JP2000316530A - 食肉加工品の製造方法及びそれに使用する調味液 - Google Patents

食肉加工品の製造方法及びそれに使用する調味液

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な装置を必要とせずに従来の製造装置を
使用しながらくん煙処理食肉加工品の保存性、呈味、歩
留りが改善されたくん煙処理食肉加工品の製造方法及び
その際に使用する調味料の提供。 【解決手段】 食肉加工品を製造するに際し、原料肉を
血絞り処理または塩漬け工程における調味液として、水
溶液とした時全体のpHが7.5ないし10の範囲に調
整された、食塩と、食塩と同量以下のグリシンの可食性
金属塩またはそれとグリシンとの混合物を含む調味液
に、温度0〜5℃において1〜15日間浸漬するくん煙
処理食肉加工品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存性、呈味・歩
留りを改善されたくん煙処理食肉加工品の製造方法及び
それに使用するための調味液に関する。特に詳細には、
塩漬け工程においてグリシンの可食性金属塩またはそれ
とグリシンを含む調味液を使用するくん煙処理食肉加工
品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】くん煙処理食肉加工品、例えばハム、ソ
ーセージまたはベーコンなどは今日大量に生産されてい
る。これらは古くから各種の動物の肉類に対し、風味を
つけるため及びその貯蔵性を改善して保存食品とするた
めに、味つけとそれに続いてのくん煙処理が行われてい
た。本来、ハムとは豚のもも肉(骨付ハムは本来のハ
ム。)の名称であり、それが転じてその肉を食塩、硝石
その他の調味液で塩漬けした後、くん煙処理を行った食
肉加工品を指していた。他の部位の肉あるいは他の動物
類の肉類(血やその他内蔵なども含む。)を用い、同様
にくん煙処理をした製品、例えばロースハム、ショルダ
ーハム、ボンレスハム、巻きハム、プレスハムなども今
日では「ハム」と呼ばれている。
【0003】ハムは、まず肉を適当なサイズに整形し、
次いで食塩と硝酸カリウム(硝石)の混合物を擦り込み
過剰の血液などを除去(血絞り)した後、調味料により
塩漬けを行う。この塩漬けに使用する「調味料」として
は、目的とする貯蔵期間、好みなどにより変わるが、主
として食塩、硝酸カリウム、砂糖、香辛料などをそのま
ま混ぜた形のものあるいはそれを水溶液として使用す
る。通常は水溶液の形が多く使用されている。この塩漬
け処理により肉の風味を増し、防腐性が生ずると共に肉
色が固定される。漬け込みが終わった肉は木綿布に包
み、綿糸で俵状に固く締めてから比較的低温、例えば1
5ないし50℃でくん煙処理を行って製造されている。
【0004】またソーセージは腸詰とも呼ばれ、血絞り
処理(塩漬けも同時に行われる。)した食肉加工品原料
肉類をひき、調味香辛料を加えながら練り上げ、動物の
腸などまたはこれに代わる包装材(セロファン、ライフ
ァンなど)に詰め込み、これに乾燥・くん煙を行って、
貯蔵性のある食用に便利な形とした食肉加工品である。
原料の肉の種類、包装材の種類、調味加工法の種類、あ
るいは製品の性質(ドライ・ソーセージ、ドメスティッ
ク・ソーセージ、ハムソーセージ)などにより多くの種
類があるが、くん煙処理の前に肉類を練りながら「調味
香辛料」を混ぜた後、これを包装材に詰めくん煙処理を
行うが、ここで使用する「調味香辛料」としては砂糖、
化学調味液及び香辛料(こしょう、ナツメグ、オールス
パイスなどあるいは生姜汁などのハーブ類)を用いる。
くん煙処理は、ハムのくん煙処理の場合よりは若干高め
の温度で行われる。
【0005】ベーコンは、本来は豚の側腹部の肉の名称
とのことであるが、今日では転じて、これを調味し、く
ん煙処理した加工品を呼んでいる。原料として脂肪の多
い豚の側腹部を用いるほかは製造法としてはほとんどハ
ムと同様である。すなわち整形した肉を血絞り処理を行
