JP2000313750A - 繊維強化樹脂用組成物及び繊維強化樹脂 - Google Patents

繊維強化樹脂用組成物及び繊維強化樹脂

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JP2000313750A
JP2000313750A JP11123910A JP12391099A JP2000313750A JP 2000313750 A JP2000313750 A JP 2000313750A JP 11123910 A JP11123910 A JP 11123910A JP 12391099 A JP12391099 A JP 12391099A JP 2000313750 A JP2000313750 A JP 2000313750A
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JP
Japan
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fiber
resin
epoxy
bisphenol
reinforced resin
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JP11123910A
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English (en)
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Yasuhiro Maeda
保博 前田
Takashi Takayanagi
尚 高柳
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Japan U-Pica Co Ltd
Original Assignee
Japan U-Pica Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート構造物の補強、補修に使用され
る炭素繊維含浸用樹脂であって、エポキシ樹脂よりも低
温硬化性、含浸性、炭素繊維に対する密着性に優れか
つ、従来のエポキシアクリレート樹脂よりも耐衝撃性、
表面乾燥性、耐熱性に優れた繊維強化樹脂用組成物及び
繊維強化樹脂を提供する。 【解決手段】 ビスフェノールA型及び/又はビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂とビスフェノールA及び/又は
ビスフェノールFとをトリアルキルアミン化合物を触媒
として用いて反応させ、得られたエポキシ当量400〜
1000g/equiv.のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル
酸とを反応させて得られるエポキシアクリレート(a)
及び、スチレン又は(メタ)アクリルエステル共重合性
単量体(b)を含むことを特徴とする繊維強化樹脂用組
成物と強化繊維とから成る繊維強化樹脂である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂用組
成物及び繊維強化樹脂に関し、特にコンクリート建造物
を補強・補修するために好適に用いられる繊維強化樹脂
用組成物及び該繊維強化樹脂用組成物を用いた繊維強化
樹脂に関する。さらに詳しくは、強化繊維との含浸性、
密着性に優れ、低温硬化性、表面乾操性に優れた繊維強
化樹脂用組成物及び該繊維強化樹脂用組成物を用いた繊
維強化樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂と、メタクリル酸又はアク
リル酸(以下(メタ)アクリル酸と称す)とから得られ
るエポキシアタリレートを、スチレン等の共重合性単量
体に溶解したエポキシアクリレート樹脂(ビニルエステ
ル樹脂とも称されている)は、その優れた硬化性、耐薬
品性、機械的特性を利用して、化学プラントのパイプ、
薬液希釈槽、薬液貯蔵タンク、コンクリート楯、鉄、ス
テンレス等のライニング材や、最近ではヘルメット等の
スポーツ用品のマトリックス樹脂として使用されてい
る。また、エポキシアクリレートをアクリル酸エステル
に溶解し、光重合性開始剤を配合したものは、紫外線を
照射することにより硬化させることができ、印刷イン
キ、塗料、ソルダーレジスト材料等に利用されている。
【0003】一方、炭素繊維は、軽量で比強度が高い性
質を有しており、炭素繊維と熱硬化性樹脂とを組合せた
複合材料は、軽量かつ高弾性率となり、金属の代替材料
として航空機部品、自動車、鉄道車両やスポーツ用品等
の強化材として広く用いられている。
【0004】現在、阪神大震災以後、日本国内のコンク
リート建造物について、炭素繊維と熱硬化性樹脂とを組
み合わせた材料を用いて、これらの建造物を補修、補強
する工事が頻繁に行われている。このような補修、補強
は、一方向に配列した炭素繊維と含浸樹脂とを直接コン
クリートに貼り付け、積層する工法が主に採用されてい
る。一般に、炭素繊維は引張り強度が高く、このような
補強、補修に使用する一方向に配列した炭素繊維は、炭
素繊維に対して0°方向の強度は非常に強く、応力に対
して十分な強度を有する。
【0005】しかし、一方向に配列した炭素繊維を、例
えばコンクリート支柱に貼り付ける時には、必ず炭素繊
維を重ね合わせる(オーバーラップ)必要性がある。こ
の時にオーバーラップする部分の強度(ラップ強度)
も、0°方向の強度と同じ程度である必要性がある。
【0006】この際、炭素繊維との密着性が悪い含浸樹
脂を使用した場合には、かかるオーバーラップ部分で界
面剥離が生じ、強度が低くなる。従って、炭素繊維でコ
ンクリート支柱を補強、補修する場合は、オーバーラッ
プする部分の強度を引き出すために、炭素繊維との接着
性が高い含浸樹脂を選定することが重要になってくる。
【0007】従来、使用されている含浸樹脂としては、
炭素繊維に対して優れた接着力を示すエポキシ樹脂を用
いることが一般的である。しかし、エポキシ樹脂はいく
つかの欠点を有している。最大の欠点は、低温での硬化
性と作業性が劣ることである。エポキシ樹脂は、常温で
もかなり高い粘度を有しているので、炭素繊維に含浸し
難く、その作業にも手間がかかる。特に、作業現場が低
温であると、粘度も更に高くなるために、炭素繊維に含
浸させる作業も一層困難になる。更に、低温ではエポキ
シ樹脂の硬化性も極端に低下し、硬化するまでに数時間
或いは、10℃以下では一日以上必要な場合もある。こ
のように、低温では硬化時間が長くなり、樹脂垂れの問
題や、工事期間が長くなる等の問題を生ぜしめる。
【0008】また、エポキシ樹脂を硬化させる際、硬化
