に導かれる。マニュアルバルブ54は、シフトレバ
ー44と機械的に接続され、ここでは、前進ポジショ
ン、例えば、Dポジション、あるいはマニュアルの1s
t(L)、2nd等が選択されたときにライン圧PLを
前進クラッチC1側に連通させる。
【0050】マニュアルバルブ54と前進クラッチC1
との間には大オリフィス56と切換弁58が介在されて
いる。切換弁58はソレノイド60によって制御され、
大オリフィス56を通過してきたオイルを選択的に前進
クラッチC1に導いたり遮断したりする。
【0051】切換弁58をバイパスするようにしてチェ
ックボール62と小オリフィス64が並列に組み込まれ
ており、切換弁58がソレノイド60によって遮断され
たときには大オリフィス56を通過してきたオイルは更
に小オリフィス64を介して前進クラッチC1に到達す
るようになっている。なお、チェックボール62は前進
クラッチC1の油圧がドレンされるときに該ドレンが円
滑に行われるように機能する。
【0052】切換弁58と前進クラッチC1との間の油
路66には、オリフィス68を介してアキュームレータ
70が配置されている。このアキュームレータ70はピ
ストン72及びスプリング74を備え、前進クラッチC
1にオイルが供給されるときに、スプリング74によっ
て決定される所定の油圧にしばらく維持されるように機
能し、前進クラッチC1の係合時の発生するショックを
低減する。
【0053】次に車両を停止状態に維持するためのブレ
ーキの構成を図8に基づいて説明する。
【0054】図8において、符号200はブレーキ操作
部材としてのブレーキペダルを示している。ブレーキペ
ダル200は油圧式ブースタ206を介してマスタシリ
ンダ208を作動させるようになっている。マスタシリ
ンダ208の上部にはリザーバ210が取り付けられて
おり、このリザーバ210からポンプ214がブレーキ
液を汲み上げてアキュームレータ216に高圧で蓄える
ようにされており、そのアキュームレータ216に前記
ブースタ206が液通路218により接続されている。
【0055】マスタシリンダ208の内部の図示せぬ加
圧室は、液通路212、244とから成る主液通路によ
って、前輪238を制動するブレーキのホイールシリン
ダに接続されている。一方、加圧室(図示せず)は後輪
を制動するブレーキのホイールシリンダに接続されてい
るが、この後輪系統の構成は前輪系統の構成と同一であ
るため図示及び説明を省略し、以下、前輪系統について
のみ説明する。
【0056】液通路212には逆止弁222と電磁増減
圧弁232とが設けられている。電磁増減圧弁232は
常には液通路212と244、即ちマスタシリンダ20
8とホイールシリンダ240とを連通させる増圧許容状
態にあるが、ソレノイド230に中間的な電流が供給さ
れることによりマスタシリンダ208とホイールシリン
ダ240との連通を遮断する保圧状態に切り換えられ、
更にソレノイド230に大電流が供給されることによっ
てホイールシリンダ240をリザーバ210に連通させ
る減圧許容状態に切り換えられる三位置電磁弁となって
いる。
【0057】上記電磁増減圧弁232をバイパスするバ
イパス通路224には逆止弁222が設けられており、
ホイールシリンダ240のブレーキ液はこのバイパス通
路224を経てマスタシリンダ208へ環流し得るよう
にされている。
【0058】なお、マスターシリンダ208とホイール
シリンダ240の間のバイパス通路224には、ブレー
キをかけたときに、そのままホイールシリンダ240に
ブレーキ液を閉じ込めておける機能を備えたリニア弁2
28が備えられている。このリニア弁228は単なるオ
ン・オフの2通りの制御に限られたものではなく、弁の
開閉制御を自在の位置に制御でき、リニアに可変できる
機能を備えている。
【0059】後述するが、このリニア弁228があるこ
とにより、例えばブレーキペダル200を一気に離した
状態のときでも、ブレーキ油圧を徐々に解放する制御が
可能である。
【0060】又、本実施形態では、該リニア弁228を
制御することにより、ブレーキ力を減少するタイミング
を制御し、車両の前後の揺れ(車両の前後G)を抑制す
るようにする(後に詳述)。
【0061】また、後述するブレーキ油圧を保持してい
る間に、ブレーキの油圧低下による制動力低下を防ぐた
めに該リニア弁228をバイパスする形でホイールシリ
ンダ240を加圧可能な加圧弁229を設置する。
【0062】上記通路212の逆止弁222を経た後の
部分には、電磁閉開弁220を介して前記アキュームレ
ータ216が接続されている。電磁閉開弁220は常に
