JP2000315500A - リチウムイオン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料、その製造方法及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料、その製造方法及びリチウムイオン二次電池

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JP2000315500A
JP2000315500A JP11123713A JP12371399A JP2000315500A JP 2000315500 A JP2000315500 A JP 2000315500A JP 11123713 A JP11123713 A JP 11123713A JP 12371399 A JP12371399 A JP 12371399A JP 2000315500 A JP2000315500 A JP 2000315500A
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graphitizable carbon
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lithium ion
ion secondary
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Hidetoshi Morotomi
秀俊 諸富
Hiroki Okamoto
寛己 岡本
Tetsuo Shiode
哲夫 塩出
Yasuhiro Mogi
康弘 茂木
Ryuichi Yazaki
隆一 矢崎
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Japan Oxygen Co Ltd
Adchemco Corp
Taiyo Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Adchemco Corp
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムイオン二次電池用の負極材として好
適な、不可逆容量が小さく、しかも放電容量の大きなリ
チウム二次電池用の難黒鉛化性炭素材料、その製造方
法、及びこれを用いた優れた特性のリチウムイオン二次
電池の提供。 【解決手段】 熱分解炭素を析出させた難黒鉛化性炭素
多孔体であって、該難黒鉛化性炭素多孔体がキシレノー
ルを単位骨格とした樹脂を原料として構成されているこ
とを特徴とするリチウム二次電池用の難黒鉛化性炭素材
料、該材料の製造方法、及びこれらの材料を用いたリチ
ウムイオン二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、負極材料として高
性能なリチウムイオン二次電池用の難黒鉛化性炭素材
料、該材料の製造方法、及びこれらの材料を用いたリチ
ウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器や通信機器の小型化及び
軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として
用いられる二次電池に対しても小型化及び軽量化の要求
が強く、高エネルギー密度で且つ高電圧を有するリチウ
ムイオン二次電池が提案されている。リチウムイオン二
次電池は、正極に、例えば、コバルト酸リチウムを使用
し、リチウムイオンを吸蔵、離脱する黒鉛或いは難黒鉛
化性炭素材料を負極に使用することで、充電時にリチウ
ムイオンが炭素質材料に吸蔵され、放電時にこれらのリ
チウムイオンが負極から放出されるように構成されてお
り、リチウムイオンが、正極と負極との間を往来するだ
けで充放電が行われる。
【0003】そして、リチウムイオン二次電池の負極材
料には、天然黒鉛などの高結晶黒鉛材料、石油或いは石
炭系の重質油から誘導されるMCMB(メソカーボンマ
イクロビーズ)やメソフェーズピッチの粉末のような易
黒鉛化炭素原料を黒鉛化したもの(以下、これらを黒鉛
化性炭素材料と呼ぶ)、又は、フルフリルアルコールや
フェノール樹脂などを炭素化した難黒鉛化性の炭素材料
などが使用されている。これらの中でも、近年、黒鉛の
理論容量である372mAh/gを超える放電容量を示
す難黒鉛化性の炭素材料が注目されている。これら難黒