剤としてアミン化合物を使用するため、作業者がアレル
ギー症状を起こす場合があり、また一端アレルギー症状
を経験した人は、アミン化合物の臭気だけでもその症状
が再発するなどの問題点がある。従ってエポキシ樹脂
を、コンクリート構造物の補強、補修に使用する場合、
これらの問題の改良が求められている。
【0009】また、不飽和ポリエステル樹脂や、不飽和
ポリエステルの末端をアクリル基で封止した不飽和ポリ
エステルアクリレート樹脂は、エポキシ樹脂に比べ安価
で、樹脂粘度が低く、低温における硬化時間も硬化剤の
量や促進剤の量により調整することが可能であり、従っ
て炭素繊維への含浸作業も容易となる。これらの樹脂
は、漁船、浴槽、化学薬品タンク等のマトリックスとし
て使用されており、水や酸に対しては良好な耐薬品性を
示すが、炭素繊維と組み合わせた複合材料は、エポキシ
樹脂に比べて炭素繊維との密着性が劣る傾向がある。
【0010】特公昭第60−26132号公報及び特公
昭第60−26133号公報には、末端にアクリル性二
重結合を有するウレタンアクリレート樹脂が、不飽和ポ
リエステル樹脂と同様に樹脂粘度が低く、硬化時間を硬
化剤の量や促進剤の量により調整することが可能である
ことが記載されている。かかる樹脂は機械的特性が不飽
和ポリエステル樹脂よりも良好ではあるが、−NHCO
O−基が分子中に大量に存在するために吸水量も多く、
不飽和ポリエステル樹脂に比べて耐水性が劣る傾向があ
り、屋外の厳しい自然環境で使用される橋脚の補強、補
修等には適さない。また、−NHCOO−基は酸に対し
ても弱いので、酸性雨の影響を考慮すると、耐久性に問
題を生じる。
【0011】不飽和ポリエステル樹脂と共に、レジャー
ボート、浴槽、化学装置のパイプ、タンク等のマトリッ
クスとして用いられるエポキシアクリレート樹脂は、不
飽和ポリエステル樹脂の特徴である低温での作業性、硬
化性、耐酸性、耐アルカリ性に優れた特性を有し、繊維
強化材に対して不飽和ポリエステル樹脂よりも接着性
(ラップ強度)に優れているが、エポキシ樹脂の炭素繊
維に対する接着性より低い傾向がある。
【0012】更に、ウレタンアクリレート樹脂やエポキ
シアクリレート樹脂は、分子末端に(メタ)アクリロイ
ル基を有するため、空気中の酸素による重合阻害作用を
有し、従って表面が未硬化となり易く、べたつき、作業
性、外観低下の原因となり、多くの場合、空気による重
合阻害を防ぐ目的で、パラフィンワックスをかかる樹脂
に添加して、硬化の際に該樹脂表面にパラフィンワック
スの皮膜を形成させる方法が採用されている。しかし、
パラフィンワックスをかかる樹脂中に添加したものは、
乾操性の良好な表面が得られるが、その上にもう一層炭
素繊維を含浸させて補強する場合には、上下の層間の接
着性を低下させるばかりか、全く接着しない場合があ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コン
クリート構造物の補強、補修に使用される強化繊維含浸
用樹脂であって、エポキシ樹脂よりも低温硬化性、含浸
性、炭素繊維に対する密着性に優れかつ、従来のエポキ
シアクリレート樹脂よりも耐衝撃性、表面乾燥性及び耐
熱性に優れた繊維強化樹脂用組成物及び繊維強化樹脂を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために研究した結果、特定の触媒を用いて合
成したエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応によ
り得られるエポキシアクリレートを、スチレン又は(メ
タ)アクリル酸エステル等に溶解したエポキシアクリレ
ート樹脂を用いることにより上記課題を解決し、本発明
を達成するに至った。
【0015】即ち、請求項1の繊維強化樹脂用組成物
は、ビスフェノールA型及び/又はビスフェノールF型
エポキシ樹脂とビスフェノールA及び/又はビスフェノ
ールFを、トリアルキルアミン化合物を触媒として用い
て反応させ、得られたエポキシ当量400〜1000g
/equiv.のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応
させて得られるエポキシアクリレート(a)及び、スチ
レン又は(メタ)アクリルエステル共重合性単量体
(b)を含むことを特徴とする。
【0016】請求項2記載の繊維強化樹脂用組成物は、
請求項1記載の繊維強化樹脂用組成物に、更に有機過酸
化物(c)、有機コバルト化合物(d)、N,N−ジア
ルキルアリニン化合物(e)を含有することを特徴とす
る。
【0017】請求項3記載の繊維強化樹脂用組成物は、
請求項1又は2記載の繊維強化樹脂用組成物に、更に、
(メタ)アクリル酸を、上記エポキシアクリレート
(a)と重合性単量体(b)との合計100重量部に対
して0.1〜10重量部含有することを特徴とする。
【0018】請求項4記載の繊維強化樹脂用組成物は、
請求項1〜3いずれかの項記載の繊維強化樹脂用組成物
に、更に一分子中に1個以上の水酸基と1個以上の(メ
タ)アクロイル基を有する化合物を、上記エポキシアク
リレート(a)と重合性単量体(b)との合計100重
量部に対して1〜10重量部配合することを特徴とす
る。
【0019】請求項5記載の繊維強化樹脂用組成物は、
請求項1〜4いずれかの項記載の繊維強化樹脂用組成物
に、更にポリアミド系の有機揺変剤を含有することを特
徴とする。
【0020】請求項6記載の繊維強化樹脂は、請求項1
〜5いずれかの項記載の繊維強化樹脂用組成物と強化繊
維とから成る繊維強化樹脂である。
【0021】
【発明の実施の形態】本明細書中、(メタ)アクリル酸
とは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの混合物
を意味し、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステルまたはこれらの混合物
を意味する。
【0022】本発明の繊維強化樹脂用組成物は、ビスフ
ェノールA型及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹
脂とビスフェノールA及び/又はビスフェノールFとを
トリアルキルアミン化合物(炭素数1〜3)を触媒とし
て用いて反応させ、得られたエポキシ当量400〜10
00g/equiv.のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸と
を反応させて得られるエポキシアクリレート(a)及
び、スチレン又は(メタ)アクリルエステル共重合性単
量体(b)を含む。
【0023】本発明の繊維強化樹脂用組成物に用いられ
るエポキシアクリレート(a)は、例えば、まず一分子