はアキュームレータ216と液通路212との連通を遮
断する状態にあるが、上記電磁増減圧弁232の作動開
始と同時に開状態とされ、アキュームレータ216から
高圧のブレーキ液が電磁増減圧弁232に供給されるよ
うになっている。このアキュームレータ216から供給
される高圧のブレーキ液がマスタシリンダ208に流入
することは、逆止弁222によって阻止される。
【0063】なお、符号236は前輪238の回転速度
を検出する回転速度センサ、202はブレーキペダル2
00の操作力を検出するロードセルである。
【0064】次に、本実施形態の作用について説明す
る。
【0065】図6を参照して、エンジン始動時にはクラ
ッチ26、28が接続状態とされ、モータジェネレータ
3を駆動してエンジン1を始動する(スタータ併用ある
いは単独の場合もあるが、ここでは説明しない)。この
ときブレーキ31をオンにすることで、モータジェネレ
ータ3の回転は減速機構Rのサンギヤ33側からキャリ
ア34側に減速して伝達される。これにより、モータジ
ェネレータ3とインバータ4の容量を小さくしても、エ
ンジン1をクランキングするのに必要な駆動力を確保で
きる。エンジン1の始動後は、モータジェネレータ3は
発電機として機能し、例えば車両の制動時においてバッ
テリ5に電気エネルギを蓄える。
【0066】エンジン始動時にはモータジェネレータ3
の回転速度をコントローラ7が検出し、インバータ4に
対し、モータジェネレータ3の回転がエンジン1を始動
するのに必要なトルクと回転速度となるようにスイッチ
ング信号を出力する。例えばエンジン始動時にエアコン
がオンとなっていれば、エアコンオフ時に比べてより大
きなトルクが必要であるから、コントローラ7は大きな
トルク及び回転速度でモータジェネレータ3が回転でき
るようにスイッチング信号を出力する。
【0067】エコランモード信号がオンとなった状態
で、所定のエンジン停止条件が成立すると、コントロー
ラ7は、エンジン1に燃料の供給をカットする信号を出
力し、エンジンを自動停止させる。エコランモード信号
は、車室内に設けられたエコランスイッチ40を運転者
が押すことによってコントローラ7に入力される。
【0068】なお、本実施形態では、エンジン1の停止
条件を「車速が零」、「アクセルオフ」、「ブレーキオ
ン」、「シフトポジションが非駆動ポジションである」
とし、且つ、「これらの条件が連続して所定時間Tstop
が経過」としている。この所定時間Tstopはタイマによ
りカウントされるようになっており、コントローラ7、
エンジンECU80、及び、ブレーキECU82に入力
され処理される。
【0069】なお、この所定時間Tstopはエンジンの自
動停止を開始するまでの時間に相当し、状況に応じて変
更・設定可能である。この所定時間Tstopを零に設定
し、所定の停止条件が整い次第すぐにエンジンの自動停
止を行ってもよく、又、無限大に設定してエンジンの自
動停止を実質的に禁止するようにもできる。
【0070】なお、本実施形態では上記のような条件を
エンジン自動停止条件としたが、特にこれに限定される
ものではない。また、後述するエンジン再始動条件も同
様とする。
【0071】エンジン1が停止中でもエアコンやパワー
ステアリングは作動させておきたいため、パワーステア
リング用ポンプ、エアコン用コンプレッサの負荷等が考
慮されたトルクでモータジェネレータ3が回転するよう
に、コントローラ7はインバータ4に対して相応のスイ
ッチング信号を出力する。
【0072】次にエンジンの再始動条件が成立し、エン
ジン1が自動停止された状態から再始動されるときの前
進クラッチC1における作用について説明する。
【0073】本実施形態では、所定の再始動条件が成立
したときに、エンジンは再始動をする(エンジンの自動
復帰)。
【0074】所定の再始動条件は、その一例として、停
止条件である「車速が零」、「アクセルオフ」、「ブレ
ーキオン」、「シフトポジションが非駆動ポジションで
ある」のうちいずれかが未成立のときが採用し得る。こ
れ以外に、エンジンが自動復帰される場合として、バッ
テリの充電量SOCが不足してきたときがある。
【0075】なお、シフトポジションに関しては、本実
施形態では非駆動ポジションのときにエコランモードに
入るようにし、駆動ポジションになったことが検出され
たときにエコランモードを終了させるようにしている
が、特にこれに限定されるものではなく、駆動ポジショ
ンだけでエコランを実施するシステムであっても、駆動
ポジション・非駆動ポジションの両方でエコランを行う