い、これに食塩及び硝酸カリウムからなる「調味料」を
擦り込み塩漬けをして味付けし、これを低温(例えば1
5ないし30℃)でくん煙処理する。ベーコンのような
脂肪の多い食品では、くん煙処理により肉に独特の風味
と脂肪の酸化防止作用とが与えられ、風味と保存性が改
善されている。
【0006】上記したようにハム、ソーセージまたはベ
ーコンなどのくん煙処理食肉加工品は、呈味のために塩
漬けまたは「調味香辛料」を使用し、独特の風味と保存
性を改善するためにくん煙処理及びくん煙後の水煮(湯
煮)などの処理をしている。これらの食肉加工品は保存
性を目的としているために更なる保存性の改善が要求さ
れているだけでなく、品質の改善となる呈味の改良、コ
ストの削減と品質の改善につながる製造における歩留り
(肉汁など水分の保持量)の改善が望まれている。歩留
りの改善は製品収率の向上のみならず、呈味の主体とな
る肉汁の逃散を防ぎ、製品肉質を柔らかくし品質の向上
に大きく貢献するものであり、きわめて重要な性質であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特別な装置
を必要とせずに従来の製造方法の装置を使用しながら、
くん煙処理食肉加工品の保存性、呈味・歩留りが改善さ
れた、安価であり、簡易なくん煙処理食肉加工品の製造
方法の開発並びにその際に使用する「調味料」の開発を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、 [1] くん煙処理をした食肉加工品を製造する場合、
食肉加工品原料(原料肉)を、血絞り処理または塩漬け
工程における調味液として、水溶液としたとき全体のp
Hが7.5ないし10の範囲に調整された、食塩と、食
塩と同量以下のグリシンの可食性金属塩またはグリシン
の可食性金属塩とグリシンとの混合物を含む調味液に浸
漬することを特徴とするくん煙処理食肉加工品の製造方
法、 [2] 浸漬処理が、温度0ないし5℃において、1な
いし15日間浸漬する上記[1]に記載のくん煙処理食
肉加工品の製造方法。 [3] 食肉加工品原料に対し、調味液をグリシン換算
(グリシンの可食性金属塩及びグリシンの合計)で、重
量比で0.1ないし10%使用する上記[1]または
[2]に記載のくん煙処理食肉加工品の製造方法、 [4] くん煙処理食肉加工品がハム、ソーセージまた
はベーコンである上記[1]ないし[3]のいずれかに
記載のくん煙処理食肉加工品の製造方法、
【0009】[5] 水溶液としたとき全体のpHが
7.5ないし10の範囲となるように調整された、食塩
と、食塩と同量以下のグリシンの可食性金属塩またはグ
リシンの可食性金属塩とグリシンとの混合物を含むこと
を特徴とする食肉加工品の保存性を改善する調味液、 [6] 調味液にグリシンの可食性金属塩とグリシンの
混合物を使用する場合、グリシンの可食性金属塩とグリ
シンの配合比が重量比で1:0.1ないし1:10の範
囲である上記[5]に記載の食肉加工品の保存性を改善
する調味液及び [7] 水溶液としたとき全体のpHが7.5ないし1
0の範囲となるように調整された、グリシンの可食性金
属塩とグリシンとの混合物を含むことを特徴とする食肉
加工品の呈味・歩留り改善剤を開発することにより上記
の目的を達成した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の対象とする食肉加工品と
しては、血絞り処理工程または血絞り処理をした食肉加
工品原料を塩漬け工程において食塩を含む「調味液」に
より味つけされる保存用の食肉加工品であって、該工程
によって味つけしたのちくん煙処理により風味付けと保
存性を改善したもの、例えばハム、ソーセージあるいは
ベーコンのごときくん煙処理をした保存用の食肉加工品
を対象とする。したがってハンバーグステーキのごとき
調理され、ただちに食べられるあるいは冷凍品として保
存するような食肉加工品は対象とはしない。
【0011】本発明で使用する調味料としては、『水溶