中に二個以上のエポキシ基を有するエポキシ当量160
〜200g/equiv.のビスフェノールA及び/又はビス
フェノールF型エポキシ樹脂と、ビスフェノールA及び
/又はビスフェノールFとをトリアルキルアミン触媒
(炭素数1〜3)の存在下、140〜170℃で0.5
〜2.0時間反応させて、エポキシ当量400〜100
0g/equiv.のエポキシ樹脂を合成し、得られたエポキ
シ樹脂に公知の重合禁止剤や公知のエステル化触媒を用
いて(メタ)アクリル酸と100〜140℃で1〜10
時間反応させることにより調製することができる。エポ
キシ樹脂と(メタ)アクリル酸との上記反応は、窒素ガ
ス或いは空気などを導入して行なうことができ、必要に
応じて反応系の粘度を下げる目的でスチレン又は(メ
タ)アクリルエステル重合性単量体や有機溶剤を入れて
反応させることができる。
【0024】本発明で使用するビスフェノールA型及び
/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂は、ビスフェノ
ールA及び/又はビスフェノールFとエピクロロヒドリ
ンとの反応から得られるものが使用でき、該ビスフェノ
ールA型及び/又はF型エポキシ樹脂はエポキシ当量が
160〜200g/equiv.の範囲のものが使用可能であ
る。
【0025】このようなエポキシ樹脂としては、油化シ
ェル(株)製の商品名エピコート825 、827 、828 等、
大日本インキ化学工業(株)製の商品名エピクロン840
、850 等、旭チバ(株)製のアラルダイト250 、260
等の、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの反応
から合成されるビスフェノールA型エポキシ化合物や、
油化シェル(株)製の商品名エピコート806、807等或い
は大日本インキ化学工業(株)製の商品名エピクロン83
0 、830S等のエピクロロヒドリンとビスフエノールFと
の反応から合成されるビスフェノールF型エポキシ化合
物等を挙げることができ、これらは単独或いは二種類以
上をブレンドして使用することができる。
【0026】また、ビスフェノールA及び/又はビスフ
ェノールFとしては、フェノールとアセトンとの反応か
ら得られるビスフェノールA、フェノールとホルムアル
デヒドとの反応から得られるビスフェノールFを使用す
ることができ、ビスフェノールFについては異性体が存
在するが、それぞれ純粋なもの或いはそれぞれの異性体
を混合して使用することができる。
【0027】上記ビスフェノールA型及び/又はビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂とビスフェノールA及び/又
はビスフェノールFとの反応は、トリアルキルアミン存
在下エポキシ当量160〜200g/equiv.のビスフェ
ノールA型及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂
100.0重量部に対してビスフェノールA及び/又は
ビスフェノールFを20.0〜53.8重量部の範囲で
配合し、140〜170℃で反応させることにより目的
とするエポキシ当量400〜1000g/equiv.のエポ
キシ樹脂を調整することができる。この時に窒素あるい
は空気で釜内を置換することが好ましい。
【0028】本発明で使用するトリアルキルアミンは、
ビスフェノールA及び/又はビスフェノールF型エポキ
シ樹脂と、ビスフェノールA及び/又はビスフェノール
Fを反応させる触媒としての作用を有し、該触媒を用い
ると、分子量分布の広いエポキシ樹脂が得られる。本発
明で使用するトリアルキルアミンをとしては、炭素数1
〜3の、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン等を使用できる。炭素数が3よりも大きく
なると沸点が高くなり、反応完結時に系内にトリアルキ
ルアミンが残りゲル化することがあるので好ましくな
い。特に、工業的に入手しやすく、低沸点のトリメチル
アミン、トリエチルアミンを用いることが好ましい。こ
れらのトリアルキルアミンは、単独或いは二種類以上を
混合して使用することができる。
【0029】所望するエポキシ当量を有するエポキシ樹
脂を合成するために、上記トリアルキルアミン化合物の
添加量は、ビスフェノールA及び/又はビスフェノール
F型エポキシ樹脂とビスフェノールA及び/又はビスフ
ェノールFとを合わせたもの100重量部に対して、
0.01〜2重量部の範囲で使用する。0.01重量部
未満では触媒としての効果が低く、2.0重量部よりも
多い場合は、系内に残存し、ゲル化したり目的とする分
子量よりも大きい化合物ができたりするため好ましくな
い。
【0030】また、トリフェニルホスフイン、水酸化リ
チウムや水酸化ナトリウム等を触媒として用いると、ト
リアルキルアミンを使用した場合に比べて、得られるエ
ポキシ樹脂の分子量分布が狭くなり、目的とする機械的
特性、特に炭素繊維のような強化繊維との密着性、耐衝
撃性、表面乾操性等が得られない。
【0031】ビスフェノールA型及び/又はF型エポキ
シ樹脂と、ビスフェノールA及び/又はビスフェノール
Fとの上記反応から得られるエポキシ樹脂は、エポキシ
当量400〜1000g/equiv.の範囲のものが、炭素
繊維との接着性に優れ、耐衝撃性、表面乾燥性にも優れ
た特性を有する。エポキシ当量が400/equiv.未満で
は耐衝撃性、炭素繊維のような強化繊維等との密着性が
低い傾向となり、一方エポキシ当量が1000g/equi
v.を越える場合には合成時の粘度が高く、合成時にゲル
化したり、得られた樹脂の粘度も高く、繊維強化材に対
する含浸性が悪い傾向にあるので好ましくない。
【0032】このようにして得られたエポキシ樹脂と
(メタ)アクリル酸との反応は、公知のエステル化触媒
を使用して行なうことができる。公知のエステル化触媒
としては、トリフェニルホスフイン、3級窒素を分子中
に有するトリアルキルアミン、アルキル置換イミダゾー
ル、N,N−ジアルキルアニリン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート等を挙げることができ、これらを
単独或いは二種類以上を混合して使用することができ
る。これらエステル化触媒の中で特に好ましいのは、
N,N−ジメチルアニリン、2,4,6−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノールなどである。
【0033】これらエステル化触媒の添加量としては、
エポキシ当量400〜1000g/equiv.のエポキシ樹
脂と(メタ)アクリル酸とを合わせたもの100重量部
に対して0.01〜10重量部の範囲、好ましくは0.