鉛化性の炭素材料は、サイクル特性の面でも黒鉛化性炭
素材料よりも優れている。
【0004】しかしながら、リチウムイオン二次電池の
負極材料として、これらの難黒鉛化性の炭素材料を用い
た場合には、不可逆容量が大きいという問題点があっ
た。ここで言う不可逆容量とは、初回のリチウムイオン
の充電量と、放電量の差のことであり、この値が大きい
と、電池にする際に余分なリチウムが必要となるので好
ましくない。このような不可逆容量が、どのようなメカ
ニズムで起こるのか、その原因については未だ明確にさ
れてはいないが、難黒鉛化性の炭素材料を構成している
芳香環の活性な部分に、リチウムイオンの存在下、電解
液が分解され、リチウム塩としてトラップされるなどの
モデルが考えられている。
【0005】これに対し、特開平07−230803号
公報、特開平07−230804号公報においては、熱
分解炭素を析出させることにより、難黒鉛化性の炭素材
料の細孔径を、電解液中のリチウムイオンが通過可能
で、且つ、電解液中の有機溶媒が実質的に通過不可能な
径に調整し、不可逆容量を小さくすることが提案されて
いる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、熱分
解炭素を単純に析出させただけでは、不可逆容量を小さ
くできたとしても、必ずしも放電容量の大きい炭素材料
が得られるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、リチウムイオン二次電池用の負極材として好適な、
不可逆容量が小さく、しかも放電容量の大きなリチウム
イオン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料、及びこれを用
いた優れた特性のリチウムイオン二次電池を提供するこ
とにある。又、本発明の目的は、基材である難黒鉛化性
の粉体状の炭素多孔体に、熱分解炭素を析出させて、リ
チウムイオン二次電池の電解液中のリチウムイオンが通
過可能で、且つ、電解液中の有機溶媒が実質的に通過不
可能な径の細孔を有するようにした難黒鉛化性の炭素材
料でありながら、不可逆容量が小さく、しかも放電容量
の大きなリチウムイオン二次電池用の負極材として好適
なリチウムイオン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料が安
定して得られる難黒鉛化性炭素材料の製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、熱分解炭素
を析出させた難黒鉛化性炭素多孔体であって、該難黒鉛
化性炭素多孔体がキシレノールを単位骨格とした樹脂を
原料として構成されていることを特徴とするリチウムイ
オン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料、該材料の製造方
法、及びこれらの材料を用いたリチウムイオン二次電池
である。
【0008】本発明者らは、上記した従来の課題を解決
するために鋭意検討の結果、熱分解炭素を析出させる基
材である難黒鉛化性炭素多孔体原料として、キシレノー
ル樹脂を使用することによって、放電容量の大きな難黒
鉛化性炭素粉体材料が得られることを見出して本発明に
至った。キシレノール樹脂を原料として使用した難黒鉛
化性炭素粉体材料が、なぜ、一般的に用いられているフ
ェノール樹脂を原料としたものよりも放電容量が大きく
なるかの原因は明らかではないが、以下のように考えら
れる。
【0009】即ち、キシレノール樹脂は、フェノール樹
脂と比較して側鎖の多い構造となっているため、乾留・
炭化、及び賦活などの操作の中で、フェノール樹脂に比
較し、適度な大きさを持ったオープンポアが生成し易
く、これが、リチウムイオンの吸蔵サイトとして最適な
ものとなっているためと考えられる。又、本発明者らの
更なる検討の結果、キシレノール樹脂を原料とした難黒
鉛化性炭素多孔体の粉状体を基材として用い、特定の方
法によって熱分解炭素を析出させることで、上記多孔体
の細孔が、リチウムイオン二次電池の電解液中のリチウ
ムイオンが通過可能で、且つ、電解液中の有機溶媒が実
質的に通過不可能な径となるように構成すれば、リチウ
ムイオン二次電池の負極材として好適な、放電容量が大
きく、しかも不可逆容量の小さな難黒鉛化性炭素粉体が
得られることがわかった。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げ