システムであってもよい。
【0076】図7において、エンジンが再始動すると、
オイルポンプ19が回転を開始し、プライマリレギュレ
ータバルブ50側にオイルが供給される。プライマリレ
ギュレータバルブ50で調圧されたライン圧は、マニュ
アルバルブ54を介して最終的には前進クラッチC1に
供給される。
【0077】本実施形態では、なるべく早く前進クラッ
チC1を係合させるため、オイルの供給初期に一時的に
オイルを急速に供給する(急速増圧制御)システムを採
用している。
【0078】これは、前進クラッチC1を早期に係合さ
せることにより、車両の「駆動力回復の指標」として
「エンジン回転速度」のみに着目すればよいようにする
ためである。即ち、前進クラッチC1の係合が遅れ気味
の場合、「駆動力の回復」を見るにはエンジンの駆動力
の増大状態の他に、厳密には前進クラッチC1の係合状
態を考慮する必要があるが、前進クラッチC1が早期に
係合されるように構成されていれば、「駆動力」の回復
状態を見るに当たって前進クラッチC1の係合状態が関
係する確率をそれだけ低減できる。
【0079】まず、初めに急速増圧制御を実施する場合
について説明する。
【0080】コトンローラ7から急速増圧制御の指令を
受けてソレノイド60が切換弁58を開に制御している
ときは、マニュアルバルブ54を通過したライン圧PL
は、大オリフィス56を通過した後、そのまま前進クラ
ッチC1に供給される。なお、この急速増圧制御が実行
されている段階では、スプリング74のばね定数の設定
によりアキュームレータ70は機能しない。
【0081】やがて、コントローラ7より急速増圧制御
の終了指令を受けてソレノイド60が切換弁58を遮断
制御すると、大オリフィス56を通過したライン圧PL
は小オリフィス64を介して比較的ゆっくりと前進クラ
ッチC1に供給される。
【0082】また、この段階では、前進クラッチC1に
供給される油圧は高くなっているため、アキュームレー
タ70に繋がっている油路66の油圧がスプリング74
に抗してピストン72を図の上方に移動させる。その結
果、このピストン72が移動している間、前進クラッチ
C1に供給される油圧の上昇が緩くなり、前進クラッチ
C1は非常に円滑に係合を完了できる。
【0083】また、本実施形態では、前述したように図
8にて説明したブレーキシステムにより、エンジン停止
指令後に、リニア弁228を閉状態にすることにより、
ブレーキ油圧(ホイールシリンダ圧)をホールド状態に
し、ブレーキ力Btを確保している。
【0084】つまり、エンジン自動停止指令後、ブレー
キ圧を一時的にホールドして(ブレーキ圧を閉じ込める
ことによりブレーキ力Btを高め)、車両が動かないよ
うにしている(ヒルホールド制御)。
【0085】次にエンジン再始動時におけるブレーキ力
Bt及びクリープ力(車両の駆動力)Ktの関係を説明
する。
【0086】先ず、本実施形態を説明する前に、本発明
を従来の技術と比較するために、図2(A)を用いて従
来技術について簡単に説明する。
【0087】図2(A)において、時刻t11にて所定
条件が成立しエンジンが自動停止し、時刻t12にてク
リープ力Ktが完全に零(無くなった状態)とする。
【0088】この段階でヒルホールド制御が機能し、ブ
レーキシステム中のブレーキオイルが閉じ込められるた
め、ドライバはブレーキペダル200を強く踏み込まな
くてもそれまでと同様なブレーキ力を得ることができ
る。
【0089】ところが、時刻t13にてブレーキペダル
200が解放されると、(それによって再始動の条件が
成立したとして)エンジンは再始動されるが(時刻t1
4)、同時にこのヒルホールド制御も解除されてしまう
ため、時刻t15においてクリープ力がKtにまで落ち
着くまでの間は車両を停止させておく機能が無くなるこ
とになる。そのため、このような従来のシステムにおい
て、例えば車両がきわめて急な坂道にあった場合を想定
するとブレーキが解除され、エンジンが再始動しクリー
プ力Ktが発生するまでの時間(時刻t13〜時刻t1
4)T1の間に車両が後退してしまう恐れがある。
【0090】この時間T1は、自動変速機搭載車であっ
て、エンジン再始動と共に前進クラッチC1を係合させ
るシステムを採用している車両の場合には、単にエンジ
ンが立ち上るまでの時間だけでなく、前進クラッチが係
合される時間も加わるため、この不具合は一層顕著にな
る恐れがある。
【0091】また、さらにエンジン回転速度が立上った
後(時刻t14以降)にあっては、クリープ力Ktが回