05〜5重量部の範囲で使用することができる。0.0
1重量部未満の添加量ではエステル化反応が極端に遅く
なり、10重量部を越える場合は逆にエステル化反応が
極端に速くなり、急激な発熱により温度コントロールが
難しくなるので好ましくない。
【0034】(メタ)アクリル酸は、エポキシ樹脂中の
エポキシ基1化学当量に対して(メタ)アクリル酸1〜
1.1化学当量の範囲で使用することができる。(メ
タ)アクリル酸が1化学当量未満の時は、合成後の貯蔵
安定性が悪くなり、一方1.1化学当量を越える場合
は、酸の臭気が強く作業しにくいので好ましくない。
【0035】エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との上
記反応は、ゲル化することなく安定に合成するために、
公知の重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤
としては、ハイドロキノン、モノメチルエーテルハイド
ロキノン、トルハイドロキノン等のハイドロキノン類、
2,6−ターシャリーブチル4−メチルフェノール等の
フェノール類、フェノチアジン、銅塩等が挙げられる。
その添加量はエポキシ当量400〜1000g/equiv.の
エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを合わせたもの1
00重量部に対して、0.0001〜1重量部の範囲で
使用することができ、好ましくは0.001〜0.5重
量部で使用することが好ましい。0.0001重量部未
満では合成時にゲル化し、1重量部を越える場合は得ら
れた樹脂の硬化が極端に遅くなり実用的でない。また、
これら重合禁止剤は、樹脂用組成物のゲル化時間調整に
添加することもできる。
【0036】このようにして調製したエポキシアクリレ
ート(a)は、スチレン又は(メタ)アクリルエステル
から選ばれる共重合可能な重合性単量体(b)に溶解し
て使用する。本発明に使用できるスチレン又は(メタ)
アクリルエステルから選ばれる重合性単量体(b)とし
ては、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合
物、或いは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類或いはエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート等の二官能或いは多官能(メ
タ)アクリル酸エステル類等を挙げることができ、これ
らを単独或いは二種類以上を混合して使用することがで
きる。特にスチレンメタクリル酸メチルが、取り扱い
性、コスト、樹脂の低粘度化に有効であるので好まし
い。
【0037】また、コンクリート建造物内部の補強等に
は、このような重合性単量体は揮散しやすいので臭気対
策が必要となり、このため、スチレンやメタクリル酸メ
チルの含有量を低くする目的で、p−t−ブチルスチレ
ン、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸フェノキシエチ
ル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキ
シエチル、グリシジルメタクリレート、メタアクリル酸
テトラヒドロフルフリル、1,3ブタンジオールジメタ
クリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレー
ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、アクリルモルフォリン、N−n−ブトキシメチルア
クリルアミド、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート等の比較的臭気
のないものを混合したり、スチレンやメタクリル酸メチ
ルの代わりにこれらの(メタ)アクリル酸エステル類を
用いて上記重合性単量体(b)と置き換えることができ
る。
【0038】スチレン又は(メタ)アクリルエステルか
ら選ばれる重合性単量体(b)は、エポキシアクリレー
ト(a)100重量部に対して50〜350重量部の範
囲で使用することができる。特に、繊維強化材への含浸
性、ハンドリング性、機械的特性を考慮して80〜30
0重量部の範囲で使用することが好ましい。50重量部
未満では得られた樹脂の粘度が高く低温でのハンドリン
グが悪く、炭素繊維への含浸性も低下して複合材料とし
ての強度低下の原因となる。350重量部を越える場合
はエポキシアクリレート(a)の特徴がなくなり、炭素
繊維との接着性が低下し、硬化性も低下するので好まし
くない。
【0039】好適には、本発明においては、更に、一分
子中に1個以上の水酸基と1個以上の(メタ)アクロイ
ル基を有する化合物を添加することができる。一分子中
に1個以上の水酸基と1個以上の(メタ)アクロイル基
を有する化合物は、硬化速度を早くする働きと表面硬化
性を良くする働きを有している。特に10℃以下の低温
でその効果が顕著に現れ、低温下で硬化を促進するのに
有効である。当該化合物が有する反応機構については明
らかでないが、有機過酸化物、有機酸のコバルト塩、三
級アミン等と錯体を形成するためと推定される。
【0040】一分子中に1個以上の水酸基と1個以上の
(メタ)アクロイル基を有する化合物としては、2−ヒ
ドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シルプロピル(メタ)アクリレート等を使用することが
でき、これらを、単独或いは2種類以上を併用して使用
することができる。
【0041】また、一分子中に1個以上の水酸基と1個
以上の(メタ)アクロイル基を有する化合物の添加量と
してはエポキシアクリレート(a)とスチレン又は(メ
タ)アクリルエステル重合性単量体(b)との合計10
0重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは1〜5
重量部の範囲で添加することができる。一分子中に1個
以上の水酸基と1個以上の(メタ)アクロイル基を有す
る化合物の添加量が1重量部未満の時は低温での硬化促