て本発明を更に詳細に説明する。本発明においては、難
黒鉛化性炭素材料の原料として、キシレノールを単位骨
格とした樹脂を原料とする難黒鉛化性炭素多孔体を用い
ることを特徴とする。特に、キシレノールの各異性体単
独或いは各異性体の混合物からなる単位骨格を有するキ
シレノール樹脂を難黒鉛化性炭素材料の原料に用いるこ
とが好ましい。具体的には、例えば、3,5−キシレノ
ールを単独で単位骨格としたキシレノール樹脂や、2,
4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,5−キ
シレノール、2,3−キシレノール及び3,4−キシレ
ノールから選ばれる複数の単量体が適宜な割合で混合さ
れた混合物を単位骨格としたキシレノール樹脂などが挙
げられる。
【0011】更に、本発明のリチウムイオン二次電池用
の難黒鉛化性炭素材料は、このような骨格を有するキシ
レノール樹脂からなる難黒鉛化性炭素多孔体であって、
熱分解炭素が析出されたものであるが、その際に、下記
のような方法で、難黒鉛化性炭素多孔体の粉状体を形成
し、更に、これを基材として熱分解炭素を析出させれ
ば、リチウムイオンの吸蔵サイトとして最適な適度な大
きさ(容積)を持ったオープンポアが形成され、しか
も、その細孔が、リチウムイオン二次電池の電解液中の
リチウムイオンが通過可能で、且つ、電解液中の有機溶
媒が実質的に通過不可能な細孔入口径を有するように調
整されるので、不可逆容量が小さく、しかも放電容量の
大きなリチウムイオン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料
となる。以下、キシレノールを単位骨格とした樹脂を原
料とする難黒鉛化性炭素多孔体からなる基材に、熱分解
炭素を析出させる方法について説明する。
【0012】先ず、先に挙げたようなキシレノール樹脂
を原料とし、常法に従って、窒素などの不活性雰囲気
中、500〜1200℃程度の温度で乾留し、炭化し
て、難黒鉛化性炭素多孔体を作成し、本発明のリチウム
イオン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料の基材とする。
この際、熱処理した状態の炭素材料をそのまま基材とし
て使用してもよいが、リチウムのドープ量をより多くす
るためには、更に、賦活等の処理で細孔容積を増加させ
たものを基材として用いることが好ましい。この際の賦
活処理は、水蒸気、或いは、二酸化炭素やハロゲンガス
などを用いる気相賦活でも、溶融水酸化カリウム法など
の薬液賦活でも、一般的な方法を用いて行なえばよい。
又、賦活処理までの形状については、数mm程度のペレ
ットでも、平均粒径数十μmの粉体状でもよいが、数m
m程度のペレットで賦活まで行った場合は、賦活終了後
に、平均粒径が数十μmの粉体状(微粉状)とし、これ
を基材として使用し、下記の方法で熱分解炭素を析出さ
せることが好ましい。
【0013】次に、上記のようにして得られた難黒鉛化
性炭素多孔体を基材として用い、窒素或いはアルゴンな
どの不活性雰囲気中、エチレン、トルエンなどの炭化水
素気流下で、この微粉状の難黒鉛化性炭素多孔体の細孔
表面に熱分解炭素を析出させ、本発明の難黒鉛化性炭素
材料を得る。この処理は、固定層、流動層、移動層、或
いはロータリーキルンなどの反応器で行うことができ
る。又、熱分解炭素を良好な状態で析出させるために
は、処理を、600〜1000℃の温度範囲で行なうこ
とが好ましい。この際の炭化水素の導入方法としては、
不活性ガスにより希釈しながら導入してもよいし、その
まま反応器内に導入してもよい。
【0014】上記のように、原料としてキシレノール樹
脂を使用し、基材である難黒鉛化性炭素多孔体を作成し
て、その後、該基材の細孔表面に熱分解炭素を析出させ
ることで、基材である難黒鉛化性炭素多孔体に、リチウ
ムイオンをドープするのに最適な細孔の容積を変えるこ
となく熱分解炭素が析出し、しかも、細孔入口径が、リ
チウムイオン二次電池の電解液中のリチウムイオンが通
過可能で、且つ、電解液中の有機溶媒が実質的に通過不
可能な径の細孔を有するように調整される結果、得られ
る難黒鉛化性炭素粉体は、不可逆容量が小さく、放電容
量の大きな、優れた特性のリチウムイオン二次電池を構
成し得る優れた負極材となる。
【0015】以下、本発明のリチウムイオン二次電池に
使用する各材料について説明する。電極板を形成する活