復した状態にありながら、すでにこのときはブレーキ力
Btが完全に零のため、前進クラッチC1への油圧供給
が最適に実行されないと、前進クラッチC1の急係合に
より車両の飛び出し感が発生する可能性がある。
【0092】また、一方で、前進クラッチC1が係合し
た後もヒルホールド機能が解除されないと発進がもたつ
く恐れがある。そのため、ヒルホールド機能の解除の適
正化が重要となってくる。
【0093】そこで本実施形態では、エンジン再始動時
に以下に説明する制御(形態)を実施する。
【0094】まず、第1の実施形態では、ブレーキ力B
tを、クリープ力Kt、即ち駆動力の回復状態に合わせ
て反比例の関係で減少させるように制御する。
【0095】ここで、第1の実施形態におけるエンジン
再始動時の制御を図1を用いて説明する。
【0096】図1は、車速V、エンジン回転速度NE、
ブレーキペダル200からのオン・オフ信号、クリープ
力Kt、ブレーキ油圧(ブレーキ力)Bt、リニアバル
ブ228の開閉度、を時間軸tに沿って示したものであ
る。
【0097】図1において、時刻t1にて走行中の車両
にブレーキがかけられ、車速が低下する。このとき、ブ
レーキ油圧はドライバによりブレーキペダル200が踏
まれているため一時的に高くなる。
【0098】時刻t2にて車両が完全に停止状態とな
り、その後、エンジンの自動停止条件が成立するか否か
を判定する。エンジンの自動停止条件は前述したとおり
なのでここでは省略する。
【0099】エンジンの自動停止条件が成立した場合に
は、時刻t3からエンジンの自動停止制御が開始され
る。この場合、当然エンジンが停止状態となるため、エ
ンジン回転速度NEが零となり、また、前進クラッチC
1への油圧も抜けてしまうため、クリープ力Ktも発生
しなくなる。
【0100】第1の実施形態では、前述したようにエン
ジン自動停止中においてもブレーキ油圧を確保しておく
ようにするため、リニア弁228を完全に閉状態とす
る。このようにすることで、エンジン停止中でもブレー
キ油圧をホイールシリンダ240に閉じこめておくこと
ができるため、ブレーキペダル200の踏込負担を軽く
することができる。
【0101】ここまでの制御は従来の図2(A)と基本
的に変わらない。
【0102】時刻t4にて、例えばエンジン再始動条件
の1つであるブレーキオフ信号があった場合には、エン
ジンはすぐに再始動を開始する。
【0103】第1の実施形態では、このエンジンの再始
動の際にリニア弁228を次のように制御する。
【0104】まずここで、図1におけるIIIの拡大図を
図3に示し、該リニア弁228の制御について説明す
る。
【0105】時刻t4においてエンジンの再始動指令が
出されると、これによってエンジンが回転を開始し、前
進クラッチC1の係合に伴って時刻t5からエンジン始
動と共に徐々にクリープ力Ktが発生する。
【0106】前述したように、仮に例えば、時刻t4に
おいてエンジン再始動(指令)と共にリニア弁228に
よるヒルホールド制御を解除すると(ブレーキペダル2
00は既に解放されているので)、時刻t5までは車両
に駆動力も制動力も全く働かない状態となり、車両が後
退してしまう恐れがある。
【0107】一方で、これを嫌って、例えばエンジン回
転速度NEがアイドル回転速度NEiに落ち着くまでヒ
ルホールド制御を継続し、ここでブレーキ力Btを解除
するようにすると、既にクリープ力が完全に発生してい
る状態で(ドライバの操作に依らないで)ブレーキ力B
tが解除されることになるため、車両の飛出し感が発生
する恐れがあり、また、この時点までブレーキ力Btを
保持しているのは発進のもたつきを招く。
【0108】そのため、第1の実施形態では、エンジン
再始動の際の、車両のクリープ力(駆動力)Ktの回復
状態を検出し、自動停止したエンジン1が再始動する際
に、車両のブレーキ力Btを車両の駆動力の回復状態に
合わせて減少させるようにする。
【0109】このように、駆動力の回復に合わせてブレ
ーキ力を制御(低減)することにより、駆動力の回復と
ブレーキ作動の解除のタイミングを適正化することがで
き、車両の飛び出し感を抑制し、又、車両が後退するの
を防止することができる。また良好な発進性も確保でき
る。
【0110】なお、クリープ力の検出は、(例えば動力
伝達系に力センサを配置して直接検出してもよいが)必
ずしも直接検出する必要はない。つまり、エンジン回転
速度等から導き出しても良い。
【0111】また、「車両のブレーキ力を該車両の駆動
力の回復状態に合わせて減少させる」際の具体的な開始
トリガは、ここでは特に限定しない。