進、表面乾燥に効果がなく、10重量部を越える場合は
逆に促進効果により硬化時間が早くなりすぎて作業時間
を確保できなくなる。
【0042】好適には本発明においては、更に(メタ)
アクリル酸(f)を添加することができる。かかる(メ
タ)アクリル酸は、強化繊維との密着性を高くしラップ
強度を高くするのに有効である。その添加量としてはエ
ポキシアタリレート(a)とスチレン又は(メタ)アク
リルエステル重合性単量体(b)との合計100重量部
に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5
重量部の範囲で添加することができる。(メタ)アクリ
ル酸の添加量が0.1重量部未満では大きな改良効果が
見られず、10重量部を越える場合は強化繊維との密着
性は向上するが、皮膚等への刺激性が増して作業性が低
下するので好ましくない。
【0043】本発明で使用する有機過酸化物(c)は、
常温で金属塩やアミン化合物の存在でそれらとレドック
スを形成し、ラジカルを発生する。このラジカルが、エ
ポキシアクリレート(a)およびスチレン又は(メタ)
アクリル酸エステル等の共重合性単量体(b)の末端二
重結合と反応し、架橋反応が進むという作用を有する。
当該有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケト
ンパーオキシド、アセト酢酸エステルパーオキシド等の
ケトンパーオキシド系、クメンハイドロパーオキシド等
のハイドロパーオキシド系、ビス−(4−t−ブチルシ
クロへキシル)パーオキシカーボネート等のパーオキシ
カーボネート系、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ
3,3,5トリメチルシクロへキサノン、1,1−ジ−
t−ブチルパーオキシシクロへキサノン等のパーオキシ
ケタール系、t−ブチルバーオキシ−2−エチルへキサ
ノエ−ト、ペンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオ
キシド類、t−ブチルバーオキシペンゾエート、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルへキサノエート等のパーオ
キシエステル系を挙げることができる。また、エポキシ
アクリレート樹脂専用硬化剤として市販されている有機
過酸化物も使用することができ、このようなエポキシア
クリレート樹脂専用硬化剤としては、日本油脂(株)製
の商品名パーキュアK、パーキュアVL、パーキュアV
S、化薬アクゾ(株)製の328E、328EM 等を挙げること
ができる。この中で、ベンゾイルパーオキシド、エポキ
シアクリレート樹脂専用硬化剤が、本発明の樹脂を硬化
させる際に有効である。これらは、単独或いは二種類以
上を混合して使用することができる。
【0044】かかる有機過酸化物(c)の使用量は、エ
ポキシアクリレート(a)とスチレン又は(メタ)アク
リルエステル重合性単量体(b)との合計100重量部
に対して、0.1〜5重量部の範囲で使用することがで
きる。0.1重量部未満では硬化が極端に遅くなり実用
的でなく、10重量部を越える場合は硬化物の機械的特
性、耐水性、耐熱性が低下するので好ましくない。
【0045】本発明で使用する有機コバルト化合物
(d)は、有機過酸化物(c)とレドックスを形成し、
常温で有機過酸化物が分解してラジカルを生成するのを
助ける働きと、塗膜表面の乾燥性を向上させるという作
用を有し、例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバ
ルト等を挙げることができる。本発明で使用する有機コ
バルト化合物(d)の使用量は、エポキシアクリレート
(a)とスチレン又は(メタ)アクリルエステル重合性
単量体(b)との合計100重量部に対して、0.1〜
5重量部の範囲で使用することができる。0.1重量部
未満では表面硬化が遅くなり実用的でない、5重量部を
越える場合はポットライフが短くなり好ましくない。
【0046】本発明で使用するN,N−ジアルキルアニ
リン(e)は、有機過酸化物(c)とレドックスを形成
し、常温で有機過酸化物が分解してラジカルを生成する
のを助けるという作用を有し、例えばN,N−ジメチル
アルキルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N
−ジエタノールアニリン、N,N−ジメチル−p−トル
イジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン
等を挙げることができる。本発明で使用するN,N−ジ
アルキルアニリン(e)の使用量は、エポキシアクリレ
ート(a)とスチレン又は(メタ)アクリルエステル重
合性単量体(b)との合計100重量部に対して、0.
001〜5重量部の範囲で使用することができる。0.
001重量部未満では硬化が極端に遅くなり実用的でな
く、5重量部を越える場合は硬化が急激に起こり発熱に
より変形や反りが発生するので好ましくない。
【0047】本発明の繊維強化樹脂用組成物を硬化させ
る際に特に有効な組み合わせとしては、ベンゾイルパー
オキシドとN,N−ジメチルアニリンと有機酸のコバル
ト塩との組み合わせ、或いはエポキシアクリレケート専
用硬化剤とN,N−ジメチルアニリンと有機酸のコバル
ト塩との組み合わせがあり、これらは、硬化時間の設定
し易さ、硬化性、乾操性、得られる硬化物の機械的特性
が良好であることから好ましい。
【0048】また、本発明の繊維強化樹脂用組成物に
は、樹脂垂れを防ぐ目的でポリアミド系有機揺変剤を使
用することができる。樹脂垂れを防ぐ目的には、シリカ
が一般的であるが、シリカの場合、樹脂中にシリカが分
散しているため、含浸樹脂を、炭素繊維のような強化繊
維に含浸させる作業で、シリカがフィルター効果を起こ
して樹脂がモノフィラメント間までの含浸するのを邪魔
する。このために強化繊維と樹脂との接着性を低下する
原因となり、好ましくない。
【0049】本発明に使用することができるポリアミド
系有機揺変剤としては、楠本化成(株)製の商品名デイ
スパロン#6900−10S等を挙げることができる。ポリ