液としたとき、全体のpHが7.5ないし10の範囲と
なるように調整された、食塩とグリシンの可食性金属塩
および/またはグリシンの可食性金属塩とグリシンとの
混合物を含む調味液』であり、食塩及びグリシンの可食
性金属塩、あるいは更にグリシンを含む成分、あるいは
更に香辛料、香料、ハーブエキスなどを含むもので、こ
れを水に溶解(不溶成分があってもよい。)したとき、
アルカリ成分としてのグリシンの可食性アルカリ金属
塩、酢酸、クエン酸、酒石酸、りんご酸などの有機酸の
アルカリ塩など、あるいは酸成分としての酢酸、クエン
酸、りんご酸などを加えて該水溶液のpHが7.5ない
し10、好ましくは8ないし9になるように調整し、こ
れを水に溶解したものである。したがって本発明におい
てはこれを「調味料」でなく「調味液」という。本発明
では水溶液(「調味液」)として使用するため、調味料
粉末の形状で原料に擦り込む場合に比較して調味料が食
肉加工品製品全体に均一に浸透し、部分的に濃淡のない
肉汁など水分の保持量、風味つけができ、呈味・歩留り
の優れた製品とすることができる。
【0012】もちろん、本発明の「調味液」は、保存性
を改善するといっても食肉加工品に味つけするための
「調味液」であるので、基本となる食塩及び対象とする
食肉加工品(ハム、ソーセージなど)に特有の香辛料、
アルコール成分、ハーブなどが調味料成分として含ま
れ、更にグリシンの可食性金属塩あるいはこれとグリシ
ンの混合物を加えたものである。グリシンの可食性金属
塩は、歩留りを改善するのに効果があるが、食肉加工品
原料全体に均一に浸透しない時は十分にその効果を発揮
できない。特に調味料を粉末状態で擦り込んだ場合など
は原料肉内の移動が極めて遅いためどうしても原料肉内
に均一に浸透せず、不均一となり歩留りが低下し、肉汁
の保持性が悪くなるだけ呈味の改善効果も低下する。ま
たグリシンは、それ自身動物性食品や植物性食品に広く
含まれているアミノ酸であり、呈味成分として知られて
おりまた食品などの保存性を改善する添加剤としても知
られており、食品添加剤として使用されているものであ
る。
【0013】本発明の「調味液」においては、必須成分
としてグリシンの可食性金属塩単独、あるいはグリシン
の可食性金属塩とグリシンの混合物を使用する。グリシ
ンの可食性金属塩単独の際にはグリシンの効果は食肉加
工品原料内のグリシンだけとなるため余り期待できな
い。グリシンの可食性金属塩とグリシンの混合物を使用
する時は、その配合比は重量比で1:0.1ないし1:
10の範囲、好ましくは1:0.5ないし1:2の範囲
内にすることが好ましい。グリシンの配合量が0.1未
満においてはグリシンを添加した特有の呈味及び保存性
の改善が不十分となり、また10を超える場合にはグリ
シンの可食性金属塩の有する歩留り(肉汁など水分の保
持性能)の改善効果が低下し、食肉加工品の柔らかさ、
弾力性の改善が不十分となる。また調味液に対するグリ
シンの可食性金属塩及びグリシンの配合量は、グリシン
換算(グリシンの可食性金属塩及びグリシンの使用した
モル量をグリシンの重量に換算した量)として、食塩と
同重量以下、好ましくは0.5倍以下が好ましい。食塩
含有量より多過ぎるときは塩分が不足した味となるかま
たは塩分が適当である時はグリシンの可食性金属塩また
はグリシンの効果の向上がなくコストアップを招くだけ
である。
【0014】なお従来の食肉加工品の調味液としては、
場合により硝酸カリウムや重合りん酸を加えた調味液が
ある。しかし本発明の「調味液」は、食塩、香辛料など
のほかにグリシンの可食性金属塩またはこれとグリシン
の混合物を使用しており、更に調味液全体としてpH
7.5ないし10に調整してあるので、重合性りん酸を
加えなくとも加工食肉の弾力性が向上し、また歯触りが
改善されており、また食肉加工際の歩留りが向上するな
どグリシンの可食性金属塩の使用により重合性りん酸の
効果は補完されており、また硝酸カリウムによる肉の発
色と殺菌保存効果もグリシンの配合により確保でき、保