【0112】つまり、開始タイミングとしては、クリー
プが発生した時点から直ちに反比例的にブレーキ力を減
少するようにしてもよく、また、ある所定の値にクリー
プ力(駆動力)が到達した時点から反比例に相当する割
合でブレーキ力を減少するようにしてもよい。
【0113】具体的には、この実施形態ではエンジン回
転速度NEが所定のエンジン回転速度NE1に到達した
ときをトリガとして、その時点から発生すると予測され
るクリープ力に反比例するようにブレーキ力を減少させ
る。
【0114】以下にクリープ力Ktの発生状態の検出を
行うために利用可能なパラメータ(条件)を示す。発生
開始、発生途中、発生完了は、それぞれのパラメータに
おける条件式の閾値を適宜に変更することにより判断で
きる。閾値の数を増大すればそれだけ精度よく検出でき
る。これに合わせてブレーキ力を減少させればよい。
【0115】(1)エンジン回転速度NE>所定エンジ
ン回転速度NE1 (2)クリープトルク(クリープ力)Kt>所定クリー
プトルクKt1 (3)駆動トルクFt>所定駆動トルクFt1 (4)前進クラッチの油圧(あるいはライン圧)P>所
定圧P1 (5)ブレーキペダルオフ(エンジン再始動指令)後の
経過時間Td>所定時間Td1
【0116】上記条件の(1)〜(4)については直接
検出又は直接検出に近い方法なので、詳細はここでは省
略する。
【0117】上記条件(5)は、エンジンの再始動指令
からの経過時間とクリープ力の回復にほぼ一定の関係が
あることに着目したもので、図4に示すように、ブレー
キペダルがオフにされて(再始動指令が出されて)から
の経過時間Td(Td1、Td2、Td3…)を確認す
ることにより、それに合わせてブレーキ力Btを減圧で
きることを意味している。
【0118】なお、ブレーキ力の制御に関して、例えば
以下のような条件を更に考慮してもよい。
【0119】(6)アクセルペダルオン (7)車速Vc>所定車速Vc1 (8)ブレーキブースタ負圧Vs>所定ブレーキブース
タ負圧Vs1 (9)ブレーキペダル踏み込みトータル回数n>所定ブ
レーキペダル踏み込みトータル回数n1 (10)ブレーキペダル踏み込みストロークns>所定
ブレーキペダル踏み込みストロークns1 (11)シフトポジション(N→D) (12)パーキングブレーキレバーオン
【0120】上記条件(6)は、ブレーキを減圧中にア
クセルが踏まれた場合には、ドライバの発進意思が大き
いと判断し、図5に示すように本発明の制御(ブレーキ
力を車両のクリープ力(駆動力)の回復状態に合わせて
減少させる制御)を中止し、リニア弁228を全開にす
る。
【0121】このようにすることで、発進のもたつきを
無くし、スムーズな発進が可能となる。
【0122】また、上記条件(7)のように、ブレーキ
保持中(ヒルホールド制御中)に車速が上がった(零で
は無くなった)場合には、本制御を維持する必要がなく
なったと判断し、ブレーキ力保持の終了の判定をする。
【0123】上記条件(8)〜は、フェイルセーフ等に
関係してヒルホールド制御を中止する条件である。例え
ばブレーキブースタ206の内圧(負圧)が減少した場
合や、ブレーキペダルがトータルしてn1回踏まれたと
きなどでは、ブレーキ性能が確保されていないと判断
し、ブレーキ力保持の終了(ヒルホール制御終了)を判
定し、直ちにエンジンを再始動させ、ブレーキ負圧を確
保するようにする。
【0124】なお、クリープ力Ktの斜線部分は、もし
エンジンが停止していなければ発生していたはずの力で
ある。
【0125】具体的なブレーキ力Btの減少させる方法
としては、図8にて説明したリニア弁228を制御する
ことにより、ブレーキ(制動)油圧を制御する。
【0126】なお、リニア弁228は、ブレーキ力のオ
ン・オフの2通り以外の制御も可能な弁であり、ブレー
キ力Btをきめ細かくリニアに制御可能である。
【0127】又、この第1の実施形態では具体的には、
クリープ力Ktはエンジン回転速度NEより算出・推定
し、これに合わせて反比例の関係となるようにブレーキ
力Btの減圧勾配を決めるようにしているがこれに限定
されない(後述)。
【0128】図2(B)は、先程「従来の技術」にて説
明した図2(A)と時間軸を同一にした第1の実施形態
の制御を表したものである。
【0129】図2(B)からも明らかなように、ブレー
キ力Btとクリープ力Ktとが互いに反比例の関係で減
少させるようにしたり、また、予め実験データによって
得られた値に基づいて実行する。
【0130】図1に戻り、エンジン回転速度NEがアイ