物質層は、少なくとも、下記に挙げるような活物質と結
着剤(バインダー)とからなる電極塗工液から形成され
る。本発明のリチウムイオン二次電池では、負極活物質
として、前記した構成を有する本発明の難黒鉛化性炭素
材料を使用することを特徴とする。一方、正極物質とし
ては、例えば、LiCoO2、LiMn24等のリチウ
ム酸化物、TiS2、MnO2、MoO3、V25等のカ
ルコゲン化合物のうちの一種、或いは、これらの複数種
を組み合わせて用いればよく、これによって、4ボルト
程度の高い放電電圧のリチウムイオン二次電池が得られ
る。これらの活物質は、形成される塗工膜(活物質層)
中に均一に分散されるようにすることが好ましい。この
ためには、正及び負の活物質として、1〜100μmの
範囲の粒径を有する、平均粒径が5〜40μm程度、更
に好ましくは10〜25μm程度の粉体を用いることが
好ましい。
【0016】又、活物質層を構成する結着剤としては、
例えば、熱可塑性樹脂、即ち、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、ふっ素系樹脂及びポ
リイミド樹脂等から任意に選択して使用することができ
る。
【0017】上記のような電極板を構成する活物質層
は、以下のような方法によって作成することができる。
先ず、上記に挙げた材料から適宜に選択された結着剤と
微粉末状の活物質とを適当な分散媒を用いて、混練或い
は分散溶解して電極用の塗工液を作製する。次に、得ら
れた塗工液を用いて、集電体上に塗工する。塗工する方
法としては、グラビア、グラビアリバース、ダイコート
及びスライドコート等の方式を用いればよい。その後、
塗工した塗工液を乾燥させる乾燥工程を経て、所望の膜
厚の活物質層を形成して正及び負の電極板とする。
【0018】電極板に用いられる集電体としては、例え
ば、アルミニウムや銅等の金属箔が好ましく用いられ
る。金属箔の厚さとしては、10〜30μm程度のもの
を用いる。又、以上のように作製した正極及び負極の電
極板を用いてリチウムイオン二次電池を作製する場合に
は、電解液として、溶質のリチウム塩を有機溶媒に溶か
した非水電解液を用いる。この際に使用される有機溶媒
としては、例えば、環状エステル類、鎖状エステル類、
環状エーテル類、鎖状エーテル類等が挙げられる。具体
的には、例えば、環状エステル類としては、プロピレン
カーボネート等が、又、環状エーテル類としては、テト
ラヒドロフラン等が、又、鎖状エーテル類としては、
1,2−ジメトキシエタン等が挙げられ、これらを好適
に用いることができる。
【0019】又、上記に挙げた有機溶媒と共に非水電解
液を形成する溶質のリチウム塩としては、例えば、Li
ClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiC
l、LiBr等の無機リチウム塩や、LiB(C
65)4、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3
LiOSO2CF3、LiOSO225、LiOSO2
37、LiOSO249、LiOSO2511、Li
OSO2613、LiOSO2715等の有機リチウム
塩等を用いることができる。
【0020】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。 <実施例1>3,5−キシレノール樹脂をヘキサミンで
硬化したものを原料として、常法に従って、乾留・炭化
して炭素多孔体を得た。その後、これを二酸化炭素で賦
活を行って難黒鉛化性の炭素多孔体を得た。この炭素多
孔体を、微粉砕機で平均粒径20μm程度の微粉状とし
て、本実施例で用いる基材とした。次に、この微粉体を
2g程度、石英管に装入し、電気炉にセットする。この
石英管を窒素で置換した後、窒素を流しながら石英管温
度を900℃にする。石英管の温度が900℃になった
のを確認して、3vol%トルエンを含んだ窒素を、ガ
ス滞留時間として0.02minとなるように石英管内
に導入し、熱分解炭素を、基材である難黒鉛化性炭素の
炭素多孔体の細孔表面上に析出させた。その際、導入を
開始した時間から1時間でトルエンを含んだ窒素の導入
をやめ、窒素に切り替え、石英管を冷却し、この後、石
英管より試料を取り出して、本実施例の難黒鉛化性炭素
材料を得た。更に、得られた難黒鉛化性炭素材料につい
て、後述する方法で、電極材料としての評価を行った。