存性が大きく改善されるので、これらはあってもよい
が、効果がないので食品衛生上添加しない方が好まし
い。
【0015】くん煙処理をするハム、ソーセージあるい
はベーコンなどに使用する本発明の「調味液」として
は、それぞれのくん煙処理食肉加工品の基本となる食
塩、各種香辛料(食肉加工品の種類により各種のハー
ブ、野菜汁、ブランデーやウイスキーなどを使用してい
る。)その他の配合物に加え、グリシンの可食性金属塩
あるいは更にこれにグリシンを加えた混合物を配合した
ものであり、硝酸カリウム及び重合性りん酸はあっても
よいが必須成分として不要のものである。この場合グリ
シンの可食性金属塩及びグリシンはこれら硝酸カリウム
及び重合性りん酸の有する肉の色付け、保存性改善、歩
留り改善などの作用を代替しているのでこれらを配合す
る意味はほとんど失われている。特に重合性りん酸(ナ
トリウム塩)は、食肉加工品の風味を低下させ、カルシ
ウム、鉄などの吸収を阻害するなどの問題があり、これ
を配合しない調味液は好ましいものである。
【0016】本発明のくん煙処理食肉加工品における
「調味液」の使用方法は、通常の食肉加工品の製造方法
と同様に、血絞り処理工程または血絞り処理した後の食
肉加工品原料あるいはくん煙処理する前の半加工品を本
発明の調味液に漬け込む(「塩漬け工程」という。)こ
とにより行う。塩漬け工程は、処理温度が好ましくは0
ないし5℃、特に好ましくは2ないし4℃、処理時間は
対象の食肉加工品により若干異なるが、ハムなどのよう
に大きな肉塊のまま処理をする時は好ましくは1ないし
15日、特に好ましくは5ないし8日くらい、ソーセー
ジなどのように原料肉を小塊に切断した形で処理をする
時は好ましくは1ないし3日くらいである。
【0017】処理温度を0℃以下にすることは調味液が
氷結する傾向にあり、氷結するときは食肉加工品原料へ
の調味液の浸透性が低下するので好ましくない。しかし
できるだけ低温において処理することが好ましい。5℃
を超える温度における処理は食肉加工品原料の腐敗はな
いようであるが呈味が低下する傾向にある。またハムな
どのように大きな肉塊の場合処理期間が3日より短い時
は、調味液の浸透が不十分となり、呈味が不十分となる
傾向にある。一方15日を超える処理期間は特に呈味の
向上も期待できず生産性も低下する傾向にある。該調味
液に浸漬処理期間中、食肉加工品原料の肉塊は1日ない
し2日に1回程度上下を移動させ、調味液との接触を均
一にできるようにする。
【0018】調味液の使用量は、原料食肉にたいし、食
塩成分の含有量以下であって、グリシン換算で0.1な
いし10重量%、好ましくは0.5ないし5重量%使用
する。この範囲の下限(0.1重量%)外であると発明
の効果を得ることができないし、上限(10重量%)以
上であるとコストアップになるだけでそれ以上呈味・歩
留り向上の効果が飽和して意味のない添加量のものを使
用することになり、コストアップとなるか余分のグリシ
ン換算量の添加は風味を阻害することになる。本発明の
調味液は、血絞り処理に使用する食塩含有混合物(食塩
と硝酸カリウムの混合物)と異なり、最終の味つけ(食
塩含有組成物で処理する最終の段階)用の調味料であ
る。
【0019】
【実施例】[評価方法] 食肉加工製品(ハム及びソーセージ)の評価は次の3項
目を行った。 (1)官能評価 官能評価は、10人の評価担当者による製品の風味・食
感の評価により行った。なお弾力の評価は妥当な数値化
が困難であったので、食感でこれを代替して行った。 評価基準 ◎:風味・食感共に良好。 ○:風味・食感共に違和感なし。 △:風味・食感のいずれかに問題あり。 ×:風味・食感共に問題あり。
【0020】(2)歩留り性評価 食肉加工製品(ハムまたはソーセージ)の2gを秤量容
器に取り、135℃±2℃で2時間乾燥し、デシケータ
内で放冷後、乾燥前後の重量差から下記式により乾燥減
量(%)を求めた。 乾燥減量(水分)%=(乾燥前重量−乾燥後重量)/