ドル回転速度NEiとなり、クリープ力Ktが安定した
状態になる時刻t6以降はブレーキ油圧が完全に零とな
り(解除され)、通常通り安定したクリープ力Ktが発
生するようになる。なお、時刻t7ではアクセルがオン
され、車速が上がっていく状態が示されている。
【0131】車両のクリープ力(駆動力)Ktの回復状
態に合わせてブレーキ力を減少させる割合の算出は,例
えばエンジンECU80、ブレーキECU82等にて行
えばよい。
【0132】次に第2の実施形態におけるエンジン再始
動時の制御を図9に示す。
【0133】図9は、図1と同様に、車速V、エンジン
回転速度NE、ブレーキペダル200からのオン・オフ
信号、クリープ力(駆動力)Kt、ブレーキ力(ブレー
キ油圧:ホイールシリンダ圧)Bt、リニアバルブ22
8の開閉度、車両の前後Gの関係を時間軸tに沿って示
したものである。
【0134】図9では、エコランが終了する時刻t14
まで図1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0135】エンジン始動(時刻t14)後において
は、エンジン回転速度NEがアイドル回転速度NEiに
落ち着くまでの間に、一時的にアイドル回転速度より高
い回転速度(最大回転速度)NEmaxになるところが
ある。
【0136】第2の実施形態では、エンジン再始動の際
に、エンジン回転速度NEがアイドル回転速度NEiに
落ち着く前のこの最大回転速度NEmaxに至ったこと
を判定し、自動停止したエンジンが再始動する際に、エ
ンジン回転速度NEがアイドル回転速度NEiに落ち着
く前の最大回転速度NEmaxに至ったと判定された時
点をブレーキ力減少の開始タイミングとして捉え、ここ
から車両のブレーキ力Btを減少させるように制御す
る。
【0137】これは、ブレーキ力Btを減少させる際の
開始タイミング(ブレーキ力Btを解除するトリガ)を
特定したものである。
【0138】具体的には、図9に示すように第2の実施
形態では、エンジン回転速度NEが最大回転速度NEm
axに到達した時刻t15以降の時刻t16からブレー
キ力Btの減少(減圧)を開始させている。
【0139】エンジン回転速度NEが最大回転速度NE
maxに到達したか否かの判断は、例えば、エンジン回
転速度NEをリアルタイム、あるいは極めて小さい間隔
で検出しておき、その検出による値が減少、あるいは減
少傾向が連続して検出されたときとすればよい。
【0140】このようにすることで、エンジンが暖まっ
ているときと、冷えているときとでエンジン始動時のタ
イミングがばらついたとしても、即ち、駆動力(クリー
プ力)の発生タイミングがばらついたとしても常にブレ
ーキ力の解除タイミングを同一に維持でき、駆動力の発
生とブレーキ力減少開始のタイミングの再現性を高く維
持できるようになる。
【0141】また、ブレーキ力Btを、エンジン始動開
始当初における不安定な状態が経過するまでは保持して
いるので、車両が前後に揺れることを大幅に抑制するこ
とができ、車両の飛び出し感の抑制・車両の後退も防止
できる。
【0142】なお、後退防止を主眼とする場合は、エン
ジン回転速度NEが最大回転速度NEmaxに達した時
点、またはそのすぐ直後ではなく、これから若干のタイ
マ経過後としてもよい。
【0143】エンジン回転速度NEが最大回転速度NE
maxに到達したと判定された後は、時刻t16からブ
レーキ力Btを減少させるが、ここでは、ブレーキ力B
tの保持の度合いを検出し、エンジンが始動した以降
に、該ブレーキ力Btの保持の度合いに応じて該ブレー
キ力Btの減少させる勾配を決定する。
【0144】一般に、ブレーキ油圧を保持した際に、保
持したブレーキ油圧値は、ほとんどの場合において値が
異なる。又、エンジン自動停止時にブレーキペダルを踏
む操作を行ったり、また、保持している経過時間等によ
っても、ブレーキ油圧は異なってくる。
【0145】そこで、本実施形態では図10、11に示
すような制御を行う。
【0146】まず、図10から説明する。
【0147】図10は、エンジン始動時のエンジン回転
速度NEと、保持したブレーキ油圧が高い場合(太線)
と、低い場合(細線)の2通りを示している。また、ブ
レーキ油圧が低い場合はさらに2通り(実線、破線)の
減圧方法を示している。
【0148】ブレーキ油圧が高いときには、時刻t16
から減圧勾配αで時刻t17までの時間T20の期間減
圧している。また、ブレーキ油圧が低いときには、実線
で示してある方は、ブレーキ油圧が高いときと同じ時刻
t16から減圧勾配βで時刻t17までの時間T20の