アミド系有機揺変剤は、エポキシアクリレート(a)と
スチレン又は(メタ)アクリルエステル重合性単量体
(b)との合計100重量部に対して、1〜10重量部
の範囲で添加することができる。1重量部未満では垂れ
を防ぐに十分な効果がなく、10重量部以上ではコスト
が高くなることと、含浸樹脂の耐薬品性が低下するので
好ましくない。
【0050】また、本発明の繊維強化樹脂組成物は、必
要に応じて離型剤、顔料、消泡剤等を含有することがで
きる。
【0051】本発明の繊維強化樹脂に使用する強化繊維
としては炭素繊維・ガラス繊維やアラミド繊維を用いる
ことができ、一方向に繊維を揃えた形状のもの以外に、
チョップドストランド或いはそれをマット化したもの、
又はロービング或いはロービングを編んだロービングク
ロスなどを使用することができる。また、炭素繊維とガ
ラス繊維、アラミド繊維を組み合わせたハイブリッドタ
イプの繊維強化材も使用することができる。これら強化
繊維は単独或いは二種類以上を混合して使用することが
できる。
【0052】本発明の繊維強化樹脂は、エポキシアクリ
レート(a)をスチレン又は(メタ)アクリルエステル
重合性単量体(b)に溶解し、有機過酸化物(c)、有
機コバルト化合物(d)、N,N−ジアルキルアニリン
化合物(e)を配合し、必要に応じて、更に(メタ)ア
クリル酸、一分子中に1個以上の水酸基と1個以上の
(メタ)アクロイル基を有する化合物、ポリアミド系有
機揺変剤を配合して得られる強化樹脂用組成物と、上記
強化繊維とを用いて、−20〜60℃の範囲で成形硬化
することにより得られる。
【0053】本発明の繊維強化樹脂用組成物の成形方法
としては、ハンドレイアップ成形法、スプレイアップ成
形法、注型法、フィラメントワインデイング成形法、レ
ジントランスファー成形法、バッグ成型法、引き抜き成
型法、プリフォームマッチドダイ成型法、コールドプレ
ス法等の成形方法が使用できる。
【0054】
【実施例】以下、本発明を次の実施例及び比較例により
説明する。合成例1. 攪拌装置、温度計、冷却塔、ガス導入管を装
備した四つロフラスコに、ビスフェノールAを91.5
g仕込み、旭チバ(株)製のエポキシ当量188のビス
フェノールA型エポキシ化合物、商品名アラルダイト#
260 296g、トリエチルアミン0.78gを仕込
み、発熱に注意しながら140℃まで昇温し、150〜
160℃で約1時間反応させ、エポキシ当量500のエ
ポキシ化合物を得た。続いて、内温を100℃以下まで
冷却し、重合禁止剤としてトルハイドロキノン0.19
g、メタクリル酸73.7g、エステル化触媒として
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル1.35gを仕込み、激しく攪拌させながら120℃
で2.5時間反応させ、酸価6のエポキシアリレートを
得た。このエポキシアクリレート450gをスチレン3
68gに溶解し、エポキシアクリレート樹脂(A-1)を得
た。
【0055】合成例2.攪拌装置、温度計、冷却塔、ガ
ス導入管を装備した四つ口フラスコにビスフェノールF
を119g仕込み、大日本インキ化学工業(株)製エポ
キシ当量174のビスフェノールF型のエポキシ化合
物、商品名エビクロン830S 381g、トリエチルアミン
0.50gを仕込み、発熱に注意しながら140℃まで
昇温し、150〜160℃で約1時間反応させ、エポキ
シ当量450のエポキシ化合物を得た。続いて、内温を
100℃以下まで冷却し、重合禁止剤としてトルハイド
ロキノン0.23g、メタクリル酸72g、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1.21
gを仕込み、激しく攪拌させながら120℃で2.5時
間反応させ、酸価9のエポキシアクリレートを得た。こ
のエポキシアクリレート500gをスチレン200g、
メタクリル酸メチル209gに溶解し、エポキシアクリ
レート樹脂(A-2)を得た。
【0056】合成例3.攪拌装置、温度計、冷却塔、ガ
ス導入管を装備した四つ口フラスコにビスフェノールA
を153g仕込み<旭チバ(株)製のエポキシ当量18
8のビスフエノールA型エポキシ化合物、商品名アラル
ダイト#260 347g、トリメチルアミン0.82
gを仕込み、発熱に注意しながら140℃まで昇温し、
150〜160℃で約1時間反応させ、エポキシ当量1
000のエポキシ化合物を得た。続いて、内温を100
℃以下まで冷却し、重合禁止剤としてトルハイドロキノ
ン0.19g、メタクリル酸43g、2−メチルイミダ
ゾール1.9gを仕込み、激しく攪拌させながら120
℃で2.5時間反応させ、酸価5のエポキシアクリレー
トを得た。このエポキシアタリレート450gをスチレ
ン275g、メタクリル酸メチル275gに溶解し、エ
ポキシアクリレート樹脂(A-3)を得た。
【0057】合成例4.攪拌装置、温度計、冷却塔、ガ
ス導入管を装備した四つ口フラスコにビスフェノールA
を100g仕込み、旭チバ(株)製のエポキシ当量18
8のビスフェノールA型エポキシ化合物、商品名アラル
ダイト#260 400g、トリエチルアミン0.78gを仕込
み、発熱に注意しながら140℃まで昇温し、150〜
160℃で約1時間反応させ、エポキシ当量400のエ
ポキシ化合物を得た。続いて、内温を100℃以下まで
冷却し、重合禁止剤としてトルハイドロキノン0.19
g、メタクリル酸107.5g、エステル化触媒として
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル1.35gを仕込み<激しく攪拌させながら120℃
で2.5時間反応させ、酸価8のエポキシアクリレート
を得た。このエポキシアクリレート450gをスチレン
368gに溶解し、エポキシアクリレート樹脂(A-4)を
得た。
【0058】合成例5.攪拌装置、温度計、冷却塔、ガ
ス導入管を装備した四つ口フラスコにビスフェノールA
を91.5g仕込み、旭チバ(株)製のエポキシ当量1
88のビスフェノールA型エポキシ化合物、商品名アラ
ルダイト#260 296g、トリフェニルホスフイン0.40
gを仕込み、窒素ガス気流中発熱に注意しながら140