その結果を表1に示したが、本実施例の難黒鉛化性炭素
材料は、不可逆容量が小さく(初期効率が高く)、しか
も放電容量の大きな、負極材料として最適な特性を有す
ることを確認できた。
【0021】<実施例2>先ず、2,4+2,5−キシ
レノールが40%、3,5−キシレノールが40%、
2,3−キシレノールが10%、3,4−キシレノール
が5%、その他5%の割合の混合キシレノール類から合
成されたキシレノール樹脂を原料とし、熱硬化させたも
のを微粉砕機で、平均粒径25μm程度の微粉状とす
る。この微粉体を常法に従って、乾留・炭化を行った
後、塩素で賦活を行って、難黒鉛化性炭素多孔体を得
た。この微粉体を基材として用い、実施例1と同様に、
トルエンを含んだガスで熱分解炭素を30min間析出
させて、本実施例の難黒鉛化性炭素材料を得た。更に、
得られた難黒鉛化性炭素材料について、実施例1と同様
に、後述する方法で、電極材料としての評価を行った。
その結果、表1に示した通り、本実施例の難黒鉛化性炭
素材料は、不可逆容量が小さく、しかも放電容量の大き
な、負極材料として最適な特性を有することを確認でき
た。
【0022】<比較例1>レゾール型のフェノール樹脂
をヘキサミンで硬化したものを原料として、常法に従っ
て、乾留・炭化した。その後、二酸化炭素で賦活を行
い、難黒鉛化性の炭素多孔体を得た。この炭素多孔体を
微粉砕機で、平均粒径20μm程度の微粉状とし、これ
を基材として用いた。この微粉体を2g程度、石英管に
装入し、電気炉にセットする。熱分解炭素の析出は、実
施例1と同様の方法で行い、本比較例の難黒鉛化性炭素
材料を得た。更に、得られた難黒鉛化性炭素材料につい
て、後述する方法で、電極材料としての評価を行った。
その結果、表1に示した通り、本比較例の難黒鉛化性炭
素材料は、不可逆容量が大きく(初期効率が低く)、放
電容量も、実施例の場合と比較して、小さいものであっ
た。
【0023】<比較例2>比較例1で使用したと同じ難
黒鉛化性の炭素多孔体を、微粉砕機で平均粒径25μm
程度の微粉状とする。この微粉体を、常法に従って乾留
・炭化を行った後、塩素で賦活を行って難黒鉛化性炭素
多孔体を得た。これを基材として用い、この微粉体を2
g程度、石英管に装入し、電気炉にセットする。熱分解
炭素の析出は、実施例1と同様にして行い、本比較例の
難黒鉛化性炭素材料を得た。更に、得られた難黒鉛化性
炭素材料について、後述する方法で、電極材料としての
評価を行った。その結果、表1に示した通り、本比較例
の難黒鉛化性炭素材料は、比較例1の場合よりも良いも
のの、不可逆容量が大きく(初期効率が低く)、放電容
量も、実施例の場合と比較して、小さかった。
【0024】
【評価】電極材料としての評価方法 図1に、テストセルの構造を示す。1は炭素を用いた電
極、2は対極として用いるリチウム電極、3は両極間の
セパレータ、4は電解液、5はリチウム電極でなる参照
電極である。各負極材1として、細孔入口径の処理調整
を終えた実施例及び比較例の難黒鉛化性炭素粒子を用
い、該粒子に対して10重量%のポリフッ化ビニリデン
を結合剤として加え、N−メチル−2−ピロリジノンを
用いてペースト状にした後、直径10mm、厚さ0.5
mmのコイン型にプレス成型したものを用いた。電解液
には、プロピレンカーボネートとジメトキシエタンの
1:1混合溶液に、支持電解質として過塩素酸リチウム
(LiClO4)を1M加えたものを用いた。
【0025】図2に、製作したテストセルについて充放
電試験を行った際の電流電位変化の概念図を示した。
尚、厳密に言うと、このテストセルにおいては、炭素極
は正極となり、炭素極へのリチウムのドーピングは放電
ということになるが、実電池に合わせて便宜上この過程
を充電と呼ぶこととする。図2に示したように、負極の
炭素電極の通電前の初期電位は、リチウム参照電極に対
して約1.5Vであり、電流密度0.53mA/cm2
の定電流で通電を開始し、充電を行った。図2に示され
ているように、この間に電極電位は徐々に下降した。そ
こで、電極電位が1mVに達したときに、定電流から定
電位に切換えて電流密度が微小になった時に電源を切
り、2時間休止後に、電位の回復が10mV程度以下に
なった時を充電終了とした。そして、2時間の休止の
後、放電を行った。放電は、0.53mA/cm2の定
電流で開始し、電位が1.5Vに達した時点で放電終了
とした。
【0026】実施例及び比較例の難黒鉛化性炭素粒子を