(乾燥前重量)×100 (3)保存性評価 25℃において7日間保管した食肉加工製品の25gを
採取し、滅菌したリン酸緩衝液(pH=7.2)225
mlを加えて懸濁試料原液を作成した。この試料原液を
適宜前記緩衝液を加えて希釈し、その1mlを検液と
し、標準寒天培地に懸濁固化した。該寒天培地を37℃
で24時間培養を行い、培地上に出現したコロニーをカ
ウントし、得られた数値に希釈倍率をかけ合わせて食肉
加工製品1gあたりの生菌数を測定した。
【0021】(実施例1ないし4)血絞り処理をした骨
付きの豚のもも肉(食肉加工品原料)の塩漬け工程にお
ける調味液として、原料肉に対して5重量%となる食塩
と、表1に示す割合のグリシンナトリウムまたはグリシ
ンナトリウムとグリシンとの混合物を含む水溶液を酢酸
を用いてpHを調整した調味液(原料肉に対し50重量
/容量%)を用いて表1に示す処理温度、処理日数で塩
漬け処理を行い、該処理をした後木綿布に包んで25℃
において4日間くん煙処理を行い、次いで70℃の温水
中で2.5時間温煮を行い、冷却し、木綿布をほどいて
冷蔵庫中に保管した。冷蔵庫中で24時間冷却後、該ハ
ムの官能評価、歩留りの評価(乾燥減量)及び保存性の
評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0022】(比較例1ないし2)比較例1は、グリシ
ンナトリウムを使用しない調味液を用いた以外はすべて
実施例1と同様にしてハムを製造した。比較例2は、グ
リシンナトリウムに代え、ポリリン酸ナトリウムを用い
た以外は実施例2と同様にしてハムを製造した。これら
得られたハムは実施例1と同様に官能評価、歩留りの評
価及び保存性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0023】(比較例3ないし6)調味液を実施例1な
いし4に使用したものと同じ調味液を用いたが、処理温
度を10℃(比較例3及び5)及び処理時間を0.5日
間(比較例4及び6)としたこと以外は各実施例と同様
にしてハムを製造した。これら得られたハムは実施例1
と同様に官能評価、歩留りの評価及び保存性の評価を行
った。評価結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】(実施例5ないし8)豚の肩肉及びその約
30%の脂肪(食肉加工品原料)を各3cm位にさいの
目に切り、血絞り工程における調味液として、原料肉に
対して5重量%となる食塩と、表1に示す割合のグリシ
ンナトリウムまたはグリシンナトリウムとグリシンとの
混合物を含む水溶液を酢酸を用いてpHを調整した調味
液(原料肉に対し50重量/容量%)を用いて表1に示
す処理温度、処理時間で血絞り工程を行った。該処理を
した後ミート・チョッパーで引き、これに香辛料として
ショウガ汁、こしょう、にんにく、ウィスキー、グルタ
ミン酸ソーダを加えて練り上げ、豚の小腸に詰め込ん
だ。これを45℃で約40分間くん煙処理を行い、次い
で70℃の温水中で45分間温煮を行い、氷水で冷却
し、冷蔵庫中に保管しソーセージを製造した。これを冷
蔵庫中で24時間冷却後、該ハムの官能評価、歩留りの
評価(乾燥減量)及び保存性の評価を行った。評価結果
を表2に示す。
【0026】(比較例7ないし8)比較例7は、調味液
としてグリシンナトリウムに代え硝酸カリウムを食肉原
料に対し0.3重量%を使用したほかは実施例5と同様
にしてソーセージを製造した。比較例8は、比較例7に
使用した溶液に更にポリリン酸ナトリウムを食肉原料に
対し2重量%を添加した調味液を使用したほかは実施例
6と同様にしてソーセージを製造した。得られたソーセ
ージは実施例5と同様に官能評価、歩留りの評価及び保
存性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0027】(比較例9ないし12)調味液を実施例5
ないし8に使用したものと同じ調味液を用いたが、処理
温度を10℃(比較例9及び11)及び処理時間を0.