期間で減圧し、破線で示してある方は、ブレーキ油圧が
高いときと同じ減圧勾配αで減圧し、時刻t18から時
刻t17までの時間T21の期間で実行している(減圧
終了が同じ時期となるように制御)。
【0149】ブレーキ油圧を減圧する時間一定にした場
合には、常に一定の減圧時間、減圧の開始タイミングを
実現できる。又、減圧の勾配を(保持したブレーキ油圧
が異なる場合に)同じにすることにより、減圧の終了を
常に一定にし、安定した発進性能を確保することができ
る。
【0150】なお、ブレーキ力Btを減少させる際に、
第1の実施形態で記したように、ブレーキ力Btを駆動
力と反比例の関係で減少させるようにしたり、マップに
基づいて実行するようにするのは当然有効である。た
だ、この第2実施形態では(駆動力の回復に合わせて)
開始タイミングを決定して減少させているため、開始直
後の段差を生じさせないという意味では、そこから一定
の割合で減少させる方が好ましい。
【0151】なお、開始タイミングを駆動力の回復に合
わせてブレーキ力減少の開始タイミングが決定された後
の処理としては、、エンジン停止中にブレーキ力Btを
所定の値Bt1に保持すると共に、当該開始タイミング
の決定後、該所定の値Bt1に保持したブレーキ力Bt
を一定の勾配で減少させるという方法も考えられる。
【0152】その具体例を図11に示す。
【0153】図11は、図10と同様に、エンジン始動
時の図9におけるエンジン回転速度NEとブレーキ油圧
Btを示している。
【0154】前述したように、ブレーキ圧を保持する際
には、ブレーキ油圧Btは異なる(例えば、破線A,破
線B、実線C)。
【0155】このとき、保持した油圧が低い場合も高い
場合も関係なく、ブレーキ油圧をある所定の油圧値Bt
1まで、加圧している。
【0156】そして、前述したブレーキ力減少の開始タ
イミングt16からブレーキ力Btを該所定のブレーキ
油圧Bt1から一定の勾配γにて減圧を行う。
【0157】このようにすることで、たとえブレーキを
保持したときの度合いが異なっていたとしても、所定
(一定圧)の値Bt1にし、その値Bt1から同一勾配
γでブレーキ力Btを解除するので、安定し、且つ、ス
ムーズな発進ができるようになる。
【0158】ところで、以上に説明した第1、第2実施
形態は、エンジンの始動が正常に行われる判断されたと
きのみ実行するようにする。
【0159】「エンジンの始動が正常に行われる判断さ
れたとき」とは、具体的に、エンジン回転速度NEがほ
ぼ確実に始動すると判断できる所定の回転速度NEn1
に到達したときである。
【0160】つまり、エンジン回転速度NEが所定のエ
ンジン回転速度NEn1に到達しなかった場合には、エ
ンジンの再始動処理が失敗に終わり、その結果駆動力の
回復もないと判断する。
【0161】そして、そのような場合はそのまま駆動力
の回復に失敗したと判定してブレーキ力Btを確保した
状態を維持するようにする。
【0162】このようにすることで、エンジンの始動が
万一、失敗に終わったような場合にでも、ブレーキ力が
解除されることがなくなり、エンジンが正常に始動する
までは確実に車両を停止させておくことができる。
【0163】なお、この所定のエンジン回転速度NEn
1は、当然ながらエンジン回転速度NEが最大回転速度
NEmaxに到達するかなり前となる。
【0164】なお、制御は、前述したリニア弁228に
より行うようにする。
【0165】
【発明の効果】本発明によれば、自動停止したエンジン
が再始動する際に、車両のブレーキ力を該車両の駆動力
の回復状態に合わせて減少させることにより、駆動力の
回復とブレーキ作動の解除のタイミングが適正化するこ
とができ、車両飛び出し感の抑制、車両後退の防止した
上で良好な発進性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるクリープ力、
ブレーキ力、リニアバルブ等の制御を時間軸に沿って表
したタイムチャート
【図2】(A)従来におけるブレーキ力、クリープ力の
制御を時間軸に沿って表したタイムチャート (B)本発明の実施形態におけるブレーキ力、クリープ
力の制御を時間軸に沿って表したタイムチャート
【図3】図1におけるIII部の拡大図
【図4】本実施形態に係るブレーキ力の減圧方法の一例
を表したグラフ
【図5】上記同様に、本実施形態に係るブレーキ力の減
圧方法の一例を表したグラフ
【図6】本発明が適用された車両のエンジン駆動装置の
システム構成図
【図7】急速増圧制御を行うための油圧制御装置の要部
を示す油圧回路図