用いた前記した構成のテストセルで、上記のようにして
充放電を行なって求めた充電容量及び放電容量を表1に
示した。尚、上記において、充放電容量は、炭素1g当
たりの容量である。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リチウムイオン二次電池用の負極材として好適な、不可
逆容量が小さく、しかも放電容量の大きなリチウムイオ
ン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料、及びこれを用いた
優れた特性のリチウムイオン二次電池が提供される。
又、本発明によれば、難黒鉛化性炭素の原料をキシレノ
ール樹脂にすることによって、リチウムイオンをドープ
するのに最適な細孔を有する難黒鉛化性炭素多孔体の容
積を変えることなしに、熱分解炭素を析出させることで
細孔入口径を、リチウムイオンが通過可能で、該リチウ
ムイオンに比べて大きな分子サイズを有する有機溶媒が
通過不可能な径の細孔を有する、不可逆容量が小さく、
しかも放電容量の大きな、リチウムイオン二次電池の負
極材として最適な難黒鉛化性炭素が容易に製造できるリ
チウムイオン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料の製造方
法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】難黒鉛化性炭素材料の電極材料としての評価に
用いたテストセルの構造を示す図である。
【図2】充放電試験を行った際の電流電位変化を示す概
念図である。
【符号の説明】
1:電極 2:リチウム電極 3:セパレータ 4:電解液 5:参照電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 寛己 東京都千代田区九段北4−1−3 アドケ ムコ株式会社内 (72)発明者 塩出 哲夫 東京都千代田区九段北4−1−3 アドケ ムコ株式会社内 (72)発明者 茂木 康弘 東京都千代田区九段北4−1−3 アドケ ムコ株式会社内 (72)発明者 矢崎 隆一 東京都港区西新橋1−16−7 日本酸素株 式会社内 Fターム(参考) 4G046 CA04 CB02 CB05 CB09 CC02 5H003 AA02 BA01 BB01 BC01 5H029 AJ03 AK02 AK03 AL06 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ02 CJ28 DJ14 DJ16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解炭素を析出させた難黒鉛化性炭素
    多孔体であって、該難黒鉛化性炭素多孔体がキシレノー
    ルを単位骨格とした樹脂を原料として構成されているこ
    とを特徴とするリチウムイオン二次電池用の難黒鉛化性
    炭素材料。
  2. 【請求項2】 樹脂が、キシレノールの各異性体単独或
    いは各異性体の混合物からなる単位骨格を有するキシレ
    ノール樹脂である請求項1に記載のリチウムイオン二次
    電池用の難黒鉛化性炭素材料。
  3. 【請求項3】 キシレノールを単位骨格とした樹脂を原
    料とする難黒鉛化性炭素多孔体からなる粉体状の基材を
    用い、該基材を、不活性雰囲気中、炭化水素気流下で加
    熱して熱分解炭素を析出させることで、リチウムイオン
    二次電池の電解液中のリチウムイオンが通過可能で、且
    つ、電解液中の有機溶媒が実質的に通過不可能な細孔径
    を有するように調整することを特徴とするリチウムイオ
    ン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のリチウムイオン二次電
    池用の難黒鉛化性炭素材料の製造方法によって製造され
    たことを特徴とするリチウムイオン二次電池用の難黒鉛
    化性炭素材料。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項4に記載のリチウム
    イオン二次電池用の難黒鉛化性炭素材料を負極の構成要
    素としたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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