5日間(比較例10及び12)としたこと以外は各実施
例と同様にしてソーセージを製造した。これら得られた
ソーセージは実施例5と同様に官能評価、歩留りの評価
及び保存性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明はくん煙処理して食肉加工品を製
造する場合に、血絞り処理または塩漬け工程において使
用する調味液として、食塩と、食塩と同量以下のグリシ
ンの可食性塩またはそれとグリシンの混合物を含む調味
量を使用するものであり、この結果該調味液を使用する
時には従来の装置をそのまま使用して製品の保存性、呈
味・歩留りが改善でき、安価であって、ポリリン酸など
を使用せずに従来品より優れたくん煙処理食肉加工製品
を製造することができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/317 A23L 3/3526 501 3/3526 501 A23B 4/04 503A Fターム(参考) 4B021 LA06 LA41 LW04 MC01 MC10 MK08 MK23 MP02 MP04 MQ04 MQ07 4B042 AC03 AC05 AC06 AC10 AD01 AD02 AD03 AG03 AH01 AK01 AK10 AP07 AP16 4B047 LB09 LE01 LF04 LG03 LG04 LG15 LG50 LP20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 くん煙処理をした食肉加工品を製造する
    場合、食肉加工品原料(原料肉)を、血絞り処理または
    塩漬け工程における調味液として、水溶液としたとき、
    全体のpHが7.5ないし10の範囲に調整された、食
    塩と、食塩と同量以下のグリシンの可食性金属塩または
    グリシンの可食性金属塩とグリシンとの混合物を含む調
    味液に浸漬することを特徴とするくん煙処理食肉加工品
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 浸漬処理が、温度0ないし5℃におい
    て、1ないし15日間浸漬する請求項1に記載のくん煙
    処理食肉加工品の製造方法。
  3. 【請求項3】 食肉加工品原料に対し、調味液をグリシ
    ン換算(グリシンの可食性金属塩及びグリシンの両方)
    で、重量比で0.1ないし10%使用する請求項1また
    は2に記載のくん煙処理食肉加工品の製造方法。
  4. 【請求項4】 くん煙処理食肉加工品がハム、ソーセー
    ジまたはベーコンである請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載のくん煙処理食肉加工品の製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶液としたとき、全体のpHが7.5
    ないし10の範囲となるように調整された、食塩と、食
    塩と同量以下のグリシンの可食性金属塩またはグリシン
    の可食性金属塩とグリシンとの混合物を含むことを特徴
    とする食肉加工品の保存性を改善する調味液。
  6. 【請求項6】 調味液にグリシンの可食性金属塩とグリ
    シンの混合物を使用する場合、グリシンの可食性金属塩
    とグリシンの配合比が重量比で1:0.1ないし1:1
    0の範囲である請求項5に記載の食肉加工品の保存性を
    改善する調味液。
  7. 【請求項7】 水溶液としたとき、全体のpHが7.5
    ないし10の範囲となるように調整された、グリシンの
    可食性金属塩とグリシンとの混合物を含むことを特徴と
    する食肉加工品の呈味・歩留り改善剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017189157A (ja) * 2016-04-16 2017-10-19 株式会社ホクビー 食肉製品用調味液

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