℃まで昇温し、150〜160℃で約1時間反応させ、
エポキシ当量500のエポキシ化合物を得た。続いて、
系内を空気で置換し、内温を100℃以下まで冷却し、
重合禁止剤としてハイドロキノン0.19g、メタクリ
ル酸73.7g、エステル化触媒として2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール1.35gを
仕込み、激しく攪拌させながら120℃で2.5時間反
応させ、酸価6のエポキシアタリレートを得た。このエ
ポキシアクリレート450gをスチレン368gに溶解
し、エポキシアクリレート樹脂(A-5)を得た。
【0059】合成例6.攪拌装置、温度計、冷却塔、ガ
ス導入管を装備した四つ口フラスコにビスフェノールA
を153g仕込み、旭チバ(株)製のエポキシ当量18
8のビスフェノールA型エポキシ化合物、商品名アラル
ダイト#260 347g、トリフェニルホスフイン0.8gを
仕込み、窒素気流中発熱に注意しながら140℃まで昇
温し、150〜160℃で約1時間反応させ、エポキシ
当量1000のエポキシ化合物を得た。続いて、系内を
空気で置換し、内温を100℃以下まで冷却し、重合禁
止剤としてトルハイドロキノン0.19g、メタクリル
酸43g、2−メチルイミダゾール1.9gを仕込み、
激しく攪拌させながら120℃で2.5時間反応させ、
酸価4のエポキシアクリレートを得た。このエポキシア
クリレート450gをスチレン275g、メタクリル酸
メチル275gに溶解し、エポキシアクリレート樹脂(A
-6)を得た。
【0060】合成例7.攪拌装置、温度計、冷却塔、ガ
ス導入管を装備した四つ口フラスコにビスフェノールA
を165g仕込み、旭チバ(株)製のエポキシ当量18
8のビスフエノールA型エポキシ化合物、商品名アラル
ダイト#260 355g、トリエチルアミン0.82gを仕込
み、窒素気流中発熱に注意しながら140℃まで昇温
し、150〜160℃で約1時間反応させ、エポキシ当
量1500のエポキシ化合物を得た。続いて、系内を空
気で置換し、内温を100℃以下まで冷却し、重合禁止
剤としてトルハイドロキノン0.19g、メタクリル酸
28.7g、2−メチルイミダゾール1.9gを仕込
み、激しく攪拌させながら120℃で反応させたが、樹
脂粘度が高く、反応途中でゲル化した。合成時の粘度が
高いので、スチレン226gをメタクリル酸反応時に入
れ、空気をガス管から導入しながら目標の酸価3になる
まで反応させたが、途中ゲル化した。
【0061】合成例8.攪拌装置、温度計、冷却塔、ガ
ス導入管、滴下ロートを装備した四つ口フラスコにメチ
レンジイソシアネート(MDI) 300g、ウレタン化触媒
としてジプチル錫ジラウレート0.03g、モノメチル
エーテルハイドロキノン0.28gを仕込む。乾燥空気
を吹き込みながら滴下ロートに2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート314g、ジプロピレングリコール15
gを発熱に注意しながら約0.75時間かけて滴下し
た。70℃で約2時間反応させ、赤外吸収スペクトルで
2270cm-1の−NCOに起因する吸収が消失するまで反応
させる。約1.5時間反応させたところで冷却し、ウレ
タンアクリレートを得た。このウレタンアクリレート6
00gをスチレン200g、メタクリル酸メチル200
gに溶解し、ウレタンアクリート樹脂(A-8)を得た。
【0062】合成例9.攪拌装置、温度計、冷却塔、ガ
ス導入管を装備した四つ口フラスコにビスフェノールA
を97.5g仕込み、旭チバ(株)製のエポキシ当量1
88のビスフエノールA型エポキシ化合物、商品名アラ
ルダイト#260 460.0g、トリエチルアミン0.5
6gを仕込み、発熱に注意しながら140℃まで昇温
し、150〜160℃で約1時間反応させ、エポキシ当
量350のエポキシ化合物を得た。続いて、内温を10
0℃以下まで冷却し、重合禁止剤としてトルハイドロキ
ノン0.14g、メタクリル酸142.5g、2,4,
6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1.4
0gを仕込み、激しく攪拌させながら120℃で2.5
時間反応させ、酸価10のエポキシアクリレートを得
た。このエポキシアクリレート500gをスチレン23
3gに溶解し、エポキシアタリレート樹脂(A-9)を得
た。
【0063】実施例1〜10、比較例1〜7 合成例1〜9で合成した樹脂(A-1〜9)について、表1及
び2に示す配合で繊維強化樹脂用組成物を調製した。得
られた繊維強化樹脂用組成物の液状特性、注型板持性及
び炭素繊維を用いたCFRP(繊維強化プラスチック)
コンポジット特性を以下の方法により、測定した。その
結果を表1及び表2に示す。
【0064】(1)液状特性 上記実施例及び比較例で調製した繊維強化樹脂用組成物
について、分子量分布、硬化性、粘度等の液状特性を測
定した。 粘度及び揺変度 各繊維強化樹脂用組成物を450mlマヨネーズ瓶に4
00g計量し、測定しようとする温度(25℃)に調整
した水の入った恒温槽に30分以上漬け、温度計で繊維
強化樹脂用組成物の温度が測定温度になっていることを
確認し、B型回転粘度計で測定した。測定方法は、JI
S K6901に準拠した。揺変度は、25℃での60
回転でのT値と6回転でのT′値を求め、揺変度=T′
/Tにより算出した。但し、粘度及び揺変度測定時は有
機過酸化物を添加しない状態で測定した。
【0065】硬化性 JIS K6901に準拠し、それぞれの繊維強化樹脂用組
成物の硬化特性を測定した。測定は5,10,25℃で
行なった。
【0066】分子量分布 ウォーターズ社製のGPC 検出器(溶出溶媒:テトラハイ
ドロフラン、流速:1ml/分)を用いて、屈折率によ
りポリスチレンの検量線から数平均分子量(Mn)、重量平
均分子量(Mw)を測定した。
【0067】含浸性 平面の机の上にPET フィルムを置き、 300g/m2 のの一方
向性の炭素繊維20cm幅3枚をその上に置き、次に含浸樹
脂400g/m2 の2を炭素繊維上に垂らし、脱泡ローラーで
繊維に含浸させた。硬化後、 PET フィルムを剥がして含