【図8】ブレーキの構成を表したスケルトン図
【図9】本発明の第2の実施形態におけるクリープ力、
ブレーキ力、リニアバルブ等の制御を時間軸に沿って表
したタイムチャート
【図10】本発明の第2の実施形態におけるブレーキ油
圧の減少方法を表したタイムチャート
【図11】本発明の第2の実施形態におけるブレーキ油
圧の制御を表したタイムチャート
【図12】従来の技術における時間軸に沿って車速、エ
ンジン回転速度、ブレーキペダルのオン・オフ信号、車
両の前後の揺れを表したタイムチャート
【符号の説明】
1…エンジン 2…自動変速機 3…モータジェネレータ 4…インバータ 5…バッテリ 19…オイルポンプ 40…エコランスイッチ 80…エンジンECU 82…ブレーキECU 200…ブレーキペダル 208…マスタシリンダ 228…リニア弁 Bt…ブレーキ力 Kt…クリープ力 R…減速機構 NE…エンジン回転速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D041 AA30 AA45 AB01 AC01 AC15 AC18 AC26 AD02 AD10 AD12 AD30 AD31 AD32 AD41 AD42 AD50 AD51 AD52 AE08 AE39 AE41 AF01 3D046 BB02 EE01 GG02 HH16 HH17 JJ14 JJ21 KK07 3G093 AA01 BA02 BA09 BA21 BA22 CA02 CB05 DA01 DA06 DB05 DB11 DB12 DB15 DB23 DB25 EA05 EB03 EB04 FA04 FB01 FB02 FB03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の停止条件が成立したときにエンジン
    を自動停止すると共に、所定の再始動条件が成立したと
    きに該自動停止したエンジンを再始動する車両のエンジ
    ン再始動時の制御装置において、 前記エンジンの自動停止中に車両のブレーキ力を保持す
    る手段と、 前記エンジンの再始動の際の、車両の駆動力の回復状態
    を検出する手段と、を備え、 前記自動停止したエンジンが再始動する際に、前記車両
    のブレーキ力を該車両の駆動力の回復状態に合わせて減
    少させることを特徴とする車両のエンジン再始動時の制
    御装置。
  2. 【請求項2】所定の停止条件が成立したときにエンジン
    を自動停止すると共に、所定の再始動条件が成立したと
    きに該自動停止したエンジンを再始動する車両のエンジ
    ン再始動時の制御装置において、 前記エンジンの自動停止中に車両のブレーキ力を保持す
    る手段と、 エンジン再始動の際に、エンジン回転速度がアイドル回
    転速度に落ち着く前の最大回転速度に至ったことを判定
    する手段と、を備え、 前記自動停止したエンジンが再始動する際に、エンジン
    回転速度がアイドル回転速度に落ち着く前の最大回転速
    度に至ったと判定された時点以降から前記車両のブレー
    キ力を減少させることを特徴とする車両のエンジン再始
    動時の制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 さらに、前記ブレーキ力の保持の度合いを検出する手段
    を備え、 該ブレーキ力の保持の度合いに応じて該ブレーキ力の減
    少させる勾配を決定することを特徴とする車両のエンジ
    ン再始動時の制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2において、 さらに、エンジン停止中に前記ブレーキ力を所定の値に
    保持すると共に、該所定の値に保持したブレーキ力を一
    定の勾配で減少させることを特徴とする車両のエンジン
    再始動時の制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1又は2において、 さらに前記エンジンが確実に始動可能と判断できる所定
    のエンジン回転速度を設定すると共に、 エンジン回転速度が該所定のエンジン回転速度に到達し
    たか否かを検出する手段を備え、 エンジン回転速度が該所定のエンジン回転速度に到達し
    たときにのみ、前記ブレーキ力を減少させる制御を実行
    することを特徴とする車両のエンジン再始動時の制御装
    置。
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