浸樹脂が下まで染み込んでいるかを目視で確認した。評価 ○:炭素繊維全体に含浸している。 ×:部分的に含浸していない。
【0068】垂れ性 垂直面のコンクリートに300g/m2 の一方向性の炭素繊維
1枚に揺変剤を分散させた含浸樹脂400g/m2を脱泡ロー
ラで含浸させ、この時に含浸樹脂の垂れ具合を目視で評
価した。評価 ○:含浸樹脂が硬化するまで垂れない。 ×:含浸樹脂が硬化するまでに垂れる。 表面乾燥性 JIS K5400の指触乾操にしたがって測定した。評価 ◎:指の腹で強くこすってもべたつかない。 ○:指で軽くこすってもべたつかない。 △:指で軽く触れて、指が汚れない。 ×:指で軽く触れてべたつく。
【0069】(2)注型板特性 上記実施例及び比較例で調製した繊維強化樹脂用組成物
100重量部に対して、硬化触媒として日本油脂(株)
製“パーキュアK”1重量部又は40%ベンゾイルパー
オキシド2重量部を混合攪拌し、離型用のセロハンを貼
り付けた厚み3mmの平板の強化ガラス製のセルに流し込
み、室温で16時間硬化させ、120℃で2時間後硬化
を行い、それぞれの注型板を作製した。この注型板につ
いて、耐衝撃性と引張特性を測定した。
【0070】耐衝撃性 注型物を65mm×12.7mm×3mm に加工し、JIS K6901
に準拠してアイゾッド衝撃強度測定装置で破壊強度を測
定した。ノッチなし、エッジワイズで測定した。得られ
たエネルギーを試験片の断面積で割ることにより衝撃強
度とした。
【0071】引張特性、伸び率 注型物をJIS K7113に準拠して試験片を切り出
し、引張特性を測定した。
【0072】(3)CFRP特性 引張特性 300g/m2の一方向性の炭素繊維に、硬化触媒と促進
剤とを配合した繊維強化樹脂用組成物を含浸させ、23
℃で7日硬化させ、幅12.5mm×長さ200mm の試験片を切
り出して、0°方向で引張特性を調べた。引張強度は引
張測定で得られた応力を断面積で割った値として算出し
た。
【0073】ラップ強度 300g/m2の一方向性の炭素繊維20cm幅2枚を繊維
方向に10cm重ねて、各繊維強化樹脂用組成物で積層し
た。積層後、23℃で7日放置硬化させ、幅12.5mm×20
0 mmに裁断し、オーバーラップ部分の強度を引張試験に
より測定した。ラップ強度は引張測定で得られた応力を
断面積で割った値として算出した。この時にラップ強度
以外に破壊状態も評価した。破壊状態が母材或いはラッ
プ部分の凝集破壊が良好な接着性である。評価 母材破壊:母材が破壊(含浸樹脂と炭素繊維との接着性
が良好) 母材/凝集:母材が破壊或いは凝集破壊した(含浸樹脂
と炭素繊維との接着性が良好) 界面剥離:破壊状態がラップ部分での剥離(含浸樹脂と
炭素繊維との接着性が悪い)
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂用組成物及び繊維
強化樹脂は、市販のエポキシ化合物或いは従来の方法に
より合成したエポキシアクリレート樹脂に比べて、低温
硬化性、含浸性、繊維強化材との密着性に優れ、また耐
衝撃性、表面乾操性及び耐熱性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 25:00 33:00 63:00 C08L 63:10 Fターム(参考) 4F072 AB06 AB09 AB10 AD33 AD34 AD44 AE01 AE02 AF17 AF27 AH21 AK03 AL17 4F205 AA13 AA21 AA39 AA43 AD04 AE10 AH33 AH35 AH47 HA19 HA42 HB01 HC02 HC04 HC14 HC16 HC17 HF01 4J011 PA03 PA15 PA36 PA88 PA96 PB04 PB30 4J027 AE01 AJ06 BA05 BA06 CA12 CA38 CB04 CC02 CD02 4J036 AD08 CA21 DC05 FB03 FB13 GA29 JA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノールA型及び/又はビスフェ
    ノールF型エポキシ樹脂とビスフェノールA及び/又は
    ビスフェノールFとをトリアルキルアミン化合物を触媒
    として用いて反応させ、得られたエポキシ当量400〜
    1000g/equiv.のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル
    酸とを反応させて得られるエポキシアクリレート(a)
    及び、スチレン又は(メタ)アクリルエステル共重合性
    単量体(b)を含むことを特徴とする繊維強化樹脂用組
    成物。
  2. 【請求項2】 更に、有機過酸化物(c)、有機コバル
    ト化合物(d)、N,N−ジアルキルアニリン化合物
    (e)を含有することを特徴とする請求項1記載の繊維
    強化用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 更に、(メタ)アクリル酸を、上記エポ
    キシアクリレート(a)と重合性単量体(b)との合計
    100重量部に対して0.1〜10重量部含有すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の繊維強化樹脂用組成
    物。
  4. 【請求項4】 更に、一分子中に1個以上の水酸基と1
    個以上の(メタ)アクロイル基を有する化合物を、上記
    エポキシアクリレート(a)と重合性単量体(b)との
    合計100重量部に対して1〜10重量部含有すること
    を特徴とする請求項1〜3いずれかの項記載の繊維強化
    樹脂用組成物。
  5. 【請求項5】 更に、ポリアミド系の有機揺変剤を含有
    することを特徴とする請求項1〜4いずれかの項記載の
    繊維強化樹脂用組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかの項記載の繊維強
    化樹脂用組成物と強化繊維とから成る繊維強化樹脂。
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